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円覚寺の至宝展

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4月20日より6月23日まで、東京の三井記念美術館で「円覚寺の至宝-鎌倉禅林の美」展が開催されています。
本展は大用国師200年釈宗演老師100年大遠諱記念特別展として開催されるもので、前日に行なわれた開会式に行ってまいりました。

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190422_管長挨拶.jpg開会式では、横田南嶺円覚寺派管長を導師に円覚寺派僧侶による記念法要が営まれ、続いて主催者による挨拶がありました。
横田管長は、美術館のあるこの土地は江戸時代前島と呼ばれ、円覚寺の所領であったという因縁に触れ、江戸後期、沈滞の中にあった円覚寺を中興した大用国師と、明治の廃仏毀釈後、禅を「ZEN」として欧米に広めた釈宗演老師の功績を称えられ、本展が文化遺産の展覧に留まらず、会期中に行なう坐禅や法話等を通して現代に息づく禅を伝える場であることを話されました。
本展では、円覚寺と円覚寺派寺院に遺された名宝だけでなく、無学祖元像と蘭溪道隆像が並んで展示されるなど、建長寺の名宝も多数出品されています。
なお、鎌倉派の絵画の展示室では、弊所の雪村周継筆「蕪図」も展示されています。
会期中は多彩なイベントが行なわれます。この機会に足を運ばれてはいかがでしょうか。

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季刊「禅文化」252号発刊のお知らせ

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この春200年の遠諱をむかえた誠拙周樗(せいせつしゅうちょ)禅師(大用国師、1745~1820)。禅師は、当時宗風が沈滞していた円覚寺を復興された「鎌倉禅中興の祖」でありながら、京都五山の相国僧堂や天龍僧堂の開単をも果たされた、まさに傑僧といえる方です。252号では、禅師の近世禅林における業績を改めて顕彰し、ご紹介しております。

禅師が前版職(僧堂師家)に就かれていらい、円覚寺に集まる修行僧の数は年を追うごとに増えていき、寛政8年(1796)の雨安居には、74人もの修行僧が禅師の下に参集したそうです(本号掲載論稿・舘隆志「誠拙周樗の鎌倉における禅の復興」より)。この事実だけでも、その接化がいかに人を引きつけるものであったかご想像いただけることでしょう。

「凡(おおよ)そ五十年間、正続僧堂に在りて只だ仏法を以(もっ)て人の為(ため)にするを我が任と為(な)す」。誠拙周樗禅師は、自らこのような言葉を遺されています。その生きざまを、この機会に是非知っていただきたく存じます。詳しくは、こちらをご覧ください。

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写蘭会グループ展 vol1

 

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先般、本ブログでお知らせしました、弊所スタッフである私も出展しておりますグループ写真展『写蘭会 第一回グループ展』が、京都市中京区の烏丸仏光寺西入にあるラボ京都の4F会場にて開催しております。

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先週土曜日から始まった本展は4/26(金)までの1週間限りですが、昨日までの3日間でおかげさまで120名を超える来場者にお越し頂きました。私も土曜日と月曜日に在廊しておりましたところ、小さな会場ですがほぼひっきりなしに来場者があり、ありがたいことでした。

もちろん、私を含め出展者の知己の方も多くおいでになるので、お花をお持ち下さったり、お菓子などの差し入れもあったりし、用意した作品目録を片手に、じっくりと写真をご覧頂きました。在廊しているものも、毎日入れ替わりでおりますが、他の方の撮影された情報も、カメラ講座の時にご本人から聞いたりしていますので、その情報をお伝えしたりしていると、あっという間に時間が過ぎます。

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中には手厳しく酷評をいただく方もおられますが、もちろん私達はまだまだアマチュアの身。そういう御批評ももちろんありがたいことですが、この写真が良いねぇとかいうお声には、私の作品でなくても嬉しくなりました。

今、京都では「KG+ 2019」という写真展や、アーティストによる展覧会が市内各所で開かれています。KYOTOGRAPHIEヘおこしお越しのおついでに、我々の小さな写真展にもお越し頂ければ幸いです。あと4日です。お待ちしております。

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ミホミュージアムで「曜変天目」を観てきました

 

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本ブログでもすでにご紹介しましたが、現在、滋賀県の信楽にあるMIHO museumでは、「国宝曜変天目と破草鞋」という展覧会が開催されています。大本山大徳寺塔頭の龍光院さまがご所蔵の逸品が一挙に観られるチャンスです。

ということで、私も去る日曜日、かなりの方がおみえになるだろうし、朝10:00から展観が始まるので早めに向かおうと10:30前にはMIHO museumに自家用車で到着したところ、いつもなら一番上の駐車場のどこかには駐車できるのに、なんと、連絡道の一段下の駐車場で係員の方に止められてしまいました。こんなことは今まで一度もありません。そこで、車を降りて、シャトルバスでミュージアムのレセプション棟前まで……。

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よく知られる銀色のトンネルの手前、アプローチロードはしだれ桜がまさに満開! 訪れた人たちも、スマホやカメラで撮影されている姿が目立ちます。ここでもかなり人が多いなぁという印象です。そして美術館棟に入ってまっすぐに特別展の会場へ向かいますが、その通路半ばで、「最後尾」と掲げたプラカードを持つ係員の人が。これまた初めての経験です。

行ったことのある方はおわかりかと思いますが、突き当たりに売店があり、その右手の階段を登って鍵の手に右に折れたところが特別展の入り口です。ところが、階段を登りきったところで左に折れ、中庭をぐるっと回るように遠回りしてから特別展の入り口に到達しなければならないようです。というわけで、最後尾に立ってから1時間弱して、ようやく展観に……。

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龍光院二世の江月宗玩禅師の書などを中心に、その師、春屋宗園の頂相や墨蹟、伝牧谿の柿図・栗図も観ることができました。

そして国宝・曜変天目茶碗。その手前でまたストップし、12名ずつ曜変天目のガラスケースの回りに進むことを許可されるものの、その与えられた時間はたった1分間でした。

それでもそのお茶碗の中には宇宙が見えるようでした。世界に3つしか現存していない曜変天目。現代の先進技術を以てしてもマネのできないものなのですね。

じっくりゆっくりご覧になりたいのなら、平日午後がお勧めのようです。土日は待ち時間1時間と思ってお出かけ下さい。

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徹底比較 曹洞宗と臨済宗

 

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他社の雑誌をご紹介するのもなんではあるのですが、月刊『大法輪』5月号(大法輪閣)で、このたび、「徹底比較 曹洞宗と臨済宗」という特集が組まれました。

日本で禅宗と呼ばれていますが、ご存知の通り、曹洞宗と臨済宗、そして黄檗宗があります。黄檗宗は江戸時代に隠元禅師によって中国からもたらされた臨済宗の流れですので、大きく分けるならば、曹洞宗と臨済宗ということになるわけです。

この二つの宗の違い、おわかりでしょうか? 坐禅の時に壁向いて坐るか坐らないか? 参禅があるかないか? など、すぐに思いつくこともあろうかと思いますが、「第一部 人物」「第二部 宗門の歴史と現在」「第三部 教義」「第四部 実践のあり方」の四部構成で合計27設問について、曹洞宗・臨済宗のそれぞれの僧侶が回答を寄せています。じつは弊所主幹も「第三部 教義」を担当しています。

1つの設問に曹洞宗側と臨済宗側がそれぞれ回答しますが、なにしろ相手の書かれている内容を知らずに執筆しなければならなかったため、若干、ベクトルが異なっているような部分もありますが、それでも、如実にその違いがわかるかと思います。

もし興味がおありでしたら、ご購読を。

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円覚寺中興 大用国師二百年遠諱

 

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昨日(2019/4/11)、鎌倉の大本山円覚寺において、中興開山大用国師誠拙周樗禅師の二百年遠諱が勤修されました。本ブログでも書いておりましたとおり、数年前からこの遠諱のために立ち上げられた遠諱委員会より依頼を受けまして、禅文化研究所では大用国師遺墨集の編纂に関わってきておりました関係もあり、拝請を頂戴いたしておりましたので、参列させて頂きました。

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前日より鎌倉入りしたのですが、ご存知の通り、東京でも雪がちらついたほどの荒天。新横浜に降り立ったときより、京都より寒いと感じましたが、翌、遠諱当日は晴天。聞くところによると円覚寺派管長の横田南嶺老師が関わる法要の時には、雨が降ったことがないとのこと。台風でも風が収まるとの御霊験。どおりで内局の方々も、天気については心配がないと以前から仰っていたわけです。

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この遠諱には、誠拙周樗禅師とご縁のある大本山相国寺および大本山天龍寺の各管長猊下や、お隣の大本山建長寺派管長猊下、また廣園僧堂、相国僧堂や、関東叢林のお師家様方、各派本山御重役、建長寺塔頭尊宿、円覚僧堂出身の尊宿方、円覚寺派寺院尊宿など、総勢250名ほどが参席されておられました。

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仏殿には大用国師の頂相が祀られて、横田南嶺円覚寺派管長が導師のもと、献供九拝式が厳かに勤められます。私自身は妙心寺派の僧侶なので、他派の法要次第はあまり知らないので、興味津々でした。

b_2019-04-11-10.58.jpg献供九拝のあと、横田老師が拈香され、大用国師に対する報恩の香語を力強く唱えられました。おわって楞厳呪坐誦をお唱えしました。

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楞厳呪の唱え方も、妙心寺派とはかなり異なることを知りました。そもそも誦む音が違ったり、維那の節もまったく異なりますし、伸ばすところも違ったりというわけで、一緒に誦むのはかなり難しい状況でした。私のとなりにおられた、誠拙周樗禅師が出家された四国の佛海寺のご住職とも、こんなにも違うのですねと驚いておりました。

ともかく無事円成された遠諱、ながらく計画されてきた遠諱委員の方々もお疲れのことだと思います。
記念品として、弊所で制作させて頂いた『大用国師遺墨集』、このたび弊所から刊行した横田老師著の『武渓集訳注』をお使い頂き、大変ありがたいことでございました。御参席の皆様には少々重い記念品ではありますが、ご覧頂ければ幸いです。

また、『大用国師遺墨集』も弊所から特別頒布販売(税別¥20000円)させていただきます。

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職員の晋山式

 

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去る2019/4/7(日)に、禅文化研究所の若いスタッフの一人であるMK君の晋山式が挙行されました。拝請をいただきましたので、事務局長とともに参列するために兵庫県の丹波市まで行って参りました。

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幸いにして、いいお天気に恵まれ、100人にものぼるお稚児さん達との行列も、おだやかに進められたようです。お稚児さんたちの写真撮影は3回に及んでいました。

また、この日は、晋山式の前に秘仏・東方薬師如来のご開帳法要もあり、お師匠さんと法縁の深い国泰寺派管長・澤大道老大師が導師としてご開帳され、続いて、本堂前にて地元神社の保存会の方による獅子舞の奉納もありました。

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そして、晋山式となり、山門偈、晋山偈と、持ち前の大きな明るい声で朗々と唱えたMK君は、ご指導頂いた相国僧堂師家・小林玄徳老師や師父、尊宿、檀信徒、そして親族の前で、立派に晋山を果たされました。

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相国僧堂の老師から綿密な御垂誨を賜った新命和尚、これからの宗門を担っていく有望な一禅僧となってくれることと思います。

さて、初めて訪ねたこのお寺ですが、周囲は山に囲まれた篠山市の盆地にあり、あちこちに桜の木が点々とあってちょうどいい季節。近くには黒田官兵衛ゆかりの黒田の庄もあります。また、改めてゆっくりと訪ねてみたいと思いました。

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円山公園で花見

 

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花冷えというか寒の戻りといいますか、寒い日が続いて、桜の花も開花宣言から長く楽しませてくれています。

少し前になりますが、先週の水曜日に八坂神社のとなり、円山公園まで繰り出してきました。

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しだれ桜や、ソメイヨシノなど、夕暮れにもかかわらず、多くの人の眼を楽しませてくれています。
とはいえ、来場者のほとんどは外国人。右を見ても左を見ても、日本人を探すのが大変なほどでした。

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日本の桜は美しいのだそうです。

201944-円山公園_190404_0002.jpgこの有名な円山公園のしだれ桜は老木で、近年、だいぶ痛んできている気がします。昨年の台風もきつかったことでしょうが、それでも美しい花をたくさん咲かせていました。

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あたりも暗くなると、ライトアップというわけですが、個人的にはあまりライトアップを好まないので、早々に退散。というわけで、しばしの花見を楽しんだのでした。
御地はもう散る桜? それともこれからでしょうか。

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萬福寺開山忌

 

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毎年4月3日に行われる黄檗山萬福寺(京都府宇治市)の開山忌に参列してきました。研究所には京都の各本山から開山忌への案内が届き、仕事が重ならない限り出席しています。桜の満開も近い京都ですが、ここ数日は寒い日が続き、この日も花冷えの中での法要となりました。この日の他山からの出頭は、京都の臨済各本山と山梨の向嶽寺、宇治の平等院や興聖寺、そして縁故寺院などでした。

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ご存知の方も多いでしょうが、黄檗宗は中国明代の禅を受け継いでいます。中国色の濃い建造物はもちろん、法要も独特の声明で行なわれます。普段読んでいる楞厳呪も中国音で読まれると部分的にわかる程度です。
法要後は名物の普茶料理をいただいて散会となりました。

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大本山萬福寺では、2022年に宗祖隠元禅師350年大遠諱を迎えます。伽藍の修復をはじめ、授戒会や坐禅会、日中仏教文化の交流などの事業が行なわれるようです。

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誠拙周樗展 始まりました

 

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以前よりお知らせしておりましたとおり、昨日、2019年4月2日より、花園大学歴史博物館におきまして、2019春季企画展 「大用国師200年遠諱記念 誠拙周樗」展の展観が始まりました。

花園大学の入学式に合せての展観開始ですので、来賓はじめ、父兄の方々も多々ご来場になっていました。

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いつもと同じく、第1、第2の両展示室を使用して展観を行なっております。前期後期で総入れ替えとなりますので、いずれの会期にもご来場頂ければ幸いに存じます。

それにしても、昨日は寒い朝でした。自坊のあたりは、田畑が雪でうっすら白くなりました。

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福寿草を愛でに

 

霊仙山_190401_0071.jpg一昨日の土曜日、山仲間と滋賀県の霊仙山に登ってきました。目的は福寿草。この山には福寿草の群生が見られるのです。多賀町からの登山ですが、登り始めてすぐの廃村のところで、福寿草や早咲きの桜などが見えました。

霊仙山は私は初めて登るのですが、ずっと急登で、久しぶりの登山の私には、ちょっときついと思いながら、歩を進めていきました。最初はやはり汗をかいていたのですが、笹峠を越えたあたりから付近に木立もなくなり、カルスト地形が出現。

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昔ここはクマザサで覆われていたようですが、鹿に食い荒らされてクマザサはなくなってしまったそうです。
さらに、天候もわるく、ガスは出てくるは、10mを超えるような風が吹く中を、せめて近江展望台まででも登ろうとがんばりました。福寿草の群生は、近江展望台よりまだ先なのですが、このガスの中を進むのはちょっと危険という判断をしたのです。

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晴れていればおそらく近江展望台からは絶景が拝めたことでしょうが、あいにくのこの雲の中。寒いこともあり早々にピストン下山です。

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少し下ると、雲から抜けて、こんな景色も見えるのです。
ともかくも厳しい山でした。自坊から遠くに望めるこの霊仙山。こんな風だとは想像もしていませんでした。

頂上付近の福寿草の群生には行けませんでしたが、それでも途中、こんな可愛い高山植物に出会えました。

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上の方はミヤマカタバミですが、下のはなんでしょうね。ご存知の方お知らせ下さい。

さて、今日から新年度となりました。そして今日の11時半には、5月からかわる新元号がついに発表されますね。弊所も5月上旬に上梓される書籍の編集を承っていて、あとがきや奥付の日付を新元号で表記したいために、新元号の発表を待ち望んでいるところです。

それから、弊所の「宗教法人管理システム 擔雪II」のシステム改修も必要ですし、皆さんにご迷惑がかからないように万全の準備を整えていっております。

桜の開花宣言もされてはいますが、寒の戻りで、今日などは山間部では雪が降るかもとか。体調を崩しやすい今日この頃です。新たな年度、気持ちよく望みたいところです。

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