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良いお年を・・・

雪の天龍寺


本年は、禅文化研究所ブログにお付き合い頂き、誠にありがとうございました。
禅文化研究所は、明日、平成18年12月26日~平成19年、1月4日まで、冬季休業を頂戴致します。
何かと御迷惑をおかけする事となりますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、7月から始めさせていただいたこのブログですが、文章を書いて皆さんにご覧いただくというのは、
なかなか職員一同にとっても、良い刺激となりました。
また来年(1月5日より再会予定)も、日々皆さんに、新鮮な京都のお話・禅のお話・豆知識、その他職員
のつれづれ日記などをお届けして参りますので、どうぞお付き合い下さいませ。

それでは、皆様どうか良いお年をお迎え下さい。        禅文化研究所 職員一同

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細見美術館 -江戸琳派展-

細見美術館


12月10日まで、細見美術館において、-江戸琳派 抱一・其一の粋-と題して、恒例の琳派展が開催されていた。
今回は、江戸時代の琳派のものばかりが展示されており、酒井抱一・鈴木其一など有名どころから、その弟子達など、江戸の琳派を充分に楽しめる内容であった。
わかりやすく日本の美を海外などに伝えるのに良いのでは・・・などと思いながら見入っていた。
いや、海外のみならず、最近の若者や、日本文化にたいして興味を抱いていない人などでも、すっと入って行ける日本の美だと思う。

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イチョウの大木

紅葉のコントラスト


私の寺の境内には大きなイチョウの木がある。
イチョウは保水性が高く、防火樹としても知られ、昔から社寺の境内等で広く植えられてきた落葉樹である。
年配の檀家さんの話によると、村に小学校が出来た時に、校庭と寺とに1本づつ植えられたというから樹齢は80年くらいになるのだろうか。
秋になると葉は目映い黄色に変わり、紅葉とのコントラストを楽しませてくれる。
庭に敷き詰めたように広がる落葉の絨毯も綺麗なものである。

葉が全て落ちきった先日、10年ぶりに職人さんに枝を切り落としてもらった。伸び放題となった枝からの落葉は相当な量で、水分を含んだ葉の後始末はかなり大変だったが、これで来年の落葉は少しは減って掃除も楽になることだろう。

蹴ちらして まばゆき銀杏 落葉かな 花蓑

来年から掃除が楽かも?!

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比叡山に登る(1)

卵塔_慈覚大師

この秋、sさんの案内で、比叡山登山を敢行した。(sさんは、最澄に心酔し、最澄を心の糧として毎日を生きているという、とってもおちゃめな女のコである)今回は、比叡山の表参道ともいえる、近江坂本の日吉大社脇の登山口から登り始める。

途中、延暦寺第3代の天台座主である円仁(慈覚大師)の廟所に参拝する。小堂のところで右に折れ、山道を通り抜けた突き当たりの峰の上に、「慈覚大師」と刻まれた卵塔が厳然と立っていた。墓石は一見して新しいものと分かるが、それもそのはず、これは大正十二年に建立されたものであった。

辺りは木々の間を風が蕭々と吹き抜ける静寂の別天地。最澄の廟所である浄土院も、そこから仰ぎ見ることができる。琵琶湖も眺めも美しい。
円仁は遷化の時、山上に廟堂を建てるのは宗祖伝教大師のみにすべきであり、自らの墓も一本の木を植えて印にすれば足りる、と遺言した。
 
ところが、円仁の墓所については、不思議な伝承が付随している。

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造形芸大学生主催-蓬莱図-

感謝の気持ちを綴る人々


都路華香展を観に京都国立近代美術館に訪れると、何やら入り口の所で声をかけられた。
聞くと、京都造形芸術大学の学生によるプロジェクトで、「手形で巨大蓬莱仙境図を作ろう!」とのこと。

手の形を取って、それに感謝の言葉を書いて欲しいとの事。
この、感謝の心の詰まった手がたくさん集まって、蓬莱図になるらしい。

手の型を取るなんて、子どもの時以来。はさみでその型を切るのも・・・。
なんだか楽しくなってしまった。
照れくさいと思いながらも、普段感謝している皆皆さんへのことばを綴った。

ブータンでは、ダルシンと呼ばれる旗や、マニ車などにはすべて真言(お経)が書かれていて、ダルシンが風になびけば、お経を詠んだ事となり、また、マニ車をまわせば、お経を詠んだ事になる。
国中、人々の信仰心、つまりは心で満ち溢れた国であるように思えた。
そういった、人々の気持ち、心というのは、真のパワーを持っている。

今回、皆が感謝の気持ちを込めて書いた手の型が、一つに合わされ、一つの画になる。
そのパワーたるや、如何に・・・。
12月19日(火)より24日(日)まで、京都国立近代美術館のエントランス奥に、掲げられるらしい。
これを観るだけなら無料とのこと。
是非パワーをもらいに皆さんも行かれてみては?

手形

京都国立近代美術館

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京都国立近代美術館-都路華香展-

都路華香展_ポスター


先に述べておくと、私は日本画に詳しくもなければ、知識もなく、チケットをいただので是非行ってみようと思っただけで、この-都路華香(つじかこう・明治3年~昭和6年)-なる画家も知らなかった。

-日本画-とだけ聞くと、何となく重々しい画を想像してしまうが、彼の画は何となく軽やかで、でも水彩画のような軽やかさとも違う、一種独特のものに感じた。
それもそのはず、彼の生まれた年代にあるようだ。
時代の移り変わりの中で、新しい時代に即した画の創造を求めて、作品を送り出し続けたらしい。

と・・・十牛図を見て、研究所から十牛図の本を新たに出すなら、この画がいい!
と、一人想像にふけりながら、館内を何度も往復した。
達磨図など、仏教に関する画材が多く、信仰深い人であったのだろう。
なぁんとなく、穏やかな気持ちになれる画であった。

【都路華香展:12/24まで】
京都国立近代美術館

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慧玄が這裏に生死なし

去る12月12日、神戸市の山寺に住まっていた筆者の兄弟子E師が京都にて急逝した。享年56。
教区の支所長として、大本山妙心寺の開山、無相大師の開山毎歳忌に参列し、そのあと、修行時代の仲間との久しぶりの宴席で酒を酌み交わした後のこと。あまりにも早すぎ、あまりにも突然だった。
だれもが思いもかけていなかった。

E師は兄弟子でもあるが従兄でもあり、大阪の在家に生まれたEさんは、大学生になる頃、発心して私の父の弟子となって花園大学に入学し、私の自坊で小僧としての生活をした。
私は当時小学生で、実兄弟の中で長男であったから、まるで兄ができたようではしゃいでいた記憶がある。Eさんは4人兄弟の末っ子であったから逆に私を弟のように可愛がってくれた。
当時流行っていた北山修作詞のフォークソングが好きで、ギターを弾いて私に教えてくれた。
私のような年齢にして当時の歌を歌えるのはEさんの影響である。
また、私が富士山の裾野の三島・龍沢寺に掛搭したのも、評席までつとめられたEさんの修行した道場であるがためでもある。

E師は妙心寺まで自家用車で出てこられていたために、持ち主を失った車をもう一人の兄弟子とともに、神戸のお寺まで搬送した。車のステレオには前述のような懐かしい曲がまとめられたオムニバスCDがセットされていた。
「♪命かけてと 誓った日からすてきな想い出 残してきたのに……」と北山修作詞の「あの素晴らしい愛をもう一度」など懐かしい曲が流れてきて、運転しながら思わず涙が頬をつたった。

妙心寺開山・関山慧玄禅師(無相大師)は語録を残されなかったが、2つの有名な言葉が伝わっている。
その一つが「慧玄(えげん)が這裏(しゃり)に生死(しょうじ)なし」である。人は生まれたら必ず死を迎える。しかし、そんな生と死というようなものを超越したところに境涯があるというお言葉だ。

平成21年には、この無相大師の650年遠諱を迎える妙心寺で、E師は、その開山様と同じ日に開山様の近くで身罷ってしまった。まるで、開山様の言葉を身をもって示すが如き逝きかただった。

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功名が辻

12月10日の日曜日、大河ドラマ「功名が辻」が最終回を迎えた。
ご覧になっていた方々も多いだろうが、いかがだっただろうか?

私は毎回毎回、面白く、感動を覚えつつ見させてもらった。
実はこれまで、あまり大河ドラマに興味がなかったのだが、今回の「功名が辻」は興味を持って見てしまった。
まず、原作者が司馬遼太郎であること。それから、筆者は滋賀県に住まうことから、長浜を中心にする話の展開に興味があったのももちろんであるが、仲間由紀恵演じる千代や、一豊役の上川達也をはじめとして、キャスティングがよかったこともあるだろう。

実は私は「石田三成」が好きなのである。司馬遼太郎も三成が好きだったと、何かで読んだことがある。司馬の『関ケ原』は、明らかに三成側に立って書いてあるくらいである。
ドラマ上では数回前に、関ケ原の戦いにおいて、豊臣軍につくそぶりを見せながら徳川についた武将たちの裏切りにあい、結局負けて落人となってしまった正義の人、豊臣に義を尽くした三成である(ドラマでは中村橋之助が演じていたが、これまた素晴らしかった)。
そういう視点からみると、山内家存続のために豊臣を裏切ったといえる一豊は、三成の敵であるが、そのあたりが「功名が辻」のテーマそのものであるから、なんとも言えない。

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虹と紅葉の嵐山

曹源池から見た虹

久しぶりに京都西山に虹が出ました。
昨夜の雨が、霧雨状になって残ったものです。
11月~12月初旬、この山際では、天気が良くても午後3時ごろには急に時雨て来るのが常で、そのおかげで嵐山の紅葉は瑞々しくて美しいのです。
しかし、近年は温暖化の影響で、雨になればスコールのように降り、日本の気候は温帯から亜熱帯化して来ているのではないでしょうか。
そのような気候のせいか、水不足と高温で縮かんだもみじの葉は、どこか悲しげに見えました。
四季折々の美しさは、我々人間を癒してくれます。
ですから、人間は地球環境を大切にし、自然との共生を真剣に考えなければならぬと思います。

それでは、しばし写真にて、今年の嵐山・天龍寺の紅葉を楽しんで下さい・・・。

屋根まで真っ赤

虹と紅葉の嵐山の続きを読む

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12月8日

イルミネーション


12月8日
今年の仏成道会は金曜日だった。
夜、出張帰りの我が老婆(女房)を花園駅まで迎えに行き、そのまま、西大路五条へクリスマスツリーを見学に行った。
ここは、京都の有名な某電子機器メーカーの会社敷地で、昔から、この時期になると敷地内の街路樹を電飾で飾り、道ゆく人々の目を楽しませてくれている。
この日は、花金ともあって、多くの人々が見学に訪れていた。
暗闇の中に、イルミネーションの電球の一つ一つが温かい光を放出し、すれ違う人々の顔を照らし出していた。
フと、「日々是好日」という一句が脳裏を過{よぎ}った。雲門文偃{ぶんえん}禅師の正旦上堂の公案で有名だが、年末のイルミネーションを見て思いだした。
カップルに家族連れ、ペットの綱を握る人、ご老人の手を引きながら歩く人。皆が笑顔だった。
昨日も今日も明日も、この一日にも、様々な人間の生きざまが詰まっている。
帰り道、車中のラジオでは、65年前の真珠湾攻撃の日を記念して、ハワイで記念式典が行なわれたと報じていた。

寄りそうカップル

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善峯寺の紅葉

山寺だからこその眺め


11月下旬、ここ善峯寺(よしみねでら・京都市西京区)の紅葉はさかりを迎えていました。
善峯寺の歴史は、十一世紀の前半、恵心僧都の高弟、源算上人がお堂を建て、自作の十一面千手観音をまつられたのに始まるとのことで、現在は天台宗の寺院です。
応仁の乱で荒廃したこの寺を復興したのは、徳川五代将軍の母、桂昌院でした。

テレビなどで放映される事も多くなり、紅葉の季節の参拝者は年々増えています。
周りの山々の紅葉、境内の紅葉の美しさは随一で、少し不便な所にありますが、お参りすると心もスッキリし、気分も晴れます。
紅葉のみでなく、新緑の時期もさぞ美しい事でしょう。

色とりどりの照り葉

光線に光り輝く紅葉

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妙心寺山門

妙心寺


我が家は妙心寺のすぐそばにあり、開静(かいじょう)解定(かいちん)を知らせる板を敲く音が、僧堂から聞こえてくるほどである。
自宅で仕事をしているときなどは、この独特の拍子が耳にはいると、朝晩の慌ただしい時間の中でもホッと一息つくことができる。

先日朝の8時半ころ、いつものように、テクテク歩いて禅文化研究所へ向かう途中、丁度、妙心寺山門前あたりで、修学旅行の中学生ぐらいの子供たちが、数人ずつのグループでぞろぞろと向こうから歩いてくるのが目に入った。
「おは・よー・ござい・まーす」、すれちがいざまに、耳元に残る独特のイントネーションに少し気を取られながら、「おはよー」と返した。
目が合うと、小さな声やら大きな声やら、声変わり前の声やら……。道の反対側を歩いていたご老人が、嬉しそうに「どこから来たの?」と聞く声のあとから、笑い声とともに「アマクサー」と響いていた。
花園会館に宿泊していた彼らも、昨晩、境内に響く板の声を聞いたかしら。

※開静・・・起床
※解定・・・就寝

朝の妙心寺

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民族・織物博物館・図書館 -ブータン-

首都ティンプーにある、民族博物館・織物博物館・図書館を訪れた。

民族博物館

内部は撮影禁止ですので、外観を・・・。
ブータンでも、以前より文明化が進み、農村の生活は変わって来ているようです。
ここでは、昔の農家の暮らしを紹介しています。
農業用具などを見ていると、日本の農村、例えば白川郷などで合掌作りの農家を見学した時に見たものととてもよく似ています。
屋根裏のような所で、野菜などを乾燥させるところまでうり二つ。
竹で作った籠が、とても良い味を出していて、茶の湯の道具にいいなと思いましたが、売り物ではありませんので、その後似たような物が売っていないか探しまくりましたが、本当の農村部に行って譲っていただくしかないようです・・・。いまだに諦めきれません・・・。

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光悦寺の紅葉

有名な光悦垣

11月下旬の光悦寺です。
ここ数年、紅葉の時期は観光客でにぎわっています。
数年前までは、ほとんど人がいない穴場だったのですが・・・。
今年は、近くの源光菴が改修工事を終え、この秋から公開している事もあり、より一層にぎわっていたように思います。
紅葉で色づく季節も良いですが、ほとんど観光客のいない暑い夏に、緑を味わうのも良いですよ。

本阿弥庵

夏の光悦寺

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Flowers and Plants in Tibet -№3-

Flowers and Plants in Tibet

禅文化研究所客員研究員・李建華さんのご子息、叡(えい)さん による、チベットの草花の写真です。
チベットの厳しい自然の中でも、草は根を張り、美しい花を咲かせます。
専門家さえその品種を特定するのが難しい植物もあるとの事で、植物の詳しい説明は避けたいと思います。
どうか、美しい写真をお楽しみ下さい。
尚、チベットの植物について詳しい方がいらっしゃいましたら、どんどんコメント宜しくお願い致します。

追伸:お父さんの李建華さんによる、チベット紀行も必見です!!!

※写真の無断転載・利用はおやめください。

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京都文化博物館-始皇帝と彩色兵馬俑展-

去る休日に、観光客で賑わう三条通にある、京都文化博物館を訪れた。
元々この建物は、明治39年に竣工した、日本銀行京都支店のもので、昭和44年には重要文化財に指定されている。
三条界隈には、このような明治時代の洋館や古い町家などが今もなお残っており、「界隈景観整備地区」となっている。

今回、近年発掘された彩色が残る兵馬俑が世界初公開された。
世界初公開、日本初公開・・・というような文言に日本人は弱いのだろうか。
だいたいこういった文句で大々的に広告されている展示会には、普段は美術館や博物館に見向きもしない人も訪れ、ものすごい賑わいだ。

確かに、紀元前に作られたものが、土の中に埋まっており、彩色が施されたままの状態でみつかるという事は、私達の想像力をかき立て、遙か昔の中国の時代にタイムスリップさせてくれる。
一体一体の大きさ、迫力に圧倒された。大陸のおおらかさか、日本人が作れば、こういったものにはならないだろう・・・などと思いつつ拝見した。

最後に・・・
こういった大々的な展示会には、先程このブログで書いたエジプト展でもそうであったが、子どもが比較的多く訪れている。
他国の歴史や文化に触れるという事は、その子の将来にも大きな希望や夢をもたらし、素晴らしい事だと思うので大歓迎だが、そのマナーの悪さにいつも驚かされる。
自分が見たいものは、人を押しのけてでも見る。つまらなければ走り回り鬼ごっこをし、叫ぶ。
一体親御さんはいずこ・・・。と見てみると、我が子の事はまるで他人事。熱心なのは良いのだが、子どもはほったらかしで展示物に見入っていて、呆れ返る。
公共の場でのマナーというものを、親が躾できないのであれば、そこに訪れている大人たちが皆で教えていくべきではないかと思う昨今である。

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金戒光明寺 -黒谷さん-

山門 -金戒光明寺-


金戒光明寺は、浄土宗の大本山で、地元の人は、-黒谷さん-と呼んで親しんでいる。
京都で、タクシーの運転手に金戒光明寺と言ってもわからない事もあるそうだ。
高台にあるこのお寺、京都の風景を見下ろす事が出来るので、参拝しては四季折々楽しませていただく。
 
今回は、京都非公開文化財特別拝観にて、山門が公開されていたので訪れた。
以前の特別拝観で、新緑の季節に山門を登らせていただいた事もあったが、秋は初めてだ。
東山の紅葉の具合がひと目にわかり、京都中を見渡せる。
京都市には、景観保護の観点から、ビルなどの高さを制限する条例がある。
全体的に低い町並みではあるが、それでも、四方を山に囲まれた事を利用し、美しい借景の庭などがたくさんあったが、その景観は近年損なわれていっている。
そんなさなか、これ以上美しい景観を損ねる事の無いように、京都市はさらに厳しい規制を盛り込んだ景観施策案を発表した。
山門の上から見ていても、やはり高いビルなどは無い方が町並みが美しいであろう事は、容易に想像がつく。嬉しい試みである。

話は戻って、黒谷さんの山門の上には釈迦三尊と十六羅漢、さらに天井には龍の画が。
それはそれは立派なものである。
また、本堂には吉備観音(重要文化財)もあり、拝ませていただいた。

幕末には、会津藩主松平容保が京都守護職に命ぜられし折、本陣を置いていた。
城構えである事、千人の軍隊が駐屯できる事など、その理由はいくつかあったようだ。
会津藩士達も、今は静かに三重の塔のふもとに眠っている。

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京都嵯峨野 霊亀山天龍寺

今年の紅葉は全国的に遅いようだが、このところの1週間で、京都の各地も、急に色づいた感じがする。嵯峨野に用があったので、沢山の人で賑わう嵐山の天龍寺を訪れた。
夢窓疎石を開山とする、いわずとしれた、臨済宗の大本山の一つである。

先日、松島瑞巌寺へ行ったときに、平日なのに沢山の人が観光に訪れていて驚いたが、天龍寺はそれどころではなく、朝10時には、広い駐車場も満車状態の賑わい。
先週土曜日の朝、ズームイン・サタデーで、この紅葉を生中継報道されたらしいから、それを見てきた人たちもこの中に何割かいるのかもしれない。

紅葉に染まる曹源池庭園

天龍寺の中には曹源池という池をめぐる回遊式庭園があり、内部の木々の紅葉だけでも美しいが、さらに紅葉した嵐山をも借景にして、壮大な美しさである。
時々、このブログにも寄稿してもらっている、上司であるT師は、この天龍寺の職にもつかれているので、お願いして茶室に入れてもらった。

天龍寺には祥雲閣という広間の茶室と、甘雨亭という小間の茶室があり、通常、一般には公開されていない。
読者諸氏に悪いので、許可を得て、この茶室から見える庭の風景を・・・。
まずは、祥雲閣から見た庭である。


天龍寺の茶室、祥雲閣から見た庭

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