カテゴリー:「美術館・博物館」


トップページ » 4.スタッフ便り » 美術館・博物館

特別展「雪村-奇想の誕生」

 

flyer.jpg

東京芸術大学大学美術館において特別展「雪村-奇想の誕生」が開催されています。 戦国時代の画僧、雪村周継(せっそんしゅうけい)の主要作品約100件と関連作品約30件で構成される大回顧展で、弊所所蔵の「蕪図」(下の写真参照)も出品されています。 雪村の生涯は未だ謎に包まれていますが、その作風は、伊藤若冲、歌川国芳など「奇想の画家」と呼ばれる絵師たちの先駆けと位置づけられ、今まさに注目すべき画家といえます。

会期は5月21日(日)までです。この機会にぜひご来場ください。

なお同展は、8月1日(火)より9月3日(日)までMIHO MUSEUM(滋賀県)でも開催されます。

 

kaburazu.jpg

「蕪図」(雪村筆/禅文化研究所蔵) 禅文化研究所デジタルアーカイブズ「禅の至宝」より

 

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

特別展「原の白隠さん」

花園大学歴史博物館では、来たる4月3日(月)~6月10日(土)のあいだ、白隠禅師250年遠諱記念「原の白隠さん -松蔭寺と静岡沼津伝来の禅画・墨蹟」展を開催されます。

今年の白隠禅師250年遠諱正当に合わせて、昨年秋より3部にわけて開催されている白隠禅師の特別展の一環で、今回は第2部にあたります。(前回は「正受老人と信濃の白隠」:2016年10月10日~12月10日)

白隠禅師が得度をされ、また住職を勤めながら多くの弟子達を接化されていた沼津市原の松蔭寺。この松蔭寺に残されている多くの遺墨を中心に白隠画の魅力にせまる展覧会です。

会期:2017年4月3日(土)~6月10日(土)
休館日:日曜日および5月5日・6日(但し大学行事により臨時休館する場合があります)
開館時間:10:00~16:00(但し土曜日は14:00まで)
入館料:無料
主催:臨済宗妙心寺派、花園大学歴史博物館
協賛:学校法人 花園学園

期間中、2期にわけて展示替えも行なわれます。是非、お近くにおいでの際にはお立ち寄りください。

 

※展覧会の詳細は下パンフレットの画像(表・裏)をクリックすると拡大して表示されます。

2017白隠展(表).jpg表面

2017白隠展(裏).jpg裏面

 

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

泉屋博古館 特別展「高麗仏画-香りたつ装飾美」


001.JPG京都は岡崎にある、泉屋博古館に行ってきました。南禅寺、永観堂、法然院など有数の紅葉名所が建ち並ぶエリアとあって、一帯は大混雑だったのですが

002.JPG館の周辺は、こんなに静か。山裾の瀟洒な美術館です。

003.JPG泉屋博古館は住友家が蒐集した美術品を保存・展示する施設。特に第15代・住友春翠(友純)が集めた中国の古銅器と鏡鑑は白眉で、中国以外では最も充実したコレクションといわれているそうです。実際、広い展示室が4つもありじっくり観るなら半日は必要かも。

004.JPGエントランスにて。遊び心のある演出が少し意外でした(いくつになってもこういう仕掛けには心が動きますが、あいにく単独行動でした。残念です)。

005.JPG前置きが長くなりました。この日の目当ては、高麗王朝後期(13~14世紀)に制作された華麗な仏画。館所蔵の重文「水月観音像(楊柳観音像)」の全面解体修理が終わったタイミングで、国内38年ぶりという高麗仏画の特別展が開催されているのです。

かつて韓国で高麗仏画を拝見する機会に恵まれた私は、一目でその繊細な美しさの虜になってしまったのですが……。現存する高麗仏画は全世界でも160点ほどだそうで、まとまった形ではあまりお目にかかれないのが実情と知りガッカリ。まさかこんな日がやってくるとは。とても嬉しかったです。

006.jpgこれらの荘厳は仏の徳を表わすのだそうです。やはり、このうっとりするほど繊細な装飾が人の心を掴むのでしょうか、開会早々すでに人気の展覧会だとか。会場では修復の技法や成果なども紹介されています。「どれだけ細かいんだ」と気が遠くなる作業ぶりですが、人が畏敬の念を抱く仏画の秘密を垣間見た気もしました。皆さまも是非。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

「近世京都の宮廷文化 ~宮廷大礼文化の風景~」展

 

近世京都の宮廷文化_omote.jpg

昨日のブログ禅で書いた光雲寺に遺る東福門院像は、現在、この「近世京都の宮廷文化 ~宮廷大礼文化の風景~」展に出品されています。まことに京都ならではの展覧会、お運びになってみては如何でしょうか。

上記リーフレットの裏側も掲載させて頂いておきます。いずれの画像もクリックすると大きく表示します。

近世京都の宮廷文化_ura.jpg

 

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

「永源寺に伝わる書画」展(滋賀県・觀峯館)

 

koba_flyer.jpg

先日、滋賀県東近江市にあります觀峯館に行ってまいりました。
書家の原田観峰氏の名前を冠されており、中国様式の建物と新館とに分かれており、今まで見たこともない大きな硯や、中国の書、離宮避暑山荘内部の復元などが展示されており、山荘内部は装飾品や天井まで細部にわたり復元されていました。

koba_0806.jpgこれにはアナウンスの説明もあり、当時の隆盛が良くわかります。
また、建物の最上階は展望台で、遠くの景色まで見渡せ、この日は天気があまりよくなかったのですが、晴れた日にはどんなにか気持ちが良いだろうと、少し残念でもありました。
また、オルゴールやクラッシクカーの展示もあり、多彩な展示物で楽しく過ごせます。

koba_0805.jpg今回は、滋賀県東近江市にある臨済宗永源寺派の大本山永源寺の開山である寂室元光禅師の650年遠諱に合わせて觀峯館で開催されています、「永源寺に伝わる書画」を伺いまいりました。あわせて、先月弊所より刊行いたしました季刊『禅文化』242号にも特集「永源寺開祖・寂室元光禅師」を組ませていただいています。

この企画展は11月20日まで開催されています。
会期は9月17日からでしたので、現在は後期展示となっていますが、ふだん拝見する事のできない寂室元光禅師や一絲文守禅師の墨蹟等、素晴らしい展示ばかりでした。
もう少し展示物の紹介をしなければいけないとは思うのですが、ぜひ、幣所刊行の242号を手に、寂室元光遺戒や墨蹟、江戸前期に書かれた「達磨図」の朱の色、そして、「地蔵十王図」の迫力に、足をはこんでいただきたく、少しだけの紹介とさせていただきます。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

作品の集荷

 

10月18日(火)から東京国立博物館で始まる特別展「禅―心をかたちに―」(特設サイトはこちら)に出展される作品の集荷に大徳寺本山に伺いました。大徳寺では、前々日に本山の宝物を一堂に展観する曝涼展があり、1500人を超える観覧者があったそうです。

 

daitoku02_b.jpg

 

特別展には大徳寺から国宝・重文クラスを中心に十数点出展されます。集荷では、絵画や彫刻担当の博物館学芸員が、一点一点状態をチェックします。確認を終えた作品は運送業者によって丁寧に箱詰めされてゆきます。この一連の流れは手慣れたものです。



daitoku01.jpg

daitoku03_b.jpg開幕まであと僅か。会場の準備も順調に進んでいます。東京展のみに出品される宝物も多数あります。また、前期・後期で大幅な作品の入れ替えもあります。この機会にぜひ足をお運びください。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

花園大学歴史博物館 特別展「正受老人と信濃の白隠」

 

2016-10-04-1.jpg来たる10月10日より12月10日まで、花園大学歴史博物館にて白隠禅師250年遠諱記念「正受老人と信濃の白隠」が開催されます。

このたびの特別展は、妙心寺派の白隠禅師250年遠諱事業の一巻として開催されるもので、今回を含め3回の特別展が予定されているようです。

とくに今回は、白隠禅師の修行時代に縁の深い信濃国(長野県)に伝来している遺墨を展観するとのこと。今まであまり眼に触れなかった逸品も展示されるとの事ですので、是非、花園大学までお運び下さい。

hakuin_ura.jpg

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

大茶の湯釜展 -MIHO MUSEUM-

 


160726-1.jpg滋賀県のミホミュージアムを訪れました。
恐らく釜のみの展覧会でこれほどの規模のものは初めてなのでは?!と思うのですがいかがでしょうか。

「大茶の湯釜展-茶席の主-」。
副題に「茶席の主」とあります。確かに客の席入り前から見送り後までずっと鎮座まします茶の湯の釜。茶会を催す事を「釜を掛ける」とも申しますし、そうもとれなくはないのかもしれません。
個人的には「主」とまで言ってしまうのはどうなのだろうと思うのですが、まだまだわかっていない証拠でしょうか。

160726-2.jpg
長年茶の湯の稽古は続けていても、一つ一つの道具となると意外と詳しいところまでは知らない事も多く、改めて学ばせていただきました。

ただいま少し稽古を中断しておりますが、最後に濃茶を点てる映像(釜の音の変化を聴く為のVTRが流れていました)を観て、茶室での様々な音を聴いておりますと、点前をする時のあの心地よさ、精神の落ち着きを感覚的に思い出し、なんともいえない気持ちになりました。
少し離れる事でまた、新たに深まるおもいもあるものだな……と思った次第です。

今週末、7月31日まで。是非おでかけください。

160726-3.jpg

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

俺たちの国芳わたしの国貞展

 

2016-07-02-12.53.jpg神戸市立博物館で展観されているボストン美術館所蔵「俺たちの国芳わたしの国貞」展を観て参りました。

歌川国芳と歌川国貞などの浮世絵師によって描かれた浮世絵は、江戸から明治期に、その美しさ、奇抜さに惹かれた医者のウィリアム・ビゲロー(1850-1926)たちによってその多くが海外に持ち出され、今はボストン美術館に多数所蔵されています。100年ほどたって、最近ようやく14000枚もの浮世絵のアーカイブが整理されたとのことで、その中から厳選されたものとはいえ、この二人の浮世絵がこれほど多く一同に公開されるのは初めてとのことでした。

水滸伝の登場人物で、「花和尚」と呼ばれカラクリモンモンで有名な魯智深から始まる、水滸伝の登場人物を日本の歌舞伎役者に当てはめて描かれていたり、当時の花形役者を並べて描いたり、ホラー的な絵があったり、歌舞伎の楽屋裏を描いたりと、広範囲でユニーク。書かれている文字も漫画的であったり、非常に楽しむことができました。

2016-07-02-13.03.jpgそして、驚くことに、7月末までの期間限定ではありますが、場内をこのようにスマホなどで撮影することが許可されていて、それをどんどんSNSにアップして欲しいとのこと。それぞれの絵には丁寧なキャプションがありましたが、その他に、絵の上部には一行のコメントが付されていて、それがまた若者ウケしそうな内容。「花形役者」の横には「アイドル」とルビがあったり、この展覧会に若者達を呼び寄せ、浮世絵に興味を持って貰おうという主旨がはっきり見て取れました。

それから、猫好きだった国芳ならではの猫満載の絵も。可愛い猫や化け猫があちこちで登場します。

2016-07-02-13.05.39.jpg

猫だらけでしょう?

会期は8/28まで。夏休みに入ると混み合うかも知れませんが、いまのところは、ゆっくり観ることができました。暑い夏です。お近くにおいでの際は、涼みがてらいかがでしょうか。

by admin  at 08:53  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

鈴木大拙館 -金沢市-

 


160531.jpg 「鈴木大拙没後50年記念特別展 O Wonderful !」が開催中の鈴木大拙館にお邪魔しました。

O Wonderful ! はご存知シェイクスピアの『お気に召すまま』に出てくるセリフであります。
大拙先生が「妙」の英語訳に頭を悩ませておられたところ、このセリフと出会い、まさにこれこそ「妙」を表現するのにぴったりだということで、西洋に「妙」の概念が伝わる事となったわけです。

大拙先生の秘書をされていた岡村美穂子先生は、この事を仰る時には必ずといって良いほど、「and yet agein ってもう1回最後に言ってるでしょう?そこなのよ!!!」と。
それを仰る時の先生の目の鋭さと輝き、力強い口調もいつも同じです。
皆さまどうでしょうか???

160531-1.jpg
美穂子先生とお話させていただいておりますと、直訳ができない、日本語にしか無いような言葉、仏教用語などを、大拙先生が絶妙な英語で訳された事を知る機会が多く、感服すると同時に、その背景に仏教の教えや文化が含まれている日本語の豊かさに気付かされます。


話は変わりますが、先日ブログにてご紹介しました言葉についてお尋ねしますと、

大拙先生がアメリカにいらした時に、ある西洋人の登山家が、エヴェレスト登頂に成功し、「自分はエヴェレストを征服した……」と表現したことから出てらしたお言葉であった事が判明しました。
さらにその登山家は、自国の旗を山頂に立ててきたのだとか。
一方、ネパール人シェルパは、自身の持ち物の中から、命綱ともなるチョコレートを埋め、下山したのだそう。

私も、いろんな宗教に触れたいと、大学の卒業旅行でネパールに行きましたが、結局は、どんな聖地や寺院よりも、4200メートルから見た8000メートル級の山々の方が、どうしたって鮮明に印象に残っています。
神そのものなのだと思うしかありませんでした。
大自然は決して人の手でどうにかなるものでは無く、神仏そのものの現れ。
東洋的考え方、見方はいつも最先端かと。

今一度、大拙先生のお言葉に触れてみる機会を、皆さまも是非。
東京からの新幹線開通のせいか、いつも以上に賑わいを見せる金沢の町でした。
 
 
*季刊『禅文化』237号は、鈴木大拙先生と西田幾多郎先生の特集号です。詳細はこちらからどうぞ。

 

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

岸野承展 -日本橋高島屋-



0510pickup_e06.jpg日本橋高島屋にて、彫刻家の友人・岸野承氏の個展が開催されます。

埋もれ木や古材を使い、その木々たちが内含していた力を、形として現わす手助けのような事を彼がしているのだと思うのですが、時に彼が昔傾倒したジャコメッティのようだと表現されたり、円空のようと言われたりしています。

私自身は、作品を観て「~のようだ」などとは表現しようと思った事もありません。
どこまでいっても彼自身なのか、それともそれを捨て去っているのか、それだけのような……。

 
是非ご覧になってみてください。
ちなみに、先日は上司のお寺の扁額を作っていましたので、こちらの記事もあわせてどうぞ。

6月1日(水)~7日(火)
日本橋高島屋
6階 美術工芸サロン
※最終日は午後4時閉場。

 
サンガセミナー受講者募集中

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

杉本博司 趣味と芸術-味占郷 -細見美術館-


160523-1-1.jpg杉本氏の作品との出会いは、何年か前に美術館で彼独自の表具、“杉本表具”に驚嘆したのが最初です。

できあがってきた表具に対して、「こういうイメージではなかった。もっとここをこうして…」などと言う事は少しはできても、本紙を目の前にビシッと「こうしたい」と明確に表具のイメージを持つ事はとても難しいことだと思うのです。

それが、彼の手にかかれば、大燈国師墨跡から西洋の古い絵画に到るまでが、寸分の迷いもなさげな表具により、引き立てられるのです。使われている紙や裂や軸先にも弥が上にも興味をそそられてしまいます。


どこにもカテゴライズされない自在の人。
どういう経歴の持ち主で何をしている人なのかは私は詳しく存じませんが、そんな事はどうでも良いと思わされ、ただただ彼の世界を楽しみたいと思うのです。
誤解を恐れずに申し上げるならば、私にとってはなんとなく利休さんを彷彿させる人であります。

6月19日まで、京都は岡崎の細見美術館にて。

by admin  at 09:07  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

「山と仲良しになった」 -鈴木大拙先生のおことば-

 

160518.jpg

登山に成功したら「山と仲良しになった」と何故言わないのか。征服するべき対象を探し求めるのは自然にたいする東洋的態度ではない。われわれは富士にも登るが、その目的は富士を「征服する」のではなくて、富士の美麗、壮大、孤高に打たれるにある。 
(『続 禅と東洋文化』鈴木大拙 より)



本年は、海外に向けて仏教や日本文化、そして何よりも“禅”を伝えられた鈴木大拙先生の没後50年の年にあたります。

個人的にも、秘書であった岡村美穂子先生にお目に掛かる機会が度々あったりと、大拙先生のおことばに触れる機会に恵まれており、時代が変われど褪せる事のないその御教えに、改めて感じ入っております。

昨今日本を揺るがす自然災害ですが、同時に自然とは我々に計り知れない恵みをももたらしてくれることを、日本人はちゃんと知っています。
では、どのように付き合ってゆくのか。

自然とのつき合い方、自身との向き合い方、日本人としての在り方のヒントが多々、大拙先生のお言葉にはちりばめられています。
どれだけ時代が変われど、それらは普遍的な人類の遺産ともいうべき智慧であります。

私自身、今一度それらに触れる機会を持とうと意識しているこの頃です。


*金沢市にあります鈴木大拙館では、「没後50年記念特別展」が開催されます。
ポスターにある「O wonderful」は、「それはそれとして…」と共に、私の最も好きなお軸の一つで、訪れるのが楽しみです。皆さまも是非!


『相貌と風貌-鈴木大拙写真集』

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

京都駅ビル"京都美風"にて「COOL 禅~ZEN~」パネル展

 

IMAG3293.jpg

本日4月1日より、京都駅ビルの南北自由通路にありますイベントスペース(JR京都伊勢丹前)にて、“京都美風” 「COOL 禅~ZEN~」パネル展が開催されております。
これは、臨済義玄禅師1150 年遠諱、白隠慧鶴禅師250 年遠諱を記念して行なわれる「春の京都禅寺一斉拝観」事業や京都国立博物館の特別展「禅 -心をかたちに-」と連動し、「禅」をテーマにしたパネルおよび墨蹟の展示を行なうものです。
昨日、その施工工事に出向いてきました。

IMAG3292.jpg

書画墨蹟は6点を禅文化研究所から貸し出し、またこの度の遠諱にあわせて作成されたDVDを開催中、常時放映するものです。
京都駅にお出かけの際には、是非ご覧下さい。
開催期間:平成28 年4 月1 日(金)~平成28 年4 月27 日(水) 
開催時間:10:00 ~ 19:00

主催:京都駅ビル開発(株)/西日本旅客鉄道(株)
協力:臨済宗黄檗宗連合各派合議会/公益財団法人禅文化研究所/公益社団法人京都市観光協会

IMAG3296.jpg

 また、期間中、二度、パネル展会場近くにあります「京都茶寮」にて、禅僧による法話や椅子坐禅指導がある、“「禅」文化講座 in 京都茶寮”もあります。参加費2000円でお弁当付き。こちらは人数限定でご予約が必要です。詳しくは下記をご覧下さい。

京都茶寮パネル.jpg

by admin  at 08:56  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

今年は秋に東京国際ブックフェア開催

IMAG3216.jpgまだまだ先の話ではありますが、毎年開催されて今年で第23回を迎える、「東京国際ブックフェア」。今年は出展するべく、その開催説明会に足を運んできました。

禅文化研究所も過去に3度、この本の見本市とも呼べる東京国際ブックフェアに出展しました。
以前のブログ禅に記事を載せています。

2010.7.8 東京国際ブックフェア 本日より開催
2010.7.16 第17回 東京国際ブックフェアを終えて
2013.7.9 「朝鮮通信使」絵図 -東京国際ブックフェア2013にて-

など。2008~2010年の3年間連続出展しました。

近年は諸事情により出展を見合わせていたのですが、今年、ブックフェア事務局からの案内に、開催方針を一新し、「読者のためのブックフェア」の開催とし、「本好きの方々に喜んでいただく場」「読書に馴染んでいない方々が、本を読むきっかけとなる場」になるようにしたいということが記してありまして、弊所も、そういうことであるならばと、出展しようではないかということにいたしました。

特に今年は、開催時期が秋の9月23日~25日の3日間となり、土日も含むことから、多くの一般来場者が見込めるということと、ちょうどこの直後にあたる10月18日~11月27日に東京国立博物館にて遠諱記念特別展「禅 -心をかたちに-」が開催されるため、このアピールにも最適だと考えたためです。

詳細はこれから考えていきますが、禅文化研究所の刊行物を可能な限り展示即売いたしますので、どうぞ、今から楽しみにしておいて頂ければ幸いです。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

天龍寺・臨川寺特別参拝のおしらせ


160128.jpgおはようございます。

本年は、臨済禅師の1150年遠諱(お亡くなりになられてから1150年の節目です)、白隠禅師の250年遠諱(正確には来年)の大法要の年。
それを記念して、様々な行事を開催する予定です。 

京都国立博物館において、4月12日から5月22日まで開催予定の特別展「禅 ―こころを形に―」にあわせまして、京都では「春の京都禅寺一斉拝観」が開催されます。
その中で、禅文化研究所では、約20年以上公開されていなかった臨川寺(夢窓国師のお墓があります)の特別参拝日を設けさせていただきました。

既に定員に達している日もありますが、空いている日にちでご都合つく方は是非ご参拝ください。
この日は天龍寺の法堂や非公開の茶室なども拝見させていただける事となりました。
お申込み、詳細はこちらからどうぞ。

私も、皆様にお目にかかれるのを心待ちにしております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

春の京都禅寺一斉拝観 〈2016年開催〉

平成28年春、臨済宗を開かれた臨済義玄禅師の1150年遠諱、ならびに日本臨済宗中興祖である白隠慧鶴禅師の250年遠諱を記念して「春の京都禅寺一斉拝観」を実施すべく準備にとりかかっております(遠諱の詳細はこちら)。

渾身の作。と申しましょうか、我が上司(お坊さんです)が作りました公式サイトはこちら


151211-1.jpg遠諱の一事業として京都国立博物館で開催される特別展「禅 ―心をかたちに―」(平成28年4月12日~5月22日)の展観期間にあわせて、京都市内を中心に、数多い本山をはじめとした禅宗寺院(約60ヶ寺)で通常非公開の寺院や寺宝の特別公開、坐禅会や写経体験・法話など、期間中に特別な催しが一挙に開催されます。
また通常公開寺院においても、期間中スタンプラリーなどを実施予定です。スタンプを集めて応募すると、抽選でプレゼントももらえます。

期間:平成4月12日(火)~5月22日(日)

 

「そうだ 京都、行こう」を、来年の春は「そうだ 京都の禅寺へ行こう!」ということで、宜しくお願い致します。

私自身、研究所でお仕事させていただいている御縁から、様々な禅寺に出入りします。
あの無駄の無い伽藍や庭の美しさ、隅々まで掃除が行き届き、空気まで引き締まっているような空間は、ほんとうに何度お邪魔したお寺さんでも、毎回毎回感動するものです。

庭をテーマに、エリア別に、坐禅会や写経会や茶会に参加。皆さまそれぞれに禅寺との出会い方があるかと存じます。そんな出会いが、自己を知る機縁となりますように。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

ジョン・C・ウェバーコレクション -MIHO MUSEUM-

 

151201-3.jpg紅葉も盛りを過ぎた山の中にあり、さらに、ジョン・C・ウェバーが何者?!かを知る人も少ないからでしょうか(すみません、私は存じ上げませんでした)、いつもの土日では考えられないくらいのゆったりとしたMIHO MUSEUM。
桜や紅葉が美しい事で多くの人が賑わう季よりも、贅沢な気持ちで鑑賞できました。

151201-2.jpgさて、ジョン・C・ウェバー氏ですが、ニューヨーク在住の医師で、美術品蒐集家だそうです。
長年コーネル大学医学部の教授をなさり、同学部長さらにはニューヨーク病院の副院長も務められた経歴を持ち、さらにマラソンやトライアスロンの欧米での大会での優勝経験も数知れずというような、まさにスーパーマンのような御方なのでありました。

今回は、そんな彼の、日本の美術品を中心とした蒐集品の展観なのでした。

151201-4.jpg多岐にわたる美術品の中でも、私が最も惹かれたのは朝鮮王朝時代の“日月五峰図”です(フライヤーの裏の左上にあります)。
太陽と月が同等に崇められているかのような画を拝見しますと、私の中で太古から受け継がれる記憶が蘇るような気持ちになります。宗教が宗教として歩き出す以前の自然信仰を思うからでしょうか。
日本とはまた違った朝鮮の独特の美意識にもいつも感銘を受けますが、この画もまたそうなのでした。

151201-1.jpg蒐集品を拝見していますと、頭脳、運動神経、美意識はもちろんのこと、ユーモアセンスまでも兼ね備えた紳士なのだろうな…と。選ぶ物は、その人そのものですね。
12月13日(日)までの開催です。

*ミホミュージアムの1階、2階にあるミュージアムショップは必見です!作家さんの様々なミュージアムセレクト品が並び、行く度に新たな出会いが。1階ショップには、私の友人でもある音楽プロデューサー・宮本貞雄氏がエグゼクティブプロデューサーをつとめたCD、“MIHO Journey to the Mountain”も置かれています。
世界各国、時空を超えて旅するかのような音がつまっていて、私はいつも部屋にいながらにして旅をしているかのような感覚で音にひたりきっています。こちらもオススメします!



by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

光悦ふり 光悦名碗と様式の展開 -楽美術館-

光悦というと、学生時代、そしてお茶を始めた若かりし頃にはまりにはまって、展覧会を見て歩きまわったり、それが叶わぬものは、図録に掲載された茶碗を眺めては、まるで何の囚われもないかのようなその造形が見せる印象に、焦がれに焦がれた記憶があります。

151126-1.jpgもちろん茶碗にとどまらず、特に俵屋宗達の画とのコラボは一度観た者の心を決して離さず、寛永の三筆の一人とされるのも当然の、ダイナミックさと繊細さを併せ持ち、流れるように美しい筆跡とそこでも垣間見られる、やはりとらわれのないような境地に心ときめいたものでした。
かの徳川家康が、あまりにも才知溢れる光悦を危険視して、鷹峯に封じたという説もあるのがうなずけます。


そんな光悦の、私もまだ実際にも、図録でも拝見したことのなかったお茶碗が並び、また、楽家歴代の逸品はもちろんのこと(私の大好きな左入さんの器も多く出展されていました)、光悦に多大なる影響を受けた方(陶芸家のみならず、作陶を趣味とした実業家など)たちの茶碗がならぶ、とても興味深い展観でした。12月23日(祝)までの開催です。

【光悦ふり 光悦名碗と様式の展開 -楽美術館-】

151126-2.jpg*楽美術館へゆかれましたら、是非お手洗いへもお立ち寄りください。階段途中などに生けられている花がとても素敵で毎回楽しみなのです。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

正木美術館名品撰 茶墨精粋 -裏千家茶道資料館-

禅の書画の名品を多く所蔵する事で、皆様もよくご存知かもしれません。
大阪府泉北郡忠岡町にあります正木美術館

151030-1.jpg京都からですと電車で約2時間ほどかかりますので、私も実は1度訪れたのみなのですが、この度、裏千家茶道資料館に選りすぐりの名品が展示されていますので、早速足を運びました。
個人的には朝鮮時代の堅手、柿の蔕、伊羅保茶碗などがたまりませんでした。中でも熊川のぽってりとしたあの形、しっとり艶やかな肌には特に魅了されてしまいます。

151030-2.jpgクリックで大きな画像がご覧いただけます

と、お茶の事のみならず、なんといっても無学祖元賛「六祖慧能図」(重文)や、大燈国師の「渓林偈・南嶽偈」(国宝)などは必見。こちらは前期のみの展示ですので、11/3までに皆様是非お運びください。

後期にも錚々たる禅の書画がおでましですが、以前鎌倉彫の事を取材・執筆させていただきましたので、桃山時代の鎌倉彫香合の展示も楽しみにしています。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

筑前・黒田家が伝えた名宝 -香雪美術館-

おはようございます。

終了してしまった展覧会ですが・・・。
久々に大名家の宝物を拝見。格の違いを見せつけられたと申しますか、見せつける気は毛頭無いのでしょうが、これぞさすがに筑前52万石の殿様方に愛でられた道具に美術品がずらり。

151027-1.jpg福岡市美術館のコレクションが神戸にやってきていたわけですが、眼福の極みでした。
特に、江月宗玩の書、女性が描いたとは到底思えない天璋院篤姫による力強い竹図。博多の豪商で、茶人でもあった神屋宗湛が所持し、秀吉に所望された折に、「日本の半分となら交換しても良い」と返答し、さすがの秀吉も諦めた博多文琳(茶入)、その他禅や仏教に関する書画も多数出展されており、ことに裂地好きな私としては、どの表具も素晴らしかったのが印象的でした。

関西からは去ってしまいましたが、博多にある黒田家のコレクション。どちらかでまたお目にかかれますように。
10月31日からは「竹の美 茶道具を中心に」が開催予定。また足を運ばねばなりません。

151027-2.jpg普段は非公開の庭園が、11月28日、29日と予約制で公開もされます。紅葉も素晴らしい事でしょう。
お見逃し無く!

筑前・黒田家が伝えた名宝 -香雪美術館-の続きを読む

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

初しぐれ -北村美術館-

毎回、日本語の美しさを感じる展観名が楽しみな北村美術館。
山林王の異名を持つ北村謹次郎翁の蒐集した茶道具を、毎回テーマに沿った茶事形式で拝見できる美術館です。

「初しぐれ」

今回は、和漢朗詠集の冬の巻頭を飾る、「時雨ぞ冬のはじめなりける」をテーマに、親しい茶友と気軽な雰囲気でお茶を楽しもう・・・という日の道具組だとか。
「気軽な雰囲気」とありますが、どれもこれも私どもから見るとため息の出る道具ばかりです。もちろん北村コレクションの中だと、そうなるのでしょうが・・・。それぞれのお茶の道がありますね。

151022.jpg展観を見る前にいつも荷物を置いておく椅子があるのですが、ふと楽しみにしているお床(展示目録には載らない、北村美術館所蔵のお軸がそっと掛けてある床があるのです)を見ると、

秋来ても 寂しうはなし 菊の庭

堀内宗心宗匠の色紙が・・・。ぐっと来てしまいました。
秋が来てなんとなく孤独を感じ、なんとなくものがなしいような雰囲気の中、まるで宗匠が微笑まれているお姿がそこにあるようで、 「あぁ、そういう事か・・・」と妙に腹にすとんと落ちて納得したものです。

151022-2.jpg弊所発刊 『歩々清風』堀内宗心著より  撮影・柴田明蘭

どうしても自身の内と向き合わざるをえないような季節ですが、四季がある日本に住んでいるのですから、それに添うのも良いものですね。

旅立たれてなお、私たちに気づきと教えを下さる宗匠。5月に天寿を全うされ、北村謹次郎翁とも縁の深かった宗匠の展示コーナーを特別に設け、そのよすがを偲びたい・・・との美術館のはからいでした。

以前拝見した事がありましたが、宗匠が翁に、袱紗のたたみ方について絵に描いてお教えしたお手紙をお軸に仕立てたものがあるのですが、それが再度飾られていました。
あぁ・・・なんとも宗匠らしい細やかなお心遣いだなぁ・・・と、しみじみ一人宗匠を偲び、やはり茶の道はまぎれもなく人生の友であるな・・・と確信するのでした。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

ヴァンジ彫刻庭園美術館 -静岡県長泉町-

 

150917-4.jpg以前、秋に訪れましてご紹介しましたヴァンジ彫刻庭園美術館

150917-1.jpg季節ごとに味わいたい美術館だと思っていたところ、機会あって、夏に訪れる事ができました。
前回はあまり観られなかったクレマチスも、様々な種類が咲き乱れ、クレマチスの丘(クレマチス丘と呼ばれる複合施設の中の一つに、ヴァンジ美術館があるのです)というに相応しい様相を呈していました。

150917-2.jpg同じクレマチスの丘内にあります、ベルナール・ビュフェ美術館では、私も大学生の頃少し勉強しましたルドルフ・シュタイナーに関する展覧会が。
機会あるごとに展覧会を観に行ったり、本を読んだりするのですが、あまりに深淵なる世界観で、いまだにわけがわからない事も多々。それでもやはりどうしても惹かれてやまない世界。一生をかけて、少しずつ理解を深めてゆきたいと思っています。
こちらは10月13日まで開催です。是非お運びください。

150917-3.jpg

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

龍谷ミュージアム

 

150908-1.jpg展示内容はもちろんのこと、解説のわかりやすさやそのビジュアルの面白さにかけては群を抜いていると思える龍谷ミュージアム
縁あって訪れた、仏教については詳しくない一般の方々にもわかっていただこうという心くばりが随所に見られ、個人的にも大好きなミュージアムです。

さて、今回は『玄奘』展。かの玄奘三蔵法師がテーマなのです。
玄奘三蔵といえば、中国は唐の時代、7世紀に実存したお坊さんで、国禁(唐は鎖国政策を採っていました)を侵してまで、困難な旅の末にインドから経典を持ち帰った御方。実在の人物です。

中国からインドへというと、皆様地図を広げてみてくださいませ。登山グッズや便利グッズが溢れている現在でも、どれだけ重装備をして用意すれど、そこを現代的な乗り物に頼らず行こうと思えば、、、想像もつかない道のりなわけであります。

150908-2.jpg度重なる困難を乗り越え、インドから経典を持ち帰り、生涯を賭してその翻訳に携わった玄奘三蔵。
まさに伝説的なその超人的偉業は、行く手を阻む様々な妖怪などが現れては邪魔をするのを、時にはお付きの者たちが、また時には神通力でたちまち倒してしまう・・・そう、かの『西遊記』という物語の基となったわけであります。

150908-5.jpgパンフレット500円。三蔵法師の歩いた道がわかる地図が!


今回の展示では、そんな伝説化した、超人的な存在としてとらえられがちな玄奘三蔵を、多くの困難や苦悩に苛まれながらも、強い意志を持って生きた一人の人間として見つめてみようではないか・・・という素晴らしい試みなのでありました。

この夏私の中で一番熱い展覧会でした。

 

と申しますのも、くしくもこの展覧会を観に行った直後に、玄奘三蔵も学んだインドのナーランダ、たどり着いた時に突っ伏して号泣されたというブッダガヤのお釈迦様悟りの地、マハボディ寺院に訪れる予定だったからです。
「インドは人を呼ぶと言うが、今回は三蔵法師に呼ばれたのではないか・・・」などと一人都合の良い妄想にふけて心躍らせるのでありました。


実際この夏は三蔵法師にまつわる色々が私の周りにあったのですが、他のお話はまたいずれ。
展観は9月27日までです。私もいま一度訪れようと思っています。皆様も是非!

150908-4.jpg************
インドに数ある大僧院の中でも、このナーランダほど壮麗崇高な僧院はない。
ここでは、1万ともなる僧達が大乗も小乗の教えも共に学び研鑽している。慎み深く、そして厳粛に。
『大慈恩寺三蔵法師伝 巻3』

150908-3.jpg僧坊。玄奘三蔵が使ったと伝わる部屋。遺跡の入り口で雇ったインド人ガイドが言っていたので、本当かどうかは定かではありませんが、信じて思いを馳せてみました。

150908-6.jpg

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

井戸尻遺跡 -長野県諏訪郡-

 

150904-1.jpg8月の初旬、かねてから気になっていました長野県の井戸尻遺跡を訪ねてみました。湧き水が豊富なこの地域には多くの遺跡が残ります。
私の大学のゼミ担当教授が憧れる時代が、“縄文時代”。
学生の頃はこれを聞いてもさほどピンともこず、「先生らしいな・・・」くらいの感想で終わっていましたが、今となっては頷けるような・・・。

150904-2.jpg地球を汚すこと無く、自然と共生する持続再生可能な生活スタイル。歴然とした身分や貧富の差の無いくらし。

150904-3.jpg東日本大震災を経て、今でこそパーマカルチャーなどという言葉も随分と注目されるようになりましたが、私が高校生の頃バブルが崩壊し、大学卒業の就職時には過去最悪の超氷河期時代と言われ、私自身も今となっては信じられませんが「一部上場企業に入る事こそ!!!」などと思っており、パーマカルチャーという言葉すら聞いた事も無かったと思います。

世の中も自身も、自身の意識もこんなにも15年ほどで変わるとは思ってもみませんでした。
そんな中訪れた縄文時代の遺跡。先生が縄文時代を好む理由がすとんと腹に落ちてくるような・・・。
なんともクリエイティブで、やはり現代の人間の方が人間力という意味でははるかに後退してしまったのではないか・・・と思うのでした。

150904-4.jpg資料館では、当時の暮らしぶりも再現されています。シンプルで無駄が無い。なんだかふと僧堂の典座(てんぞ・台所)を思い出してしまいました。
ここからは素晴らしい縄文土器の数々を。今でもステキに使えるものばかりです。



150904-5.jpg季節のフルーツを盛りたい気分になりますね。

150904-6.jpg傘立てにしたらかっこよすぎるのではないでしょうか。

150904-7.jpg花を生けたいです・・・。

150904-8.jpgかの有名な、水煙渦巻文深鉢です。岡本太郎氏が縄文時代を絶賛していた事を思い出しました。
自然界にある、ふと見逃してしまうような日常の風景の中の美を表現。縄文時代の人々の豊かさに思いを馳せました。

 

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

武蔵野の禅刹 平林寺-伝来の書画名宝展-

 


150821-1.jpg9月24日より、埼玉にあります平林寺(平林僧堂)の珠玉の宝物をご覧にいれます展覧会、【武蔵野の禅刹 平林寺-書画名宝展】を、花園大学歴史博物館にて開催させていただきます(博物館と禅文化研究所共催)。

150821-2.jpgそのため、花園大学の調査チームの先生方と禅文化研究所の職員が、宝物の数々をお借りする為、平林寺へお邪魔しておりました。



150821-3.jpg展示予定のお軸がならびます。

150821-4.jpg一つ一つ確認作業をさせていただきます。

150821-5.jpgこちらに写っている3幅は、全て14世紀のものだとか。お楽しみに。

150821-6.jpgそしていつも有難く、欠かせない存在。日通の宝物輸送スペシャリストの方々!

150821-7.jpg

この平林寺は、関東以外の方はあまりご存知無いかもしれませんが、13 万坪におよぶ境内林に囲まれた静寂な空間のなか、開山・石室善玖(直指見性禅師、1294~1389)はじめ中興開山・鉄山宗鈍(霊光仏眼禅師、1532~1617)等の法灯が連綿と受け嗣がれています。
また、広大な平林寺境内の景観は武蔵野の面影を今日にのこし、多くの人々に親しまれています。

150821-8.jpg“知恵伊豆”として知られた名君、松平信綱公(平林寺の檀越・大河内松平家代々の墓があります)が着手し、開削された野火止の用水路は、歴史上の大事業(全長24キロ)としても有名ですが、そんな江戸時代初期の出来事を彷彿させる地でもあります。
この事業によって土地が潤い、人々の生活も豊かになったのだとか。詳しくは、『智恵伊豆に聞け』(文春文庫/中村彰彦)を是非お読みになってみてください。 

150821-9.jpg本展覧会では、歴世住持および中興開基・大河内松平家の関係資料のほか、平林寺にゆかりある黄檗僧・独立性易(1596~1672)の品々や、松永安左エ門(耳庵、1875~1971)の遺愛品をご紹介します。

また、平林寺の永い歴史のなかで蓄積された多彩な美術作品のうち、元時代に遡る中国絵画はじめ中世絵画や近世の禅画などの優品の数々をとおして、武蔵野に華開いた禅文化の魅力に迫ります。
また、記念講演会も開催致しますので、是非ご来場ください。


***************************************

【前期】9/24~10/31 【後期】11/2~12/12
於・花園大学歴史博物館 開館時間10:00~16:00/日曜休館

【記念講演会】 於:花園大学教堂

2015年10月14日(水)13:00~14:30
「平林寺に関わった名僧」 竹貫元勝先生(花園大学名誉教授・正眼短期大学副学長)

2015年11月18日(水)13:00~14:30
「平林寺の伽藍と境内」 松竹寛山老師(平林僧堂師家)

入場無料・申込不要 先着150名

 

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

秋野不矩 ~インドの大地を行く~ -秋野不矩美術館-

 

150807-5.jpg大好きなインド。
お釈迦様、仏教、ヨーガ、マハラジャに手厚く保護されていた様々な美しい手仕事、大自然、混沌。
古より人々が天竺と呼び憧れたかの地。抑えがたい憧憬の念。

150807-2.jpgとっても純粋な、少女のような眼差しで秋野不矩さんが見つめたインドに会いに行きたくなり、心おもむくままに、浜松市にあります秋野不矩美術館へ行って参りました。
私が最も愛する美術館の一つです。

150807-3.jpg藤森照信氏による建築で、秋野不矩さんご自身が、彼に頼みたいと仰ったのだとか。
木と土がふんだんに使われた館内にいると、どことなくほこりっぽいインドの空気を思い出すかのような。

150807-4.jpg

何度訪れたとしても到底行き尽くす事もできなければ、知り尽くす事もできないようなインドの地。
この夏も訪れたいと思っています。

 

150807-1.jpg

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

ドラッカーコレクション 珠玉の水墨画

 

150729-1.jpgマネジメントの父と呼ばれた経営学者、ピーター・F・ドラッカー(1909-2005)が日本画、ことに水墨画を愛しコレクションしていた事を私は全く知りませんでした(すみません、本も読んだことがありませんもので)。

千葉市美術館にて開催中に足を運びましたが、室町時代の珠玉の水墨画が数多く展示され、しばしその世界に遊びました。

150729-2.jpg
と申しましても、まだまだ水墨画というのは私にとっても敷居が高く、「わかる、わからない」などで表現できぬような深い世界。
ドラッカーはこの世界でどのように遊んだのでしょう。これほどにはまるくらいですから・・・。

「正気を取り戻し、世界への視野を正すために、私は日本画を見る」

皆様にとっての正気を取り戻させてくれるものとは、何でしょうか。


現在は巡回して長野県信濃美術館にて開催中。この後は、雪舟の弟子の画も多いことからか、山口県へと場所を移して巡回予定のようです。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

絶景 瀟湘八景図 -香雪美術館-

神戸市にあります香雪美術館を訪ねました。今回の展観は、「絶景 瀟湘八景図」。

最も理想的な美しさとされるような景勝地を描いた瀟湘八景図。その起源は、中国は北宋時代に活躍した宋迪(そうてき)という画家により描かれた洞庭湖周辺の景色を描いたものとされています。

150721-1.jpgこうした画は、鎌倉時代に日本に伝わりましたが、古来より、宗教も政治も都市計画でも中国に倣ってきた日本。かの地の景勝地にも格別の憧憬の念があったのでしょうか。やがて日本にも、近江八景をはじめ、○○八景が各地に生まれました。

今回の展観では、中国の八景図のみならず、長谷川等伯を目玉とした日本のものも何点か。さらに八景が描かれた工芸品が集い、それは魅力的な展覧会となっていました。

150721-2.jpg美術館前の弓弦羽神社にもお参りしてきましたが、近頃羽生君効果で、参拝者には若い女性や、娘さんを連れた母親が多く見られるようになっています。

泉涌寺の楊貴妃観音に石田純一さんがお参りして子どもを授かったことから、楊貴妃観音は子宝観音として参拝者を集めていると言いますが、弓弦羽神社もそのご祭神関係なく、スポーツの神様に?! おそらく羽生君より前からでしょうか、八咫烏つながりで、御影石のサッカーボールもありました。

150721-3.jpg拝む人々の心に沿い、神仏はその役割をも変えてくださるということは、結局はこちらの在り方次第ということでしょうか。面白いものだなぁ、、と思いつつ、たまに訪れるこの御影の地を後にしました。

by admin  at 09:32  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

徳川美術館

おはようございます。

先日ご報告致しました、名古屋の徳源僧堂さんでの講演会。午後からでしたので、午前中は久々に近くにあります徳川美術館にお邪魔してきました。

150717-1.jpg常設展示に加え、企画展としまして「対局の美 白と黒が織りなす世界」が開催されていました。
常設展にも様々な素晴らしい宝物が展示されていましたが、中でもこれ一つ拝見できれば、来た甲斐があったというもの・・・と思えましたのが、宮本武蔵の「蘆葉達磨図」なのでした。
剣豪が描き出すあの線には、剛と柔の絶妙なバランスと言いましょうか、その精神がそのまま線に現れているかのような。昔から枯木翡翠図などを本で見ては憧れていましたので、禅宗の画でよく題材とされる達磨図が拝見でき、感無量。

150717-2.jpg企画展では、かの有名な徳川将軍家伝来の白天目、それと引き合いに出される黒織部や黒楽茶碗。能であって能にあらずの“翁”からは、白式尉と黒式尉。
様々な白と黒を拝見しましたが、この日はうだるような暑さ。この2つの色が揃うと妙に涼やかで気持ちまでスッキリし、少し暑さも和らぐようでした。

さらに興味深かったのが、黒の染め方についてが、天然染料なども紹介され、詳しく解説されていた事。一つの染料で染める事はできず、様々な色を重ねてその深さを出す黒。つまりは、手をかけた物とそうでない物との差が出やすく、母がよく「皆が黒を着ている時、つまりは喪服の黒が一番よくわかる」と言っていた事を思い出しました。

なんとも面白い着眼点の展覧会。7月26日まで開催中です。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

マスク展 -東京都庭園美術館-

またお気に入りの美術館が増えました。

150713-1.jpg旧朝香宮邸がそのまま美術館として利用されている東京都庭園美術館。
今までお邪魔したことが無く、マスク(面)好きの私としては見逃しがたい美術館でしたので、マスク目当てに訪れました(この展観、6/30まででした)。

150713-2.jpgすると玄関を入った途端に、“美しい”を通り越して神聖さまで感じてしまうようなラリックの女神像が。アールデコの世界に憧れていた若い頃、特にラリックが大好きだった私は、それだけでもこちらに来た甲斐があるというもの。
ところが、それにとどまらず、各部屋の照明やラジエーターカバ-、壁や天井や床に至る全てのデザインが非常に魅惑的な旧朝香宮邸

150713-3.jpg各部屋があまりに素敵すぎて、展示物のマスクを観たら良いのか、部屋の細部を観たら良いのかわからなくなり息切れしそうなほどでした。
スッキリした新館の建物も心地良く、庭園が望めるカフェではノリタケとコラボして作ったアールデコ調の器が使われており、一日中ゆったり過ごせそうです。

150713-4.jpgもちろん、各国のマスクには圧巻。まだまだ知らない世界、思想、信仰が溢れている事を、このマスクの背景を想像する事で知り得る可能性を秘めた展覧会でした。
巡回はしないようなので残念ですが、次回の庭園美術館の展観は「アール・デコの邸宅美術館 建築をみる2015 + ART DECO COLLECTORS」。こちらで開催するにふさわしき内容。楽しみです。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

インドの仏像 -東京国立博物館-

特別展「コルカタ・インド博物館所蔵 インドの仏 仏教美術の源流」を観に、東京国立博物館にお邪魔しました。

150403-1.jpgインドのコルカタからやってきた、珠玉のインド仏教美術を日本で観るチャンスです。
意外にも、日本での寺巡りなどが好きな方も、仏教の生まれた国といえばインドで、お釈迦様がいらしてこそ始まったものですのに、インドには興味が無かったりします。
「日本の寺院建築や仏さまが好き」というのもわからなくもありませんが、その源流ともいえるインドにも目を向けてみてはいかがでしょうか。面白い発見があるかもしれません。

150403-2.jpg今回は、どんな初心者?!にもわかりやすいよう、お釈迦様の生涯などが説明されたパネルもあり、とてもわかりやすい展示となっていました。

さらに、桜がとても綺麗でした。上野公園は、桜を観に来たのか、人を見に来たのかわからぬほどの混雑ぶりでしたが、休みの日の東京国立博物館としては、待ち時間も無く、快適でした。オススメします。

150403-3.jpg

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

どこにもない世界


150402-1.jpgバリ
でもお世話になりました、世界的なキルト作家・染織家の秦泉寺由子さん
彼女の比叡平にあるギャラリーにて、ガラス作家・荒川尚也さんの展示会をするとのことで、「お炭をしにきてー」とお声がかかりお邪魔してきました。
彼女のギャラリーには、○○風だとか、○○スタイルという決まり切った形とは全く無縁の、彼女の世界そのものがあります。
「人間、本来の自己を生きれば、みんな一人一人違って当たり前なのだから、誰も同じようなスタイルにはならぬはずだな・・・」と思い起こさせてくれる彼女だけの世界が広がっています。

お茶室も彼女のデザインで作られたものがありますので、「まぁおそらくお茶会でもするのかな?!」と、よくわからないままにお邪魔しましたら、このようなお席が。

150402-2.jpg炭も、「何流もなく適当で良い」とのことでしたが、ご用意いただいていた炭をのこぎりで切り(お茶で使う炭は、綺麗に切って売っている物もありますが、自分で切って洗って使うものもあるのです)、できる限り忠実に組んでおきました(枝炭無しスタイルですが)。

「○○風や、○○スタイル」に凝り固まる事はどうかと思う私ですが、やはり先人たちが長年かかって作り上げた型というものはどうしたって尊いもの。無駄なく美しく、順番に炭に火がついていこってゆき、釜の水がよく煮えるように考え抜かれているからです。
釜を据えれば見えないのですが、そういう問題でもありません。見えない所は掃除しなくて良いわけではないのと同じです。
“気”はごまかせないものです。

150402-3.jpg展覧会は4月5日(日)まで。写真で見ていただいても恐らくこの空間の素晴らしさは充分に伝わりません。
是非お運びいただき、感じてみてください。

150402-4.jpg



by admin  at 10:04  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

救いとやすらぎのほとけ 菩薩 -根津美術館-



150325.jpg東京に参りましたらほぼ必ずや訪れる根津美術館。
リニューアル前には、「今のままがいい!」と頑なに思っていたわりに、スッキリ美しく、現代的ながらも趣ある建物になった今、既に以前の姿を忘れ(東京ということもあって足繁く通ったわけではないというのも理由にありますが…)、嬉々としてでかける薄情な私です。
人は良くも悪くも、忘れるものですね…。

150325-1.jpgさて今回は、菩薩さまにスポットが当てられていました。
衆生を救う為に奔走される菩薩さまとあって、菩薩信仰は根強く、「如来さまが好き」ということばはあまり聞きませんが、菩薩好きな方は多くいらっしゃるように思います。
装飾が美しい為、わかりやすく惹かれやすいのも、菩薩さま好きが多い理由でしょうか。
仏像はもちろんのこと、軸などの逸品もお目見えで、その精緻な表現に、見ている者は飽く事もなく引き込まれます。おすすめの展観でありました。

150325-2.jpgさらに、根津美術館に来て忘れてはならないのが、広大なお庭。そしてその随所に点在する石たち。
五輪塔、宝篋印塔、磨崖仏に朝鮮の石人・石羊、そしてつくばいに至るまで、石好きにはたまらない素晴らしいコレクションが惜しげも無く配されています。
2月に訪れた国東半島にのみ見られる形の宝篋印塔も…。
この蒐集を拝むだけでも、昔の実業家の趣味趣向、数寄者ぶりに圧倒されます。現代ではもうなし得ない事ですね。
展覧会のみならず、こちらも是非ご覧になってみてください。

150325-3.jpg

 

by admin  at 09:09  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

「朝・思索のすゝめ」  -鈴木大拙館-


150226.jpg金沢に参りましたら、必ずや訪れる“鈴木大拙館”
いつも、どのような講演会やイベントを開催されているのだろう?!と、HPをチェックさせていただいています。

近くに住んでいたり、旅行で訪れるのなら是非参加したい、「朝・思索のすゝめ」。
あの素晴らしい思索空間。朝まだ早いうちに訪れ、思い思いの時間を過ごせるのだとか。
3月29日(日)に開催の「六花(りっか)編」の募集が、3月1日から始まるようです。

さらに、3月14日(土)、15日(日)の夜は北陸新幹線開業を記念して、金沢市の文化施設12施設が無料夜間開館されるのだとか。鈴木大拙館はライトアップされるそうですよ。
おすすめ致します。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

ワザとこころ 能の伝承 -京都観世会館-

成人の日、京都観世会館にて開催されました「ワザとこころ 能の伝承~稽古と修行と教育」という大変興味深いシンポジウムに参加しました。

150119-1.jpg
これは、京都大学こころの未来研究センターとの共同企画で、センターの鎌田東二先生を進行役に、なんと観世流宗家・観世清河寿氏と、さらにご子息の三郎太さんを迎えて、まさに題名にあるごとく、父から息子へと連綿と受け継がれてきた能の稽古や修行、教育について、空気を読まない(とご自身や同僚の先生方が仰っておられました)鎌田先生が忌憚なく質問を投げかけられ、またそれに宗家と三郎太さんが忌憚なく答えられるという、前代未聞、能ファンにとってはありえないような興味深すぎる会なのでした。

プログラムは下記のとおり。

■開会挨拶:吉川左紀子(京都大学こころの未来研究センター長)
■趣旨説明:鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター教授・宗教哲学・民俗学)
■第1部 :能の稽古の伝承のトーク
観世清河寿(観世流二十六世宗家)、観世三郎太、鎌田東二(司会)
■実演  :舞囃子
観世清河寿、観世三郎太
■休憩
■第2部 :シンポジウム「能の伝承~稽古と修行と教育」
観世清河寿、観世三郎太、西平直(京都大学教育学研究科教授・教育人間学)、
河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター教授・臨床心理学)、鎌田東二(司会) 

なんと、実演まで。
舞囃子というと、面や装束をつけず、紋服袴のままで、地謡と囃子を従えて舞うのですが(今回囃子方はいませんでした)、曲中の最も盛り上がる部分を抜き出して拝見するような感じ。今回は「とうとうたらり~たらりら~」の始まりで有名な翁を。
1月ですから、国家安泰、鎮魂と未来への再生を願うこの舞を拝見できた事は特に有難い事でした。

また、宗家の公演は東京が主ですので、拝見するのは大学生の頃以来、約15年ぶりでしょうか。学生の頃に感じたのとは全く違い、宗家が変わられたのか、私が変わったのか、いやどちらもなのでしょうが、月日を経てまた出会うとは、なんとも良いものだなぁ・・・としみじみ思いつつこの会に感謝。
朗々たるお声にしばし違う世界へと誘われました。

150119-2.jpg我々一般人からすると、観阿弥・世阿弥の時代から続く家に生まれた重みという事にすぐに思いが至るものですが、ご子息の三郎太さんはそれはもう、生まれた時からそこに居るわけなのですからごく自然の平常心。なんのてらいも無い中学三年生。清々しいものでした。
宗家も仰っていましたが、「近頃お客様の方が違ってきている。育てる眼というものどうか持っていただきたい」と。

京都のとある能楽堂で、初めて舞台に立つ家元のご子息を観て、おばあさん二人が「いやぁ、大きうなりはったなぁ若も」と孫でも観るかのごとく愛しげに見守っていらした姿を思い出します。

現代を生きる我々は、スピードを常に求められ、早い成長、完璧さを求めがちですが、成熟してゆく過程というものを、その中に潜む良さを発見しつつ、心の余裕を持ちつつ楽しめる人でありたいと思いました。

鎌田先生を筆頭に、西先生、河合先生それぞれの個性にもいたく惹かれたこの会。
始まりと終わりには、鎌田先生の法螺貝の音で会場も清められ・・・(神道がご専門です)。
こころの未来研究…これは、いつか禅とのシンポジウムも開催されねばならぬのでは?と一人妄想しています。

*翁発祥の地、奈良豆比古神社の記事はこちら。能役者ではない、地元の方が継承している翁の舞は、現在のお能のように洗練されてはいませんが、それがまたその起源を思わせ感動したものでした。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

ヴァンジ彫刻庭園美術館 -静岡県長泉町-

 

141217-1.jpg紅葉の頃の話ですが、静岡県長泉町・クレマチスの丘内にありますヴァンジ彫刻庭園美術館を訪ねてみました。

141217-2.jpg現代イタリアを代表する具象彫刻の巨匠、ジュリアーノ・ヴァンジの作品を常設展示する世界で唯一の個人美術館。山の上から借景できる町の景色、そして庭園と彫刻が一体というのがまた素晴らしく。

141217-3.jpg人間のさまざまな心の葛藤や、生きる意味を問うてくるかのような作品に、いっぺんに魅了されてしまいます。

141217-4.jpg勝手に「禅的だわ・・・」と思ったり、まるでお能を拝見している時と同じような心持ちになってみたり。彫刻の魅力というものに改めて気づけたような……。

141217-5.jpg休みの日という事もあり、子ども達もたくさん訪れていましたが、嬉しくて仕方の無い様子。単に騒いでいるというのではなく、歓喜と興奮の叫びがこだまし、それは心地の良いものでした。
大人よりもあの空間を生き生きと感じ取り、スッと入ってゆけているのだな…と、どこか羨ましく。

141217-6.jpg大好きな美術館の一つに加わったこの美術館。 季節ごとに訪れてみたいものです。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

天神万華鏡 -松濤美術館-

 

141205-1.jpg渋谷区にあります松濤美術館にて、週明けの12月9日火曜日より、【特別展 学問の神様に会いに行こう。 天神万華鏡】が開催されます。

神様として祀られるまでに至った菅原道真公は、古来より様々な姿で表現されています。その“様々”を一挙に拝見できる展観が開催されます。
禅宗と道真公の関わりといえば、“渡唐天神”。天神が無準師範(ぶじゅんしばん/1177~1249)に参禅したとの中国の伝説が、日本においては菅原道真公が参禅したとされ、掛物によくよく登場します。

そして今回、研究所所蔵の『渡唐天神画賛』を用いて作らせていただきましたマスキングテープ、“渡唐天神こぼれ梅”が、会期中に美術館にて販売していただける事となりました!
渡唐天神と、梅を切り出して配置して作ってみたものです。絶対に他には無いデザイン(当たり前ですね・・・)ですので、なかなかにご好評いただいております。
このマスキングテープの収益は、墨跡の修復に使わせていただきます。どうぞよろしくお願い致します。

141205-2.jpg

 

 

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

無限庵 -石川県-

 

141204-1.jpg一度訪れてみたいと願っていました、石川県・山中温泉にあります無限庵を訪れてみました。

石川県の指定文化財となっているこちら、元は金沢市内にあった家老の屋敷が、大正時代に移築されたものです。
それはそれは貴重な木材を贅沢に使った作りで、明治末期の木造技術の枠を傾けた最高級の普請と名高いようです。例えば手すりの材が全て黒柿だったり・・・。欅の寄木張も粋なのです。

141204-2.jpgそして川に沿った庭にある立派なお茶室。

141204-3.jpgおや、扁額は朝比奈宗源老師によるもの?!と思い説明を読んでみますと、元は広島浅野公爵(赤穂浪士として知られている浅野家)の茶室で、戦後東京において唯一焼け残った茶席なのだとか。

141204-4.jpg後に東京美術倶楽部に移築され、またその後、美術倶楽部建て替えに際し、山中温泉に移築されました。どなたが朝比奈老師に揮毫をお願いされたのでしょうか・・・。
数奇の運命ですね。
現在でも年に一度大きな茶会が開催されているようです。
 

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

鈴木大拙館の秋 -金沢-


141126-1.jpg141126-2.jpg141126-4.jpg141126-3.jpg
金沢 鈴木大拙館の秋
真冬はこちら
新緑はこちら
次は春ですね。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

蒐集家 芹澤銈介 -静岡市立芹澤銈介美術館-

 

141119-1.jpg静岡市にあります弥生時代の遺跡、登呂遺跡の公園内にあります、静岡市立芹澤銈介美術館を訪ねてみました。
型絵染めの人間国宝としても知られ、民芸運動に関心を持った者は必ずや目にする事となり、その作品を見ればもう、ひと目で彼の型絵染め!とわかるようになる独特な世界。

今回の展観では、彼が蒐集した世界各地の、染織、やきもの、人形、家具、仮面、絵画などが展示されるとのことで、楽しみにでかけました。

141119-2.jpg展覧会のサブタイトルがまた良い!―選択という名の創造―。
誰のものさしを用いるでもない、自身の眼力によって物を選ぶという事は、創造という行為に等しく、またその人以上でも以下でもなく、その人自身を表現するものとなり得るのでしょう。

141119-3.jpgこの展覧会で拝見した蒐集品からは、民芸関連の本で読んでのみ知っていた彼を、より深く知る事ができるような気がして、心打ち震えました。
個人的には、自身も大好きで集めているインドの更紗。その古い物に目を奪われました。なんと細かく手の込んだ仕事でしょう。今はもう同じ物は作れないであろうと思います。

141119-4.jpgまた、建築家白井晟一(1905~1983)の設計による建物にも、独特の世界観に包まれる感あり。約200点もの蒐集品が並ぶ展覧会、この機会に是非!

141119-5.jpg

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

茶の湯の名碗 -裏千家茶道資料館-

 

141118.jpgシンプルに、ほんとうに、そのままなのですが、名碗揃いの展覧会です。
ポスターになっている4つの茶碗も、図録か展覧会か、どこかで出会った事があるはず。

左下にありますお茶碗。ご存知光悦作の赤楽「加賀」。加賀前田家の茶堂となった千宗旦の子・仙叟宗室が所持した為に加賀光悦と呼ばれています。
私は一時期、ことのほか本阿弥光悦に惹かれ、彼の墓参り(いつも白い菊が2本お供えしてあり、その美しさに胸打たれたものです。光悦寺さん、紅葉美しい秋でも昔はひっそりしていました)のみならず、茶碗が出展されると耳にすれば趣き、光悦宗達の2人にしかなし得ない世界を堪能する為に美術館へも足繁く通ったものでした。

お茶碗をひと目拝見するだけで、当時にタイムスリップするかのよう。やはり力強い印象を持つお茶碗で、「あぁ、好きだなぁ・・・・・・」と改めて思うのでした。
自身はどんどん変化していきますから、好みが変わったり関心の対象が変わったりします。
見続けていると色々な発見があって面白いものですね。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

リー・ミンウェイとその関係展 -森美術館-

 

141114.jpgどうやら、参加する事もアートなんだそうです。


六本木ヒルズ森タワー53階にあります森美術館にて、「リー・ミンウェイとその関係展 参加するアート 見る、話す、贈る、書く、食べる、そして世界とつながる」が開催中です。

現代アートはどうもとっつきにくい(すみません)と思っている私のような人間も、ちょっとこれは展観名を読んだだけで参加してみたくなる感じ。

さらに、【個展でありながら、作品の文脈を読み解くために、他のアーティストの作品も併せて展示】とのことで、我らが臨済宗よりご存知白隠さん(日本臨済宗中興の祖)、今北洪川老師(幕末・明治時代を代表する臨済宗の禅僧で、円覚寺中興の祖といわれています)、久松真一先生鈴木大拙先生の書が登場ということです!

そんな事もあって、11月18日(火)には、花園大学教授の佐々木閑先生と、森美術館シニア・コンサルタントの広瀬麻美さんによる「リー・ミンウェイと禅について考える」トークイベントが開催との由。なんて興味深いことでしょう!
東京まで趣く事はできぬ私は嫉妬を覚えます。こういった展覧会やイベントは、どうしても東京に集まるようですね。近郊の方は是非お運びになってみてください。


お申し込み・詳細は下記です(美術館HPより転載)。

***

「リー・ミンウェイと禅について考える」

本プログラムでは、仏教哲学の専門家である佐々木閑氏をお招きし、東洋的な思想、特に禅思想からリー・ミンウェイ作品について考えます。

出演: 佐々木 閑(花園大学教授)
広瀬麻美(森美術館シニア・コンサルタント)
日時:2014年11月18日(火) 19:00-20:30(開場18:00)

会場:森美術館展示室内
定員:80名(要予約)
料金:1,500 円(展覧会チケット付)、MAMCおよび年間パスポートメンバー無料
お申し込み:こちら

※プログラム開始前18:00-19:00の間、プログラム終了後20:30-21:30の間、本プログラムにお申し込みいただいた方のみ展覧会をご鑑賞いただけます。 また、お配りする展覧会チケットで、後日展覧会をご鑑賞頂けます。

 

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

獅子と狛犬 -MIHO MUSEUM-

 

 

141112-0.jpg

11月2日に訪れました、滋賀県は信楽にありますMIHO MUSEUM。さすがは山の中という事もあって、もう紅葉が随分と進んでいました。

141112-1.jpg今回は異色の展覧会?!と言っても過言では無い気がします。なんと神社のあの獅子と狛犬にスポットが当てられ、もう最初から最後までありとあらゆる獅子と狛犬がずらりと並んでいるわけであります。

141112-3.jpg否、最初は獅子に至るまでの古代オリエント世界やエジプトなどで権力の象徴でもあった猛獣、ライオンの彫像やライオンをモチーフにしたアクセサリー、タペストリーなどが拝見できます。そこから、時と場所を経て日本に獅子&狛犬が登場するまで、大きな歴史の流れを焦点を絞って学ぶことができるようになっていました。

141112-2.jpg紅葉を愛でに、獅子と狛犬に会いに、おでかけになってみてください。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

浜松にもたらされた黄檗文化 -浜松市博物館-

141105-1.jpg静岡県は浜松市にあります浜松市博物館にて、特別展「浜松にもたらされた黄檗文化」が開催中です。
日本における禅宗と言われる宗派は、曹洞宗、臨済宗、黄檗宗です。
禅宗の宗派の1つ、黄檗宗関連の展覧会のご案内。

以下浜松市のHPより。

明国からの渡来僧・独湛禅師は、寛文4年(1664)に旗本近藤登之助貞用の招きに応じ遠州金指(浜松市北区引佐町)を訪れ、初山宝林寺(浜松市北 区細江町)を開創しました。寛文7年(1667)には仏殿(重要文化財)が完成し、延宝7年(1679)の境内絵図によると、明国風の建築様式による七堂 伽藍が整備されました。「南無阿弥陀仏」を唱えれば涅槃の悟りが得られると説く独湛禅師の教えは、異国情緒あふれる雰囲気とも相まって、民衆の帰依を集め ました。

今年、初山宝林寺は開創350年を迎えます。今回の展示では、独湛禅師の師・隠元禅師が、京都宇治に黄檗山萬福寺を開いて間もないころ、浜松にもたらされた黄檗文化をご紹介します。

 

日本とはちょっと違う?!異国情緒あふれる展観。
イベントや講演会も盛りだくさんのようです(HPをご確認ください)。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

東山御物の美 -三井記念美術館-

東京に用事がありましたので、これは是非!と、新しくなりました三井記念美術館へと趣きました。

141031-1.jpg高層ビルの7階、ゴージャスな感漂う美術館は、京都には絶対にあり得ないシチュエーション。東京駅を出て、日銀本店(上空から見ると“円”なのだなぁ・・・と横目に思いつつ)を通り、おのぼりさん以外の何者でもない感じ・・・・・・。

141031-2.jpg現在こちらでは、「東山御物の美-足利将軍家の至宝-」が開催中です。
言葉になりません・・・・・・。足利将軍家に伝わる宝物、当時随一の目利き集団が集めたものとは、格が違うものなのですね。
頭がガンガンするほどに力あるものを数多く拝見し、眼福の極み中の極み。これは身心共にパワーみなぎる時にご覧になられた方が良いかもしれません!

もちろん、宋代の禅僧の賛などにも多くお目にかかれます。南宋や東山の美術などについて、新たに学びたい気持ちを抱き、美術館を後にしました。必見の展覧会です!

141031-3.jpg

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

妙興寺展  一宮市博物館


141029-1.jpg愛知県の一宮市博物館にて、妙興寺展が開催中です。

以下博物館サイトより。

貞和4年(1348)の創建以来、尾張の臨済宗の中心寺院として発展していきました。博物館の常設展示リニューアルオープンにあわせて、新たな国指定の重要文化財、愛知県指定文化財、一宮市指定文化財などをはじめ、これまで公開されることがなかったさまざまな文化財などを紹介し、妙興寺の歴史をたどります。

以前、取材にて妙興寺さんを訪ねた際のブログはこちらからどうぞ。
僧堂である妙興寺、なかなかに宝物を拝見する機会も無い事と存じます。期間中には講演会や体験会なども。詳しくは写真をクリックしてご覧くださいませ。


141029-2.jpg*写真をクリックしていただくと大きくなります。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

竹喬美術館 -岡山県笠山市-


141027-1.jpgかねてより念願であった、小野竹喬先生の生まれ故郷にあります笠岡市立竹喬美術館を訪れました。

個人的に、日本の四季や、時のうつろいを、こんなにも柔らかく優しい色で、豊かに表現した方はいないなぁ・・・と思い、様々な美しい日本の風景を見ては、「竹喬先生はこれを描かれたのだなぁ・・・」と考える事が多いのです。
また、作品を観る度に、彼のフィルターを通して、私は日本の美しさを改めて知らされます。
写真でも絵でも、そのものの本質をよりよく引き出して人々に紹介する方、自身の我が入り、自身が見せたいように表現する方、様々ですね。

141027-2.jpgある日の新幹線から。あまりの美しさにうっとりと眺めつつ、竹喬先生の事を思い出しました。

141027-3.jpg

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

「心頭滅却自涼火」 甲斐恵林寺展はじまる

恵林寺展1.jpg

こちらのブログで集荷の様子を書きましたが、「心頭滅却自涼火―甲斐の名刹恵林寺の至宝」展、花園大学歴史博物館にて展観が始まっております。

一度は御来館になった方はご存じでしょうが、小さな博物館。2つの展示場に所狭しと恵林寺の至宝がならんでいます。

恵林寺と言えば、武田信玄、武田信玄と言えば、お不動尊。下の写真の左端は、お不動尊の板木。中央はそれを刷って着色したものです。

ほかにも鎧不動など、ちょっと珍しいお不動尊も展観されています。

恵林寺展2.jpg

もちろん、快川国師をはじめとする禅僧の貴重な書画もあります。

ちょうど今年、没後300年を迎える柳沢吉保公とも縁のある恵林寺ですので、柳沢一族の書画も残されています。

恵林寺展3.jpg

本展覧会は入場料は無料です。ゆっくりと心ゆくまでご覧下さい。

会期中に行なわれる2回の講演会にあわせてお越しになると、講演会後のギャラリトークも聞いて頂けます。

ちなみに、柳沢吉保公の没後三百年を記念したこんな展覧会が埼玉県でもあるようですよ。

没後300年記念「柳沢吉保とその時代―柳沢文庫伝来の品々を中心に―」
川越市立美術館
会期:10月18日(土)~12月1日(月)

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

仙厓と鍋島 -細見美術館-

 

141015.jpg京都は岡崎、細見美術館にて開催中の「仙厓と鍋島 ―美と向き合う、美を愉しむ―」を拝見しにお邪魔しました。
仙厓さんといえば、出水美術館のコレクションが有名ですが、なにせ東京と門司にある美術館ですのでなかなか足を運ぶ事が叶わず、いつも出光さんからいただくカレンダー(ちょうど私のデスクの真ん前にあります!)を楽しむのみでしたが、今回は一度にこんなにたくさん拝見できるなんて!!というほどのコレクションを楽しませていただけました。

個人の蒐集家が時間をかけて集められたその思いまで伝わってくるよう。
本紙を引き立てる表具や軸先も、どれもこれも素敵だなぁ、大切にされているのだなぁ・・・・・・と思いましたので、そちらにもご注目ください。

細見美術館さんには、20代の若かりし頃、屋上にある東山を借景した素晴らしいお茶室での茶会に足繁く通わせていただきました。所蔵品を惜しげも無くお使いになられるその茶会で、どれだけお勉強させていただいたことでしょう。
現在も様々な企画がおありの模様。是非お運びくださいませ。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

曾我蕭白 鳥獣画の探求 -香雪美術館-

 

141007-1.jpg三重県には所蔵作品が数多く残る事もあり、三重県立美術館にて開催されていた展観も記憶に新しいところですが、今回は私設のこじんまりした美術館、香雪美術館にて・・・という事で、また違った物が見られるのかもしれないと楽しみにでかけてみました(10/13まで)。

141007-2.jpg蕭白の蕭白らしさ、彼以外の何者が描いたものでもない彼の画!に至るまでの若い頃の作品なども拝見でき、三重県立美術館での迫力有る展示と比べてしまうといささかおとなしい感じが否めませんでしたが、幼い頃から絵師として生き抜こうと決意をしていた人物の生き様を感じる事ができました。

阪急御影駅近くの閑静な住宅街にあるこの美術館、学生時代からのお気に入りですが、なんと大阪の真ん中に分館ができるのだとか!それはそれで楽しみですね!

 

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

大織部展 -岐阜県現代陶芸美術館-

陶芸家の友人が素晴らしかったというので、これは是非とも!と、岐阜県現代陶芸美術館(多治見市)で開催中の、“大織部展”にお邪魔しました。
以前、禅と文化の旅にて、永保寺さん(多治見にゆかれるなら、是非ご参拝ください!)を参拝させていただいた後に立ち寄った美術館です。懐かしく思い出しました。

141001.jpg展覧会名から、織部の名品が集まるのか?!と思いきや、織部のみならず、唐津や黄瀬戸、志野、朝鮮王朝時代の茶碗から、花入や釜、そして織部直筆の消息にいたるまで、どれもこれも、何らかの図録や名品図鑑の類で見たことのあるものが日本中からおでましのようでした。
息をのみ、ため息をつくような物ばかりを拝見しつつ、今や使われなくなった道具類(美術館の茶会などでよもや使っている物もあるかもしれませんが・・・)に思いを馳せました。
遠くでも足を運ぶ甲斐のある展覧会。オススメ致します。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

高麗・李朝の工芸 -愛知県陶磁美術館-



140929-0.jpg愛知県瀬戸市にあります、愛知県陶磁美術館にて、「高麗・李朝の工芸―陶磁器、漆器、金属器―」が開催されていましたので初めて訪れてみました。
門を入ってから美術館へとたどり着くまでの道があまりに長く、どういう事でこんなところに建てたのだろう?!と思っていましたが、なんと山中からみつかった平安時代の窯跡などをそのまま保存&展示されているからなのでした。

140929-1.jpgこの窯は、このあたりで最も古いもので、平安時代後期(11世紀末)のものだそうです。なんと立派な窯でしょう。灰釉(かいゆう・草木の灰類を媒溶剤とした釉)がかけられた皿や碗が焼かれたそうな。平安時代から使われていた釉薬が今も・・・と思いますと、尊い営みだなぁ・・・と感慨深いものなのでした。

展示に関しては、何度も通った東洋陶磁美術館(大阪)の逸品も何点かおでましで、改めて日本人が憧れる李朝の白、無作為の美に触れる事ができ、このようなものを生み出した朝鮮という地も素晴らしければ、それを見いだした昔の日本人も素晴らしいものだ・・・・・・と、自身の物さしが、いつも何ものにもとらわれないものであって欲しいと願うのでした。

高麗・李朝の工芸 -愛知県陶磁美術館-の続きを読む

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

良いかたち、美しい色 -昭和美術館-

 

140925-1.jpg

茶道具を多く収蔵する、名古屋市内にあります昭和美術館を久しぶりに訪れてみました。
今回は「良いかたち、美しい色」(12/7まで)という展観名。

「何が楽しめるのだろう・・・・・・」と楽しみにお邪魔しますと、日本の歴史上最も有名といっても過言では無い能筆家(能筆家というだけにはとどまらない才能を携えていらっしゃいましたが)“寛永の三筆”として知られる本阿弥光悦・近衛信尹・松花堂昭乗の書が。
私も学生時代より、特に本阿弥光悦に魅せられ、俵屋宗達が下絵を描き、光悦によって美しい字が認められたものを追いかけて、方々の美術館を巡ったものです。久々に拝見、しかも初めて拝見するものがあり、新鮮な気持ちになれました。
その他茶道の道具類も眼福。足を運んだ甲斐がありました。

140925-2.jpg美術館敷地内にあります南山寿荘(なんざんじゅそう)内にあります茶室、「捻駕籠(ねじかご)の席」も拝見したかったのですが、現在工事中にて叶わなかった為、また再訪したいと思った次第。
名古屋には有名な徳川美術館がありますが、こちらの美術館もオススメです。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

「滅却心頭火自涼 -甲斐の名刹 恵林寺の至宝-」 集荷の様子

20140912-1.jpg禅文化研究所のホームページの方で既にお知らせしていますが、この秋の特別展として、「滅却心頭火自涼 -甲斐の名刹◆恵林寺の至宝-」を、花園大学歴史博物館で開催します。

来月からの会期ではありますが、今月末には恵林寺様の新命住職晋山式がありますので、少し早めではありますが、恵林寺へ出展作品の集荷に出向いて参りました。

運送するのは、日本通運の美術品専用輸送車と専門スタッフです。大切な宝物をお預かりするため万全を期しています。

20140912-2.jpg

恵林寺の境内には、「信玄公宝物館」があり、恵林寺蔵の多くの宝物を寄託保存されていますが、今回の集荷にあわせて、事前に恵林寺に一時返却をしていただき、すべての集荷作業は恵林寺の書院にて行なわさせていただきました。

20140912-3.jpg

まずは、一本一本、軸物を吊して、状態を確認し、折れや虫食いの場所などを集荷調書に記載していきます。このチェックには古いものほど時間がかかります。

20140912-4.jpg集荷のための調査を終えたものを、日通の美術スタッフが順次、丁寧に梱包していきます。軸物の箱がきちんと入ってしまうように、とても大きな軸の場合には、それに合わせた段ボール箱をその場で作ってしまうところは、さすが専門スタッフの熟練の技術です。

20140912-5.jpg朝からかかって丸一日を費やして、約70作品の梱包が完了しました。すべて完了すると、こういう形になります。これを翌朝、トラックに積み込んで一路京都へ、という段取りですすみました。

20140912-6.jpg恵林寺の文化財がまとまって寺外にて公開されるのは、今回が初のことだと聞いております。是非、「滅却心頭火自涼 -甲斐の名刹 恵林寺の至宝-」へおいでください。

by admin  at 08:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

如法寺展 -大洲市立博物館-

 

140829-1.jpg3年前に訪れました、愛媛県大洲市にある古刹、如法寺さん(詳しくは以前の記事にありますので、リンク先をご覧くださいませ)。
当時はあちこちで修復作業が進んでいましたが、このたび、重要文化財でもある仏殿の保存修理を終えられたとのことで、市立博物館で展覧会をされる運びとなったようです。
ご案内をいただきましたので、是非とも皆さまに足をお運びいただきたく・・・。
近くには、臥龍山荘もあり、かの地の文化度の高さに、胸躍らせながら旅をした事を思い出します。木蝋で栄えたお隣の町、内子などの風情も素晴らしく。
また是非とも訪れてみたい地の一つです。
お近くの方は必ずや、遠方の方も旅がてら、是非!

「如法寺展 ~大洲に伝えられた盤珪禅師の歴史と心~」

【期間】平成26年7月23日(水)~平成26年11月3日(月)9:00~17:00
【場所】大洲市立博物館 4F展示室
所在地:松山市大洲市中村618-1 社会教育センター内
電話番号:(0893)23-4107
FAX番号:(0893)24-4107
駐車場:14台 (有料。最初の1時間150円。その後30分毎に80円)
【交通】JR大洲駅から徒歩約5分
【料金】無料

140829-2.jpg

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

岡本太郎記念館 -東京・南青山-

 

140717-1.jpgこの界隈を訪れると、どうしてもふらふらと根津美術館に引き寄せられてしまう私ですが、今回は気になる存在であった「岡本太郎記念館」を訪れました。

140717-2.jpg岡本太郎といえば、関西人にはかの“太陽の塔”で馴染み深いわけですが、私の場合は実家にありました岡本かの子の『観音経を語る』・『仏教聖典を語る』を家人が熱心に読んでいた事から、どちらかというと「岡本かの子の息子」という目線で、なんとも興味深い親子だなと思っておりました。

140717-3.jpg元々、岡本太郎の住まい兼アトリエだったお家が、現在は記念館となっています。
「理解する」などということは飛び越えて、岡本太郎が死してなお発する波動を感ずるような世界が広がっていました。
こちらのお庭で1955年に開催された「実験茶会」の記録では、裃に身を包みお茶を点てられるお姿が。亭主が亭主なら、客も名だたる方々。即興連歌も詠まれたようで、なんとも興味深い茶会なのでした。

140717-6.jpg帰りにショップをのぞき、序文からほとばしるパッションに魅せられてしまい求めました。
____________________

世界をこの眼で見ぬきたい。
眼にふれ、手にさわる、すべてに猛烈に働きかけ、
体当たりする。
ひろく、積極的な人間像を自分自身につかむために。
純粋な衝動である。
そんな情熱が激しく噴出するとき、それは憤りの相を呈する。
だから、私は怒る。また大いに怒らなければならないと思っているのだ。
____________________

日本人の在り方を危惧し、警鐘を鳴らしてくださった太郎先生の著作、『美しく怒れ』  (角川oneテーマ21)の、“はじめに”より。

日本人のアイデンティティの確立、自己をみつめる為に、大いに手助けとなり得る本かと思いました。どこを読んでも美しい怒りに溢れる本。記念館と共にお勧めします。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

久松真一記念館 再訪


140715-1.jpg6月に開催の禅と文化の旅にてお邪魔しました、岐阜市の久松真一記念館。禅と文化の旅の折には時間の制約がありましたので、今度はゆっくり堪能したく、再訪して参りました。

禅と文化の旅の時はどくだみの季節。今回は半夏生が我々をお玄関で出迎えてくれました。

前回とは違うお軸をかけていただき、貸し切りの状態で友人3人とゆっくり、お床や茶室や書斎、先生のお父上が作られたという職人顔負けの茶器や仏像なども心ゆくまで拝見。館長の久松定昭さんともゆっくりお話させていただき、充実の滞在となりました。

近頃では、裏千家関連の冊子に久松先生の特集が組まれた為、お茶人さんの訪問が多いのだとか。茶の湯を学ぶ者に、先生の禅風はどのようにうつることでしょう。先生が生きておられたら、私の茶に対する姿勢をどう仰るだろう・・・考えている時点で一刀両断されそうですが、そのような事を意識しつつ、私も茶の湯の道を学んでゆきたい所存です。

さて、最後に少しご紹介。
最近友人に勧められて読みました、精神科医・加藤清先生の『この世とあの世の風通し』という本にも、久松先生の禅風と、一種突き抜けた存在であった事が偲ばれる文章が出て参りました。この本については、また詳しくご紹介できればと思っています。

なお、記念館は予約制です。岐阜近辺にゆかれる際には是非お運びください。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

仏教と思想の文化 -龍谷大学ミュージアム-




140714-1.jpgチベットの仏教世界
の展観にお邪魔しましてから、すっかり虜になってしまったこの龍谷ミュージアム。
8月3日(日)まで、「仏教と思想の文化 第Ⅰ期-インドから日本へ-」が開催中です(第Ⅱ期は8月9日から)。
こういう世界(禅文化研究所)にいますと、仏教=お釈迦様は当たり前中の当たり前だと思いがちですが、意外にも若者のみならず、お歳を召された方にも「あれ、禅宗も仏教だし、あれでしょ、元はお釈迦さんなわけ?」と自信なさげに聞かれたりする事があります。
インドでお生まれになったお釈迦様という偉大な覚者の教えが、長い年月をかけて伝播し、土着の信仰と結びついたり混じったりしつつ日本へもやってきて、そしてまた様々な宗派が生まれました。

そんな、インドからの仏教の流れを知る絶好の機会ではないでしょうか。

2階展示室では、アジアの仏教を大きな柱として、「仏教とは」「釈尊の教えとその継承」「大乗仏教とガンダーラ・西域」「中国の仏教」、さらに3階展示室では、「仏教伝来」「国家と仏教」「仏教文化の円熟と日本的展開」の3章で日本の仏教を紹介されていました。

さらに、日本の信仰において特徴的ともいえる、“神仏習合”の例を見るべく、「日本の神とほとけ」の展観もなさっておられました。非常にわかりやすく充実した展観。お勧めします。

140714-2.jpg

仏教と思想の文化 -龍谷大学ミュージアム-の続きを読む

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

かやぶき美術館 -京都府美山町-

 

140703-1.jpg先日はかやぶきの里の小さな藍美術館をご紹介しましたが、今回ご紹介しますのは、かやぶきのお宅が並ぶかやぶきの里からは少し離れた所にあります、かやぶき美術館です。

140703-2.jpgみんなで花を摘みにでかけます

かやぶきの里では、茅葺き屋根が並ぶ姿には感激しましたが、幾分観光地化されており、しかもバイク好きの方が団体でいらっしゃる為、静かな山あいの里・・・というよりも騒がしく(日によるでしょうが・・・)、私はこちらのかやぶき美術館の辺りの静かな、日本の原風景が残り、観光客もまばら・・・という雰囲気の方が好ましく思えました。

140703-3.jpg私が摘んだ花は、研究所に飾りました

かやぶき美術館での土楽さんの展覧会に合わせて開催されました、当主・福森雅武氏による花の会は、学ぶところ多々。お隣にある資料館からお借りした日常の道具類が、先生の感性によって立派な花器へと変貌。花が生けられると、途端に息を吹き返したかのようでした。
かやぶき美術館での土楽窯展は、7月13日まで。
さらに、7月25、26、27日は伊賀にて陶器祭が開催され、土楽さんも出店されるそうです。美しい日々のくらしの道具を見に、是非お運びください。

140703-4.jpg140703-5.jpg140703-6.jpg140703-8.jpg140703-9.jpg

 

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

「蓮-清らかな東アジアのやきもの」 -東洋陶磁美術館-

140701.jpg

先日少し書かせていただいた、“藍”もそうですが、この花も世界中、特にアジア諸国で象徴的な存在とされています。
東洋陶磁美術館にて開催中の「蓮-清らかな東アジアのやきもの×写真家・六田知弘の眼」を観てきました。

仏教で、泥の中より美しい花を咲かすという事でよく説法などにも登場したり、身近なところで言えばお盆のお仏壇やお墓の花にはいつもより特別に豪華に蓮の花が加わったり、物心つく以前からもう「特別」な感じのするこの花ですが、先入観無しに観ても、惹かれない人がいようはずもないであろうと思えるわけです。

ギリシア神話などでは、人間を誘惑する物の象徴、エジプトでは再生の象徴(蓮と睡蓮を厳密に分けないようですが・・・)のように書かれているそうな。
とにもかくにも、国や宗教によっての解釈は色々あれど、我々を惹き付けてやまない花である事は世界共通であるようです。

そんな花のモチーフが描かれた東アジアの器ばかりを鑑賞できるこの展観。陶磁器に描かれた蓮を見るだけで、もう頭には、「あの時に見たかの美しい蓮・・・」というのが想像できています。
ので、あえて写真展も一緒にする必要性があるだろうか・・・と個人的には思いました。今月27日(日)まで。

140701-1.jpg蓮の原産はインドとされているようですが、私の場合二度のインド滞在では、蓮よりも様々な種類の睡蓮をよく見かけました。
全く話が変わるのですが、この花を見ていると、黒田清子さんのお印が未草だったなぁ・・・・・・と、彼女のご結婚の際の立ち居振る舞いの美しさを思い出すのでした。

140701-2.jpg

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

小さな藍美術館


140625.jpg京都の奥座敷、美山はかやぶきの里にあります、“ちいさな藍美術館”を訪れました。
藍特有のにおいが立ちこめる染めの工場から、世界の藍の布まで、ちいさくともその内容は濃く深く、まさに藍の色のよう。

藍というと、日本古来よりある染めもの・・・と、なんとなく思っていましたが、その起源はなんと、さかのぼると古代都市テーベの遺蹟より発掘された紀元前2千年頃のミイラが、既に藍で染めた麻布を巻いていたのだとか。
エジプトで栽培されていた藍は、オーストラリアを除く全世界で栽培され、染めの原料として使われていたそうです。

140625-1.jpg世界各地で染められて織られたものや、刺繍をほどこしたもの、土地によって文様も様々。この深いブルーは、世界中の人々を虜にしたのですね。
私の中で最も印象的な藍染めの色といえば、研究所に入って間もない頃におみかけした、長年修行をされてこられた雲水さんのつぎはぎだらけの、色も浅黄色ほどに薄くなった麻衣です。
色も落ち、ぼろぼろになったはずが、着る人の醸し出すものからでしょうか、ぼぉっと光っておられたのを今でも鮮明に覚えています。

by admin  at 09:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

南山城の古寺巡礼 -京都国立博物館-

140610-2.jpg京都国立博物館で15日(日)まで開催の、南山城の古寺巡礼。

南山城の古寺といえば、十一面観世音菩薩をお祀りされているお寺さんが多く、白洲正子さんの『十一面観音巡礼』に憧れ、何度も足を運んだ地です。この地にスポットが当たるとは!!と、嬉々としてでかけました。

東大寺造営に必要な材木が、伊賀や滋賀の地から木津川を使って運ばれた事、その木津川沿いに寺院が多く、十一面観音も多くお祀りされている事、終着地、東大寺の二月堂で行なわれるお水取り(十一面観音悔過)、お水取りに関心を持つと、そこから若狭のお水送りの舞台・神宮寺へも。
何もわからぬまま足を運ぶうちに、だんだんと点が線となり、信仰の道というのが繋がり、見えてきたものです。もちろんまだまだこれから色々と足を運ぶつもりです。
自ら足を運ぶのは尊い事。そのような事を教えられた原点の地、南山城。

140610-1.jpgもちろん、我らが臨済宗・一休寺(酬恩庵)さんの宝物も数多く展示され、それは興味深く楽しい展覧会でした。

この初夏は、大阪市立美術館での熊野の神仏も素晴らしかったのですがが、この展覧会も筆舌に尽くし難い内容。ゆっくり堪能し、美術館を出ると、とっぷりと日が暮れていました。

140610-3.jpg

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

山の神仏-吉野・熊野・高野 -大阪市立美術館-

 

140602.jpg

終わってしまった展覧会で申し訳ないのですが・・・また奈良や和歌山を訪れる方のご参考までに、大阪市立美術館にて開催されていました、「山の神仏-吉野・熊野・高野」を訪れましたのでご報告です。
大自然そのものが神であり仏である事を教えてくれるような地、吉野・熊野・高野におはします神仏が、美術館に集合!
近頃ことに関心を寄せ、参拝したりこれから参拝してみたいと思っている寺社の神様仏様に拝する事が叶いました。

先日参拝して参りました熊野速玉大社の熊野速玉大神坐像など、もう言葉になりません。普段は秘められた神様が、我々の前におでましいただく事すら恐れ多く、もったいなく思えるのでした。自身が拝観に足を運びながらおかしな事を言いますが、多くの人の前にさらけ出されるべきものではないのだな・・・という事を学ばせていただきました。まぁそんなことくらいで穢れる事もないほどに大きなお力をお持ちの坐像でしたが・・・。

土着の信仰や日本古来の神々、元はインド、そして朝鮮や中国から渡ってきた仏教の考えや仏様など、さまざまなものが混淆した信仰に、改めて日本人のおおらかさを感じました。
明治以降、様々な事柄を分離し、はっきりと区別をつける傾向にありますが、境界を設けない、曖昧さもよしとする日本古来の考え方、物事のとらえ方は、今こそ新たに注目されるべき点であるな・・・とことさらに感じた展観なのでした。
今なお神仏混淆の時代を色濃く残す地、吉野・熊野・高野へは、死ぬまでに何度でも足を運び、日本人である自分というものを考えてゆきたいと思います。

*個人的には、関心を持っている様々な役行者像、狩場明神の画が拝見できた事が嬉しかったです。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

吉岡幸雄の仕事展 「日本の暦・色かたち」 -日本橋高島屋-

 

140528-1.jpg5月21日(水) ~5月26日(月)まで日本橋高島屋にて開催されていました、「染織家 吉岡幸雄の仕事展-日本の暦・色かたち-」にお邪魔してきました。
今月初めにも、鎌倉の東慶寺さんにて、吉岡家所蔵の更紗展にお邪魔しました。京都に住んでいながらなぜか関東でばかりご縁があります。

140528-2.jpg季節ごとの行事には、その季節に見合った色が使われます。こんなにも豊かな色が日本には溢れている、そしてそれはそのまま、日本が四季のうつろいある自然豊かな土地である事を表しているのだと、感慨もひとしおでした。

140528-3.jpg思えば我々日本人は、さほど意識せずとも、毎月毎月の色というのは、自分達の中でもイメージがきちんとあるものですね。
会場は、天然染料の浄化作用?!からか、浄められているような心地がしました。

また、自然界と切っても切れない“色”の仕事が、寺院の宗教行事とも密接な関わりを持っていた事にも注目。ただただ、染色や布が好きで色々とみてきましたが、平安時代の装束のかさね色目にも前々から興味がありますし、もう少しこの世界についての理解を深めていきたいこの頃です。

140528-4.jpg6月3日 (火)~6月8日 (日)まで、北鎌倉の東慶寺さんにあります東慶寺ギャラリーにて、染司よしおか展が開催されるもよう。是非お運び下さい。
その他の予定はこちらでご確認いただけます。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

福森雅武 土楽窯展 -美山かやぶき美術館-

 

140526-1.jpg弊所の季刊『禅文化』でも、その自然と共にあるくらしや、花の会などの取材でお世話になっております、伊賀の土楽窯・福森雅武氏。
本日より、京都の奥、美山のかやぶき美術館にて展覧会が始まりました。福森先生の作品はもちろんの事、工房のものも並びます。

6月14日(土)には、福森雅武氏の四女で跡継ぎの道歩さんによるお料理の会、15日(日)には雅武氏の花の会が催されます。
お二人が、どのようにご自身の中に自然をとりこんで、自然と共に生きていらっしゃるのか(そんな事意識すらせずとも、そのようにあるお二人なのですが・・・)、日々のくらしには欠かせない料理と、花を生けるという事から、我々が学び、感じ取れるすばらしい機会かと存じます。

自身も自然界の一部であると自覚し、自然と共に生きる事は、禅の世界にそのまま通ずる事だと思い、私も足繁く土楽さんには通い、学ばせていただいています。是非皆さまもこの機会に感じてみてください。
ご予約&詳細はこちらからどうぞ。

140526-2.jpg

140526-3.jpg

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

山茶碗 -多治見市美濃焼ミュージアム-

 

140522-tajimi.jpg“山茶碗”が展覧会の名称に挙がる事があるでしょうか。なかなかに無い事です。これは是非にと多治見まで足を運んでみました。

そもそも山茶碗とはいったいなんでしょう。美濃焼ミュージアムのHPでの解説には、「平安末期から鎌倉、室町時代を通じて東海地方のほとんどの窯業地で生産された無釉の碗で、地域によって土や形に差があります」との事。庶民の普段使いの器であったようです。

時代を経て味わいを増し、無心で作られたこの雑器を、茶人や骨董好きが放っておくわけもありません。確かに、無釉である事がより一層侘びた感じを抱かせ、時に灰などが熱により自然釉となってとろりと垂れている姿など、何かに見立てず見過ごす事があろうはずもなく。そんな趣きを見て、歌でも一句読めそうな人々こそ、日本人なのでありましょう。
抹茶茶碗としてはもちろんのこと、懐石の向付、はたまた日々の器としてお漬け物入れにしてもよさげな、様々な窯元から発掘された山茶碗が所狭しと並んでいました。

また、こちらのミュージアムでいつも楽しみにしているのは、「実際に触れてみよう!」のコーナー。今回も窯跡から発見された山茶碗が置いてあり、実際に触れて感じる事ができました(前回訪れた時には、発掘された織部や志野の陶片を触る事ができましたよ!)。

 

 

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

利休・剣仲・織部の時代 -野村美術館-

140521.jpg緑美しい南禅寺参拝とあわせてお邪魔したいのは、野村美術館です。
現在、ホープ揃いとでも言いたくなるほどの名品がずらりと展示されています。それもそのはず、展観名を拝見すればわかる事なのですが・・・。

「利休・剣仲・織部の時代 ―天正から慶長の書と茶陶―」

当時の最先端、今まであったものにとらわれる事なく自分を生きた茶人にまつわる茶道具たち。面白くないわけもありません。

先人が新たに生み出し、長い年月伝わってきた茶道具というものを、我々現代の茶の湯をする者は拝見しているわけですが、現代においても常識を覆すような茶道具が出てきた時に、「今までに無いもの」に、単に拒否反応を持つのではなく、その物の真意を問える自分でありたいと願います。
ただ、単に奇をてらったものや、型を習得する前に型破りをしているような物(人)には、用心したいものです。

140521-2.jpg

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

チベットの仏教世界 -龍谷大学ミュージアム-

 

140512-1.jpg学生時代に旅行したネパール。訪れたチベット寺院で見た僧侶達の衣の色や、亡命してきたチベット人の営む商店の記憶は、今も鮮やかに脳裏に焼きついています。
店番をする女の子とは、同じ仏教徒という事や、私自身ダライラマ法王を尊敬しているという話から仲良くなり、チベットやチベット人は、いつからか心揺さぶられる存在となっていました。
この展観も見逃せるはずもなく、嬉々としてでかけてみました。

140512-2.jpg他宗派の事となるとお恥ずかしながら無知なもので、大谷探検隊の存在は知っていましたが、その中に、明治の初期という時代に、チベットにて学んだ2人の若き学僧がいらした事は知りませんでした。
ダライ・ラマ13世の治世下、その許可を得て、主に市井に暮らし、チベットの風俗や文化、原語などを習得する事に努めた青木文教師、チベットの寺院にて、10年もの長きに亘りチベット仏教の修行を積んだ、多田等観師です。

彼らの足跡、成果などをふまえながら、仏像やタンカなど、チベット仏教縁の品々が並ぶ展覧会。それはすばらしいものでした。
特に、多田師がダライラマ13世より贈られた「釈尊絵伝」には、日本では重要とされていない為か釈尊の伝記を読んでも書かれていない場面などが描かれており、とても興味深く、間近に美しい細密画を堪能させていただきました。

また、同じ会場にて、ベゼクリク石窟の大回廊復元展示もされており、トルファンが栄え、仏教美術の華開いた当時さながらの回廊を歩き、この素晴らしい事業に感銘を受けました。
シアターでは、この復元事業についてのVTRも拝見し、じっくり3時間ほどこのミュージアムを堪能しました。オススメの展覧会です。

140512-3.jpg

サンガセミナー禅と文化の旅、お申込受付中です!ご参加お待ち申し上げております。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

武家のみやこ 鎌倉の仏像 -迫真とエキゾチシズム- -奈良国立博物館-

 

140509-1.jpg武家のみやこ 鎌倉の仏像-迫真とエキゾチシズム-と題しまして、鎌倉の仏様が奈良国立博物館に集まっていらっしゃいます。

質実剛健、鎌倉のもののふの気配、そういったものを仏像の特徴からもまた感じ取る事ができます。

140509-2.jpg平家の軍勢により焼き討ちにあった東大寺を復興する為大勧進を行なった重源に、並ならぬ力添えをしたのが、時の将軍源頼朝でした。そのような縁もあって、重源が重用した康慶・運慶・快慶ら慶派の仏師らは鎌倉でも活躍するようになったとの事。

この展覧会、仏像はいうまでもなくそれはそれは数々の美形の仏様がお集まりですが、私の興味をひきましたのは、頼朝への感謝の証でしょうか、大仏殿供養に参列した折に手向山八幡宮から頼朝に送られたという舞楽面なのでした。猿楽発祥の地、能の原型ともいえるようないくつかの面は、シルクロードを経てやってきた大陸の文化までをもこちらに思い起こさせ、しばし時空を旅するごとき心地でした。

140509-3.jpgまた、浄光明寺の観音菩薩坐像などは、もしも「絶対的な美」というものがあるのだとしたら、まさにこのお像なのではないかしらんと思えるほどに、ぐるりと一周してどこを拝見してもあまりに美しいもので、ともすれば心惹かれすぎてあやうくなりそうな心地がしたくらいです。首のかたぶき加減まで、完璧な角度ではないかと思えてしまうのでした。

140509-4.jpgこの日は時間が無かったのですが、せっかくの奈良ですから、大好きな大木と、野生の藤、神の使いに会ってから、帰路を急ぎました。

140509-5.jpg

禅と文化の旅、お申込受付中です!

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

東慶寺 「吉岡コレクション 更紗展」

 

140507-1.jpg弊所の書籍を置いて下さっている書店様への営業の為、東京・神奈川へ行って参りました。書店を廻っていると、土地柄や、今どのような本が主流になっているのかなど、様々な気づきがあります。

140507-2.jpgさて、せっかく東へと赴くのであれば・・・と、是非とも拝見しておきたかった、鎌倉は東慶寺さんにて開催中の「吉岡コレクション 更紗展」にお邪魔して参りました。

140507-3.jpg東慶寺では花も楽しみの一つ。シャガの群生は光を浴びて」妖精のよう。

更紗の色の深さは、インドやインドネシア等の歴史、文化の深みそのもの。文様もそれぞれに面白く印象的で、日本人に古来より愛され、時を経てお寺の静かな宝蔵で今私が拝見できる不思議を思いました。世界各国に様々な織や染色が残りますが、更紗ほどひきつけられるものはありません。

140507-4.jpg十二単が群生していました

この日は境内にあるお茶室で茶会も開かれており、宝蔵隣にあるショップにもセンスの良い素敵な便箋や小物が揃っていました。うちの書籍も置いていただいていますよ!!!

140507-5.jpg大好きな花が!白雪芥子です

お寺が文化を守り、さらにそれだけではなく縁の下の力持ちとなって文化の発展に貢献する姿がこちらにはあり、素晴らしい例を目の当たりにしました。やはり、ほんものを見て、感じての感動なかりせば、到底守ってはゆけぬものと思いました。

140507-6.jpg珍しい翁草も咲いていました


東慶寺の寺庭・井上米輝子さんの生けられる花や、四季折々のしつらえ、お料理の大ファンです。出版なさった本のページをめくりながら、いつもうっとり、お手本にさせていただいたりしています。近くでしたら、足繁く通いたいお寺なのでした。
お近くの方は是非ともご参拝なさってみてください。


禅と文化の旅サンガセミナー、申し込み受付中です!

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

江戸の異国万華鏡 -MIHO MUSEUM-



140430-1.jpg

布好きにはたまらない展観が、滋賀県は信楽のMIHO MUSEUMにて開催中です。
江戸時代に、オランダの東インド会社によってもたらされたインド更紗の名品の数々。その展示によって、まさに異国万華鏡というに相応しい世界が繰り広げられていました。
茶の湯の世界では、茶碗や茶入などを入れるお仕覆(袋)に、よく更紗が使われています。名器であればそれに相応しい布が使われており、昔の日本人の、異国文化を受け入れ、自国の文化の中に取り込み昇華させてしまう才能には惚れぼれします。
期間中に再度訪れるつもりです。

140430-2.jpg

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

ポジャギとチュモニ展 -高麗美術館-

 

140409.jpg3月末で終了しましたが、大好きな美術館の展観です。

-「ポジャギとチュモニ展」-
韓国刺繍博物館より、選りすぐりの逸品が京都にお目見えという事で、布好きにはたまらない展観なのでした。

母から娘へと受け継がれたり、また、嫁入りの為に自らが作るこういった布や、織物などが世界各地に存在し伝わっていますが、どれを見てもその“おもい”が伝わってきて、共通した精神を感じます。そんな時、国境はあって無いようなもの。世界は一つ、人間は皆同じ・・・・・・という思いに至ります。柳宗悦のことばが浮かびます。

こちらの美術館、今開催されている展観も楽しみ。近々訪れます。

 

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

「不立文字 -禅の書画と典籍・六〇〇年-」展開催

 

不立文字展

禅文化研究所創立50周年記念所蔵作品展として、4/2より花園大学歴史博物館にて「不立文字 -禅の書画と典籍・六〇〇年-」展が展観開始されました。
本展覧会では、当研究所における禅宗関係資料の収集・保存活動によって、今日までに蓄積された28,000点を超える作品・資料のうち、室町時代から現代に至る墨蹟をはじめ、書画および典籍の優品約100点をご紹介します。
当研究所所蔵優品資料が一挙に公開されるのは本展が初の試みです。時代が異なれば、種類や画題も様々です。またとない機会に、研究者のみならず広く皆さまに鑑賞いただき、禅の文化と美術に親しんでいただけましたら幸いに存じます。

展示品一覧

会期は平成26年4月2日(水)~6月7日(土)、開館時間は10:00~16:00(土曜日は14:00まで)、日曜と5月5日(月・祝)は休館です(但し、大学行事により臨時休館する場合があります)。入場は無料です。是非お立ち寄り下さい。
また、会期中に記念講演会を二回開催いたします。詳しくはこちらをご覧下さい。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

無量寺 ―南紀串本―

 


140327-1.jpg2011年のMIHO MUSEUMでの展観
を観て以来、いつか必ずや訪れてみたいと思っていました、円山応挙、長沢芦雪ゆかりの寺、南紀串本にある臨済宗東福寺派の無量寺さん。


140327-2.jpg樹齢は?!南国の寺らしく、巨大な蘇鉄です

宝永4年(1707年)の地震による大津波で全壊・流失。その地震と津波より時を経る事79年、天明6年(1786)に、白隠下の文保愚海和尚が、現在の地に本堂再建の悲願を果たされたのだとか。
その再建に際し、かねてより親交のあった円山応挙に本堂の襖絵等の制作を依頼するものの、都で引く手あまたの人気絵師。さらに年齢の事もあり、祝いに障壁画12面を描きましたが、その他の仕事を一番弟子の芦雪に託しました。

140327-3.jpg

芦雪は、約十ヶ月間の南紀滞在中に、270点余りもの絵を描いたのだとか。MIHO MUSEUMにてその秀作に出会う機会を得たおかげで、実際に串本に足を運び、その土地の太陽や海、山々、大自然の圧倒的な美しさに触れ、芦雪が如何にこちらの寺で自由に創作に励んだのかを伺い知る事ができました。

140327-4.jpg美術館などでこれだと思うものに出会えば、その作品の描かれた土地を訪れると、より深く自分の中に入ってきますね。足を運んでみる事の尊さを、改めて感慨深く思ったのでした。

140327-5.jpg

 

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

南方熊楠記念館 ―南紀白浜―

 

140325-1.jpg2月にお仕事でお邪魔した際に、次に和歌山におもむく際には必ずや訪れようと思っていた南方熊楠記念館へ。
熊楠先生については、私の父祖の地が田辺市である為に親からたびたび聞かされつつ育ち、幼い頃に記念館に訪れていたものの、田中神社の合祀反対運動についてを知り、いま一度この和歌山が生んだ稀有な存在をみつめたいと思ったわけです。
記念館に入り、なにやら熊楠先生ファンのようなおじさま方が「どんな人、何してた人って聞かれると困っちゃうんだよねぇ」と談笑・・・。確かに、あらゆる分野に精通しすぎていて、彼を一言で説明できるような言葉など存在しません(一応、民俗学者・生物学者となっていますが・・・)。


神社の合祀反対運動にしてもそうですが、もう随分昔から、この世界の自然破壊に警鐘を鳴らし続けていらっしゃいました。一体自然界で何が起きていて、今後どうなってゆくのか、全てを見通していらっしゃったのかもしれません。
粘菌類などの小さな小さな世界をみつつ、広い世界を観ていた熊楠先生。原子力発電について、先生が生きていらっしゃったら何と仰るのか・・・など考えつつ、今後の自然と人間の共存についてのヒントが隠されている気がして、もっと広く熊楠先生についてを世の人々に知ってもらいたいと思った次第です。

140325-2.jpg昭和4年(1929年)6月1日には、保護に努めた神島(かしま)にて昭和天皇へ粘菌学などを進講、その際に変形菌の標本をキャラメル箱に入れて勧献した事はあまりに有名な話です。
この時の感慨を、熊楠先生は歌に詠んでおられます。

一枝も心して吹け沖つ風 わが天皇(すめらぎ)のめでましし森ぞ

なんと美しい歌でしょう。そして昭和天皇が、昭和37年(1962年)、南紀行幸の折に熊楠を追憶し詠まれた歌が、熊楠記念館に碑となって、日本の、和歌山の生んだ宝ともいえる人物を讃え続けていました。

140325-3.jpg雨にけふる神島を見て 紀伊の国の生みし南方熊楠を思ふ


140325-4.jpg熊楠記念館の屋上より

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

午歳の春 ―北村美術館―


140320.jpg“竹花入”といえば、戦場で竹を切って即興で花入れを作り、花を生けた利休さんが有名で、その後掛花入れとして茶室でももてはやされましたが、これを置き専用の花入れとして発案されたのは、宗旦四天王の一人、藤村庸軒だそうです。
そんな庸軒の、置き花入れの本歌とされる“遅馬”のご銘を持つ竹花入れがお目見えする今回の展観(豪快な花入れで圧倒されました)。

北村美術館の展観は、待合のしつらえから濃茶、薄茶の道具と、茶事の流れそのままに道具類を拝見できる為、非常に勉強になります。
良い物がたくさん並ぶ展覧会も魅力的ではありますが、じっくり味わい、わからなかった事を調べたりして向き合うには、これくらいの展示が一番良いと個人的には思い、春と秋の展観には必ず足を運ぶ美術館です。

午歳の春 北村美術館
詳細はこちら

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

道教・仏教と人物の書画 ―澄懐堂美術館―

 

140312.jpg

三重県は四日市にあります澄懐堂美術館にて、「道教・仏教と人物の書画」が開催中。
なかなかに希な展覧会です。詳細はサイトにてご確認ください。
私もまだ訪れた事の無い美術館ですが、今後注目していたいと思っています。

by admin  at 09:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

大西清右衛門 茶の湯釡の世界

 

140115.jpg美術館「えき」KYOTOにて開催中の、「御釡師400年の仕事 -大西清右衛門 茶の湯釡の世界-」へと足を運びました(本日17時までです!!!是非!!!)。

お茶の稽古をしていなければ、ほぼ一生知らずに終わる存在である釜師。その仕事というものが、大々的にこのような美術館で紹介される事を好ましく思いました。
御釜師というその名の通り、茶の湯で使われる釜を主に制作する職方で、大西家は千家十職にも名をつらねる職家です。

鉄という素材があそこまで様々な表情を見せる事に、初めての方は驚かれた事と存じます。茶の湯を稽古する者も、改めて普段使うお道具の奥深さを知る機会となりました。


「あなたの好きな釜は?3つ挙げてください」というアンケートを行なっていました。興味無いかもしれませんが、私の3つをご紹介。

1、古天明 茄子釜 銘「金槌」
2、天明 播知釜
3、芦屋 月ニ波兎地文繰口釜

一位はありきたりですが、利休さんが藪内剣仲に贈ったと伝わる釜です。ハッと息を飲む意匠。まさに金鎚でわざと釜の肌を打ち砕いたような・・・。
やはり利休さんは同時代はおろか、歴史に比類なき天才です。
この釜を拝見していますと、正月に我が研究所の所長が書いていた下記のことばが思い浮かぶのでした。一見わけのわからない禅語、公案?!のような釜なのです。
ガーンと頭を打たれたような衝撃でした。

「このような本分の機語はわれわれを焦げ付いた常識から開放しようとする禅者の鉄鎚なのです。固定観念に囚われて窮屈に暮らしているわれわれ凡人の常識を粉砕してやろうというわけです。意味を理解しようとしたら、また新たな鉄槌が下るでしょう」


二位は、佐久間真勝所持ゆえ、龍光院に伝わった釜。半端ない品格をたたえている事、所持者に愛された事などがひしひしと伝わってくる釜です。どれでも使って良いと言われたら、これを使ってみたいと思いました(天変地異を起こしてしまいそうなくらいに分不相応な事を承知の上で言ってみましたのでご放念ください)。
この釜1つで、佐久間真勝という人に会ったような気分になる、もっと彼を知ってみたい・・・そんな釜でした。

三位はほっと一息、胴がたっぷりした芦屋釜。表は月に兎、裏は鷺という美しい地紋に魅せられました。

現在大西清右衛門美術館にて開催中の、「新春の寿ぎ -福をよぶ茶道具-」も近々お邪魔する事としましょう。

by admin  at 08:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

西村惠信所長 淡彩画展

 

20131211_b.jpg

禅文化研究所所長西村惠信先生の趣味は淡彩画。
先般の禅と文化の旅の途中、慈照寺(銀閣寺)ででも、拝観中にスケッチブックと鉛筆を取り出してデッサンを始められるほど、行く先々で写真を撮るように描かれてきました。
去る7月に傘寿を迎えられた先生は、今まで描かれてきた淡彩画の一部をまとめた画集『いのちの風光』(非売品)を自費出版して、傘寿祝賀会の出席者にプレゼントされたほどです。
今回、そんな中から数点を展示される展覧会が、京都東山の小さなギャラリーで開かれています。会期が短いですが、お近くにおいでの際には、是非お運び下さい。

 


第三回 三余居(西村惠信)淡彩画展
とき:2013/12/8~12/21 11:00~17:00(ただし12/15・16日は休館)
ところ:ギャラリーめん(TEL 075-771-6343)
京都市東山区東町243(ウェスティン都ホテル京都 斜め向かい)
地下鉄東西線「蹴上」駅②出口より徒歩3分


※先述のとおり淡彩画集『いのちの風光』は非売品ですが、もし手元に欲しいという殊勝な方がおられるようなら、研究所までお便りをいただければ進呈しますと所長が申しております。

〒604-8456 京都市中京区西ノ京壺ノ内町8-1  花園大学内
禅文化研究所所長 西村惠信 宛

 

20131211_a.jpg

 

by admin  at 09:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

西田幾多郎遺墨展 -京都大学総合博物館-

131125.jpg

 

おはようございます。
11月最終週のはじまりです。早いですねぇ・・・・・・。

興味深い展覧会が目白押しのこの時期、まだ行けていないのですが、12/1までのこちらをご紹介しておきます。

西田幾多郎遺墨展

京都大学ならではの展覧会。なかなか他の美術館などで西田先生の書のみの展覧会は開催されることがないような気がします。必見ですね!

 

by admin  at 10:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

開館20周年記念 村上華岳・山口薫・北大路魯山人展 -何必館・京都現代美術館-

131122.jpg

祇園にひっそりと佇む美術館、何必館・京都現代美術館を訪れました。
開館20周年記念を記念して、館所蔵の名品より、さらに選りすぐられた作品のおめみえです。
眼福の極みでありました。

辛いことがある時、何かもやもやとしたものが頭をもたげている時、苦しんで格闘しながらも作品を生み出し続けた先人たちの思い(作品)に触れる事は、誰にどのような言葉をかけてもらうよりも自身を癒やしてくれる事がありますね。
開館20周年記念展は先日終了しましたが、今月23日より、山口薫展が始まります。

最後に、館内にありました印象に残ったことばを・・・・・・。

-座辺師友-
自分の周辺の生活空間、自分の身辺にあるものこそが、おのれの師であり友である

by admin  at 10:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

夕ざりの茶 -北村美術館-

131114.jpg

これまでに幾度もご紹介させていただいております北村美術館

こちらは毎度、茶事形式での展観(今回は寄付・濃茶席・続き薄)にて、拝観後はさながら何時間にもおよぶ茶事を楽しんだ後のように満足できるのが特徴です。

-夕ざりの茶-

はて、夕ざりとは?!と思っておりますと、いただきました展示目録にありました。
近代数寄者の茶会記を繙くと、社会的に多忙な財界人である彼らは、仕事を早くに切り上げられる日に集まり、夕方のまだ日のあるうちに席入りし、その後灯火も必要となるような時間帯に寄り合い、茶事を楽しむ事をなさっていたそうな。
冬の夜長を楽しむ「夜咄(よばなし)」の茶事とも違い、季節は関係なく行なったのが夕ざりの茶事だそうです。

忙しい合間を縫ってそのように茶事を行なった事、我々茶の湯を稽古する者としても見習わねばなりません。と、自分で書きつつ耳が(目が?)痛いです。
その昔の天下人や武士たち、そして近代の数寄者でもあった財界人、一服の茶に何を求め、何を見ていたのでしょう。数々のそれは素晴らしいお道具を拝見しながらしばし感慨にふけりました。

 

by admin  at 09:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

物 黒 無 monocrome -正木美術館-

 

131004.jpg

大阪は南の方、泉北郡忠岡町という、泉大津市と堺市に挟まれたごくごく小さな町に、珠玉の名品を多々所蔵する美術館があるのです。

正木美術館

今後ご一緒に何か新しい試みができたら・・・と、館長の高橋範子先生にご挨拶に伺っていました。
高橋先生が水墨画・禅画のことを語られたら、興味無い人ですら、その深淵なる世界にひきこまれてしまいます。そんな風に、画の事を情熱を持って、わかりやすく、楽しく、多くの人に伝えていらっしゃる方です(先生のご著書はこちら)。

正木美術館の展示も、他とはひと味もふた味も違います。
今回は、国宝の大燈国師墨跡や重文の雪舟と、写真家・現代美術作家として日本が世界に誇る杉本博司氏の作品、所蔵品とのコラボレーションが見事に成立しているのでした。

私の場合は、大燈国師さえ展示されていたら観に行くかもしれませんし、禅宗のお坊さんたちもそうかもしれません。また、逆に、デザインや現代アートの世界にいる方は、杉本氏の作品やコレクションが出ているという事だけでも、足を運ぶかもしれません。
ここで出会うものが、今まで足を踏み入れなかった世界であった・・・という事が、起こりうるのです。この美術館に足を運んだ事で、新たな可能性や世界が広がり、知らなかった自分に出会えるかもしれません。
私は、ものごとを見る時に、真の部分となるのはいったい何であるのか・・・そういった事を考えさせられました。

また、杉本氏の作品やコレクション、そして“杉本表具”といわれるあたらしい形の表装にいたく感動してしまいました。世界で認められている日本の芸術家が、大燈国師の墨跡を愛蔵されている(表具をみたら愛蔵ぶりがわかります)事も、新鮮な驚きなのでした。

この展覧会の主旨はこちらに。とても面白く興味深いので、是非ともご一読いただき、足を運んでみてくださいね!
お茶会や、子どもが参加できるようなワークショップの企画も充実しています。
私は、後期の展示品入れ替えの後に、また訪れたいと思っています。

by admin  at 06:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

開館30周年記念名品展Ⅱ -野村美術館-

131002.jpg

開館30周年記念名品展Ⅱが開催されている野村美術館を訪れました。毎回足を運んでいると、何度かお目にかかれる名品があるのですが、本当にその時々によって、自身の好みも変わってゆくものですね。
今回は、朝鮮の刷毛目茶碗、ご銘“四海兄弟”のおなり(形)や雰囲気にいたく心ひかれ、いつまでの眺めていられるなぁ・・・・・・と思いました。

空気も爽やか、少し汗ばむ日もありますが、歩いて野村美術館の界隈を散策するのも心地良い時期となりました。南禅寺参拝とあわせて、是非こちらの美術館にもお運びください。

131002-1.jpg

 

by admin  at 05:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

みほとけのかたち-仏像に会う- 奈良国立博物館

 

1309nara.jpg奈良国立博物館へとでかけて来ました。

みほとけのかたち-仏像に会う-(9月16日まで)と題した展観です。

「仏像ブームと言われる昨今に、あらためて 仏像って何だろう という問題を考えていく展覧会です。いろいろな仏像に出会いながら、仏像のすがた、かたちに込められた意味を読み解いていくものです」との事。

なにげなく拝んでいた仏像の、頭部の特徴や、印相、衣などなど、細かな部分についてがクローズアップされていて、仏像参拝初心者にもわかりやすい、改めて基本的なところを学ぶような展観となっていました。

そもそもお釈迦様は偶像崇拝を禁じたと言われますが(そう解釈されていますが)、仏教が世界各地に広まり、その土地の文化や土着の信仰などと混じり合いつつ、様々な形の仏像が作られてきました。
そしてこのように仏像の細部について学んで、「ほー!」などと感心しているのですから、面白いものですね。

連休は奈良へのおでかけ、いかがでしょうか。9月16日までです。

by admin  at 06:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

根来 中世に咲いた花 -MIHO MUSEUM-

 

130911-1.jpg滋賀県は信楽にあります、MIHO MUSEUMの秋季特別展にお邪魔して参りました。

この日は友人が信楽高原鉄道の信楽駅まで迎えに来てくれるという事で、初めて乗ってみたのですが、素晴らしい景色が楽しめました。
“高原”と名のつく鉄道であるからして、上のような景色が楽しめます。

130911-2.jpg緑の中を走ります

 

130911-3.jpg線路はつづくよどこまでも

 

130911-4.jpgそして、いよいよ会場へ。いつもより展示室もかなり暗く、黒と赤の強烈さを強調した空間に。
日本中から根来の名品が集ってきているのではないか?!というくらいの内容でした。

特に興味深かったのは、東大寺二月堂ゆかりの道具たち。使われて使われて使われ続けてきた道具の持つ美しさには、何物もかないませんね。
それが祈りの場で使われていたのですから、その独特の気を纏った雰囲気はことさらに我々を魅了しながらも、自身がそれを骨董として使おうだなんていうことは、未熟な私には思いすら及びません。

久々に、和歌山は根来寺の聖天堂にある根来塗の修法壇を見にでかけたくなりました。
秋の紅葉狩りは和歌山に決まりですね。
もちろん、MIHO MUSEUMあたりの紅葉もいつもとても美しいので、展示替えもあることですし、再訪する事にいたしましょう。

 

by admin  at 06:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

ー企画展 朝鮮文化と京都ー 高麗美術館

 

130906.jpg

いつも楽しみに足を運ぶ高麗美術館(京都市北区)。

企画展 朝鮮文化と京都-高麗美術館コレクションに見る「韓流」の歴史-
2013年8月17日(土)~10月14日(月・祝)

が開催中です。
毎回、“気”の良い韓国の美しいものに心底うっとりし、静かな心になり館を後にするのですが、今回は京都との様々なつながりを詳しく知り得て、興奮してしまいました。

大学生時代、家人から、「美しいでしょ?」と、見せられた本にあったのは、李朝白磁の壺。

以来、京都の骨董屋さんなどをうろうろし、いろいろと見てきましたが、なぜこんなにも自身が朝鮮文化に惹かれるのか、、とよく考えていました。
その答えは明白で、古くから渡来人が日本文化に多大なる影響を与えてきた事を思えば、私のDNAにも深く刻まれた記憶が、惹かれざるを得なくしていたのでしょう。
そんなところをはっきりと自覚させてくれるような展観だったのです。

そして、今回初めて拝見した、朝鮮綴。
世界中には、数多くの染色や織物の技術が伝わっており、大切にされてきた名品が今も各国で見られますが、朝鮮綴の品格と美しさは、群を抜いていると思いました(個人的な感想ですが)。
なかなか見る機会が無い物だと思いますので、この機会に是非、ご覧になってみてください。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

光象展 -奈良-

 

130902_kohsyo.jpg昨年もこちらで御案内させていただきました、-光象展-。

取材で何度もお世話になっている、伊賀は土楽窯の福森雅武先生道歩さんかみ添さんをはじめ、私の大好きな友人知人も何人か参加されます。

今年は昨年より更にパワーアップして、縁のあった多くの作家さんが集う会になるようです。

グループ展となると、だいたい普通は、似たような雰囲気の物を作る、似たような方達が集い、そのような雰囲気の展覧会をするのがごく一般的なのでしょうが、全くもってそうではないところが、面白いなぁ…と思いながら遠まきに見ています。

それでも御縁あった方達が集うのですから、混沌としているようでまとまったものになるのでしょうか。ベテランから若手まで様々な分野の物づくりの人たちが集うのもまた興味深く。

私なんぞは物づくりをしている者でもなく、出展するわけでもない為、ただただ楽しみにお邪魔しますが、若手の方々は胃が痛くなるかもしれませんね。
どんな叱咤激励が飛ぶのか、今から楽しみにしています(他人事のようですが、私もまたそこから学ばせていただくのです)。

当日は福森先生が花を生けられますし、しつらえなども楽しみにしていただけたらと思います。私も8日は会場におります(お手伝いしてますので遊びにいらしてください)。
どうぞよろしくお願い致します。



場所:国際奈良学セミナーハウス
日時:2013年9月6日(金)~8日(日)
10時~17時(最終日は16時まで)

〈陶磁〉
大杉康伸 岸野寛  清水志郎 辻村唯
福森雅武 福森道歩 細川護光 山中恵介

〈彩色/修復〉
廣戸一幸

〈木工〉
川合優

〈硝子〉
安土忠久 安土草多 安土天平 佐藤聡

〈紙〉
嘉戸浩

〈彫刻〉
岸野承

〈絵画〉
福井一 平川功 松村哲男

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

「朝鮮通信使」絵図 -東京国際ブックフェア2013にて-

 

2013-07-03-0.jpg

先日、東京ビッグサイトで開催されていた、「東京国際ブックフェア2013」へ足を運んできました。
数年前、3年間にわたって禅文化研究所もここでブースを開いていましたが、ここ数年はご無沙汰です。今回は1来客としてみてまいりました。
まず初日の午前中、「電子出版の著作権と契約」についてのセミナーを聴講し、はやりの電子書籍にまつわる契約がまだ流動的でありまだ馴染んでいないこと、われわれ出版に携わる者が今後気をつけていなければならないことなどを学ばせてもらってきました。

その後、ブックフェアのブースへ移動。弊所が出展していた時とはだいぶ様変わりした感じがしており、外国からの出展やクリエイターやデザイナーの小さなブースが多いことを感じました。いわゆる紙本の出版社の数はだいぶ減っているような印象です。

そんな中、今年はテーマ国として「韓国」が取り上げられていたので、近寄ってみると、なにやら楽しそうな絵が見えます。

2013-07-03-1.jpg

韓国人に読まれている日本の書籍、日本人に読まれている韓国の書籍などがずらりと並べられて紹介されていましたが、例の絵は何だろうと近寄ってみると、どうやら朝鮮通信使を描いたもののようです。

2013-07-03-3.jpg

朝鮮通信使といえば、白隠慧鶴禅師の仮名法語『遠羅天釜』巻上には、朝鮮通信使の接待役である鍋島公を労う文言も出てきますし、滋賀の私の自坊の近くには、今も「朝鮮人街道」と呼ばれる朝鮮通信使が通った道(今は県道)がありますから、なにかしら身近に感じてしまうのです。

 

2013-07-03-4.jpg正使の籠をかついでいるのは日本人のようで、付近には唐人も同行している様子が書かれています。アジアでの外交問題は今に始まったことではなく、昔からいろいろと神経を使っていたんでしょうね。
しばしの間でしたが、興味深く見せてもらったのでした。

 

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

BLUE & WHITE 藍と白の美 -大阪日本民芸館-

 

130625.jpg大阪は千里の万博公園内にあります、大阪日本民芸館を訪れました。

現在、「BLUE & WHITE 藍と白の美―そばちょこ・藍染めを中心に」と題して、大阪府藤井寺市在住の佐藤禎三氏(1933-)が個人で蒐集し、寄贈された物の中から、約1000点もの蕎麦猪口がお目見えです。

よく見たことのある図案から、「え?!こんなものまで蕎麦猪口の柄になってしまうの?!」というようなものまで、それはまぁ多種多様で、見ていて飽きるという事がありません。

そしてやはり、夏に染付けやガラスというのは、目で感ずる涼にもなりますね。季節に見合った展観で、暑い一日でしたがしばしそれも忘れる事ができました。

私自身はあまり古い物に手を出した事が無いのですが、最近は少しずつ気になる物を手に入れたりしています。寄贈者、佐藤氏は、最初は難物(いわゆる、欠けていたり、ヒビがあるもの)を求め、御自身で金継ぎをされていたのだとか。

私が何ヶ月か前に求めた蕎麦猪口も、江戸中期のとても色の美しい染付け。こぶりで何とも言えない風情。我ながら良い物だと思っていますが、ヒビが入っているということで破格だったのです。時間が無いと言っては後回しにしていた金継ぎですが、そろそろ習う事になりそうですね。

130625-1.jpg

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

岸野忠孝・承・寛 三人展

 

130606.jpg

私が敬愛する親子の3人展をご紹介させてください。

何度かこのブログでもふれていますが、岸野忠孝氏・岸野承氏・岸野寛氏の展覧会が東京で開催中です。

現代のものづくりに携わる人達の中においても、この親子はもう絶滅危惧種ではないか?!と思いながら、いつも周りをうろうろしている私です。
「あぁ、良いなぁ……」と、感動し、自分自身と響き合うものがあるので、拝見していて心地が良いのです。
14日(金)まで。是非ともお運びください。

詳細はこちら

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

愚堂禅師の禅 講演会

 

130605.jpg

何度かご紹介させていただいておりますが、花園大学歴史博物館と禅文化研究所が共催で、2013年春期企画展「大圓寶鑑國師350年遠諱記念 大仙寺展」を開催中です(6/8まで)。

本日はそれにちなんだ講演会の日です。
おでかけの予定がまだ決まっていない方は、是非ともおこしください。

展示も今週土曜日までですので、本日展示をご覧いただき、講演をお聴きいただくのが、愚道禅師の息吹に触れるには一番かと思います。

◆6月5日(水)本日! 13:00~14:30
「愚道禅師の禅」 河野太通老大師(妙心寺派管長)
*無料

場所は花園大学内、教堂にて。
花園大学への行き方は、こちらからどうぞ。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

武家屋敷跡野村家 -金沢-

 

130603-1.jpgさて、長々とお付き合いいただいた金沢の旅のご紹介もこれで最後です。
唯一一般公開されている武家屋敷跡、野村家を訪れてみました。

兼六園はもちろんのことなのですが、加賀・金沢というところを知るてがかりとしては、こちらのお宅の庭を拝見するのが一番色々な事が見えてくるのではないか……と思えました。

130603-2.jpg百万石の江戸時代から明治の廃藩置県、大正時代の紆余曲折、数奇な運命を経て守り続けられたこの庭が語りかけてくるそのものが、金沢の歴史と文化そのものなのでした。
比較するのも変な話ですが、京都のお庭との対比もしやすいように思いました。

この日は雨で、庭の苔も石もしっとりと……えもいわれぬ美しさで、二階の舟形の茶室から一階の庭を眺めていると、時間などはあって無いようなものなのでした。

-壺中日月長-

今年もはや、長雨の季ですね。しっとりと濡れた金沢の町もまた情緒あることでしょう。
京の都に降る雨に、野村家の庭を思い出しています。

130603-3.jpg

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

-花の風姿- 金沢能楽美術館

130528.jpg

恐らく、金沢にゆかれた方はほぼどなたもが立ち寄るであろう、現代美術館としては異例の(と言うとおかしいのでしょうか…)人気を誇る、金沢21世紀美術館
そのお隣に、ひっそりと佇むのが、金沢能楽美術館です。正直、現代アートというものを心底楽しむ事ができない私には、とても落ち着く美術館です。
今回は“藤”の花にちなんだ能装束などが飾られ、それは見事な展観なのでした。

能楽は武家の嗜みであるからして、金沢にて盛んであった事は何の不思議もありません。初代利家は、秀吉の影響もあり金春流を贔屓にしていたそうですが、五代藩主綱紀が、五代将軍綱吉の影響を受け、宝生流の能楽を奨励した事から、加賀宝生として、現在もなおその伝統を守り続けています。
金沢の地では、専業の能役者、それに準ずる家柄のみならず、町人が兼業として能楽をたしなむ町役者の存在があり、手厚く保護されたのだとか。茶の湯に感じた身近さと同じく、能楽に関しても、庶民が鑑賞できるような機会も多々あり、次は能楽鑑賞の為に金沢を訪れたいと思いました。

こういった文化芸能が、ある特定の人のみによって保護されたり楽しまれたりするのではなく、広く一般に染み渡っている事が、加賀の三太郎(鈴木大拙・貞太郎、西田幾多郎、藤岡作太郎)など、日本の文化や思想を後世へと引き継ぐのに重要な役割を果たす人物を生み出す事へと繋がるのであろう……と感慨深く、美術館を後にしました。

*追記
以前お邪魔した時には無かったのですが、今回訪れてみますと、能装束の着装コーナーができていました。舞妓さんの疑似体験には全く興味の無い私も、これには足を止めざるをえず……。なんと面まで自分の好きなものが撰べるのです。般若ですとあまりに似合いすぎる(というか、そのままです)ので、普通に小面をつけさせていただきました。初めての体験でしたが、なんと視界の狭い事。能役者が舞台で舞うことの苦労をほんの少しでも味わう事ができました。オススメです。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

藩老本多蔵品館 -金沢市-

 

130527.jpg安土桃山~江戸時代にかけての歴史に興味があり、茶道をしているのであればなおさら……“五万石の壺”の異名を持つルソン壺、“村雨の壺”を拝見しに、加賀八家(1万石以上の禄高を持つ加賀藩の重臣)筆頭でもある、本多家の蔵品館を訪れました。

加賀本多家の祖である、本多政重(徳川家康の重臣、本多正信の次男)が、主君・前田利長から褒美に下賜されるはずであった五万石を固辞した変わりに拝領したのがこの壺で、このエピソード故に、五万石の壺と呼ばれるようになったそうな。

むむー(これが五万石の壺かぁ……)。フィリピン(ルソン)には行った事がありませんが、以前訪れたミャンマーで、水がめとして村人達が自由に水を飲めるように使われていた壺(甕)や、家の軒先などに置かれていた壺が、まさにこんな感じでした。なんでもなかったであろう壺が、日本の歴史に名を残す武将達の手から手へと渡り、最後には五万石の出世。
壺自身、思いもよらなかったことでしょう。物の“価値”とは面白いものですね。

この本多家の屋敷跡、今は“本多の森”と呼ばれ、下記の施設が点在しています。加賀百万石の地は、前田家のみならず、有力な家老の影響も色濃く現代に残し、住む人、訪れる人々に今なお多大な影響を与えているようです。

 

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

鈴木大拙館 -金沢市-

 

130524-1.jpg

私の中では、兼六園よりも、21世紀美術館よりも、ここ最近では“金沢”といえば、“鈴木大拙館”に訪れるのが一番の楽しみとなりました。

前回訪れたのは、雪のお正月でしたので、今回の新緑の頃もまた新鮮なこと。時間を気にしない旅であれば、いつまででも思索空間に坐っていたくなるような……。

展示品に、(時にうるさく感じるような)解説が無い事も、お気に入りの理由の一つです。感じる前に、誰かによって書かれた感想や意味を頭に入れてしまえば、そのように見てしまう(あるいは、そのようにしか見えなくなる)わけで……。
解説が無いのを不親切と感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、これは本当の意味で、非常に親切な事だと私は思っています。

130524-2.jpg裏庭からのプロムナードをゆけば、松風閣庭園が。そしてお隣の敷地へゆけば、そこは中村記念美術館。こちらにもお邪魔しましたが、立派な茶室があり、翌日の茶会の準備をされていました。

兼六園でも立派な茶室にて釜がかかり、大勢のお茶人さんがお見えでしたが、今回の旅では、お茶(茶道)がとても身近にある印象を受けました。
百万石の城下町であった事、先人達が残したもののみに依存し、甘んずる事なく、今を生きている人々が、伝える努力を怠らない所にこそ、現在の金沢の文化度の高さを保ち続けている由縁があるのだな……と、感じ入りました。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

開館30周年記念名品展 -野村美術館-

130521.jpg

新緑の美しい南禅寺界隈にあります私設美術館。野村美術館を訪れました。
現在、開館30周年記念の名品展が開催中。

何年にも亘り、何度も足を運んでいますと、同じ名品に遭遇する機会が度々得られます。
「前にもう見たし今回はいいか……」というのではなく、前の自分と今の自分は変わっているわけですから、また見方も変わるもので、そんな風に回を重ねて見てゆくと、より一層、色々なものごとに対する理解も深まってゆくような気がしています。

常に自分を写してくれるような名品の数々。今のお前はどうなのかと問われているような気がして……。名品を鑑賞して自己をみつめる休日もまた、良いものです。

新緑の京都の山々は眩いばかり。是非お運びください。6月2日まで。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

室町の花 観世宗家展 -承天閣美術館-

130513.jpg

相国寺(ただいま春の特別拝観中)内にあります承天閣美術館にて、-室町の花 観世宗家天-が開催中です。
私自身、お能には若い頃より惹かれてやまない為、楽しみにしていた展観でした。

第一展示室から、数々の名工の技をこらした能装束。どのような番組の時に着用する衣装であるかなど、解説を読みながら、その意匠に見入ります。

第二展示室への長い通路へと歩みを進めると、あのなんともいえない笛と鼓の音が聞こえてきます。DVD視聴コーナーが設けられおり、御存知“道成寺”(安珍と清姫の道成寺縁起を題材とした番組)が流ていました。ちょうどクライマックスの鐘の場面。あぁ……人間の悲しき性、女の怨念、鎮まる魂。観に行きたくなりますね。

第二展示室では、お待ちかね、能面です。まだまだわかりかねる難しいものでもありますが、数々の番組をみてゆけば、この能面は、あの能面は……と、能面のことも少しはわかってくるのでしょうか。
白洲正子さんのように、能が洗練される前の猿楽や伎楽の面など、大陸からの影響を色濃く残した古い面も拝見してゆきたいと常々思っています。

この展観は5月26日まで。その後には、流派が違いますが、私が毎年楽しみにしています、金剛家の夏の虫干があります。今年は7月20日・21日に開催されるもよう。
日に何回か、お家元御自らによる、とてもわかりやすい解説がなされ、ガラスケースなど無く、間近に能面や装束を拝見する事ができます。一見の価値大いにありです。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

狩野山楽・山雪 -京都国立博物館-

130508.jpg京都国立博物館・狩野山楽・山雪の展観にお邪魔してきました。

紆余曲折ありながらも、常に強力な外護者を得て、当時高価な顔料もふんだんに用いた、色鮮やかで力強い描写に圧倒される人が多い事かと思います。

が、やはり、「あぁ、良いものだなぁ……」と心から思うのは、墨一色で描かれた禅画。“雲門体露金風図”や、“達磨梁武帝会見図”には殊の外惹かれたのでした。もう少し、一般の方にわかりやすいこの画の解説があれば、より一層面白く拝見できるのにな…と老婆心ながら思いました。
?と思い、帰ってから御自身で調べる方はどれくらいいらっしゃるでしょう。

妙心寺さん関連のものがとても多かったですね。これだけ一度に拝見できる機会はそうは無いと思いますし、普段公開されない塔頭の所蔵品も多く出展されています。眼福の極み。
5月12日(日)まで。

臨黄ネット“禅語”より 体露金風
ブログ禅 えしん先生の禅語教室より 不識

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

しむらの色 -細見美術館-




130416.jpg

細見美術館にて、志村ふくみさん・志村洋子さん母娘の展覧会が開催中です(5/6まで)。
染色・織にとどまらず、その随筆の素晴らしさでも知られるところの志村ふくみさんと言えば、もう説明もいらないかと思いますが、紬織における重要無形文化財保持者(人間国宝)です。
洋子さんは御存知お嬢さん。母娘作歴30年の記念すべき展観とのことでした。

自然より、染めの材料となる草木をいただき、糸を染め、織る。
人間の思い通りとはゆかない自然とともにある日々。日本の信仰の根底にあるものを彼女の仕事や文章に観る事ができる気がして、昔から事あるごとにページをめくっては、語られている事全てにハッとしつつ、ドキドキしながら読んだものです。
いまだに、琵琶湖岸で夕焼けを眺めると、「志村先生がこの色を着物に写されたのだなぁ……」と毎度同じ事を思い出します。

今回の展観で、ひときわ惹かれてやまない着物がありましたが、それは志村ふくみさんのお母様の作品でした。志村先生の原点をそこに観たように思いました。

今後、後進を育てるべく新たな事にも挑戦してゆかれる模様。楽しみです。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

我々の方の問題




130412-1.jpg

禅文化研究所の職員でもある私(在家)ですが、臨済宗黄檗宗連合各派合議所の職員でもあります。
昨日は、臨済宗黄檗宗各派本山の宗務総長の集まる会議でした。

このような職場で働いているのですから当然かと言えば当然ですが、禅宗寺院や禅宗のお坊さんが大好きなわけで、この日も皆様の御様子を色々と眺めておりました(こわいですね……)。

茶を喫する時には、まるで茶と一体になっているかのように向かい合い、しみじみと味わっていらっしゃる御様子にハッとし(私はお茶を習っていますが、お茶を喫する時、そこまでお茶に向かい合っているでしょうか……)、斎座の時の動きが無駄なくキビキビと美しく心地良かったり、ちょっとウィットに飛んだ会話をしてみてオチャメだったり、お辞儀が果てしなく丁寧で美しかったり……と、15本山の総長方には、いつもご一緒させていただくだけで、これぞ熏習ともいうべき学びがあるわけです。

そこで思い出したのですが、ある人が、土樂窯の福森雅武先生に、まるで最近の坊さんはなっとらん!とでも言いたげに、「先生、最近の禅僧はどうですか?」と尋ねたところ、

「そりゃね、師から何かを引き出すのも我々なんです。立派な和尚がいっぱいいるわけだけれど、私に少しだけ与えてくれることがあるというところを、引き出すんです。我々の方の問題です」。

と仰ったのです。

全ては自分の問題。
最近の禅僧がどうだ、最近の子どもはどうだ、教師はどうだ、と誰かに矛先を向ける前に、自分なのですね。

そんな福森先生と土樂窯の展示会が京都で開催され、土曜日には、先生と浜美枝さんの対談が行なわれます。どんなお話が聴けますでしょうか、今から楽しみです。
皆さんも是非、こういう方のものづくりをご覧になってみてください。

ギャルリー田澤 河原町店
4/11(木)~21(日)
11:00~19:00(月曜休廊)



130412-2.jpg

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

「大圓寶鑑國師350年遠諱記念 大仙寺展」 開催中!




130408-1.jpg

花園大学の歴史博物館において、「大圓寶鑑國師350年遠諱記念 大仙寺展」(花園大学歴史博物館、禅文化研究所共催)が始まっています。

無料です! 退蔵院さんで「そうだ、京都、いこう!」の桜をご覧になった後は、こちらにも是非お立ち寄り下さい。

130408-2.jpg

会期:平成25年年4月2日(火)~6月8日(土)
※会期中、作品の展示替を行います。
1期:4月2日(火)~5月4日(土・祝) 
2期:5月7日(火)~6月8日(土)

休館日:日曜日、5月6日(月)
※但し、大学行事により臨時休館する場合があります。
会場:花園大学歴史博物館(無聖館4階)
開館時間:10:00~16:00(土曜日は14:00まで)
入場料:無料

詳しくはこちらから。

130408-3.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

岸野忠孝展 -奈良-




130402-1.jpg

私が最も敬愛する方々の内のお一人で、よくこちらでもご紹介させていただいている、岸野承さん寛さんのお父上でもある、岸野忠孝氏の個展にお邪魔して参りました。

130402-2.jpg
説法

忠孝氏はほとんど視力がありません。ですが、今でも家からタクシーに乗り、東大寺の松を観にでかけられては描いていらっしゃるのだとか......。
そのものの持つ"気配"というものは、動物であれ植物であれ、生きている以上、どうしたって隠せるものではありません。
その、"気"を受け止めて描いていらっしゃるかのような画でありますから、視力云々は、もう関係ないのかもしれません。私達とは違う、"ものを観る目、感じる目"をお持ちなのであろうと、作品をみるにつけひしひしと感じてしまいます。焦がれてやまない境地。先生の作品が大好きです。

130402-3.jpg
渡仏

先生にお会いすると、私の事も、お見通しだろうなぁ......となんとなく勝手に緊張しているのですが、何の枠もとらわれも無いような所にいらっしゃる為、お話し始めると、そんな緊張もなくなり、なんだか軽やかな気分に。
その昔、山田無文老師に3年間参禅された氏から、今後も色々伺い、何らか掴めたら...と思っています。

130402-4.jpg
長ぐつ

【岸野忠孝 墨彩画展】
本日(4/2)まで
時間:10時~17時
於:国際奈良学セミナーハウス

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

花の美 石の美 庭園の美 -大和文華館-

4月ですね。新しいスタートを切る方も多くいらっしゃるのでしょうか。
期待や不安を同時に抱え気の張る季節。
是非とも新しいスタートを切るこの機会に、坐禅をしてみたり、呼吸を意識してみてください。

新年度も、研究所のブログは代わり映えもなく粛々と続けさせていただきます。
さて、もう展観は終わってしまいましたが、ご紹介。
奈良の大和文華館です。いつもポスターや招待券を頂き、有り難い限りです。

この度の展観は、「花の美 石の美 庭園の美」。詳しくはこちらをご高覧下さい。

そういえば、私はまだ中国へは行ったことがありませんが、中国支配の長かったベトナムにて、おおよそ日本庭園の石とは異なるような奇石を、庭に配していたのを拝見しました。これでしょうか。

130401-1.jpg
フエの王宮にて 右端に大きな石が配されています

さらに、ティエンムー寺では、臨済宗の僧侶たちが丹精こめて育てている盆栽の奥に、石が見えますね。
130401-2.jpg
ティエンムー寺にて

先日訪れたお茶会では、亭主が朝鮮にてみつけてこられた美しい石を盆石にしたものが、床に花の代わりに飾られていました。石があるので、花までは飾りません。何かしら自然を一つ配置し、愛でるのですね。なかなかに姿の良い石で美しく、興味深く拝見しました。

今回の展観では、中国の文人文化に関する書画や石などが多く展示されていた為、訪れる人には、煎茶道を学んでおられる方や、黄檗宗のお坊さんなどが多かったように見受けられました。

私は、ちょうど訪れた日に、黄檗文化研究家の大槻幹郎先生の、「黄檗文化と煎茶と石」 を拝聴し、全く門外漢であった煎茶の文化に触れられたこと、また、黄檗文化が日本文化に与えた影響などを教えていただいた事が、大きな収穫となりました。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

茶人のあそび 形物香合番付の世界 -野村美術館-




130327.jpg

南禅寺近く、野村美術館で開催されている香合展にお邪魔しました。

香合。お茶では、炭点前や、炭をつぐ際に、炉の時期であれば練り香、風炉の時期であれば香木をくべます。そのお香の入れ物を香合といいます。

今回は、お茶を習っている者であれば、何らかの機会に耳にしたり、目にした事があるであろう、「香合番付」の展観です。
そう、実は、香合には、お相撲さんのように番付があるのです。

江戸時代の、安政2年(1855)に、道具屋や目利きが集い、作られたものらしいのですが、一つの主題で同じ傾向の形または、模様のある香合は「形物香合」と呼ばれ、当時の人気度や、その格によって、ランク付けされています。
香合番付から、当時の様々な事をうかがい知る事も可能ですね。
香合好き、お茶を稽古する者のみならず、小さい物がお好きな方、焼き物の世界が好きな方、中国が好きな方(唐物が多く出ています)、お子さんにも楽しんで頂けるであろう展観でした。
界隈の桜も見頃を迎える頃ですね。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

岸野寛展 -阪急梅田本店 美術画廊-




130325.jpg

若手陶芸家として活躍中の、岸野寛さんの展覧会が阪急梅田本店にて開催されます。
岸野寛さんは、福森雅武先生のお弟子さんでもあり、度々紹介している岸野承さんの弟さんでもあります。

岸野兄弟のお父様・岸野忠孝氏(画家)が、福森雅武先生と無二の親友なわけですが、2人は若い頃、臨済禅師の、「仏に逢うては仏を殺し。祖に逢うては祖を殺し。羅漢に逢うては羅漢を殺し。 父母に逢うては父母を殺し。……お前はどうなのか!!!」と、やりあった仲なのだとか。
片や無文老師に参禅をされ、片や若い頃から禅寺に出入りし坐禅し、比叡山の阿闍梨さんについて天台の修行をされた事もあるからして、このお2人の若き頃のお話は、聞いていてあきるという事がありません。

岸野家と福森家の人々。こんなに面白い方たちはもう、絶滅危惧種ではないか!?といつも思わされるのと共に、憧憬の念を抱きつつ、この方達の後を追っかけている私です。
こういう方達の“ものづくり”を、多くの人に見ていただき、知っていただきたいなと思います。

新装オープンした阪急での個展。楽しみです。

会期/平成25年3月27日(水)~4月2日(火)
*催し最終日は午後6時終了
会場/阪急うめだ本店 7階 美術画廊

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

福森雅武展 -陶仏・茶碗・花入・器-  ギャルリー石塀小路和田




130321.jpg
焼締台皿に苔を敷き、椿と梅を生ける

先日、招待されてお邪魔しましたピアノコンサート。
井澤利先生(兵庫教育大学名誉教授/神戸女学院音楽学部でも教鞭をとっておられました)の演奏では、まるでピアノが生きており、おのずから弾いてもらう事を欲しているかのような音を奏でていました。
先生とピアノが一体となって、相互にその命を生かしきり、それにより、衆生を済度するかのようでした。
そこでふと思い出したのが、土樂窯の跡取りで、友人道歩さんがお父さんの轆轤について言ったことばでした。

「うちの父はどんな職人よりもやれる。土のほうが言う事を聞く」

昔、この発言を聞いた時には、「ふぅむ、そんなものなのかぁ...」と思ったのが、なんとなく、わかった気がしたのでした。

土と一体となり、土が欲して形作られたもの。
そういう器と日々共にある暮らしは、ともすれば自らを救ってくれる機縁を結んでくれると、私は本気で思っています。日々の暮らしが、なんでも良いわけが無いと思うのです。

今回の氏の個展も楽しみです。本日より始まっています。
先生の生けられた花もご覧いただけますので、是非とも皆様に実際に見て感じて欲しいと思います。

花を生ける時は自然そのもの、自然と一体になっておられます。美しいと感じたものをそのままそこに再現するのみ。だから何のてらいも無く、嫌らしさも無いのでしょうね。
そんな花が、いつになったら生けられるでしょう。
いつもいつも、先生の花を見てはいろんな意味で溜め息をつく私です。

花についての記事はこちら。
福森雅武の花 -季刊『禅文化』225号より-


【福森雅武展 -陶仏・茶碗・花入・器-】
2013年3月21日~31日(3/27は休廊)
12:00~18:00(21、23、24日作家在廊)
ギャルリー石塀小路 和田

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

古代ガラス -色彩の饗宴-  MIHO MUSEUM




130319-1.jpg

冬眠から目覚めた、信楽のミホミュージアムへとお邪魔してきました。
毎回欠かさずにお邪魔するのを楽しみにしていますが、今回はまた興味深くも古代ガラスの展示。

紀元前に、高価な石を真似て作られた宝飾品としてのガラス、器としてのガラス、透明に憧れるもまだ不純物が多かったそれが、時を経て不思議な色を発し、現代に生きる我々を今なお魅了しています。

時代も下り透明なガラスが作られるようになると、さらにその透明なガラスに様々な技巧をこらし始める。人々が美しいものを求める欲求は、とどまる所を知らないのだな……と思わされます。

“染司よしおか”の吉岡先生が、奈良時代の染色や織の技術に、いまだ我々は追いつけないのだといつも仰っていますが、ガラスも同じで、古代の人々がどのようにして作ったのか、いまだ不明な点も多いようで……。
何をもって発達というのか、わかりませんね。
現代を生きる我々人間は、地球上の歴史において、さも自分たちが一番進化し、科学技術を持った事により偉くなったような錯覚を起こしていますが、こういった素晴らしい古代の技法、美しいものに触れていると、傲慢な考えは吹き飛んでしまいますね。


今回は特別に大英博物館の名宝、スパイラル・レースガラス碗がお目見えしています。これが制作される過程の復元映像などもあり、非常に興味深いものでした。
この展覧会にも関連した、古代オリエント美術については、3月号の『目の眼』に詳しく掲載されており、非常に読みごたえのあるものでしたので、是非ともオススメしたいと思います。

130319-2.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

岸野承展 -岐阜 画廊光芳堂-




130318.jpg

友人、岸野承さんの個展が岐阜で開催されます。
詳細は下記のとおり。

平成25年3月19日(火)~24日(日)
午前10時半~午後6時 会期中無休
作家在廊日 19、20、23、24日
於:画廊光芳堂 岐阜市梶川町1番地


先月の京都での個展(大盛会でした)。
さて、どのような変化があるのだろう?!と楽しみに訪れましたが、"今"を生きている彼は、どんどん新しくなってゆくのだな......と思わされました。

今までは、"仏教"のくくりに入る仏を多々彫っていましたが、その枠がとっぱらわれてきているように思え、古いキリスト教の教会にあってもしっくりくるかのような彫像がありました。
宗教の根底に共通するものをそこに見たような気がして、物を作る人、生み出す人のすごみを感じ、言葉を失っていた私です。

岐阜近辺の方は是非とも一度、彼の空気に触れてみてください。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

「書画と白磁、そして民画の世界  ―朝鮮時代の絵画と陶磁」 高麗美術館




130315-1.jpg

高麗美術館へお邪魔しました。
今月末までですので、是非お運びください。

130315-2.jpg

130315-3.jpg

130315-4.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

『墨蹟の至宝展-気迫あふれる禅僧の書-』 -承天閣美術館-

130313.jpg
美術館への道に咲く梅 僧堂の大木も満開

先日やっとお邪魔して参りました。
眼福の極みでした。
歴史に名を残した多くの祖師方の墨蹟をこれほどまでに一度に拝見できる機会は、そうは無いと思います。
以前、有馬管長のDVD撮影にて、茶室に伺った際に掛かっていたお軸も展示されていましたよ。美術館で展示されるのみならず、このように茶室に掛けられてこそですね...。
17日、日曜日までの展観ですのでお見逃し無く。

また、相国寺の塔頭、慈照院、そして近くの尼門跡寺院、大聖寺も特別公開中です。
京都御苑の梅も満開、桃もほころびはじめていますし、この界隈が熱いです!(個人的にとても興奮してしまいます)
是非ともこの土日におでかけになってみてください。 

130313-1.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

墨梅  -正木美術館-




130215.jpg

面白そうな展観ですが、会期ぎりぎりにしか行く暇がありませんので、先に皆様にお知らせを。

大阪は泉北郡にあります正木美術館にて、【墨梅】と題した展覧会が開催中です(3/3まで)。
正木美術館には未だ足を運んだ事が無く、前回も面白そうな展観を見逃しましたので、今回の展観は必ずや!と今から意気込んでいます。

絶海中津賛の墨梅図が、ことのほか楽しみです。
絶海中津と言えば、この時の事を思い出します。時間が無くて行けませんでしたが、やはり一度訪れてみたいな......と思っています。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

渋谷の白隠展に




2013-02-09-1.jpg

このブログでもすでに2度、記事にしていますが、現在、渋谷東急 bunkamuraにて開催されている「白隠展 -禅画に込めたメッセージ」を、やっと観に行くことができました。
何しろ、100点もの白隠禅師の書画を一度に展観している展覧会は、めったに出逢えるものではありません。開催時から観に行きたくて仕方がなかったのですが、やっと叶ったといったところです。

3連休の初日土曜日の昼下がり、どちらかというと夕方に近い時間でした。
渋谷ハチ公前のスクランブル交差点の人の波には、いつも溺れそうになるのですが、久しぶりの東京渋谷は、相変わらずの人混みでした。また渋谷駅が大規模な工事をしているので、なんだか、普段ひっそりと生活している者には、頭の中で半鐘を打たれているような気分です。

まっすぐbunkamuraを目指します。
地下にあるミュージアムに入ると、すぐに白隠の書画が目に入ってきました。多くの方が来場されていますが、比較的じっくり観ることができるほどの人数でした。部下が行ったときにはもっと多かったのかも知れません。
図録では何度も見たものがほとんどなので、私にとって決して目新しいわけではないのですが、やはりホンモノを目の前にすると、とても感動的です。予想していたよりもなんとも圧巻。
また、今回の展覧会のポスターやパンフレットにあしらわれている「布袋お多福を吹く図」は、大洲のお寺から新たに見つかったものらしいですが、これは大きな対幅で、とても素晴らしい作品でした。

また、42歳で大悟するまでの画と、大悟してから晩年までの画の違いは一目瞭然。同じ達磨を描いた麼ものでも若い頃の繊細なタッチと比べると、大悟後の画のユニークさといったらありません。ただそれをただユニークだと受け止めていられないのが白隠の書画。
展覧会のキャプションでは、あまり詳しく書かれていないので、キャラクターの面白さや、構図の楽しさに目を奪われ勝ちですが、白隠禅師法語全集の仕事をしていた時に知らされた、痛烈な幕府批判や民衆教化、弟子の育成叱咤の言葉が、随処にちりばめられています。

たまたま、今回の展覧会の監修者の一人、芳澤勝弘先生が来られており、声をかけてもらいました。先生は前職が、禅文化研究所の編集主幹だったので元直属上司。沼津永明寺蔵の若書きの巨大な達磨像の上には、じつは賛が書かれていたのではないかと思われるというような、キャプションには書かれてないミニ講座のようなお話も聞かせてもらうことができました。

展覧会は2/24(日)まで。あれこれ難しいことを考えなくても、また、白隠禅師のことなど知らない人でもきっと楽しめます。なぜ東京国立博物館ではなく、若者の集う渋谷のbunkamuraにて開催されたのか。是非、その不思議を探ってみてきてください。

2013-02-09-3.jpg

ついでに、リニューアルされた東京駅、なかなかの壮観でした。丸の内北口や南口のドーム天井も美しかったです。それと、いたるところにあるポスターなどで、東京にオリンピックに招致しようというムードが満ちている東京でした。

2013-02-09-2.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

岸野承 木彫展 -京都・蔵丘洞画廊-




130129.jpg

岸野承さんの木彫展が、京都にて開催されます。
詳細は下記のとおり。


【岸野承 木彫展】
平成25年2月2日(土)~16日(土)
午前10時半~午後6時半 会期中無休
作家在廊日 2、3、9、10、11、15、16日
於:蔵丘洞画廊 京都市中京区御池通寺町東入ル(本能寺文化会館1階)


彼の人となり、暮らしというものを、わずかながらも知っていますが、家族がありながらもどこか世捨て人的風情もあり、非常に興味深い、面白い人なのです。
そんな彼が、何を思い彫るのか、何も思わずただ彫るのか、私の知るところではありませんが、ともかく新しい作品が拝見できる機会を今から楽しみにしています。

“ギャラリーでの個展”となると、敷居が高いように思えて、ましてやぱっと買えるような物を置いているわけでもなく、おでかけなさりにくいかもしれませんが、絶対に面白い、今まで見た事の無い世界が見られますので、何も気にせずに、是非ともお運び下さい。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

白隠展 -禅画に込めたメッセージ




130111-1.jpg

渋谷駅。
電車を降りたらすぐに目に飛び込んで来た白隠白隠白隠さんのポスターポスターポスター!!!
駅構内が白隠さんのポスターで一色と言っても過言ではないほど。

「おぉぉ、こんな事があるのか!!」と興奮ぎみに東京渋谷のbunkamura「ザ・ミュージアム」にて開催中の「白隠展 -禅画に込めたメッセージ」へ向かいました。

開館と同時くらいに入ったのですが、団体の見学者をはじめ、平日の午前から多くの方々でにぎわっていました(休日だと一体どうなるのか……と思われるほどに)。
混雑を避けて、人がまばらな所から拝見していたのですが、今までにもいろいろと白隠さんのお軸は拝見してきたものの、数多く(一万点とも言われています)ある中から選りすぐられたものばかりという事もあって、本当に「これほどのものを、一度に拝見する機会は、もう私が生きているうちには無いかもしれぬ」と、感動でうち震えながら一つ一つを拝見させていただきました。



130111-2.jpg

最後に拝見する事になったコーナーで、達磨・臨済・雲門の三幅対を前にし、なんだか祖師方と白隠さんの大大大慈悲に触れたような、何かぶわっとせまってくるものがあり、涙が出そうになるのをこらえるのに必死でした。
おおげさでもなんでもなく、それくらいに素晴らしい展観です。

各地を巡回しないのが残念でなりませんが、その変わりといってはなんですが、開催期間は長めです(2/24まで)。
東京近郊にいらっしゃる方、おでかけになられる予定がおありの方は、足を運ばぬという選択は有り得ません!

時代を超えてなお、私達に厳しくもあたたかな慈悲の心をもって語りかけてくる白隠さんの書画。
残されているという事への感謝、所持者の展観に対する理解への感謝、そしてこの展観を開催するにあたって色々と奔走された全ての方々への感謝をもって、有り難く拝見させていただきました。


丁寧な解説がありますが、それを読む前に、一度頭に何も入れないままに見て回られるのもまた一興かと思います。



130111-3.jpg
素通りできるはずもない、白隠グッズの数々。色々と買ってしまいました。

【白隠 -衆生本来仏なり-】(別冊太陽 日本のこころ)絶賛発売中!

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

「白隠展 -禅画に込めたメッセージ」




20121207-1.jpg

この冬、注目の展覧会が東京渋谷のbunkamura「ザ・ミュージアム」にて開催されます。「白隠展 -禅画に込めたメッセージ」です。
元・禅文化研究所の主幹(私の元上司)だった芳澤勝弘(現・花園大学国際禅学研究所教授)が研究されている白隠の書画の集大成、『白隠禅画墨蹟』(二玄社)が先年刊行されました。それ以来、芳澤先生は世界各地を股にかけて、白隠禅画の特徴を講演してまわっておられます。
このいまや白隠研究の第一人者ともいえる芳澤先生と、明治学院大学の山下裕二教授(美術史)が監修されて、この展覧会が企画されました。

期間は2012/12/22~2013/2/24です。期間中、以下イベントが企画されており、こちらもとても興味深いものです。

◆シンポジウム(場所:学士会館にて)
1/30 白隠フォーラム「白隠禅画の面白さ」
出演:横田南嶺老師(円覚寺管長)、アラン・スペンス氏(作家)、竹下・ルッジェリ・アンナ氏(京都外大准教授)、芳澤勝弘教授、ベッカー・ヤン・クレメンス(テュービンゲン大学アジア地域文化研究所日本学科研究員)

◆トークイベント(場所:Bunkamuraにて。1/20のイベントのみ渋谷ヒカリエ8にて開催)
○12/25 「ハッピーバースデー、白隠さん」 白隠禅師の御誕生日に行なわれます。出演、しりあがり寿氏(漫画家)、山下裕二教授
○1/14 & 2/6 「白隠禅画を読み解く」 芳澤勝弘教授による、白隠画賛の読み解き。
○1/20 「山下教授の特別課外授業」 山下裕二教授と、音声ガイドを担当する井浦新氏(俳優、クリエーター)のスペシャルトーク
○1/23 「日本美術応援団、白隠を応援する」 日本美術応援団団員の赤瀬川原平氏(現代美術家・作家)、南伸坊氏(イラストレーター)が、団長の山下裕二教授とともに白隠を応援。

詳しくはbunkamuraのWEBサイトを御覧ください。
私もいずれかには必ず足を運ぼうと思っています。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

うつわの力 -大山崎山荘美術館-




121128-1.jpg

紅葉の時期の大山崎山荘美術館は、信州あたりのコテージに来たかのような雰囲気で、我々の目を展示品のみならず楽しませてくれます。

今回の展示は、「うつわの力 -くらしを彩るいれものたち-」です。
私も器が大好きで、少しずつ増えていっています。これ以上いらないのではないか?と思うものの、やはりその時の自身の心にかなう物が欲しくなるものです。
心にかなう物と共にある暮らしは、豊かなものですね。

さて、そんな器の展示ですが、今回一番心に残りましたのは器ではなく、三國荘で使われていたという李朝のさじをティースプーンに見立てたもの。初めて拝見する形で、さじの文化の国のそれは、日本の形とはまた違い、いたくひきつけられ、誰かこれを写してはくれないものかと思ったほどです。

昔親しくしていただいていた骨董屋のおじさんが、あらゆる航空会社のティースプーンを集めていらしたのを思い出しました。お国柄で柄やつぼの形が違うのですよね。食べる物や文化が違えば当たり前の事かもしれませんが、なかなかに面白いものです。

それにしましても、何年も何年も、同じ場所(美術館)に通い続けるのは良いですね。
その時々の心性をこの風景が思い出させてくれます。
また、今の私は今の心性を通してこの場所からの風景を眺めて物思います。

121128-2.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

東嶺圓慈 特別展 第2期が始まりました




20121116.jpg

以前お知らせしましたとおり、現在、花園大学歴史博物館にて、2012年秋企画展「東嶺圓慈 禅画と墨蹟」ならびに、禅文化研究所曝涼展「江戸前期の三大禅匠」を同時開催しております。
11/6までの静岡龍澤寺所蔵品を展示していた第1期展示には、沢山のご来場をいただき、大変興味深い展示であったなどとご好評をいただきました。

ついで、去る11/9より、第2期内容に展示替えをし、東嶺禅師示寂の地、齢仙寺をはじめとする故郷近江の寺院につたわる遺墨を展観しております。
また、第二展示室の禅文化研究所曝涼展では、引き続き雲居希膺・愚堂東寔・大愚宗築という江戸前期三大禅匠の墨蹟、ならびにその三禅僧と関係の深い禅僧の墨蹟もあわせて展観しております。
会期中に下記の記念講演会も開催します。

■2012年12月6日(木)13:30~14:30
「東嶺圓慈墨蹟に流れるもの」 丸山 猶計 氏(九州国立博物館主任研究員)

申込不要、入場料無料、ただし先着150名となりますので、ご注意ください。

なお、本特別展の図録は現在制作中です。東嶺禅師の書の内容は神道に関わることも多いため、釈文に手間がかかっており、大変お待たせをしておりますが、上梓の際にはこちらでもお知らせいたします。

20121001-1.jpg

詳しくは、こちらのページを御覧ください。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

清雅なる仏画 白描図像が生み出す美の世界 -大和文華館-




121114-1.jpg

11月11日(日)までだったのですが、大和文華館にて面白い展観が開催されていました。

仏画の元となる、墨のみで輪郭がはっきりと描かれた白描図像の展観です。
なかなかお目にかかる事は無いように思います。力強い線、繊細な線で表現される仏様の数々。

私達が何気なく見ている仏画の中には、この白描図像を元に描かれている物も多く、何体かの仏様が描かれている画などでは、実は解明不可能な組み合わせがあったり、向きを変える事なくそのままに描かれていて不自然であったりする事もあるようです。

今回は金胎仏画帖断簡の美しさと、一枚一枚大切にされたであろう事がわかるその表具の美しさにも感激しました。
そして何よりも、この日一番に私の心をひきつけてやまなかったのは、金剛峯寺蔵の善女龍王像でした。随分と退色し、既にうっすらとしかその姿を確認できないのですが、軸からはみださんばかりのパワーは圧倒的で、まさに生きているかのごとしでした。

瀟洒な住宅街にあって自然豊か。ひっそりと佇むこの美術館は私のお気に入りの美術館の一つです。
次回は11/18~12/24まで、「桃山、江戸前期の美術 -都市文化の華やぎ-」と題した展観が開催されます。


121114-2.jpg

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

正倉院展 -奈良国立博物館-




121113.jpg

今年もこの季節がやって参りました。奈良国立博物館・正倉院展(昨日で終了)。

毎年頑張って朝早くから長蛇の列に並んでいましたが、今年は、「オータムレイト(閉館の1時間30分前より販売する当日割引券)が始まる1時間前くらいに入るのが良い!」との情報を奈良の知人に教えてもらい、言われた通りに参りましたら、土曜日ですのにすっと入れました。

宝物が美しいのは明らかなのですが、この度は、宝物を納めた箱や、その箱を陳列した棚などがえもいわれぬ良い風合いで、私の心はそちらにひかれました。

と、話は変わりますが、友人が、「単なる古い箱とか布やん…」とのたまうおじさまの発言を聞いたらしいのですが、皆さんどう思われますか?

なるほど確かに、「正倉院から何十年に一度出てきて我々の前にお目見えする宝物」という頭があるからこそ、“良い、素晴らしい”と見えるのかも知れませんね。
螺鈿や象牙細工はいわずもがな、誰がどう見ても精緻で立派な細工なわけですが、箱や、退色して朽ちてしまった布などの場合、どうでしょう。こんな事は無い事ですが、そのあたりに打ち捨てられていても、「何かただ物ではない、美しいものがある」と気付く“目”をはたして持っているでしょうか。

そう考えてみると、私の言う「美しい」・「心ひかれる」なども、あやふやで所在無いものかも知れず、おじさんの事を見下して、さも自分はわかった風にいる事はできないものだな……と妙に反省した次第です。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

追憶の茶 -北村美術館-




121112.jpg

いつも主題を楽しみにでかける北村美術館(京都市上京区)。
今回は、-追憶の茶-と題して、無学祖元(鎌倉・円覚寺開山)の墨蹟を中心に、蒙古襲来の頃を偲ぶ企画だとか。
その墨蹟は、「鎖口訣」。建長寺にて示寂される一ヶ月前に書かれたもの。
他に仙厓さんの「望蒙古山詩」なども展示されており、茶人のみならず禅宗僧侶必見の展示となっていました。
12月9日まで。

by admin  at 09:35  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

布志名焼舩木窯 -松江のやきもの-




121031-1.jpg

松江藩おかかえ、不昧公好みの物を作った窯元といえば、布志名焼の窯元がいくつか挙げられますが、布志名焼は、茶陶として民芸運動には参加しなかった窯元、参加した窯元で特色はわかれています。

参加した代表的な窯元の一つに、宍道湖そばにあります“舩木窯”が挙げられます。
松江にゆくならば、是非とも訪ねたかった窯元です。

こちらは、バーナード・リーチが松江を訪れる際には常宿とし、お庭からいつも宍道湖をスケッチしていたところ。それは素晴らしいロケーションにある窯元です。
現在のご当主の舩木伸児さんに直々に御案内いただき、様々な御縁の繋がりも発覚し、それは楽しいひとときを過ごさせていただきました。

お宅にある世界各国の様々な物のコレクションも興味深く。
物を作る方達は、いつも私に物を見る眼や、そこから何か新しい物を生み出す、創造するという事をえてくださり、日々のくらしもそれは美しく、私もそうありたいもの……と心ときめくのでした。

121031-2.jpg 121031-3.jpg

布志名焼舩木窯 -松江のやきもの-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

BIWAKOびえんなーれ2012 -御伽草子 Fairy Tale-




20121012-2.jpg

今、滋賀県の近江八幡エリアと五個荘エリアの二ケ所で、「BIWAKOびえんなーれ -御伽草子 Fairy Tale-」が開催されています。

近江商人のお屋敷や空き町家など、江戸期の建物を会場として、たくさんの作家が作品展示を行なっています。特に土蔵の真っ暗な空間を利用して展示されているものもあったり、庭や座敷に展示してあるものも多くあります。

20121012-1.jpg

BIWAKOびえんなーれ2012 -御伽草子 Fairy Tale-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

田部美術館 -島根県松江市-




121025-1.jpg

松江に趣くならば是非とも足を運びたかった、田部美術館

奥出雲の山林王、たたら製鉄で栄えた田部家23代当主の長右衛門氏といえば、実業家としてのみならず、政治家、そして近代を代表する数寄者としても必ず名が挙がる方です。

私の場合は、出雲出身の母から、「出雲の人間は長右衛門さん長右衛門さんといって親しみをこめてよんでいる。あそこのお家は代々長右衛門を名乗るのだ」と、同じ話ばかりよく耳にしていた為、それがいつの間にやらしみついて、勝手に親しみを持ち、翁が集めた茶道具を拝見するのを楽しみに足を運んだのでした。

このような人物がこの土地から出るのには、やはり茶人として独自の美意識を後世に残した、松江城主・松平不昧公を忘れてはならないと思います。連綿と受け継がれて来たその土地の気というものが、後世に立派な人物を排出します。

美術館では、不昧公の軸から書き付け、お好みの窯元の茶碗など、山陰の茶の湯の中心がここである証を大いに感じ、楽しませていただいた。
私にとっては、こじんまりとした私設美術館ではあっても、どんな立派な美術館よりもこの地へ趣けば外せない美術館なのでした。

121025-2.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

朝鮮王朝の意匠(デザイン)と装身具 -高麗美術館-




121018.jpg

大好きな高麗美術館を尋ねました。
暑さやわらいでくる=様々な美術館で魅力的な催しがひっきりなしの季節。
ということで、夏の終わり頃から、私の休日は美術館巡りだけでも忙しくなります。

韓国の布のものは、ポジャギワークショップにでかけるほどに大好きなのですが、今回の展観では、ソウルの徳成女子大学所蔵の珠玉の所蔵品がお目見え。

婚礼衣装に見られる美しく色鮮やかな布。日本の平安時代のかさねとはまた違った色の重ね方、使い方。
吉祥を願い、嫁ぐ娘の幸せを願い、また、子孫の繁栄を願い作られた意匠の数々。
どこの国でも、“思い”は一緒ですね。こういう視点から見ると、ごく自然にお互いの事を尊重できますね。
どちらも、尊い。

11月11日まで。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

松花堂庭園 美術館 -京都府八幡市-




121012-1.jpg

“松花堂の茶の湯-八幡の茶室に学ぶ-”を拝見しに、八幡市にあります松花堂庭園・美術館を久しぶりに尋ねました。

いわずもがな、松花堂昭乗は、近衛信尹・本阿弥光悦と共に寛永の三筆と讃えられた書の名人ですが、書のみならず、画、茶、作庭、その他諸々に通じたこの時代を代表する文人でした。

石清水八幡宮の境内にあった寺(明治維新までは八幡宮の境内に約60を数える坊があったのだとか)にいた社僧(真言密教を極めた阿闍梨でもありました)でしたが、寺を譲った後は、“松花堂”と名付けた庵に住まいしました。
その庵が移築され、今もなお松花堂庭園内にその姿を残していますが、茶道を習い始めた頃の私が初めてこちらを訪れた時には、衝撃を受けたものです。

「茶を点てて、仏にそなへ、人にほどこし、吾も飲む」を具現化、まさに必要の無いものは極限まで削ぎ落としたような草庵。それでいて、侘び過ぎているわけではなく、どこか気品漂い、こじんまりとしつつも荘厳な寺院のごとく厳かな雰囲気あり、なぜか江戸の文化が花開いた当時の事も思わせられ、神仏習合も見て取れるような、形容しがたい佇まいを見せていたのです。松花堂昭乗その人そのものがよくよく現れているなぁ……と思ったものです。
久々に見てもその思いはやはり色あせる事なく、それどころかさらに感動してしまいました。茶を習う者が行き着きたいと願う境地ではないでしょうか。

美術館では、親類でもあった小堀遠州との交流がみてとれるような茶道具が出展され、松花堂の周りの数々の文化人についても学ぶ事ができ、非常に充実した内容となっていました。

この展観は14日(日)までですので、是非ともご予定無い方はおでかけ下さい。

121012-2.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

住友コレクションの茶道具 -泉屋博古館-




121009.jpg

野村美術館を訪れた日、近くの泉屋博古館も訪れてみました。
こちらは御存知、住友家十五代、吉左衞門友純(号・春翠)が蒐集した美術品等を展示している美術館です。
青銅器のコレクションがとても有名ですが、今回は彼の蒐集した茶道具の逸品がお目見え。
青銅器に惹かれる春翠らしく、中国美術の造詣が深く、唐物の名品が多いのが特徴です。

関西には他に、阪急の小林一三の蒐集品を展示している逸翁美術館、野村得庵の野村美術館、山林王として名高い北村謹次郎翁の北村美術館、朝日新聞社の創業者・村山龍平翁の香雪美術館などなど、多くの実業家のコレクションを拝見できる美術館があります。

長い所で、既に10年以上は通い続けてコレクションを見てきていますが、本当にそれぞれに個性があり、面白いものです。
その人に実際に会った事はなくとも、蒐集された物から、人となりを勝手に想像して楽しんでいます。
あつめた物、あつまった物とは、その人自身、その人をうつす鏡のようなものだと思います。財力のあるなしは関係ありません。

財界人の茶道具や美術品のみならず、私達が普段使う器一つ、何を選ぶかにしても、その人を写しているのだと思います。
我が研究所の西村惠信所長が、「禅はどこにでも転がっている。茶の間にでもだ」とよく仰いますが、まさにそうで、日々の暮らしを省みる事は、まさに自身を省みる事なのでしょう。

*おしらせ
野村美術館と泉屋博物館、どちらも訪れると割引があります。場所も近いですし、是非に!

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

茶の湯名碗展 -野村美術館-




121003.jpg

名碗と世に名高い茶碗が数々並ぶのを拝見しに、南禅寺近くの野村美術館へ。

茶を点てる器とはふしぎなもので、抹茶碗でなくとも、「あ、これで茶が点てたいな…」と思うものもあれば(昔の茶人が朝鮮の雑器を茶に用いたのがよくわかりますね)、抹茶碗として売られていても、「何故これに茶が点てられよう……」と思うものもあるわけで、では自分はどういった感覚でその判断を下すのだろう?!と思う今日この頃です。
そこには単なる好き嫌い、好みだけでは決してない、普遍的なものがあるのかなと思います。

たまに、若い作家さんが“抹茶碗”と題して作品を展示しておられて、目に入った瞬間に私のどこかが疑問を抱くと、意地悪な事に「お茶のお稽古はどちらで?」などと尋ねてみます。
本当にイヤラシイのですが、自分の疑問を明らかにしたいのです。すると、たいがい習っていなかったりするものです。
茶を点てず喫せずして、どうして茶碗が作れよう……と私などは立腹寸前までゆくのですが、では、茶をしていないと茶碗が作れないか…というと、そうとも言えない事もあり。
そして、私が勝手に思うところの「茶を点てるに値する器」というものが、はたして正しいのか正しく無いのかも、誰が判断できようというものです。

世の中には、抹茶碗と題されて茶碗でないものあり、先生と呼ばれながら先生でない人あり、衣をまとえどお坊さんでない人あり、様々なまやかしがあるもので、もうこれは自分の目を、心を鍛錬して見る目を養うしか無いのだなぁ…。そしてかくいう私も、着物を来て茶人面をしておきながら、茶の無い人間にならぬようにせねばならないな…と自身を律する気持ちになるのでした。

何の話でしょう。お茶碗ですね。
今期やはり素晴らしかったのは、青井戸でした。でもこれも、自分が変わればまた好みが変わり、その時の自分によって惹かれるものは変わるのものですね。
後期も楽しみにでかけたいと思います。

【前期】9月8日(土)~10月21日(日) 
【後期】10月23日(火)~12月9日(日)
※ 前期・後期で全面的な陳列替あり。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

東嶺圓慈 禅画と墨蹟




20121001-1.jpg

禅文化研究所は、花園大学歴史博物館と共催で、10月1日~12月15日まで、2012年秋企画展「東嶺圓慈 禅画と墨蹟」ならびに、禅文化研究所曝涼展「江戸前期の三大禅匠」を同時開催します。

本展では、東嶺ゆかりの寺院に蔵されている遺墨を2期にわけてご紹介します。
第1期では東嶺の創建道場である静岡県三島市の龍澤寺専門道場の所蔵作品を、第2期には東嶺禅師示寂の地、齢仙寺をはじめとする故郷近江の寺院につたわる遺墨を展観します。
また、禅文化研究所曝涼展では、雲居希膺・愚堂東寔・大愚宗築という江戸前期三大禅匠の墨蹟、ならびにその三禅僧と関係の深い禅僧の墨蹟もあわせて展観します。

詳しくは、こちらのページを御覧ください。

また会期中に記念講演会も開催します。講演内容は、以下のとおりです。

■2012年10月5日(金)13:30~14:30
「東嶺禅師『宗門無盡燈論』に学ぶ」 横田 南嶺 老大師(臨済宗円覚寺派管長)
■2012年12月6日(木)13:30~14:30
「東嶺圓慈墨蹟に流れるもの」 丸山 猶計 氏(九州国立博物館主任研究員)

申込不要、入場料無料、ただし先着150名となりますので、ご注意ください。

第1期第2期とも、是非、花園大学まで万障お繰り合わせの上、足をお運びください。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

奈良さんぽ




120924-1.jpg

同じ古都でも京都とはまた違った空気を求めて、奈良へは度々でかけます。

東大寺南大門の仁王像の手足の力強さに、ヨガの先生の美しいアーサナ(ヨガのポーズ)を思い出し、最近はレッスン時に仁王像の手足を意識しています。

久しぶりに拝ませていただいた大仏さまは、年齢を重ねるごとに、聖武天皇と光明皇后の偉業、そして当時の職人の技術に思いを馳せ、言葉を失うほどに感動します。

120924-3.jpg
二月堂より

奈良さんぽの続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

福森雅武展 -京都高島屋-




120919-3.jpg

本日より、私が大好きな土樂窯・福森雅武先生の個展が京都高島屋にて始まります(25日火曜日まで)。

先日、土樂窯にお邪魔して、野焼きの様子を拝見させていただきました。
とても原始的なこの焼成方法に、

「どうなるかはわからない、もしかしたら全部あかんかもしれん。非効率で無駄で、だぁれもしないような事やけど、やってると楽しいでしょう?それがいいんです」。

と、いつものごとく楽しそうな先生。
無心で薪を窯にくべてゆく道歩さん(福森先生のお嬢さん)の迫力を前に、黙り込んでしまっていた私。そんな私の隣にふといらして、「何でも一生懸命がいいんです」と先生。
私はこんなにも何かに一生懸命に打ち込んでいる時がはたしてあるだろうか……。

いつもいつも、私の胸にその時に一番響く事をさらっと仰います。その度に目から鱗な私です。
見ていないようで、とてもよく人の事を見ている方だな…と思います。見ているというより、感覚で、相対する人の事を感じ取られているのでしょうか。
様々な方達と交わり、修行をされてきた方のすごみというものをいつも感じさせていただいています。
“すごみ”と表現してしまうとなんだかとってつけたような、わざとらしさを感じられるかもしれませんが、先生はいつも自然です。こちらが「すごいなぁ…」と思う事全て、当たり前のごとく自然に仰り、なさるわけなのです。そういう“すごみ”なわけです。

生きた学びが楽しすぎて、先生のいらっしゃる所にはよくお邪魔していますが、先生はいつも誰に対しても「ありがとう」の言葉をたくさんかけられます。
今回も、お弟子さん達や手伝ってくれる人皆に、ありがとう、ありがとうと……。

「こんな事(野焼き)、一人でしようと思ったって出来る事じゃあありません。そうでしょ?手伝ってくれる人がいるからこそできるんや。ありがたいことやなぁ」。

そういえば、以前取材させていただいた時にも、

 「職人ていうのはね、今から思えばこういう人たちがいるから一つの物ができるっていうのがあるからね。よってたかって一つの物ができるっていうのはね、一人の作家の物よりも、ものすごく力が強い。一人の者がいくら名人として一つの物を作ったって大したことはないんだよ」。

と仰っていらしたのを思い出しました。

今回の展覧会はもちろん福森先生お一人の個展ではありますし、先生がいらっしゃらないと何も始まらないわけではありますが、その周りには、奥様や道歩さんや円さん(先生のお嬢さんで、土樂窯の近くで作陶をされています)、お弟子さんなど多くの支える方がいらっしゃり、その息吹も感じられる事と思います。
会場では、野焼きの様子も写真スライドショーで見られるようですよ!
そんな“ものづくり”の様子から、先生の作品から、皆様にも何か感じ取っていただければと思います。

120919-1.jpg

野焼きの仏様。火のまわり方は自然におまかせ。人間が操作できるものではありません。それぞれに、それぞれの色をまとって姿を現されます。
後日、火がおさまり、姿を現したお不動さんの真っ赤な色が今も目に鮮やかで忘れられません。

福森雅武展 -京都高島屋-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

日本玩具博物館 -姫路市-




120918.jpg


恩師たっての願いで、日本玩具博物館へ。

私はその存在すら知らなかったのですが、姫路駅から播丹線にゆられる事約15分。
電車はどんどんのどかな風景の中に入ってゆきます。

田んぼと民家の中を歩き、白壁土蔵づくりの6棟からなる博物館がおめみえ。

我が恩師は、お家にも数々のおもちゃを収集されているのですが、この博物館でも、まるで「良寛さんはこのようであったのかな……」と思わせられるほどに、子どもたちと一緒に無邪気に遊んでおられました。
私は正直、おもちゃよりも、おもちゃで遊ばれる先生に興味津々でした。

そして、その姿に、いつだったか先生が教えて下さった、神谷美恵子さんがお年寄りについて書いたことばを思い出していました。

「有用性ではなく、存在の仕方そのものによって周りの人々を喜ばせるという点において、子供と同じである」

先生が楽しそうだと、私や仲間たちも本当に嬉しく楽しい。
70歳を迎えられ、毎日たくさん歩き、畑を耕し、合気道をし、とても元気な先生。末永く私達に様々な事を教えていただきたいと願うばかりです。
このような恩師に大学で出会い、長く師事できる事に改めて幸せを感じた日なのでした。


*さきほど、おもちゃで遊ばれる先生に興味津々…と書きましたが、もちろん私もおもちゃで遊びました。大人も子どもも必死になって楽しめる博物館です。ゆっくり時間を作っておでかけ下さい。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

土祭 -栃木県益子-




120914.jpg

写真はHPより

益子といえば、焼き物好きにとっては憧れの地。
私はまだ一度も訪れた事が無いのですが、そんな益子が大きなにぎわいをみせようとしています。

土祭 HIJISAI2012 2012年9月16日(新月)~30日(満月)まで。

新月から満月までというのが、物事をはじめて終える期間として、素晴らしいですね。
本当の豊かさを求め、そこをベースに、さらなる益子の発展を願ってこの祭を開催している、そんな主催者の気持ちが伝わってきます。

数々催されるイベントの一つに、鈴木大拙先生の秘書を長く務められた、岡村美穂子先生の講演があります。

-民藝や手仕事から考える益子の未来-
9月22日(土)午後13:30~14:30(終了予定)会場:つかもと迎賓館
講演:岡村美穂子
民藝と宗教哲学や禅の思想。この繋がりをあらためて考えます。
柳宗悦が生涯の師と仰いだ、鈴木大拙(仏教思想家・禅の研究者)の秘書を長年務めた、
日本民藝館評議員の岡村さんをお招きします。

との事。なんて興味深いのでしょうか。

さらに、上田閑照先生、岡村美穂子先生に監修をお願いしました、私どもの『鈴木大拙写真集 相貌と風貌』が、ブックフェアではお取り扱いいただいております。もちろん、柳宗悦と一緒の写真も収録されています。
外見は内面そのもの。その相貌と風貌から、我々は多くを学べます。
素晴らしい写真集ですので、是非とも手にとってご覧いただければと思っております。
HPよりご購入の方はこちらからどうぞ。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

姫路城




120913-1.jpg

改修中の姫路城へと出かけてきました。
友人の知り合いのガイドさんに様々な事を説明していただき、「へ~!ほ~!」と関心するしか無いほどに計算されつくしたお城のあれこれ。

改修工事のため、すっぽり覆われていても、やはり滲み出る美しさというものがあるのですね。
何度か来ているはずですが、何度見ても本当に美しいものとは見飽きぬものです。

よほどお城に詳しい方は無用かもしれませんが、おでかけになる場合、ゆっくり時間を取って、ボランティアガイドさんをお願いするのが賢明です。自分では気付けない所を多々、教えて下さいます。

一番心打たれたのは、わざと完成させずに、ある部分を未完成にしたままにしておく事。完璧に完成してしまえば、あとは崩れるのみ。遊びの部分を残しておく、完璧にしないでおくという所にいたく感動しました。

何にしてもそうですね。完璧は実はもろい。教訓にします。

120913-2.jpg

修復が終わりましたら(平成28年)また是非ともでかけましょう。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

土偶・コスモス -MIHO MUSEUM-




120907.jpg

お誘いいただき、滋賀県は信楽にありますMIHO MUSEUMへ、内覧会にでかけて来ました。
秋からの特別展、「土偶・コスモス」。

土偶。人間を模したり、精霊などを表現したとされていますが、私にとっては正直、良い悪い、美しい美しくない、そういった理解をはるかに超えたところにあるもので、太古の昔に宇宙人がやって来ていたのだ!というような説を信じたくもなるというもの。
南米の古代文明の産物を拝見した時と同じような不思議な感覚にひたりました。
それでも、不思議すぎて、理解の枠を超えているからこそ、一層ロマンがあり、魅せられるのかも知れませんね。

壺などには、なんともいえない形で、「良いなぁ~、花を生けてみたいなぁ……」と思うような、想像をかきたてられるようなものがありました。

国宝がお目見えするのは後半からだそうです。
これだけの土偶が一度に拝見できるのは滅多とない事でしょう。オススメします。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

「伊藤若冲 -釈迦・文殊・普賢三尊像と-」 相国寺・承天閣美術館




120906.jpg

臨済宗大本山・相国寺内にあります承天閣美術館にて、「伊藤若冲 -釈迦・文殊・普賢三尊像と-」が開催中です。
今週末9日(日)まで。お見逃しなく!!!

若冲が相国寺に通った居士であった事など、禅宗と浅からぬ縁ある人であった事なども皆さんに知っていただけたらと思います。

そして、若冲はもちろん素晴らしいのですが、私の心を打ったのは、ただいま展示中の、夢窓国師筆・「即心即仏」でした。よく展示されていると思うのですが、見る度にハッとします。

そして、次回の展観は、「最後の文人 會津八一の世界」。これまた楽しみですね!

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

光象展 -於:国際奈良学セミナーハウス(旧世尊院)-




120904.jpg


-奈良にて 光象展開催-

知り合いが多く参加するグループ展の御案内です。私も少しだけお手伝いをさせていただくので、こちらでもご紹介させてください。

下記にご紹介させていただきました何人かの方達は、実際に私も存じ上げている方達なのですが、作品にも、その人柄にも、変な“臭さ”が無い、小手先のかっこよさでのモノ作りではないのが、大好きです。

私自身は、何かを生み出したり創り出したりする事がまったくの不得手で、何もできないのですが、こういった展覧会にお手伝いという形で参加させていただくことで、物を創り出す人達の息吹を身近に感じさせていただき、多くを学ばせてもらっています。

皆さんにも是非、実際に目で見て、手にとって、作り手と話して、感じていただきたいと思っています。

初秋の奈良に、是非お運び下さいませ。

【光象展】

場所:国際奈良学セミナーハウス(旧世尊院)
日時:2012年9月7日(金)~2012年9月9日(日)
時間:10:00~17:00(最終日は16:00)

陶芸:福森雅武/工藤二郎/山中恵介/大杉康伸/細川護光/日名子恵/福森道歩
ピアノ:山中和子

彫刻:岸野承

ガラス:安土忠久/安土草多

料理:鈴木浩治

木工:川合優

絵画:福井一/岸野忠孝/松村哲男/平川功

紙:嘉戸浩

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

「森と大地の仕事展 福森雅武」 -北海道・十勝千年の森-




120831-1-1.jpg


何度かこちらでもご登場いただいており、私が若い頃から大ファンでもある、伊賀・土樂窯の福森雅武先生の個展が北海道でありましたので、お邪魔してきました。

今回の個展は、十勝にあります千年の森における、“北海道ガーデンショー”の一環です。
-森と大地の仕事展-と題され、紙・木・土・草をそれぞれに使った、自然に寄り添う美しい日本の手仕事が順次紹介される内の、-土の仕事-として、福森先生並びに土樂窯の職人さんの仕事が紹介されているのでした(9月6日(木)まで)。

「会場にねぇ、庭を作るんですよ」と笑って仰る先生に、諸事情を把握できないままついてゆかせていただきましたが、千年の森・ヘッドガーデナーの新谷みどりさん主導により、先生が望む形がみるみる間に会場に。
このような庭ができあがる行程を拝見させていただける、またとない機会となったのでした。



120831-1.jpg

「森と大地の仕事展 福森雅武」 -北海道・十勝千年の森-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

KATAGAMI Style 世界が恋した日本のデザイン -京都国立近代美術館-




120830.jpg

デザインは全て、自然に学び、真似て、咀嚼してゆけば無限に創り出せるのだろうなと思います。
日本のデザインの様々を拝見していると、いにしえの人々が当たり前の暮らしの中にある自然に、如何に繊細に注意深く目を向けていたか…を感じ、優しい心持ちになれます。
また、その仕事の精緻な事には讃歎のことばも無いほどです。

そんな日本のデザインが、世界でどのように愛されてきたのか、皆さんもご確認にゆかれてみてはいかがでしょうか?
京都国立近代美術館での展観は終わりましたが、現在は三重県立美術館にて開催中です。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

心にしみ入る翡色の輝き -高麗美術館-




120823-1.jpg

残暑厳しいとある日、高麗青磁の翡色に涼を求め、高麗美術館を訪れました。
青磁といえば、私の中での随一はやはり高麗青磁。あの翡色は、私に鵜の瀬の清らかな流れを彷彿させ、心洗われる心地がするのです。

さらに大好きな李朝白磁にポジャギなど、朝鮮美術の様々な逸品を拝見しましたら、本当に心地良く、残暑による身心の疲れもいつの間にかどこへやら。
館内に飾られている楚々とした野の花もいつも楽しみなのです。

美しいものに触れる事は、明日への活力に繋がります!
暑すぎる夏には、涼しい美術館へ避暑にでかけるのが最高の過ごし方かと思う今日この頃です。

120823-2.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

京三条せともの屋町 -裏千家茶道資料館-




120822.jpg

以前、瀬戸物の本家本元、多治見の資料館に行って参りましたが、お次は京都の裏千家茶道資料館にて、京都三条通の中之町にて大量に発掘された瀬戸物や伊賀・信楽など、主に茶の湯に使われる道具類の展示を拝見しにでかけてきました。
当時、どのような流通があり、都でどのような流行があったのか、しばしタイムスリップして当時の都の興隆や、日常どのように使われたのかを想像し楽しんだのでした。
『へうげもの』でこの時代に魅了された方も是非! お菓子とお抹茶もいただけます。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

空想動物の世界 -MIHO MUSEUM-




120801.jpg

これだけ暑いと、大好きな寺社巡りも少し足が遠のいてしまうほど……。
涼しくて、美しいものを楽しめる美術館へ!となります。

以前ご紹介しました、「MIHO GRANDAMA Ⅱ 母なる方へ」と同時開催で、現在、-空想動物の世界-と題して、古来から東西において畏敬の念を持って人々に崇められて来た空想上の動物達の色々が紹介されています。自然や神仏への畏敬の念にも繋がるものですね。
ちょうど夏休みという事で、お子さんをお連れになられても楽しめるのではないでしょうか。


夏休みといえば、本日より禅文化研究所は都合上、いつもと勤務体勢が変わります。
お坊さんでもある上司達は、何キロか痩せる季節の到来。お盆・お施餓鬼の供養は大切であります。


10日(金)~19日(日)が一斉夏期休暇となりますが、その他の日もお休みをいただいている者がおります。
書籍のご注文につきましては、10日(金)午前中までのお申し込み分は10日中に発送。
10日午後以降のご注文につきましては、20日(月)以降の発送となります。

ご迷惑をおかけ致しますが、ご理解の程宜しくお願い申し上げます。

*ちなみにブログも不定期更新となりますが、今後とも宜しくお願い致します。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

石水博物館 -三重県津市-




120713.jpg


三重を代表する実業家でもあり、数寄者としてのありようもこの上なく軽妙洒脱で、特に陶芸に関しては独自の世界を築き上げた、川喜田半泥子ゆかりの石水博物館を訪れました。

私が彼の作品を初めて見たのは、家人に見せられた本の中ででしたが、まだ大学生くらいでしたので陶芸家とばかり思っていたものです。
彼の作品から出てくる奔放さやこの上ない品の良さは、陶芸をなりわいとする人が作った物とはまた違うもので、今もってなお、陶芸愛好家や茶人などを魅了してやまないのも、作品にふれれば納得のいくところです。

今回は、三重県立美術館にあわせての企画展-曽我蕭白と伊勢の近世美術-と、-半泥子の旅、スケッチと思い出の品-の開催でした。
陶芸のみならず、書においても、スケッチにおいても抜きん出たもので、非常に興味深く、わくわくと、楽しみながら拝見できました。

7月16日まで。お急ぎください!(ですが、通年、何らかの半泥子に関する展示がされていますので、いつおでかけになっても興味深いかと存じます)

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

多治見市美濃焼ミュージアム -岐阜県多治見市-




120711.jpg

岐阜県多治見市にあります、美濃焼ミュージアムを訪れました。

古くは安土桃山時代に遡る美濃焼の歴史から、海外に大量に輸出されるようになった近代までの事を知るのにうってつけのミュージアム。
最近話題になった、『へうげもの』にはまった方は、実際に発掘された桃山時代の陶片に触れてみるのも一興です。



120711-2.jpg
発掘された陶片を実際に手に取れます

120711-3.jpg
デザインがいちいちかわいいのです

それにしましても、織部にみられる様々な模様を拝見していると、陶工たちが楽しみながら作っていた事が想像できて、こちらもゆかいな気持ちになってきますね。
均一化されたもの、決められたものの枠を超えた所にある美を教えてくれる、日本らしい焼き物だなといつも思います。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

開館30周年記念 蕭白ショック!! 曾我蕭白と京の画家たち -三重県立美術館-




120704-1.jpg


-開館30周年記念 蕭白ショック!! 曾我蕭白と京の画家たち-が開催中の、三重県立美術館を訪れました。

以前、京都国立博物館で曾我蕭白展が開催され、話題を呼んでいた時には忙しくてお邪魔できませんでしたので、良い機会に恵まれました。

「違う世界と交流していたのでは?あちらとこちらの世界を行き来できるのでは?」と思わせるような作品ぶりに度肝を抜かれ、興味深く拝見はしましたが、決して個人的に好きとは言いかねるものでした。
ですが、ちらっと拝見しましたボストン美術館展のHPでは、秀逸な彼の作品が紹介されています。良い物が海外へ行ってしまっている事が非常に残念無念です。

さて、美術館博物館にて、丁寧な解説がついているのは、多くの方におこしいただき、わかりやすく…との配慮なのかもしれませんが、解説をされた方の私的感想が入ってしまうと、こちらの想像を奪ってしまう気がしました。美術品などの解説とは、なんとも難しいものですね。
私の友人知人、特にものづくりをされている方には、解説は全く見ないという人も多いです。自分の感じ方を大切にするからなのでしょう。

7月8日(日)までの開催です。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

根津美術館




120628-1.jpg

雨の日に訪れた、東京は南青山にあります根津美術館

隈研吾氏による設計にてリニューアルされてから、伺うのは初めてでした。
関西でいえば逸翁美術館がリニューアルされ、だんだんと昔ながらの風情を残した美術館が消えてゆくのには一抹の寂しさを覚えますが、これも時代の流れなのでしょう。

今回の展示は、“中世人の花の会と茶会”。これでもかというほどに、名品逸品が一堂に会した展観で、雨の日ながらも茶室では茶会が行なわれ、お茶人さんの来館が多く、東京の人の多さ、茶道人口の多さ、皆さんの熱心さを垣間見たような気がしました。

以前にも見たことはあるのですが、今回殊の外心惹かれたのは、“井戸茶碗 柴田”でした。時代を経た肌に…というよりも、その形にいたく感動しました。
このように心に深く残るものが、次回見たらどう自身に響いてくるのか、楽しみなものです。

中国人の観光の方でしょうか、子どもさんに唐物のお道具の数々について説明をされているのも興味深かったです。自国の古いものが他国へ渡り、珍重され現代にまで残っている。しかも名前までついて!!! 面白い事なのでしょうね。

120628-3.jpg



120628-2.jpg

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

旧白洲邸・武相荘




120618-1.jpg


本の中の写真ではなく、白洲次郎・正子のくらしを実際に見てみたいとずっと思っていましたが、ようやく東京は鶴川にあります旧白洲邸・武相荘を訪れる事ができました。

この日はちょうど梅雨の入り、雨の一日でしたが、しっとりと雨に濡れた緑や、かやぶき屋根がまたことのほか趣がありました。

他の誰かが良いと言ったから良いのではなく、自分が見て良いと思うものを集め、それらに囲まれながら暮らすことは、自身をみつめる事に繋がるのだなと改めて思った武相荘訪問でした。

日本の文化や歴史、自己を知るには、もちろん禅の本を心からオススメしたいのですが、白洲正子著作もオススメします。

120618-2.jpg 120618-3.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (4)  | Trackbacks (0)

白沙村荘の石塔・石仏 -京都市左京区-




120606-1.jpg

五月晴れのとある休日、白沙村荘-橋本関雪記念館-を訪れました。
中国風のお庭、関雪の趣味で作られた独特の建築(存古楼)、立派に再建された茶室、庭の山野草など、見どころは多々あるのですが、私が一番惹かれたのは数々の石塔・燈籠・石仏などの“石”なのでした。
本日は石コレクションをご紹介。

120606-2.jpg 120606-3.jpg

白沙村荘の石塔・石仏 -京都市左京区-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

染織のための自然素材展 Ⅳ・十日町(新潟)




120604-1.jpg
詳しくはこちら


何かの本で読んだのか、どなたかに伺ったのかは忘れましたが、「日本人の精神性を崩壊し、日本文化を断絶させようと思えば、“麻”を取り上げてしまえば容易な事なのだ。それほどに、麻と日本人とは深い所で繋がっている」……と(麻といえば、神道が深く関わっているからだと思いますが)。

それ以来、麻を始めとする日本の布になんとなく心惹かれながらも、“機会”が無ければ忘れてしまうのが常というもので……。
そんな折に京都のギャラリーで目にした芭蕉布の数々。そしてそこに集う“布好き”な方達の情熱に、私の“日本の布熱”も上昇して来ました。
新潟に行って来ようか…(ついでと言っては何ですが良寛さんゆかりの地も訪ねたりなんかして)と思ってしまう今日この頃です。
お近くの方は是非!いろんな布が集うまたとない機会です。

ちなみに“麻”といえば、雲水さんの麻衣。ボロボロになっていても、とても美しくて私は大好きです。
以前、花園大学内で講演会か何かがあった時にお見えになっていた雲水さん。
その麻衣は透けそうなくらいにすり減り、あちこちにつぎはぎが。それでも、誰よりもキラキラと輝いていて、眩しかった事を思い出します。まだ私も研究所に入って間もない頃で、修行をしている者の美しさとはこういうものなのか……と初めて知った出来事でした。
「あの方は今どうしておいでだろう……どちらの僧堂の雲水さんか聞いておくべきだった!!!」といつも悔やまれます。

120604-2.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

南蛮にひかれて




120522.jpg

元々キリスト教関連のことには関心ある親友が、やけに南蛮南蛮と言って南蛮づいているので私も関心をそそられて、大阪は中津にあります、南蛮文化館と、神戸市立博物館における-南蛮美術の光と影-を訪れました。

訪れる数日前に研究所の資料室でふと目に入った、淡交社の『なごみ』(いつもお送りいただき、誠にありがとうございます)。なんと、ここに南蛮特集が掲載されていたのでした!
さっそく読んでみた所、なんとも面白く…。中でも、「南蛮人の証言」と題して、南蛮人達が日本人や日本文化をどのように思っていたのかを紹介するページが。その中の一つに、

「日本の禅僧は、もっとも理知的で、さかんに論争を挑んだ。それを論破することは容易ではなかった」
コスモ・デ・トルレス(司祭)

と、あったわけです。
「ふふーん、そりゃあそうであろ」と鼻高々(注:私は禅僧ではありません。研究所の一職員、一禅ファンです)になったのですが、ちょっと待てよ…。「容易ではなかった」という事は、その後に「それでも、論破したのであった」が続くのだろうか?と、何となく面白くなかったり……。
と、どうでもいい事をごちゃごちゃと考えている、とてもつまらなく、小さな私なのでした。どちらがどちらを論破したとか、上か下かなんて、どうでもいい事ですね。
いかんせん、ここに禅僧が出て来ているのは非常に興味深い事です!

現在では、禅文化研究所の事業として、禅僧とヨーロッパの修道士・修道女との交流(東西霊性交流)が行なわれています。
変わっているかのようで、実は案外、当時と現在のお互いの印象は、根本的には変わっていなかったりして……と思う私です。

さて、神戸市立博物館での大々的な展観(6/3まで)も素晴らしかったのですが、私は中津にある南蛮文化館をいたく気に入ってしまいました。こちらは5月と11月にしか開館していませんので、どうか皆様お急ぎ下さい!!!5月を見逃すと、お次は11月にしか開館しないのですっ!!
茶を嗜む武将か有力商人茶人のキリシタンが作らせたのでしょう。文化館にあったクルス文様の茶碗などが妙に斬新で古さを全く感じさせない事にいたく感動し、私も窯元の友人にお願いしてクルス文様茶碗を作ってもらい、いつか友人達と南蛮茶会など催したいもの……と、妄想はとどまるところを知らないのでした。

それにしましても、『なごみ』には毎月興味深い情報満載です。以前には、全く知らなかった、愛媛の臥龍山荘をこちらの月刊誌にて知り、お邪魔しました。カラーページも多く、解説もわかりやすく親しみやすい月刊誌です。 オススメします。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

白隠さん「布袋図」せんべい




120517-1.jpg 120517-2.jpg


6月24日(日)まで名古屋の愛知県立美術館で行われている「魔術/美術 幻視の技術と内なる異界」展にいってきました。
美術館のHPやチラシなどにはあまり触れられていませんが白隠禅師の絵も以下の4点が展示されています。「吉田猿猴図」「寿老人図」「五位鷺図団扇」「布袋図」。

展覧会にお越しの方は、ぜひ美術館のミュージアムショップにもお立ち寄りくださいませ。白隠さんの「布袋図」をモチーフにした「愛知県美術館オリジナルせんべい」が売られています。

禅の布教のためにご尽力された白隠さんですからせんべいにされてお怒りになるとも思われませんが
いただくときに一瞬躊躇してしまうような気もしますね(笑)。
名古屋栄にある美術館です。お近くの方はぜひお立ち寄りくださいませ。

120517-3.jpg
せんべいの焼き印


開館20周年記念 愛知・岐阜・三重 三県立美術館協同企画No. 6
「魔術/美術 幻視の技術と内なる異界」展
会期:2012年4月13日(金)~6月24日(日)
会場:愛知県美術館 (愛知芸術文化センター10階)
開館時:10:00-18:00(金曜日は20時まで、入館は閉館30分前まで)
休館日:毎週月曜日
観覧料:一般・当日900円(前売・団体700円)
    高校・大学生当日600円(前売・団体400円)
    中学生以下無料

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

仁徳天皇陵と堺市博物館 -大阪府堺市-

小学校の時に社会見学などで訪れた場所。当時はさほど興味なく、無理矢理な感が否めなかった場所なども、大人になってから再度とてつもなく興味を抱いたりする事がありませんか?

私の場合、小学生なりに埴輪や銅鐸に興味は持っていたのですが、その思いも薄れ、すっかり忘れていた今頃になって、古墳巡りをしたい思いに駆られています。

120516-3.jpg

そんな折、堺に訪れる機会がありましたので、まずは…と、仁徳天皇陵を拝みに。
堺市役所の21階展望ロビーからの眺め。
憧れはもっと上からあの“形”を拝む事ですが、それでもこんもりと茂った木々に覆われた、古代のやんごとなき人のお墓には、ロマンがありますね。
その昔、堺の港へと辿り着いた外国人がまず目にするのがこの仁徳天皇陵を中心とする古墳群で、横からみたそれはまるで要塞のごとく、日本の威勢をしらしめる事になったのでしょう。
本当に、想像をかき立てられますね。

120516-1.jpg

そしてもう一つ魅惑的な展観が。布好き、特に更紗好きにはたまらない珍しい展観です。堺市博物館の企画展、「和更紗-堺・京・長崎-」。
外から入ってきたものを、何でも日本風にして取り込んでしまう日本人のおおらかさ、豊かさに感心する事しきりなのでした。インドやインドネシアとはまた違う方法で染められた日本風の更紗。色も図柄もとても魅惑的でした。
展示数は少ないのですが、布好きな方には特にオススメします。
また、堺市博物館では、古墳時代からの堺の歴史などを時代ごとに垣間見られるような常設展示があり、少し足を延ばして訪れたこの町で、随分と楽しくお勉強させていただいた次第です。
皆様も是非!

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

鎌倉国宝館「鎌倉の至宝 -国宝・重要文化財-」展




120510-2.jpg

ご存じの方も多いと思いますが、神奈川県鎌倉市では「武家の古都・鎌倉」としての世界遺産登録をめざして、活発な運動が現在行われています。
「鎌倉幕府を樹立した武家は、政治機構の整備、権力強化の過程において、禅宗を中核とする中国文化を積極的に取り入れ、“武家文化”を生みだした」として、大本山建長寺・大本山円覚寺・寿福寺・瑞泉寺が世界遺産の構成資産に選ばれています。

鎌倉国宝館・神奈川県立歴史博物館・神奈川県立金沢文庫でも、それを推進する展覧会が今年度はいろいろと予定されています。
GWに、建長寺・円覚寺・寿福寺・瑞泉寺の寺宝が多く寄託されている鎌倉国宝館の「鎌倉の至宝 -国宝・重要文化財-」展を見学してきました。
国宝「蘭渓道隆墨跡 法語規則」(建長寺蔵)をはじめ、建長寺・円覚寺・寿福寺・明月院・帰源院・浄智寺・鎌倉国宝館がご所蔵の重文の仏像・肖像彫刻・絵画・工芸品・墨跡が所狭しと並び、圧倒されつつ、会場を何周もしてしまいました。

同時開催の平常展示「鎌倉の仏像」展もガラスケース越しではなく、直接間近で拝見できるのがありがたく、なかでも以前から一度じっくり、と思っていた、
建長寺蔵「千手観音坐像」を念願かなってすぐ近くから拝見することができました。

鎌倉国宝館「鎌倉の至宝 ―国宝・重要文化財―」展 5月27日(日)まで
〒248-0005 神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-1[鶴岡八幡宮境内]
Tel:0467-22-0753 Fax:0467-23-5953
開館時間:午前9時~午後4時半(入館は午後4時まで)
休館日:毎週月曜日
主催:鎌倉国宝館(鎌倉市教育委員会)
観覧料:一般500円(350円)、小中学生200円(140円)



120510-1.jpg

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

東福寺名宝展の御案内




120419tohukuji.jpg
東福寺・通天橋の新緑 柴田明蘭(写真)


大本山東福寺で、4月21日から5月6日まで東福寺名宝展が開催される予定です。

「この度の名宝展では、禅の伝法に生きた聖一国師の生涯に焦点をあて、東福寺に大切に護り伝えられてきた修行時代から晩年にいたる国師ゆかりの文化財を一堂に展観するとともに、国宝三門を特別公開いたします」(大本山東福寺のHPより)とのことです。

聖一国師の遺偈や自賛の頂相(肖像画)など、東福寺ご所蔵の国宝・重文の書画をはじめ、国宝三門も同時に特別公開されます。

国宝三門へのぼれば、「壮麗な極彩色の世界がひらかれています。中世建築ではめずらしい一面の極彩画は、画聖兆殿司(明兆)およびその門人寒殿司の筆と伝えられています」(同)とのこと。三門にのぼるのは大変そうですがぜひ極彩色の世界の世界を体験したいですね。
また「東福寺のみほとけ」展も同時開催され、ふだんは非公開の東福寺伝来の仏像・工芸品を拝見できるとのことで、こちらも楽しみです。

新緑の東福寺で名宝を満喫する前に、聖一国師や東福寺について「予習」したいと思われた方に、一つマニアックな文献をおすすめしたいと思います。
今枝愛真先生が『静岡市史 原始古代中世』(1981)に寄稿された「入宋の禅師 聖一国師と大応国師の活躍」です。一般にはあまり(ほとんど?)知られていないと思いますが、聖一国師についてのとても丁寧でわかりやすい伝記です。
各都道府県立図書館などの大きな図書館でぜひ一度探してお読みいただければと思います。

大本山東福寺 新緑遊行と特別名宝展
「聖一国師の遺宝 法をつたえ 宝をまもる」
(国宝三門、「東福寺のみほとけ」同時公開)
2012年4月21日(土)~5月6日(日)
名宝展・三門共に9:00~16:30(受付は16:00まで)
拝観料:
名宝展 大人1000円、中高大生600円
三 門 大人600円、中高大生500円
名宝展・三門・通天または方丈の三ヵ所共通拝観券が
大人1500円、中高大生1000円とお得です。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

「天龍寺寺宝展 夢窓国師と嵯峨・嵐山」展




spring_01.jpg

少し前になりますが、3月20日の午後、京都嵯峨嵐山の時雨殿で行われている「天龍寺寺宝展 夢窓国師と嵯峨・嵐山」展を訪れ、佐々木容道天龍寺管長のご講演「天龍寺と夢窓国師」を拝聴いたしました。
天龍寺ご開山の夢窓国師の事跡や思想、また天龍寺創建の意義について、1時間たっぷりみっちりとお近くでお話をうかがうことができました。

展示のほうは、出品数は多くありませんでしたが、天龍寺さんは寺宝展をなさらないので、長く夢窓国師を勉強してきたわたしもはじめて実物を拝見したものばかりでした。

なかでも感激したのは墨跡「謝宋船網司上堂偈」です。こちらは状態があまりよくないのが残念ですが、日本史上で名高い「天龍寺船」を主宰した博多の商人へ国師が贈られた偈、つまりは国師自筆の感謝状です。
写真でこれまで拝見してきましたが、実際に拝見したところ、予想以上にすばらしく、当時最高級の中国紙(蝋箋)に書かれたたいへん大ぶりの立派な墨跡でした。

南北朝の混乱の世に、天龍寺創建を無事なしとげられた国師のお心にしばし思いをはせました。

今週末は夢窓国師が心から愛した嵐山の桜を見がてら、いかがでしょうか。


-小倉百人一首殿堂時雨殿リニューアルオープン企画展-
【天龍寺寺宝展~夢窓国師と嵯峨・嵐山~】
6月24日(日)まで。10時~17時(入館16時半まで)
休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館)
入館料/高校生以上500円、中小生300円
小倉百人一首殿堂時雨殿
(京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町11。京福嵐山本線「嵐山」より徒歩5分。Pなし、周辺に有料あり/TEL.075・882・1111)

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

MIHO MUSEUM -MIHO GRANDAMAⅡ母なる方へ-




120315-1.jpg


信楽の山奥、冬季は休館となるMIHO MUSEUM
心待ちにしていた春の開館。
この度は開館15周年記念となる展観で、-MIHO GRANDAMAⅡ母なる方へ-として、母性をテーマに、国内外の女神像などを中心とした所蔵品が展示されていました。

何度も足を運ばれている方には、何度目かのおめもじとなる所蔵品も多いかと思いますが、何度拝見してもこちらの所蔵品の素晴らしさには感動します。

いつも、美術品の“見せ方”も趣向をこらされていて、例えば今回、1世紀・ローマ時代の婦人像をその存在感を存分に感じられるようしつらえられた展示ブースの赤い壁は、その下に白・黄の漆喰を塗った後に赤で仕上げられたのだとか。感服です。そうしないと、奥行きのある赤にはならないわけです。

他にも色々と心ときめいたのですが、これからご覧になる皆さんの感動や気づきを奪ってはならないので、ふせておきます。

120315-2.jpg
雨の日もまた美しい美術館からの眺め


目に良いから 美しい物良い物を 観なさい
良い物を観ていたら 悪い物がわかる


子どものうちから
礼儀・礼節を尊ぶことの大切さ


どんな人からでも 学ぶのよ


美しく 生活を楽しむことの 大切さ


心に響く、小山美秀子女史のことばの数々。
私がこの美術館を初めて訪れたのが2000年。
この時に開催された-白洲正子の世界-を、白洲ファンだった家族全員で観にでかけて以来、もう12年も経ったのかと思うと感慨深いものがあります。
ほぼ欠かすこと無く毎回の展観にでかけてきましたが、どれだけ心豊かに、学ばせてもらっているか知れません。
美術館の存在が、そこを訪れる一人一人のくらしや一生に与える影響は、計り知れないものがあるな……と思いつつ、私もまた自身のくらしをより美しく、心豊かなものにしていきたいと思いつつ、MIHO MUSEUMを後にしました。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

朝鮮木のもの百選 -高麗美術館-




120308.jpg

京都市北区にあります、高麗美術館を訪れました。
今回の展示は、朝鮮の木のもの、いろいろです。

日本も木の工芸品が多い国ですが、お隣になるとそれがどのような形になるのか、日々の暮らしや、儒教の思想をどう反映しているのかなど、似ている所、違う所を見るのが面白いものです。
毎回の展観が楽しみなお気に入りの美術館。オススメです。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

承天閣美術館 -京都・相国寺-




120229.jpg


相国寺内にあります、承天閣美術館
現在、館内所蔵の屏風絵展が開催されています。

一時、俵屋宗達や本阿弥光悦に強く惹かれ、色々な美術館を巡っていました。
もう10年以上前になるでしょうか、大阪の萬野美術館にて観た記憶のある「蔦の細道図屏風」が、いつの間にか承天閣美術館に。
萬野美術館が閉館するのに伴い、その所蔵品の大部分が承天閣美術館に移ったようです。

この、「蔦の細道図屏風」の修復記念も兼ねた館内所蔵の屏風の逸品たち。日本を代表する絵師達の作品に数多く触れられる機会です。

昨日ご紹介しました、法堂龍図や開山堂の拝観と共に、是非お運びください。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

魯山人寓居跡 いろは草庵




120201.jpg

良い時代だなぁ……と、感慨深く。

石川県は加賀市の山代温泉にある、魯山人寓居跡にお邪魔してきました。
現在は、いろは草庵といって、魯山人の人生の軌跡を辿れる場所となり、公開されています。
集まるところには集まるのですね、面白い人が……。
賢人達の交流を、ことのほか興味深く拝見しました。

昔から、家人の趣味で魯山人の料理に関する本や器の図録を多々見てきました。
好きかと言われれば、個人的にはそれほどでもないのですが、やはり面白い方だなと思います。

京都では、何必館に魯山人の器や書が多く所蔵され、公開されたりしています。
お好きな方は是非!

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

西田幾多郎記念哲学館 -石川県かほく市-




120125-1.jpg


石川県の旅。鈴木大拙館へゆけば、西田幾多郎記念哲学館もはずせません。
こちらはまた世界的建築家、安藤忠雄氏による設計だとか。

この“哲学館”という名称から、非常に敷居の高い所であるイメージを受けるかもしれませんが、小学生の社会見学にも良いのでは?と思うくらいに、「つかみ所無く、とっつきにくい、哲学」というものを、わかりやすく教えてくれるメディアライブラリーなどもあります。
西田先生の生い立ちから晩年に至るまでのこと、西田哲学のこと、世界の哲学者について、非常に幅広く“哲学”に触れる事のできるような館内となっていました。
読書会なども開催されており、羨ましい限りです。
金沢から能登にかけてご旅行される方などは、是非お立ち寄り下さい。

他の所員による西田幾多郎記念哲学館の感想はこちら

120125-2.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

鈴木大拙館 -石川県金沢市-




120123-1.jpg


昨年私の上司もこちらで案内しておりました、金沢市にあります鈴木大拙館。
お正月に金沢へ行った折に、もちろん私もお邪魔して来ました。

エントランスを入った所から大拙先生の写真に迎えられ、興奮して声高になる私に、受付の方は「変わった人だわぁ」と。私が変わっているのではなく、真実として、禅という、こんなにもかっこいい世界は他には無いだけなのだと本当に思います。未だ憧れの世界です。

と、こういう類の事(禅が好きだのなんだの)を話していると、ある和尚様が、「お前さんのように理想に燃える者ほど、僧堂に入ると挫折してすぐに逃げ出す」と仰いました。確かに、一体禅ってなんでしょうね
髮を剃る気はありませんが、そのように私の戯言が一掃されるのもまた、「禅僧とはなんと面白いのか……」と、楽しいわけなのです。

それはさておき、この記念館。世界的な建築家、谷口吉生氏による設計だとか。
凛とした空気と静謐さを抱き、まるで履き清められた早朝の禅寺を訪問したかのような心持ちを覚える建築。
禅の事をまったく知らない、わからない人も、“禅的”なものをここで感じ取ってもらえるような、禅の空気感・世界観を現代建築にて表現すれば、こうなるのだな…と納得のいくものとなっていました(何様?ですね……すみません)。

また、展示品に一切の解説がついていないのも良かったです。頭を空っぽにしたまま、自分の目で観て感じるという事ができます。
昨今の美術館博物館での展示品には、解説の長いもの、学芸員の私的見解などが書かれていて、自分の観る目や、感じる心を邪魔しかねない事が多々あります。

今回は大雪の中お邪魔しましたが、季節ごとに訪れてみたいものです。
皆様も、金沢へゆかれた際には是非お立ち寄りになってみて下さい。

鈴木大拙館HP
『相貌と風貌-鈴木大拙写真集』


120123-2.jpg

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

パラミタミュージアム -三重県菰野-




111215-1.jpg

御在所岳からの眺望を楽しんだ後は、大好きなパラミタミュージアムへ。

このような素晴らしい常設展示があるミュージアムを他に知りません!というくらいにお気に入りです。
池田満寿夫「般若心経シリーズ」が開館中はいつでも見られます。何度拝見しても感動してしまいます(以前の記事はこちら)。

今回の企画展は、-飛鳥園仏像写真展-と題して、大和路の数々の仏さまの写真が展示されていました。写真よりも本物を拝するのが一番と思っていた私でしたが、最近は自身が実際に参拝しても、とらえる事のできない角度、まなざしから写真家がとらえた一瞬を観て感じるのも良いものだな……と思っています。そしてまた、写真を拝見する事によって、実際に奈良の仏像に会いに行きたくなりました。

その他所蔵作品展にても眼福にあずかり、寒い一日でしたが、心はほくほく温かく帰路につきました。

111215-2.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

野村美術館




111212.jpg

能や茶に通じていなくとも、日本の名品から醸し出される気品や気迫を感じさせてくれる逸品が揃う私設美術館。
この秋の展観は12月4日まででしたが、次回の春の展観、3月10日から始まる【「かな」の美】を心待ちに。桜や新緑の美しい季節ですね。

さて、いつも野村美術館へゆく時は、人の多い道を避け、お屋敷街をぐるぐると、写真のような小川が流れ、自然の草花が茂る道を通ります。
散策される方も、時間がゆるすようであれば、ぐるぐると歩いてみられる事をオススメしたいです。
南禅寺さんまで参拝にこられたなら、併せて是非!

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

肥後松井家の名品「武家と茶」 -裏千家茶道資料館-




111128.jpg

細川家家臣、松井家所蔵の茶道具の展観。相国寺の承天閣美術館と同時開催で、こちらでは茶道具等がお目見えです。
展観のポスターを見るだけでも、期待に胸ふくらむ展観です。すごい水指ですね。

千利休とも親交があり、禅にも傾倒した武家の当主のコレクションは、筋が通って凛としていて、拝見しているだけでこちらの気持ちも引き締まるもの。12月4日まで。必見です。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

神仏います近江 -MIHO MUSEUM-




111125-1.jpg

大津市歴史博物館滋賀県立近代美術館に続き、最後の会場となるMIHO MUSEUMを訪れました。
こちらの会場では、「近江伝来の仏像・仏画・経典などを中心に、釈迦入滅から始まり、大乗仏教とともに進展する仏・菩薩の世界、日本仏教の母山とも称される最澄、円仁、円珍らによる天台仏教の確立までの道のりを概観」との事。
なかなかにテーマが大きすぎる為か、少しまとまらない感じがありました。これは主催者側も承知の上での展示だったようです。
それにしても、いつも思いますが、MIHO MUSEUM所蔵品の美しさには、ハッとさせられます。「これはどちらのお寺のものだろう」と思えば、MIHO MUSEUM所蔵である事がしばしば。創設者の小山女史の審美眼にはいつも溜め息ものです。
12月11日まで開催。秋の紅葉を経て、枯れゆく野山の風景もとても美しいものです。

111125-2.jpg

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

臥龍山荘 -愛媛県・大洲-




111124-1.jpg

愛媛県は大洲市にあります“臥龍山荘”を訪れました。
市内を流れるおおらかな美しい肱川。その臥龍淵の崖の上に建つ不老庵、知止庵、臥龍院の建物からなり、敷地は3千坪。
もとは文禄期に渡辺勘兵衛が庭園を築き、その後大洲藩主の加藤家に引き継がれていましたが、明治期に入り荒廃。そこで、大洲出身の貿易商、河内寅次郎が復興させました。
京都の桂離宮を思わせるようで、それでいて独特な発想による様式も施され、構想10年・工期4年をかけた彼の理想の地である事を、随処に伺い知る事ができます。

茶の湯をたしなむ者には、臥龍院の建築において、雪輪窓の塗りや床框の塗りが中村宗哲、欄間は駒澤利斎、襖の引き手や縁側の留め釘が中川浄益、襖は奥村吉兵衛など、千家十職のうちのいくつかの職家が携わっている事に感嘆を隠せません。
もちろん、美しい唐紙の襖紙は、唐長によるもの。意識をもって見つめれば、学ぶ所だらけで、なかなか先に進めないくらいに素晴らしい名建築なのでした。

111124-2.jpg

臥龍院を裏から観た所。左官の仕事も見事。駒澤利斎による透かし彫も美しく、さらに屋根の手のこみよう、美しさも圧巻。日本の職人の仕事の凛とした美しさは、建物の印象を引き締めます。

臥龍山荘 -愛媛県・大洲-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

システィーナ歌舞伎「石川五右衛門」 -大塚国際美術館(鳴門)-

 

昨年に引き続き、今年も行って参りました。
もう“これでもか!!!”という、半ばなんでもあり?!のかぶきように、感動あり、笑いあり、驚きありで、息つく暇も無い時を過ごしました。

スペイン人を父に、日本人を母に持つ五右衛門が、幼い頃に秀吉により日本を追放された父、秀吉の室となる事を拒んで自害した母の無念を晴らすため、秀吉に復讐を誓い大盗賊となり……という設定の新作歌舞伎。

出雲の阿国と恋に落ち、都の人々に踊りが飽きられてしまったと嘆く阿国に、父親ゆずりのフラメンコを教えるという奇想天外なシチュエーション!
片岡愛之助さんが歌舞伎の装束のまま舞ったフラメンコに、会場の拍手も割れんばかり。阿国役の中村壱太郎さんの和フラメンコも艶やかで、眼福のひとときでした。

また、特別ゲストとして、徳島県出身で世界的に活躍するフラメンコ舞踊家、小島章司さんによるフラメンコの舞台もあり、この気迫こもる踊りに、私は涙するほどに魅せられました。スペインに行った事などないのに、あの情熱の国の風景がまるで彼の後ろに現れては消えてゆくように、ありありと浮かぶのでした。
彼の舞台を是非とも一度観に行きたいと思いました。

来年も是非訪れたいと思っています。ちなみに、この歌舞伎はシスティーナ礼拝堂を模した、下写真のようなホールで行われる為、いつも和洋折衷の新作歌舞伎なのです。
2階にはバルコニーがある為、例の「絶景かな、あ、絶景かな~~」も、バルコニーからなさいましたよ! 歌舞伎を知らない方にも楽しめる演出がたくさん。是非皆様も来年訪れてみてください!

111115-3.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

凩のころ -北村美術館-




111114.jpg

このたびの秋の北村美術館。【凩(こがらし)のころ】(12/4まで)。
毎回書いているかもしれませんが、いつも展観の“名(めい)”が楽しみで、「あぁ、いいなぁ…」と思うのです。
季節を感じるお道具類が、茶事の形式に則って並べられ、一期一会の茶事を体験するかのごとく拝見できます。

道具類にうっとりとし、溜め息をつくのは毎回の事。さらに今回は、私が尊敬し、お慕いする堀内宗心宗匠の消息が軸装されて飾られていました。北村翁と堀内家には交流があった為、度々宗匠方の消息などが軸装されて展観にて展示されています。
今回は、宗匠らしいとても懇切丁寧な袱紗のたたみ方についての消息(絵まで描かれています!)。なんとも微笑ましいものでした。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

「遂翁元盧」展 記念講演会




2011_11_04_073s.jpg

既に本ブログでご案内しておりますとおり、現在、花園大学歴史博物館にて、2011年秋季企画展「遂翁元盧 禅画と墨蹟」を開催しております。
本展覧会では、丈山文庫・永明寺(いずれも静岡県)の所蔵する、白隠慧鶴の高弟・遂翁元盧(1717~89)の禅画、墨蹟を展観しており、10月の展示分は入れ替えを行ないまして、只今は中期の展示内容となっております。

2011_11_04_075s.jpg

2011_11_04_074s.jpg

2011_11_04_076s.jpg

10月にお越しになった方でも展示内容が変わっておりますので、また改めて足をお運び頂ければと存じます。

なお、明日10日午後には、本展覧会の記念講演会を開催いたします。入場無料・申込不要ですが先着順150名までとなっておりますので、お早めにお越しください。

[日程]2011年11月10日(木)
[講演]
  13:00~14:30
   ◆「白隠と遂翁」 芳澤勝弘(花園大学国際禅学研究所教授)
  14:40~16:10
   ◆「白隠の禅」  玄々庵老大師(瑞泉僧堂師家) 
[会場] 花園大学 教堂(入場無料・申込不要・先着150名)


大きな地図で見る

 お問い合わせは、(財)禅文化研究所 まで
    〒604-8456 京都市中京区西ノ京壷ノ内町8-1 花園大学内
    TEL 075-811-5189 FAX 075-811-1432

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

神仏います近江-滋賀県立近代美術館-




111028.jpg


先日の大津市歴史博物館の-日吉の神と祭-に引き続き、2会場目となる、滋賀県立近代美術館へ行って来ました(上司の記事はこちらに)。

こちらでは、-祈りの国、近江の仏像-と題して、平安時代から鎌倉時代まで、貴族社会から武家社会、天台からその他の宗派まで、幅広い時代・時代背景の仏像が一度に観る事のできるまれな展観となっていました。

京都・奈良・滋賀の仏像を観てまわっていると、専門家ではないのではっきりとうまく言葉で表現はできないのですが、それぞれに味わいがありますね。
今回の展観でも、奈良とも、京都とも違う近江の味を堪能しました。

と申し上げながら、“近江の味”とはまた違うような気もするのですが、やはり、どうしても、ひときわ目を引いたのは、快慶作の木像大日如来坐像(石山寺)です。これは、快慶作と聞かずとも誰しもその前でハッと立ち止まってしまうのではないでしょうか。
密教における最高仏、宇宙の真理そのもの、万物の長たる大日如来に相応しい、圧倒的な迫力と美しさと荘厳さを兼ね備えていました。

またもう一つ、普段は門の中で寺を守っている金剛力士像が、今回の展示では門から出て間近に拝む事ができ、私はことのほか、甲賀市は正福寺(臨済宗妙心寺派のお寺です)の金剛力士像に心打たれました。その“手”に です。

金剛力士像を思い浮かべて下さい。いろんな形がありますが、正福寺の像は、片方の手は力強く地面をおさせるかのような格好をとっています。その“気迫”に打たれたのです。
「あぁ、荒ぶるものを抑え、山門にて邪悪なものの侵入を拒むのだなぁ。土地が荒ぶる事も、この手で抑えていらっしゃるのかもしれない」と、ふと思ったのでした(かなり勝手な私の想像です)。

私の大好きな不動尊も、味のある矜羯羅童子・制多迦童子を従えてお目見え。
堪能させていただきました。ほんとうに、ありがたい展観です。

3館での開催のうち、2館拝見しましたので、残すはMIHO MUSEUM。こちらもまた楽しみです。勝手な感想を述べさせていただく事になると思います。どうぞ宜しくお願い致します。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

入江泰吉・杉本健吉展~大和路に魅せられた二人~ -奈良市写真美術館-




111021.jpg

時に意見を闘わせるライバルではあるものの、腹の底から互いを尊敬し、切磋琢磨しあう縁生の友。良いものです。

入江泰吉記念 奈良市写真美術館にて、そんな二人の展観が開催中です。
入江泰吉さんも、杉本健吉さんも大好きな私にとって、とても贅沢で心温まる展観で、国のまほろば、奈良の都をさらに好きになってしまいました。


老師のインタビューに伺っても、修行時代にそういう仲間に恵まれたお話をよく伺います。人生に、そんな存在がいるって、とても素敵な事だな……と思います。
今、皆様にはそんな大切な友人が、目に浮かんでいらっしゃいますか?

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

大津市歴史博物館 -神仏います近江-




111020.jpg

滋賀県の神仏が3つの美術館博物館に集合。【神仏います近江-日吉の神と信仰-】を拝見しに、大津市歴史博物館に行ってきました(先日上司がでかけた他会場の記事もあります)。
こちらでは、神像が多く展示され、主に神仏混交の世界が繰り広げられていました。

ほぼ完全なる神仏分離の時代に育った者としては、「これは仏教の仏さん」、「これは神道の神さん」と分けて見たり考えたりしがちですので、この会場に並んだどっちとも取れるような神仏像や曼荼羅に???となったりします。
昔の日本では、インド(ヒンドゥーや仏教)の神仏が日本の神に姿を変えて現れる…と信じていました。とてもおおらかで深い懐を持った極東の国、日本の姿を垣間見る事のできる展示でした。

「源流ともいえるインドに私が憧れるのもわかる気がする」。
「私が、世界中どこの国に行っても、そこの土着の神やその土地の信仰上の神仏に畏敬の念を抱き、こだわりなく手を合わせられるのは、この為か」。

などと、自分の中に根付く宗教観を確認できるかのような素晴らしく意義ある展観でした。古き土地、近江の国の神仏は、我々日本人の原点を教えてくれるかのようです。


そして、日吉神社の山王祭。目と鼻の先のお隣滋賀県での大きなお祭に、是非参列してみたいと思い、来年のお祭の日をさっそくにも確認するのでした。

百聞は一見にしかず。「何でも、いっぱい見て来なさい。そうすると色々がもっと楽しくなるよ」との福森雅武先生の御言葉がいつも私の胸にあります。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

志賀直哉旧居 -奈良市高畑町-




111018-1.jpg

奈良市内、飛火野を抜け、春日大社の神官が通った禰宜の道をとおり、志賀直哉旧居へと行ってきました。
何度か訪れていますが、行く度に新しい発見のある家なのです。建築にさほど詳しくなくとも、その細かいしかけ、気配りに驚く事間違い無しです。

遠くの方はご旅行の際に是非、お近くの方は、何度か通ってみてください。その時の自分が、この家のどんな所に新たに気がつくのか、鏡のようなものだと思います。志賀直哉のメッセージが込められた家です。

これから紅葉の季節を迎え、春日山の木々や高畑町のナンキンハゼの街路樹がそれは美しい彩りを見せてくれるのも必見なのです。

志賀直哉旧居 -奈良市高畑町-の続きを読む

by admin  at 13:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

肥後松井家の名品「武家と能」 -承天閣美術館-




111013-1.jpg

相国寺本山内、承天閣美術館にて開催中の、-肥後松井家の名品「武家と能」-を拝見しにお邪魔しました。
私の個人的趣味によるものかもしれませんが、「こんなに面白い展観はそうは無い!」と思うほどに、溜め息がもれるような逸品の数々でした。
能面・装束はもちろんのこと圧巻ですが、それ以外の松井文庫収蔵品も現在では既に再現できないような職人の仕事が随処に。
大名家に並ぶほどの名門、現在まで続いている家の底力を思い知りました。

京都国立博物館では、松井家の主、細川家の展観も開催されていますね。この秋、どちらも必見!の展観です。
また、細川家、松井家共に、禅宗と深い関わりのあった武家です。そのあたりが垣間見られるのも私を喜ばせるのに充分過ぎたのでした。
裏千家の茶道資料館では、松井家の茶道具が拝見できます。また時間をみつけて訪れたいと思っています。

111013-2.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

人間国宝 北村武資「織」を極める -京都国立近代美術館-




111004.jpg

京都国立近代美術館にて10/30まで開催中の、-「織」を極める 人間国宝 北村武資-展へとでかけてきました。

初めて彼の作品を目にしたのは何年前の事でしょうか。とてもシンプルで、主張しているという風でもないのに、圧倒的な美しさで目が釘付けになったのを覚えています。それが人間国宝の技によるものと知り、納得する事しきりでした。

そんな北村武資先生の多くの作品を一度に、間近に拝見できる展観。羅の、軽やかで、繊細で、それでも強い輝きを放つ美しさは、天女を思わせ、しばし浮き世を忘れました。
ごまかしのない人生による、丹念で繊細で真摯な仕事。そこにこそ本当に人を感動させ、癒しまでをも与えるような力強さがあるように思えました。必見です。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

高麗美術館




110929.jpg

京都市北区にあります高麗美術館では、「刺繍ポジャギとチョガッポ展」が開催中です。
昔から韓国のパッチワーク、ポジャギの布などが大好き。今回も窓からさしこむ光をやわらかに、美しく届けてくれる布たちを堪能し、昔の韓国の女性達が、一針一針にどのような思いを込めたのか、心を沿わせながら拝見しました。
現代作家の先生方の作品も2階に並び、古きもの、それを受け継いで作られた現代のもの、共に楽しめました。私も生活の中に取り入れたいと思います。
11月6日まで。是非おでかけ下さい。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

伊賀 土樂窯訪問




110923-1.jpg

以前こちらでもご紹介しましたが、先日、友人たちと土樂窯を訪ね、福森雅武先生とお話させていただき、道歩さんに仕事場などを案内してもらいました。

いろりの間にお邪魔すると、私の目を釘付けにするものばかりなのですが、特に先生がいつも生けられる花には、心うち震えます。

「100年は経っているんじゃない?」と仰る、素晴らしい風合いの山ぶどうのつるの籠に、曼珠沙華や猫じゃらし、その他名前は知らずともよく見るススキのような草、そして何やら蔓が生けられています……。「これ、なんだっただろう…」と思ってしばし見入っていると、「さつまいもの蔓だよ」と。

私の頭の中に、母方の里、出雲にて幼い頃にさつまいも掘りをした記憶がぶわっと蘇り、感動が……。
皆さん、芋の蔓を生けようと思われますか?「だって芋の蔓だもん。野菜だよ」と思いませんか?他にも、そのあたりに生えている草花を見る時に、「それって雑草でしょ」と、花屋さんに並ぶ草花と境目を作って見てはいませんか?
私は大いに作っていると思います。もう嫌だというくらいに、境界線、自分のものさしだらけです。その境目やものさしを無くしたいと、茶道や禅やヨガなど、色々かじってはいるのですが、これがなかなか手強いものです。

「ふと、美しいな、綺麗だな、と思えば生ければいい。ただそれだけです」。

土樂さんへ伺うと、いつでも、生命の輝きと、迎えて下さる福森家の人々の温かさに触れられ、さまざまな事を学ばせてもらえます。いつもいつも頭で考え、結局よくわからなくなりがんじがらめにあっている自分が、解き放たれる心持ちがします。

大学で、教育哲学・生涯教育などを専攻していた事もあり、ふと、先生に「今の小学校や子どもたちの教育に関して、アドバイスはありますか?」とお尋ねしましたら、「農業をやるのが一番良いんじゃない?サイクルというもの、生命の循環というものを知る事になるからね」と。

教育に関しての本を読んだり勉強したりもしますが、どんなに多くの言葉で語られたものよりも、先生の一言に全ての答えがあるような気がしました。

伊賀 土樂窯訪問の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

神仏います近江(滋賀県立近代美術館)




2011_09_19_01.jpg

先般、ご案内したとおり、展覧会「神仏います近江」が、滋賀県の3つの美術館で合同開催されていますが(大津市歴史博物館は10/8~)、その中の一つ、滋賀県立近代美術館に行ってきました。

ここでの展観は「祈りの国、近江の仏像-古代から中世へ-」ということで、仏像ばかりが展示されています。
開催2日目ということなので、混んでいるかもと思ったのですが、午後3時ごろという時間も関係してか、比較的すいていて、滋賀に残る古い仏像にゆっくりと対面することができました。
主に平安時代~室町時代に作られた木像が多かったのですが、そもそも平安時代には鋳造された神仏像はほとんどないとのことです。
なかでも私は、湖南市の善水寺(天台宗)蔵の「木像帝釈天立像」(重要文化財)が目にとまりました。ぷっくりとしたふくよかな輪郭で平安時代の一木彫像です。

やはり出品の多くは天台宗寺院のものでしたが、2点だけ臨済宗妙心寺派の正福寺(湖南市)のから出陳されていました。本尊十一面観音立像と金剛力士像ですが、いずれも平安時代の作。つまり禅宗が中国より伝わる前のものです。このようなことから、十一世紀ごろ、現在正福寺のあるこの地に本格的な伽藍を備えた大寺院が存在していたことを裏付けているようで、これからの研究が待たれるようです。

今回のような企画展は、まず二度とお目にかかれないであろうと思い、大部な図録『神仏います近江』(\2400)を購入してきました。じっくり見せてもらうとしましょう。



2011_09_19_02.jpg

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

江里佐代子の伝言 -中信美術館-




110914-1.jpg

京都市上京区にあります中信美術館にて、截金(きりかね)の人間国宝・亡き江里佐代子先生の作品展が開催中です。


【人間国宝 江里佐代子の伝言 -康慧とともに創った荘厳の世界-】
-10月16日まで-


以前、研究所のバス旅行にて、江里康慧先生の工房をお訪ねした際に、同じ工房内で截金の職人さん達の作業風景も拝見させていただきました。
そのお仕事たるや、見ている我々さえも息ができなくなるほどに繊細で、尊いものであった事を今も鮮やかに思い出す事ができます。

元は仏像に荘厳を施す截金の技法を、オブジェや茶道具など、さまざまな工芸品に施し、一つの独立した芸術作品として世に広く紹介され、常に新しい試みをされていた佐代子先生の来し方を垣間見る事のできる展観。
先生の自筆の御言葉が随処に飾られていますが、截金とは、仏に出逢った時の歓喜を表現したもの……というような御言葉が、私の心には一番響きました。


しかも無料!です。
是非この期間に京都にいらっしゃる事がありましたら、お運び下さい。

110914-2.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

大本山大徳寺(京都紫野) 曝涼のご案内




20110913.jpg

このところ、展覧会の情報ばかりで申し訳ないですが……。

毎年恒例の、大本山大徳寺(京都紫野)の曝涼のお知らせです。
大徳寺所蔵の宝物の数々が、虫干しを兼ねて展観されますので、この機会に大徳寺をお訪ねになっては如何でしょうか。

 平成23年10月9日(日)
 午前9時~午後3時半
 但し、雨天中止。

※この曝涼は、毎年10月の第二日曜に開催されています。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

遂翁展のご案内




suiouten_pnf.jpg

この秋、禅文化研究所では、花園大学歴史博物館との共催にて、2011年秋季企画展「遂翁元盧 禅画と墨蹟」を開催いたします。
本展覧会では、丈山文庫・永明寺(いずれも静岡県)の所蔵する、白隠慧鶴の高弟・遂翁元盧(1717~89)の禅画、墨蹟を展観します。遂翁の作品のみで構成された展覧会は本展が初となります。
詳しくは、パンフレット(PDF)を御覧ください。
なお、会期中2度の展示替えがあります。ほとんどの展示品が入れ替わりますので、繰り返しのご来場をお待ちしています。

◇遂翁元盧 -禅画と墨蹟-   丈山文庫・永明寺所蔵作品◇
  会場:花園大学歴史博物館
  入館料:無料
  会期:平成23年10月3日~12月20日
  開館時間:10:00~16:00(土曜日は14:00まで)
  休館日:日曜/全学休講日
  お問い合わせ:花園大学歴史博物館・花園大学企画広報室
         電話:075-811-5181(代)


また、会期中の11月10日(木)13:00~16:10、花園大学教堂にて、記念講演会(禅文化研究所主催)を開催します。こちらも入場無料で申込不要ですが、先着150名に限ります。
予定しております講演は下記の通りです。

 ■「白隠と遂翁」 芳澤勝弘 教授(花園大学国際禅学研究所教授)
 ■「白隠の禅」  玄々庵老大師(瑞泉僧堂師家)

併せてご来場をお待ちしております。
記念講演会についてのお問い合わせは禅文化研究所(電話:075-811-5189)まで。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

神仏います近江




201109_shinbutsu.jpg

牛歩で大雨により、近畿各地に大きな被害をもたらした台風12号もやっと通りすぎ、急に秋晴れの気持ちのいい青空が広がりました。
しかしながら、今年は水害の年かと思うほど、また多くの方が犠牲になられました。この青空ほど心は晴れません。ご冥福をお祈りします。

さて、駅のポスターを見て、これは是非観に行かねばと思っている展覧会があります。
それが、滋賀県の3つの美術館・博物館が連携して行なう特別展「神仏います近江」です。

近江の地は古い地で、私の自坊の近くでも大規模な縄文時代の祭場が発掘されたりしていますし、神話も遺っていたり、古き朝鮮との交流を思わせるような地名が遺っていたりします。
日本仏教の総本山ともいえる比叡山のお膝下であるためか、多くの仏教美術がのこり、神道美術の宝庫ともいえるでしょう。

その中から選りすぐられた300点が、ミホミュージアム(信楽)、滋賀県立近代美術館(瀬田)、大津歴史博物館(大津)で開催されます。すでにミホミュージアムの展覧は始まっています。

詳しくはWEBサイトを御覧頂ければ結構ですが、是非、この機会に、古き近江の宗教文化に触れてみてはいかがでしょう。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

魁夷さんと北欧の旅/森と湖の国】・【潮音/海を描く】 -東山魁夷せとうち美術館(香川)-




110825.jpg

度々訪れています大好きな美術館。東山魁夷せとうち美術館を訪れて来ました。

今回は、【魁夷さんと北欧の旅/森と湖の国】・【潮音/海を描く】と題して、北欧4カ国を旅された際に描かれたとても優しく柔らかいタッチの画、日本の海を題材にして描かれた海の風景の数々を楽しみました。

カフェからは穏やかな瀬戸内の海が一望。うだるような暑さだったこの日、しばし暑さを忘れてゆっくりとカフェでお茶をし、海を眺めました。香川にお立ち寄りの際は是非足を運んでいただきたい美術館の紹介でした。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

ハンブルク浮世絵コレクション展 -承天閣美術館-




110818-1.jpg

夏期休暇中はご迷惑をおかけいたしました。
本日より順次、ご注文いただきました書籍の発送、ご質問いただいておりました件など
、対応させていただきますので、宜しくお願い致します。

さて、9月11日(日)まで、相国寺内の承天閣美術館にて、-ハンブルク浮世絵コレクション展-が開催中です。浮世絵にはさほど興味の無かった私ですが、さすがのコレクション、精緻なる版画の世界、独特の色、江戸の風俗など、観にゆけばやはり興味深いものなのでした。
また、いつも思うのですが、承天閣美術館の庭にある石が素晴らしいのです。
そういえば見覚えあるなぁ……と思っていたのですが、大徳寺聚光院にあります、千利休さんのお墓の墓石と同じでした(下左写真)。
庭の石、灯篭などもお見逃しなく!

110818-2.jpg 110818-3.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

天竺へ~三蔵法師3万キロの旅 -奈良国立博物館-




110809-1.jpg

この御方がいらっしゃらなければ、東アジアの仏教史はまた違ったものになっていたのでしょう。玄奘三蔵の天竺への旅に思いを馳せる、絶好の機会。
奈良国立博物館にて開催中の特別展、「天竺へ~三蔵法師3万キロの旅」にお邪魔してきました。

3万キロに及ぶ求法の旅が描かれた、全12巻・全長総計190メートルを超える絵巻物、国宝「玄奘三蔵絵」(藤田美術館蔵)。その精緻なること、美しきこと、写真やHPの画面で見て満足していてはいけません!実物を見てこそです。

幾多の困難を経て経典をもたらした玄奘三蔵に自然とありがたいという思いが湧き起こるのと同時に、多くの無名の侍者達にも頭下がる思いを抱きました。
会場入口すぐに、玄奘三蔵坐像がおはします。そのお姿拝見するだけでも感きわまる思い。お時間ある方、お近くの方は是非足を運んでみてください。

110809-2.jpg


******************************************************************************
弊所は、8月10日~17日の間、夏季休業とさせていただきます。
この間にご注文いただきました本の発送は18日以降となります。
メールやお電話などでのお問い合わせ等も、18日以降のご返答となります。
ご迷惑をおかけ致しますが、ご了承くださいませ。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

かんさい いす なう -大山崎山荘美術館-




110713.jpg

アサヒビール大山崎山荘美術館にて開催中の、-かんさいいすなう-にお邪魔しました。

実家では大ファンの木工作家さんの椅子を使っており、座り心地の良い椅子というものにはそれなりに私自身もこだわりがあります。それゆえ、今回の展示も楽しみにしていました。
違う作家さんの、これだけ多くの様々な椅子に腰掛けてみられる機会というのは、滅多と無い事と思います。また、夏休み期間にも開催されていますので、お子さんと是非おでかけになって、手のこんだ、心のこもったホンモノに触れられる機会を持たれると良いのでは……と思いました。

110713-1.jpg 110713-2.jpg

かんさい いす なう -大山崎山荘美術館-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

樂歴代とその周縁 -樂美術館-




110630.jpg

京都市上京区にあります、樂美術館を訪れました。
今回の展観は、-樂歴代とその周辺-。その名の通り、樂家歴代の茶碗、そしてさらに樂家と深い関わりのあった方たちの茶碗も拝見する事ができました。“周辺”を知る事は、樂家や茶の湯の歴史などを知る上でもとても深く大きな意味があります。

光悦が好きだ好きだと言い続けてきた私ですが、今回は光悦のお茶碗よりも、尼焼(夫を亡くした妻が焼いたと伝わる物)にいたく惹かれました。その時々によって、自分が惹かれる、興味を持つものとは本当に違ったり変わってゆくものですね。
7/3(日)まで。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (4)  | Trackbacks (0)

岸野忠孝水墨画展 -加島美術-




110629-1.jpg

友人宅にて、およそ10センチ四方ほどの大きさに描かれた、小さいはずなのに大きな富士の絵に衝撃を受けました。「すごい!どなたの絵?」と尋ねたら、岸野忠孝さんとの事。

1938年、山口県生まれ。小林雲道人に師事し、山田無文老師に参禅する事3年。
東京での個展は6月27日から7月3日まで。私も伺いたいくらいだったのですが、都合上叶わず、泣く泣く断念しました。お近くの方は是非ともおでかけになってみて下さい。

“描いた”というよりも、画が“現れた”と言った方がしっくりくるような作品の数々。画からむらむらとたちこめる気が私を虜にしてやみません。

岸野忠孝水墨画展
会期:2011年6月27日~7月3日
会場:加島美術
   〒104-0031
   東京都中央区京橋2-9-9 ASビル1階

110629-2.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

藤田美術館




110615.jpg

大阪市都島区にあります藤田美術館。今まで機会が無く、私の大好きな岸野承さんの彫刻展もあるという事で、初めて訪れてみました。
藤田美術館では、国宝9点、重要文化財51点を含む約5000点を収蔵しており、このコレクションは、明治の実業家、藤田傳三郎とその長男平太郎、次男徳次郎の父子2代によって蒐集されたものだそうです。
個人のコレクションの中から、9点もの国宝認定の美術品が出るという事に、如何に物を見抜く力があったかが伺えます。

茶の湯を学ぶ者にとってはたまらないような収蔵品に、溜め息ばかりついていましたが、私が一番気に入ったのは、何の指定も受けていない、高野山から移築されてきたという、お庭にある多宝塔でした。なぜか妙に惹かれています。
次回この多宝塔に会えるのは秋の展観。必ずやでかける事にしようと思っています。

追伸:久々に大坂城を見て、その土木工事のすごさに圧倒されました。薪能を観にでかけた帰りに、道に迷って大坂城内から出られなくなった事を思い出し、攻め落とすのも一筋縄ではゆかないわけだ…と思った事を思い出します。 歴史で秀吉さんのことを習っているお子さんをお持ちの親御さんは、是非おでかけになって、お子さんに実物を体感する機会を与えてあげてみてください!

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

浅川伯教・巧兄弟の心と眼 -東洋陶磁美術館-




110614.jpg

大学を卒業して間もない頃、何もわからぬままに(今もわかりませんが)骨董街をウロウロとしていた私は、とある店の前で白く静かに輝く白磁の壺(李朝の壺)に惹かれて立ち止まりました。そして、若さゆえか何の躊躇も無く、一見さんお断りのようなお店の中へと入りました。
「若いのに李朝に関心があるとは嬉しい」と、様々な事を教えてくれた店の店主と、民芸運動の柳宗悦氏の話などになった時、当時の私は李朝の雑器などの美しさを再認識し、世にしらしめたのは彼だと思い込んでいたのですが、一冊の本を渡されました。『白磁の人』江宮隆之著。

まさに、今回の展観の主役。浅川兄弟についての本なのでした。
韓国を愛し、韓国の人々に愛され、その土となった人。
日本人とは、日本人の感覚とは、、という所をしりたい方には是非読んでいただきたい一冊です。そして、東洋陶磁美術館、何度も訪れていますが、今回の展観が一番素晴らしいと思っている私です。
7月24日(日)まで。是非お運び下さい。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

藤田美術館 -岸野承 彫刻展-




110610.jpg

次号の季刊『禅文化』取材の為に訪れた、伊賀の土樂窯。床に飾られていた彫像に心奪われました(次号に写真掲載予定です)。
伺えば、岸野承さん作の“雲水”とのことでした。
彼の個展があるならば是非教えて欲しいと言っていた所、大阪の藤田美術館にて、今月12日まで彫刻展が開催されているとの由。行かないわけにはゆきません。

彼が作るものの形の優しさ、そのものの生命が持つ美しさを表現した姿は、木像でもブロンズ像でも、私の心を捉えて離しません!なんであんなに優しい目線で対象物を捉えて、表現する事ができるのだろう……といつも感動し、拝見していると心穏やかになれる気がするのです。

今回写真をお見せできないのが残念なのですが、グーグルやヤフーで彼の名を検索して、ご覧になってみて下さい。そしてお時間ある方は是非12日までに藤田美術館へ!
私もお邪魔するのを楽しみにしています。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

重春 -北村美術館-




110609.jpg

6月12日(日)まで開催中の北村美術館(京都市上京区)の展観、“重春”。
昨年旅立たれた表千家の重鎮・久田宗也宗匠の御著書『重春 四季の茶心』から“重春”という名を拝借し、そのテーマにちなんだ茶道具の展示となっています。

いつも思うのですが、こちらの美術館では、茶事において必要な道具が茶事の流れのとおりに展示されており、茶事全体を通しての道具の組み合わせ方、季節感の出し方など、“流れ”を感じられるのが特徴で、勉強になります。
久田宗匠のご著書から拝借されたという“重春”の名に、日本の季のうつろいのなんとも美しい事を改めて感謝し、久田宗匠が後見をつとめられる茶席の、お人柄がそのままに滲み出たような、やわらかい温かさまでをも思い出すのでした。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

長沢芦雪 奇は新なり -MIHO MUSEUM-




110607.jpg

6月5日で終了しましたが、ミホミュージアムで開催されていた長沢芦雪展へと足を運びました。
御存知、円山応挙のお弟子さんなわけですが、応挙とは違って、-奇は新なり-との副題がある通り、我々(当時の江戸の人々)をあっと思わせるような息のむ作品が並びます。
ですが、何も彼は奇をてらって作品を描いたのではなく、彼の心の中には、楽しいことが溢れており、それを表現したり、仏教を題材にしたものも多い事から、彼と寺との関わりや信仰心から表現されていたり、とても自然なものと感じ、とても好ましく拝見しました。

富士山に郡鶴の図なども、彼にはあの風景がみえていたのだろうと思うのです。
唐子や犬がころころと丸くて、もう誰がみえても微笑ましくなるような柔らかさ、温かさ、可愛らしさを感じるように描かれていますが、それも彼にはそう見えていたのだろうな……と思うのです。それをただ、表現しただけ。
凡人には“奇”に見えたりするわけですが、なんとなくこの奇という文字に違和感を抱いた私でした。我々凡人が見えないものが、彼には見えていた気がします。素晴らしい!の一言につきる展観でした。
芦雪の作品を一挙にこれほどたくさん楽しめる展観、素晴らしい美術館が比較的住まいから近い所にある事を改めて嬉しく思う休日でした。
関西にご旅行に来られる方には、少々山の中で時間はかかりますが、是非とも立ち寄っていただきたいと思う美術館です。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

茶の美の源流 唐物 -野村美術館-




110527.jpg

いつもポスターと拝観券をお送り下さる野村美術館様。他の職員の手に渡る事はほぼ(いえ、全く)無く、私がいつもお邪魔させていただいております。とても有り難い事です。

今回の展観は“唐物”。
茶の湯になじみの無い方には???かもしれませんが、読んで字のごとく、唐(中国、またはその一体)渡りのお道具類です。
お家元からのお許しを得て(お免状をいただいて)初めて師匠から伝授される点前がありますが、その中にも、この、唐物を特別に扱う“唐物のお免状”があります。これ以上は無いというほどに、お道具に対して丁寧な扱い(点前)をします。
この事からも、どれだけ珍重されたお道具か、おわかりでしょうか。

では、大名家などの家宝として伝わったり、昭和の経済界をリードしたような富豪茶人が所持したこのような唐物。我々庶民が所持し、扱う事などあるのだろうか?などという疑問を抱かぬでもありませんが、伝統の継承とはそういう事でもないな…などと思っています。
また、伝統の継承とは、とても丁寧に、心を込めて、これ以上は無いというほどに物を扱うという、その心そのものを学んでいるのだと理解しています。他事にも応用がきくというものです。

目に見えないもの、これです!と、目前に出して見せる事のできない“心”を継承するのには、型も必要不可欠なのだろう…。これがお茶から学んだ事です。
型が嫌で、覚えられなくてしんどくてお茶のお稽古を断念してしまうのは、非常に残念な事だなと思うのです。そこを超えたところに、とんでもなく広く、自由で、楽しくて仕方の無い世界が待っています。

美術館の御案内が違う方向へ行きましたが、茶の湯を学びつつ、様々な美術館の展観を尋ねる事、この上無い楽しみです。

“唐物”って一体?!と思われた方は、是非野村美術館にてその逸品を尋ねてみてください。地階で開催されていた、茶事にて使われたバカラの特注品もため息の出る素敵さでした。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (1)  | Trackbacks (0)

狩野派の絵画 -花園大学歴史博物館-




2011kano_poster-thumb.jpg

現在、花園大学の歴史博物館では、2011年春季企画展として、「狩野派の絵画 ~枡米菴コレクション京狩野作品を中心に~」が開催されています。
個人蔵(枡米菴コレクション・枩子菴コレクション)や、妙心寺塔頭の大法院・麟祥院に所蔵される、普段はあまり大きく取り上げられてはいない京狩野の絵画を展示されています。
会期はすでに前半を終えて後期に入っています。小規模の展覧ですが、入場は無料ですし、すばらしい作品をじっくりと観ていただくことができます。
是非おはこびください。
ちなみに禅文化研究所も同じ花園大学の敷地内にあります。秋には、この歴史博物館で、禅文化研究所曝涼展も計画中です。

会期:2011年3月31日~6月4日
開館時間:午前10時~午後4時(土曜日は午後2時まで)
休館日:日曜・花園大学全学休講日
入館料:無料
主催:花園大学歴史博物館
お問い合わせ:花園大学歴史博物館・花園大学企画広報室 TEL 075-811-5181
マップ:花園大学へは……

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

親鸞展 -京都市美術館-




110511.jpg

岡崎の京都市美術館にて開催中の、親鸞展にお邪魔しました。
御存知浄土真宗の宗祖、親鸞の750回忌を記念して開催中の展観です。

今回改めて思いましたのは、お釈迦様の修行・悟りに端を発した仏教が、日本ではこれほど多くの宗派に分かれ、それぞれの宗派が独自の特色を持ち発展するというのは、日本人の多様性や柔軟性ゆえなのか……という事でした。
いつも禅宗関連のものばかり拝見している私には、同じ仏教関連の展観でありながらあまりにも知識に乏しく……(念の為、うちの研究者は私とは違い、あらゆる宗派にそれなりに詳しいですのであしからず)。

親鸞が何を言い、何を伝えたかったのか-というところがもう少しわかりやすく、人々の心に訴えかける、伝わるような展観であればと思いました。
研究所が禅宗関連の展観のお手伝いをする際も、そこが大事なのだろうなと改めて思う、休日の午後でした。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

パウル・クレー展―終わらないアトリエ -京都国立近代美術館-




110506.jpg

5月15日まで、京都岡崎の京都国立近代美術館にて開催中のパウル・クレー展へと足を運びました。

彼の作品についてあれやこれやと語ることばを私は持ちませんが、いつもなんとなく「あ、いいな」「観ておきたいな」と思った自分の心を大切に、美術館へは足を運びます。
有名か無名か、海外のものか日本のものか、古いものか新しいものか……、といった事は関係無く、一人きままに、自分のペースで歩みを進める美術館での時間が気に入っています。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

マザー・テレサ生誕100年記念写真展 -思文閣美術館-




110412.jpg

思文閣美術館にて4/10まで無料にて開催されていた、「マザー・テレサ生誕100年記念写真展−マザー・テレサは生きている−」を拝観に訪れました。

折に触れて色々なところで目にするマザーの言葉には、クリスチャンでなくとも万人に響き、届く愛があります。


大切なのは、どれだけたくさんの事をしたかではなく、どれだけ心を込めたかです

この御言葉は、私が以前東京国際ブックフェアに仕事で訪れた際に、お隣のブースにいらっしゃった女子パウロ会の方にいただいた栞に刻まれていました。今も自宅の机の上に飾っていますが、この御言葉がどのようなお話から出てきたのかを知る事ができました。

マザーがいらしたインドの孤児院で砂糖が切れてしまい、それをどこかで耳にした4歳の男の子が、「マザーに渡すのだ」と、自身が3日間お砂糖を取るのを我慢し、ビンに入れて親御さんと一緒に持参したのだとか。その時にマザーはこの4歳の男の子から上の事を教わったのだそうです。

その他にも印象深いマザーの表情、御言葉に多々出逢える展観となっています。
“祈り”とは尊いものだな……と改めて思いました。

次回開催は下記の模様です。お時間ある方は是非ともおでかけになってみてください。

2011年6月17日(金)~24日(金) 京都ノートルダム女子大学ユニソン館
連絡先:カトリック教育センター(075-706-3764)

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

佐川美術館 -樂吉左衛門館の茶室-




110324.jpg

佐川美術館には度々足を運ぶものの、予約が必要な為先延ばしになっていた、樂吉左衛門館の茶室見学。

私の拙い言葉では表現できないような、生きている茶室でした。五感を研ぎ澄まし様々を感じる事でとても不思議な感覚に浸れる茶室。まるで茶室から接化を受けているかのようで……。案内してくださった美術館の方も、「ここへ来ますとスッとしますでしょう。何かが落ちるような……」と。

そこで思い出したのが、先日開催した私的な勉強会で読みました本、『いのちのシャワー』(くだかけ社松田高志著)の一文。

和田重正先生の『山にいて若者と共に――人生科』の中に、「人間というものは外側はそういうふう(自己中心的)にできているから、しょうがないけれど、その外側がだんだん稀薄になっていくのが、人間的成長ということで、人間の成長はそういう所に表れて来る」とありますが、ここで外側とか、それがだんだん稀薄になっていくのが成長であるという言い方は、大変印象的です。

外側を稀薄にしてゆく為に、私達は社会で様々な経験を積んだりするのでしょうが、私の場合は特に外側が強固で厚い為、茶や禅やヨガや…などと、稀薄にする為にせっせと色々なものに手を出しているのでしょう。
更に、この日茶室を訪れたように、芸術や文化に触れる事は、それがそのまま外側を稀薄にしていってくれるような気がして、美術館の方の「何かが落ちるような…」が妙に納得できたのでした。

また、私の友人が、「でも、その稀薄にしてゆく過程も楽しいもんやん」と。確かに茶も禅もヨガも厳しさがありながらも、楽しいです。苦行ではありません。
まだ短い人生ですが、大変辛かった経験も、今となっては糧となっています。

色々を考えると、やはり人生とは、和田重正先生が仰ったように「いのちの世界では、楽しみの中にも、苦しみの中にも、悦びがある」これにつきるのだなと思う今日この頃です。大学生の頃にこの言葉を知りましたが、まだわかったようなわからなかったようなあの頃の自分を思い出しました。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

綴プロジェクト 於:建仁寺




110323.jpg

3月19日より始まりました、建仁寺「綴プロジェクト作品展」-日本の文化財を最新デジタル技術と京都伝統の技で再現-。
詳細はこちらから。

日本の宗教やそれに関わる伝統美、心。それが受け継がれてゆくところを観て感じる事で、元気・勇気・やる気など、色んな良い気をいただける事かと思います。
京都においでになる際は是非お運び下さい。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

黄檗 OBAKU 京都宇治・萬福寺の名宝と禅の新風 -九州国立博物館-




110302.jpg

太宰府にあります九州国立博物館にて、萬福寺開創350年の記念展としまして、『黄檗 OBAKU 京都宇治・萬福寺の名宝と禅の新風』が開催されます(3/15~5/22)。
今回、初めて萬福寺を離れ、公開される彫像2軀もあるとの事。
禅宗の中でも、臨済宗とも曹洞宗ともまた違う雰囲気を味わっていただけたらと思います。期間中、九州の旅をお考えの方、お近くの方は是非お運び下さい。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

運慶 中世密教と鎌倉幕府 -神奈川県立金沢文庫-




110225.jpg

神奈川県立金沢文庫にて、運慶-中世密教と鎌倉幕府-展が開催中です。
ある日、NHK教育テレビをつけると、日曜美術館のアートシーン(展覧会情報)の途中で、とても印象的な仏像がアップで映しだされている所でした。
運慶作の大威徳明王坐像。我々の驕りや貪りなどといったドロドロとしたものを戒めるかのような力強い表情にくぎ付けになりました。

運慶の真作は数えるほどしか残っていないと言われていますが、その真作が一堂に会すとの事。お見逃しなく。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

若冲水墨画の世界 -承天閣美術館-




110221.jpg


来月、平成23年3月19日(土)~5月10日(火)まで、臨済宗本山相国寺内にあります承天閣美術館にて、-若冲水墨画の世界-展が開催されます。
春に京都へのおでかけを予定されている方は、是非お立ち寄り下さい。
鹿苑寺(金閣寺)大書院障壁画も、前面修理完成記念として、五十面が一挙に特別展示されます。お見逃しなく!

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

小泉淳作展 -なんば高島屋-




110215.jpg
日経イベンツガイドより転載

『平城遷都1300年 光明皇后1250年御遠忌 東大寺本坊襖絵完成記念 小泉淳作展』を見に、大阪高島屋を訪れました(既に終了)。

聖武天皇と光明皇后の治世の元、仏教文化が花開いた奈良時代。華厳宗の世界観を現すかのような色鮮やかな襖絵の数々に魅了され、天皇皇后の慈悲深さまでもが伝わってくるような御影と、それを祝福するかのような鳳凰や飛天の襖絵。
宗教と人間の生死・それを超えた所を現しているかのようで、なんともいえない感情の高ぶりを覚えました。

80歳を超えてこの大作に望まれた小泉氏の、「我我と、我があってはあんな事はできない。無になって制作に励んだ」ということばと、物を見るという事についての彼の研ぎ澄まされた感覚に、笑われそうですが、私もあのように生きていたいと思ったものです。
蕪一つを描いた墨絵にしても、蕪が生き生きと生きていました。命あるものの中にある仏性というのでしょうか、光を完璧に捉えて、描いていらっしゃる気がして、それは尊いものでした。

小泉淳作先生といえば、我々の間では臨済宗本山の建長寺・建仁寺の法堂龍図であって、実はお恥ずかしい事に、それ以外に作品を拝見する機会が今までありませんでした。東大寺の御遠忌のおかげでこういった展観が全国で開かれ、私にも目にする機会が巡ってきた事に改めて感謝した一日でした。

鎌倉建長寺・京都建仁寺の法堂龍図はこちらからご覧下さい。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

麻生三郎展 -京都国立近代美術館-




110210.jpg

今月20日まで開催中の、麻生三郎展へとでかけてきました。
ポスターを見て、「これは必ず行かねば」と衝動的に思ったのですが、行ってみると重厚感がありすぎて、重い疑問を投げかけられ、小々苦しいような気もしました。

それでも、今観ておくべき、感じておくべき作品なのだと理解しました(いえ、作品の理解には至っていませんが……)。若い頃に観たものを、またいつか、歳を取ってから観るのも人生の楽しみの一つだと思います。その時その時によって、全く違った印象を受けるものです。

ちなみに、この日の私は、4階のコレクションギャラリーにて、大好きな池田満寿夫氏の版画が多数展示されていた事に心躍らせていたのでした……。

皆様も是非おでかけになってみて下さい。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

ルーシー・リー展 -大阪市立東洋陶磁美術館-




110208.jpg

待ちに待ったルーシー・リー展に行ってきました(東洋陶磁美術館にて2月13日まで)。
私が初めて彼女の作品を目にしたのは、十年以上前の大学生の頃だったかと思いますが、その頃にはまさか彼女の作品単独での大きな展観が各地の美術館を巡回するなんていう事は夢にも思いませんでした。

生活スタイルが見直されて来ている昨今、彼女の生き方や姿勢、シンプルな中にも揺るぎない、そして押しつけがましく無い美しさがそこはかとなく漂う作品が、多くの人の指示を得るのでしょうか。美術館を訪れているのは、若い人の方が多いくらいでした。

彼女の来し方や作品から、我々はメッセージを受け取るわけで、現代のような混沌とした時代に自分らしい“生き方”を見つめさせてくれるようで、訪れた人々にルーシー・リーは種を持ち帰らせてくれるような気がしました。どのようにその種を育て、花を咲かせるかは、受け取ったこちら次第。

若い人々が、就職氷河期などと言われている現代、自身がどういった道を選んで生きてゆくかを考える上で、芸術や職人の仕事、その人生というのは、大きな影響を与えるものと思います。京都では、提携大学とは特別料金を設定していたり、無料になったりする美術館が多くあります。若いうちから様々なものに触れられる良い機会を見逃さずにいて欲しいものだなぁ…と思うのでした。

さてこの展観、次は私が大好きな、三重のパラミタミュージアムへとゆく模様(2/26~4/17)。パラミタミュージアムの常設展、池田満寿夫氏による般若心経シリーズが興奮せずにはいられない素晴らしさ。中村晋也氏による釈迦十代弟子にも会えてしまいます。
少し不便な所にありますが、行く甲斐あります。オススメ致します。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

小泉淳作展 -京都高島屋-




110113.jpg
日経イベンツガイドより転載


【平城遷都1300年光明皇后1250年御遠忌 東大寺本坊襖絵完成記念 小泉淳作展】が、1月24日(月)まで京都高島屋グランドホールにて開催中です。
まだ私も訪れていませんが、貴族文化や仏教文化が華開いた天平文化を彷彿とさせる、東大寺蔵の「聖武天皇御影」や「光明皇后御影」に会えるのを楽しみにしています。
大阪高島屋も巡回します(2/2~14日)。
皆様も是非この機会をお見逃しなく。


さて、小泉淳作氏といえば、我らが臨済宗の大本山とも関係の深い方。
鎌倉建長寺と、京都建仁寺の法堂龍図は小泉氏によるものです。
禅文化研究所に事務局を置いております臨黄合議所による臨済宗・黄檗宗公式HPには、各派本山の龍をご紹介しております。
是非ご覧になってみて下さい。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

成長を見守るよろこび -V-SQUARED CONCERTより-




110112.jpg

人生の一つの生きがい・楽しみに、“成長を見守るよろこび”というものがあると思います。それはもう多種多様で、ある人にはお子さんの成長であったり、またある人には、畑で育てている野菜の成長であったり…。

先日、バロックザール-青山音楽記念館-にて開催された、英国王立音楽大学の大学院にて勉強中の若い2人、谷本綾香さん(メゾソプラノ)と、田代裕貴くん(ヴァイオリン・ヴィオラ)のデュオ、V-SQUAREDによる、財団法人青山財団助成公演 V-SQUARED NEW YEAR'S CONCERT(ピアノ伴奏/小川春香さん)にお邪魔してきました。

静寂の中、ヴァイオリンの美しい音色が響いた瞬間に、本物に直に触れる悦びと感動が全身に溢れ、さらに、個人的意見ですが、どの楽器よりも最も尊いと思う“人の声”には、どうしようもないくらいの感情の高ぶりがあり、とめどなく溢れる涙を止める事ができませんでした。

自身が持つ醜く汚いドロドロとした部分。人間なら誰しも持ち合わせているものかと思いますが(いえ、そうでない方もいらっしゃるでしょうが私は持っています……)、芸術とは、そういったものを浄化する為に存在するのか…と思わざるを得ないのでした。涙しながら、色々なモノが綺麗に流されてゆくようでした。

しかしながら、そうして一旦は流されていっても、日々の生活を続けてゆく中で、どうしても心に塵や埃はたまるもので、それ故に、常に美しいものを求め続けるのでしょうか。人間の生活に、如何に芸術が必要か、如何に大切なものかを改めて知る事のできた一日でした。

成長を見守るよろこび -V-SQUARED CONCERTより-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

名残の紅葉 -大山崎山荘美術館-




101214-1.jpg

12月12日まで開催されていた-民芸誕生-を観に、大山崎山荘美術館へと足を運びました。
もう散ってしまっているかと思っていた紅葉もまだ美しく、名残の秋を楽しめました。

民芸に関しては思う所多々あり…で、今までも足繁く民芸関係の展観にはお邪魔してきましたが、その時々によって自身の心に添う物は変遷してゆくわけで、今の私にはなぜかあまり響く事はなく、「私は何を求めているのだろう?」と思いながら紅葉の道を歩いたのでした。

15日からは、-山荘美学 ~日高理恵子とさわひらき~展-が始まるようです。興味深い展観です。冬の山荘へもまた訪れたいと思いました。

101214-2.jpg
様ざまを ぴょーんと飛び越え 来年も
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

直方の茶陶 春斎の壺 -陶芸の森 陶芸館-




101209.jpg

MIHOミュージアムから車を走らせる事約10分。信楽陶芸の森にあります陶芸館では、「直方の茶陶 春斎の壷」と題して、信楽焼の巨匠、上田直方と髙橋春斎2人の展観が開催中でした。

“信楽焼”について知りたい方に絶好の機会です。

私は、茶道を始めて11年ほどになりますが、面白い事に、その時その時の自分の心情や好みなどによって、どの窯元のものが好きかというのが変遷します。興味が無くなったと思えば、またその窯元が好きになったり……。
「ものを観る目」というのは、面白いものだなぁ…と思います。

101209-2.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

グランダーマ アルテ・デラ・ルーチェ -MIHO MUSEUM-




101208-2.jpg

今回のMIHOミュージアムは、スペシャルでした。

【グランダーマ アルテ・デラ・ルーチェ】(イタリア語で、「偉大なる女性 光の芸術」)と題して、創設者の小山美秀子氏の生誕100年を記念し、彼女が集めた秀逸なコレクションの中から選りすぐりの約90点が展示されていました。
要所要所に綴られる彼女のことばと共に観る珠玉のコレクションは、私達をよりふかく美しいものの世界へと誘うようで……。

美しいものを求めることは、神様を求めることなのよ

日本では古来より森羅万象に神が宿るとされてきましたが、日本人が“美”を見出す時、やはりそこに神を観るのでしょうか。最近よくこういった事を考えていて、神道や日本書紀なども勉強したいと思っている私にとって、いくつか新たな発見がありました。
「内側から光を放つようなもの、見る人の心を清らかにしてくれるようなもの」を小山美秀子氏は求めたとの事ですが、私にとって彼女のコレクションは、どんなに渋い茶道具にも、古代ペルシャのガラスにも、その全てに透明感と、凛とした趣きを感じます。それが、「内側から光を放つ」という事でしょうか。

グランダーマ アルテ・デラ・ルーチェ -MIHO MUSEUM-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

システィーナ歌舞伎「スサノオsusanoo」 -大塚国際美術館(鳴門)-




101117-1.jpg 101117-2.jpg

 

徳島県鳴門市の、大塚国際美術館にて昨年より始まったというシスティーナ歌舞伎を観劇に訪れました。
私自身、能や狂言は好きでよく観にでかけますが、歌舞伎はどうも苦手でして(ファンの方申し訳ないです、好みです)よほどの機会が無い限りでかけないのですが、システィーナ礼拝堂を模したホール、異空間で行われる近松門左衛門「日本振袖始」のスサノオ?!どういった事になるのだろうと楽しみにでかけました。

歌舞伎役者のみならず、徳島での上演という事で、阿波浄瑠璃や、スサノオという題材から、石見神楽のヤマタノオロチまで登場するシスティーナ歌舞伎版のスサノオ!!!
母方の里が出雲の私としましては、幼い頃より、訪れる度に耳にした神話や地名など、馴染み深い題材という事もあり、一度で何度も美味しいような舞台にひきこまれてゆきました。
クライマックスの高揚感は、なるほど能や狂言では味わえないような、また違う感動があり、芸道の素晴らしさに心打たれるひとときとなりました。

ここでまた、毎度引用して恐縮ですが、弊所発行の『歩々清風』堀内宗心宗匠著の一文を思い出しました。

システィーナ歌舞伎「スサノオsusanoo」 -大塚国際美術館(鳴門)-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

「弘雲佛画の心」展 -相国寺承天閣美術館-




101116-1.jpg

中国人画家、弘雲氏による作品を中心とした日中友好仏教書画展が、相国寺承天閣美術館(京都市上京区)で開催されています。
弘雲氏は1964年生まれ。幼少より中国画を学び、日本画と装飾芸術を研究するために、日本にも留学したこともあり、現在、仏教絵画の創作及び仏教文化芸術の国際交流を中心に活動されています。
今回の書画展は、弘雲氏と関係が深い北京霊光寺と京都霊雲院との姉妹寺院締結5周年を記念してのもので、会場では開催に先立ち、日中両国の仏教関係者多数が集まり、盛大にオープニングセレモニーが行なわれました。
弘雲氏の仏画は、伝統的な中国絵画に日本画の手法を取り入れ、さらに仏教の持つ深い宗教性を感じさせるものです。
この書画展は11/23(火)まで開催され、入場は無料です(但し承天閣展示室観覧の場合は別途入館料が必要)。

101116-2.jpg
by admin  at 09:18  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

入江泰吉記念 奈良市写真美術館 -奈良市・高畑-




101110-1.jpg

奈良、高畑界隈の日記が続きますが…。
私が訪れました日は、志賀直哉旧居・新薬師寺・奈良市写真美術館・白豪寺の共通チケットのようなものが発売されていましたので、この-奈良市写真美術館-は、存在すら知らなかったのですが、ついでと言ってはなんですが訪れたのでした。

閑静な住宅街、田畑も残り、すぐ近くに新薬師寺という環境の中、このような素敵な美術館があったとは……。
まず建物が面白いのです。周りの環境を気づかい、建物は1階建て?かと思えば、地下に展示室があるのです。後で調べましたら黒川紀章氏設計との事。

この日の展示は、【平城遷都1300年記念「入江泰吉傑作選―大和路― 後期】でした。
まほろばの里、大和への憧憬の念がさらに増すような写真ばかり。そしてその写真一枚一枚に、入江氏の文章がパネル展示されているのですが、またその文章が良いのです…。奈良の歩き方についてのレクチャーを受けているようでした。

展示室へと階段を降りてゆく正面の壁に、なにやらとてもかわいらしいものが展示されていてひきつけられました…。
私も大好きな画家、杉本健吉さんの陶壁でした。入江氏と杉本氏は親友だったのだとか。


101110-2.jpg

入江泰吉記念 奈良市写真美術館 -奈良市・高畑-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

志賀直哉旧居 -奈良市・高畑-




101108-1.jpg

11月3日、文化の日。毎年恒例の正倉院展を観に奈良へでかけました。
が、遷都1300年のイベントなども盛りだくさんなせいか、いつにも増してものすごい人人人!朝9時頃に着いたのですが、既に150分待ちでした。

待ってでも観る甲斐のある素晴らしい宝物の展観である事は重々承知していますが、今回は執着を捨て、前々から気になっていた高畑辺りを散策する事に。
地図もガイドブックも無いまま向かいましたが、執着していた一つのモノ・コトを手放せば、新たな出逢いや発見があるもので…。

奈良市高畑、とても素敵な所です。何回かにわたってご紹介致します。
今回は志賀直哉旧居です。

101108-2.jpg 101108-3.jpg


秋の澄んだ空気の中、閑静な住宅街の、ハゼもほんのりと色付き始めた並木道を進んでゆくと、看板が出てきます。

志賀直哉旧居 -奈良市・高畑-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

生誕100年特別展 白洲正子 神と仏、自然への祈り -滋賀県立近代美術館-




101105.jpg

今月21日まで、「生誕100年特別展 白洲正子 神と仏、自然への祈り」が、滋賀県立近代美術館で開催中です。生誕100年という事で、各出版社が特集を組んで本を発刊しており、皆さんも御存知かもしれませんが、私の実家では彼女の著作がほぼ全作揃っており、折に触れては目にしてきて、“白洲正子先生”と呼ばせていただいています。

日本人が“美”というものについて考えたとき、どうしても避けて通れないのが信仰だと思います。
様々な“美”を見て感じて学んで、その奥にひそむ“信仰”というものに辿り着いた時、神道と仏教と日本人の美意識との結びつきなどについて、多くの著作や、亡くなられた後も発刊され続けている関連著作からガイド役をしてくれるのが、白洲正子先生です。
最近、殊更に、彼女の残したものは大きいなぁ……と思う私です。彼女のおかげで、様々な美しいものに出逢い、そこから人との和も広がっています。

彼女が足繁く通った近江の地での展観。是非ご覧になってみてください。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

特別展樂吉左衞門還暦記念Ⅰ -樂美術館-




101029.jpg

こちらのブログではもうおなじみ、京都市上京区にあります樂美術館
12月12日まで、【特別展樂吉左衞門還暦記念Ⅰ】が開催されています。

樂家は、当代で15代を数え、代々樂焼を一子相伝にてつくり続ける家ですが、そのような家に生まれ、仕事をするようになってから、還暦を迎えるまでの折々の思い出深い茶碗が、ご本人の解説付きで楽しめ、当代の来し方を走馬灯のように拝見し、それでいながら深く味わえる素晴らしい展観でした。

先祖代々、同じものをつくり続けながらも、やはり同じではいけない。それが精神的にどのような重圧感を抱くものか、私どものような者にはわかるはずもありませんが、人生において、どんな人でも皆それぞれに今世でなすべき事、悩み、苦しみ、課題はあるわけで、それを受け入れ、葛藤しながらも乗り越えて歩んで来たからこそ、樂さんはあんなにも人々を魅了する方なのだと改めて思いました。

父親からは一切何も言われた事も、教わった事も無く、見て盗めの世界。若かりし頃の樂さんは、盛永宗興老師のもとへ、自身が作った茶碗を持ってよくでかけられたのだとか。
「坐禅せんでも、仕事机の前に坐っておればいい」、「禅坊主も茶碗屋も同じやわなぁ」。とは、老師が樂さんにかけられた御言葉。

特別展樂吉左衞門還暦記念Ⅰ -樂美術館-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

-栄西と中世博多展- 福岡市博物館




101025-1.jpg

博多を訪れた際に、福岡市博物館にて開催中の、-栄西と中世博多展-を訪れました。

御存知栄西(ようさい)禅師。関西に住んでいますとやはり京都の建仁寺(栄西禅師が開山)のイメージが強く、教科書で習ったくらいでは、博多との濃い繋がりは書いてあったかどうか…忘れがちです。
実は栄西さんは2度中国へ渡られており、その背景には博多で行われていた国際貿易があります。事実、博多にあります聖福寺(しょうふくじ)建立においては、貿易を生業とし、博多に住んでいた中国人達からの資金援助もあったとの事。
当時の中国-博多-禅-茶。そして栄西禅師の日本においての布教についてなど、様々な資料から詳しく知る事の展示はこれが最初で最後?ではないでしょうか。
禅や歴史に関心ある方のみならず、お茶をなさる方にも是非足を運んでいただきたい展観です。
残念ながら巡回も無いようですので、博多まで見に行く価値あり!です。
10/31まで。お近くの方、お仕事や観光でゆかれる方はお見逃し無く!

禅文化研究所より刊行の『栄西』-千光祖師の生涯-も宜しくお願い致します。

101025-2.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

秋佗ぶ -北村美術館-




101021.jpg

いつもその展観の名に、どんなお道具が並ぶのかと楽しみな北村美術館にて、秋の展観が始まっています。

-秋佗ぶ-
洋の東西をとわず人間の感性には、秋が深まるほどに佗びしさが募るところがあります。そのような思いを取り合わせの展示のなかに含め、秋季展の企画をいたしました。

との事。なんとなくものがなしい秋。春から夏にかけて生き生きと生命力を湛えたものが、だんだんと朽ちてゆく様を見るこの季。
それでも、四季ある国に生まれた私達は、それも循環の一つで、秋に朽ちゆくものたちに、わびしさや儚さのみを見るのではなく、朽ちゆくものたちの“美”を知っています。そこからまた新たに始まる再生をも知っているからでしょうか。
朽ちゆくものも、消えてなくなって終わりではない、そこからまた新たに何かが…という循環の感覚。
祖先から受け継いで来た感覚というものは、時代を経ても変わらぬものなのでしょうか。大切にしたいものです。

今回の展示は、この“秋”の気持ちを存分に味わえるようなものとなっています。
その季節を存分に味わい、季節の移り変わりと共に自分自身をみつめる。そのサイクルを繰り返し、人生を味わい深いものにしてゆく。
いつもいつも、茶の湯の道とはどえらいもんだなぁ…と思わざるを得ないのでした。

12/5まで

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

Japanese Decorative Gigs 2010 – 京 都 南 蛮 事 変 -妙心寺・春光院-




101019.jpg

「南蛮寺の鐘」が残る妙心寺の塔頭、春光院さんにて、10月24日、面白い会が催されます。
唐紙・襖紙の制作で、昨日ご紹介しました-かみ添-さんも参加されています。
私もお邪魔する予定です。
美しいモノ、新しい価値観との出会いに、自身が何を思うのか、今から楽しみにしています。

Japanese Decorative Gigs 2010 – 京 都 南 蛮 事 変

*今回はご案内が遅れ、チケット予約期間を過ぎてしまいました…。昨年もこの催しは行われていたようですので、もしかすると来年も?! 関心を持たれた方は、アンテナを張り巡らせておいて下さい。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

秋期特別展 一樂二萩三唐津 -野村美術館-




100929.jpg

南禅寺近くの野村美術館にて、『秋期特別展 一樂二萩三唐津』が開催中です。
茶の湯の稽古をしていれば必ず一度は聞いたことのある響きで、当たり前になっていますが、そうでない方にはもしかして不思議な響きなのでしょうか。
「いちらく にはぎ さんからつ」です。

抹茶碗として茶人に愛され、親しまれる三つの窯を列挙した言葉なのでしょうが、時と場合により“何がふさわしいか”は違って来ますので、私は、何が一番で…というような事は無いと思っています。それでもやはり、この三つの窯のものとなると一種特別の思いを抱くという事は確かにあります。

正統派の逸品が、「これでもか!」と、お腹いっぱいになるまで楽しめる野村美術館。
世界から集められた“見立て”の逸品が面白い、小林一三のコレクションを展示する逸翁美術館も大好きですが、能も嗜んだ野村得庵(野村證券創業者)の稟とした正統派コレクションも「やはり素晴らしいものだなぁ」と……。

この時代の政界人・財界人のように、現代の要人達も茶や能を嗜んだなら、日本も少し変わるのではないだろうか?!と本気で私は思っています。

12月5日まで。秋の散策と共に是非。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

藤城清治 光と影の世界展 -福井市美術館-




100924-1.jpg

京都での展観を見逃してしまった、藤城清治さん。
福井市美術館にて拝見する事ができました。
この日はご本人のサイン会があるという事で、こじんまりした美術館はものすごい人でにぎわっていました。

会場内を歩いてゆくと、独特の世界観溢れる影絵の世界に、大人も子供も目を輝かせながら引き込まれてゆきます。
ファンタジー!メルヘン♪ 普段はこういった世界と全く縁のない私も心はずませ、胸いっぱいになりながら楽しめました。
86歳現役。ピンクオレンジの上品な麻のジャケットが似合いすぎていて素敵。
藤城さんの心の中が覗いてみたい気持ちになります。
“豊か”でもあり、“光と影”だからこそ…と色々考えさせられる展観でもありました。9月26日(日)までとの事。お近くの方は是非お運び下さい。

藤城清治 光と影の世界展 -福井市美術館-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

愚堂東寔遺墨選はじまる




gudouten_2.jpg

ブログですでにお知らせしたように、花園大学歴史博物館で、昨日9月21日(火)より、愚堂東寔遺墨選が開催されている。
午前10時に開場されると、妙心寺管長河野太通老師にお出ましいただき、オープニングセレモニーとして、岐阜の大仙寺様より会期中ご遷座いただいた愚堂禅師木像の開眼誦経がおこなわれた。
管長猊下は誦経の後、陳列されている禅師の遺墨や頂相などを一点一点興味深くご覧になられた。
350年遠諱は10月1日に大本山妙心寺にて勤修される。




gudouten_3.jpg

今回の展示品の中には、所蔵寺院において、狩野探幽画と伝わる禅師の頂相が二点展示されているが、同博物館の福嶋主任のよると、画風からも探幽のものに間違いなく、探幽の描いた人物画の中でも出色のものであると言われる。

愚堂東寔禅師の『年譜』承応3年(1654)の項に、愚堂禅師が狩野守信(探幽)に道称を与えたという記述があることから、おそらく探幽は愚堂禅師に参じていたのではないかとも思われるし、当時、愚堂禅師が大きく関わられて完成した妙心寺法堂の天井には、探幽が蟠龍図が現存しておることからも、禅師と探幽の関わりは深かったものと考えられる。




gudouten_4.jpg

 展覧会は10月末日まで開催され、途中一度だけ展示替えが行なわれることになっている。
 ご都合の付く方は是非お出でいただきご覧いただきたい。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

「Withered Beauty in Tea Kettles 茶の湯釜にみる朽ちの美」
-大西清右衛門美術館-




100915.jpg

千家十職の御釜師、大西家の大西清右衛門美術館で行われている「Withered Beauty in Tea Kettles 茶の湯釜にみる朽ちの美」展を訪れました。

日本人は殊の外、朽ちたもの、朽ちゆくものの中に無常を感じ取り、胸しめつけられながらも「だからこそ」と、そこに美を見て取る。
茶の湯の釜や風炉なども、鉄で作られているという事は、いずれは朽ち果てる運命であるが、その「侘び」や「やつれ」をまた茶の湯の世界ではなんとも言えない“美しさ”として茶人は愛でて来た。
今回のパンフレットの写真は、鉄風炉。なんともかっこいい…。

また、茶の湯の釜や風炉の中には、わざとこういった風情を醸すために最初から「やつれ」や「破れ」の風合いを出して作られたものがある。茶の湯にふれる機会の無い方にはやや驚く事ではなかろうか?

朝夕少し涼しく、過ごしやすくなって来たが、10月に入れば風炉は客寄りになり、火が客に近づく。なんとなくもの悲しく、人肌恋しい秋。そういった季を深く味わう事のできる茶道具達である。どの季節も愛しいが、11月の茶人の正月(炉開き・茶壷より出されて挽かれた新しい茶)を迎える前のこの季はまた格別である。


会  期 平成22年9月3日(金)~12月23日(木・祝)
開館時間 午前10時~午後4時30分 (入館は午後4時まで)
休 館 日 月曜日(祝日の場合は翌日) ※ただし11月22日(月)は開館
入 館 料 一般700円 大学生400円 高校生以下無料 

*こちらの美術館では、特別鑑賞会や茶会、子供参加の会なども開催中。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

館蔵の名品展 -承天閣美術館-




100826.jpg

墨蹟を学びたい方必見の展観です。
臨済宗大本山・相国寺内にあります承天閣美術館にて、館蔵の名品展が開催中です。
禅の巨匠の墨蹟が多々出展されており、関心のある方には非常に興味深い展示となっていました。
「どの禅僧の字が私は好みかな…。この方が気になるなぁ……」などという所から、その禅師について調べてみたりするのも楽しみの1つです。
是非お運び下さい。>来年3月27日まで

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

オルメカ文明展 -京都文化博物館-




100825.jpg

京都文化博物館にて、-古代メキシコ オルメカ文明展 マヤへの道-が開催中です(9/26まで)。

“オルメカ文明”。皆さん御存知でしたか? 私はこの展観で初めて知りました。
マヤ文明よりもさらに遡る事、紀元前1200年頃にメキシコ湾岸を中心に栄えた文明だそうです。
マヤ暦の元とも言われるような独自の暦などもあり、天文学・宗教・文化のレベルの高さには目を見張るものがあります。
日本初の展示との事です。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

アートキャンパス2010 -細見美術館-




100823.jpg


京都市の細見美術館において、アートキャンパス2010-日本美術の見方 京都(みやこ)編-が9月26日まで開催中です。

美術館をキャンパスに!という試みですので、普段足を運ばない方も是非。
わかりやすい解説などがあり、楽しめるよう工夫されています。

私と友人が虜になったのは、初めて目にした小川華岳の「蝶々踊図屏風」です。
天保年間に行われた豊作を祈願する奇祭らしいのですが、仮装行列が今宮神社を目指すのだとか…。
どじょう、かたつむり、だいこん、忍者、さらに高野山の行者の姿をした者まで、それは様々に工夫をこらしていて、見ていて飽きないのでした。現代に復活したら、どんな行列になるのでしょう…。楽しすぎて妄想が膨らみます。

期間中は館長による講演などもあり、ワークショップや茶会など、様々な催しを試みている美術館。オススメです。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

生存のエシックス -京都国立近代美術館-




100819-1.jpg

京都国立近代美術館において開催中の、-生存のエシックス-を訪れました(8/22まで)。

この展観、正直申しまして自分でも、何のことか…、わかっているのかわかっていないのかそれもわからない…というような展観でしたが、世の中にこういった研究や試みをされている方々がいるのだなぁ…という感心を持ち、美術館を後にしました。
一緒に訪れた友人とは、制作者の意図するところと合致するのかどうかは不明ですが、箱にすっぽり納まってみた自分達について、いまだ色々語り合っています。
なんだか面白い展観ですので、お時間ありましたら是非どうぞ。

100819-2.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

展覧会 愚堂東寔遺墨選




100818.jpg

本ブログでも紹介してきたが、今年は、近世初期を代表する傑僧、愚堂東寔(ぐどうとうしょく)禅師(大円宝鑑国師/だいえんほうかんこくし)の350年遠諱に正当しており、禅文化研究所は、遠諱事務局より依頼を受けて禅師の「語録・年譜」と、ゆかりの寺院を訪ねて撮影した「墨跡集」を制作している(現在印刷中)。
そして、この10月1日には遠諱大法会が大本山妙心寺にて行なわれるが、それにあわせて、花園大学歴史博物館で、愚堂禅師の遺された墨跡や袈裟や硯などの品々を展示される、「愚堂東寔遺墨選」が下記の日程で開催される。
前回は禅師300年遠諱の時に開かれた展覧会。今回、50年ぶりに開かれる愚堂禅師の遺墨展を是非ご覧いただきたい。

◇愚堂東寔遺墨選◇
大圓寶鑑國師350年遠諱記念/花園大学歴史博物館開館10周年記念
  会場:花園大学歴史博物館
  入館料:無料
  会期:平成22年9月21日~10月31日
  開館時間:10:00~16:00(土曜日は14:00まで)
  休館日:日曜/全学休講日

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (3)  | Trackbacks (0)

館蔵の名品展-書画と工芸 -承天閣美術館-




100721.jpg

臨済宗大本山相国寺内、承天閣美術館で7月3日から、「館蔵の名品展-書画と工芸-」が開催中です。

展示されるのは、墨蹟・絵画、工芸を中心としたもので、同展の目玉として美術館の方にうかがったのは、『無門関』を編んだ無門慧開の賛(!)による「政黄牛・郁山主図(双幅)」、「即心即仏」(夢窓疎石筆)、「蘭梅図」(惟肖得巌・江西龍派賛)など。個人的には、どこかで見た(学習参考書だったか)「異国通船朱印状」(西笑承兌筆)の実物や、「黄瀬戸大根文鉦鉢」も捨てがたいところです。
ちなみに、「蘭梅図」で賛をしている惟肖得巌と江西龍派は、当時の五山で文名をはせていた禅僧たちです。現代に続く日本の芸術文化を完成させたと言われる室町時代。そして、その文化的精華である金閣・銀閣に代表される、北山・東山文化。それらの文化の基礎とも言われる、「禅」の美術的側面を味わってみてはいかがでしょうか。

8月10日(火)までは、『京の夏の旅』協賛の特別公開として、本山相国寺の方丈・法堂も公開されています。
※ただし、8月1日・2日は、行事のために方丈襖絵が見られないということですので、ご注意ください(拝観は可)。

是非ともこの機会に、一度足をお運びください。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

良寛遺墨展 -何必館-




100720.jpg

祇園にある私も大好きな美術館、何必館(かひつかん)にて、先日(7/19)まで「没後180年 良寛遺墨展」が開催されていました。
早くにご案内できればよかったのですが、ぎりぎりに参りましたので事後報告となってしまいました。
こじんまりした美術館で、心ゆくまで良寛さんを堪能。5階の茶室ではふーっと深い呼吸を。こちらの美術館へは、一人でゆかれる事をオススメします。

研究所の書籍、良寛和尚逸話選もなかなかに面白いですよ。機会がありましたらご覧になってみてください。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

西田幾多郎記念哲学館




20100504-nishida1.jpg

石川県かほく市にある、西田幾多郎記念哲学館をご存じだろうか。
かくいう私も、たまたまWEBサイトで見つけて訪ねてみた次第である。

まだ新しい建物は、安藤忠夫の手によって設計されたものである。
エントランスに入り、受付の女性の案内のとおり、1階⇒2階⇒3階の順に3つの展示室を閲覧していった。

西田幾多郎記念哲学館の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (4)  | Trackbacks (0)

大遣唐使展 -奈良国立博物館-




100611-1.jpg

奈良国立博物館にて開催中(6/20まで)の、「大遣唐使展」へとでかけました。

幾多の困難が立ちはだかる事を覚悟しつつ、唐の政治・文化・宗教を学び、ひいては日本の国の発展を促す為、大海原へと漕ぎ出して行った、はるかいにしえの賢人達。
彼らによってもたらされた有形無形の諸物を拝見し、彼らや、彼らを送り出した当時の人々の気持ちを充分すぎるくらいに感じ取り、日本という自分が生まれた国を改めて好きになりました。

我が国は、国を形作る制度や思想、宗教、芸術文化などありとあらゆる面で、隣国である中国や韓国から多大なる影響を受けた上で独自の発展をとげ、成り立っているかと思います。
難しい政治の話や外交についてはわかりませんが、もっと自国を知り、もっと相手国を知り、如何に多くの素晴らしいものが我が国にもたらされて来たかを知れば、先の大戦の様々な辛い過去がありながらも、良好な友好関係を築けるのでは?!と思うのは一庶民の単なる理想に過ぎないのでしょうか。柳宗悦さんも、著書の中でそのような事を語っておられたかと思います。

大遣唐使展 -奈良国立博物館-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

冷泉家 王朝の和歌守展 -京都文化博物館-




100601-1.jpg

今週末(6/6)まで開催中の、「冷泉家 王朝の和歌守展」をようやく拝見しにでかけました。
冷泉家といえば、天皇が東京へ移る際に留守居役を任され、京都に残ったお公家さん。藤原俊成、定家、為家を祖に持ち、歴代が宮廷や武家の歌道師範をつとめました。

茶の湯を稽古する者にとっては必須!さらさらとかな文字を書けるようになりたい!…と、年初より書道の稽古を始めた私。かな文字に取り組むにはあと何年かかるのか…といった具合ですが、今回、美しい料紙やそれぞれに個性ある流れるような文字に、一気に王朝文化の雅びな世界へと誘われ、とても良い刺激を受けました。

また、「茶の湯の稽古をするのなら、和歌も必須だよ」と、ある人に言われた事がありますが、確かに師匠も、そのまた師も和歌の勉強をなさっていました。
なんと奥深い日本文化でしょう。どの道も繋がっています。

さて、この展観では、長きに亘り受け継がれて来た冷泉家の宝(教科書でしか記憶のない鎌倉・平安時代の歌人達の直筆が目の前に…)に加え、古式ゆかしい冷泉家の四季の行事なども紹介されています。様々な困難の中、冷泉家の代々当主とその周りの人々が、国の宝といえる文化を守り伝えてきてくださった事に感謝せざるを得ないのでした。
6月6日(日)までです。是非お運び下さい。

冷泉家特別公開の記事はこちら

冷泉家 王朝の和歌守展 -京都文化博物館-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

新緑祭釜 -北村美術館-




kitamura1005.jpg

美術館受付にて会記をいただき、寄付・濃茶席・薄茶席の順序でお道具を拝見する事ができるこちらの展観をいつも楽しみにしている。
また、展観の題名も、どのような茶会が催されるのかを想像するのが楽しく、今回の-新緑祭釜-などは、緑美しく、各神社でお祭が盛んに行われるこの季節に相応しいお軸やお道具が拝見できるのだろうと心踊る気持ちにさせられる。
茶の湯を稽古する者にとって、亭主がどのように客を迎え、季節や主題に応じたもてなしをするのかが勉強できる美術館である。
6月6日(日)まで。

-新緑祭釜- 北村美術館

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

心の詩 : 小畠由佳理スケッチ展 -ペンは友だち えのぐはごちそう-






「心の詩 : 小畠由佳理スケッチ展 -ペンは友だち えのぐはごちそう-」が開かれています。

場所や時間については、下記の通りです。

会期: 2010年5月10日(月)~6月10日(木)
会場: コミュニティ嵯峨野(全国手話研修センター)
時間: 午前10:00~午後5:00

小畠さんは、生まれてまもなく聴覚をなくす、というハンデキャップを持ちながらも、大学在学中に、第5回京都日本画美術新人展に入選し、平成14年10月には、東近江市立八日市図書館で初の個展を開き、以後、滋賀・京都など各地で個展を行い、最近は京都大学の100点のスケッチなど、精力的に創作活動を行っておられます。

小畠さんは、歩く・見る・触れるということを基本にしながらも、例えば、お子さんのためのお弁当など、普段あまり気に留めないようなモノや風景を、絵の題材として感得することのできる人のようですが、これは素晴らしい才能だと思います。

今回の展覧会は、気に入った作品を購入することができる初めての会、とのことです。それも、嬉しいことに、手の届きやすいポストカードなどから販売されるということですので、是非ともこの機会に、一度足をお運びください。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

-江戸の粋・明治の技-柴田是真の漆×絵 -相国寺・承天閣美術館-




poster15-01.jpg

臨済宗大本山相国寺内にあります、承天閣美術館にて、6/6まで「-江戸の粋・明治の技-柴田是真の漆×絵」が開催中です。
漆黒の世界の、ほうっ……とため息をつくような美しさ。静かな光を放ち、見る人を魅了する精緻な蒔絵の世界。
そして、1本の掛け軸から、桜が咲き、水しぶきが飛んで来る……。
このような面白い展観は、見逃したら損です!!!
私も柴田是真という人を知りませんでした。なぜ知らなかったのか…と思うほどに大ファンになりました。
6/4までは本山の方丈・法堂・浴室なども公開中です。
是非この機会におでかけください。

poster15-02.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

没後400年特別展覧会 長谷川等伯 -京都国立博物館-




kyohaku_hasegawa.jpg


京都国立博物館で開催中の、長谷川等伯展へ。

特に好きだというわけでもなく、とにかく「これだけの作品が集まるのだから行っておこう」と、金曜日の夜を狙って訪れてみた(金曜日は夜8時まで開館)。遠方からの人は少ないだろうし、金曜日の夜に何も好き好んで美術館なんて皆行きやしないだろう…と思ったのが甘かった。皆同じ事を考えるのか、なかなかの人出。ただ、土日よりはましなのかもしれない。

最後の部屋に、「松林図屏風」が。墨一色の世界。もう何の迷いもないその筆使い(というのでしょうか?)に、彼の人生そのもの、歩んで来た道が刻み込まれているような気がして、彼の心の深淵部分を垣間見るようであった。あの屏風を描くのに要した時間はいかばかりか。大作のわりに時間をかけずに描かれたのではないだろうか。
時間をかけずとも、彼の人生が詰まった松林図屏風をしばらく眺めていると、濱田庄司(陶芸家)の、「60年が凝縮された15秒の釉薬がけ…」を思い出した。

さて、等伯は将来有望であった長男を26歳(だったか25歳?)で亡くしているらしい。その息子の死が、彼の作風により深みを出したのは皮肉な事だなぁ…。と思いながらも、それでもこれが人間世界なのだな……と。

一人の絵師の作品を時代を通して見られるのは、やはりなかなかに良いものだな……と、思った以上に感動した金曜の夜であった。
臨済宗寺院所蔵の宝物も、数多く出展されている。是非期間中にお運びいただきたい。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

奈良 富本憲吉記念館




100413-1.jpg

大正・昭和を代表する陶芸家、富本憲吉。
かねてより気になっていた富本憲吉記念館を訪れた。
古いお宅の並ぶ静かな住宅街の中にそこはあり、昔とそうは変わらぬであろう邸宅跡に感慨深いものがあった。
家人より、始めて富本憲吉の作品写真を見せられた時、「自然界にある羊歯(しだ)の模様が、彼の手にかかるとこのような美しさを引き出されるのか…。普段何気なく見ているものの中に美を見出すとは、こういう事なのか……」と感激したのを覚えている。
また、金・銀・赤という華やな色を使いながらも、どこか懐かしい落ち着いた風情を醸し出しているのは、彼の原点がこの奈良にあるからなのだろうか……民芸の人との交流からだろうか……と、今回邸宅跡を訪れて思った。

100413-2.jpg

奈良 富本憲吉記念館の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

堀文子 -いつくしむ命-  -香雪美術館-

100406-1.jpg

瀟洒な住宅街の中にあり、美しいお庭には四季の花々が溢れるこじんまりとした大好きな美術館、-香雪美術館-。茶道具の展示などが多い事から、昔から好きでよく訪れていた。
いつも私を豊かな気持ちにさせてくれていたこの美術館にて、大好きな堀文子さんの絵を堪能できるとは、至福の時になるに違いない!とでかけた。

庭の枝垂れ桜はまだ固い蕾のままであったが、八重の枝垂れ桃が満開で、そのもとには人々の笑顔が溢れていた。

堀文子 -いつくしむ命-  -香雪美術館-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

朝鮮の壺 -高麗美術館-




100307_1419~0002.jpg

雨の中、京都市北区にある高麗美術館へと足を運んだ。
韓国の石文化を意識して作られた庭は、石たちもしっとり、また違う風情で一段と美しく……。

現在、-朝鮮の壷-と題して、様々な時代の、様々な人々に、様々な用途で使われた壷壷壷!が展示されている(4月4日まで)。
身分の差による作りや描かれる画の違いなど、興味深いものだが、雑器のような壷にはまたその壷の良さがあり、朝鮮のこういった類のものを見ていると、日本に民芸運動をもたらすきっかけとなったのだ……と感慨もひとしおである。
民芸運動といえば、まず柳宗悦を思う皆さんが多いとは思うが、その前に、浅川伯教・巧兄弟の存在があったことを忘れてはならない。
もう10年も前になるだろうか……李朝の白磁に興味を持ちながらも何も知らなかった大学生の私であるが、ある骨董屋の店主から、日本の植民地統治下の朝鮮に渡り、朝鮮の人々にこよなく愛され、朝鮮の大地に眠る事となった浅川巧(たくみ)さんの生涯を描いた小説、『白磁の人』を読んでご覧なさい……といただいたのが懐かしい。

高麗美術館や、東洋陶磁美術館など、朝鮮の物が多く収蔵されている美術館に行かれる前には、是非とも読んでいただきたい一冊である。
余談だが、高麗美術館までゆかれるのなら、茶室建築の巨匠、中村外二工務店が手がけた茶室のような空間の店舗をもつ、御倉屋の和菓子を買いにゆかれる事もオススメしたい。また、和菓子よりも洋菓子!という方には、その並びにある、ドイツ菓子マイスターの店主が作るズーセス・ヴェゲトゥスのバームクーヘンをオススメしたい。まさに本場ドイツと同じ味!で、店主の人柄も素晴らしく、大変気に入っている店である。

100307_1419~0004.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

北宋汝窯青磁 - 考古発掘成果展 -大阪市・東洋陶磁美術館-




100302.jpg

昔、李朝白磁にはまっていた頃、足繁く通った東洋陶磁美術館。
現在、国際交流特別展「北宋汝窯青磁 - 考古発掘成果展」と題して、河南省文物考古研究所が進めてきた河南省宝豊県清凉寺の北宋汝窯青磁窯址の出土資料約80点が展示されています。

この国の青磁や白磁を見ていると、韓国の人々を見ているような気持ちになります。
文化・芸術遺産は、その国や人そのものを映しだすものなのだなぁ…と。
日本も多大に影響を受けたお隣の国、韓国の文化を存分に楽しめる美術館です。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

THE ハプスブルク -京都国立博物館-




100223-1.jpg

1月6日から京都国立博物館にて開催中の、-THEハプスブルク-。
そろそろ人の波も引いた頃かな?!と、訪れてみました(会期は3/14まで)。
朝早い時間に向かったので良かったものの、帰る頃には外にずらっと列が…。
さすがハプスブルク家の至宝を見られる機会とあって、近畿各地から人が押し寄せているようでした。
“ハプスブルク”と聞けば、高校の世界史の授業でやたらとその名を聞いた記憶がありますが、その系図も館内には用意され、如何にヨーロッパの歴史や芸術において重要な役割を担ったかがわかる展示となっていました。
西洋美術に関して素人な私としては、かの有名なマリア・テレジアの11歳の頃の肖像と、やはり何といっても皇妃エリザベートの息を飲むような美しさにうっとりしました。
絵画のみならず、シャーベット用センターピースなどには、女子は皆ため息をついていました。

なお、京都国立博物館を訪れた際には、庭にある石像などにも注目下さい!
古い石仏や塔、朝鮮のトルハルバンなどがあり、これらは必見です。

100223-2.jpg  100223-3.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

描かれた能 -細見美術館-




100217.jpg

京都岡崎の細見美術館にて、2月14日まで開催されていた、「描かれた能 -絵で楽しむ 文様が語る」。
お能や狂言を鑑賞する機会は度々あっても、あの美しい衣装や扇子などをじっくり間近に拝見する機会は滅多にありません。
しかも国立能楽堂が所蔵する逸品となれば、なおさら行かねば!と滑り込みセーフででかけました。
長い年月が経ち、作られた当初の色が褪せてなお輝き続ける能装束に、感慨もひとしおでした。雪持ち椿の意匠がことのほか美しく、気に入りました。

また、舞台で使う道具類などの展示もあり、中でも、「道成寺」にて使う釣り鐘が展示してあり、興奮しました。
女性の、恐ろしくも悲しいまでのいかんともしがたい情念、また、その魂が昇華されるのを是非一度観てみたいと思っていますが、まだその機会に恵まれません。
先に鐘を観て、新たに想像を膨らますのでした。

2月20日から始まる展観は、雅の意匠-かぐやの婚礼調度と雛道具-。こちらも楽しみです。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

ボルゲーゼ美術館展 -京都国立近代美術館-




borghese.jpg

12月27日まで開催の、ボルゲーゼ美術館展へと足を運びました。
この“ボルゲーゼ”というのが、地名なのか名前なのかお恥ずかしながら何も知らぬままにでかけました。
この“ボルゲーゼ”というのは、枢機卿やローマ教皇をも輩出したイタリア名門貴族だそうです。
今回は、カラヴァッジョやベルニーニのパトロンであった枢機卿シピオーネ・ボルゲーゼ(1576年-1633年)が集めたコレクションのうち、ルネサンスからバロックへの変遷を観る事ができる展観となっていました。
それにしましても、やはり西洋絵画は、キリスト教・聖書がある程度わかっていないとその絵を理解することは難しい事を痛感しました。

ボルゲーゼ美術館展 -京都国立近代美術館-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

青の風景/魁夷が心に描いたもの -東山魁夷せとうち美術館-




091217.jpg

瀬戸大橋を渡ってすぐの、東山魁夷せとうち美術館へ行ってきました。
来年の1月24日まで、「青の風景/魁夷が心に描いたもの」「雅(みやび)/日本の風景」が開催中です。
静か~な青の絵をたくさん観ていると、東山先生の心を覗くような、はたまた自分の心の深淵を覗くような、不思議な感覚を持つのでした。
海は美しく、おうどんは美味しい!もちろん八十八箇所のお参りも。
美術館以外にも魅力一杯の香川なのでした。

091217-1.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

妙心寺 -禅の至宝と九州・琉球- 【予告】




myoshinji_kyusyu.jpg

去る11月23日をもって、名古屋市博物館で開かれていた、「開山無相大師650年遠諱記念 妙心寺―禅の心と美―」特別展が終了した。会期中55000人の来場者があったという。
これで、妙心寺開山無相大師の650年遠諱記念事業として、東京国立博物館(1月20日~3月1日)、京都国立博物館(3月24日~5月10日)、そして名古屋市博物館(10月10日~11月23日)での展覧が終わり、残すところは、九州国立博物館にて開催される、「妙心寺 -禅の至宝と九州・琉球-」(平成22年1月1日~2月28日)だけとなった。

この展覧会は、東京・京都・名古屋の巡回展ではなく、独自に調査蒐集し九州や沖縄の妙心寺派寺院に伝わる名宝を展覧するということなので、楽しみである。
お近くの方は是非、観に行かれてはいかがだろう。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

神谷美恵子が残したもの -思文閣美術館-




kamiyamieko.jpg

「なぜわたしたちではなくあなたが?あなたが代わって下さったのだ」。
当時、差別を受け、身体のみならず、心も患っていたハンセン病患者の希望の光となり、その治療に生涯を捧げた精神科医・神谷美恵子さんが長島愛生園を訪れた際に詠んだ有名な詩の一文です。

現在、思文閣美術館にて、「神谷美恵子が残したもの」が開催中です(12/20まで)。

神谷美恵子さんといえば、我が母校にて教鞭をとられた事もあり、また私のゼミでは彼女の著書が課題図書でした。
学生時代、『人間をみつめて』(朝日選書)の一文、

「生命への畏敬ということをシュヴァイツァは言ったが、私は宇宙への畏敬の念に、このごろ、ひとしおみたされている。科学の武器をもってさえ、その全貌を把握できないこの宇宙の中で、私たちは“意識”ある生命を与えられた。この意識をもって宇宙を支えるものに賛歌をささげたい。それをささげうる心が人間に与えられたことを感謝したい。こういう広大な世界を、小さな心で思い浮べることこそ人間に与えられたおどろくべき特権であると思う。」

が特に大好きで、この本を繰り返し読み、また事あるごとにこの一文があるページをめくっていました。
栄西禅師「大いなる哉 心や」にも通じます。

神谷美恵子が残したもの -思文閣美術館-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

円空・木喰展 -美術館「えき」KYOTO-




enku_mokujiki.jpg

11月7日(土)~29日(日)まで、京都駅伊勢丹7Fにある、美術館「えき」KYOTOにて、「円空・木喰展」が開かれている。

独特の作風で知られる二人の刻られた仏像や神像が沢山展示されていて、とても興味深く観ることができた。
いかめしい顔をした力強いお不動さんや、千体仏と称して、細かな木っ端ひとつをも無駄にせず刻られた仏像。鉛筆の先ほどの小さなものもある。
それぞれの顔はユニークである。
立ち木に掘られたであろう観音様もあるし、円空の自身像もあった。
どこかの民間の場所にあって、その自身像の裏が皿のように彫り込んであるため、子供たちが持ち出してそり遊びをしたために、肝心の自身像の表面がすり減ってしまったというようなものもあった。
いかに民衆の中に溶け込んでいたのかが容易に想像できるのである。

美術館「えき」KYOTOは、京都駅の上であるし小さな美術館なので、気軽に立ち寄ることができるので、京都駅ご利用の際には是非おすすめしたい。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

妙心寺 禅の心と美  -名古屋市博物館-




名古屋市博物館

11月23日まで名古屋市博物館にて、【特別展 開山無相大師650年遠諱記念-妙心寺 禅の心と美-】が開催中です。
東京国立博物館、京都国立博物館と、妙心寺開山無相大師650年遠諱事業の一環として、順次開催されて来ましたが、今回は展示内容もまた異なっているようです。
予想を上回る人出だそうです。妙心寺所蔵品だけではなく、濃尾地区の妙心寺派寺院所蔵の宝物も多数出展されております。なかなか目にすることのできない宝物の数々、是非この機会にお近くの方はおでかけになってみてください。

お正月からは九州国立博物館で「京都 妙心寺 -禅の至宝と九州・琉球-」が開催されます。

栞いろは歌 禅のことをもっと…も各会場内にてお配りしております。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

いけばな -歴史を彩る日本の美- 京都文化博物館




京都文化博物館_いけばな

京都文化博物館にて11月15日まで開催している、「いけばな -歴史を彩る日本の美-」を観にでかけました。
神仏への献花に起源を持つ日本の“華道”の歴史を、様々な資料をもとに、時代の流れに添って展示解説がなされていました。
現在、数え切れぬほどの流派がある日本の“生け花”“華道”ですが、華道のお稽古をする者として、改めてその歴史を勉強する良い機会となりました。

四季ある和の国日本の伝統文化は、知るほどに奥深く、その精神性をも含めると、この一生で足りるだろうか…と思うほど学ぶことが多々あります。私の師匠は御歳80になられて、私から見ると「知らない事などあるのだろうか」と思うほどですが、未だ御自らも師匠につき、学び続けられています。

自国の文化の素晴らしさを知っていれば、どこの国を訪れても、どこの国の方とお話しても恥ずかしくありません。
また、相手の国の文化にも尊敬の念を持ち、興味深く学ぼう、知ろうとする姿勢が自然と出てきます。
皆さんもこの秋に、自国の文化について、さらに見識を高めてみませんか?

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

北村美術館 -秋興の茶-




秋興

春、秋と年に2回楽しみにしているのがこちらの展観です。
今回のテーマは、『秋興の茶』。いつもこちらの展観のテーマは美しい日本語ですので、それもまた楽しみなのです。
秋は空気が澄み空高く、茶花も、美味しい食べ物も豊富で、山の彩りも錦で豊かになり、大好きな季節です。そんな秋の茶事とは如何に?!と思わせる、“秋興”の文字。
懐石に始まり、小間での重厚な濃茶、広間での心軽やかに楽しめる薄茶、そんな茶事に使われる道具組が順を追って観られます。
とりわけ心に残ったのが、千家十職のうちの、樂焼のお茶碗を作る家、樂家の七代目、左入(さにゅう)作の赤樂、“菊の絵茶碗”です。

既に8年ほど前になるでしょうか、美術館にて左入作の赤樂“吉野”を拝見しました。
まるで本当に吉野の桜を拝みに行ったかのような気持ちになれる、何とも言えない淡く美しい色合いのお茶碗で、また何とも優しい感じがにじみ出ていて心が和み、それ以来左入さんファンの私。今回の“菊の絵茶碗”にも和ませていただきました。
やはりこれらの茶碗は作った方をうつしているようで、今回の展観の案内にも、
「温厚篤実な人で風流人でもあったそうです。その作品は技巧にすぐれ、性格どおり温厚でしかも丁寧なものが多く、一般に黒よりも赤茶碗がもて囃されています」
とありました。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

野村美術館 -樂家の歴代展-




野村美術館

恒例の野村美術館、秋季特別展を訪れました。
この度は、千家十職、千利休時代から茶の湯に深く関わってきたおちゃわん屋、樂家の歴代の作品が並べられていました。
代々の作品をみていますと、新しい物を創造する事にチャレンジされた方、長次郎(初代)復古のように、これぞ樂茶碗というような茶碗をひたすら一本道に作り続けた方、特徴があり面白いものです。
地階では、「茶の湯の棚展」も開催されており、「こんな雅やかな豪華な棚が!?」と目を見張るようなもの、様々な茶会に行ったり長年稽古を積んでいても見たことのないような棚、自分が習っているのとは違う流派の棚などが拝見でき、非常に興味深いものでした。
12月13日まで開催中。野村美術館のあたりへは、南禅寺さんからずっと紅葉が美しい道。是非歩いてこのあたりを散策してみて下さい。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

MIHO MUSEUM -若冲ワンダーランド-




若冲ワンダーランド

大好きなMIHOミュージアム、秋の展観を鑑賞に訪れました。
今回は皆様もおそらく御存知、伊藤若冲。ワンダーランドと名付けた所以は、若冲の描く絵が、当時流行した「写生」とは少し異なる不思議な世界であった事からだそうな。
確かに若冲の絵を観ていますと、美しく一枚一枚鶏の羽が描かれているかと思いきや、顔は若干鶏の顔とは違っていたりユーモラスだったり、それでも現実の鶏以上に躍動感に溢れていたりと不思議な感覚を覚えます。
今回の目玉は、近年民家から新たに発見されたという象と鯨の屏風。これはまさにワンダーランドでした。圧倒されるような…、でもくくくっと笑いたくなるような、なんとも不思議な巨大な鯨と象の屏風。黒い鯨に白い象。地球上最も大きな哺乳類と言われる鯨に、これまた大きな神聖な白象。これを屏風におさめた若冲の心や如何に?!
その他未だ観たことなかった作品なども出展されており、非常に興味深い展観となっていました。

信楽の山奥ということで、少しばかり紅葉も始まっていますよ!是非おでかけになってみてください。

【第8回 西村惠信所長と行く“禅と文化”の旅 参加者募集中!】

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

パラミタミュージアム 再訪 -三重県四日市-




アンコール展_パラミタミュージアム

大好きなパラミタミュージアムを再訪しました。
現在、特別展として、-アンコール・ワット展 アジアの大地に咲いた神々の宇宙-が開催中です。
世界三大仏教遺跡の1つとされるアンコール・ワット。私は7~8年前に訪れましたが、その頃よりさらに整備が進んだり、新しい発見があったりで、ますます興味深い遺跡になっています。
今回の展示では、2001年に発掘されたクデイ仏が日本初公開されていました。
日本とはまた違った感じの柔和な表情の仏像達に、心がおおらかになるようでした。
パラミタミュージアムでの展観は、明日9月30日までですが、その後各地を巡回します。
京都では、10月9日~11月3日まで、美術館「えき」KYOTOにて開催予定。
是非おでかけになってみてください。

パラミタミュージアム 再訪 -三重県四日市-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

承天閣美術館(相国寺内) -相国寺 金閣 銀閣名宝展 ~パリからの帰国~-



承天閣美術館

臨済宗大本山相国寺内にある承天閣美術館を訪れました。
「相国寺 金閣 銀閣名宝展 ~パリからの帰国~」と題して、昨年パリのプチ・パレ美術館で開催された展観の帰国展示会でした。
貴重な墨蹟や茶道具など、ぎゅっと凝縮された展示品に圧倒されました。
会期も終わりに近いからか、訪れる人もたくさんでした。
承天閣美術館の気に入っているところは、靴を脱いで絨毯の上をそのまま歩いて展示品を見る為、靴の音やスリッパの音が全くしない所です。これ、美術品などを見る時にはとても嬉しく大事な事です。

さて、もう上の展観は終わってしまいましたので、次回展観をご案内しておきます。
西陣織といえばこの方、山口安次郎さんの能装束の展観です。
-心と技の饗宴-105歳 山口安次郎作 能装束展

この展観にあわせて、相国寺境内にて、お能の会も催されるとの事。その際の装束は、安次郎さんによるものだそうです。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

パラミタミュージアム 三重県四日市 菰野



パラミタミュージアム 壷の道

パラミタミュージアム”。
これを聞いて行かずにいられるでしょうか!おわかりになる方はすぐにおわかりになるでしょう!
般若波羅蜜多心経の、“波羅蜜多”のサンスクリット語、パラミタです。
一体全体どのような美術館なのだろう?!と興味津々ででかけました。

この美術館の名称は、メインコレクションである池田満寿夫氏による「般若心経シリーズ」から名付けられたとの事。私の中では池田満寿夫さんと言えば幼い頃にテレビみかけて、髪の毛が爆発していたという記憶しか……。芸術家でも、一体どのような作品をてがけているのかなどを知らずにでかけ、度肝を抜かれました。
「土と火が創造と破壊を繰り返す<陶>の世界に「輪廻転生」を感じ、仏教芸術が人々の意識のなかから消え忘れ去られることに危機感を覚え、-陶こそが般若心経にふさわしい-と考えた」と仰る池田氏の膨大な作品群。般若心経が生きて我々に語りかけてくるようで、土の風合いには、初期仏教の地、ガンダーラを彷彿させるものがありました。
開館直後に伺った為、まだ人もまばらで、友人と2人なのを良い事に、ああだこうだと話しながら夢中で拝見し、大ファンになってしまいました。

壷の道_内田鋼一作

パラミタミュージアム 三重県四日市 菰野の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

河合寛次郎記念館

河合寛次郎記念館

先日、久しぶりに河合寛次郎記念館を訪れました。
10年ほど前から度々訪れていますが、昔は土日祝日でも人がまばらでした。が、今回は美大の生徒さん達や、ご旅行中と思われる方々など、たくさんの拝観客でにぎわっていました。
昨今流行りの生活スタイルと、民芸の“用の美”の考え方がリンクする事や、静かな落ち着ける空間を求めてやってくる方もまた多いからでしょうか。
京都の伝統的な職人の仕事や、数寄屋建築などとはまた違う魅力のある河合寛次郎の作品とこちらのお宅。自らの生活にも、心豊かに暮らす為に取り入れられそうなヒントがいっぱいです。

090720_1443~0001.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

樂美術館 -樂焼のはじまり、そして今-

樂焼のはじまり、そして今

京都市上京区の、樂美術館では、平成21年6月13日(土)~ 8月30日(日)まで、夏休みのこの時期恒例の、-親子で見る展覧会、シリーズ樂ってなんだろう「楽焼のはじまり、そして今」-が開催中です。

初代から当代までの作品を総て拝見でき、さらに小学生にでもわかるような易しい説明書きがそれぞれの作品にある為、初めて樂焼の世界に触れる大人の方にもオススメします。
また、待合では樂焼の茶碗づくりの工程を映した貴重なVTRの放映がありますので、是非ご覧になってみてください。他の窯元とは違う作り方など、興味深い映像がたくさんです。
8月16日には親子で見る樂茶碗鑑賞会があり、当代樂吉左衞門さんが解説してくださるようです。
私が参加したいくらいです……。

樂美術館
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

蓮の清香-君子の花 浄土の花 -高麗美術館-

高麗美術館

京都市北区の高麗美術館では、夏にふさわしい展観、「蓮の清香-君子の花 浄土の花」が開催中です。
何度も訪れている美術館ですが、やはりここを訪れるとまずはしばし庭を鑑賞。
誰でしたか、「庭の良し悪しは広さではない」と言いましたが、まさにその言葉を思わせる庭。
そして今回の展観は、朝鮮美術における蓮の花の用い方。
日本の文化も多々影響を受けている朝鮮の美術品を見ていると、なぜかふっと心が落ち着きます。
茶の湯の道具にしても、“民芸”を知るにしても、その上で朝鮮の美術を知る事は書かせない道です。
また、こちらの美術館では様々なワークショップも開催されています。今回は私も大好きな作家さん、村田森先生のワークショップもある模様。興味深いです。

是非京都へおこしの際は訪れてみて下さい。ゆったりとした気分で時を過ごせる美術館です。

蓮の清香-君子の花 浄土の花 -高麗美術館-
2009年7月3日(金)~9月27日(日)

蓮
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

文房具 書院を飾る -裏千家茶道資料館-




文房具 裏千家茶道資料館

なかなか見る機会の無い“書”の道具ばかりの展示にお邪魔してみました。
世に名高い端渓の硯の名品、美術品・置物としてもよく骨董屋でみかける李朝の水滴など、比較的、書に通じていない者にもわかりやすいものから、むむ、これは?!という逸品まで幅広く拝見させていただく事ができました。
いつもこちらでは、美味しい季節の和菓子とお抹茶をいただけるのも楽しみに訪れています。
茶道をされていない方も、是非一度お運び下さい。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

PLAIN PEOPLE アーミッシュの生き方 -思文閣美術館-



バギー
思文閣美術館HPより転載 アーミッシュのバギー


「“アーミッシュ”といえば、アメリカで昔ながらの生活を営むコミュニティを作っている人々」という事くらいしか知らなかった私は、この思文閣美術館での展観を知り是非でかけてみたいと、前もってインターネットでアーミッシュについてを調べた。
するとすぐに2006年に起きた悲しい事件を知った。
アーミッシュの子供等が通う小学校で起きた銃乱射事件。何人かが犠牲になったものの、そのコミュニティの人たちは、犯人と家族をすぐに赦し、思いやり溢れる行動を取ったとの事(犯人はアーミッシュではない)。さらにアーミッシュについて知りたくなった。

アーミッシュのルーツは、ヨーロッパで幼児洗礼を否定し、洗礼は成人して後自らの選択で行うべきだと唱えたアナバプテスト(再洗礼派)で、厳しい弾圧と迫害を受けた人々だそうな。そのような歴史的背景もあり、平和主義を貫き、現代文明や世俗からは離れ、信仰に基づいた独自の生活を送っているらしい。
今回の展観では、その生活の柱となる聖書、マーティスミラー(殉教者の鏡)、アウスブント(宗教の歌集)を中心に、彼らが住む家の建築方法から日々の生活道具、衣服など、アーミッシュについてをよりよく知る為に充分な展示となっていた。

PLAIN PEOPLE アーミッシュの生き方 -思文閣美術館-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

茶と美-柳宗悦・茶を想う -大阪日本民芸館-




茶と美 日本民芸館

7月12日(日)まで大阪日本民芸館にて開催中の『茶と美-柳宗悦・茶を想う』を訪れた。
柳宗悦が催した茶会にて使われた数々の道具が展示されている。
昔、家にあった本でたまたまこの茶会の様子を写真で見て、柳宗悦の文章を読み、当時茶道のお稽古をはじめたばかりであった私は度肝を抜かれたものである。「こういった世界があるのかぁ…」と。
あれから早8年は経つが、相変わらずお稽古を続けている自分はどうであろうと顧みる。

それにしても、お隣の国立民族学博物館では、千家十職展が開催中。そしてこちらではこの展観。
単に「茶」で結びつけたのか、深い意図があるのか…。考えてしまうのであった。いずれにしても、どちらもお見逃しの無いようにお願いしたい。

茶と美-柳宗悦・茶を想う -大阪日本民芸館-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

ユーラシアの風 新羅へ -MIHO MUSEUM-

ユーラシアの風 新羅へ


お隣の国韓国といえば、韓流スター、美容、食などで日本でも大人気ですが、その国を7世紀中頃にほぼ統一した“新羅”の素晴らしい文化については、御存知無い方が多いのではないでしょうか。
新羅の都が置かれていた慶州には私も2回ほど訪れていますが、恥ずかしながら、今回ミホミュージアムでの展観を拝見するまで全く知らない物が多々ありました。
ユーラシア西方文化の影響を色濃く受けた新羅の煌びやかな黄金文化、どこか日本の古墳時代を思わせる遺物など、興味深いものばかりが展示されています。
信楽の山奥にありますのでなかなか行きにくい処かもしれませんが、行けば必ず“あぁ、来て良かった”と思える事間違い無し。緑も最高に美しい季節です。
是非おでかけ下さい。

ユーラシアの風 新羅へ -MIHO MUSEUM-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

千家十職×みんぱく -国立民族学博物館-



千家十職×みんぱく

3月12日~6月2日まで開催の特別展、千家十職×みんぱく -茶の湯のものづくりと世界のわざ-を観に、大阪府吹田市にある“国立民族学博物館”を訪れました。

千家十職(せんけじゅっしょく)とは、茶道具全般を作る十の家の事です。その歴史はそれぞれ300~400年ほどで、11~17代目を数えます。

【金物師】 中川淨益家
【表具師】 奥村吉兵衛家
【竹細工・柄杓師】 黒田正玄家
【袋師】 土田友湖家
【土風炉・焼物師】 永樂善五郎家
【茶碗師】 樂吉左衛門家
【釜師】 大西清右衛門家
【一閑張細工師】 飛来一閑家
【塗師】 中村宗哲家
【指物師】 駒澤利斎家

代々に亘って、家元をはじめとする様々な茶人をうならせるほどの物を作り続けて来た職家。
その職家の当代や後嗣が、「民博の所蔵品にインスピレーションを得て、何か新しい物を創造する」という初めての試みなのでした。これはもう、面白くないわけがないのです!
あくまでも「職人である」という事で、なかなか表舞台には出てこられない方もいらっしゃる為、そのお考えを知り、どのように制作に携わっていらっしゃるのかを垣間見る事はなかなか叶わない事なのです。

千家十職×みんぱく -国立民族学博物館-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

きらめく朝鮮の技 -高麗美術館-

きらめく朝鮮の技 -高麗美術館-

日本も大きな影響を受けた韓国文化への親しみ、尊敬の念を、いつも再確認させてくれる美術館。京都市北区にある高麗美術館を訪れました。
現在、“きらめく朝鮮の技”と題して、螺鈿漆器と象嵌青磁を中心とした展覧が開催中です(6/28まで)。

今回一緒に訪れた友人は、前回の私の記事の写真を見て「もっと山の中に在るような美術館かと思ってた!」と。確かに写真を見ると、屏も韓国風、そして韓国の石文化をその小さな空間で見事に表現した庭に、山奥か、韓国の田舎のような所にある空気を感じるのかもしれません。
実は、京都市北区の閑栖な住宅街の中に、いばるわけでもなく、ひっそりと、でも美しい空気を醸し出して存在しています。こちらの美術館の庭は、私の知る限りでは美術館の庭としては一番小さな庭かもしれませんが、物理的な大きさなどは関係無く、心が感じる広さは無限大。とても素晴らしく気持ちの良い庭です。

きらめく朝鮮の技 -高麗美術館-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

おしらせ -日曜美術館「妙心寺」・白隠禅画墨蹟集-

何度かこちらでもおしらせしましたが、5月10日まで、京都国立博物館において、“特別展 妙心寺”が開催されています。関連して、私も大好きな番組、4月12日のNHK教育テレビ『日曜美術館』で下記のとおり放送があります。

4月12日(日) NHK教育テレビ 朝9:00~10:00(再放送は翌週日曜日の夜8:00~)
「妙心寺 不屈の禅が生んだ美」 

番組内では、世に名高い狩野派や、海北友松などがとりあげられるようですが、忘れてはならないのが臨済宗中興の祖といわれる、白隠慧鶴禅師です!
膨大な数の画を残された白隠さんの事も是非こちらの番組でご覧になってみてください。絶対におもしろいですよ!
この、白隠さんの禅画墨蹟集が、現在特別価格(4月30日まで)にて発売中です。さらに、白隠禅師法語全集も割引価格にてご提供中です! 詳しくは下記からどうぞ。

白隠禅画墨蹟 全三冊

禅画をご覧になりたい方はこちらから

by admin  at 09:16  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

特別展 妙心寺 -京都国立博物館-

特別展-妙心寺-

本日3月24日から、京都国立博物館において、特別展-妙心寺-が開催されます。>5月10日まで。
開山無相大師の650年遠忌を記念して行われるもので、国宝「瓢鮎図」をはじめとする、普段はなかなかお目にかかることのできない禅宗寺院の宝物が一挙に公開されます。
お近くの方、また、お花見や観光で京都へおでかけの方は是非この機会にお運び下さい。

妙心寺展に関するその他の記事はこちら

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (1)  | Trackbacks (0)

春季展「春に笑む」 -裏千家茶道資料館-

春に笑む

裏千家茶道資料館において、春季展「春に笑む」と題して、梅・桃・桜にちなんだ展観が開催中です。
ことに日本人が好むこの春の花々を、茶人や職人はどのように表現し、愛でるのか?!
茶道をされていない方にも是非ご覧いただきたい内容でした。
また、茶家と大徳寺との深い関わりを伺い知る事のできる墨蹟などにも心ひかれました。
2階での展示の最後は、大徳寺現管長・高田明浦老師から現在の家元、坐忘斎宗匠に送られたという軸で締めくくられ、心地良い緊張感を持ちました。
1階にていただく季節の菓子と美味しい抹茶、お道具の数々もいつも楽しみです。

3月28日(土)まで。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

さて、大山崎 ~山口晃展~ -大山崎山荘美術館-

さて、大山崎

この人(山口晃氏)の目から、世界はどのように見えているのだろう?!
と心から感嘆し、心から大いに笑い、楽しめる展観でした。
普段は静かなこの小高い山の上にある美術館も、今回は評判を聞きつけた人たちで大入り満員状態。
長年通っている美術館ですが、このように人で賑わっているのは初めて?でした。

茶や戦国の武将に縁深い大山崎の地。現代と歴史が交錯、茶道や華道などの日本の伝統、色々なものごとがシンクロしていて、既成概念なんて枠に捕らわれないはまらない、山口氏が生み出す作品は、次を観るのがワクワクして仕方が無い……。
少年の心を持ったまま…だけれども、膨大な知識量に裏打ちされたかのような作品に夢中になりました。

さて、大山崎 ~山口晃展~ -大山崎山荘美術館-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

花のかんばせ -樂美術館-

花のかんばせ_樂美術館

京都市上京区にある、樂美術館を訪れました。
現在、-樂歴代 花のかんばせ-と題して、花にゆかりのある樂家のお茶碗がお目見えしています。
>3月29日(日)まで。
花の形をしたもの、花の文様が描かれたり彫られたりしているもの、ご銘に花の名がつけられたお茶碗などなど。
いわゆる“京の底冷え”のこの日、館内は既に我々が待ちこがれる春の陽気に満ち溢れていて、自分の心までもが暖かい春の日差しに触れたようでした。

花のかんばせ -樂美術館-の続きを読む

by admin  at 08:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

上野伊三郎+リチ コレクション展 -京都国立近代美術館-

上野伊三郎+リチ コレクション展

町でみかけたポスターの、色鮮やかな独特の表現に惹かれ、京都国立近代美術館へでかけました。
自分の好きな分野の美術館ばかりにでかけていると、偏りが出てきてしまい、なかなか他の世界に出会うきっかけを無くしかけますが、こちらの美術館での展観はいつも新しい世界へのいざないとなる為注目しています。
今回も、京都とは縁深いこの夫婦であるにも関わらず、分野が違う?私のアンテナには今まで全くひっかかってこなかったもので、二人の仕事を拝見するのは初めてでした。
日本人の表現とは違う独特の感性に、ファンタジーの世界に、心弾みながら歩みを進めていました。
日本の七宝の技術と、カラフルなリチさんの下絵が出会い、作られた飾り箱。見る者の心を彼女の世界へとひきこむようで、目がくぎづけでした。

上野伊三郎+リチ コレクション展 -京都国立近代美術館-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

甲斐の国のたからもの -山梨県立博物館-

甲斐の国のたからもの_向嶽寺蔵 仏涅槃図

“甲斐の国”と聞けば、まず皆さんは何を思い浮かべられますか?!
やはり武田信玄公!!! でしょうか。もうそれしかないというほどに歴史上印象強い武将ですね。
そこまで思われたのなら、是非、我らが臨済宗としては、禅に深く帰依し学ばれた信玄公(そもそも信玄とは得度した時からの法諱です)とゆかり深い、本山向嶽寺恵林寺を思い出していただければとても嬉しく思います。
そんな名刹に残る宝物のうち、新たに山梨県指定の文化財に認定されたものが、「甲斐の国のたからもの」という展観名にて、山梨県立博物館にて展示されます。

禅宗関係のものとしては……

東禅寺(曹洞宗) 宝冠釈迦如来坐像
向嶽寺(臨済宗) 仏涅槃図
南松院(臨済宗) 桃隠和尚像(開山頂相)
南松院       渡唐天神像 策彦周良賛

蘭石図 伝雪窓普明筆(重要美術品)
柿本人麻呂図 如水宗淵筆(重要美術品)
陶弘景松聴図 天与清啓賛(重要文化財)

などが展示されるとの由。また、柳沢吉保ゆかりの調度品の数々も展示されていますが、これは元々吉保の菩提寺であった黄檗宗の永慶寺に奉納されたものが、移封の際に恵林寺に移されたものだそうです。
さらに、上写真の、修復を終えた「仏涅槃図」(向嶽寺蔵)展示室内で、2月15日(日曜日)午後1時より、仏教年中行事公開「涅槃会」の法要(向嶽寺派僧侶による)がご覧になれます。さらに、仏涅槃図についての解説や、法要についての解説もあるようです。
またと無い機会かと存じますので、是非この日におでかけになられてみてはいかがでしょうか。

甲斐の国のたからもの -山梨県立博物館-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

妙心寺展 開催中! -東京国立博物館-

妙心寺展

既に、このブログでも紹介した(2008/12/25)が、現在、東京国立博物館で、「妙心寺展」が開かれている。
今年、大本山妙心寺の開山無相大師の650年遠諱の年に因んでの特別展観である。
大本山妙心寺の宝物はもちろんのこと、妙心寺派の各寺院に収蔵、あるいはもともと収蔵されていた宝物なども展示されているのだが、その中に、「老梅図襖 旧天祥院障壁画」も展示されている。

この「老梅図襖」は現在、アメリカのメトロポリタン美術館が所蔵しているもので、今回の展覧会に特別に里帰り展示されているようだ。
このブログをずっと読んでいただいている方は、「おっ」と思われるかもしれない。
実は、この「老梅図襖」のことを、「狩野山雪・老梅図襖絵の複製  妙心寺・天祥院」に書いたことがあるからだ。

妙心寺展 開催中! -東京国立博物館-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

ノリタケデザイン100年の歴史 -京都文化博物館-

oldnoritake.jpg

日本の多くの家庭で昔から愛用されてきた“ノリタケ ボーンチャイナ”。
西洋の高級食器メーカーの物よりも手が届きやすく、普段使いしやすい事からも各家庭においてもとても馴染み深いものだと思います。
この、日本を代表する食器メーカーの100年の歴史をこの展観で楽しむ事ができました(京都文化博物館・3/15まで)。

白く輝くような磁器の製造がまだまだ困難だった頃の苦悩と努力の積み重ねや、戦後の困難な時期を乗り越えて今がある事……。
美しくできあがった製品しか目にしない我々には知り得なかった様々な歴史、様々な作品を目にする事ができ、今あるこの会社の製品は、長い歴史と人々の熱意、思いが込められてこそ存在し、だからこそ、“物にも心は宿る”と、改めて感じる事のできた素晴らしい展観でした。

さて、この展観にあわせて?なのか、京都のあるホテルのロビーラウンジでは、オールドノリタケの復刻版のティーセットでお茶がいただけたり、百貨店の美術画廊では、オールドノリタケの展示即売会が催されていたりと、目に心に楽しいイベントがたくさんです。
私も大の紅茶好きですが、海外の磁器ばかりに夢中にならず、「日本のメーカーに元気になってもらわねば!」との思いもありますし、ホテルで見たオールドノリタケの復刻版も良いなぁ…探してみよう!と思った次第です。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

吉祥 福・禄・寿を中心に -裏千家茶道資料館-

裏千家茶道資料館

松の内の間に…と先日訪れてきました。
新春を寿ぐにふさわしい、おめでたいお道具がずらりと展示されてい、拝見するだけで華やかなお正月気分を味わえます。
特に私が印象に残ったのは、裏千家六代・六閑斎御手造りの福禄寿の香合。樂家の窯で焼かれたものでした。このような香合をお造りになる茶人とはどのようなお家元だったであろう…と想像もふくらみます。
呈茶席もあり、辻村史朗氏、利茶土(リチャード)さんや細川護熙氏といった作家さんのお茶碗でいただけます。周りの方のお茶碗にまで興味津々、楽しませていただきました。

平成21年2月15日(日)まで。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

若州一滴文庫

一滴文庫

作家の故水上勉氏が故郷に設立した若州一滴文庫は、小浜湾から少し山間部に入ったのどかな田園が広がる地にある。1985年に開館し、一時期閉館に追い込まれていたが、現在はNPO法人化され、水上氏の蔵書や水上作品に使用された挿画の原画などが常設されている。
庄屋を思わせる長屋門を入って正面にある本館には、蔵書のうち2万冊が開架されており、車椅子を利用できるスロープを使い各展示室を移動できるようになっている。

若州一滴文庫の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (1)  | Trackbacks (0)

妙心寺展 -東京国立博物館-

妙心寺展

臨済宗では最も多数の末寺を有する大本山妙心寺では、平成21年に御開山無相大師の650年遠諱(おんき・祖師の遺徳をしのび執り行う法要。通常50回忌以降50年ごとに行なう)を迎えられます。
そこで、これを記念し、東京国立博物館を皮切りに全国4か所の美術館・博物館にて『妙心寺展』が開催されます。
こちらのブログでも、各地での開催前には御案内させていただきたいと思います。
まずは東京から……。

【東京国立博物館】 1月20日(火)~3月1日(日)

無相大師(関山慧玄・かんざんえげん)をはじめとする妙心寺を代表する高僧の墨跡や頂相(ちんそう・肖像画)、その他有力な諸大名と関わり深かった禅宗寺院ならではの宝物がご覧になれます。
650年遠諱ならではの大規模な展観で、坐禅会や講演会など、各種イベントも開催されます。
詳しくは下記HPからご覧になってみてください!

妙心寺展_東京国立博物館

各種禅語カレンダー好評発売中!(08'12/26の午前中までにご注文いただきましたら、年内にお届けします)

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

美の発見 魁夷の愛蔵品と中国の風景 -東山魁夷せとうち美術館(香川)-

東山魁夷せとうち美術館

少し前の話になりますが、9/20~11/3まで、香川県立東山魁夷せとうち美術館で開催されていた【美の発見 魁夷の愛蔵品と中国の風景】を観に訪れました。
川端康成との古美術を通しての2人の交流について、また、画伯が蒐集された古今東西の美しい(骨董・美術品)ものたちや茶道具などが展示されていました。
日本を代表する画家ゆえに、その絵は何度も拝見したことがありましたが、今回の展示では、今まで私が知らなかった部分を拝見する事ができました。
「この色は、あの代表的な絵にいつも使われている色じゃないか?!」「このようなものの中にまで美を見いだし、蒐集されたのか…」と、一つ一つ、色々な想像をしながらの鑑賞でした。芸術家の所持品というのは、どなたの物を拝見しても非情に興味深い物です。その、「ものを観る目」というのを、凡人の私たちも少しでも学びたいところです。

さて、香川にはアートスポットがたくさんありますが、是非、瀬戸大橋を渡ってすぐの、この美術館にもお立ち寄りになってみてください。

美術館内のカフェ
館内にあるカフェからはこの景色!
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

館蔵名品展-野村美術館(京都市)-

紅葉美しい野村美術館界隈

南禅寺にほど近い野村美術館にて、【開館25周年記念 館蔵名品展】が開催中(12/14まで)です。
さて、開館記念の名品展ということで、HPの出品リストをご覧いただければ、どれだけすごい物がお目見えしているかは一目瞭然です。
今回、同じくお茶をお稽古する仲間と瞠目しましたのは、野村得庵御自らが筆をとり書かれた、美術品台帳、および茶会記でした。台帳には、御道具の彩色絵から寸法、手に入れた経緯、値段、特徴までもが細やかに記され、さすがのものでした。そして、財界人としても活躍され、多忙であった翁がこのように自らが選び抜き慈しんだ道具に愛着を持ち、帳面にこと細かく書いているのを目にし、自分を省みて恥ずかしくなる思いでした。
「すごい人って何がすごいのか…って、こういうことがすごいのだ…」と思った次第です。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

第6回西村惠信所長といく“禅と文化”の旅2 -平安佛所/泉屋博古館-

いつも美しいこの川のあたり

お昼を終えた一行は、紅葉並木美しい鴨川を横断し、平安佛所へ。
仏師の江里康慧先生を訪れます。

江里先生

制作中の仏像・現代の仏像の作り方について、また仏教の歴史と仏像の関係などについて、興味深いお話を伺う事ができました。 いつもお寺などを参拝しますと、ただただ仏像を拝し、思いに浸り、仏師の事にまで思いをはせる事は少ないかと存じます。
ですが、こちらで制作過程などを拝見し、江里先生のとてもお優しく穏やかなお人柄に触れ、古くから、弱い人間の信仰の対象となるような仏像を作り続けて来た職人の技と心が、今もなお連綿と受け継がれている事を目の当たりにし、ありがたく、感無量でした。

第6回西村惠信所長といく“禅と文化”の旅2 -平安佛所/泉屋博古館-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

japan蒔絵 -宮殿を飾る 東洋の燦めき- -京都国立博物館-

japan

12月7日まで京都国立博物館で開催されている、japan蒔絵 -宮殿を飾る 東洋の燦めき-の展観を訪れました。
今回のポスター、「マリー・アントワネットもお気に入り(ハート)」という如何にもかわいいキャッチフレーズ付きで、見に来るお客さんも若い女性が多く見られました。
さて、かわいいこのフレーズに反して、マリー・アントワネットのコレクションは、どれもこれもおそろしいほどに細かく技巧のこらされた物ばかりで、確かに女性好みのかわいらしい物と見ればそうなのですが、「かわいらしい」で片付けるような物ではなく、圧巻でした。あの時代に遠く離れた異国から、これだけのものをコレクションする力というものを感じました。
アントワネットの母、マリア・テレジアも宝石よりも蒔絵が好きと言ったほどとの事。親子に亘るコレクションの数々は、必見です。

第一章「中世までの蒔絵」
第二章「西洋人が出会った蒔絵―高台寺(こうだいじ)蒔絵―」
第三章「大航海時代が生み出した蒔絵-南蛮漆器」
第四章「絶対王政の宮殿を飾った蒔絵―紅毛漆器―」
第五章「蒔絵の流行と東洋趣味」
第六章「王公コレクションと京の店先」
第七章「そして万国博覧会」

今回、上記のような形で展示されていますが、膨大な展示数ですので、最初からあまりに1つ1つ丹念に見ていますと、最後にははっきり言ってあまりのパワーに疲れます。
私がやはり美しいと感じたのは、マリー・アントワネットのコレクションと、第一章の、中世までの、宗教に結びついた蒔絵の数々でした。
おもしろかったのは、蒔絵の細工に、インド特有のクジャラート地方の文様を螺鈿であらわしたものなどでした。
もう一度、自分の好きなものだけをじっくり見に行きたいと思います。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

高麗美術館 「鄭詔文のまなざし ― 朝鮮文化への想い」 -京都-

高麗美術館

京都市北区にある、高麗美術館を訪れました。
現在、開館20周年記念特別展Ⅲ 「鄭詔文のまなざし ― 朝鮮文化への想い」が開催中(12/23まで)です。
「高麗美術館」と聞いて、皆様はどのような美術品が思い浮かびますか?
私ならやはり、李子朝鮮時代の白磁やパンタジ(家具です)、民画でしょうか。
そして、日本の武将や権力者が韓国から連れ帰った陶工を祖とする日本の窯元の事、朝鮮半島からの渡来人が多く、石の文化が残る滋賀県のとある地方の事、京都の秦一族の事など、美術や文化から、祖先の事についてまで、思いはひろがります。
朝鮮の美術や文化を知る事は、日本の事をも学ぶ事になるのです。
是非一度皆さんも足を運ばれてみてはいかがでしょうか。素晴らしい美術館です!

素敵な瓦と塀

高麗美術館 「鄭詔文のまなざし ― 朝鮮文化への想い」 -京都-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

青のコレクション-ピカソの青 モネの青-  大山崎山荘美術館

大山崎山荘美術館

京都は大山崎にあります、大山崎山荘美術館を訪れました。
現在、「青のコレクション-ピカソの青 モネの青-」と題した企画展を開催中(12/7まで)です。
「青」に焦点をしぼった展観、どのようなものか楽しみにでかけました。
本館はいつものように民芸の作家による染め物、陶器などから、青色が美しく表現されたものが選ばれ、安藤建築の新館に入った途端に、ピカソの「肘をつく女」に出迎えられ、衝撃を受けました。
さらに、今回展示されるとは知らずに先に進むと、ルオーの「聖顔」が。ピカソとモネという名前を前面に出した方がもちろん知っている人も多く、展観の目玉になるのでしょうが、私は是非ルオーの絵を皆さんに観ていただきたいと思いました。

青のコレクション-ピカソの青 モネの青-  大山崎山荘美術館の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

生活と芸術 アーツ&クラフツ展 -京都国立近代美術館-

アーツ&クラフツ展


京都国立近代美術館では、【生活と芸術 アーツ&クラフツ展 ウィリアム・モリスから民藝まで】が開催中(11/9まで)です。
19世紀後半にイギリスで興こったというアーツ&クラフツ運動。
最初はこの運動の先導者であるウィリアム・モリス(産業革命後に大量生産で粗悪な商品が溢れていたイギリスで、中世の手仕事を見直し、生活から芸術を切り離さぬよう活動しました。リネン類や壁紙、その他様々な生活道具をデザインしました)に関する展示が多く、その次にヨーロッパへと拡がったこの運動の紹介が。
最後には、我が国で興った「用の美」の再発見・再認識、-民藝運動-の紹介。
柳宗悦さんの周りにいた、河合寛次郎さん・黒田辰秋さん・濱田庄司さん等の作品が所狭しというほどに並べられた三国荘の再現は圧巻でした。
ただ…その三国荘の部屋の再現ですが、美しい物が展示されているのと、床の間が見えにくい事もあり、ついつい身を乗り出してのぞき見る人もしばしば。するとその度にけたたましいブザー音が館内に…。どう考えても、何も表示もなく、身を乗り出して見ても仕方のない展示方法。せっかくの空間に嫌な空気が漂いました。
いつも工夫された素晴らしい展観を考えて下さる美術館だけに、非常に残念でした。

さて、イギリスで興ったアーツ&クラフツ運動と日本の民芸運動。
イギリスでは結局、フィリップ・モリスの製品はどうしても値段が高くなってしまい、高所得者層にしか受け入れられなかったという面もあるのだとか。
日本の民芸運動に関しても、作家さんが人間国宝になられたり、そうでなくとも庶民の手には届かぬ物も多々あります。ですが、自分で歩いて探してみつける用の美は、手の届かないような物でもないはず。分相応な物で、長く使えて美しいものを求めたいものです。

〈アーツ&クラフツ展 下記を巡回予定〉
東京都美術館 平成21年1月24日(土)~4月5日(日)
愛知県美術館 平成21年6月5日(金)~8月16日(日)

季刊『禅文化』には、7号にて柳宗悦氏の「井戸と楽」が掲載されています。
既に7号は在庫切れ絶版となり、皆さまからのリクエストで、2007年春の204号にて再度、掲載しました。

生活と芸術 アーツ&クラフツ展 -京都国立近代美術館-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

大和し美し -MIHO MUSEUM-

大和し美し

信楽のMIHO MUSEUMでは、良寛生誕250年を記念した特別展、「大和し美し(やまとしうるはし)-二大コレクションと良寛 美と文学のコラボレーション-」が開催中です。
「二大」とは、交友のあった川端康成と安田靫彦で、2人が愛した骨董や書画、また良寛さんの墨跡や手製(伝)の鞠など、厖大なコレクションが展示されていました。
美しい日本に住まう事をもう一度改めて考え直し、国民1人1人がどのような日本にしていきたいのか、今は亡き、日本を愛した賢人が問いかけているようでした。
それにしましても、広い館内にパワーのある美しいものがたくさん展示されすぎていて、私はいささか疲れを覚えるほどでした。まだまだ修行が足りないようです。

さて、最近、コンクリートの人工建造物は見えないような緑豊かな里山に住む事に少し憧れを抱いています。経済発展、より物質的に豊かな暮らしばかりを追い求める時代は終わった感もあります。日本は、古人からの「和」による智慧で、諸外国ともうまくつきあいつつも、日本独自の精神的発展と古来からの信仰(手を合わせる事)を大切にする事、日本の美しい風景、独自の文化を残す事につとめなくては、悲惨な事件は増える一方ではなかろうかと危惧します。
アレックス・カー氏活動がとても気になる今日この頃です。

MIHOミュージアム 信楽

大和し美し -MIHO MUSEUM-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

深秋のころ -北村美術館-

深秋のころ 北村美術館

河原町今出川近くにある北村美術館では、秋の展観(12/7まで)が始まっています。
今回も、懐石のお道具、濃茶席、薄茶席のしつらえを順に楽しめるような展示となってい、茶事に招かれた感にひたりながら逸品を楽しめます。
また、特別に仏教美術も展示されており、なかでも虎関師錬(こかんしれん/臨済宗 1278-1346)の消息が印象深く、茶をたしなむ者が、道具のみならずこういった禅僧の墨跡を実際に目にする事ができるのは非常に意義深い展示だと思いました。

数々の素晴らしい仏教美術に加え、逸品揃いで私のような者にはいささか重みを感じすぎる濃茶席のお道具。その後、薄茶席の展示にあった鳴滝窯で焼かれた「瓢文」のお茶碗に心癒され、さらにはこの人と言えばなぜか私は「秋」を思う北大路魯山人、そして数寄者が作られた茶碗など、最後は楽しい趣向で展観は締めくくられています。
私設美術館の中でも展示数は恐らく少ない方だといえる美術館ですが、本当に美しい良き物というのは、これだけで充分にお腹が一杯になるものです。
また、展観の題名が毎回素敵で、そこも私がこの美術館を気に入っている理由の1つなのです。

平成二十年春季 -吉野懐古-
平成十九年秋季 -暦年の茶-
平成十九年春季 -山笑ふ-
平成十八年秋季 -漸寒-

虎関師錬については、研究所の『本覚国師 虎関師錬禅師』をどうぞ。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

憧れの展観 「スリランカ 輝く島の美に出会う」 -東京国立博物館-

スリランカ 輝く島の美に出会う

9/17~11/30まで、東京国立博物館にて、「スリランカ 輝く島の美に出会う」と題した展観があります。
皆さんの中で、スリランカというとどういったイメージでしょうか。
ヌワラエリアをはじめとする紅茶でしょうか?!
テロなどのマイナスイメージもあるかもしれません。

私にとっては、憧れの仏教世界遺産の地です。海も緑も美しく、是非一度は訪れてみたい国です。
そんなスリランカの、日本で初めてとも言える大規模な展観が開催されるようです。
なぜ東京だけで開催なのだろうか……と残念でなりませんが、周辺にお住まいになられている皆さまにお知らせだけでもと、ご紹介させていただきました。

今年の夏に、ブッダ初転法輪の地、インドのサールナートへ行ってきましたが、そこでスリランカから参拝に来られた団体にお会いしました。
団体と一緒にいらっしゃっていたお坊さまが、「どこから来たの?」と話しかけて下さり、ここサールナートがブッダの初転法輪の地であることや、参拝の時や正式な行事の際には仏教徒は皆白い服を着るのだという事などを教えて下さいました。
インドで色々とトラブルがあり、少し疲れていたのですが、スリランカの仏教徒の方々の優しい表情、穏やかなものごしが非常に印象に残り、心おちつくひとときでした。

サールナートにて

サールナートにて
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

狩野派と近世絵画 -承天閣美術館-

承天閣美術館

相国寺内にあります、承天閣美術館にて、-狩野派と近世絵画-展が開催中です(11月30日まで)。

訪れるたびに、美術館まわりの庭などが美しく手入れされていっており、美術館に美しいものを拝見しに行く際に、本山の境内を歩かせていただけるのはありがたいものだな…と思います。
今回の展示は、狩野派による絵画も必見ですが、様々な抹茶茶碗の展示も楽しめます。
9/15~12/8までは、秋の特別公開も始まるようですので、あわせておでかけになられてみてはいかがでしょうか。