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パンダはどこにいる?

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円覚寺の横田南嶺老師が初めての絵本を出版されました。
主人公は一匹のパンダ。自分がパンダであることに気付かないまま「パンダ」に憧れています。
ひと目「パンダ」を見てみたいと動物園に並ぶも願いが叶わずがっかりするパンダ。
悔しさをバネに「パンダ」の研究を始めるのですが、パンダへの憧れは募るばかり。
遂には「パンダ」になるため涙ぐましい修行を開始してしまいます……!

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このパンダがあまりに健気で、一体どうなってしまうのかドキドキしながら頁を繰りました。
平易な言葉と親しみやすい絵で禅の教えをやさしく説く、素敵な絵本です。
本書の大きな魅力である愛くるしいパンダの絵は、臨済宗妙心寺派・東光寺寺庭の横山由聲さんが御担当されています。
大人も子供もたのしめる一冊は、年末年始の贈り物にもおすすめですよ。

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大徳寺方丈の修理現場へ

国宝・大徳寺方丈の修理現場の見学に行ってきました。
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大徳寺は臨済宗大徳寺派の大本山で、鎌倉時代に大燈国師によって創建されました。
方丈は、本来住持の住まいとして用いられる建物でしたが、後に接待や行事の場としても使用されてきました。
現在の建物は、寛永12年(1635)に、大燈国師三百年忌にあわせて行われた伽藍整備の際に建てられました。今回は90年ぶりに建物を解体して修理が行なわれています。
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無数の丸太が組まれた圧巻の空間でした。すべて鳶職人による手仕事だそうですよ。
修理は令和8年まで行われる予定とのことで、完成が楽しみです!

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茶の湯にかんするウェブセミナーのご案内

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本日は、この6月~7月にかけて開催される国際的なセミナーのご案内です。

サンフランシスコ州立大学主催「サンフランシスコ茶の湯と茶文化国際会議(SFICCTC )」は、茶の湯について最新、あるいは重要な研究を紹介する学会。今回は弊所単行本「新・坐禅のすすめ」にて《坐禅の変遷》をご紹介くださった舘隆志先生(駒澤大学仏教学部講師)も登壇されます(先生の発表テーマは「禅語を通して僧侶の心を理解する」です)。

研究者向けではありますが、茶の湯とこれにまつわる文化に興味をお持ちの方にとって心動かされる発表が多いのではないでしょうか。リモートで実施(要登録)されますので、ご自宅で最前線の研究成果に触れられる貴重な機会でもあるかと思います。今後の発表者も募集中とのことですので、ぜひ下記より詳細をご覧下さい。

茶の湯と茶文化に関する第8回お茶ざんまいサンフランシスコ国際会議
テーマ:「日本のお茶の伝統における展示の芸術」
実施日時:(日本時間)2022年6月12、19、26日、7月3日/午前10:00~

詳しくはこちら

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田辺の一休寺開山堂屋根修繕プロジェクト

 

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11月になりましたね。気持ちよい秋晴れです。
さて、禅文化研究所ではデジタルアーカイブス事業で、各地の寺院の宝物調査をしていますが、大事にされているとは言え、それでも虫食いにあっていたり、雨漏りで水濡れしてしまったものとかがあり、残念に思うことが多々あります。
それらを修復した方がいいと薦めても、資金的に困難だということもよくお聞かせ頂きます。
文化財の保存維持にはお金がかかるのが実情です。
国宝や都道府県の指定になっている場合は、相当額の助成を得られますが、そうでなく資金繰りに難しいとき、どうしたらいいだろうか。そんな方法のひとつにクラウドファンディングというものも考えられますね。

さて、一休禅師が再興されたお寺として知られる、京都は田辺にある酬恩庵(一休寺)さまは、元々は、かの大応国師が建てられたお寺です。その開山大応国師の木像を祀る開山堂の屋根は檜皮葺き(ひわだぶき)ですが、風雨による損傷が激しく、雨漏りまでしている状態だそうです。そこでこの屋根の修繕プロジェクトを起こされ、その方法として檜皮ではなく、耐久性の高いチタンでの葺き替えとし、その資金調達にとクラウドファンディングを今日から始められました。

どうか、主旨にご賛同頂ける方は、少しでもご出資いただけるようご協力お願いします。この記事のシェアはご自由にどうぞ。

詳しくは下記から。
一休寺 開山堂屋根修繕プロジェクト(クラウドファンディング)

⽀援募集期間︓11⽉1⽇(⽉)〜12⽉24⽇(⾦)23時

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黄檗宗大本山 萬福寺へ

来年2022年は宗祖隠元禅師350年大遠諱。
隠元禅師といえば、江戸前期に中国から渡来し、当時の中国から多くの文物を日本にもたらした僧として知られています。

先日、隠元禅師によって開創された萬福寺の見学に行かせていただきました。また、主事の方に案内・解説もしていただき、より深く萬福寺を知る機会となりました。


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雨が降る中の見学でしたが、萬福寺独特の魅力を存分に感じることができました。
とても古いお寺なのに目新しさを感じるのは、他に類を見ない建築様式だからでしょう。異国情緒あふれるユーモラスな境内。禅師の影響力の大きさを実感できます。


萬福寺といえば、魚の形をしたこの開梆が有名ですね。
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大きな木製の開梆で、現在も時刻を知らせる際に毎日使われているそうです。(3代目のお魚とのことでした。)
口にくわえている玉は煩悩で、その煩悩を吐き出しやすいようにお腹を打ち、自らも心を戒めます。また、「魚のように寝る間を惜しんで、修行に励みなさい(魚は目を開けて眠ることから)」という意味もあるそうです。
とても独創的な発想で作られた開梆だったのですね。
それにしても不眠不休の心得とは…雲水さんは毎日過酷な修行をされているのだなと思いました。


萬福寺の柱は、石が支えています。

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ここにも中国風の特徴があり情趣を感じました。
昔の建築様式ではよく見られるようですが、この柱、礎石と柱はくっついていないそうです。
礎石の上にただ柱が乗っているだけなのに、萬福寺はこれまで一度も地震による被害もなく残存していることに驚きました。地震の際はこの石が揺れを吸収しているのだろうとのことですが、350年以上も前の技術に脱帽せざるを得ませんでした。
四角い模様のこの床は、龍のうろこを表しているそうです。


また、萬福寺では大遠諱事業の一環として、法堂などの屋根を創建当時の姿に復元されました。

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瓦屋根からこけら葺きへ。とても上品な風合いで、当時の趣を感じることができます。
工事が終わったこのタイミングで伺えて万感の思いでした。


ほかにも布袋様や、「卍くずし」と呼ばれるデザインの勾欄(こうらん)、桃の紋様が刻まれた「桃戸」など、ここに書き切れないほど見どころがたくさんありました。
大遠諱を迎えるこの機会に、ぜひ多くの方に足を運んでいただきたい寺院です。

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玉林院の宝物調査

梅雨も明け、いよいよ夏本番。
だんだん日差しも強くなり、木立の陰を渡り歩く毎日です。

さて、私は禅文化研究所のスタッフとして働き始めてまだ2年の見習いですが、
デジタルアーカイブス事業の宝物調査にとても刺激を受けています。

今年の春からは大徳寺の塔頭・玉林院に出向き、調査を行っています。
通常は公開されておらず、中に入れるだけでも貴重な経験でした。
中には緑が美しいお庭と、日差しが気持ちいい立派な縁側がありました。
野鳥もたくさん遊びにきていましたよ。

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そしてなんといっても本堂にある狩野派の襖絵に圧倒されます。
花鳥図や山水図がびっしり。
ここで調査を行えるのかと思うと、わくわくと同時に緊張が走りました。
そう、文化財に囲まれながら、文化財調査をするのです。
調査ではよくあるシチュエーションでしょうが、私はまだ慣れません。
感動する反面、撮影機材を倒してしまったらどうしようとハラハラ。
寿命が縮まりそうな一日でした。


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調査した宝物は、掛け軸が主でした。
中には先生が「これは珍品中の珍品だ!」と感動される書もあり、
私も感慨深く凝視させていただきました。
「もし禅文化研究所のスタッフになっていなければ、一生経験することがないであろう・・」と思う、日々の出張です。

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新作能「高虎」WEB配信

 

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そういえば、ながらくお能をみていない私ではあります。あの何とも言えない空間と時間をまた味わいたいとは思いますが、このコロナ禍、なかなか足を運ぶこともできません。

さて、以前にこのブログでもお知らせしましたが、新作能「高虎」。大本山南禅寺ともゆかりのある、藤堂高虎は津城(安濃津城)の城主でしたが、もとは現在の滋賀県犬上郡甲良町の出身です。

コロナ禍を越えて、全国の高虎ファンや能楽ファンに届けたいと、このたび、新作能「高虎」を能楽の本場京都よりWEB配信するという企画がもたれ、その上演のための資金をクラウドファンディングで募っておられます。

是非、皆さんもご援助や拡散でお力添えをお願いします。
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城南宮のしだれ梅

 

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新しい天皇陛下のお誕生日で連休となった先日、京都南区にある城南宮へしだれ梅を観に行って参りました。

自家用車で出かけたのが失敗。周辺は大混雑で、もちろん城南宮の無料駐車場は常に満車の状態。しかたなく1km近く離れたコインパーキングをなんとかみつけ、そこから歩いて向かったのですが、鳥居をくぐったあたりからまた人の列。

しだれ梅の庭園に入りたい方はこちらにお並び下さいということで、30分以上の列に並んでようやく入園。少し小雨も降ったりしてきて、心も折れそうになったのですが、素晴らしいしだれ梅群の満開を観ることができました。

そしてよくみると、小さな、それでいてぷっくりとしたメジロが小忙しそうに花の蜜を啄んで飛び回っているのを発見。なかなかじっとしてくれないので、写真を撮るのも大変でしたが、それでも何十枚もシャッターを切ったなかで、何枚かいいのが撮れました。

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また、しだれ梅の他にも、椿もたくさんあり、こちらも目を楽しませてくれました。

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ともかく多くの人でした。並んでいる列の人の話では、テレビで放映されていたらしいので、それを観て来られた方も多いかも知れません。
というわけで、おそらく、平日の青空が見える日がお勧めです。

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写真展「百年後もここに集う。」京大吉田寮

 

恵文社_吉田寮展.jpg以前に、ブログ禅でもご紹介した、カメラマン平林克己氏の写真集『京大吉田寮』

この写真集発刊を記念した写真展が、今、京都市の恵文社一乗寺店て開催されています。

いまだに、ある種、学生運動の拠点になっていた魔窟のように想像されている方も少なくないとは思いますが、どう感じるかは写真展を観たり、写真集をご覧になったあなた次第ですね。平林氏ご本人も在廊されているときが多そうですので、直接お話も聞けるかも知れません。

会期は2020年2月11日〜2月17日。会期が短いですのでお急ぎ下さい。

詳しくはこちらに掲載されています。

 

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陽(haru)Light & Letter展

 

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京都市市街地の北東の方、今はラーメン店が多く立ち並び、ラーメン好きの聖地のようになっている一乗寺。ここに「恵文社」というとても美しく楽しい書店があります。有名なので行ったことのある方も多いかと思います。

2020/1/7~1/13まで、ここで「陽(haru)Light & Letter ~見ようとすれば、見えるものたち~」展が開催されています。

このブログでも何回か書いたかと思いますが、写真家の平林克己氏と、その友人でも有りコピーライターである横川謙司氏がコラボした写真展です。東日本大震災をきっかけとして、その直後からの様子を撮り、その復興を追いつつ、そこに住む人たちの息吹をとらえ、そして国指導で行なう復興工事に疑問を投げかけるという視線と言葉です。

私のように関西に住んでいると、震災当時は慰問にも出向いたものの、とおくにいるともう過去のこととしてテレビなどで観る限りで、実感として捉えにくくなってしまっていますが、未だに、福島第一原発の問題は山積したままですし、完全に復興を終えているとは言いがたい事実があると思います。

そういったことに、今一度目を向けさせてくれる展覧会です。

初日には平林氏をかこんでレセプションと懇親会がありましたので、私も参加してきました。そこには多くの若者達が集って初めてであった人たちと熱い話をしていました。少し気後れしたシニアな私は隅っこの方におりましたが、それでも何人かの人が声を掛けてくれ、自分の思いを話してくれました。

それから恵文社の魅力あるスタッフのKさんとも話し込むことができました。彼は自分が悩んだとき、たまたま禅の本を読み、すごく共感をして心に落ちたと話してくれました。大森曹源老師の本もたくさん読んだそうです。また坐禅もしてみたいが、どうしたらいいかわからなくて……と。

こういう若者達のニーズに、まだ私たち宗門は応えられていないのだろうと思った次第。

期間は短いですが、連休もあります。是非お運び下さい。展覧会や本だけでなく、いろいろ楽しめる本屋さんですよ。

恵文社一乗寺店

 

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特別展「茶の湯-禅と数寄」(相国寺 承天閣美術館)

 

b_191204.jpgただいま、大本山相国寺の承天閣美術館では、特別展「茶の湯-禅と数寄」展が開催されています。

会期は下記の通り。

Ⅰ期 2019/10/5~2019/12/22

Ⅱ期 2020/1/11~2020/3/29

禅ととても関係の深い茶の湯。禅の心は、茶の湯の「わび」「さび」に欠かせないのでしょう。戦国時代の信長、千利休もこの相国寺で茶会を催したなどから、相国寺にもたらされている銘品も少なくないようです。

先日のサンガセミナーのカメラ講座でも撮影をしていたのですが、この承天閣のエントランスのもみじがとても美しく見頃です。また、ちょうど相国寺では12月15日まで秋の特別拝観も開催されています。あわせてお出かけになっては如何でしょうか。

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2019 祇園祭宵山

 

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蒸し暑いですね。京都では、今日は祇園祭の前祭の山鉾巡行です。というわけで昨夜はその宵山祭でした。

ここ数年、祇園祭の日程が、海の日の絡んだ3連休と重なっていたので、京都に出勤してきている者としては、逆に祇園祭に接しないことが多かったのですが、やっと連休から抜け出たということで、就業後にカメラを抱えていざ出陣。と思ったら、雷が鳴って土砂降りの夕立に。15分ほど足止めをくらいましたが、その後にやんでくれましたので、蒸し暑い中でしたが宵山を楽しむことができました。

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以前は道路に屋台で買った飲食物のゴミが道路に散乱したりしていましたが、昨今は、分別して捨てられるゴミ箱があちこちに設置されていて、そこにおそらくボランティアかとも思いますが、係の若者達が常駐しているのが見てとれました。おかげで道路はきれいに。
それから、歩行の一方通行も徹底されていて、多くの警察官や係員が誘導されているので、歩くのもだいぶ楽になったように思います。

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インバウンドを推進されているために、多くの海外の方も見受けられましたが、混乱無く楽しんでおられるようでした。

例年だとそろそろ梅雨明けということですが、はてさて今年はどうなることやら。

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祇園禅カフェと

 

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直近のお知らせで失礼します。

来たる6月23日(日)夕刻に京都の祇園は八坂神社のすぐ近くにある、ギャザーというお店(バー)で、下記のような禅カフェが開催されます。なんでまたバーで?ということですが、実はこのギャザーという店を前のオーナーから譲られた福井文雄さんという方は、「京都仏教文化フォーラム」の主宰でして、どうせなら仏教的なことをやりたいという思いで、こういったイベントを企画されているとのことです。

実は私も以前に行ったことのあるお店ですが、小さなお店ですのであまり沢山は入れません。しかしあちこちで禅カフェをされている羽賀浩規師の指導ですので、ゆったりとした時間を過ごせるのではないでしょうか。

参加には予約が必要です。こちらからどうぞ


京都・祇園 禅カフェ~日曜・午後のひと時を坐禅とお抹茶で楽しむ
■日時=2019年6月23日(日)15:00~16:30
■会場=祇園・ギャザー/新・祇園舎 https://gion-gather.com
(605-0073 京都市東山区祇園町北側317 ソニアビル・地階)
 *「祇園会館」北3軒目、花屋さん「花新」地下(B1)
■内容=臨済禅とは「坐禅を体験」
    坐禅の後は、羽賀浩規師の点てる抹茶とお菓子で楽しみます。
■指導=羽賀 浩規 師(臨済宗妙心寺派蓮華寺住職、臨済宗妙心寺派花園禅塾塾頭)
■参加費=2,000円(お抹茶+お菓子代を含みます)
■定員=8人(定員になり次第締め切ります)
■主催=京都仏教文化フォーラム
■開催趣旨=
今回は、京都仏教文化フォーラムの新企画「京都・祇園 禅カフェ」を開催します。指導は、臨済宗妙心寺派蓮華寺のご住職で、臨済宗妙心寺が運営する学生寮「花園禅塾」の塾頭をされている羽賀浩規師にお願いしました。
開催は日曜の午後。坐禅の後には、羽賀師の点てる抹茶とお菓子が楽しめます。祇園のミュージックバーで開催される異色の坐禅会。小さい会場なので募集人数は少ないですが、ぜひご参加ください。
■羽賀浩規師からひとこと=坐禅のススメ
普段の生活の中、背を丸め、意識もしない浅い呼吸をして、なんだかスッキリしない毎日を送っていませんか?
私たちの日常は、一人になる場所も時間も持ちながら一人になりきれず、スマホ、パソコン、テレビなどの媒体につながり、常に心頭も揺れ動いています。
それらと離れて背筋を伸ばし、ゆったりと呼吸し、静かに坐る時間。心と身体に気持ち良い時間を味わってみませんか? お待ちしております。
[時間配分(めやすです)]
6月23日 調身、調息(15:05 体操、15:20 フォーカシング)、15:35 坐禅、16:00 茶礼(抹茶と生菓子)


 

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また、福井さんは別途、このギャザーを使って、毎週月曜の夜にお坊さん傾聴バー「相談・坊」ということも先月から始められました。

傾聴僧の会代表の石倉真明さん(浄土宗西山深草派・宝樹寺住職)と同会メンバーの三輪愿宗さん(浄土宗・西方寺住職)の二人の僧侶が、出勤前のホステスさんをはじめ仕事帰りの会社員という幅広い対象の、いろいろな話を聞いてくださるというものです。

こちらも予約が必要です。こちらからどうぞ

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写蘭会グループ展 vol1

 

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先般、本ブログでお知らせしました、弊所スタッフである私も出展しておりますグループ写真展『写蘭会 第一回グループ展』が、京都市中京区の烏丸仏光寺西入にあるラボ京都の4F会場にて開催しております。

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先週土曜日から始まった本展は4/26(金)までの1週間限りですが、昨日までの3日間でおかげさまで120名を超える来場者にお越し頂きました。私も土曜日と月曜日に在廊しておりましたところ、小さな会場ですがほぼひっきりなしに来場者があり、ありがたいことでした。

もちろん、私を含め出展者の知己の方も多くおいでになるので、お花をお持ち下さったり、お菓子などの差し入れもあったりし、用意した作品目録を片手に、じっくりと写真をご覧頂きました。在廊しているものも、毎日入れ替わりでおりますが、他の方の撮影された情報も、カメラ講座の時にご本人から聞いたりしていますので、その情報をお伝えしたりしていると、あっという間に時間が過ぎます。

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中には手厳しく酷評をいただく方もおられますが、もちろん私達はまだまだアマチュアの身。そういう御批評ももちろんありがたいことですが、この写真が良いねぇとかいうお声には、私の作品でなくても嬉しくなりました。

今、京都では「KG+ 2019」という写真展や、アーティストによる展覧会が市内各所で開かれています。KYOTOGRAPHIEヘおこしお越しのおついでに、我々の小さな写真展にもお越し頂ければ幸いです。あと4日です。お待ちしております。

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円山公園で花見

 

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花冷えというか寒の戻りといいますか、寒い日が続いて、桜の花も開花宣言から長く楽しませてくれています。

少し前になりますが、先週の水曜日に八坂神社のとなり、円山公園まで繰り出してきました。

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しだれ桜や、ソメイヨシノなど、夕暮れにもかかわらず、多くの人の眼を楽しませてくれています。
とはいえ、来場者のほとんどは外国人。右を見ても左を見ても、日本人を探すのが大変なほどでした。

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日本の桜は美しいのだそうです。

201944-円山公園_190404_0002.jpgこの有名な円山公園のしだれ桜は老木で、近年、だいぶ痛んできている気がします。昨年の台風もきつかったことでしょうが、それでも美しい花をたくさん咲かせていました。

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あたりも暗くなると、ライトアップというわけですが、個人的にはあまりライトアップを好まないので、早々に退散。というわけで、しばしの花見を楽しんだのでした。
御地はもう散る桜? それともこれからでしょうか。

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忘年会続き

 

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夜の渡月橋

毎年のことなのですが、禅文化研究所の忘年会は、12月12日の大本山妙心寺の開山毎歳忌にあわせて、その前夜に行なうことになっています。というのは、遠方におられる理事長が開山毎歳忌に御出頭されるため上洛されるので、そのタイミングに合わせているというわけです。

今年の6月に交代された現在の禅文化研究所理事長は、埼玉県新座市平林寺師家の松竹寛山老師ですが、前日の11日に行なった弊所の忘年会にご出席頂きました。ちょうどその日には関西エリアの平林僧堂出身の方々の忘年会もあるとのことで、ダブルヘッダーでのご参加の様子でした。

かくいう私も毎年、12月12日の毎歳忌の夜には、出身道場である龍澤僧堂の関西エリアの忘年会が開かれるので、2日連続の忘年会になるわけなのです。今年は嵐山にて開かれまして、その料理旅館の温泉に入ってからの宴会でした。思いの外、トロトロのいいお湯で、京都でこんなお風呂に入れるなんてと驚きでした。

おそらく私が一番年下で、上の方は70歳代かと思いますが、年の差など関係も無く、ワイワイガヤガヤといつものとおり楽しい時間を過ごしました。

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お開きの後には嵐電に乗って西院まで参りました。それには目的があったのです。西院で降りてから南に向かって10分ほど歩きますと……

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これです。お目当ては株式会社ロームのロームイルミネーションなのです。有名ですのでご存知の方も多いかと思います。

今日の本ブログの写真がえらくキラキラしているとお気づきかと思いますが、こんな写真が撮りたいがためにクロスフィルターというものを買いまして、そのために向かったのでした。

b_MG_3514.jpgお酒も入っているので、あまり時間はとりませんでしたが、それでも86万球も点っているイルミネーションの雰囲気を味わって頂けたでしょうか。

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花園禅塾 禅塾デイ

 

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大本山妙心寺の隣には、妙心寺派の徒弟教育のための僧堂に準じた寮制の生活をしている花園禅塾という施設があります。多くは花園大学の学生ですが、毎朝6時から起きて朝課諷経をし、坐禅をしています。昼は大学に通い、門限のある規則正しい生活をして寝食を共にしているのです。また月に一回、摂心もあるのです。

自利利他の精神に則って、東日本大震災以降、あちこちの被災地にボランティア活動に出向いたり、塾外での活動も熱心にされています。先般はサンガセミナーの地獄絵絵解き講座にも何人も受講して下さいました。

個人的には花園禅塾の塾頭さんとも懇意にさせて頂いています。

それはさておき、この花園禅塾で、年に一度の「禅塾デイ」というイベントが、来たる11月10日(土)に開かれます。詳しくは上の写真をクリックして頂くと大きく表示されますのでご確認いただければと思いますが、今回で15回になるという「禅塾デイ」。

上でご紹介したような花園禅塾の活動を紹介される機会であり、外部の方が禅塾内に入ることができるいい機会でもあります。

坐禅体験やボランティアの時に実践されているハンドマッサージなんかも受けられるようですよ。朝10時から午後3時までいろいろなイベントを開催されます。興味のある方は是非足を運ばれては如何でしょうか。

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西日本豪雨被害をお見舞い申し上げます

 

blog_2018-07-05-15.49.09.jpg写真は先週木曜日(2018/7/6)に京都市内の国道9号線で車窓から撮った桂川です。

先日来、西日本は歴史的豪雨に見舞われました。
前半には京都や大阪を中心に、そして後半になるほど中国四国地方の甚大な被害が報道されています。未だに行方不明の方が50人以上もいらっしゃるようです。どうか生き延びられておられることを祈るばかりです。
また家屋の被害も相当です。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。

先週の木曜日あたりから大雨となり、金曜日には近畿圏の鉄道網は終日概ね運休となり、高速道路も通行止め。私自身も出勤することが叶いませんでした。
お知らせしていたとおり翌土曜日には高台寺にてサンガセミナー「地獄絵絵解き講座」を開催する事になっていましたが、こんな様子では土曜日も交通網はままならないと思い、急遽、中止を決定し、金曜日には自坊からせっせと受講者の皆さんに中止の連絡をした次第です。ほぼ皆さんに連絡がついたのですが、福島からおいでいただく寺庭さまには、すでに出発されたとの由。携帯もお持ちでないとのことで、誠に申し訳ないことをいたしました。謹んでお詫び申し上げます。

なお、この「地獄絵絵解き講座」につきましては、西山先生と日程を調整し、改めて本年度に開催しようと考えております。また追って広報いたしますので、今回受講いただく予定だった皆様以外でも、どうぞ受講いただければ幸いです。

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柴田明蘭氏の写真展 in Kyoto

 

blog_180423-1.jpg弊所のDVD「禅僧が語る」シリーズでのスチール写真や、昨年度の弊所のサンガセミナーの「お寺で写真講座」の講師としてお願いもしました写真家の柴田明蘭氏が、このたび、地元京都で初の写真展を開催されます。氏は金閣寺を始め何ケ寺かの寺社のオフィシャルカメラマンでもありますが、上の写真のように、メルヘンチックな写真も多く楽しめると思います。

題して、柴田明蘭写真展「小さな都の物語」縲弋he little story of Kyoto。

会期は明日、2018年4月24日(火)~5月3日(木)の11:00縲鰀19:00。
会場は、ギヤラリー270(〒602-0862 京都市上京区河原町通り丸太町上る出水町270番地)

本写真展は、2013年より行なわれている、「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」と連携した「KG+」の一つとして企画されたもので、「EXHIBITION No.24 : http://www.kyotographie.jp/kgplus/kgplus2018-1st-announcement/」に登録されています。

私自身、この柴田氏の写真講座に通って数年。なかなか上達ができない不肖の弟子の一人ではありますが、我が師の写真展ということで、これはもう何を置いても観に行かねばなりません。皆さんもどうぞお出かけ下さい。

ところで、2018年度のサンガセミナーでも秋に柴田氏の「お寺で写真講座 紅葉を綺麗に撮ろう」を開講します。開講案内や受講受付はまもなく開始します。どうぞこちらへもお運び下さい。

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松花堂庭園 第30回 松花堂つばき展(3/30~4/1)

 


弊所に送られてきたチラシを目にした日から心待ちにしていた、つばき展に行ってきました。
チラシによると、江戸時代のはじめ、既に100種を超える園芸品種が生まれ、現在では2000種を超える椿が流通し、園芸品種としては6000種以上が育種されているそうです。


庭園には椿をモチーフとした作品の数々や、普段あまり見かけない珍しい椿が咲き誇っていました。

 

0402_001.jpg入り口を入ると真正面に、こんなに可愛らしい作品が。

 

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春の日ざしを浴び、花と葉のコントラストが一層際だっていました。

 

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0402_005sakura.jpg別館前の枝垂れ桜です。見事ですね。

 

つばき展は終了しましたが、庭園にはまだ蕾のものがありましたので、まだまだお楽しみいただけるかと思います。

松花堂庭園・美術館の詳細はこちらより。

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サンガセミナー2017第3回の御案内

9月になって一旦涼しくなったと思ったのですが、またまた蒸し暑いここ数日。今年の仲秋の名月は来月初旬のようですが、はやく秋の風に吹かれたいものです。

さて、あと2週間ほどのち、9月20日に、今年度のサンガセミナー第3回目「日々の花講座 -秋口の花を生ける-」講座と「お寺で写真講座 - 一眼レフカメラを使いこなそう -」を開催します。「日々の花講座」はすでに募集人数に達していますが、「お寺で写真講座」については、まだお申し込み可能です。

先般、その会場となる南禅寺山内の大寧軒(通常非公開)に、講師の柴田明蘭先生と一緒に、下見に行ってきました。ただ今、少し工事中ですが、門はこんな感じです。ご参加の方に参考になれば。

blog_MG_5164.jpg厳密には現在はお寺ではないので、「お寺で写真講座」というのは少しまやかしとも言えますが、大本山南禅寺の管理下にあり、また山内でもありますので、そこのところはご容赦を。旧来は「大寧寺」という寺院であったものが一時期、どなたかの別荘のようになってしまっていたようです。

お花の講座や、座学を行なう室内の様子を見せていただいたあと、庭園へ。そこで唖然としました。というのは、今回のカメラ講座は、シャッタースピード優先などを学ぶために、水の流れがあるところをということで探し当てたこの大寧軒なのですが、なんと、池の水がすべて抜かれているではありませんか。柴田先生と二人、大汗をかきました。大慌てで南禅寺の担当の方に確認して貰ったところ、現在、工事の関係で水を抜いてあるけれども、講座前日までには池に水が戻っているとのこと。二人で胸をなで下ろしました。

というわけで、当日には、おそらく琵琶湖疎水の水をとりいれていると思われる、水豊かな庭園を撮影することができるはずです。今からでもお申し込み可能です。是非どうぞ。

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あえて庭の全容はお見せしないでおきましょう。

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沙羅の花を愛でる会(東林院)

 

blog_AC_1910.jpg毎年、サンガセミナーの精進料理教室でお世話になっている、京都・妙心寺の塔頭のひとつ、東林院では現在、「沙羅の花を愛でる会」を開催されています。そそと咲く花と青苔に浮かぶ落花の風情を感じることができる拝観です。

blog_AC_1914.jpg6/15~6/30(金)の午前9:30~午後4:00。会費はお抹茶とお菓子がいただけて1600円。精進料理を頂くこともでき、そちらは5950円です。残すところあと3日。

blog_AC_1926.jpg毎年、6月の後半に行なわれている特別拝観です。和尚さんの法話も聞けますよ。
今年間に合わなさそうな方、来年はいかがでしょうか。

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妙心寺にて白隠禅師250年慶讃法要!

 

blog_AC_1435.jpg昨日、5月11日、臨済宗妙心寺派の大本山である妙心寺にて、白隠禅師250年慶讃法要が勤められました。
これは臨黄合議所の遠諱法要とは別に、大本山妙心寺が勤修されたものです。
ブログタイトルになぜ「!」を敢えて打ったか。
じつはこれが歴史的なできごとだからです。かの白隠禅師の遠諱法要が、未だかつて本山である妙心寺で行なわれたことがなかったからなのです。
なぜか。それは、白隠禅師は妙心寺において開堂されたことがない、つまり妙心寺住持として世代に入られていないからなのです。しかし、現在の臨済禅は、大應-大燈-関山と続く法脈下にある、白隠の法系を遺すのみなのです。
そういうことがあって、このたび、白隠禅師の示寂250年を記念した慶讃法要が、はじめて妙心寺にて勤められたことは、まことに異例なことなのです。

blog_AC_1416.jpg妙心寺の法堂上に、かの白隠禅師の木像(三島・龍澤寺蔵)が安置されているのをみたとき、龍澤僧堂にほんの少し在錫しただけの私でさえ、感動をかくせません。とても、とても感慨深いものがあります。
もちろん、参列されている各派管長、僧堂師家の老師方も、そういった思いをお持ちではないかと思いました。

blog_AC_1410.jpg法要導師はもちろん、妙心寺派現管長である江松軒嶺興嶽老師。十八拝式という最も丁寧な仏事を行なわれた後の、慶讃法要の偈頌は、次の通りでした。

遺風二百五旬年
的々分明鵠林禅
今日幸逢真面目
洪恩親報一爐烟

blog_AC_1460.jpg香語の後は、楞厳咒の読経で、居並ぶ江湖の老師方がともに行道されました。

blog_AC_1487.jpgさて、今日はこれから、花園大学教堂にて、「白隠禅を現代にどう生かすか」をテーマに、「白隠シンポジウム【京都会場】」が開催されます。

 

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季刊『禅文化』は、花園会館にありました

 

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季刊『禅文化』を、花園会館と南禅会館の客室に置かせてもらうようになったことは、別のスタッフが2月に本ブログで紹介しましたが、禅文化研究所の所員で、花園会館や南禅会館をよく利用するのは、在宅で仕事をしていて、時折上洛する小生くらいなものです。先日も、ある所用で花園会館を利用しました。

「ほんとうにおいてあるかなぁ」、「お客さんは、読んでくれているかなぁ」と、その日は、いつもより少し緊張して客室に入りました。

果たして『禅文化』243号が机の引き出しにチャンと置かれていました。ホテルの一室で『禅文化』を見るのは、なんとなく照れくさい思いもしました。

手に取ると、中程のグラビアページまで、誰かが読んで下さったのでしょう、めくられたページはブクブクにふくれていました。その号のグラビアは、去年3月にあった臨済禅師の遠諱大摂心における雲水さんたちの颯爽とした凛々しい姿の写真でしたので、見る人を圧倒したと思います。

ところが、それ以後のページは、新品同様でめくられた様子がありませんでした。花園会館に宿泊されるからといって、仏教や禅に興味を持っておられる人とは限りません。

グラビアページ以後のページをいかにしてブクブクにふくれるまで読んでもらえるか。『禅文化』は、マンガ雑誌や週刊誌ではなく専門誌ですので、易しい記事と難しい記事が混在しています。この易と難とのバランスをどう取っていくのか、それこそ難しい問題ですが、禅文化研究所所員の一人一人の課題だと思います。

そんな中で、最近は毎号に大なり小なりの特集を組ませて貰っています。来号では「袈裟と法衣」の特集を組んでいます。近いところからさかのぼっていくと……

243号「遠諱報恩大摂心からの一歩」
242号「永源寺開祖・寂室元光禅師」
241号「禅と能」
240号「東京・麟祥院とゆかりの人々」
239号「驀顧す、臨済録」
238号「武蔵野の禅刹平林寺」
237号「大拙・寸心両居士の禅思想点描」
236号「衆生と向き合う禅僧」

いかがでしょうか。わたし達も、もっともっと試行錯誤を重ねて行きます。読者の皆様の御助言をお寄せ下さい。

ところで、花園会館も南禅会館も、いいホテルですよ。早朝、鐘の音が聞こえたり、すぐに禅寺の散策ができたりします。お泊まりの際には、引き出しに、『禅文化』があれば、手に取ってみて下さい。京都旅行に、予期しない感動が待っているかも知れません。


※季刊誌『禅文化』の年間ご購読お申し込みはこちらからどうぞ。

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法界寺(山科)

次号の季刊誌『禅文化』243号で、佐々木日嘉里先生が連載の「部分から全体へ」で紹介される、山科の醍醐にある法界寺を訪ね、記事中に掲載するお堂の写真を撮影取材に行ってきました。

このお寺は真言宗醍醐派の古刹で、藤原氏の北家にあたる日野家の菩提寺であることから、「日野薬師」という別名もあり、また浄土真宗の開祖親鸞の誕生地でもあるそうですが、はずかしい事に私は今まで訪ねた事もなく、その存在すら存じ上げなかったのです。
京都市営地下鉄東西線の東側の終点「醍醐駅」の一つ手前の「石田駅」で下車し、徒歩で東へ向かいます。

_MG_0237.jpg少しいくと、旧奈良街道筋に二本の石柱が立っています。少し登りですが、まっすぐに東へ10分ほど行くと、日野薬師への辻にまた石柱が。

_MG_0232.jpgここを右折したらすぐに左手に見えてくるのが法界寺のようです。山門の先に境内が広がっているのが見えました。山門の向かいのおうちもなにやら少し変わった建前でしたが、それはさておき、境内へと進み入りました。受付で申し出れば、通常拝観をされているようです。

_MG_0187.jpg_MG_0188.jpg萬福寺の敷石に似ているなぁと思いながら奥へ進んでいき、予め連絡を入れておいたので、取材をさせていただきます。

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まずは、こちらが本尊の薬師堂。いわゆる日野薬師さんのお堂です。内部撮影は禁止されています。中には安産を願っての前掛けが所狭しと掛っていました。中には重要文化財のお薬師如来が祀られているのですが、みることはできませんでした。

そして、その左手にあるのが、取材の対象となっている阿弥陀堂(国宝)。藤原時代に建てられた建造物で、内部にはこれまた国宝の大きな「木造阿弥陀如来坐像」が祀られています。

_MG_0195.jpg許可を得て内部も撮影いたしましたが、詳しくは次号季刊誌『禅文化』243号をご覧下さい。

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水鏡

 

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山鉾巡行(前祭)も終わり、いよいよ本番を迎える京都の夏。
涼しげな主菓子と、大好きなガラス作家さんの器から、涼を得ます。 

何でも無い、シンプルなように見えて洗練された菓子の意匠と、私がいつも好んで水を汲んでいる同じ井戸の水が使われている事からも気に入っている菓子屋のもので、御名は「水鏡」です。

菓子の意匠や名前1つにも、日本の文化と四季の豊かさが感じられ、しみじみ有難く思います。

「暑いならその暑さになりきる事だ……」と僧堂などでは老師の叱咤激励が飛ぶのでしょうが、凡夫はなんとか暑さを凌ごうとあれこれ工夫をしてみるのでした。

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長岡禅塾訪問

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そぼふる雨の日の朝、京都府長岡京市にある長岡禅塾を初めて訪ねてまいりました。

長岡天神の森に連なる形で建っている長岡禅塾は、大学生を対象にした禅の寄宿塾で、昭和11年、日商岩井(現・双日)の前身である岩井商店の創業者岩井勝次郎氏によって設立されました。今も、関係企業や団体からの寄付金によって運営されているため、塾生は寮費を払うことがありません。

宗教法人(お寺)ではなく公益財団法人としているため、特定の宗派に属しているわけではありませんが、禅の実践生活をしながら大学に通えるように運営されています。

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初代塾長は、その辛辣さより「剃刀香洲」と呼ばれた梅谷香洲老師、二代目は西田幾多郎博士の高弟であった森本省念老師、三代目現塾長の浅井義宣老師と引き継がれ、現在は、副塾長として塾生ならびに通参の社会人の指導に当たっておられる北野大雲老師がおられます。

この長岡禅塾に寄宿し、のちに本山管長や僧堂師家になられた方も少なくありません。梶谷宗忍老師(大本山相国寺管長)、糸原圓應老師(平林僧堂師家)、篠原大雄老師(大本山永源寺管長)、道前慈明老師(大本山永源寺管長)などなどです。

現在は塾生が3名しかおらず、さらにそのうち2名は外国人だとかで、非常に運営に苦労をされているようでしたが、それにしてもこの掃除の行き届き具合は驚きでした。また、玄関から取り次いでくれた塾生の立ち居振る舞いは、僧堂の雲水とはちがい、非常にゆったりとした独特のもので、ある意味、感動さえ覚えました。

 

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7月1日からは摂心もあるということで、そういうときには、通参の社会人なども来られるとのこと。それぞれに個室の宿舎があてがわれ、禅堂では坐禅、そして老師に参禅といった僧堂摂心に準じた生活がなされるようです。

禅堂で寝泊まりはしないため、いわゆる単箱や蒲団棚はありませんので一風変わった禅堂ですが、内単と外単があり、たいへん立派なものでした。

1年以上寄宿することを前提に、入塾生を随侍募集されています。また一般の方には、坐禅会や提唱へ参加いただけるようです。詳しくはホームページをご覧下さい。

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さて、このたび、この長岡禅塾副塾長の北野大雲老師の著書を、禅文化研究所から発刊させていただくことになりました。禅門には、豪快、愉快、奇天烈な逸話がたくさん残っています。これらは実はそれぞれの禅者が厳しい修行をし坐り詰めてこそ出てきた話なのですが、老師自ら、そういった話を拾い集め、読み解き、一般の方々に広く知ってもらいたいということで、『禅に親しむ』(予価1300円〈税別〉)と題して9月中旬に発刊予定です。

どうぞお楽しみに。

 

 

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京都駅ビル"京都美風"にて「COOL 禅~ZEN~」パネル展

 

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本日4月1日より、京都駅ビルの南北自由通路にありますイベントスペース(JR京都伊勢丹前)にて、“京都美風” 「COOL 禅~ZEN~」パネル展が開催されております。
これは、臨済義玄禅師1150 年遠諱、白隠慧鶴禅師250 年遠諱を記念して行なわれる「春の京都禅寺一斉拝観」事業や京都国立博物館の特別展「禅 -心をかたちに-」と連動し、「禅」をテーマにしたパネルおよび墨蹟の展示を行なうものです。
昨日、その施工工事に出向いてきました。

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書画墨蹟は6点を禅文化研究所から貸し出し、またこの度の遠諱にあわせて作成されたDVDを開催中、常時放映するものです。
京都駅にお出かけの際には、是非ご覧下さい。
開催期間:平成28 年4 月1 日(金)~平成28 年4 月27 日(水) 
開催時間:10:00 ~ 19:00

主催:京都駅ビル開発(株)/西日本旅客鉄道(株)
協力:臨済宗黄檗宗連合各派合議会/公益財団法人禅文化研究所/公益社団法人京都市観光協会

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 また、期間中、二度、パネル展会場近くにあります「京都茶寮」にて、禅僧による法話や椅子坐禅指導がある、“「禅」文化講座 in 京都茶寮”もあります。参加費2000円でお弁当付き。こちらは人数限定でご予約が必要です。詳しくは下記をご覧下さい。

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50回記念 京の冬の旅 ごあんない

京都市観光局さんが主催されている「京の冬の旅」
今回、洛南エリアの東寺さん以外はすべて禅寺!のようです。

151224-1.jpg遠諱記念・春の京都禅寺一斉拝観が待てない方は、まずは冬の京都へどうぞ。

 

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恵みのリース作り 京田辺にて

一ヶ月以上前の話になりますが、研究所でもお花の講座をしていただいている雨宮ゆか先生が来京の折、京田辺の自然の恵みから作る“リース作り”を教えていただきました。

151222-1.jpg先生と京田辺の自然の中を歩き、リースの土台にできる蔦や枝、素材にする草花など、色々と学びます。もうそこはリース作り素材の宝庫!

151222-2.jpg山を歩いて花を採り、生ける事に関しては、かねてより福森雅武先生とご一緒させていただき、花には目がゆくのですが、なかなかリースの素材はわからぬもので、目から鱗の学びの時間。自然の中を歩いていると、身体も心も生き生きと、あっという間の豊かなひとときでした。

151222-3.jpg採ってきた素材を、この日お世話になった友人宅の床にひろげて…。こうやって眺めるだけで満足です。いえいえリースを作らなくてはならないのですが…。

自身で色々素材を集めて来ても良いという事でしたので、私は大好きな月桃の実やらユーカリの実を持参していました。そしてできあがったのが下のリース。

151222-4.jpg家に帰って飾って眺めていますと、何かがおかしい…不協和音のよう。はたと気がつきました。そういえば、先生は自宅の周りにあるものでリース作りに使えそうなものを持ってきてもらっても良いですよ!と仰っていたのでした。月桃は沖縄の…ユーカリは海外ですよね…。私としたことが、何をしているのだろう?!と思ったものでした。

そして、京田辺の素材だけで作り直したのがこちら…。

151222-5.jpgほっ…。違和感がなくなりました。先生にこの事をお話すると、

月桃は強いのですよね。そうでないと、生き残れない環境のところに生えるものだからだと思います。京田辺は地味豊かで優しい土地なのだと思うのです」。

というお返事が。
私が気づくまで、「おかしいよ」などと言わずにいてくださった事に感謝です。あれこれと言う事は、相手の気づきを奪うのだなという事も教えていただきました。

この地味豊かで優しい京田辺の土地、自然。改めて、以前ご紹介しました一休寺さんの借景が失われようとしている事に心痛みました。
私がこのリース作りを教えていただいた次の日には、友人宅(とても美味しく、素敵なレストランをされています)でたくさんの方を集めてのリース作りの会が開かれました。どうぞ京田辺の自然をこちらでお楽しみください。


昨年も、「毎月でも習いたい!」と仰ってくださった参加者の方がいらっしゃいましたが、また来年度も研究所のサンガセミナーで、雨宮先生にお花の講座をしていただく予定ですので、お楽しみに!

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金閣寺参拝

 

151209-1.jpg「京都は生まれて初めて!」という小学校4年生の娘さんを連れて、友人が長野から来京。
一番行ってみたい所は?!やはり金閣寺(正式名称鹿苑寺。臨済宗大本山相国寺の門外塔頭ですよ皆さま)!

151209-3.jpg瑞々しい感性と共に参拝する金閣寺には、大人には無い発見があったり、「ん?!」と答えにつまるような質問をされてしまったりと、世間の一般常識や型にはまった自分を崩壊させてくれる良い機会、学びの時間となりました。

151209-4.jpg今年は紅葉も遅かった為、12月に入ったというのにちょうど見頃で美しく。意外と子どもよりも楽しんでいる大人たちでありました。

151209-5.jpg千本玉壽軒さんの、その名も“金閣”。なんともかわいらしい鳳凰、借景の山々まで美しく。
金閣寺納豆入りの餡が入った美味なるお菓子。金閣寺売店のみでの販売だそうです。

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京都御苑の紅葉

 


151207-1.jpg先週はぐぐっと冷えた日がありましたからでしょうか、いま一つだった紅葉が、加速度的に進んだようでした。
それでもまだ暖かい日が続いております。どうも心身ともに12月という気がしなくて困っている私です。
皆さまはいかがでしょうか。

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月釜 於:大徳寺

千利休の月命日の11月28日(土)。大徳寺のいくつかの塔頭にて釜が掛けられますので、久々にでかけてみました。

11月は、炉開きで茶室のしつらえも新たに、火が客の方へと近づき、さらに半年間茶壺でねかせたお茶の口切りがある季節。
茶人の正月とも言われるおめでたい月であります。
道具もどこかしらその喜びを表す物が並び、風炉の季節の軽やかさとはまた違った重厚感があり、「あぁ、いよいよ茶の湯の本格的な季節の訪れだ…」などと思うわけです。

151202-1.jpg本格的も何も、年がら年中稽古もしていますし、日本にはそれぞれに素晴らしい趣きある四季が存在し、その四季とともに育まれた奥深い日本の文化である茶の湯。常に自身と向き合うような道なのでありますが…。


太陽の出ている時間も少なくなってゆき、なんとなく自身の内と向き合うような季節。
さらに炉になりますと、風炉の時とは釜の位置が随分かわり、重心が変化し、自然と丹田に力が宿るような坐り方になるからでしょうか。習い始めてからずっと、一年中、いつも茶の湯が楽しく大好きで仕方がないのですが、炉の季節を迎えて最初の点前の時、必ず毎年「あぁ、やはり炉の点前は良いものだなぁ……」としみじみ思っているのです。

と、月釜の事を忘れていました。主のもてなしにはじまり、訪れる茶人達(客)の心構えまで、様々な人を先生とし、ほんとうに色々と学べる機会なのです。炉の季節の喜びを主客共に味わい、新旧の道具のバランスの絶妙な趣きに感嘆し、味わいつくして大徳寺を後にしました。

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高桐院の紅葉

サンガセミナー、禅の庭入門講座の時は、平日ということもあり参拝者も少なくこのような感じでした。
そして22日には三連休の中日という事もあり、参拝者多数!

151130.jpg特に、こちらのドウダンツツジは殊の外立派で、一体樹齢何年だろう…と思わせるような枝振りです(下写真の右側の赤く染まった木は、一本のドウダンツツジです)。

151130-1.jpgこの日、大徳寺本山では、開山忌(開山大燈国師)が厳修され、有難くも参拝させていただいておりました。

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11月も終わりますね。
冷え込んで参りましたが、体調崩さぬよう元気に最終月をお迎えください。

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枝ぶり

 


151104-1.jpg京都御所にある大好きな桜の木。
春にはこの木の周りにそれはたくさんの人々が集います。

151104-2.jpgこの季節はおそらくあまり見向きもされませんが、やはりその枝振りはハッとする美しさ。
花が散ろうが、葉を落とそうが、美しい。だから春にも美しいのですね。

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地球交響曲 ガイアシンフォニー第8番上映会のおしらせ

これまで幾度かこちらのブログ(下記です)でもご紹介させていただいております地球交響曲-ガイアシンフォニー

ガイアシンフォニー・地球交響曲第7番

呼吸と空

サーフィンと禅

 

150902-1.jpg私の場合、大学生時代のゼミの授業で教授から紹介され、ゼミ生皆で観たのが最初だったと記憶しています。
その後、観る度に、自身にベストなタイミングで必要な情報を与えられているようで、忘れては思い出し、思い出してはまたDVDを観てみたり・・・を繰り返しては、いつも目から鱗。感動が毛穴という毛穴から噴出するような思いを抱いています。

いつも我々人間の傲慢さに警鐘を鳴らし、気づきを与えてくれたガイアシンフォニー。東日本大震災を経て初めての作品に、またどのような気づきを与えてくれるのか、私も楽しみに伺う予定にしています。

さらにこの上映会、京田辺市にあります、シュタイナー学校で開催されます。我が大学のゼミの恩師の後輩が、「理想の学校が無いので創る!」と、創られた学校。お邪魔するのは初めてですので、それも楽しみにしています。

お申込み・詳細はこちら

 

今回は“樹”がテーマ。私も、いつも私が頼りにし、心の拠り所としているイチョウの大木があります。龍村監督のおことばを下記に転載させていただいておきます。

150902-2.jpgこの地球に初めて生命が誕生して38億年。生命は何度も絶滅の危機に瀕しながら、その都度奇跡のように甦り、新たなる進化を遂げ、私達人類は今、こ こにいます。宇宙は、自らが生んだ生命を“可能な限り永く生かせ続けたい”という意志を持っている様にさえ思えます。この“宇宙の意志 (Universal mind)”を地球上で体現しているといえるのが“樹”です。
樹は何億年にも渡って大気中の酸素濃度を21%に保ち続け、絶滅と進化を繰り返してきた多様な生命を生かし続けてくれたのです。
世界の全ての文化の中に、樹令数百年の老大樹には、精霊が秘んでいるという言い伝えがあります。「樹の精霊」とは、「宇宙の意志」の顕われなのかも知れません。

私達日本人の中には遥か縄文の昔から1万年近くに渡って聴き続けて来た樹の精霊の歌声が、かすかな残響波となって今も響き続けています。
東日本大震災から4年、真の復活を遂げる為に私達日本人は今、なにに気付き、何をなさなければならないのか!
「樹の精霊の声、すなわち宇宙の声を聴く力を甦えらせなければならない」と気付いた日本人達がいます。地球交響曲「第八番」では、この人々の想いと活動を世界に向かって発信します。

地球の未来の全ての生命が健やかに、末永く生き続けることを願って。   龍村仁

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東福寺夏期暁天講座のごあんない

 

150730.jpg大本山東福寺にて開催される暁天講座のごあんないです。

来たる8月2・3・4日の三日間 大禅堂で開催されます。
午前6時より坐禅・6時半より法話との由。是非ともご参集いただきますよう、宜しくお願い申し上げます。


※暁天講座のご予約はできません。
※費用は無料です。
※法話後にお茶とお菓子がでます。

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一休寺と能楽発祥の碑 -京田辺-

 

150702-1.jpg約一ヶ月ほど前になりますが、京都市内より少し足を伸ばして、京田辺の一休寺(酬恩庵)さんを参拝させていただきました。仕事でも禅寺、休日も禅寺です・・・。

こちらはいわずもがな、一休さんが晩年をお過ごしになられた寺であります。詳細は、一休寺さんのウェブサイトがとてもすっきりと見やすく詳しく、写真も美しいのでそちらをご覧になってみてくださいませ。

150702-2.jpgすっかり力強くなった緑がえもいわれぬ美しさ

150702-3.jpg趣ある開山堂 大應国師の木像が祀られています

都からは少し離れたこのような地の荒れた寺を、元は大應国師が建てられた寺であるという事もあり一休禅師が再興されたわけでありますが、1500年のむかし、一時都が置かれしこの地の“気”を、禅師は愛されていたのではないかなぁ・・・などと思いつつ、広い境内をゆっくりと歩かせていただきました。

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大應国師
大應国師
大應国師

余談ですが、門前でかなり気になる碑を発見。能楽発祥の碑とな?!

150702-6.jpg→に誘われるままに歩みを進めて参りますと、薪神社へ。確かに能楽発祥の碑があります。が、何の説明も無く、帰ってから調べてみますと、なんとこの地で、金春禅竹(1405~1570)が、一休禅師の為に猿楽を演じたのだとか。

金春流の中興の祖とされ、世阿弥の娘婿でもあり、世阿弥との深き交流でも知られる禅竹ですが、応仁の乱の際に、この近くに移り住み、一休禅師と交流がありました。
そういえば何らかの本で読んでいたと思うのですが、私の場合お恥ずかしながらすぐに忘れるものでして、こうやって足を運んでワクワクしながらその土地の歴史に触れますと、二度と忘れないほどに脳裏に鮮明に焼き付けられるものですね。
思い出深い参拝となりました。

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*一休寺さんの売店で販売されている大徳寺納豆入りの洋菓子、“もくもくじ”。ちまたでは既に有名ですが、私もかなりオススメです。

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天橋立 智恩寺

 


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日本三景の一つ、天橋立へ。同じ京都とはいえ北の端である宮津へは初めて趣きました。
「三景とは、誰が決めたのだ!?」と、誰もが思うところかと存じますが、江戸時代初期、全国を行脚した儒学者・林春斎が『日本国事跡考』に、 卓越した三つの景観として紹介したそうな。
松島も宮島も、訪れてみては「なるほど」と思ったものですが、やはりこちらも。自然のなせるダイナミックな造形美に心打たれました。

150630-2.jpgそしてこの地にあります智恩寺の文殊菩薩はこれまた日本三文殊の一つとして有名ですが、実はこちらの寺院、臨済宗妙心寺派の禅寺なのであります。ご開帳は年に数回らしく、そのお姿を目にする事は叶いませんが参拝を。

150630-3.jpgどの地へ趣いても、禅寺の雰囲気はやはり良いものだ・・・と一人納得。こちらのお寺では殊の外、境内に祀られている五輪塔や宝篋印塔にも惹かれました。

150630-4.jpg150630-5.jpgまた、いつも旅をすると、その地に伝来する謡曲にも心惹かれます。願わくば、その土地に縁の番組は、その土地で拝見してみたいものですね。

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動植綵絵 複製画公開 -相国寺-

臨済宗大本山相国寺方丈において、伊藤若冲筆の動植綵絵の複製画が公開中です。

150611-1.jpgこの動植綵絵、元々は相国寺蔵でありましたが、明治の廃仏毀釈で寺が弾圧を受けていた折、境内地を守る為に手放されたものであります。
いわばこの三十幅が境内を守ったわけで、それがなければ現在の相国寺さんはどうだったのであろう?!などと思いつつ、感慨深く拝見しました。

150611-2.jpg美術館などで公開される事はありませんので、相国寺の観音懺法会前に方丈で公開されるのみです。
複製とはいうものの、絹本にコロタイプ印刷、さらに絵師により加筆されていますので、「真贋を見分ける・・・」などという世界からも逸脱するかのような・・・。

さらに、歴史的な背景や、この度複製が叶い、観音懺法会にて方丈にお軸を配しての儀式が復活した事など、様々な“おもい”に心寄せる時、確かに伊藤若冲が描いたものではなくとも、色んな思いを載せて、この軸は既に有難き宝、今後も大切にしてゆくべき遺産なのだと思いました。

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表千家長生庵・堀内宗心宗匠ご逝去

5月27日に、表千家堀内長生庵の前庵主・堀内宗心宗匠がご逝去されました。

季刊『禅文化』にご寄稿いただいた事もあり、書籍の刊行でも大変お世話になりましたのはもちろんのこと、私個人としましては、茶の湯の師匠が長年師事するお師匠さんとして、遙か彼方に望む道しるべのような御方でした。
世の定めである事を知りながらも、ずっとお元気で我々を導いて欲しいと、あらぬ願いを抱いて参りました。

150604.jpg訃報を耳にした次の日はいつもの稽古日。
「私でもこのような気持ちなのだから、我が師のお気持ちはいかばかりか・・・」と思い稽古場に向かいましたが、師は明るく、「さぁ、宗匠にお教えいただいた如心斎式の花月を皆でやりましょうよ、宗匠にご覧いただきたいわ」と・・・・・・。

稽古場の先輩が点ててくれるお茶一幅を口にしても、茶室で何をしていても、宗匠が満ち満ちているような気がして、私が茶の湯の稽古を続ける限りは、宗匠はいつも生きていらっしゃるとわかった次第です。
旅立たれてなお尊い御教えをくださる御方。その御方の教えを一言たりとも聞き逃さぬと稽古を励んで来た我が師。
気持ち新たに稽古に励もうと思った次第です。

150604-1.jpg引く人も 引かれる人も 水の淡の  浮き世なりけり 淀の川舟

 

また、宗心宗匠は建仁寺の竹田益州老師に参禅され、各派の管長や老師方とも交流のあった御方。
ここ最近、研究所の理事会や記念企画で様々な和尚さん方にお会いしましたが、管長や老師、総長さんをはじめ、花園大学の茶道部で宗匠のお人柄に魅せられた和尚さん方が口々に「あのような方は稀有の存在であった、素晴らしいお人柄であった」と仰るのを拝聴する機会にめぐまれ、皆さんと宗匠の事を偲ぶ機会があり、有難い事でした。


心より、ご冥福をお祈りしております。



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その場の気が変わる・・・

私ごとですが、大親友が二冊目となる料理本を出版しましたので、お祝いも兼ねて記念会を主催してみました。
彼女のところ(窯元です)で作っている土鍋を使った料理を紹介する本ですので、皆さまを料理でもてなし、さらに彼女が自分の為に築いた新しい穴窯で作った作品などを展示させていただきました。

京都の町家(というよりも数寄屋建築の家ですね)を貸し切り、何も無かったその空間に、彼女の家から持ってきてもらった軸を床に飾り、彼女の作った水指に山から採ってきた枝を生け、敷板には春日大社の古材を用いました。

150507.jpgこの岸野魯直先生(山田無文老師について、3年間祥福僧堂で修行されていました)の水墨画、“笠置渓谷”の軸を掛けていて本紙が現れました時、まさに新緑の笠置渓谷、ご神体とされる笠置山、戦火により今や光背を残すのみの笠置寺の磨崖仏がぶわっと眼前に立ち現れる心地がし、いたく感動してしまいました。
摩訶不思議水墨画の世界。意識したかしないかのほんの一瞬の出来事です。

本来、軸の本紙(絵や字がある部分)に花や枝がかかる事は御法度ですが、新緑の笠置渓谷を思うとそんな事もどこへやら、写真のように生けていました。
私の中では、どこまでがお軸の中の緑、どこからがこちら側で実際に生けている緑なのかわからなくなっているという面白い体験でした。

いつぞや、敬愛する福森雅武先生が、「その場の空気が変わるくらいの花でなくてはいけないんだね。概念や形から入るんじゃないんです」と仰っていましたが、少しは場の気も変わりましたでしょうか。「本紙に掛かってはいけない」などと頭で考えていたら、このようには生けられなかったように思います。

今回このような事をしてみて、軸や花、器などによって、空間が生気を帯びてゆく様を体験し、誠に面白いものだなと感動しました。

家や部屋ですら、置いている物の気によってどんどんと表情を変えて生き生きとしてくるのですから、人間が日々、自身の身を置く場の大切さといえば言うまでもなく。
修行僧の為に夢窓国師が作られた庭、掃き清められた僧堂の清々しさを思い出すのでした。

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坐禅と朝バッハ  於:妙心寺金牛院


150501-1.jpgお声かけいただき、出勤前にちょっとユニークな早朝坐禅会に参加して参りました。

「朝バッハ」付きというのが、普通の坐禅会にはない試みです。しかしそもそも、朝バッハってなに?坐禅の後にコンサートでもあるのでしょうか。それとも、流行の兆しが見えるドイツ菓子かなにかの名称?

と、いろいろ考えましたが正解は「朝、バッハの楽曲を演奏(練習)すること」。なんと坐禅中、同じ空間でプロの音楽家による生演奏が行なわれるというのです。

というわけで、一しゅ目はご住職の指導のもと通常の坐禅を行ない、二しゅ目、斎藤孝太郎さんの朝バッハ=「無伴奏チェロ組曲」が流れる中で坐らせていただきました。

坐禅中ですから、聴かせるための音楽ではないはず。それでもつい、意識が心地よいチェロの調べに向いてしまう自分に苦笑でしたが、静かに坐る場で音楽が邪魔だったかというと、決してそうは思いませんでした。以下、坐禅を終えて自分なりの気付きです。

坐禅と楽器演奏は一見まったく異なるもののようですが、自己と向き合うという点で共通していますね。呼吸が大切で、修練に終わりがないことも同じ。心を整える必要性も似ている気がします。「坐禅」と「朝バッハ」、互いに別のことをしながらも自分と向き合う時間を共有していたのかと思うと、帰り道は清々しさもひとしおでした。

私自身、弦楽器の演奏が趣味なのですが、坐禅レベルの緊張感で弾く機会は先生の前に出たときくらい。随分もったいないことをしてきました。今夜の練習は、今朝の張り詰めた空気を思い出してグッと集中したいと思います。

150502-2.jpg坐禅後の茶礼で配られたのは、円相に見立てたドーナツ

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南禅寺管長 臨済録提唱 於:南禅院


150410.jpgおはようございます。

本日10時より、南禅寺山内・南禅院にて、南禅寺派管長・中村文峰老大師による臨済録提唱があります。
これは、臨済禅師1150年遠諱に因んで開催されるものです。
是非みなさまご参集いただきますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

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「もうひとつの京都」展

 

150316-1.jpg本日は催しのお知らせです。

3月18日より名古屋の三越にて、京都の工芸作家による合同展覧会が開催されます。
季刊『禅文化』に季節の切り絵をご提供いただいている、切り絵作家・田中道男さんも出展されます。

150316-2.jpg田中さんの切り絵は「絵画」「工芸」「写仏」の三つに分類されていて、基本的に“一品モノ”となる「絵画」はとても密度が高く、素材も吟味されているそうです。今回は、クラフト市と銘打たれてはいますが、そんな「切り絵絵画」の大作も展示されるとのこと。

禅宗寺院を取り上げた作品も多い田中さんですが(高桐院さんのお玄関にも飾られていました!)、色や紙の質感、立体感などをお伝えできないことを常々心苦しく思っておりました。和紙の奥深さを再発見できる機会にもなると思います。お近くの皆さま、ぜひお立ち寄り下さい。

クラフト市「もうひとつの京都」

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大徳寺月釜



150304-1.jpg毎月28日には、大徳寺のいくつかの塔頭で表千家の釜が掛かります(大寄せといって、誰でも参加できるお茶会があるのです)。先日もお邪魔して参りました。
若かりし頃より、28日が仕事休みの土日と重なればなるべく行くようにし、色々と学ばせていただいております。

150304-2.jpgこの日はほぼ表千家のお席で、私が稽古している流派の先生方が釜を掛けられるわけなのですが、これまでに様々な流派のお茶会を経験してきて思うのです。
 
皆、茶の湯の稽古をする者は、どちらかの流派に属して点前を習っており、稽古を続けているのですから、恐らくはその流派が好きなのだと思うのです。もちろん私も、好きだからこそ続いています。

150304-3.jpgただ、長く続けてきて、これこそほんとうの学びなのだろうな……と思いますのは、「結局は流派は関係なく、お茶をするその人自身がどうであるか…というところが一番大切なのだ」という事に気づいた事であります。

お茶を習おうとする方に、「どの流派がいいだろう?」と相談されると、昔は「そりゃあ表千家です」と答えたものですが、今は「私は表千家が好きだけれど、結局はどの流派であれ、師事する先生によると思う」と答えています。
これは、宗教でも同じなのだろうなぁ…などと考えています。
ただ、好みや、合う合わないは確かにあるわけで、私はやはり禅宗が好きだなと思っています。

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「京の禅寺」が特集されています

 

150204.jpg京阪沿線にお住まいの皆さま、京阪電車の機関誌『K PRESS』をご存じでしょうか?

鉄道会社の機関誌ですから、あくまで「沿線情報」という括りの中で、毎号、趣向を凝らした企画が目白押し。フリーペーパーなのに読み応えがあり、私は毎月発行を楽しみにしています。

最新の2月号では、京都の禅寺が1ページで特集されていました!キーワードを元に、禅についてまとめられています。専門的には「ちょっと違うぞ」という説明もあるのかもしれませんが、

何より一般の人が「へえ、禅についてもっと知りたいなあ」「お寺を訪ねてみようかな」と、興味を持ってくださるきっかけになるんじゃないかなという内容です。

ご遠方の方は、便利な電子版でどうぞ。

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ワザとこころ 能の伝承 -京都観世会館-

成人の日、京都観世会館にて開催されました「ワザとこころ 能の伝承~稽古と修行と教育」という大変興味深いシンポジウムに参加しました。

150119-1.jpg
これは、京都大学こころの未来研究センターとの共同企画で、センターの鎌田東二先生を進行役に、なんと観世流宗家・観世清河寿氏と、さらにご子息の三郎太さんを迎えて、まさに題名にあるごとく、父から息子へと連綿と受け継がれてきた能の稽古や修行、教育について、空気を読まない(とご自身や同僚の先生方が仰っておられました)鎌田先生が忌憚なく質問を投げかけられ、またそれに宗家と三郎太さんが忌憚なく答えられるという、前代未聞、能ファンにとってはありえないような興味深すぎる会なのでした。

プログラムは下記のとおり。

■開会挨拶:吉川左紀子(京都大学こころの未来研究センター長)
■趣旨説明:鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター教授・宗教哲学・民俗学)
■第1部 :能の稽古の伝承のトーク
観世清河寿(観世流二十六世宗家)、観世三郎太、鎌田東二(司会)
■実演  :舞囃子
観世清河寿、観世三郎太
■休憩
■第2部 :シンポジウム「能の伝承~稽古と修行と教育」
観世清河寿、観世三郎太、西平直(京都大学教育学研究科教授・教育人間学)、
河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター教授・臨床心理学)、鎌田東二(司会) 

なんと、実演まで。
舞囃子というと、面や装束をつけず、紋服袴のままで、地謡と囃子を従えて舞うのですが(今回囃子方はいませんでした)、曲中の最も盛り上がる部分を抜き出して拝見するような感じ。今回は「とうとうたらり~たらりら~」の始まりで有名な翁を。
1月ですから、国家安泰、鎮魂と未来への再生を願うこの舞を拝見できた事は特に有難い事でした。

また、宗家の公演は東京が主ですので、拝見するのは大学生の頃以来、約15年ぶりでしょうか。学生の頃に感じたのとは全く違い、宗家が変わられたのか、私が変わったのか、いやどちらもなのでしょうが、月日を経てまた出会うとは、なんとも良いものだなぁ・・・としみじみ思いつつこの会に感謝。
朗々たるお声にしばし違う世界へと誘われました。

150119-2.jpg我々一般人からすると、観阿弥・世阿弥の時代から続く家に生まれた重みという事にすぐに思いが至るものですが、ご子息の三郎太さんはそれはもう、生まれた時からそこに居るわけなのですからごく自然の平常心。なんのてらいも無い中学三年生。清々しいものでした。
宗家も仰っていましたが、「近頃お客様の方が違ってきている。育てる眼というものどうか持っていただきたい」と。

京都のとある能楽堂で、初めて舞台に立つ家元のご子息を観て、おばあさん二人が「いやぁ、大きうなりはったなぁ若も」と孫でも観るかのごとく愛しげに見守っていらした姿を思い出します。

現代を生きる我々は、スピードを常に求められ、早い成長、完璧さを求めがちですが、成熟してゆく過程というものを、その中に潜む良さを発見しつつ、心の余裕を持ちつつ楽しめる人でありたいと思いました。

鎌田先生を筆頭に、西先生、河合先生それぞれの個性にもいたく惹かれたこの会。
始まりと終わりには、鎌田先生の法螺貝の音で会場も清められ・・・(神道がご専門です)。
こころの未来研究…これは、いつか禅とのシンポジウムも開催されねばならぬのでは?と一人妄想しています。

*翁発祥の地、奈良豆比古神社の記事はこちら。能役者ではない、地元の方が継承している翁の舞は、現在のお能のように洗練されてはいませんが、それがまたその起源を思わせ感動したものでした。

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あらためまして...

おはようございます。
昨日は所長より新年の御挨拶をさせていただきましたが、あらためまして、本年も宜しくお願い致します。

昨日より通常業務を開始致しておりまして、お休み中にいただきました書籍のご注文なども順に発送させていただいておりますので、いましばらくお待ちくださいませ。

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さて、お正月、京都では例年に無い雪景色となりまして、未だ寒さで雪が残っている屋根やお庭もちらほら。
京都御苑を訪れてみますと、「こ、こんな大きな枝が!!!」というような枝が折れて落ちているのでした。
吹きっさらしの断崖絶壁などに生えている松は強いはずですが、やはり雅な所に生えている松は弱いのだな…などと思ったり。人間も同じですね。

150107-2.jpg大好きな銀杏の大木は全く折れた枝も無く、一安心。友人に話しますと、銀杏はまな板にもよく使われるし、水気に強いんじゃないか?!との由。
確かに、寺社によく植えられるのも、水気を含んでいて火事の時に火消し役となりうるとの事でしたね。

150107-3.jpgちなみに、私の大好きなこのあたりのふかふか落ち葉。雨くらいではびくともしませんが、さすがに雪がつもり下敷きになってしまうと、ぺったんこに……。

人々に様々な思いを残していった、お正月の雪模様でした。

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酒の器展 -うつわ京都やまほん-

 

141212-0.jpg友と酒を酌み交わし語り合う・・・。このイメージにはやはり日本酒でしょうか。

私が大学生の頃に拝見してとても印象的で引き込まれた一枚の写真。
青山次郎氏と小林秀雄氏が骨董屋“壺中居”にて、盃や徳利を見てなにやら語り合っている写真です。あまりに有名な写真ですから、すぐに「あれね!」と浮かぶ方も多いのではないでしょうか(こちらに掲載できませんので、ネットで検索してみてください。すぐに出てきます)。
何もわからぬ(今もですが)若い頃の私も、さすがにこの写真は見た瞬間に「かっこいい・・・」と思ったものです。

その後、白洲正子さんの本などを読み、「なんとも酒器をわかるようになるには、肝臓を壊すくらいに呑まねばならぬのか。当代随一の目利きと言われたような人々でもそうなのだから、これはどうしたものだろう・・・」などと思ったものでした。

そんな私も今や、有難き御縁を頂戴し、研究所の取材でも何度もお世話になり、福森雅武先生の周りに集う面白き方々の末端に加わり、酒酌み交わし語り合う事もしばしば。そこには言いようの無い悦びがあります。
私は大使館や社交界のつき合いにあきあきしているどころか、そんなものはありもしませんが、白洲正子さんの「鶴川日記」を思い出します。

 

中でも、小林秀雄さんや青山二郎さんの話は面白く、河上さんが一緒に飲みに行くのがうらやましくてならなかった。何がうらやましいかといえば、男同士の赤裸々なつき合いぶりが、そういうことと縁のない環境に育った私には、うらやましいというより焼餅がやけた。

大使館や社交界のつき合いにあきあきしていた私は、そこに新しい世界が開けることを夢に見た。思い出してみれば、私は途方もない理想家であり、世間見ずの子供にすぎなかった。が、文壇人と会う機会はなかなか来ず、つづり方の勉強でもするように、ものを書いては河上さんに見て頂き、憂さを晴らしていた。

河上さんは、名だたる酒豪である。その飲みっぷりのすさまじさには、舌を巻くばかりであった。まだ銀座の裏通りや新宿に闇酒を飲ませてくれる家があり、お供をするのはよかったが、帰りが事だった。
そのころの小田急は、自分で扉をあけるようになっており、こわれてあけっ放しになっている場合もある。酔っぱらった河上さんは、そこから身を乗り出し、夜空に向かって何事か大声でわめく。私は必死になって、後ろからしがみつき、新宿から鶴川までがんばり通したこともある。
これも修行の一つと、歯を食いしばっていたのだから、滑稽というほかはない。もとより、泥酔しなくては堪えられない文士の辛さなど、当時の私にはわかるはずもなかった。

 

と、長くなりましたが、福森先生やその他日本を代表する陶芸家とその薫陶を受けた弟子による酒器の展覧会が、京都やまほんさんで開催中ですので、今日はそのご案内だったのでした。面白いのでおでかけになってみてください。

福森先生関連記事はこちらからご覧いただけます。

 

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自然界の妙

不立文字。

 

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掃除

 

141113.jpgこの前の休日は、神社での奉仕活動に参加させていただきました。

一番の心配事であった早起きは無事クリアしたものの、久しぶりに持った竹ぼうきが予想外に重く、軽い衝撃。初めは腕のだるさにばかり気を取られていました。

しかし、いつの間にか重さも忘れて落ち葉掃きに没頭していたようで、気づけば二時間が経過(苔に埋もれた松葉も、手で丁寧に拾いました!)。あんなに無心で掃除したのは、いつぶりでしょうか。

自分の気持ちまでスッキリして、ありがたかったです。

もちろん普段からお掃除が行き届いている場所ですが、「神様は清められた場でいっそう働きを増される」のだそうです。昔伺った神主さんのこのお話と共に、夏に訪れた僧堂の廊下がピカピカに拭き上げられていたことも思い出しました。

場を清めることの大切さに、宗教の垣根はないのだなあと思います。

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二条城市民茶会

 

141106-1.jpg11月1日(土)、元離宮二条城にて開催されました、第60回市民大茶会にお邪魔して参りました。
実は京都生活10年、その前から京都通いをしていたのですが、二条城に入るのは初めて・・・。意外と京都人にもこういった方が多いようです。
今回はお茶会ということで、これは一石二鳥!と楽しみに参りました。

141106-2.jpgこの市民茶会、さすがは京都です。昭和二十年代頃から続けられて、今年で60回を数えるとのこと。普段は拝観できない清流園内にあります「和楽庵」と「香雲亭」に茶席が設けられ、点心として蕎麦(河道屋さんが出張!)までいただけます。ちなみにチケットは二条城で売り出され(詳しくはHPを!)2500円と、とってもお得です・・・。

141106-3.jpgこの日は茶席に蕎麦、お庭の紅葉に二条城参観、手入れのゆき届いたお庭や比叡山まで眺められる景色など、存分に二条城を満喫させていただきました。

141106-4.jpg次回は城内にありますたくさんの桜を愛でる為、春に訪れたいと思います。

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京都御所一般公開中

 

141104-1.jpgおはようございます。
三連休、いかがおすごしでしたでしょうか?

私事ですが、茶会に京都御所参観に、美術館めぐりなどなど、充実した学び(遊び?)たくさんのお休みとなりました。

141104-2.jpg京都御所の参観は、明日までです。
春と秋に無料で一般公開されます。私は何度となく足を運んでいますが、毎回感動します。
襖絵などはもちろんのこと、特にいつも感激するのが木々などの庭の手入れの素晴らしさ。国家公務員である技官(庭師)が2人、毎日手入れにはいっていらっしゃるのだとか。大きな剪定作業がある時は、京都の庭師たちも応援にかけつけるようですが、あれだけ多く植えてある松の一本一本まで、それは見事です。
あとは、庭にある橋の姿が絶妙です。注目してご覧になってみてください。

141104-3.jpg多くの方が訪れて混んでいるように思われるかもしれませんが、とてつもなく広い敷地内を参観しますので、それほどストレスは感じませんよ!
明日5日まで。オススメします。

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『仏教では「心」をどうとらえてきたか』


141023-1.jpg過ごしやすい季節になりましたね。秋といえば、芸術、食欲、スポーツに読書といろいろありますが、学びの秋もいかがですか。

来たる11月8日(土)、京都大学人文科学研究所にて実施される公開講座のごあんないです。

夏目漱石の『こころ』発表100年に際して、古典に描かれた心を再考するという企画だそうで、季刊『禅文化』の人気連載「禅宗語録入門読本」でおなじみの小川隆先生(駒澤大学)も登壇されます(14:30頃予定)。

さて、仏教では「心」をどうとらえてきたのでしょうか。

予約不要、聴講無料とのこと。ぜひお運び下さい。

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*詳細は画像をクリックするか、こちらからどうぞ*  
京都大学人文科学研究所

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平安神宮での月釜


141021.jpg恐らくほぼ毎日・・・、土日は絶対にどちらかで釜が掛かっている(茶会が催されている)と思われる京の都。
久々に空いている休日に、ちょっとでかけてみましょうと、平安神宮内の茶室にて毎月第二日曜日に開催されている月釜(お茶会)にお邪魔してみました。

良い季節にはすごい人混みだろう・・・と、前は通れど実はお参りさせていただいた事も無かった平安神宮。朝早い事もあってか、訪れる人もまばら。茶席もさほど待つ事も無くお席に通されました。
その日は奈良の先生で、石州流のお席。自身が稽古するのとは違う流派のお席というのは、道具に対する考え方や所作の違いを知り、改めて自身の流派を見直す機会ともなり興味深いものです。

余談ですが、片桐石州といえば、大和小泉城主。大名茶人ですが、ことに奈良にあります彼が創建した臨済宗大徳寺派の寺院、慈光院の庭は有名で、弊所の季刊『禅文化』にも、京都造形芸術大学非常勤講師の町田香先生にご執筆いただいた事があります。
私はまだ訪れたことがありませんので、この茶会を機に、是非一度足を運ばねばと思った次第です。

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京都のお寺をめぐるお供にアプリ「京都禅寺巡り」

今年は毎年よりも秋の来るのが早いのか、朝夕はよく冷え込むようになりました。紅葉も早いかも知れませんね。

さて、弊所のスマホアプリ「京都禅寺巡り」(Android版/iPhone版)には、この秋の特別拝観情報が満載です。

2014-10-08-04.15.jpg

現時点で、妙心寺、東林院(妙心寺塔頭)、大法院(妙心寺塔頭)、萬福寺、東福寺、龍吟庵(東福寺塔頭)、天龍寺、宝厳院(天龍寺塔頭)、弘源寺(天龍寺塔頭)、等持院、南禅寺、相国寺、銀閣寺、大徳寺、高等院(大徳寺塔頭)、興臨院(大徳寺塔頭)、総見院(大徳寺塔頭)、黄梅院(大徳寺塔頭)、酬恩庵(一休寺)、高台寺、圓徳院、花園大学の特別拝観情報やイベント情報を配信しています。随時、追加情報更新中です。

また現在、秋の紅葉にあわせた、「秋のスタンプラリー」機能もご利用頂けます。秋の京都を散策される際には、是非おともに。

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私の思い出



140918-1.jpg
あれは3歳の頃。弟が生まれるというのでしばらく祖母宅に預けられていた私ですが、朝の記憶といえば、近くの京都御苑からやって来る鳩の鳴き声と、どこからやって来るのかは謎だけど割と頻繁に聞こえてくる「ほ~ぉ」の声でした。


「ほ~~~~~~~~~ぉい」と声が伸びるのが、なんかわからへんけど面白い!

なんかわからへんけど、いっぱい声が聞こえてくるのも楽しい!!


唱和して"~~~~~"の長さを競うのがマイ・ブームでした(すみません、幼児の考えることですのでお許しを......)。人数が少ない日はガッカリです(重ねてすみません......)。

声の正体についてはほどなく祖母から教わることになるわけですが、あれから30数年が経ちました。老師がたの中には、きっとあの時の雲水さんもいらっしゃるのでしょうね。

次号『禅文化』(10/25発売)では久しぶりに「吾が師を語る」を掲載させていただくのですが、今回は東福寺派管長・遠藤楚石老師、円覚寺派管長・横田南嶺老師による
対談形式です。

「どんなお坊さまにも修行時代があったのだな」と改めて感じ、同時に自分の思い出もよみがえった次第です。

*写真・水野克比古 絵はがきセットより

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京都御苑のきのこ

すっかり秋の気配。しかも雨がよく降っています・・・・・・。という事は、きのこ採りの名人によると、【きのこの季節突入!】という事らしいのです。

140909-1.jpg先日は、京都御苑にて食べられるきのこ、食べられないきのこについて、教えてもらっていました(一応問題ありだと思い、わたくし達、採取はしておりません)。
「御苑にきのこ?!」と驚かれるかもしれませんが、そこいらじゅうに生えているのですよ!
上の写真は、食べられるけど、美味しく無いきのこ・・・・・・(だったかな)。

140909-2.jpgお次はテングタケ。列記とした毒きのこです!!! これから傘を広げるそうな。
絵本に出てきそうな、いわゆる水玉模様のキノコの様相を呈していますが、毒を持っております。お散歩中のわんちゃんがそこいら中にいて、「大丈夫か?!」と思いましたが、動物は賢いから大丈夫ですね。人間の方があやういです。

140909-3.jpgマツタケモドキ?!でしたでしょうか(すみません結局覚えていません)。これは美味しいそうです!この木はすごい事に?!すっかり菌におかされております・・・・・・。
やはり、枯れそうな木や、朽ちかけの木にはびこるのですね。勉強になります。

ちなみに、食べられそうで食べられないきのこ、○○もどきと名のつくように、一見食べられるきのこに似ているのに毒をもっているきのこ、香りを嗅いでみると、「ホイル焼にしたらなんて美味しそうなのだろう・・・」と想像をかきたてられるのに、実際は毒を持っているきのこ。きのこの世界は奥深いです。
食べようと思われた時も、絶対に自身の判断で食さないよう、専門家に相談するようにしてください。
私の友人は、図鑑で調べつつ、毎年のように山に入り感性を研ぎ澄まし、時に自身が身を以て体験し(危険ですので絶対に真似しないでください)、名人と言えるまでになっているような人々です。きのこの道も一日にしてならず。
僧堂では、椎茸やらを栽培されているところが多いのですよ!
と、最後に禅に関係する事を一行だけ加えさせていただいて、本日は失礼させていただきます。

 

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常照皇寺 -京北-

京都市内ではありますが、中心部からおよそ1時間ほど車を走らせた所にあります、常照皇寺(じょうしょうこうじ・臨済宗天龍寺派)を参拝してきました。

140723-1.jpg常照皇寺といえば有名なのが桜。国の天然記念物である「九重桜」、御所から株分けしたといわれる「左近の桜」、一重と八重が一枝に咲く「御車返しの桜」などの名木が揃い、桜の時期には参拝客も多いのだとか。この日参拝してきた事を近くに住む方に伝えると、「今行っても何も無かったでしょ~」と・・・・・・。

140723-2.jpg良きお寺というのは、花や錦が無かろうが良いものです。ちょうど雨上がりの空気が浄められた時に寺に着き、訪れる人もまばらで静寂な境内を心ゆくまで堪能できました。

140723-4.jpgここ常照皇寺は、光厳(こうごん)法皇によって貞治(じょうじ)元年(1362年)に開かれ、歴代天皇の帰依を得た皇室ゆかりの寺です。詫びた山中にあって、伽藍も庭も、その瀟洒なたたずまいは興味深いものでした。

140723-3.jpg天皇は周辺の自然を庭に見立て、寺の裏山を猿帰嶂、滝を白玉泉、山全体を万樹林と名付け、周囲の十勝を選ばれたという言い伝えがあるのだとか。当時からの変遷はいかばかりか想像もつきませんが、山の麓にある境内一帯の環境はおそらくは当時を彷彿させるものがあり、山と一体になった庭を見ていると、時間がたつのも感じなくなるかのよう。

140723-5.jpgこのお庭、下のように、茅葺き屋根の方丈から見る事ができます。そしてなんとご本尊の釈迦如来立像は、方丈の天井近くの鴨居上の仏壇に祀られ、我々を見守ってくださっています。

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そして、怡雲庵(いうんあん・開山堂)。
釈迦三尊に加え、来迎の阿弥陀三尊が16羅漢と共に祀られています。阿弥陀様の脇侍仏は美しい雲坐に乗り、それは美しいお顔をされていて、是非とも直に拝みたいと思っていたのが、この日叶いました。
さらに、お堂の奥には落飾後の光厳法皇の坐像が鎮座。生きてらっしゃるかのような気配をどうしても感じてしまい、言葉を失いました。

140723-8.jpg最後に、裏山の自然道へ。このような景色が広がっていましたよ。ただ、雨あがりの後は滑りますのと、身体を温める為か、まむしが!出てきていましたので、要注意でした。

常照皇寺。どの季節の参拝でもお勧めします。

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吉岡幸雄の仕事展 「日本の暦・色かたち」 -日本橋高島屋-

 

140528-1.jpg5月21日(水) ~5月26日(月)まで日本橋高島屋にて開催されていました、「染織家 吉岡幸雄の仕事展-日本の暦・色かたち-」にお邪魔してきました。
今月初めにも、鎌倉の東慶寺さんにて、吉岡家所蔵の更紗展にお邪魔しました。京都に住んでいながらなぜか関東でばかりご縁があります。

140528-2.jpg季節ごとの行事には、その季節に見合った色が使われます。こんなにも豊かな色が日本には溢れている、そしてそれはそのまま、日本が四季のうつろいある自然豊かな土地である事を表しているのだと、感慨もひとしおでした。

140528-3.jpg思えば我々日本人は、さほど意識せずとも、毎月毎月の色というのは、自分達の中でもイメージがきちんとあるものですね。
会場は、天然染料の浄化作用?!からか、浄められているような心地がしました。

また、自然界と切っても切れない“色”の仕事が、寺院の宗教行事とも密接な関わりを持っていた事にも注目。ただただ、染色や布が好きで色々とみてきましたが、平安時代の装束のかさね色目にも前々から興味がありますし、もう少しこの世界についての理解を深めていきたいこの頃です。

140528-4.jpg6月3日 (火)~6月8日 (日)まで、北鎌倉の東慶寺さんにあります東慶寺ギャラリーにて、染司よしおか展が開催されるもよう。是非お運び下さい。
その他の予定はこちらでご確認いただけます。

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春はあけぼの -早朝の天龍寺参拝-


140408-1.jpg朝の早い時間に、天龍寺さんにお邪魔してきました。
この時期の百花苑の桜を初めとする様々な花々は、まさに百花というにふさわしい華やかさです。

140408-2.jpgおよそ樹齢70年から80年くらいのしだれ桜がそれは見事。

140408-3.jpg柔らかな桜色が、青空に映えます。

140408-4.jpg百花春至為誰開。

140408-5.jpg百花苑の山を登ってゆくと、遠くに比叡山まで望むことができます。まさに絶景。

140408-6.jpg桜とお寺の屋根を上から眺むるという不思議。

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何度来ても感嘆のため息がもれます。開山夢窓国師作庭・曹源池庭園。雲水の修行の為にある庭。今も夜にはこの庭の前で雲水が夜坐をします。まさに、生きている庭です。夜に坐り、時間がたってくると、ぼぉっと浮き上がって見えてくるそうな。これは修行を経験した方にしかわからない特権ですね。

天龍寺さんは朝8時半から参拝できます。早起きは三文以上の徳。是非とも朝一番にご参拝なさってみてください。


追伸
本日はとてもおめでたい日ですので、花でブログを飾ってみました。

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お家元の畳

 

140402.jpg不審花開今日春

表千家不審庵のホームページに、数寄屋畳師の高室節生氏の、 「畳とお茶の文化」が掲載されています。
この畳こそ、私に「このような畳を作る職人さんがいる京都というところは、とんでもない所だな、、、通うのみではわからない、住まなくては・・・」と思わせてくれた畳なのです。

表千家のお茶を稽古する者には、25歳までという若く柔軟なうちに家元のほんものの空気を味わうべく、家元近くのお寺に泊まり込み、一週間家元に通う機会が与えられます。そのときの驚きや感動は今も脳裏に鮮明に焼きついていますが、私が一番心打たれたのは、“お家元の畳”なのでした。

一枚の板を敷いたかのように引き締まった畳は、ほぼ一日中正座する身にはこたえるものの、明らかに自身が知っていた畳とは違い、「畳によってこれほどまでに空間は変わるものか・・・」と思ったものです。
われわれを非日常へといざなうにふさわしく、茶室の空気までをもさらに凛としたものに変えてしまいます。こちらの気持ちまで引き締めてくれた事を、懐かしく思い出します。

 

そして、京都のほんものの職人の仕事というものに打ちのめされた私は、憧れの京都住まいを実現するべく動き出したのです。ひいては禅文化研究所で働くに至ったのも、この畳のおかげといえましょう。
人一人の人生をも変えるほどの仕事に、尊敬の念を抱いてやみません。
是非ご一読を!

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京都の今

 

140401-1.jpg都の春。京都御苑にて。早咲きのしだれなどはもう満開です!
花を求めて集う人々を遠くから眺めるのを、今年は楽しんでいます。

140401-2.jpgと言いつつ、やはり近づいて写真も撮ってみたり・・・・・・。

140401-3.jpg本日より新年度。
どうぞ引き続き、禅文化研究所を宜しくお願い申し上げます。

 

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御苑の秋

 

131128-1.jpg忙しくしており、特別どこかへ紅葉を見にでかけるという事をしていませんが、通り抜けする御苑の秋のにぎわいには、毎年感動してしまいます。

131128-2.jpg懲りずにこのブログでもご紹介し続けていますが、御苑は桜の季、紅葉の季、いずれも穴場なのです。皆思い思いに自分の気に入った場所で四季の移ろいを愛でています。
そんな、ゆったりした具合が心地良く、時間があれば足を運び、運ぶたびに様々な発見を得ている、私にとって大切な場所となっています。

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聞こえない音の話

131021-1.jpg『古事記』を題材にした舞台、『アマテラス』を鑑賞してきました。大音響で打ち鳴らされる和太鼓の迫力とアマテラスの神々しさに、観ているだけでカタルシスを得られたような。

ところでこの作品では、神話とはいえ仏教の法器もいろいろ使われていたことが興味深かったです。

たとえば禅宗でいうところの

131021-2.jpg鐃祓(にょうはち)

 

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引磬(いんきん)


などに近い形状のものや、

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チベットのシンキングボールも用いられていました。

 

法器の音やお経を聞くと何となく心が落ち着きますよね。これにはちゃんと根拠があって、ものすごく大ざっぱに書くと、こういうことのようです。

「音」の中には、人間が聞き取れない、あるいは聞き取りにくい周波数を持つものも存在します。法器は、そういう「聞こえにくいけど人間にとって心地良い音(倍音・ばいおん)」をたくさん発しているのだとか。僧侶の読経にも同じことがいえるそうです。

倍音の定義は長くなるので、ここでは割愛させてください。とにかく、ビィ~ン……と震える余韻などに多く存在する音といえば、何となくイメージしていただけますでしょうか。これらの音を浴びる「倍音浴」というリラクゼーションもあるようで、“観劇後の妙にスッキリした感覚”は、「む!倍音の効果もあったに違いない」と思ったりしています。お仏壇の前で「おりん」を鳴らされる時など、一度“聞こえない音”がもたらす精神的な癒やしも意識していただけると面白いかもしれません!


倍音については、こんな本もおすすめです。
『倍音 音・ことば・身体の文化誌』(中村明一・春秋社)

 

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配膳司

130924.jpgクリックしていただくと、大きな写真がご覧いただけます

毎月ポストに投函されている“きょうと府民だより”
なにげなく見ていると、「ん?この人知ってるなぁ・・・」という方が紙面に。

数々の茶会でてきぱきと下足番を担当されていたり、かと思えば料亭に出没して配膳をされていたり・・・。
あまりにあらゆる所で遭遇する為、「よくおみかけするけれど、いったい所属はどちらなのだろう?!」と思っていた方でした。
それもそのはず、“配膳司”という専門職があったのです。全国広しといえども京都ならではのお仕事ですね。

いつもあまりにてきぱきしていらっしゃり、茶会で草履を預かっていただいた時にも、番号札を渡さずともさっと草履が出てくる事もしばしば。御年80歳と書いてあり、驚愕の事実でした。

オリンピック誘致スピーチで語られた、日本独自の「おもてなし」の文化が話題となっていますが、まさにそのおもてなしについて見習うべき所が大いにある“配膳司”のご紹介でした。

 

 

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ー企画展 朝鮮文化と京都ー 高麗美術館

 

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いつも楽しみに足を運ぶ高麗美術館(京都市北区)。

企画展 朝鮮文化と京都-高麗美術館コレクションに見る「韓流」の歴史-
2013年8月17日(土)~10月14日(月・祝)

が開催中です。
毎回、“気”の良い韓国の美しいものに心底うっとりし、静かな心になり館を後にするのですが、今回は京都との様々なつながりを詳しく知り得て、興奮してしまいました。

大学生時代、家人から、「美しいでしょ?」と、見せられた本にあったのは、李朝白磁の壺。

以来、京都の骨董屋さんなどをうろうろし、いろいろと見てきましたが、なぜこんなにも自身が朝鮮文化に惹かれるのか、、とよく考えていました。
その答えは明白で、古くから渡来人が日本文化に多大なる影響を与えてきた事を思えば、私のDNAにも深く刻まれた記憶が、惹かれざるを得なくしていたのでしょう。
そんなところをはっきりと自覚させてくれるような展観だったのです。

そして、今回初めて拝見した、朝鮮綴。
世界中には、数多くの染色や織物の技術が伝わっており、大切にされてきた名品が今も各国で見られますが、朝鮮綴の品格と美しさは、群を抜いていると思いました(個人的な感想ですが)。
なかなか見る機会が無い物だと思いますので、この機会に是非、ご覧になってみてください。

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東福寺 暁天講座

 

130730.jpg祇園祭も終わり、いよいよ夏本番。
暁天講座も大詰めです。
今週末に開催されます、東福寺さんでの暁天講座の御案内。
詳細は下記です。

秋の紅葉のみならず、緑深い東福寺も清々しく。
朝はまだ気温も低く、吹き抜ける風がごちそうとなるでしょう。

いってらっしゃいませ!

平成25年 8/2・8/3・8/4
坐 禅  午前6時より
法 話  午前6時30分~
場 所  大禅堂

8/2 『白隠禅画について』
花園大学教授        芳澤勝弘 氏

8/3 『禅話』
東福寺僧堂師家     原田融道 老大師

8/4 『禅話』
東福寺住持本派管長  遠藤楚石 老大師

費用無料

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祇園祭 神幸祭

 

130719-1.jpg京都では17日、祇園祭の山鉾巡業でした。もちろん仕事で観にゆく事は叶いませんが、実はその後、夕方からは神幸祭が執り行なわれます。

【神幸祭】-八坂神社HPより-
八坂神社三基の神輿が、氏子区域内をそれぞれ所定のコースに従い巡行。
午後8時から9時ごろまでに四条御旅所着。
以降24日まで御旅所に留まります。また神輿に伴い、宮本組神宝奉持列、豊園御真榊行列がそれぞれのコースを巡行します。

130719-2.jpg中御座神輿の先導をつとめる久世駒形稚児

有難い事にお誘いいただき、美味しいものをいただきつつ、神輿や行列が前を通ると外に出てゆき、間近に拝見させていただきました。

昨年までは御存知黄檗宗とも縁の深い、この日お邪魔したお宅近くの貝葉書院さんがお稚児さん(久世駒形稚児)らの休憩処となっていたそうです。
ご当主がお亡くなりになられた今年は、貝葉書院さんの前を通るお稚児さんや神輿、各行列が皆、ご当主の遺影(親族の方がお持ちになり、祭を見守っておられました)に敬意を表し通る姿には感涙でした。
表舞台に出ては来ない、祇園祭を陰で支える方達の事を知り得た、本年の暑い暑い夏の祭の一幕なのでした。

一ヶ月続く祇園祭。新参者の私には全くもって全貌が見えてこないのですが、毎年少しずつ色々な行事を拝見し、この祭と京都の人々、歴史、精神などを学んでゆきたいと思います。

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通り抜け

 

130718.jpg京都では、ごくごく当たり前に、本山の中を近所の人が通り抜けし、立派な伽藍や掃き清められた境内も、生活の中に溶け込んだ一風景となっています。
昨日用事があり、意識して大徳寺を通り抜け。私のお気に入りは大徳僧堂の美しい垣根と僧堂前のこの佇まいです(上写真)。スキッとしています。

先日の学長講座で、円覚寺の管長・横田南嶺老師が、「臨済宗が何か、禅が何かというのはわからないものです。説明のしようが無いもの」というようなお話をされましたが、まさに説明はできなくとも、ここを通れば伝わってくるものがあります。

色々と考えながら自転車をこいでいますと、福森雅武先生が仰っていらした、「意識のないところの学びが一番の学び」という御言葉を思い出しました。

京都外から来て暮らしていると、こんな事(本山通り抜け)が当たり前だなんて信じられない!なんと素晴らしいのだ、羨ましい!京都人はすごい……と色々思うわけでありますが、当の京都人に興奮して話すと、だいたいの人は当たり前の事過ぎて意識はしていないわけであります。そして、彼らの中には、私達新参者にはどうしたって辿り着けないものをまとっている人がいるわけです。

代々の京都人、京都育ちにはかないませんが、それでも、生活してゆくうちに、意識もせずに学ばせていただいているものが、この千年を超える都には多々ある事でしょう。何年住んでいても学ぶ事が無くならない、底知れぬ奥深さを持つ町が、京都なのです。
2~3年住んだだけではわからなかった事が、9年目ともなると少し気づく所も出てきました。さらに住んでいればどうなるか……とまだまだわくわくしつつ毎日を楽しんでいます。

*臨済宗黄檗宗本山を詳しく紹介 本山のことを学ぶなら、『禅の寺』をおすすめします。

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祇園祭2013

 

130717-1.jpg本日、祇園祭の山鉾巡行ですね。
たくさんの方が京都にいらっしゃっていることでしょう。

東京で職人をしている友人が、「7月は京都の職人さんと連絡が取れない。全く仕事をする気が無い」と半ば飽きれていたのを毎年この時期に思い出します。
7月は京都の、特に山や鉾がある町の方々は祭の事しか考えられないのかもしれません。東京の友人には気の毒ですが、もうこれは、「しょうがない」事なのであります。

疫病が流行った事による無病息災を祈る祭が起源でありますが、この暑い暑い京都の夏を迎えるにあたり、気の張る行事、気が晴れる行事があるという事自体、病を遠ざける事になるのかな……などと思いつつ、宵々山の町にくりだしました。
暑くても、人が多くても、やはり良いものだな……と毎年思います。

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深呼吸できる場所

 

130612-1.jpg気分転換に訪れる場所。皆さんにはございますか?
自分の生活圏内にいくつかお気に入りの場所があると良いですね。
私のお気に入りの場所はこちら。新緑も日に日に濃くなり、今はこのような深い緑の世界。
秋にはこうなります。
こちらに寄った後は、名水で有名な梨木神社に寄ってお水をいただいてから帰ります。

京都にいらっしゃる際、早起きして京都御苑内をお散歩される事をおすすめします。
色々な発見がありますよ!

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托鉢雲水へのお布施の仕方

 

130531.jpg臨黄ネット 栞いろは歌より

京都に引っ越してきて初めて遭遇した事の一つに、"雲水さんの托鉢"があります。
これは恐らく、京都や鎌倉やその他、修行道場が近くにある地域ならではの光景かと思います。

意外に京都に生まれ育った人でも知らないのが、雲水さんの出す掛け声。実は、「ほーーーーーぅ(法)」と言っています。そして、京都に住まう多くの方が、小さな子が言う事を聞かない時は、「おーのおっちゃん来るよ」と、まるでなまはげのような扱いをしている事もリサーチ済みです。
正直、雲水さん達は若い方が多く、おっちゃんではないと私個人的には思うのですが......。あの低く腹から出す大きな声が、なまはげや、おっちゃんを連想させるのでしょうか。

そんな事はさておき、托鉢をする雲水さんにお布施をさせていただきたいけれど、方法がわからないのでいつも見送ってしまう......という方の為に、お布施の方法をご紹介です。実は私もわからず、研究所の上司に聞いてから実践しましたので、知りたい方はいらっしゃるのではないかと思いました。

1.托鉢の雲水さんの声が聞こえたら、お布施を用意し、合掌しつつ、近寄ってこられるのを待つ。
2.雲水さんが気付いて、自分の前に立たれたら、互いに合掌一礼。
3.雲水さんが首から下げている看板袋の前垂れ(袋の蓋のようになっていて僧堂名が白く書かれている部分)を自分の前に出してくださったら、その上にお布施を置く。
4.雲水さんが前垂れに置かれたお布施を、滑らせるように袋の中にしまえば、また互いに合掌一礼。

無言のうちにこれらの事を終えます。
勘違いしてはならないのが、布施というのは、してあげているのではなく、「させていただいている」「功徳を積ませていただいている」という事。我々(在家の者)が、財施をさせていただいているのです。そしていつか雲水さんは和尚になって法を説かれ、法施となって私たちに戻ってくることでしょう。
六波羅蜜の一つ。私にとって、分かち合う事の尊さを学ばせていただく朝は、なんとも清々しいものなのです。

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開館30周年記念名品展 -野村美術館-

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新緑の美しい南禅寺界隈にあります私設美術館。野村美術館を訪れました。
現在、開館30周年記念の名品展が開催中。

何年にも亘り、何度も足を運んでいますと、同じ名品に遭遇する機会が度々得られます。
「前にもう見たし今回はいいか……」というのではなく、前の自分と今の自分は変わっているわけですから、また見方も変わるもので、そんな風に回を重ねて見てゆくと、より一層、色々なものごとに対する理解も深まってゆくような気がしています。

常に自分を写してくれるような名品の数々。今のお前はどうなのかと問われているような気がして……。名品を鑑賞して自己をみつめる休日もまた、良いものです。

新緑の京都の山々は眩いばかり。是非お運びください。6月2日まで。

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室町の花 観世宗家展 -承天閣美術館-

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相国寺(ただいま春の特別拝観中)内にあります承天閣美術館にて、-室町の花 観世宗家天-が開催中です。
私自身、お能には若い頃より惹かれてやまない為、楽しみにしていた展観でした。

第一展示室から、数々の名工の技をこらした能装束。どのような番組の時に着用する衣装であるかなど、解説を読みながら、その意匠に見入ります。

第二展示室への長い通路へと歩みを進めると、あのなんともいえない笛と鼓の音が聞こえてきます。DVD視聴コーナーが設けられおり、御存知“道成寺”(安珍と清姫の道成寺縁起を題材とした番組)が流ていました。ちょうどクライマックスの鐘の場面。あぁ……人間の悲しき性、女の怨念、鎮まる魂。観に行きたくなりますね。

第二展示室では、お待ちかね、能面です。まだまだわかりかねる難しいものでもありますが、数々の番組をみてゆけば、この能面は、あの能面は……と、能面のことも少しはわかってくるのでしょうか。
白洲正子さんのように、能が洗練される前の猿楽や伎楽の面など、大陸からの影響を色濃く残した古い面も拝見してゆきたいと常々思っています。

この展観は5月26日まで。その後には、流派が違いますが、私が毎年楽しみにしています、金剛家の夏の虫干があります。今年は7月20日・21日に開催されるもよう。
日に何回か、お家元御自らによる、とてもわかりやすい解説がなされ、ガラスケースなど無く、間近に能面や装束を拝見する事ができます。一見の価値大いにありです。

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光明院 -東福寺塔頭-

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久々に、波心庭(重森三玲作)を観にお邪魔してみました。

本山の方は多くの人が訪れていても、こちらは静か。いいですね。

どちらを見ても歩いても、塵一つ無く掃き清められた境内。掃除がゆき届いていると、空気も整い、なんとも気持ち良いものですね。こちらの心まで整えてくれるよう。ほんとうに、いろんなものが、整うのですね。
こちらのご住職の心を拝ませていただいているようで、有り難いものでした。

とある老師が仰った、「禅宗坊主は掃除をしていればいい、偉そうな事は何一つ言うな」という御言葉を思い出しました。掃除一つで衆生を接化できるのですね。

私も家に帰りましてから、普段以上に徹底的にお掃除に励みました。励まずにはいられなくなったのでした。

三門近くの六波羅門を出てすぐ。光明院さんのご紹介でした。

*本山拝観前には、『禅の寺』がおすすめです。

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新緑遊行と特別名宝展 -東福寺-

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臨済宗大本山東福寺(京都市東山区)において、新緑遊行と特別名宝展が開催中ですのでお邪魔して参りました。

方丈庭園や通天橋は通常公開されていますが、国宝の三門は年に数えるほど。
禅宗寺院最大の国宝三門より、目と同じ高さの位置に大木の新緑を楽しめます。それはそれは見事な景色で、急な階段を登ると目に飛び込んで来る緑に、どなたも感嘆の声をあげておられました。

三門といえば、宝冠釈迦如来坐像に十六羅漢がお決まり。そしてなんと東福寺の三門内部の絵は、かの画僧・明兆が描いたものなのだとか。未だ彩色が豊かに残り、天を舞う迦陵頻伽(がりょうびんが)に、極楽浄土を夢見てしばしぼぉ~っと。

名宝展では、初公開の寺宝も。そして通天橋の緑も今が最高に美しく。
“風がごちそう”の季節。是非ともGW中におでかけください(5/6まで 詳しくはこちら)。


 

 

130501-2.jpg追記
本山へのお参り前には、是非ともこちらでお勉強なさってみてくださいね!


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四頭茶会 於:京都・建仁寺

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皆様こんにちは。
思った以上にメンテナンスに時間がかかってしまい、忘れられてはいないかと心配になるほどでした。ご迷惑をおかけ致しました。
今後ともどうかブログ禅を宜しくお願い申し上げます。

さて、私事ですが、二十日土曜日に、建仁寺さんへお邪魔して参りました。
開山栄西禅師のご生誕慶讃法会・四頭茶会(よつがしらちゃかい)にお邪魔する為です。
少しばかり寒い一日でしたが、お天気にも恵まれ、東山の新緑も美しく、表千家・裏千家・煎茶席の亭主の御心入れもすばらしく、楽しい学びの一日となりました。

いただきましたパンフレットより、四頭茶会をご説明させていただきますと……

【四頭茶会とはどんなものか】

四人の正客に準じて相伴客がお茶をいただく、広間での作法と思えばだいたい近いようです。お点前と菓子のお運びなどは、四人の寺僧によって行い、その役名を供給(くきゅう)といいます。正客と相伴客がそれぞれの所定の位置につくと、侍香(じこう)という役の僧が入堂、正面ご開山の画像の前で一香を献じ、中央卓前へ退いて、左右両手で一度ずつ焼香して、席を清めます。供給の僧は縁高に入った菓子と、お茶が入れられた天目茶碗とを運び終われば、各々の客の前でお点前を行います。正客の前では胡跪(左たて膝の姿勢)、相伴客の前では立ったままで点前します。

【由来】
中国の宋・元の時代、比較的大きな禅宗寺院で行われたもので、鎌倉時代に日本へ禅が伝えられると流行し、室町桃山時代以降、さかんに用いられた作法です。禅宗寺院内の修道行事、法式、作法等を規定した清規(規則)に従うものです。

決められた型・作法どおりの動きとは、なんとも美しいもので、拝見しているこちらの背筋も正されるよう。
日々の茶の湯の稽古においても型を習っているわけですが、そこがまずできるようになってこそ、心も入ろうというもの。ここで学ばせていただいた空気を、自身の稽古にも生かしたいと思いました。

今年はなにやら10月にも大茶会があるのだとか。楽しみですね。
その前に、5月8日より始まる、「細川護熙 襖絵と屏風の世界」にもお邪魔しなくてはなりませんね。皆様も是非。

臨黄ネットの、栞いろは歌の栞に、四頭茶会の写真がありますのでご紹介しておきます。
日々是好日

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白い象のタクシー




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HPよりお写真拝借しました

京都にも色々なタクシー会社があります。
有名なのは、ヤサカグループのタクシー・四つ葉のクローバー車両。
"見かけたら幸運が訪れる!"と、ひとたび道路を走れば皆の携帯(カメラ)がその車を追いかけます。

四つ葉のクローバーも良いのですが、私が最近気になっていたのが、よくみかけるようになった、"白い象さんのタクシー"です。
"白い象"ですよ皆さん。こちらのタクシーのマークは全てが白い象なわけです。何千車に数台というわけではなく、もれなくどの車両も白い象。......しつこいですね。


『方広大荘厳経』などの説によると、摩耶夫人が、六本の牙をもつ白象が胎内に入る夢をみてシッダールタ(お釈迦様)を身ごもったとされ、吉祥の兆しでもあり、おめでたいものなのです。個人的には、白い象のタクシーの方が有り難いと思えてなりません。

先日ちょうどこのタクシーに乗る機会がありましたので、運転手さんに「社長さんは熱心な仏教徒ですか?」とお尋ねしてみましたところ、それはわからないとの事でしたが、何せ象がお好きならしく、色々な象の置物を集めておられるのだとか。かなり興味深いですね。

「象の大きな広い背中にのるような安心感をお客様に」。洛東タクシーさんでした(念の為、回し者ではありません・禅文化研究所とも何ら関係ありません)。

コーヒーフレッシュやシロップなどを製造されている、"スジャータ めいらくグループ"さんの"スジャータ"も、お釈迦様の苦行後に、乳粥を施した女性、あのスジャータからきているようです。
仏教に関係する名前の会社や会社のシンボルマーク、まだまだ探せそうですね。


*ブログ禅 サーバーメンテナンスの為、来週の22日月曜日・23日火曜日の記事はおやすみさせていただきます。24日水曜日より再開致しますので、ご高覧のほど、宜しくお願い致します。

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退蔵院 -妙心寺塔頭-




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昼休みに退蔵院さんにお邪魔して参りました。
京都市内ではポスターを見る機会があまり無く、実は京都の人間は意外と知らないのですが、先日新幹線に乗った際に知りました。
今年の「そうだ、京都、行こう」は、こちらの枝垂れ桜なのですね。

祖父が妙心寺で修行した事もあり、幼い頃から何度か妙心寺には参拝し、退蔵院さんにもお邪魔していましたが、まさに禅寺というべく、静かな静かな境内でした。
この春はもちろんのことそうはゆかず、大変な賑わいを見せていました。
桜にすれば、そんなこともどこふく風ですね。

*本日はお釈迦様ご生誕の日。花まつりが各地のお寺で催されています。

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京都御苑の春




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昨日も少しご紹介しましたが、京都御苑の春の訪れです。
蝋梅は満開でかぐわしく、梅も花開き、寒桜の姿も。

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梅林が満開になれば、桃林の桃も花開き、それが終わる頃にはいよいよ桜の出番。
春の気配を感じながらも、一年で一番寒さの厳しい2月。
今のような暖房器具の無い時代の人々は、どれほど春を待ち焦がれた事でしょう。
一つ一つ春の花が順番に開花してゆくのに励まされたのでしょうね。

毎年楽しみにしている近衛邸跡の枝垂れ桜も、花は確認できずとも、なにかがむらむらとうごめくような気配、内なる躍動を感じずにはいられぬ頃となって参りました。
明らかに、11月や12月の頃の桜と、今の桜は違いますね。
蕾を観察するのではなく、少し離れて全体を感じるようにすると、桜の木の気が伝わってくるような心地が致します。

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茶人に学ぶもてなしの工夫




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鼓月 京の離宮

2月ですね。もう今年に入って一ヶ月が過ぎ去りました。早いものですね。
今月も宜しくお願い致します。

さて、何で読んだのかは忘れましたが、ある人が三千家どちらかのお家元に伺うと、俵屋吉富さんの雲龍(有名なお菓子です)が、茶巾搾りになって出されて、感動したと……。
雲龍が切られてそのまま出てきたのなら、あまりに知った菓子という事もあり、「あぁ、雲龍ね」で終わるところが、茶巾搾りとなって出てくると、「え、あの雲龍ですか!!!まぁなんと!!!」となりますね(俵屋吉富さんにはちょっと申し訳ない気もしますが……いただき方のバリエーションとして…)。
茶人のこういった工夫、見習いたいところです。
ちなみにこの雲龍、相国寺さんと大いに関係があるのですね。


前置きが長くなりましたが、先日の研究所のお菓子が、雲龍ではないのですが、鼓月さんの“京の離宮”という菓子でしたので、茶礼の時間にはいただかずに、家に持って帰ってさっそく実験してみました。
うずまきを出すように搾るのが良いのか、白い部分を見えるように搾るのが良いのか…。
写真ではわかりづらいのですが、なかなかにかわいらしい茶巾搾りができ、毎夜の抹茶時間がさらに楽しくなりました。
色々な菓子でできそうなので、これからもやってみましょう。皆さんも一度お試しになってみてください。

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白を表面に
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うずまきを表面に

*蓮弁小皿 福森雅武

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岸野承 木彫展 -京都・蔵丘洞画廊-




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岸野承さんの木彫展が、京都にて開催されます。
詳細は下記のとおり。


【岸野承 木彫展】
平成25年2月2日(土)~16日(土)
午前10時半~午後6時半 会期中無休
作家在廊日 2、3、9、10、11、15、16日
於:蔵丘洞画廊 京都市中京区御池通寺町東入ル(本能寺文化会館1階)


彼の人となり、暮らしというものを、わずかながらも知っていますが、家族がありながらもどこか世捨て人的風情もあり、非常に興味深い、面白い人なのです。
そんな彼が、何を思い彫るのか、何も思わずただ彫るのか、私の知るところではありませんが、ともかく新しい作品が拝見できる機会を今から楽しみにしています。

“ギャラリーでの個展”となると、敷居が高いように思えて、ましてやぱっと買えるような物を置いているわけでもなく、おでかけなさりにくいかもしれませんが、絶対に面白い、今まで見た事の無い世界が見られますので、何も気にせずに、是非ともお運び下さい。

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"一円融合"石田智子展  -ギャラリー素形-




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以前にも御案内させていただきましたが、このたびも、石田智子さんによる個展、"一円融合"が、京都のギャラリー素形にて、1月22日~2月17日まで開催されています。

御案内いただいた葉書によりますと、、、

京都展タイトル「一円融合」。この言葉は報徳思想の祖、二宮尊徳の教えであり、「全てのものは互いに影響し合い、たとえ対立すると見えるものでも、じつは一体になって融合している」という意味をもちます。
福島県在住の作家・石田智子は「人の心がもっともっと融合しなければ復興には結びつかない。どうすればかたくなな心が融けだし、一体感をもつ事が出来るのか」と、日々祈る思いで過ごしているといいます。
まもなく震災から二年、表面的には平穏を取り戻したかのようにも思える今の日本に、石田智子は現地から問いかけます。


私も休日に是非とも拝見せねばと思っています。
拝見した者一人一人が、問いかけを受け止め、何かを持ち帰り、そこから出た祈りや思いが派生してゆけば......と思います。

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『墨蹟の至宝展-気迫あふれる禅僧の書-』 -承天閣美術館-




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相国寺内にあります承天閣美術館にて、「『墨蹟の至宝展』-気迫あふれる禅僧の書-」が開催中です。(3月17日日まで)。

今回見た書が、次に公開されるのはいつでしょう。
今回自身に響いたものとは違うものが、また次回には響くのかもしれません。

そうやって、人生のうちで何度も触れていただきたい“墨蹟”の展観です。
是非おでかけになってみてください。

「墨蹟の至宝展展」 -気迫あふれる禅僧の書-

日時:平成24年12月12日(水)~平成25年3月17日(日)
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
入館料:一般 800円 65歳以上・大学生 600円 中高生 300円 小学生 200円
主催:相国寺承天閣美術館
会場:相国寺承天閣美術館

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御苑の秋




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観光客の方は、多くの方がいわゆる紅葉が有名なお寺へおでかけの模様。
それはもう、素晴らしい紅葉を愛でる事ができるかと思うのですが、一度、京都御苑をゆっくり歩きに来ていただきたいなと思います。
自分だけの秘密の場所のような空間がみつかりますよ。

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近衛の桜あたりはこんな感じ。この枝ぶりは、花の無い季節でも愛でてしまいます。

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イチョウの黄金色が大好き。散ってもなお美しいですね。

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たまに朝食を食べたりするお気に入りの場所。
御苑内でどこよりもふわふわの枯葉がたっぷりと積もる場所です。

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勝持寺 -2012紅葉だより-




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なんだか今年は、「何を着れば良いか迷う」というどっちつかずの気候が無いままに、急激に寒くなったような気がします。
そのおかげもあってか、今年の紅葉の美しさは○年ぶりだ……というような声をよく耳にします。

京都に住まいしていれば、近くに御所あり鴨川あり、いずこにも美しい紅葉は見られるのですが、それだけでは飽き足らず、わざわざどちらかへ「紅葉狩りにでかけたい」という気持ちもわいてくるというものです。

そこで今年選びましたのは、西行が出家をしたお寺、西行桜が有名な勝持寺(しょうじじ/京都市西京区/天台宗)です。

応仁の乱にてほぼ全ての伽藍は焼失したものの、御本尊の薬師如来や日光菩薩・月光菩薩・十ニ神像を拝ませていただくと、創建時代の荘厳さや如何に……と偲ばれる洛西の名刹です。
また、かの有名な西行桜の枝ぶりは、葉が一枚も残らぬ姿となったこの季節でもそれは立派で美しく、「花の寺」として知られるのもさもありなん。春の頃にもまた訪れたくなるというものでした。

紅葉については筆舌につくしがたく。写真をご覧いただきたいと思います。

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禅塾デイ




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花園大学の卒業生ならば知っているのが、妙心寺にある「花園禅塾」。妙心寺の運営する学生寮。
私の学生時代にももちろんあって、お寺の息子さんばかりが頭を丸めて共同生活をしていました。
私はそこには在籍してはいなかったのですが、いわば、プレ僧堂的な生活をしているようでした。塾生以外は中に入ることもできなかったので、詳しい様子は知らなかったのですが……。

昨今、この花園禅塾は変貌してきました。丸坊主でなくても入塾できるようですし、塾生をあげて東北の被災地にボランティア活動にでかけたり、駅伝をやったり、なかなか充実しているようです。

そんな花園禅塾の普段の生活ぶりや活動を、一般の人にも知ってもらおうというイベントがあるようです。パネルや書道の展示はもちろん、特別発表として禅塾の一日や御詠歌、ミュージカル風発表、花大ダンス、お茶席や軽食など、感動とともに笑いもあるとのこと。

平成24年11月24日(土) 9:30~15:00
  特別発表:10:00~12:00
  軽食タイム:12:00~13:00
  バザー:13:30
場所は花園禅塾
バザー提供品の御協力も求められています。連絡先:花園禅塾 TEL/FAX 075-461-4128

特にお近くの方は、是非、訪ねてみてください。学生たちのやる気が伝わってくることでしょう。

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松花堂庭園 美術館 -京都府八幡市-




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“松花堂の茶の湯-八幡の茶室に学ぶ-”を拝見しに、八幡市にあります松花堂庭園・美術館を久しぶりに尋ねました。

いわずもがな、松花堂昭乗は、近衛信尹・本阿弥光悦と共に寛永の三筆と讃えられた書の名人ですが、書のみならず、画、茶、作庭、その他諸々に通じたこの時代を代表する文人でした。

石清水八幡宮の境内にあった寺(明治維新までは八幡宮の境内に約60を数える坊があったのだとか)にいた社僧(真言密教を極めた阿闍梨でもありました)でしたが、寺を譲った後は、“松花堂”と名付けた庵に住まいしました。
その庵が移築され、今もなお松花堂庭園内にその姿を残していますが、茶道を習い始めた頃の私が初めてこちらを訪れた時には、衝撃を受けたものです。

「茶を点てて、仏にそなへ、人にほどこし、吾も飲む」を具現化、まさに必要の無いものは極限まで削ぎ落としたような草庵。それでいて、侘び過ぎているわけではなく、どこか気品漂い、こじんまりとしつつも荘厳な寺院のごとく厳かな雰囲気あり、なぜか江戸の文化が花開いた当時の事も思わせられ、神仏習合も見て取れるような、形容しがたい佇まいを見せていたのです。松花堂昭乗その人そのものがよくよく現れているなぁ……と思ったものです。
久々に見てもその思いはやはり色あせる事なく、それどころかさらに感動してしまいました。茶を習う者が行き着きたいと願う境地ではないでしょうか。

美術館では、親類でもあった小堀遠州との交流がみてとれるような茶道具が出展され、松花堂の周りの数々の文化人についても学ぶ事ができ、非常に充実した内容となっていました。

この展観は14日(日)までですので、是非ともご予定無い方はおでかけ下さい。

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百日紅




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抜けるような青空に、目のさめるような鮮やかなピンク、真っ白な花を咲かせる百日紅。
毎年心待ちにしている京都御苑の百日紅が、今年も満開です。
町中よりも少し遅い開花でした。
皆が花の周りに集い、楽しそうにされている様子を拝見すると、いつも心癒されます。

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花園大学 京都学講座 開催中!




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先日もお伝えしましたが、“花園大学 京都学講座”が昨日より始まっています。
ご予定あいていらっしゃる方は今日、明日と、是非おこしくださいませ!!!

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花園大学 京都学講座のお知らせ




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禅文化研究所のある花園大学では、近く下記のような講座が開催されます。
一般聴講が可能で、入場無料ですので、お時間のある方はご来場になってはいかがでしょうか。

“京都学講座「こころを伝える-ほとけの形・音・行-」”

入場無料
於:花園大学無聖館5階ホール


8月1日(水)
(1)「想いを形に・・・伝え方・伝わり方」
     冨田睦海(冨田工藝三代目 京仏師・京位牌師)
(2)「庭のこころ ―日本文化の継承―」
     曽根将郞(曽根造園)庭師 /コーディネーター:佐々木日嘉里(花園大学講師)

8月2日(木)
(1)「なるようになる」
     荒木将旭(黄檗宗教学部長)
(2)「黄檗宗の梵唄の実演」
     黄檗宗僧侶10名

8月3日(金)
(1)「真実のために嘘をつけ! ―花を拈じて衆に示す-」
     安永祖堂(花園大学教授)
(2)「行 ― 千日回峰行について― 」
     上原行照(北嶺大行満大阿闍梨)

時間は、それぞれの(1)が13:00~14:30、(2)が14:50~16:20となっています。
個人的には、特徴のある黄檗宗の梵唄を聞いてみたいと思っています。

お問い合わせは、花園大学企画広報室(075-823-0610)まで。

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東林院の沙羅双樹




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妙心寺塔頭の東林院は、沙羅双樹の花を見ることができるので有名です。
ちょうど今、梅雨のさなかに白い花を咲かせ、一日でポトリと落ちてしまう沙羅の花は、平家物語の一説でもよく知られていますね。

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今年は毎年より1週間ほど遅めの開花のようですが、毎日、いくつかの花を咲かせては、緑でやわらかな苔の上にポトリとまた一つ花を落していっています。
近年まで太い古木があったのですが、残念なことに枯れてしまったとのこと。これも盛者必衰のことわリですから致し方有りません。

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光明寺 二王門 -京都府綾部市-




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4月22日、まだ雪が残っていました。

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599年、聖徳太子による開創と伝えられる光明寺です。本堂と二王門は少し離れた場所にありますが、せっかくの綾部行きでしたので、暴風雨で折れた枝木の舞う中訪れてみました。
人里離れた山中にあるこの寺院。昔は大寺院だった事が偲ばれます。役行者さんが修行したとも伝えられているそうな。
ですが、明智光秀の丹波攻めで焼き討ちにも合い、衰退したようです。

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幽玄




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枝垂れ桜の大木のライトアップ。
まるで桜がお能の演者のようで、まさに幽玄そのもの……。
どこかから謡まで聞こえてきそうな夜なのでした。
“幽玄”を感じるのは、やはり染井吉野ではない、この何百年も生き延びてきた枝垂れ桜である気がします。

それにしましても毎年、咲いては散ってゆく桜を追い求めています。
桜は私にとっては、ただ美しいと喜んで鑑賞するものではなく、他の何物よりも、弥が上にもこの世が諸行無常である事をはっきりと見せられてしまうものであって、胸をかきむしられるような思いを抱いてしまいます。私の修行がまだまだ足りないからでしょうか。

ふと、老師方はどのように桜を愛でられるのだろう……と興味が涌いてきました。
次回インタビューに伺う際には季節はずれになっても、是非ともお尋ねしてみましょう。




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霊鑑寺 春の特別公開




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毎年心待ちしています。不審花開今日春。
京都市北区鹿ケ谷にあります霊鑑寺の特別公開情報です。
尼門跡寺院に興味がある方、椿好きな方は必見です。


3/30(金)~4/8(日) 10:00~15:30(最終受付)
700円
高校生以下無料

スマホアプリ「京都禅寺巡り」では、こういった特別公開寺院の情報も掲載しています。
ほとんど無料で利用可能ですので是非ダウンロードしてご利用になってみてください!(*Androidアプリです )

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荒けずり -『いのちのシャワー』松田高志著-




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おはようございます。
“私事”な記事が多いのですが、お付き合い下さいますと幸甚に存じます。

日曜日は、個人的に開催している勉強会の日でした。
私の大学時代の恩師、松田高志先生におこしいただき、著書『いのちのシャワー 人生・教育・平和を語る』を読んで、皆で感想を話し合っています。
大学時代にもこの本はゼミで一度学び、卒業後も何度かページをめくってはいるはずですが、その時心に響いて残っているもの、忘れているもの、様々です。

今回は“荒けずり”というタイトルのお話を読みました(以下に要約を)。


 歴史上の偉人や英雄の生き様から、我々は多くの事を学び、感動を与えられますが、そういった人々にも、がっかりする一面があったりします。

 これを、例えばその人の偉大な行為まで偽善的なものであると全否定したり、あたかも大人物であるかのように「清濁合わせ飲む」式に肯定するのは、どちらも釈然としません。

 しかしある時、次のような文章に出会い、なるほどと思いました。その著者によれば、ベートーヴェンの音楽は人類の最高の音楽であり、そのひびきは宗教的に極めて深いものであるのに、人間としてはどうしても首をかしげたくなるようなところがあって、その事が気になっていたが、いつからか、ベートーヴェンには彼の役割というものがあり、その他の面では人間として荒けずりであったと思えるようになり、納得することができた、と。

 これは、偉人とか大人物に限ったことではないように思います。我々誰もが、この世において何らかの役割やテーマのようなものをもっているといえるかもしれません。もしもそうであれば、どうしてもそちらの方に力が入るというのはやむをえません。しかしだからといって、その他の面でどうでもいいということにはならないでしょう。他の面も一生懸命にやったけれども、結果として荒けずりになったというまででしょう。

 ともかく誰の場合であれ、一所懸命生きていても荒けずりなところは出てくるでしょうし、又それでその人の値打ちが下がるというものでもないように思います。

 人間が成長し、人格が高まっていくということは、単に直線的でなく、もっと立体的なものではないかとこの頃思っています。


 私達は……というよりも、正直私がそうだと思うのですが、自分のものさしで図ってみて、何かができていない人を批判してみたり腹を立ててみたり、自分の枠にあてはまらない人を扱いにくい人と認識してみたり、とかく人とは(というか、やはり私なのですが)自分勝手なものです。

 家族、友人、職場の人、あらゆる人と関わり合って生きてゆく中で、良い面悪い面、色々見えてくるかとは思いますが、“荒けずり”と見る事ができたならなんだか素敵ではないか!と心軽く嬉しく思った次第です。
 日本人は特に、荒けずりに寛容であると思います。それどころかそこに“美”や“何ものにも代え難い魅力”まで見いだします。円空さんや木喰さんの荒けずりの仏像を思い出したのです。洗練され、完璧に研ぎ澄まされたものよりも、どこかあったかく感じる……。きっと、荒けずりな面があるからこその魅力というものが、人にもあるのでしょう。

 もちろん、自分にも大いに荒けずりな面がありますので、そのあたりは周りの皆様にもそう思っていただき寛容に受け止めていただけたら……とお願いをして、今日はお別れの御挨拶とさせていただきます。

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相国寺 -京の冬の旅-




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開山堂から臨む法堂。美しい!

3月18日(日)まで、相国寺(烏丸今出川)の法堂と開山堂、塔頭・大光明寺が特別公開中です。
私も法堂と開山堂を拝みにでかけてきました。

辰年とあってか、我が国最古の法堂にて狩野光信の龍図を拝み、龍のお守りを買って帰られる方がとても多いようです。三世代で訪れる方々が多いとの事で、嬉しい事だなと思いました。

いつもは公開されない開山堂。御所の御殿を移築したと伝わる開山堂は、瀟洒な雰囲気で、他派の開山堂の趣とは異なります。御所が近い為、いつも戦乱に巻き込まれ、焼けてしまっていたこの地にある相国寺。京都の歴史と共にあります。
是非おでかけになってみてください。御苑内の梅見も、あわせて是非!

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京都の禅寺にお出かけの際は、スマートフォンアプリ「京都禅寺巡り」を是非ご利用ください。相国寺を含め、辰年に因んだ「龍巡りスタンプラリー」機能も大好評です。

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御苑の紅葉




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それは、それは、見事です。
今年は、忙しさのせいもありますが、特別にどこかへ紅葉狩りにでかけたり……という事をせずにいます。ですが、家の近くの御苑を訪れるだけで、そこここに自然の、生命の神秘をみつけられます。

朝早く起きた日には、御苑で美味しいパンなどをほおばったりしております。
朝から至福の時を過ごして一日のスタートとする。これ、とても重要だと思っています。坐禅や瞑想も、朝に行うのは良いですねぇ……。

皆様はどんな朝を過ごしておいでですか?

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全国明暗尺八献奏大会




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時代劇などで深い傘を被って尺八を葺きながら歩く虚無僧の姿を見たことがあると思います。
実はこの虚無僧は、中国で興った禅宗の一派、普化宗(ふけしゅう)の僧侶で、剃髪をせずに尺八を吹いて諸国を行脚していた半僧半俗の人なのです。

普化宗は、鎌倉時代の禅僧、心地覚心禅師(しんちかくしん・1207~1298・法灯国師)が建長元年に中国(宋)に渡って、中国の唐代の僧である鎮州普化(ちんしゅうふけ・生没年不詳)を開祖とする一派の法系をついでいた張参に竹管吹簫を習い、その弟子たちを紀伊由良の興国寺を建てて住まわせたことから始まります。

明治4年に、江戸幕府と関係が深かったため、明治政府によりこの普化宗は廃止されましたが、明治21年、大本山東福寺の塔頭である明暗寺に明暗協会が設立されて、虚無僧が復活しました。

今は、明暗導主会と称される明暗尺八根本道場が、下記の日程で「全国明暗尺八献奏大会」を催されます。また同時に、東日本大震災被災者 明暗道人物故者追善法要も合修されます。

  ◇日時:平成23年10月23日(日) 午前10時~午後4時
  ◇場所:東福寺塔頭 明暗寺(京都市東山区本町15丁目)
  ◇入場無料(一般のご来聴歓迎)

また、その前日には、明暗寺を出発点として、伏見稲荷周辺、建仁寺周辺、龍安寺・妙心寺周辺、天龍寺周辺の市内4ヶ所で、虚無僧行化(托鉢行)があるようで、虚無僧が尺八を吹きながら托鉢する珍しい姿を見ることができるようです。

お問い合わせは、明暗導主会(075-323-2188 林晋水さん)まで。

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お寺でヨガ




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-技を訪う-にてご紹介させていただきましたヨガ講師・伊藤加奈子先生のレッスンの御案内です。
毎年春と秋、建仁寺塔頭・両足院にて開催されているヨガフェスタでクラスを担当されます。
10月9日(日)の、16:50~18:20【カナコ(スタジオヨギー)アヌサラインスパイアドヨガ】です。>詳細はこちら

私も、普段のレッスンとは違う場所(しかも禅寺!)、違うメンバーでの学びを今からとても楽しみにしています。お近くにお住まいの方も、連休にご旅行で京都に来られる方も、この機会に是非、素晴らしい先生のレッスンを体験なさってみてください。

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大本山大徳寺(京都紫野) 曝涼のご案内




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このところ、展覧会の情報ばかりで申し訳ないですが……。

毎年恒例の、大本山大徳寺(京都紫野)の曝涼のお知らせです。
大徳寺所蔵の宝物の数々が、虫干しを兼ねて展観されますので、この機会に大徳寺をお訪ねになっては如何でしょうか。

 平成23年10月9日(日)
 午前9時~午後3時半
 但し、雨天中止。

※この曝涼は、毎年10月の第二日曜に開催されています。

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等持院 寺宝展の御案内




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足利尊氏の墓所としても知られる、京都市北区にあります天龍寺派のお寺、等持院(とうじいん)にて、寺宝展が開催されます。美しいお庭とあわせて是非眼福のひとときをお過ごし下さい。

期間:平成23年10月7日(金)~11日(火)
時間:9時~17時

特別参拝料:600円(寺宝展以外の日は500円)
お抹茶:500円(等持院特製銘菓“芙蓉の月”付き)
お番茶:300円(等持院特製銘菓“芙蓉の月”付き)

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金剛家 能面・能装束展観




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毎年楽しみにしている金剛能楽堂での虫干。
職人の技がちりばめられた溜め息をつくような美しい装束に加えて、おそらくこれほど一度に面を拝見できる事は無いだろう……というほどにたくさんの面がずらりと並びます。
そして、11時と15時に宗家御自ら解説してくださるのです。
宗家御自身も楽しそうにお話下さるので、こちらまでとても楽しくお勉強させていただけました。

それにしましても、夜叉作の般若の面は念がこもっているようで、まさに生きているかのごとくでゾクっとしました。
“般若の面”というと、いわゆる般若坊作であることから般若と言われるようになったという説をよく聞きますが、どうやら違うとのお話。仏教でいうところの“般若”ではないかという事でした。般若とはさとりの智慧。
怒り、苦しみ、悲しみ、嫉妬の表情を浮かべた般若の面も最期には悟りに達する故ではないかとお家元が仰っていました。感慨深いものです。

男性の皆さんはどうかわかりませんが、女性として私は般若の面がものすごくわかる気がするのです。その先に“般若”、つまりはさとりの智慧があるというのは、救いです。

年に一度の虫干。来年もまたこちらにてお知らせできればと思います。

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京都御苑の空




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京都御苑から眺める空。とても広くて気に入っています。
刻々と変わる空の色を眺めていると、宇宙について、地球について、自然について、そして自分の人生について、、色々な事を考えます。
私にとって、休日の貴重な時間です。

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金剛家 能面・能装束展観 於:金剛能楽堂




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度々お邪魔しております金剛能楽堂にて、明日明後日(7/30、7/31)と「金剛家 能面・能装束展観」がございます。
虫干を兼ねて毎年この時期に行われています。私も楽しみにお邪魔しています。
能装束の意匠、とても素晴らしく、日本人の心に染み入るものがあります。面に関してもまたしかり。お時間ある方は是非一度訪れてみて下さい。

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御手洗祭―あしつけ神事  -下鴨神社-




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毎日どこかでその季節の行事が行われているのでは?という京都ですが、その行事には宮中やいにしえの貴族達の行事などが深く関わっています。今回もその1つ、夏の土用の丑の日の前後に行われる、下鴨神社でのあしつけ神事にお邪魔してきました。

罪けがれを祓い、病を得ぬよう願い、冷たくて足の感覚が無くなるくらいの御手洗池を歩きました。最近少し涼しい日が続いたせいもあってか、水の冷たさに泣き出す子供もいるくらいで……。
冷え性の私は普段足をあたためているのに、こんな冷たい水に入るとは。既に何の感覚も無いな……と思いながらも、いやこれは有り難い事…と御手洗池から出て、御神水をいただき歩き出すと、足先から身体にかけてがぽかぽかと活性化されてあたたかい事!
足から毒を出し、穢れを祓い、新たに生まれ変わったような心地まで抱くのでした。
身心共になんとも清々しい心地。

それにしましても、老若男女があしつけに集う姿は、一種異様に感じる程でしたが、昔むかしから、人が願う事、人の悩み苦しみは、変わってはいないのだな…と思う、素晴らしい京都の風習なのでした。

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七三の会 -金剛能楽堂-




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去る7月18日(月)海の日。
狂言の茂山七五三社中・茂山千三郎社中の発表会、「七三の会」に、知人が出演するとのことでお邪魔しました。

皆さんの日頃の精進の成果を拝見する楽しみ、そして何よりも、後見についていらっしゃる師匠の、弟子を見守る姿に、プロの講演とはまた違った面白み、感動がありました。
師匠と弟子とは、やはりやはり、良いものだなぁ……と心底思いました。

午前十時~午後五時頃までで出入り自由(しかも無料)でしたので、私は全部で11曲拝見しました。いつもはお能の合間に観る事の多い狂言を、こんなにも多くの演目を続けて観るのは初めてでした。すると、様々の衣装に目と心を奪われる事しばしば。肩衣と言われる装束の文様の面白い事。豆腐が描かれていたり、五徳!が描かれていたり、達磨だったり瓢だったり…。桂塩鯛さんも出演されていましたが、さすが、肩衣には笹持ち鯛の立派な文様でした。

大いに笑い、暑さもどこへやら!の楽しいひとときを過ごさせてもらいました。
何にせよ、写真や映像で観るのではなく、ライブで観る、感じるのはやはり良いものでした。

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落語デビュー -立川志の輔 独演会-

京都造形芸術大学内にあります春秋座。大学内とは思えないような、花道までついた立派な舞台です。
前々から一度落語を観に行きたいと思っていたところ、お誘いをいただき、立川志の輔 独演会【“中村仲蔵”その他】を観に訪れました。

大がかりな舞台装置も小道具も何もいらない。志の輔師匠がひとたび話せば、温泉街の湯煙が上がり、舞台に雨が降り風が吹き、江戸の芝居小屋へとタイムスリップし、息つく暇も無いような、あっという間の3時間。いっぺんに志の輔師匠のファンになりました。

たくさん笑い、たくさん感動し、胸熱くなった夜。皆様も機会あれば是非一度志の輔師匠の“中村仲蔵”(もちろんその他も最高に面白かったです!)をご覧になってみてください。素晴らしいの一言につきます。言葉では語り切れません。

落語デビューにしてはとても贅沢な、ホンモノ中のホンモノを拝見したのではなかろうか???と思う私。これから東西の落語、様々な演目を観にでかけたいと思うのでした。

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和紙の品格―山崎吉左衛門作品展 -得浄明院-




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京都は東山区、知恩院近くにあります信州善光寺さんの別院、-得浄明院-にて、檀紙制作の第一人者、山崎吉左衛門氏による様々な檀紙の展観と、山根折形礼法教場、山根一城氏による“折形”の展示がありましたのでお邪魔してきました(5/13まで)。

その歴史を600年前にまで遡る事のできる“折形”。皆さま御存知ですか?
様々なものやお金などを和紙で包み、人様に差し上げる。その方式の事を“折形”といい、送る物の格や金額に応じて使う和紙から折り方、包み方など、様々な決まりごとがあります。

四季や陰陽までをも考える為、様々な知識とセンスが必要な上に、一度折り間違え、筋がついてしまった紙は二度は使わない、精神統一を必要とする礼法で、まさに日本の“道”というべき世界に誇る文化です。

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朝の京都御苑




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たまに、通勤前に京都御苑を散歩します。
いつも美しく保たれている御苑内ですが、それもそのはず。
座る時に拭いた事もない綺麗なベンチは、朝、“京都御苑”という文字が背中に書かれたユニフォームを来た方達の手で、一つ一つ丁寧に拭かれていたのでした。
さらに、敷き詰められた砂利も、上のように整備されています。

京都に住まう者にとって心の拠り所となる場所が、常に美しく保たれている事に有難みを感じます。変わらぬ美しい場所がここに来れば必ず有るという事実は、私達を支えてくれます。

早朝のお寺さんを散歩してみても面白いかもしれません。あの美しく掃き清められピシッと張り詰められた空気を保つ為に、和尚さん方が掃除をされている姿に遭遇することでしょう。

どこかへでかけてこの雰囲気を味わうのも良し、でも、少し気をつけて自身の周りからこうありたいものです。少しの意識の変化で、自身の周りも変わってくる事でしょう。

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旧有栖川宮邸の枝垂れ桜




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京都市上京区のにある、旧有栖川宮邸の枝垂れ桜です。
毎年この季節になると、地下鉄丸太町駅から我が家へ帰る途中に私の目を楽しませ、心を華やかにしてくれます。

あまりに立派なこの枝垂れ桜。1952年に堂本印象画伯の提案で、醍醐寺三宝院内の実生の枝垂れ桜を移植したものとして有名です。
かの秀吉の「醍醐の花見」の桜の孫にあたるそうです。
今も昔も人の心は変わらず、、でしょうか。

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京都御苑の春




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梅、桃が満開、続いて木蓮、早咲きの枝垂れ桜も咲きそろった京都御苑からの花便りです。
遅咲きの桜が見頃を迎えるまで、一ヶ月ほど我々の目を楽しませ、心をなごませてくれます。



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京都御苑の梅




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雨の日が続きます。三寒四温とはよく言ったもので、「あぁ、もう春だ、春~」とぽかぽか暖かい日を喜んだのも束の間、昨日京都では雪が舞いました。
そんな中、京都御苑の梅のかぐわしい香りに心癒されます。その大きさと枝の様子から言って、相当な枯木と思われる梅が、枝一杯に花を咲かせる様は圧巻でした。

-梅は寒苦に耐えて咲く-を思い出しました。

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ティク・ナット・ハン京都講演 受付終了のおしらせ




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4月24日(日)に開催予定のティク・ナット・ハン京都講演ですが、多くの方にご参加のお申し込みをいただき、心より御礼申し上げます。

また、大変心苦しいのですが、受付・キャンセル待ち共に締めきらせていただきました。ご希望される全ての方にご参加していただきたい思いはあるものの、会場の運営上、受け入れ人数にどうしても制限があります。
どうかご理解の程宜しくお願い申し上げます。

講演の様子などは、どのような形で皆様にお伝えできるかはっきりと決定していませんが、また職員の感想などもブログでご紹介したいと思っております。

なお、横浜での講演やリトリートにつきましては、下記URLからどうぞ。

ティク・ナット・ハン2011 来日事務局

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カフェでの坐禅

京都には、町家や古いアパートを改造して、カフェ&フリースペースとして営業している店がわりにたくさんあります。

先日ちょうど、あるお願い事があり、行かなくてはならないなと思っていた町家カフェにて、その2階を利用して、坐禅と朝粥の会をすると聞き、時宜を得たりと参加してみました。

普段は至極怠惰で適当人間なくせに、変なところで潔癖、真面目でこだわりのある私(と自己分析しております)は、「坐禅をするのであれば、自分の気に入るお寺で、尊敬すべきお坊さんが指導してくださるような所にきちんと行くべき!!!」との強い思いがあり、何ヶ所か転々としたものの、あまりに寒いとすぐに扁桃腺が腫れてしまい風邪をひくのと、昔スポーツで痛めた足が痛くなるので、挫折していた所でした。

「カフェで坐禅だなんて、邪道ではなかろうか。しかもどのような和尚様がいらっしゃるのか」などと怪訝な気持ちを拂拭できないままに参加したのですが、集まった方々の個性的で面白い事や、カフェの持つ独特な温かい雰囲気、お話も面白い和尚様のご指導で、非常に有意義な30分間の坐禅を体験できました。

終わってからは、持参した飯碗と汁椀にお粥とお味噌汁をいただき、大家族での朝御飯のような時間。最後はお茶とたくあんで器を清める作法などを和尚様から教えていただき、皆さん禅宗の僧堂での無駄の無い作法にいたく感心された様子でした。

あまりに充実した時間に、「こうでないといけない、ああでないといけない」と自分を縛り付けたり、つまらないこだわりを頑なに持つ事は必要無いのだという事を教えられました。

お寺には行きにくくとも、カフェで、お友達の家で、もちろん指導してくれる人が必要かもしれませんが、こういった坐禅の小さな会が広がれば良いなと思った次第です。

坐禅会情報も用意していますが、東京禅センターさんの禅カフェなども面白いと思います。
皆様により良い自分さがしの機会がみつかりますように。

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井戸水のふしぎ




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時間がある限り、神社へ井戸水を汲みにゆき、料理やお茶を飲む際に使っています。
凍て付くような寒さ、そして清らかな神社の空気の中、ペットボトルに水を入れるとほんのり暖かく、幸せな気持ちになります。

この事を友人の息子君(3歳)にお話していて、「なんで井戸水はあったかいの?」と聞かれ、はて、「井戸水は冬はあたたかやし、夏はひんやり冷たいわぁ」というようなセリフを当たり前のように聞いていただけで、何故かを考えない、知らないまま、当たり前の事としてきました。

考えてみればごもっともで、そりゃそうだ…という話なのですが、外気の影響を受けないからですよね。地中にあるわけで、常に14~16℃で保たれている為、水温は一定なわけです。暑い夏にはひんやり感じ、寒い冬にはあたたかく感じる。

子どもの「なぜなぜワールド」に耳を澄ませば、大人でも日々色々な発見や気づきがあるもので、知っているようで知らなかった事をきちんと知る機会を与えられたり、忙しい事を理由に失っていた感覚を呼び戻せる事があります。
「気づき」の無い世界に生きる事への戒めを、お釈迦様をはじめ、数多くの祖師方も仰ってこられていると思います。

センス・オブ・ワンダー(神秘さや不思議さに目を見張る感性)を忘れずにいたいなと思う今日この頃。世界は美しく神秘的で、不思議に満ちています。
大学生時代からのバイブルともいうべき、この本をオススメしたいと思います。

『センス・オブ・ワンダー』レイチェル・カーソン

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雪の京都




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日曜日、月曜日と京の都は雪でした。
毎年この時期には何度かこういった日があるのに、雪の日を迎えては「あぁどうしよう、どうやってでかけよう」などと思う私です。
それでも一旦でかけてしまえば、我が家の近くの京都御苑や鴨川の雪景色の美しさに心奪われ、寒くて手足の感覚が無いのもしばし忘れます。

調子に乗って、雪の降る中を余裕で自転車をこいでいたら、いつの間にか、下記のような状態になっていたりもしますが。吹雪のよう…。いつもの景色が見えません。

冬の京都も是非皆様に味わっていただきたいと思います。が、どうか滑ったり転んだりしないよう、お気をつけ下さい。

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成長を見守るよろこび -V-SQUARED CONCERTより-




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人生の一つの生きがい・楽しみに、“成長を見守るよろこび”というものがあると思います。それはもう多種多様で、ある人にはお子さんの成長であったり、またある人には、畑で育てている野菜の成長であったり…。

先日、バロックザール-青山音楽記念館-にて開催された、英国王立音楽大学の大学院にて勉強中の若い2人、谷本綾香さん(メゾソプラノ)と、田代裕貴くん(ヴァイオリン・ヴィオラ)のデュオ、V-SQUAREDによる、財団法人青山財団助成公演 V-SQUARED NEW YEAR'S CONCERT(ピアノ伴奏/小川春香さん)にお邪魔してきました。

静寂の中、ヴァイオリンの美しい音色が響いた瞬間に、本物に直に触れる悦びと感動が全身に溢れ、さらに、個人的意見ですが、どの楽器よりも最も尊いと思う“人の声”には、どうしようもないくらいの感情の高ぶりがあり、とめどなく溢れる涙を止める事ができませんでした。

自身が持つ醜く汚いドロドロとした部分。人間なら誰しも持ち合わせているものかと思いますが(いえ、そうでない方もいらっしゃるでしょうが私は持っています……)、芸術とは、そういったものを浄化する為に存在するのか…と思わざるを得ないのでした。涙しながら、色々なモノが綺麗に流されてゆくようでした。

しかしながら、そうして一旦は流されていっても、日々の生活を続けてゆく中で、どうしても心に塵や埃はたまるもので、それ故に、常に美しいものを求め続けるのでしょうか。人間の生活に、如何に芸術が必要か、如何に大切なものかを改めて知る事のできた一日でした。

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広沢池 冬




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先日、寒い中をサイクリングしてみました。
広沢池(ひろさわのいけ)の冬の姿を皆様にご紹介致します。

こちらの池では、鯉、鮒、モロコなどを養殖しており、12月に入ると冬の風物詩ともなった、鯉上げが行われます。
池の水を抜いて、このような状態に。鯉や鮒などは料理屋へ。個人的にこちらで買い求め、毎年この日を楽しみに、自宅で食す方もいらっしゃるようです。

こちら広沢池やその周辺の日本の原風景ともいえる田畑は、景観保護地域に指定されています。嵯峨野散策の際は、天龍寺はもちろんのこと、その付近を歩かれた後は、是非この辺りまで足を運んでみてください。
このように枯れた冬の美しさもまた格別です。

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技を訪う -ズーセス・ヴェゲトゥス-




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季刊『禅文化』219号(次号:2011年1月25日発刊予定)の、「技を訪う」は、京都のバウムクーヘンで有名なお店、ズーセス・ヴェゲトゥスさんです。

数年前のちょうど今頃の季節に、こちらの季節限定スパイスバウムを初めて食べた私は、「ドイツと同じ味だ…、何て美味しいのだろう」と感動しました。

店主の森美香さんは、ドイツで修業をされ、ドイツ菓子のマイスターブリーフをお持ちのとても魅力的な女性。彼女の来し方がつまったバウムクーヘンだからこそ、いただいた時にあんなにも感動したのだな……と、取材をして思いました。

ちょうど12月はスパイスバウムが販売中!さらに彼女が大好きだというシュトレンも美味です。是非一度味わってみて下さい!

店主の森美香さんの紆余曲折、そしてこれからの夢など、是非皆さんに読んでいただきたい内容です。私も頑張ろう!と勇気をもらえますよ。
季刊『禅文化』1月号の記事をお楽しみに!

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11月最後の日




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本日で11月も終わり、明日から12月。
なんとなく、忙しい忙しいと言ってはいませんか?
確かに、師が走り出している気がします。

28日の日曜日。今年最後の大徳寺の月釜にお邪魔してきました。
先月旅立たれた表千家の重鎮、久田宗也宗匠ゆかりのお道具類などを拝見し、如何に宗匠が皆に慕われ、尊敬されていたかを思い、しみじみと故人を偲ぶのでした。
中でも、宗匠御筆の「先今年無事 目出度千秋楽」を拝見した時には、時節柄、深く心に落ちるものがありました。
「来年も良いお年を」との御挨拶も耳にし、なんとなく気持ちが焦る思いも。

私が師事しているヨガの先生は、稽古の前にいつも短いお話をして下さいます。
その日も、「あれもしなきゃ、これもやっておかなきゃいけないな」と、なんとなくバタバタと落ち着かない気持ちで稽古に行くと、「この時期になると、なんとなく色々としなくてはならない事に気持ちばかり先走って、結局“今”できる事は1つなのに、思いは違う所へ行っていたりしませんか?」と。心を見透かされているような気がしたものです。
禅もそうですが、ヨガも“今”を大切にします。今に集中し、アーサナ(ポーズ)を行う事で、様々な“気づき”が訪れます。
坐禅をしている時だけ。お茶の点前をしている時だけ。ヨガの稽古をしている時だけ。これらの道が、その時だけのものではなく、少しずつでも、生活にそのまま生きるようになるのが目標です。

ひとまず、「あぁ忙しい忙しい」と口に出すのはやめて、数あるすべき事を、一つ一つ淡々と、でも、心を入れてやっていこう!と思う11月最後の日なのでした。

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京都御苑の秋




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様々な木々が手入れされ、立派に育っている京都御苑内。
この時期は一番の彩りをみせます。
上は、私が毎年注目している木です。このグラデーションに始まり、真っ赤になるまで、とある場所にぽつんと立っている木なのですが、えもいわれぬ美しさです。

先日、岡村美穂子先生のお話を拝聴する機会に恵まれ、「作為と無作為」という事について考えさせられました。
作為ばかりで生きる人間、無作為な自然。

「作為があって当然です。人間なんだし、意識があるんですもの。意識があってこそ確認ができるのよ」。

救われたような気がしました。むろん、その先があるわけですが……。
お話されるおことば、1つ1つが大切にしたいものばかりなのでした。

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大徳寺近辺の秋




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京の都もぐっと冷え込み、どこを通っていても目に入ってくる“自然が織り成す美しい錦繍”に心奪われる頃となりました。

大徳寺辺りを訪れますと、駐車場付近のけやきなどは上のように色とりどり。
僧堂の紅葉の木はそれは立派。ちょうど今はグラデーションが美しい頃でした。
修行中の雲水達はこの錦に何を思うのでしょう……。

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Japanese Decorative Gigs 2010 窶骭€ 京 都 南 蛮 事 変 -妙心寺・春光院-




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「南蛮寺の鐘」が残る妙心寺の塔頭、春光院さんにて、10月24日、面白い会が催されます。
唐紙・襖紙の制作で、昨日ご紹介しました-かみ添-さんも参加されています。
私もお邪魔する予定です。
美しいモノ、新しい価値観との出会いに、自身が何を思うのか、今から楽しみにしています。

Japanese Decorative Gigs 2010 窶骭€ 京 都 南 蛮 事 変

*今回はご案内が遅れ、チケット予約期間を過ぎてしまいました…。昨年もこの催しは行われていたようですので、もしかすると来年も?! 関心を持たれた方は、アンテナを張り巡らせておいて下さい。

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京都御苑にて学びの時間




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大好きな場所。京都御苑。
四季折々の花の開花が待ち遠しかったり、先日は大文字を見に行ったり。一人佇んでじっと大文字を見てらしたおじいさまが、火が消えると手を合わせ、最敬礼してから去ってゆかれる姿は、あまりにも美しすぎました。

さて、広い広い御苑内には、色々な“学び”があります。
自転車でウロウロしていますと、上写真のような看板をみつけました。小学生の課外学習にもぴったり!などと一人思っていた私です。
また、下写真のように“コオロギの里”なんかもあります。もう少し秋が深まったら行ってみてコオロギの大合唱を楽しみたいと思います。
秋の一般公開も楽しみですね。日本文化の真髄がある場所。大切にしたい場所です。

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平安女学院大学 有栖館 -有栖川宮旧邸-




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現在は平安女学院所有となっている、有栖川宮旧邸を訪れました(9/30まで一般公開)。

有栖川宮家は、「四親王家」と呼ばれた宮家の一つ。明治時代に東京へ移り住まれた後、京都御所建礼門前に建てられていた邸は京都裁判所の仮庁舎等として使用され、明治24年にその一部が現在地に移されました。現在は平安女学院大学「有栖館」として受け継がれています。書院造の建物は「玄関棟」「住居棟」「客間棟」の3棟に分かれ、「上段の間」、15畳の「能舞台の間」など、幕末から大正時代にかけての宮邸のおもかげを今に伝えています。11代小川治兵衞(じへえ)氏作庭の白砂と緑の鮮やかな庭園もみどころです(パンフレットより)。

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いつも春になると塀の外から、「なんて立派な枝垂れ桜だろう…美しいなぁ」と思っていた桜。その全貌が明らかに!!!
醍醐寺三宝院から移植されたもので、太閤秀吉の「醍醐の花見」当時の桜の孫の木となるそうです。前に置かれた床几から、どれだけ立派な枝ぶりかがおわかりいいただけるかと思います。

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通勤前に蓮見物 -日蓮宗・立本寺-




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この時期になると、毎年通勤前に日蓮宗本山立本寺の蓮を観にでかけます。
今年も本堂前にはたくさんの蓮が。
ホームページを拝見して初めて知ったのですが、かの名将・島左近の墓があるそうな。
有名拝観寺院はほぼ参拝した方、立本寺さんへのお参りはいかがでしょう。
春には桜も美しいですよ!

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真夏の緑




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嵐山近くにある研究所の倉庫へ。
年に何回かでかけますが、山々の緑の変化が楽しみです。
今は力強い夏の緑。濃い、濃いですね~。

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不響は終わりだ! -ブライトンホテル-




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我が家近くの京都ブライトンホテルでは、「不響は終わりだ!」と題し、7月は毎夜8時より、ロビーにて30分のミニコンサートが開催されている。しかも無料なのだ。
先日は時間があり、オペラ歌手中丸三千繪さんが出演される日に足を運んだ。

オペラには興味を抱きつつも、これまで全く縁の無かった私であるが、彼女の名前はもちろん存じており、「あれだけ有名な方なら……」というミーハーな思いからでかけた。

その姿を拝見した時、まずは「はぁ…世界の舞台で活躍する人のオーラとはこういうものか…」と思い、その後は歌はもちろんの事、身のこなし、ドレスやアクセサリーのセンス、少しユーモアを交えた会話の巧みな事、彼女の全てに魅了され、私の全細胞がうっとりとした幸福感で満ち満ちるような感覚であった。
本当の癒しを求めるのなら、本物の芸術に触れるのが一番だと思う。

お能が好きでたまに観にゆくのだが、お能の世界では、表情動かぬ面をつけ、極力感情を内に秘めた中で、人間の持つ生の苦しみや哀しみなど様々な感情を表現し、最後には昇華させるような感じだが(これはあくまでも私がこう思っているだけの事です)、土地や文化や人が違ってヨーロッパにゆけば、同じものを外に向かって高らかに歌いあげ昇華させるのだな…と、どちらもの素晴らしい芸術文化に改めて畏敬の念を抱くに至った。

ミニコンサートのはずが、終了したのは10時! 心広き世界のディーヴァ、まさに女神の名に相応しい彼女のすべてを2時間堪能し、来年また…というよりも是非それまでに彼女のコンサートへ…と心に誓った真夏の夜。
もしかしてもしかすると、人一人の人生を変えてしまうくらいに素晴らしい企画かも?!と思える、ブライトンホテルさんの試みにもいたく感心した夜であった。

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良寛遺墨展 -何必館-




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祇園にある私も大好きな美術館、何必館(かひつかん)にて、先日(7/19)まで「没後180年 良寛遺墨展」が開催されていました。
早くにご案内できればよかったのですが、ぎりぎりに参りましたので事後報告となってしまいました。
こじんまりした美術館で、心ゆくまで良寛さんを堪能。5階の茶室ではふーっと深い呼吸を。こちらの美術館へは、一人でゆかれる事をオススメします。

研究所の書籍、良寛和尚逸話選もなかなかに面白いですよ。機会がありましたらご覧になってみてください。

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祇園祭




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四条界隈へゆくと、山や鉾の準備が始まっていました(2~3日前の画像です)。
中京区(なかぎょうく)の人々のちょっと浮き足立った感と同時に高揚感がなんともいえません。「あぁ、今年もこの時期が来たのだなぁ」と微笑ましく思いながら写真を一枚。季節の行事と共にある京都での暮らしが大好きです。

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6月30日の京都のデパ地下




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水無月の夏越の祓する人は
    千歳の命延というなり

今年もいよいよ残る半年。折り返し地点を過ぎました。
元旦に誓った今年の目標、ふと頭に浮かびますね…。

各神社では6月30日に半年の罪穢れを祓い清め、残る半年も息災に…と「夏越の祓」の神事が執り行われましたが、この日に京都では皆が食べる「水無月」というお菓子があります。
古来より、宮中では氷室より取り出された氷が献上され、やんごとなき方々はそれを口にされ、夏越の祓の行事をされたとの事ですが、一般庶民の口にそのような物が入るわけもなく…そこで作られた菓子が水無月との事です。

悪魔祓い、邪気祓いのつぶつぶ小豆が上に散らされ、氷の形をしたお菓子。これを食べるともうすぐ祇園祭が…と、様々な季節の行事と共にある京都です。

私も仕事帰りにデパ地下の菓子屋へと急ぎましたが、どの菓子屋にも「水無月」を求めるものすごい行列が…。
「当たり前」と、この日にこの菓子を食べる。この「当たり前」が来る年も来る年も続いているという事は、やはり素晴らしい事だなぁ…と、列に並びながらぼ~っと考えます。

それにしても、これは京都ならではの現象ではないでしょうか?
皆さまが住まう地ではいかがですか?

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今は青葉の季節 -京都御苑-




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京都御苑内にある、小川の糸桜。
4月には多くの人で賑わいますが、また来年の桜の時期が来るまで、人知れずひっそりとその力をたくわえています。

四季を通して観察していたい立派な木々が、御苑内には数多く存在しています。
自分の人生や心情と木々達の四季の営みを重ねてみたり、思う事はさまざま。

歩いてめぐるにはなかなかに広くて大変な御苑ですが、例えば観光で京都にいらっしゃる場合、レンタサイクルで御苑内を散策したり通ったりするだけでも楽しいものですよ!オススメいたします。

桜の季節

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散歩途中に坂村真民のことば




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京都市上京区にある、聖ドミニコ女子修道学院の門前に、仏教詩人・坂村真民氏のことばが…。
「ほぅ……キリスト教の修道学院の掲示板に…」としばし立ち止まって眺めた。
それにしても、美しい字で書かれ、美しい額に丁寧にはめられて、その事がさらにハッと目を惹くことばとなっている気がする。
どのような人がこの言葉を決め、ここに掲示したのだろう。こちらの前を通る人の事を思い、“思い”を込めてこの額が掲げられたのがなんとなくわかる。

次回またここを通るのが楽しみだな……と、清々しい心持ちでその場を去った。

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大護摩會 -岩屋山 志明院- 京都市北区




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昨年初めて訪れて衝撃を受けた京都市北区・雲ケ畑にある志明院の大護摩会
本年もありがたい事にお参りさせていただく機会を得ました(4月29日)。
詳しい説明は昨年の記事をご覧いただくとして、本年も訪れて得た感想を。

禅の世界でも、“今”を生きる事を大切にします。そして己というものを明らかにしてゆく……。でも、なかなかに我々は日々の雑事に心奪われたり、煩悩にまどわされ、“今”を大切に生きていられない事があります。
そんな中、節目節目にある様々な行事は、自らを悔い改めるのにとても良い機会を与えてくれます。
私にとってはこの大護摩會もその一つ。お正月を終え、節分を終え、お彼岸を終え、桜が終わる頃、昨年こちらでいただいたお札を焚き、その後の炭の上を渡り、一年の無病息災を願う。

もくもくと燃える護摩焚きの炎や煙を見ていると、自然と「1年護られていたなぁ。あ
りがたいなぁ」というような気持ちが湧き、世界の人々の平和と安心をも願わずにはいられません。また、自身に例え大変な事があった年であっても、「ありがたいな」と心底思えるのです。
そしてこれからまた迎える1年の無病息災を心より願います。

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六角堂は六角形 -京都市-




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最近私が気に入ってよく通っている場所に、京都市中京区にある六角堂前のスターバックスがあります。
ガラス張りになった店内から、目の前に六角堂を拝む事ができます。
いけばな発祥の地でもある由緒正しきお寺を前に一服。界隈では池坊のお弟子さんもよくお見かけし、やはり京都だな…と改めて思えるような場所なのです。

「日本が好き、京都が好き」と言いながら外来のスターバックスで一服か…と思いつつ、妙に京都に溶け込んでいるこの店についてを考え、それは京都の懐の深さ広さ由縁であろう…とまたまた京都贔屓をしてみたり。
なにはともあれ、寺好き人間としては、かなりリラックスできる場所です。

さて、先日六角堂へとお参りし、お気に入りのスターバックスへ入ろうかと思った時に、ふと「展望エレベーター」の看板を発見。下からはなかなか確認しづらい六角形のお堂をエレベーターで登りつつ上から見られるとの事。これは!!!と思い登ってみました。
そうして撮った写真が上の写真です。ん~、確かに六角形ですね(当たり前)。
展望エレベーター。素敵な発見でした。

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京都市北区の桜




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所用で、京都市営地下鉄烏丸線の最終駅、京都国際会館駅まで。
駅から地上へ上がると、比叡山の近い事!
「山笑う」の時期をまさに迎えんとする新緑がキラキラと眩しく、終わりに近づいたソメイヨシノは花びらの絨毯を作り、そして今が盛りの八重桜に迎えられた。
御所近くの中心部で見る桜も京都らしく風情あって良いものだし、だいたい京都市内からはどこからでも山が見える。だが、より山に近づき、遮るもの無く広い空のもとで見る桜もまた格別であった。

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-丁寧ということ-色と布と語りあう日々 清水繭子氏(染色家)




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前々から一度訪れてみたかった、総合地球環境学研究所環境思想セミナー
今回は染色家、清水繭子氏(略歴やおおまかな今回のセミナー内容などはHPをご覧下さい)。

さて、「丁寧」とは、皆さんはどのような事だと思われますか?
自分で言うのもなんですし、おおげさかもしれませんが、「私は丁寧の目利きではないだろうか…」と自分自身に思う事があります。
私が思う「丁寧」は、きちんとした「思い」がこめられているもの。手間や労力を惜しまずになしとげられたもの。「丁寧」は裏切らない分ごまかしがきかない。普段の生活でいうと、料理がそうです。丁寧につくられた料理には「はっ」とする美味しさと安心があります。
清水さんが、「その物の真の色をまっすぐに引き出したいんです。その時に出る透明感を大切にしています」というような事を仰っていましたが、その、素材を思う心や、真摯な姿勢がもう既に「丁寧」なのだと思います。

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立本寺の桜 -京都市上京区-




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日蓮宗八本山の一つ、立本寺の桜です。立派なご本堂の参道に咲く桜が美しく。
夏には蓮も咲き、朝早くからアマチュアカメラマンで賑わうひそかな人気スポットです。

最近、ある看板に気がつきました。
「ここは神聖なお寺の境内です。散歩・通行・通り抜けの場所ではありません。必ず本堂前で合掌礼拝してから通って下さい」と。
一昔前の日本では考えられない事ですね。神仏を無視して通り抜けをする……とは、なんとなく悪い気がしたり、なんだか背中がもぞもぞするというか、いけない事をしている気がしたものです。
書かなくてはならない……というのはゆゆしき事だなぁと思いましたが、ただ、何の悪気もなく、知らなかった人にとっては、「お、そういうものか」とちょっとした“気づき”にもなるし、良い事なのかな?!現代社会には必要なのかもな?!とも思いました。

そうはいっても京都では、まだ朝に夕に、町のいたるところに祀ってあるお地蔵さんにそれは美しい姿で手を合わせる方を毎日みかけます。神仏に合掌する姿はとても美しく、いつどこで誰を見ても私の胸を打ちます。娑婆で生きる我々に必要なものとは何か……というのを考えさせられます。



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京都御苑の枝垂れ桜




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朝、研究所に出勤する前に京都御苑へ桜を観に……。なんて贅沢なんでしょうか。一人じめできるかな?と思いましたが、早朝でもないのに期待しすぎでした。8時頃から観光バスまで来るほどの人気ぶり!!!
夜の誰もいない時間帯の桜の気配、月明かりのみで見るシルエットも美しいものです。
学生時代、友と語り合ったり、ぼ~っと諸々の考え事をする場所と言えば、非常に美しい校舎や庭でしたが、京都にいる今は、京都御苑がその場所になっています。
皆さんにはそんな、心の帰る場所、宿る場所がありますか?

第9回西村惠信所長といく“禅と文化”の旅、参加者募集中です!

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朝鮮の壺 -高麗美術館-




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雨の中、京都市北区にある高麗美術館へと足を運んだ。
韓国の石文化を意識して作られた庭は、石たちもしっとり、また違う風情で一段と美しく……。

現在、-朝鮮の壷-と題して、様々な時代の、様々な人々に、様々な用途で使われた壷壷壷!が展示されている(4月4日まで)。
身分の差による作りや描かれる画の違いなど、興味深いものだが、雑器のような壷にはまたその壷の良さがあり、朝鮮のこういった類のものを見ていると、日本に民芸運動をもたらすきっかけとなったのだ……と感慨もひとしおである。
民芸運動といえば、まず柳宗悦を思う皆さんが多いとは思うが、その前に、浅川伯教・巧兄弟の存在があったことを忘れてはならない。
もう10年も前になるだろうか……李朝の白磁に興味を持ちながらも何も知らなかった大学生の私であるが、ある骨董屋の店主から、日本の植民地統治下の朝鮮に渡り、朝鮮の人々にこよなく愛され、朝鮮の大地に眠る事となった浅川巧(たくみ)さんの生涯を描いた小説、『白磁の人』を読んでご覧なさい……といただいたのが懐かしい。

高麗美術館や、東洋陶磁美術館など、朝鮮の物が多く収蔵されている美術館に行かれる前には、是非とも読んでいただきたい一冊である。
余談だが、高麗美術館までゆかれるのなら、茶室建築の巨匠、中村外二工務店が手がけた茶室のような空間の店舗をもつ、御倉屋の和菓子を買いにゆかれる事もオススメしたい。また、和菓子よりも洋菓子!という方には、その並びにある、ドイツ菓子マイスターの店主が作るズーセス・ヴェゲトゥスのバームクーヘンをオススメしたい。まさに本場ドイツと同じ味!で、店主の人柄も素晴らしく、大変気に入っている店である。

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京都御苑の桜




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3月14日の写真です。
早い品種がもう咲き始めていました。既に今は満開のようです。
これから約1ヶ月間ほど、様々な品種の桜が順に花を咲かせる京都御苑内。
今から心待ちにしています。

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御香宮さんの月釜 -京都市伏見区-




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京都市伏見区にある御香宮(ごこうのみや・ごこうぐう)さんの月釜にでかけました。
今月は武者小路千家の木津宗匠がお席をもたれていました。
京都市内のお寺や神社では、毎週のようにどちらかで釜が掛かっています。
自身が学ぶ流派のみならず、気軽に他流派のお茶会へも足を運ぶ事ができますし、亭主お心入りのお道具を拝見し、そのおもてなしに学ぶ所も多く、非常に勉強になります。
だいたいの月釜が、臨時会費1000円を受付にてお支払いすれば気軽に参加する事ができ、大寄せとはいえ、本格的な茶会を毎週のようにどちらかで体験できるというのは、さすがは京都といったところでしょうか。

さて、全国的に3月3日を桃の節句としてお雛祭りをなさる所が多いのだと思いますが、京都では旧暦でお祝いするお家もいまだ多く、今回のお茶席も、桃の節句にちなんだお席でした。
待合の立雛の画にはじまり、お道具にも"赤"が随処に見られ、女子の節句と、皆が心待ちにする春の到来を祝うに相応しい可愛らしく華やいだ空間に、こちらの心も明るく楽しくなるのでした。

また、自身が学ぶ流派とは違うお道具や、そちらの流派の代々のお家元のお好みも目新しく、亭主のお話を興味深く拝聴しました。
お茶を習っていませんとなかなかに参加しにくいものですが、周りにお稽古されている方がいらっしゃるようでしたら、是非一度茶の湯の世界を体験しに連れていってもらって下さい。
"なんだか難しい決まり事が多く、古くさい"といったイメージばかりが先行しがちなこの世界ではありますが、長い時間をかけて洗練されてきた美しく深い世界とは、本当はそのようなものでは無いのだという事や、日本の芸術・精神文化の素晴らしさに少しでも多くの方が気付く事ができたら......と思うのでした。

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京都御苑の梅 鴨川沿いの柳




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京都で梅といえば、北野天満宮
あちらの梅林もそれは見事なものですが、京都御苑内の梅林や、到るところに咲く梅もそれは見事で、通り抜けする者の目を楽しませてくれ、また、梅林に近づくとそれはなんとも言えない良い香りもするのです。

真冬の頃はひとっこ一人歩いていない日もある御苑内ですが、この時期からはカメラ片手に梅見を楽しむ人でにぎわいます。
梅にも色々な種類があり、満開を迎え散り始めているものから、まだ蕾も固いものまで様々です。
これから、桃も咲き始め、その後は待ちに待った桜の季節に…。百花繚乱の御苑内となりますが、春はいっぺんにはやってきてはくれないもの。
新芽が芽吹き、花が咲き、大地にパワーがみなぎるこの季節、我々も自然の一部であって、心身もこの変化についていけず不調をうったえる事があります。
三寒四温のこの季節、どうか皆様ご自愛下さい。

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鴨川沿いの柳の芽が出始めていました。もう少したつととても美しい緑の芽を楽しめる事でしょう。
柳にゆうれい…などと絵に描かれますが、新芽の頃の柳はとても清々しく美しいですよ!

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-而生其心- 石田智子展 ギャラリー素形




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京都のギャラリー素形(室町二条下ル)にて、石田智子展が開催中です。
石田智子さんといえば、玄侑宗久師の奥様であり、我が研究所の季刊『禅文化』213号の、-寺庭さんのリレーエッセイ-にも寄稿いただいている。その中に、如何にしてこういった制作活動をするに至ったかが書かれており、様々な心の葛藤を知り得た。

この展観のタイトルは石田さん御本人がギャラリーの空間から感じ取り、御自身の作品の展観と重ねてつけられたのだとか。

-応無所住、而生其心- 臨黄ネット・禅語栞いろは歌より
-応無所住、而生其心- ブログ禅「えしん先生の禅語教室」より


皆さんはこの空間に何を感じ取られるのでしょう。
私も会期中に伺いたいと思います。
じっくり展観を見た後は、ギャラリー横のカフェで一服。
素敵な休日になる事間違いなしです。豊かな時をお過ごし下さい。

3月7日まで
ギャラリー素形

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くもりの日




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ここ最近、くもりや雨の日が多いですね。
京都御苑内を通り抜けてしていると、曇っているおかげで太陽を直視する事ができ、陰になった木々の様々なシルエットがまた美しいのでした。思わず写した一枚です。
御苑内、四季折々ハッとする美しさに出会えます。
近くのホテルでは、時期によっては、早朝に御苑内を散歩したり写真を撮ってまわるプランもあったりするのですよ!

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嵯峨野線がついに




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この研究所のある花園大学まで通い出して、何年になるだろうか。ちょっと指折り数えてみた。
途中、僧堂掛搭の間は抜いても、大学も花園大学だったので、四半世紀は越えたことになる。
その間、ずっと自坊からJR(当時は国鉄)で京都駅を経由し、嵯峨野線(当時は山陰本線)に乗り継いで通っていた。

大学生の頃の山陰線は電化されてもおらず、単線のローカル路線そのまんまで、ディーゼル機関車に客車が引っ張られていた。京都駅で座席に座って本でも読んでいると、とても静かに、いつのまにか動き出していた。客車は木造のイメージが残る車両で、通路の真ん中に柱が立っているなど、とてもノスタルジックだ。

それから10年近くして電化された。それでも単線の電車は、対向してくる特急電車などが遅れると、離合待ちのために、長く駅で停車し待たされた。そのころの二条駅は、当時日本最古とされる駅舎で、社寺風木造建築だった。平成8年に新駅舎にゆずってから今は、梅小路蒸気機関車館の史料館として移築し残されている。

平成8年から、線路が高架になりはしたし一部複線化され、新たに円町駅という駅ができて、通勤にはいくらか便利になったのだが、丹波口駅から二条駅までは現在もまだ単線といった状況であった。

そしてこの平成22年3月13日(土)にダイヤ改正され、京都駅から園部駅までが完全複線化運転されるとのこと。じつはそれに先立って、新しく敷設された線路の上を、既に電車は走っていることに先日気が付いたというわけである。

定年退職までに間に合うのだろうかと思っていたというのが本音だが、どうやら、この春から、また快適に通勤できそうだ。
あとは、どうか事故のないように運行して欲しいと望むところ。

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祝 成人の日




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2000年のハッピーマンデー制度の導入に伴い、成人をとうに過ぎて関係の無い世代の人間からすると、成人の日と言えば1月の3連休…という意識しか無くなって来ている昨今。
ぎりぎり私の世代くらいまでは、かつての自身の成人式を思い出し、やはり1月15日というと感慨深いものである。
本来、小正月であり、かつて元服の儀が行われていた歴史から、1月15日が成人の日とされた事も、今や忘れかけられている感がある。

それはさておき、毎年成人式には平安神宮あたりに新成人を見にでかけている。
着物が大好きな私が眼福のひとときを過ごせるまたとない機会。
少し前までは、「着物なのにあんな髪型をするなんて!」「あの着物は私の好みではないなぁ」と、自身の好みであれこれ思っていたものだが、もちろん好き嫌いはあるにせよ、今年は誰を見ても輝いていて可愛らしいと思う自分に、歳を取ったものだな…と感じた。
それにしても、暗い話題ばかりの昨今、若者の笑顔、パワーにこちらも元気をもらい、清々しい一日であった。彼らの未来が輝かしいものである事を祈念したい。

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後宇多天皇の御髪塔




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先日紹介した嘉陽門院墓から北約100メートルの所にあるのが後宇多天皇御髪塔である。ここも宮内庁の管理。周辺の通路は大変狭隘で参拝には不便。塀と覆屋によって保護されており、外から内部を伺うことは出来ないが、文献によると大応国師の普光塔もあるとのこと。

後宇多天皇の遺骨は北嵯峨の蓮華峰寺陵に葬られ、今でもそこが本陵であるが、遺髪が竜翔寺の大応塔の傍らに納められた。竜翔寺は応仁の乱ころに荒廃して大徳寺内に移されたが、大応塔はこの地に残り、明治中頃まで竜翔寺輪住の僧によって毎年七月の諷経が続けられたという。

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名残の紅葉 -京都御苑-




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京都御苑を散歩しました。
早くから色づいていた紅葉はもうすっかり散っていましたが、まだまだ我々の目を楽しませてくれる木々がありました。
降り注ぐ太陽の光で、キラキラしています。
少し気持ちがイライラしていて落ち着きたい時などには、御苑や鴨川にでかけます。
自然に身を置くと、いつの間にか心穏やかになり、癒されています。

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雨あがりの鴨川




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いつ通っても、溜め息が出る美しい鴨川の眺め。
先日、雨上がりの後はこのような……。空気が澄んでいます。
雲間に見える青空が眩しい。あの鳥のつがいはどこへ飛んでゆくのだろう。
季節の変化のみならず、刻々と変化する様子がいつも楽しみで、
自転車を走らせていても、しばしとまって景色を楽しむ事にしています。

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青龍の頭の地 志明院へ




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11月の中頃、京都を守る青龍(鴨川)の源流の地、北区雲ケ畑の志明院へお参りしてきました。
4月の大護摩會の際にはお忙しくなかなかお話できない奥様から、様々なお話をお聞きしました。

司馬遼太郎さんがこちらに泊まられた折の摩訶不思議な体験を宮崎駿監督に話したところから、『もののけ姫』が生まれた事。

都会にいると、さも人間のみが生きている!という感じでいばっているが、こういった山の中で過ごしていると、我々人間のみが生命体なのではなく、木々やその他全てが生きている事をひしひしと感じ、人間は自分たちのみでは存在できず、ものの命や助けを借りてこそ生き長らえる事ができる事を日々感謝するという事。
そして、人間のみならず、あらゆる生命体の、その“ものの気配”をいつも感じつつ生活しているという事。また、だからこそこの地から環境問題などに対して警鐘を鳴らしているという事。

山田無文老師や、平田精耕老師もこちらを訪れられた事。

志明院のある山全体から水が湧き出ているようなもので、この山すべてが鴨川の源流であり、青龍の頭にあたる地がここなのだという事。

短い時間に、様々なお話をお聞きし、やはり京都の奥深さを知るのにはここだと思える聖地なのでした。

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京都御苑の紅葉




京都御苑の紅葉

「季節は待ってくれない!どこかへでかけなくては!!!」と、どこか有名寺院ででも紅葉狩りをしたい衝動にかられるこの頃。

家からすぐの京都御苑、いつもいつも「美しいなぁ……」と思いながら自転車を走らせていますが、先日ゆっくり歩いて通り抜ける機会がありました。
どの季節も本当に美しいです。特に今の季節は、「こんなにも落葉樹が植えられていたのか…」と、緑の時期には気づかない木々に目がいきます。
皆さん、京都へおでかけの際は、寺社と共に是非京都御苑もお散歩してみられてはいかがでしょうか。

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秋の一日




秋の彩り

先週、嵐山から化野の念仏寺まで、ちょっと歩いてみました。最近の寒さもあってか、まだ時期が早いようでも、山は粧いをはじめていました。これから、もっと艶やかになるのでしょう。

「化野」は「あだしの」と読みます。ここは古来より鳥辺野、蓮台野ともに葬送の地とされていたとのことです。

寺伝によれば、化野の地にお寺が建立されたのは、弘法大師によって五智山如来寺を開創されたのが始まりとのことです。その後、鎌倉時代に法然上人の念仏道場となり、真言宗を浄土宗に改め、華西山東漸院念仏寺と称するようになったとのことです。

中に入ると、目の前には賽の河原になぞらえて名付けられたという、「西院の河原」と呼ばれる無数の石塔群が広がります。これらの石仏・石塔は、往古化野の一帯に葬られた人びとのお墓で、長い歳月を経て無縁仏となって、化野の山野に散乱・埋没していたものを、これらを供養するために集められたとのことです。

そのうち、ある朽ちた石仏を見て、ふと考えさせられました。風葬から土葬へ、それから火葬へと葬り方は変わってきたけれども、生命のとらえ方、別離の悲しみはどうでしょう。

「あだし野の露消ゆるときなく……」とは吉田兼好の『徒然草』の一節。「誰とても 留まるべきかは あだし野の 草の葉毎に すがる白露」とは西行法師、「暮るる間も 待つべき世かは あだし野の 末葉の露に 嵐たつなり」とは式子内親王の歌。はい、筆者なりにでも、一所懸命に思惟することにします。無常の風が吹く前に。

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嘉陽門院の墓




嘉陽門院の墓

研究所の近く、旧竜翔寺跡にある後鳥羽天皇皇女礼子内親王(嘉陽門院・かようもんいん)の墓。宮内庁管理の兆域内に遐かに石造五輪塔が拝される。

嘉陽門院礼子内親王は後鳥羽天皇の第三皇女、賀茂斎院に卜定されるが、礼子内親王を最後として賀茂斎院は廃絶した。父帝配流後も京に残ったらしい。文永十年八月二日崩、寿七十三。

竜翔寺は嘉陽門院の崩御より後、後宇多天皇によって南浦紹明(大応国師)寂後に国師を開山として建立。室町時代は十刹の第十位ともなっている。

女王の墓がこの地にある由来はよく分からないが、『雍州府志』にはすでに記載があるので、当時より何らかの記録や伝承が存在したのであろう。

近くには後宇多天皇御髪塔および大応国師普光塔の覆屋もある。

嘉陽門院の墓_五輪塔
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秋の非公開文化財特別公開




大徳寺本坊

京都古文化保存協会さんによる、秋の非公開文化財特別公開の時期がやって参りました。

平成21年10月30日(金)~11月8日(日)

今回、臨済宗からは“大徳寺本坊”が公開されるようです。
こちらは、瀑凉の時くらいしか、中に入る事はできません。山内の塔頭寺院で特別に公開されている所もあります。
是非この機会にどうぞ!

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宇治茶まつり




宇治茶祭 献茶式

10月4日、晴れ渡る空のもと、名水汲み上げの儀に始まった毎年恒例の宇治茶まつり。
今年は最も尊敬する茶人、堀内宗心宗匠がお献茶をされるとの事ででかけてきました。

この宇治茶まつり、中国から茶の種を持ち帰った栄西禅師(ようさいぜんじ)と、栂尾でその茶の種を栽培した明恵上人(みょうえしょうにん)、そして千利休の3人の茶祖・茶道の先覚者の霊を祀り、茶を献じます。また併せて、茶の史跡保存と宇治茶の振興を図るために、毎年10月上旬に宇治橋周辺で行なわれるお祭です。

名水が到着 建仁寺管長による香語

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大徳寺 曝凉のご案内




大徳寺

今年も10月の第2日曜日(雨天中止)に、大徳寺本坊において曝凉(掛け軸・宝物などの虫干し)展が開催されます。
さわやかな秋晴れの一日、禅寺にて、普段拝見する事のできない宝物をご覧になられてはいかがでしょうか。ご関心がおありの方は是非おでかけ下さい。

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かみ添  -京都の職人さん-



かみ添

大切な人に手紙を送る際には、便箋や切手などには特にこだわりたいと思っています。
まだ唐長の美しい便箋やハガキが修学院でしか買えなかった頃から、時折訪れては買い求めていました。
最近では四条烏丸のお店(古今烏丸内)にて求めやすくなり、個人ブログや雑誌などでもよく紹介され、便箋やハガキのみならず、様々な美しい商品を扱っておられ、御存知の方も多い事と思います。
そんな唐長にまた新たなひろがりが!
お弟子さんが独立されるというのです。これは!と、西陣にできた新しいお店にさっそく伺ってみました。

-かみ添-

町家を改装された店内には、ほんのりと優しい灯りがともり、壁や襖に貼られた紙の美しさを存分に引き出しています。光のあたる角度によって、様々な表情が見え隠れします。

無音(ムネ)

水玉のようなこの模様は、かみ添さんのブログによると、 「無音」(ムネ)と名付けられているとの事。ぼたん雪がシンシンと降っている音の無い世界を表しているそうな。
大切な人と語り合う時には、テレビや音楽をつけずに、こういった景色が共にあると、落ち着いて安心して様々な事を語り合えそうですね。そう思うと、“かみ添”という屋号がとてもよくわかる気がしてきます。職人さんによって魂を入れられた紙が心に寄り添ってくるような印象を受けます(私の勝手な解釈です)。紙が、生活にも心にも添って存在する感じでしょうか……。

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地蔵盆と地獄絵 -子供達に与える記憶




地獄絵

関西以外の地域ではなじみが浅いであろうが、滋賀や京都を中心として、夏休みも終わりに近づいた今日8月24日(旧暦では7月24日だった)の地蔵菩薩の縁日には、「地蔵盆」という行事がある。
多くは前夜23日~翌25日に行なわれる。発祥は滋賀県南部だとどこかで読んだ気がするが定かではない。

自坊にも飛び地に地蔵堂があり、地区の子供会などが中心になって行なわれる地蔵盆の行事が、子供達の楽しみにしている夏休みの一つのイベントにもなっている。

さて、上の写真は、江戸時代から自坊に伝わる地獄絵である。昔から地蔵堂にこの地獄絵をかけるのが風習となってきた。地区の大人たちも小さい頃にこの地獄絵を見て、肝を冷やした記憶があるのだ。

また、近くのニュータウンにも小さな地蔵堂があって、老人会の人たちのおかげもあって、毎年、地蔵盆にお参りに参らせていただく。
いつも自坊の地蔵堂には、上の地獄絵を飾り、子供たちにも見せてきたのだが、今年、ふと思い立って、ニュータウンの子供達にも、地獄絵を持っていって見せてやろうと思った。

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天寧寺 -京都・曹洞宗-



天寧寺 額縁門

秋晴れかとみまごうような青い空、カラッとさわやかな気候のとある日、自転車で寺町通の鞍馬口を下がったあたりを走っていると、立派な門構えのお寺が。
石碑を見ると「金森宗和墓所」との事で、門からは抜けるような青空とはるか遠くに比叡のお山が。
これは!と思い、自転車を停めてみました。
金森宗和とは、江戸時代初期の茶人で、飛騨高山城主金森可重(かなもりありしげ・千利休について茶の湯を嗜んだ)の子で、父に勘当された事から京都へとおもむき、茶の道に入りました。
その茶風は「姫宗和」と呼ばれる事からもわかるように、“綺麗さび”をモットーとし、公家などに親しまれました。かの名工、野々村仁清を指導した事でも有名で、仁清の作品を思い浮かべると、千家のわびさびの世界とはまた違う“綺麗さび”の世界というのもどのようなものか、想像がつくかと思います。

比叡山を望む立派な門は、あたかもキャンバスに描かれた絵を見るかのようで、“額縁門”と呼ばれるそうな。
このようなお天気の日に、こちらの前を通らせていただけた事をありがたく思いました。

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送り火



京都 五山の送り火
真如堂本堂前 灯籠で作られた大文字

8月16日、五山の送り火。
今年は、真如堂から如意ヶ岳の大文字を拝ませていただきました。
本堂では7時頃より法要が行なわれますが、でかけた時間の遅かった私が、参拝者もほぼ帰った後の本堂を覗いて拝もうとしていると、後片付けをなさっていた和尚様が「まだ火がついていますからどうぞお焼香を」とお声をかけてくださり、ありがたくもお焼香させていただきました。
真如堂をあとにし、その後は宗忠神社から吉田山の方へと登り、色々な角度から大文字を拝み、夜の散歩を楽しみました。

ご先祖様をお見送りする…という本来の意義からすると、やはりお寺から拝ませてもらうのは良いものだなぁ…と思った夜でした。

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河合寛次郎記念館

河合寛次郎記念館

先日、久しぶりに河合寛次郎記念館を訪れました。
10年ほど前から度々訪れていますが、昔は土日祝日でも人がまばらでした。が、今回は美大の生徒さん達や、ご旅行中と思われる方々など、たくさんの拝観客でにぎわっていました。
昨今流行りの生活スタイルと、民芸の“用の美”の考え方がリンクする事や、静かな落ち着ける空間を求めてやってくる方もまた多いからでしょうか。
京都の伝統的な職人の仕事や、数寄屋建築などとはまた違う魅力のある河合寛次郎の作品とこちらのお宅。自らの生活にも、心豊かに暮らす為に取り入れられそうなヒントがいっぱいです。

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寳慈院 旧千代野御所

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とある日、自転車での買い物帰りにいつもは通らない道を通っていると、老禅尼と禅尼が手をつないでご自坊を外から眺めて(何かを点検!?)おられた。
老禅尼がお歳を召されており、お御足の事もあるのかもしれないが、ぎゅっと手を握りあったそのお二人の後ろ姿があまりにも慈悲深く微笑ましく、また、「はて、代々尼さんという事はもしや尼門跡寺院だろうか……」と、通りすぎてから自転車を引き返した。

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大いなる哉 心や -栄西禅師-



京都 建仁寺


来たる平成26年の“建仁寺開山栄西禅師800年大遠忌”にむけて、研究所でも遠忌事業の一環として、書籍の発刊など、建仁寺さんからの依頼にてお仕事をさせていただいております。

栄西(ようさい)禅師といえば、中国より茶の種を持ち帰り、広く一般に喫茶の習慣が広められるきっかけを作られた方として茶祖と崇められますが、禅師による『興禅護国論』の序文の内容の格調の高さはもちろんいうまでもなく、日本語の美しさをも気付かせてくれます。私の中では、紀貫之の『古今和歌集』の

やまとうたは、人の心を種として、よろずの言の葉とぞなれりける。
世の中にある人、ことわざしげきものなれば、心に思うこと見るもの聞くものにつけて言い出だせるなり。花に鳴くうぐいす、水にすむかはづの声をきけば、生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける。
-『古今和歌集』仮名序 より-

と並んで大好きな一文です。


大いなる哉、心(しん)や天の高きは極む可(べ)からず、しかも心は天の上に出づ。
地の厚きは測る可からず、しかも心は地の下に出づ。
日月の光はこゆ可からず、しかも心は、日月光明の表に出づ。
大千沙界(だいせんしゃかい)は窮むべからず、しかも心は大千沙界の外に出づ。
それ太虚(たいこ)か、それ元気か、心は則ち太虚を包んで、元気を孕(はら)むものなり。
天地は我れを待って覆載(ふさい)し、日月は我れを待って運行し、四時は我れを待って変化し、万物は我れを待って発生す。
大なる哉、心や。
-『興禅護国論』序 より-

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蓮の開花 -日蓮宗・京都立本寺-



立本寺の蓮_携帯で撮影

仕事が休みの日曜日、「せっかく5時半に起きたのだから…」と、蓮の花を見に行って来ました。
京都市の上京区七本松通にあるここ立本寺では、この時期、本堂前の蓮の花が見頃を迎えます。
解放されており、訪れる人もまばらで毎年楽しみにしています。

今年はどこからか噂を聞きつけた?のか、三脚を利用するカメラマンが何人かいて、美しい花の真ん前に陣取りなかなかその場を離れず少し興醒めでした…。
写真がお好きなのは良いのですが、少し他の方の事も考えて欲しいものでした。
若者の無礼を嘆くお年を召された方は多いかと存じますが、この朝のカメラマンさんは平均年齢70歳といったところでしょうか…。
年齢は関係ないなぁ…と思った朝でした。

立本寺の蓮
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水が飲みたければ... -『栂尾明恵上人伝記』より-



栂尾の新緑

『栂尾明恵上人伝記』によれば、明恵上人の周囲では、たびたび不思議な出来事が起こったらしい。

ある時、上人が行法をしていた最中、侍者を呼んで言った。「手水鉢の中に虫が落ちたようだ。取り上げて逃がして来なさい」。行ってみると、蜂が落ちて溺れていたので、急いで取り上げて逃がした。またある時、坐禅の最中に侍者を呼んで次のようにおっしゃった。「後ろの竹原で小鳥が何かに襲われているようだ。行って取り離して来なさい」。急いで行ってみると、雀が小鷹に襲われていたので、追い払った。こんなことがしばしばあった。
ある日の夜更け、上人は炉辺に坐していらっしゃったが、突然、「ああ、大変だ。早く見つけないと食べられてしまう。火をともして早く追い払って来なさい」とおっしゃるので、前にいた僧が「何事ですか」と申し上げると、「湯屋の軒下の雀の巣に蛇が入った」と言われる。外は闇夜で妙なことだとは思ったが、とりあえず急ぎロウソクを灯して行ってみると、大蛇が巣にまとわりついて雀の雛を飲みかけていたので、追い払った。
こんな闇夜に、しかも遠く隔たった所の物さえ見ることができるのだから、まして我らが陰で良くない振舞いをするのを、どんなにか怪しからんとご覧になっていることだろうと、弟子衆や同宿の者も、後ろ姿までも恥じ恐れて、真っ暗な部屋の中でさえも、気ままには振舞わなかった。
こんな事があったので、侍者の僧が「上人は仏菩薩の化身だと、陰で人々は申しております」と申し上げたところ、上人ははらはらと涙を落して、次のようにおっしゃった。
「ああ、愚か者どもの言い草だ。だから、わたしのように禅定を好み、仏の教えの通り修行してみなさい。いますぐ、お前たちにもそのような事があるだろうよ。わたしはそのようになろうなどとは全く思ってはいないけれども、教えの通りに修行して長年になるので、知らぬ間に自然と身についたのだ。これは大したことではない。お前たちが水が欲しければ水を汲んで飲み、火に当たりたければ火のそばへ寄るのと同じことだ」

「大神通」を体得した人にとって、「小神通」など造作もないことだということがわかる。

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名越の祓え 茅の輪くぐり

護王神社_京都市上京区

6月30日。
我が家の氏神さんである護王神社へ、茅の輪くぐりに行って来ました(昨年はこちら)。
この日はあいにくの大雨でしたが、なんとなく、半年の間に積もりに積もった罪穢れを祓い清めない事には、これからやってくる厳しい夏の暑さを乗り切り、一年の後半を無事に過ごせないような気がするのです。
こういった節目の日に、自分を顧みて、無事生かされている事を感謝し、残りの半年も息災でいられるよう神仏にご加護をお願いすると、生まれ変わったような新たな柔らかい気持ちになれます。

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上京茶会 -妙顕寺-




妙顕寺

青楓の頃と紅葉の頃、京都市の上京区役所が主催して年に2度行われる上京茶会。
今回は日蓮宗大本山妙顕寺で開催され、前日夕方より降り続いた雨もやみ、盛会でした。

本席は表千家不審菴、副席は表千家の先生によって釜が掛けられ、茶券は1000円。近所の子供やお年寄りも、気軽ながらも本格的なお茶席を楽しめる良い機会となっています。
また、普段公開されていないような寺院が使われる事も多く、私も毎回楽しみに訪れています。

妙顕寺の庭

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大徳寺 高桐院

大徳寺 高桐院

良く晴れた日、「この時期きっと緑が美しいに違いない」と、大徳寺の塔頭高桐院を訪れました。
緑の海…と思えるような苔と青紅葉の世界。
訪れる人もまばらで、静かな境内を存分に味わえます。
細川家歴代の墓、有名なガラシャ夫人の墓、茶室松向軒など、日本の信仰と歴史、文化が凝縮された空間。
暑い季節に涼を求めるなら、オススメの禅寺です。

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天龍寺の躑躅



白花三葉躑躅_天龍寺

今、関西ではいたる所で躑躅が満開です。
京都では長岡京市の長岡天神がことに有名です。

ここ天龍寺も、赤・白・黄と目を楽しませてくれています。種類が多く、山・満天星(どうだん)・大柴・三葉・白・蓮華・餅・霧島など、10~15種類が庭内に咲き揃っています。
つつじの名称は、次々に咲くことから、「つづき咲き」、花が筒状なので「筒咲き」から来ているそうです。また、漢字で書くと“躑躅”ですが、中国で毒性のあるつつじを羊が誤って食べたところ、足踏みをしてもがき、うずくまってしまったところからこのような字が使われるようになったと言われています。

天龍寺の躑躅 霧島躑躅

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大護摩會 -岩屋山 志明院-



志明院_楼門
志明院 楼門(室町時代の再建)

新たな顔(面)とでもいうのでしょうか……古き都の神髄を見た気がしました。
今まで、京都好きを自称し、普通の人より少しは詳しい?!と思っていましたが、ここを知らずしてよくもそんな風に思っていたなぁ…と、一人恥ずかしくなりました。

雲ケ畑の最奥にある岩屋山志明院(真言宗単立)での護摩會に初めて行かせていただいたのです(4月29日)。
我が実家では、縁あって非常に力を持つとされるこちらの不動尊を信仰しており、毎年お札をいただき、この護摩會にて昨年のお札をお返ししています。
母から素晴らしい所だと聞かされていたものの、なかなか予定が合わずに今まで足を運ぶご縁に恵まれなかった事が悔やまれます。

上賀茂より、細い道をひたすらゆく事約30分。車から降り立った時から既に空気の違いに驚かされ、「このようなところが……」と声になりませんでした。
樹齢100年を越えるといわれる、京都市の天然記念物にも指定されている石楠花は、大地からのパワーで見事に満開。
深山幽谷の世界に、修験の修行や千日回峰行などをされる方が、こういった所で修行を重ね、心身共に極限まで研ぎ澄まされた感覚を持ち、ご自身を高めてゆくのだな…と容易に想像がつくのでした。

石楠花
これで一本の木です。天然記念物の石楠花。

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京都御所 春季特別一般公開



美しい松の木

京都御所、春の一般公開にでかけて参りました。
前回、初めてに訪れてから、王朝絵巻さながらの世界に魅了され、飽きずに今回も。
あいにくの雨にも関わらず、多くの人が訪れていました。

さて、皆さんは御所や京都御苑といえば、まず何を思われますか?
普段、自転車で御苑内を通り抜けさせていただいている私は、松の美しさが非常に印象深く胸に焼き付いています。いつ通っても必ず、「なんて美しいのだろう」と見とれる荘厳な美しさが1本1本にあります。
そういうわけで、今回は宮内庁職員の方に色々と質問させていただきました。
まず、御所内にはだいたい700本以上の松が植えられているようです。そして、御所内の庭木の世話は、宮内庁の技官である庭師が2人専属でいらっしゃり、毎日手入れをされていらっしゃるのだとか。
しかしそれでも足りない為、京都の造園会社から3人ほどのヘルプが必要だそうです。
また、松の春先の芽積みや、成長が止まった時期に行われる剪定の際には、その年の予算にもよるそうですが、20~30人の庭師が入り、どんなに高い松の上にも登り、作業をされるとの事。
なるほど、美しく美しく保たれている裏には、このような大変な努力があるのですね。

その他、歴史的な事や建造物に関しても、非常に詳しくご説明下さいました。是非皆さんもせっかく足を運ばれるのでしたら、宮内庁職員の方に色々とお尋ねになる事をオススメします。とても詳しくご教授下さいます。

霧島躑躅が満開

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きらめく朝鮮の技 -高麗美術館-

きらめく朝鮮の技 -高麗美術館-

日本も大きな影響を受けた韓国文化への親しみ、尊敬の念を、いつも再確認させてくれる美術館。京都市北区にある高麗美術館を訪れました。
現在、“きらめく朝鮮の技”と題して、螺鈿漆器と象嵌青磁を中心とした展覧が開催中です(6/28まで)。

今回一緒に訪れた友人は、前回の私の記事の写真を見て「もっと山の中に在るような美術館かと思ってた!」と。確かに写真を見ると、屏も韓国風、そして韓国の石文化をその小さな空間で見事に表現した庭に、山奥か、韓国の田舎のような所にある空気を感じるのかもしれません。
実は、京都市北区の閑栖な住宅街の中に、いばるわけでもなく、ひっそりと、でも美しい空気を醸し出して存在しています。こちらの美術館の庭は、私の知る限りでは美術館の庭としては一番小さな庭かもしれませんが、物理的な大きさなどは関係無く、心が感じる広さは無限大。とても素晴らしく気持ちの良い庭です。

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京都春季非公開文化財特別公開のお知らせ



つつじと新緑

毎回とても楽しみな、「平成21年 京都春季非公開文化財特別公開」のお知らせです。
5月1日~10日にかけて、普段非公開の寺院や神社などが特別に公開されます。
ゴールデンウィーク中、京都の旅をご計画の方は是非ご参考までに下記HPをご覧になってみて下さい。
現在、京都は八重桜がそろそろ終わりを迎えるのと同時に、つつじや石楠花や芍薬、藤の花、そして瑞々しい新緑が我々を楽しませてくれています。

京都古文化保存協会さんのHP

禅文化研究所としましては、やはり臨済宗大本山の妙心寺の三門と塔頭に注目しております。

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清涼寺 嵯峨大念仏狂言



釈迦如来

京都三大念仏狂言(壬生狂言・嵯峨狂言・閻魔堂狂言)の1つ、嵯峨清涼寺の“嵯峨大念仏狂言”を観にでかけました(4月11日)。
京都に住んでいながらも初めての鑑賞となる無声狂言で、開演のどのくらい前に行けば座れるのか、チケットは必要なのか、いまいち情報がわかりませんでしたので、ご参考までに。

まず、演目や、行われる日時などはこのサイトをご覧になって確認を。
私が訪れた日は、チケットなどもいらず、狂言堂の前に並べられた床几に座るか、少し離れて観る事にはなりますが同じ高さから観る事のできる鐘つき堂に登り、適当に腰掛けて観るかの選択でした。
よほど関心のある方か、地元の方しか訪れない為、桜の美しい頃でしたがさほど混み合う事もなく、1番目の演目が終われば床几の席もだいぶ空く為、入れ替わって座る事もできました。

今回この大念仏狂言を観に行き、1番に感じたのは“自由さ”でした。
少し離れたところでござを広げてお弁当を食べながら観る方もいらっしゃれば、子供達は鐘つき堂の櫓によじのぼって観ていたり…。途中から見始める人もいれば、ふらりと抜け出す人も。
能楽堂にお能や狂言を観にでかける時の心地良い緊張感も良いものですが、外での自由な空気にリラックスしながらの鑑賞も素晴らしいものでした。
やはりこれはもともと、庶民にわかりやすく仏法を説くために始まったものであり、地元の人たちの間で伝え守られて来たものだからこそ出てくる雰囲気なのだな…と、京都の地の良さを存分に味わいました。
保存会では、着物などの寄付や、一緒にこの狂言を伝えていく為のお手伝いをしてくれる方を募っておられるようでした。現代社会において、こういった、土地で受け継がれて来た伝統を土地の人のみで守っていくのはとても難しい事になってきているのでしょう。
保存会の方達の努力に頭が下がる思いでした。

大念仏狂言 清涼寺_嵯峨
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京都御苑の桜と、京都御所春季一般公開のおしらせ



御苑の八重桜

先日(4月12日)訪れました京都御苑の桜です。
早咲きの枝垂れ桜は、現在満開の桜に目を奪われていると、もう誰も桜と気がつかない程に緑のみずみずしい葉を勢いよく身にまとっていますが、八重の桜や紅枝垂れが満開の見頃を迎えていました。
約1ヶ月にわたり我々の目を楽しませてくれた桜も、もうそろそろ終わりをつげる頃でしょうか。
なんとなく心寂しい気もしますが、そんな思いも束の間、このところの暖かさで、もみじなどの新緑がまばゆいばかりです。

さて、下記の日程で、普段は固く門を閉ざされている御所内が一般公開されるようです。
日本文化の真髄がここに…と思える御所内は、細やかに手入れされた木々1本の美しさを見るにつけても価値がある…と思えるくらいに素晴らしいものです。屏の外から見ていても、松の立派な枝ぶり、木々の手入れの素晴らしさに感動するほどです。宜秋門などの檜皮葺きを見ても、こういった事ができる職人さんがいらっしゃる事を思い、嬉しくなります。
日本人である事の喜び、日本の誇り、文化への理解をいま一度。是非お運び下さい。

【京都御所春季特別一般公開】
4月23日(木)~29日(水) 午前9時(開門)から午後3時30分(閉門)まで

本年は、天皇皇后両陛下御結婚満50年記念という事で、普段公開されないような御殿なども特別に公開され、御結婚に関連した展示などもあるようです。楽しみです。

秋の一般公開の記事はこちら

ぼんぼりのような桜 紅枝垂れ
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桜 借景の山にまた桜 -天龍寺-



天龍寺の桜

先週、4月7日に仕事で訪れました嵐山・天龍寺です。
嵐山・亀山を借景として取り入れた曹源池庭園が有名ですが、山内どこにいても山に咲く桜が見られ、すぐ近くに咲く桜と共に何倍もの楽しみを与えてくれます。
「なんて贅沢なんだろう…」。と、しばし仕事を忘れ感慨にふけっていました。

山の木々も新芽を出してもこもこと、その中に桜の色がかわいらしく。
お茶の席で使われる主菓子のきんとんを思い出します(花より団子でしょうか…)。

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不審花開今日春 -京都・霊鑑寺の椿-


月光椿

今年もありがたい事に、3月28日~4月5日まで、別称“鹿ケ谷比丘尼御所”・“谷御所”とも呼ばれる門跡寺院・霊鑑寺(臨済宗南禅寺派)が公開されていました。
ブログでも何度かご紹介しておりますが、春と秋・椿と紅葉の美しい時期に限り1週間ほど特別公開されるのです。公開日程がわかった時点で、ブログや禅文化研究所のメールマガジンでもお知らせしておりますので、是非お心に留めておいていただき、春や秋に京都を訪れる際は、ご参拝なさってみて下さい。

さて、私が毎年こちらを訪れていて思うのは、「不審花開今日春」という禅語です。
表千家不審庵の号もこの語から来ているのですが、幾重にも美しく重なった衣笠(椿の種類)の花びらや、言葉では表現しきれぬ美しい白い色、京都市の天然記念物にもなっている日光・月光椿、黒椿のドラマティックな真紅の蕾、どれをとっても人智を超えたものとしか思えず、じっと見入るにつれ「あぁ、不思議だなぁ。どうしてこのように咲くのか…」と心から思い、人間のわかる事なんて微々たるものだ、おごってはいけないな…と思い知るのです。
道端に咲くたんぽぽを見てもそう思うべきですがなかなかそうもいかず、いつもこちらの椿を見に行くと心新たに気づかされるのです。

08年の霊鑑寺
07年の霊鑑寺

哲学の道の桜
哲学の道 満開です!
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嵯峨 桜守・佐野藤右衛門邸の夜桜



佐野藤右衛門邸の夜桜

創業天保年間、代々御室御所に仕えた植木職人。現当主で16代目を数える嵯峨の桜守、佐野藤右衛門氏のご自邸へ、夜桜を見にでかけました。
ちょうど桜の花の良い時期、たくさんの種類の見事な桜の木が植わっているご自邸のお庭を、一般に無料で開放され、夜にはかがり火も焚かれライトアップされます。

青いビニールシートに、花より団子の団体が陣取り、桜が泣いているようにしか見えないライトアップには興醒めしてしまう為、夜桜見物はあまり好きでは無かった私も、ここは無論別格。
そういった花見の客は来ない為、静かに夜桜を楽しめます。
ほぅっ…とため息をつくほどに魅せられてしまいました。
傘のようにひろがった見事な枝ぶりに、ありったけの1年の力をふりしぼって見事に咲かせた満開の花。それが妖しいまでに美しく、ライトアップされるとさらに幽玄の世界へと誘われるようで、まるでお能の舞台を見ているかのごとくでした。

「桜の花は、桜の木にとって一年の最後の集大成! 1年のすべてがこの花に出るんや。花が終わってまた新たに1年が始まる」とは16代藤右衛門氏のお言葉。
何日かの花のために1年を通して桜を守る桜守。見事な桜の花の裏にあるその愛情と細やかな配慮、地道な毎日の手入れにどれだけの人が思いをはせるのか…と思った夜桜見物でした。

嵯峨 桜守・佐野藤右衛門邸の夜桜の続きを読む

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天龍寺の枝垂れ桜

天龍寺のしだれ桜

京都嵐山にある天龍寺(臨済宗大本山)。
百花苑の枝垂れ桜がそれは見事(3/26の写真)です。
花冷えする日でも、ひと目美しい花を…、禅寺の空気を…と、たくさんの参拝客で賑わっていました。
これからの季節、嵐山に咲く桜と併せて我々の目を楽しませてくれることでしょう。

天龍寺のしだれ桜 天龍寺のしだれ桜

天龍寺での坐禅会などの情報は、臨黄ネットトップページのおしらせに掲載されています。
ご参考になさってみて下さい。

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京都御苑の桃と桜

京都御苑 小川の糸桜

今年も京都御苑内の“小川の糸桜”が満開になりました(3/25の写真です)。
例年より少しばかり早いような気がします。
毎年見ていても、毎年新たな気持ちで感動します。
神か何かが宿っている…と思わずにはいられないこの木なのです。

御苑の桃園
色とりどりの桃も満開で、この時期の御苑は賑やか!

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東風ふかば… -北野天満宮-

梅の北野天満宮

東風吹かば にほひをこせよ 梅の花
             主なしとて 春を忘るな

北野天満宮の梅がほぼ満開です。
訪れる家族づれやアマチュアカメラマンなどは、その美しさに魅せられ皆幸せそうでした。
道真公が好きであった梅の花……と思うと、太宰府に左遷された事や、都を懐かしみかの地で最後を迎えられた事、その後の京の都の天変地異などを思い起こし、複雑な気分になりました。
現在は、桃源郷かとみまごうような梅の花々の美しさに、さぞかし道真公の御心も慰められる事だろうと感慨深く、梅見を楽しませていただきました。

梅園

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お大師さん

お大師さん

「今日はお大師さんの日やからお参りに行って来たわ」。
「あ~、そういえば21日か今日は……人多かったやろねぇ」。

我が家で普通に交わされる毎月の会話です。弘法大師空海の命日が3月21日である事にちなんで、毎月21日はお大師さんの日。家の宗派は関係なくお参りします。
私の実家あたりでは、西宮市の甲山(かぶとやま)大師さんか、宝塚市の清荒神さんへのお参りが常です。

さて、京都に住む私がいつも何気なく通っていて、「お堂があるなぁ……」くらいにしか思っていなかった場所。21日にそこを通ると、いつも閉ざされているお堂の扉が開かれていました。
「あ!今日何日だ? 21日!お大師さんを祀っているお堂だったのか……(感激)」と、自転車を引き返してお参り。
番をしていたおばあさんは「皆さんここいらに住む人は、21日に参らはりますぇ」と。
毎日通っているようななんでもない道にも、新しく嬉しい発見があるのが京都だなぁ……と、この歴史深い土地にいよいよ愛着がわくのでした。
明日は21日、東寺の弘法さんはいろいろな古い物を扱う店でにぎわいます。
梅見に京都へ来られる方は、東寺へのお参りもおもしろいですよ!

*本日は、臨済宗大本山向嶽寺(山梨県)の開山忌の日です。

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庭の松 その2 -天龍寺-

天龍寺の松
天龍寺の松の剪定

日本三景は全て松である。
仙台の松島、天の橋立も松と砂浜、安芸の宮島も松である。
日本人にとって目出度い松・竹・梅においても、これまた松が一番だ。

昔、松は人々の生活に必要なエネルギー供給源であった。
電気のない時代、松脂は明かりを灯すのに使い、また、太平洋戦争では松脂を精製して飛行機も飛ばした。
また、松茸は秋の味覚の王様だ。江戸時代の天龍寺供養帳(日単)には、年中行事として所司代や奉行所へ進物とした……と記録されている。

その昔、嵐山は殺生禁断の地であり、立木の伐採はもちろんのこと、石や木の根を掘ることを禁じた札が立ち、下草刈りにも許可が必要とされた。
松の立木枯れや風雪で倒れた時は必ずその数を調べ、記録し、売却の入札についても落札者とその値を記録し、管理された。それほどに松は昔から大切にされた。

戦後のエネルギー革命により、松は庭の観賞用と化し、なかなかに手のかかる「金喰い虫」となっているが、人々の心の癒しとなっていることは確かだ。
金に勝るものが、松の美かもしれない。

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第6回西村惠信所長といく“禅と文化”の旅2 -平安佛所/泉屋博古館-

いつも美しいこの川のあたり

お昼を終えた一行は、紅葉並木美しい鴨川を横断し、平安佛所へ。
仏師の江里康慧先生を訪れます。

江里先生

制作中の仏像・現代の仏像の作り方について、また仏教の歴史と仏像の関係などについて、興味深いお話を伺う事ができました。 いつもお寺などを参拝しますと、ただただ仏像を拝し、思いに浸り、仏師の事にまで思いをはせる事は少ないかと存じます。
ですが、こちらで制作過程などを拝見し、江里先生のとてもお優しく穏やかなお人柄に触れ、古くから、弱い人間の信仰の対象となるような仏像を作り続けて来た職人の技と心が、今もなお連綿と受け継がれている事を目の当たりにし、ありがたく、感無量でした。

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第6回西村惠信所長といく“禅と文化”の旅 1-大徳寺-

堀川通りの紅葉
紅葉の並木美しい堀川通り

去る11月14日、恒例となりました“禅と文化”の旅を無事終える事ができました。
お天気は快晴! とても気持ちの良い気候で、抜けるような青空のもと、京都をお楽しみいただきました。ご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。
それでは、ブログにてご報告を……。
行程はこちら
まずは、京都駅を出発し、大徳寺へ。
今回は、私の知りうる限りでは一般公開された事のない三門や法堂(はっとう)、その他本坊などを特別に拝観させていただき、西村惠信所長による講演も行なわさせていただきました。
大徳寺の皆様、お世話になり、誠にありがとうございました。

【三門】 重要文化財
応仁の乱の後、一休禅師の参徒であった連歌師宗長等が一階部分を寄進、のち千利休居士により二階部分が設けられ金毛閣と名づけられたとのことです。恐らく私が今まで登った三門の中で、一番急な階段です。皆さんでゆっくりと二階へ…。
登り終えるとその見晴らしの素晴らしさと、釈迦三尊像をはじめ、十六羅漢、天井の龍図、千利休居士像に圧倒され、ため息が漏れました。

三門 法堂
三門と法堂

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japan蒔絵 -宮殿を飾る 東洋の燦めき- -京都国立博物館-

japan

12月7日まで京都国立博物館で開催されている、japan蒔絵 -宮殿を飾る 東洋の燦めき-の展観を訪れました。
今回のポスター、「マリー・アントワネットもお気に入り(ハート)」という如何にもかわいいキャッチフレーズ付きで、見に来るお客さんも若い女性が多く見られました。
さて、かわいいこのフレーズに反して、マリー・アントワネットのコレクションは、どれもこれもおそろしいほどに細かく技巧のこらされた物ばかりで、確かに女性好みのかわいらしい物と見ればそうなのですが、「かわいらしい」で片付けるような物ではなく、圧巻でした。あの時代に遠く離れた異国から、これだけのものをコレクションする力というものを感じました。
アントワネットの母、マリア・テレジアも宝石よりも蒔絵が好きと言ったほどとの事。親子に亘るコレクションの数々は、必見です。

第一章「中世までの蒔絵」
第二章「西洋人が出会った蒔絵―高台寺(こうだいじ)蒔絵―」
第三章「大航海時代が生み出した蒔絵-南蛮漆器」
第四章「絶対王政の宮殿を飾った蒔絵―紅毛漆器―」
第五章「蒔絵の流行と東洋趣味」
第六章「王公コレクションと京の店先」
第七章「そして万国博覧会」

今回、上記のような形で展示されていますが、膨大な展示数ですので、最初からあまりに1つ1つ丹念に見ていますと、最後にははっきり言ってあまりのパワーに疲れます。
私がやはり美しいと感じたのは、マリー・アントワネットのコレクションと、第一章の、中世までの、宗教に結びついた蒔絵の数々でした。
おもしろかったのは、蒔絵の細工に、インド特有のクジャラート地方の文様を螺鈿であらわしたものなどでした。
もう一度、自分の好きなものだけをじっくり見に行きたいと思います。

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京都御所一般公開

紫辰殿

去る11月12日(水)~11月16日(日)までの5日間、京都御所の秋季一般公開が行われていましたので、初めて訪れてみました。
近くに住みながら、春と秋に行われる一般公開ですが、なかなか予定があわずに御縁がありませんでした。
源氏物語の世界をすぐに頭に思い描く事ができるような、浮世とはかけ離れた建物や装飾、庭の木々一本一本に至るまでの手入れの素晴らしさ…ため息の出るような世界が塀の内にはひろがっていました。

雅やかな襖絵

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正法寺 -永源寺派・京都-

正法寺参道

京都府の、相楽郡和束町にある臨済宗永源寺派のお寺、正法寺を訪れました。
噂に聞いていたとおり、訪れる人もまばらで、美しい木々の紅葉をひとりじめできました。
名所の人混みに辟易している方には、少し不便な場所であっても、かなりオススメです。

真っ赤!

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天龍寺の紅葉

天龍寺の紅葉
昨年の11月15日の紅葉

11月の京都は、どこも紅葉狩りの観光客でごった返します。
ここ嵐山は、京都市内で一番最初に日が差す所です。
午前6時頃、うっすらとあたりが明るくなってきます。

天龍寺の曹源池はまだ暗く、東山から一条の光が嵐山にあたり、少しずつ下におりてきます。
そして曹源池の龍門瀑の天辺の蓬莱山に朝日があたるころ、あたりは一番冷える時間帯となります。
ここ天龍寺では、池の側から順番に上に向かって紅葉します。そして11月下旬には嵐山全山が紅葉します。
今年の秋の紅葉は、天龍寺の早朝参拝をオススメします。

【天龍寺早朝参拝】
期間:11月15日(土)~12月7日(日)
午前7時30分~
庭園参拝料500円
上記期間以外は、11月の土・日・祝日

天龍寺の紅葉
昨年の11月30日の紅葉
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東寺 -京都-

東寺

五重塔の内部が公開されているとのことで(11月9日まででした)、学生の時に一度訪れて以来、およそ10年ぶりに東寺へ参拝しました。
おそらく10年前にも、圧倒されるような伽藍に国宝級の仏像の数々、長い歴史を経てなお新鮮に我々の前に存在する信仰の姿にいたく感動したはず?なのでしょうが、人の記憶とはあやふやなもので(愚かな私だけかもしれませんが)ほとんど記憶に残ってはいませんでした。
久々に訪れて、数多くの仏像を目の前に、「あぁ、いつまでもここにいたい……」と思い、同時に、ここは観光の為に1度だけ訪れるような、そういう場所では無いのだと、はっきりとわからされた気がして、認識を新たにしました。

余談ですが…講堂内におはします“帝釈天”があまりに凛々しく貴高く美しいお顔をされていて、目に入った時に、思わずあとずさりしてしまうほどでした…。あのお顔のみはもう何年見ずとも忘れはしまい…と思っている私ですが、はてさて如何に…。

東寺
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真如堂 -涅槃の庭-

真如堂

11月8日、左京区にある真如堂-天台宗-を訪れてみました。
ところどころ紅葉がはじまり、境内は参拝客でにぎわいを見せています。
ここ真如堂には、安倍晴明の念持仏であったといわれる不動尊が伝わっています。
そのむかし、安倍晴明が他界し、閻魔さまのもとで裁きを受ける際、この不動尊が命乞いをして晴明は生き返ったのだとか。その際に晴明が閻魔さまより衆生の民を救う秘印を授けられました。
この「結定往生之秘印」のお札、真如堂にて手に入れる事ができます。
天寿を全うし、極楽浄土へ行くにはこのお札を!

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海住山寺(京都・木津川市) -五重塔ご開扉-

五重塔_海住山寺

京都府木津川市にある、海住山寺(かいじゅうせんじ)では、2008年10月25日~11月9日の期間、国宝五重塔特別開扉が行われていましたので、参拝させていただきました。
国宝の五重塔の中でも、法隆寺、醍醐寺、室生寺に次いで四番目に古く(鎌倉時代初期)、法隆寺と同じく、裳階(もこし・装飾化されたひさし)があります。17メートルちょっととこぶりな方ですが、都からははずれた地にありながらも、瀟洒な感じがしました。
紅葉には少し早いようでしたが、ほのかに色づいた木々のグラデーションもまた楽しく、季節の移り変わりのありがたみを感じました。

山上からの加茂の眺め
寺から続く小道を登って行くと、このような眺望が。

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庭の松 その1 -天龍寺-

松を倒します

黄檗禅師:「深山裏に許多(そこばく)を栽えて、什麼(なに)をか作(せ)ん」。(そんな深い山中に松を栽えて如何するつもりか) 
臨済禅師:「一つには、山門のために境致と作(な)し、二つには、後人のために標榜と作さん」。(1つには、この境内の境致を奥ゆかしくしていこうと思います。2つには、後輩たちの手本になるように植えておくのです)
山田無文老師『臨済録』-臨済栽松-より

上記の問答にもあるからか、禅寺には松が多い。
天龍寺では、近年松食い虫の発生が多く、今年に入ってから既に5本以上を切った。
100年以上の齡を重ねた立派な赤松も、ものの1時間もすれば姿を消してしまう。
毎年の手入れは大変で、目つみに始まり、葉つみ、剪定と大変である。
10月の開山忌を前に急ピッチで松の手入れをしたのだが、松食い虫以上に松は金食い虫である。

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浄瑠璃寺の紅葉模様

浄瑠璃寺

昼間はまだ暖かい日が続く連休(11/1)に、浄瑠璃寺を再訪しました。
まださほど紅葉は見られませんが、前回訪れた時よりも、にわかに参拝客も増え、にぎわいを見せる境内でした。
ですが、どれだけたくさん人が訪れようと関係の無いようにひっそりとしずかに佇む五重塔と、九体阿弥陀仏なのでした。
今回は、秘仏吉祥天女像の厨子が開かれ、美しい尊顔を拝する事ができました。
毎年秋に拝する事ができるようです。また、毎月8日のお天気が良い日には、五重塔におはします薬師如来も拝めるようで、次回は是非8日の休日のお天気の良い日!を狙って伺いたいものです。

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尊勝院 -京都・粟田口-

何段もつづく階段

洛東粟田にある、天台宗の古刹、尊勝院が特別公開中とのことで訪れてみました。
今回、第44回 秋季京都非公開文化特別拝観 のポスターを見て、「ここは?」と気になったのででかけてみたのですが、人目に触れぬようなひっそりとした地に、このような立派な仏様がたくさん祀られていようとは…と、驚くばかりでした。明治の廃仏毀釈により、数あったお堂が壊されてしまい、今は唯一残るお堂にすべての仏様などがお移りになったのだとか…。
角大師として有名な、元三大師様が開基との事。以前訪れた廬山寺にて元三大師については少し勉強させていただきましたので、親しみ深くボランティアの方の解説に聞き入りました。

尊勝院の由緒など、詳しくはHPに。

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京都非公開文化特別拝観

禅の寺

今年も秋の特別拝観の時期がまもなくやってきます。
いつもどちらにでかけようかと私も楽しみです。
今回禅宗寺院からは、大徳寺本坊・真珠庵・黄梅院・慈受院・南禅院・東福寺三門が公開されます。
普段公開されていない寺院ばかりですので、是非この機会をお見逃し無く!!!

禅僧が語る 各派管長DVD 絶賛発売中!

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海住山寺 -ひっそり佇む国宝五重塔-

海住山寺

京都は木津川市、加茂にある海住山寺(かいじゅうせんじ)を訪れました。
この辺りは、美しい日本の風景が多々残っており、海住山寺へと続く道は、「本当にこの道の先に国宝の五重の塔などあるのだろうか?!」と思わせられるような、車一台通ればいっぱいの道を小高い山上へと登って行きます。
聖武天皇の勅願で735年に建立されたとのことですから、よほどこの地には立派な寺院を建立する因縁があったのでしょう。
国宝五重塔は、1214年に建てられており、昭和の大修理で初重の軒下に裳階が復元され、法隆寺とこちらの寺でしか見られない珍しい造りとなっています。
木津川市には、まだたくさんの古刹があり、京都市内に見られる寺院よりもさらに古い日本人の信仰を肌に感じられるような気がして、最近わたしの中で熱いスポットなのです!

海住山寺_国宝五重塔
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早朝の南禅寺

早朝の南禅寺

来年春、装い新たに(ムック形式になります)再刊を予定している-禅の寺-の撮影の為、お天道様が登った直後の南禅寺を訪れました。
朝早いというのに、既に境内には散歩をする人、独自の体操をしている人、様々に気持ちの良い朝を過ごされているようです。京都に住まう者は、本当に贅沢ですねぇ。
朝早くに行かないと見られない光景ですが、あれだけの落葉樹が植わっている境内、私たちが歩かせていただく道がきれいなのは、毎朝僧堂の雲水や南禅寺の本坊の和尚さん達が総出で掃除されているからなのです。

早朝の南禅寺 疏水

気持ちのよい秋晴れ。見上げると爽快な気分に。
南禅寺といえば疏水も有名ですが、皆さんこのように前から見ているだけではありませんか?
実は上へと登って見ると……

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八坂の塔 -法観寺(臨済宗建仁寺派)-

八坂の塔_早朝

恐らく知らない人はいない?!と思われる京都八坂の塔。
先日、仕事で写真撮影があった折に訪れました。まだ東山より日も登りきらぬ、観光客もいぬ間に見る塔は、いつもと様子が違って見えるのでした。

さて、この八坂の塔、実は臨済宗建仁寺派の寺院に属する事は、御存知無い方も多いのではないでしょうか。
正式名称を、霊応山法観寺といい、寺伝によれば聖徳太子により建てられたとされており、また、渡来人八坂氏の菩提寺であったとの説もあるようです。
度重なる戦火により何度か焼けてしまっていますが、現在の塔は、足利義教により1440年に再興されたものだそうです。
そこにあるのが当たり前のように思える八坂の塔ですが、改めてその歴史の古さに、平安以前の京都の街はどのようなものであったろう…と心のみタイムスリップする思いで眺めていました。


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ススキに寄生 -南蛮煙管-

美しいススキ_瑞峰院

先日、お茶会で大徳寺の塔頭、瑞峰院さんを訪ずれました。
すると、美しく穂をひろげたススキの前で、着物のご婦人方が何やら下をのぞきこんでいます。
はてさて何事かと一緒になってのぞいてみると、なんとも不思議な花が…。
親切なご婦人が、「ススキの養分を吸って生きている、南蛮煙管(ナンバンギセル)という花よ」と。
なるほど!花が煙管の形そのもの!おもしろい!にしても、ススキに寄生とは…。
少し調べてみますと、葉緑素を持たないこの花は、ススキやミョウガ、サトウキビの根などに寄生し、養分を吸い上げて生きているそうな。
葉緑素…そういえばむか~し理科で習いました。確かにお日様をたくさん浴びてもあまり意味のなさげなそのお姿。したたかに生きているのですね。
と言いつつふと我を振り返り……、人間はえらそうにしているけれど、自分で養分を作れるわけでもなく、同じく地球に生きている命をいただき、地球を汚してなんとか存在している事を思うと、南蛮煙管のことをえらそうに言えないではないか!と思うのでした。

南蛮煙管

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大徳寺 曝凉のおしらせ

大徳寺三門_金毛閣

10月12日(日)、秋晴れの心地よい空気の中、大徳寺の宝物の虫干しが行なわれます(本坊にて9:00~15:30/1人1300円)。
約100点ほどの絵画・襖絵・墨跡などが展示されます。
中でも、かの有名な牧谿(もっけい)の水墨画「観音猿鶴図」は特に美しく、見に行った甲斐があったと思わされます。本坊にも普段は入れませんので、この機会に如何でしょうか。

美術館ではなく、実際に禅寺にて宝物を見られるまたとない機会です。是非おでかけ下さい。
ちなみに、あくまでも虫干しが最重要目的ですので、前日が雨であったり、当日が雨であったりすると、行なわれません。お天気があやうい際は、お調べになられてからおでかけください。

なお、本坊内は写真撮影不可です。昨年こっそりカメラを出し、撮影されようとした方がいらっしゃいました。大徳寺さんのご好意でこの日のみ一般に開放されています。せっかくの機会が失われる事の無いよう、マナーは守りましょう!

大徳寺

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浄瑠璃寺 -平安の信仰を今に伝える九体仏-

九体の阿弥陀如来がおはしますことから、地元の人などからは九体寺(くたいじ)さんと呼ばれ親しまれている古刹、浄瑠璃寺(真言立宗)を訪れました。
白洲正子さんの著書でこのお寺を知ってからというもの、約8年前から「行ってみたい」と願い、漸くご縁をいただけました。
京都とはいえ、奈良にほど近い木津川市加茂にあるお寺で、訪れる人もまばらです。
ゆったりとした山を登って行った所に、このような寺院が…本当にお浄土がそこにあった…といった感のお寺です。

参道_浄瑠璃寺 門_浄瑠璃寺

参道も美しく、歩いていくだけで心清らかになっていくようでした。

三重塔_浄瑠璃寺

そしてまずは、薬師如来を祀る三重塔に現世における苦悩からの救済を願い…、

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禅堂の改装

禅堂

本研究所のある建物は無文館(名称は花園大学の元学長であり、本研究所の初代所長の山田無文老師に由来する)といい、花園大学との共用で2階が禅堂となっている。
一度に200人以上が坐れる広さを持ち、普段は実践禅学の講義や一般を対象にした早朝坐禅会で使われている。
休会となって20年以上経つが、研究所主催の金曜市民坐禅会がここで行なわれていた。この坐禅会は2しゅ(火+主)の坐禅の後、無文老師の提唱のテープを聞くのが定例で、2階から流れてくるテープの音声を聞きながら仕事をしていたことを懐かしく思い出す。

さて、この禅堂が現学長の肝いりでリニューアルされた。専門道場を模した造りとなり、前後に板戸や火灯窓が設けられている。単の数は少し減ったが、それなりの雰囲気を醸し出している。
大学の総合化が進み、花園大学も宗門以外の学生が殆どを占める。しかし、臨済禅を建学の精神に標榜するからには、全学生に坐禅を基本とした臨済禅の教えをしっかりと学んでもらいたい。新しい禅堂がその中心となることを願うものである。

禅堂
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御苑の百日紅

御苑の百日紅

4月には見物客で賑わいを見せる、京都御苑内の“小川の糸桜”あたり。
この桜の印象が強すぎて全く気づいてもいなかったのですが、隣にこんなに立派な百日紅が。
夏の御苑内を通ると、「こんなにも百日紅が植えられていたのか…」とびっくりするほど、あちこちでこのこの花が見られます。
猛暑にもマケズ、突然のゲリラ豪雨にもマケズ、立派に花をつけ夏に彩りを添えてくれる花に、ありがたみすら感じました。

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狩野派と近世絵画 -承天閣美術館-

承天閣美術館

相国寺内にあります、承天閣美術館にて、-狩野派と近世絵画-展が開催中です(11月30日まで)。

訪れるたびに、美術館まわりの庭などが美しく手入れされていっており、美術館に美しいものを拝見しに行く際に、本山の境内を歩かせていただけるのはありがたいものだな…と思います。
今回の展示は、狩野派による絵画も必見ですが、様々な抹茶茶碗の展示も楽しめます。
9/15~12/8までは、秋の特別公開も始まるようですので、あわせておでかけになられてみてはいかがでしょうか。

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インドネシア更紗のすべて -細見美術館-

インドネシア更紗のすべて

京都は岡崎の細見美術館にて下記が開催されている為、楽しみにでかけました。

日本・インドネシア共和国国交50周年記念
  「インドネシア更紗のすべて ─伝統と融合の芸術」展
会期:平成20年8/1(金)~9/15日(月・祝)

アジア諸国の布は本当に魅力的で、私も旅行で訪れますと、工房へでかけたりして求めています。
インドネシアはまだ訪れた事が無いものの、伝え聞くバティック(蝋纈染め)の美しさは是非一度目にしたいものだと常々思っていました。
前にテレビで見たのですが、神に踊りを捧げる女性達が体に巻き付けていたり、王宮の方達が公式行事や結婚式で身につけられるバティックがそれは美しく、インドネシアの風土と人々にとけこんでいてとても印象的だったのです。
今回の展示は、単に布を紹介するのみならず、蝋纈染めの工程や、インドネシアのどの地方でどのような物が作られているのか、また、外国から影響を受けて作られたバティックの紹介など、様々な内容でバティックの事を詳しく知る事ができ、大変興味深いものでした。

王家のみに伝えられる文様があったり、病気の時に着て、その平癒を願う為の文様があったりと、単に-着る為のもの-、ではなく、バティックが心底美しいと思えるのには、人々の思いや歴史が一枚の布に深く刻み込まれているからなのだと気づかされました。
素晴らしい展示でしたので、機会がありましたら是非おでかけになってみてください。

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神竜院梵舜(ぼんしゅん)

末社の一つ神竜社 この下に兼倶は眠る

神竜院梵舜と聞いてすぐにピンとくるなら、その人はかなり歴史に詳しい。京都大学の東、神楽岡に鎮座する吉田神社の社家に生まれ、家に伝わる唯一神道を大いに鼓吹した僧侶である。

徳川家康は死後、神となった。彼をいかなる方式で祭るかについて、天台宗にもとづく山王一実神道を主張した南光坊天海と、唯一宗源神道を主張した梵舜が対立した。いったんは唯一神道によって久能山に葬られたが、後に巻き返しがあり、山王神道の形式で日光に改葬されることになった。東照大権現の権現とは山王神道による神号である。唯一神道では明神となる。

唯一神道は吉田兼倶(かねとも)によって大成された神道で、仏教・道教・陰陽道など、様々な教えの要素を取り入れている。その宗教的な魅力によって応仁の乱後の混沌とした時代に多くの賛同者を獲得し、江戸時代には神道の家元として全国の神社に神階や神主の免状を出す権利を有するまでになった。

兼倶は横川景三や景徐周麟などとも交流があり、彼の神書講義には多くの禅僧が連なった。逆に吉田神道の教理にも禅の影響がみられる。兼倶は社の側に南禅寺に属する神竜院を建立し、息子の九江妙亀を住職とした。梵舜も神竜院の住職であった。吉田神道と禅宗との関係はもっと注目されてよい。
 
神楽岡の麓にあった広大な吉田子爵の邸宅も、戦後人手に渡って住宅地へと変貌した。そのそばに忘れ去られたかのように吉田家代々の墓石がある。その中の一つが梵舜の墓と伝えられる。

■末社の一つ神竜社。この下に兼倶は眠る。

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日々是好日

円通寺_借景庭園

好きでよく訪れますが、一日として同じ日はありません。
当たり前なのですが…。よく晴れた日の円通寺からのお山(比叡山)です。

左京区一乗寺にある、臨済宗妙心寺派、円通寺は、この借景庭園で有名ですが、最近このお寺のふもとの方で宅地開発が急激に進んでいます。
借景庭園が借景庭園でなくなる日が近いのでは…と危機感を抱きました。
皆さんがこちらを訪れる事で、如何に景観を保つのが難しい事かおわかりいただけるかと思います。
ご住職も色々と運動をされていらっしゃいます。
ひとときの涼を求め、お山を眺めに行ってみて下さい。

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百日紅(さるすべり)

鮮紅色の百日紅
真夏の花というと、蓮・向日葵・朝顔と、この百日紅が代表格だ。 花に関する漢字は非常に蘊蓄(うんちく)がある。馬が酔う木と書いて「あせび」と読んだり、木の瓜と書いて「ぼけ」と読んだり…。その字から花の特徴がわかるようだ。

百日紅は夏の暑いさなか、百日も咲き続けるとも言われている。
『広辞苑』によると、

さる・すべり【猿滑・百日紅・紫薇花】(幹の皮が滑らかなので猿もすべるの意)
①ミソハギ科の落葉高木。中国南部の原産。幹は高さ数メートル。平滑でこぶが多く、淡褐色。葉は楕円形で四稜のある枝に対生。秋に紅葉する。夏から秋にかけて鮮紅色または白色の小花が群がり咲く。庭木としてわが国で古くから栽培。材は緻密で細工用。云々……

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オヤジの昼寝 -天龍寺-

夏の天龍寺

今年の夏は猛暑が続いている。
日中は強烈な日射しで、水銀柱は常に30度を超している。町中を歩くと、干物になりそうな…。
そんな炎天下にもかかわらず、連日天龍寺は観光客で賑わっている。
大方丈や書院に吹き抜ける風が気持ちよく、ゴロゴロ寝ている観光客があとをたたない。
いくら注意してもききめは無く、若者や子供達には強く注意するのだが、中には大鼾で爆睡中にて、起こすのも気の毒になるようなお父さんも…。
そんな姿を見るにつけ、最近の父親は大変だなぁ…と思う。

夏休みになり、小さい子供のためにせっせと旅行をして絵日記に貢献。大きくなればウザイ・クサイといわれ、あげくのはてに消されかねない世の中である。
「子供は親の背を見て育つ」といわれるが、今では子供の顔色を見ながらハラハラ・ドキドキ心配ばかりしている親が多い。
子育てで大切なのは幼児教育で、特に小学生になるまでに社会的な基本ルールを徹底的に教育すべきであって、子供をペットと間違えている親が多いのではないかと危惧する。
子供は次の社会を作って担っていく大切な人材であり、ペットではない。
ガンバレオヤジ!
爆睡している時ではないのだ!

オヤジの昼寝 -天龍寺-の続きを読む

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勧修寺 -京都・山科-

勧修寺

山科にある門跡寺院で、真言宗山階派大本山、勧修寺(かじゅうじ)を訪れました。
このお寺の建立は昌泰3年(900年)で、由緒も歴史も随一。
蓮と睡蓮の咲き誇る氷室の池を中心とした庭園も圧巻です。平安時代には、1月2日、この氷室の池に張った氷を宮中に献上し、その厚さで五穀豊穣を占ったとか……。

勧修寺 勧修寺


この素晴らしさとは裏腹に、京都市内中心部からは少し離れた山科区にあるからか、訪れる観光客もまばらで、京都の人にもさほど知られていなかったりします。
かくいう私も、東京出張の際に新幹線のホームにて、「そうだ、京都いこう」のポスターを見て知ったのでした…。

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08年 祇園祭宵山

木賊山

今年も仕事帰りに祇園祭の宵山にでかけてきました(7/16)。
以前は人混みは嫌いだからというだけの理由で敬遠していた宵山ですが、歴史あり、いにしえからの人々の心を感じるお祭はやはり良いもので、山鉾や古い町家の格子ごしに見る家宝やらも楽しみですが、皆の表情を見るのがより一層おもしろいものです。

コンチキチンの祇園囃子が聞こえてくると、これから迎える厳しい京都の夏を無病息災で過ごしたいという昔からの人々の願いを思い、また私もそれにあやかりたいと思うのでした。

観光客の方などは、6月の夏越の祓が終わったかと思えば、7月に入り一斉にスーパーや百貨店で祇園囃子が流れているのをびっくりされるかも知れません。
そしてこの約1ヶ月に亘る祇園祭が終われば、今度は8月のお精霊迎えや五山の送り火、地蔵盆などなど。
いまだ常に、人々の信仰心と、季節の行事とが生活と共にある京都です。

町家でのお宝拝見

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大徳寺 高桐院

高桐院

仕事にて、大徳寺塔頭の高桐院を訪れました。
言わずとしれた、細川家の菩提寺。
千利休より賜ったという燈籠が、細川忠興・ガラシャ夫人の墓として有名な古刹です。

昨日本屋さんに立ち寄りますと、「暑いこの時期こそ、京都のお寺巡り…」というような京都本が発売されていましたが、まさにその通り。
観光客も少なく、時に境内をひとりじめというような寺院もあります。
緑が目に涼しく、そこを通って吹く風はまさにごちそうです。
春や秋ではとうていそうはいきません。

春夏秋冬、日本の四季の素晴らしさや、四季に育まれた文化を知るには、気候の良い時期ばかりでなく、全ての時期に京都を訪れてみられると、また新たな発見もあるかと存じます。

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大徳寺 僧堂の垣根

大徳僧堂の垣根

仕事で大徳寺を訪れましたある日、普段あまり通らない僧堂近くを通り、その垣根の美しさに暫し目を奪われました。
この高い高い垣根の向こうで、今も昔と変わらず雲水さん達が修行に励まれています。
辺りには凛とした空気が漂い、こちらまで身もひきしまる思いで大徳寺を後にしました。

皆さま、色々なお寺に参拝されるかと思いますが、垣根に注目されると案外おもしろいですよ。
京都でも光悦寺の光悦垣、建仁寺の建仁寺垣、桂離宮の桂垣、金閣寺の金閣寺垣・銀閣寺の銀閣寺垣、色々な垣根を楽しめます。
そして職員Kのオススメは、八幡にある寛永の三筆の1人・松花堂昭乗ゆかりの松花堂庭園です。こちらでは広大なお庭に、昭乗垣や双竜垣をはじめとした、たくさんの種類の垣根が見られます。

竹がこんな風に組まれています

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天徳院にて桔梗を愛でる

天徳院

仕事で東福寺を訪れました。
塔頭の天徳院さんでは-桔梗を愛でる特別拝観-が行なわれているようです。
夜にはライトアップもあるようで…。
通天橋から壮大なスケールでひろがる青もみじを眺めた後、手入れの届いた庭に楚々とした風情で咲く桔梗を愛でるのも良いものでしょう。

期間:7月17日(木)まで 午前9時30分~午後8時30分
拝観料:大人300円 小人200円

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南禅寺 三門拝観

南禅寺 三門

6月30日、仕事で南禅寺を訪れました。他の臨済宗の本山では、三門拝観は特別期間中しか行なわれない事が多いのですが、南禅寺では、内部は拝観できないものの、上に登って「絶景かな!」の眺望を楽しむ事ができます。
青もみじ、苔がとても美しい南禅寺。そして緑濃くなったこの時期、お天気も良く、皆さまさぞかし素晴らしい景観を堪能された事と思います。

南禅寺を訪れる際は、是非三門上に登ってみられる事をオススメします。京都の景観を、なぜ守らなくてはならないか……も見えてくる事と思います。

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夏越の大祓

茅の輪くぐり

昨日で今年も半分が過ぎ去りました。
人には、生きていると知らず知らずのうちに罪や穢れも積もるもの…と、年あらたまってから半年分の罪穢れを払い清め、残り半年も健やかに過ごせるよう願う日本古来の神事が、京都の多々ある神社で行なわれていました。上の写真のような茅の輪をくぐります。
いにしえの人々の意識には脱帽です。残りの半年を迎えるにあたって、知らずに積んだ罪業を払い清め、神仏のご加護を頂き、健やかに暮らしたいと願う気持ちがなんとも謙虚で美しく思えます。

私が茅の輪をぐぐろうとしていたところ、とある観光客の方が「半年の罪、穢れ?そんなものは私には無い。悪い事なんてしてない」と、茅の輪をくぐらずに隣を素通りされました…。個人の自由でしょうが、それにしましても、「そういうことではないでしょう…」と思うのです。
傲慢になりすぎた我々現代人は、昔の人のように、「おてんと様が見てはるから、悪いことはしたらあかん」、「罪作りをしては、自分に返ってくる」などという考えはだんだんと薄らいでいるのでしょうか。
いにしえからのしきたりや習わしには、人が和を保ちつつ暮らしていく、心身共に健やかにいられる為の智慧がつまっていると思います。
学校において宗教教育ができない現代においても、やはり大切なものは大切なもの…と、守り伝えて行かれるべきではないでしょうか。

さて、余談ですが、この夏越の大祓の日には、京都では「水無月」というお菓子を食べる事になっています。
これも、民間信仰や、宮中の行事に深く関わりがあるお菓子で、暑さを乗り切り、邪気を祓う為には欠かせないお菓子なのです。研究所ではあるお坊さんが毎年持ってきて下さり、職員皆で有り難くいただく事にしています。

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京都の水

井戸水

京都では、神社などで湧き水を頂戴できる所があります。
その1つ、私がたまに水を頂戴するとある神社です。
本殿に参拝した後、ありがたく少しずつ頂戴して行く方もいらっしゃれば、大きな車でやってきて、商売でも???というくらいに、後の人が待っているにも関わらずタンク何本にも水を入れて持って帰る方も……。

水は蛇口をひねればいくらでも出てくる物-ではなく、列記とした資源であって大切に大切に使わねばならない物のはずですが、こうして井戸水をもらいにくる方を何人か見ているだけでも、水に対する感覚は人それぞれのようです。
豊富だと言われる京都の地下水も、昨今の地球環境によっていつまで我々を潤してくれるかわかりません。

茶道を初めて間もない頃のことです。とある茶会での主菓子に、とてもみずみずしく、ほろほろと口で溶けるほどに水を含んだ、ある京都の老舗の菓子司のきんとんをいただきました。
一口いただいただけで、水が支える京都の文化の底力までをも思ったものです。あの感動は今もなお新鮮な記憶として私の中に残っています。

京都が誇る美味しいお茶、菓子、料理、酒、友禅染めなどなど、全て水がポイントです。
梅雨のこの頃、雨降る日をうとましくおもわず、天からの有難い賜り物という心持ちで、紫陽花の花でも愛でながら心軽やかに過ごしたいと思います。

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第5回西村惠信所長といく“禅と文化”の旅 その3(細見美術館・山田松香木店)

六盛へ

光雲寺をあとにするとちょうどお昼時。今回は六盛さんにて名物手をけ弁当と、季節のお料理をいただきました。
その後は歩いて細見美術館へ。今回の展観は「祈りの美・かざりの美-仏教美術と工芸-」。重要文化財「愛染明王」 や「春日神鹿御正体」、その他圧倒されるような立派な観音様のお軸なども拝見させていただきました。
また、今回はせっかく細見美術館にお邪魔するのですから、屋上の茶室「古香庵」を是非皆さまに体験していただきたく、お点前もしていただいて美味しいお抹茶と和菓子(末富製・銘「青梅」)を頂戴しました。

細見美術館茶室_古香庵

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蓮華寺 苔と青もみじ

蓮華寺

梅雨の晴れ間、青もみじと雨にうたれて潤った苔の緑を拝みに蓮華寺へ。
大伽藍を持つお寺の拝観も良いものですが、こういうお寺に京都の良さを改めて感じます。

絵のような

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第5回西村惠信所長といく“禅と文化”の旅 その2(光雲寺)

光雲寺仏殿

しばし哲学の道の緑の中を歩き、臨済宗南禅寺境外塔頭の光雲寺へ。
哲学の道近辺には、気をつけていないと見落としそうになりますが素晴らしいお寺がいっぱいです。
光雲寺の歴史などについてはこちらからどうぞ。

仏殿

まずは仏殿にて般若心経を唱えます。

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第5回西村惠信所長といく“禅と文化”の旅 その1(霊鑑寺)

雨の予報に心悩ませた6月11日(水)、皆さんの日頃の心がけが良いからか雨に降られる事もなく、無事に第5回“禅と文化の旅”を終える事ができました。
行程はこちら

霊鑑寺へ

まずは臨済宗南禅寺派に属する尼門跡寺院、椿で有名な霊鑑寺へ。こちらは紅葉の時期椿の時期にそれぞれ一週間ほど特別公開されるのみですが、今回は特別に緑美しいこの時期にお邪魔させていただきました。

緑濃い山がすぐ後ろに。「こんなところにこんなお寺があったのね!」と皆さまから…。少し北に行くと法然院、哲学の道を南に下がると南禅寺。近くには来たことがあるものの、ここは知らなかったという方が多かったです。
門をくぐると緑の海のような世界が。ツツジのピンクがよく映えます。

庭園

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光悦寺の青もみじ

光悦垣

お天気の良い日には、緑が心底気持ちよい光悦寺。
秋の紅葉の時以外は、訪れる人もまばらで、静かな時を過ごせます。

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金戒光明寺 -紫雲の庭-

山門

5月の爽やかな陽気の日、浄土宗大本山の金戒光明寺を訪れてみました。
今回は、紫雲の庭の公開、そして、長らく修復で留守をなさっていた文珠菩薩様がこのたび修復を終え、御姿も新たにお戻りになられましたので、楽しみにでかけました。
立派な本堂にて初めて拝見する文珠菩薩様は、言葉に表わせぬ美しさで、ひと目見て魅せられてしまいました。

つつじと青もみじ 石楠花

青もみじも鮮やかで、つつじの目の覚めるようなピンクも美しく。
石楠花も満開でした。 いつの季節に訪れても、気持ちの良いお寺です。

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山口伊太郎遺作 源氏物語錦織絵巻展 -相国寺・承天閣美術館-

源氏物語錦織絵巻

相国寺にある承天閣美術館では、-山口伊太郎遺作 源氏物語錦織絵巻展-が7月6日(日)まで開催中です。

西陣織で絵巻物???と、実物を目にするまではいまいち想像がつきませんでしたが、かな文字まで全てが織られています。縦糸と横糸?がどのようにあわさったらあのように精緻で美しい織物による絵巻物ができあがるのでしょう。理解の範囲を超えていましたので、ただため息をつきながら眺めるばかり。
源氏物語の登場人物の衣装などは、まさに織物なわけですから、様々な美しい色の重ね、文様1つ1つにまで心が込められており、日本を、京都を代表する職人の精神に感服しました。
特に、薄物をまとっている人物の手がうっすら透けて見えるのにはもう…。

このたび研究所から発売される、禅僧が語る(DVD)シリーズの中で、妙心寺管長がお好きな句だと語っておられた、

  生きることは 一筋がよし 寒椿

この句を思い出させる一人の職人の生き様を見させていただき、気持ちがひきしまる思いがしました。

*承天閣美術館に、十牛の庭が新たに作庭されていました。また、相国寺法堂や方丈なども公開中です。是非おでかけ下さい。

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慈受院 -薄雲御所-

慈受院

臨済宗単立寺院、慈受院門跡が5/6まで特別公開されていましたので、伺って来ました。
非公開寺院でしたが、今回初めて公開されたかと思います。今後、春や秋の特別公開の時期には拝観できるようになるのかもしれません。またそのような情報はこちらのブログでもご案内させていただきます。

この門跡寺院は、1428年、亡夫である足利義満の遺言により、日野栄子が天皇家の菩提を弔うため建立されたそうです。それ以来、代々尼門跡により守られてきた為、薄雲御所又は烏丸御所、竹の内御所と呼ばれてきたそうです。
色々な尼門跡を拝観する私ですが、やはり尼門跡には尼門跡らしい風情があります。こちらのお庭もこじんまりとしていながらも気品高く、車が多く走る堀川通りから少し入った所とは思えない空気が漂っていました。
写真不可でしたので、ご覧に入れられませんが、また公開される事もあるかと存じます。
是非訪れてみてください。

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廬山寺 -京都非公開文化財特別拝観-

源氏庭

前回、冬に訪れた廬山寺。今回は春の特別公開ということで訪れてみました。
ここはかの紫式部の邸宅跡で、現在京都では源氏物語千年紀で源氏物語ゆかりの地をめぐる人も多いせいか、ひっそりと御所の東にたたずむ寺院としては、たくさんの参拝客で溢れていました。

平安時代をイメージして作庭された源氏庭、また本堂には明智光秀念持仏、角大師像、平安時代の阿弥陀三尊、不動明王、様々な仏像が鎮座し、織田信長の焼き討ちをまぬがれたこの天台宗の寺院を訪れると、古の人々の信仰の厚さに、頭下がる思いがします。

色々な寺院を参拝していると、昔の人は、「人の力なんて微々たるもの、目に見えぬものへの畏敬の念、いつも見守り助けて下さる神仏や祖先への感謝の気持ち」を、貴賤問わず大切にしていたのだな…と自然に感じます。
古くから残る寺社仏閣は、形だけでなく、やはり心を伝えるものとして今もなお、有難いものなのだと再認識した休日でした。

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冷泉家住宅 特別公開

表門

京都春季非公開文化財特別拝観にて、5/3~5/6のみ公開されていた冷泉家です。
烏丸今出川にありますが、今は同志社大学の大きな建物が目立ってしまい、気をつけて見ない限り通り過ぎてしまいそうなくらいにひっそりとしています。
明治維新後、ほとんどの公家が天皇に同行して東京に移りましたが、留守居役を預かった冷泉家は京都に残り、現存する最古の公家住宅として、また、藤原俊成・定家親子を遠祖とする「和歌の家」として現在に至っています。

上写真は特徴的な表門。このお屋敷が京都御所の北にあることから、阿吽を対にした玄武瓦です。
下は玄武の拡大写真。

玄武瓦

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史跡 豊楽殿(ぶらくでん)跡

石碑_豊楽殿

平安宮の饗宴場だった豊楽院正殿の遺跡。丸太町七本松の交差点から少し東南に入った町中にある(中京区聚楽廻西町)。平成2年に国の史跡に指定された。

芝の生えた少し高くなった部分が建物の基壇の跡である。手前に突出した部分は階段や裏手に続く廊下の跡。

奈良では平城宮跡のほぼ全域が特別史跡に指定され、古代都城の広壮さを偲ぶことができる。そのような遺跡が少ない平安京にとって、豊楽殿跡は貴重な存在である。

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開山無相大師650年遠忌のために 於:妙心寺

妙心寺


臨済宗妙心寺派大本山妙心寺では、平成21年の遠忌に向けて全国の檀信徒による参拝でにぎわってきています。
先日前を通りましたら、壁の漆喰も装い新たになるようで、たくさんの職人さんによって作業が勧められていました。

漆喰塗り直し


この機会に、先師の徳にあやかり、心さまよう混迷のこの時代に光を見出したいと思う今日この頃です。

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高麗茶碗への挑戦 -野村美術館-

南禅寺の青もみじ

南禅寺にほど近い野村美術館では、6月8日(日)まで-高麗茶碗への挑戦-として、朝鮮より渡って来て日本において伝世してきた高麗茶碗が紹介されています。
また、今回非常におもしろいのは、古い高麗茶碗と一緒に、日本・韓国で活躍している現代の陶芸家によって作られた高麗茶碗を展示している事なのです。

絵画などと違って茶碗の場合、どのような土・釉薬をもって、何度くらいで焼成されたのかを分析するのは難しく(茶碗を少し割って調べるわけにもいきません!しかも焼成される前と後ではだいぶ大きさが違います)、如何に「写し」の茶碗を作るのが難しいかが想像つきます。
今回の展示では、現代陶芸家が挑戦した「写し」の茶碗も多く見られますし、また、その他現代の陶工が丹精を凝らして作った高麗茶碗が楽しめます。

それにしましても、茶人が昔の朝鮮の雑器を茶碗にみたてて使ったからこそ「高麗茶碗」の地位は確固たるものとなりましたが、何よりも、何らてらいの無いその器達に美を見出した日本の古の人々の「こころ」に、私はいつも感動を覚えます。
現代の陶芸家が、元々は茶碗として作られたものではなかった高麗茶碗というものに挑戦するのは、悟った事さえ忘れてしまっているような、そんな境地が必要なのかも知れないなぁ…と思った次第です。

今回、お軸は松花堂昭乗の「維摩居士・寒山・拾得図」の素晴らしい三幅が展示されていて、こちらも必見です。
南禅寺の青もみじを見に…という方は、是非こちらにも立ち寄ってみて下さい。

野村美術館 高麗茶碗への挑戦

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新緑の鴨川

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お天気の良い日は、色々抱えているもやもやも吹っ飛ぶくらいの気持ちよさです。
京都観光と言えば寺社仏閣、美術館などを巡ったり…というのが当たり前でしょうが、気候の良い新緑鮮やかなこの季節、是非一度ゆっくり歩いてみて下さい。
三方を山に囲まれ、水も豊かなこの恵まれた土地に都が置かれた背景も見えてくるような…。

kamo_sinryoku2.jpg

彼方に見える新緑でもこもこした山に近づきたくてどんどん行くと、景色も変わりさらに緑濃い地帯へ。
少しばかり暑くても、気分爽快です。

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生誕100年記念 秋野不矩展 -京都国立近代美術館-

秋野不矩展

京都近辺にお住まいの方は、5月11日(日)までに是非ぜひ、ご覧いただきたい展観のご紹介です。

インドを見つめる深いまなざしやその心、人柄が絵には正直に出るのですね。彼女の描くガンジス川やインドの村、遺跡などを見ていると、昨年初めて訪れて魅了されたインドへと心が飛んでいくようでした。
そして、その絵からは、現代の日本人が忘れかけている自然に対する畏敬の念や、信仰心などをインドを通して教えてもらうようで、暖かい思いと同時に、心ひきしまる思いも抱きました。

さて、この展観では絵画のみならず、90歳を超えてなおインドやアフリカを訪れた彼女の写真なども展示されており、アフリカの砂漠をガイドと共に軽やかに歩く写真にしばし目がくぎづけになりました。
キラキラとしていて少女のようで、とてもかわいらしく、自分はもう失ってしまったであろうものをずっと持ち続けていらっしゃるようなその姿がとても眩しかったのです。

本当に良いものを見させていただけた…と深く感動する展観でした。
時間には充分に余裕をもっておでかけになる事をオススメします。

今後は、下記を巡回するようです。 浜松市の秋野不矩美術館は、建物も非常に興味深く、是非私も一度訪れたいと願っています。

浜松市秋野不矩美術館 平成20年6月7日(土)~7月27日(日)
神奈川県立近代美術館葉山 平成20年8月9日(土)~10月5日(日)

京都国立近代美術館

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08年さくら その2

昨日に引き続き、桜の写真です。この2枚は京都、上品蓮台寺の桜です。紅しだれがとても立派です。

上品蓮台寺

上品蓮台寺

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08年さくら その1

京都御苑 小川の糸桜

今年もたくさんの桜を楽しめました。なぜか今年は初めて桜に夢中でした。むろん毎年綺麗だなぁと思って見ているのですが、どうしてでしょうか。現在の心境?年齢?でしょうか…。
なかなか綺麗な写真が撮れましたので、皆さまにご紹介を。
来年のお花見のご参考にどうぞ…。 上の写真は京都御苑の小川の糸桜、下は吉田神社です。

吉田神社

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播磨灘物語 -黒田如水邸趾-

黒田如水像(崇福寺蔵)

司馬遼太郎の『播磨灘物語』を読んだ。戦国時代の武将・黒田孝高(官兵衛)が、立身していく物語である。のちに出家して黒田如水と名乗るので、その方が有名かもしれない。官兵衛は「かんべえ」と読むものと思っていたが「かんひょうえ」と読むようだ。

黒田はもと今の滋賀県北部にある木之本町黒田の出身とされる。ただし、この時代の出身地については、信憑性に欠けることも多く定かではない。祖父の代に播州に入り、小大名である小寺家に仕え、官兵衛はのちに姫路城代となり、東には織田信長、西には毛利輝元の二大勢力の狭間に位置することになったが、早くから織田につくべく主君を説得し、また孤立もし、まさしく戦国の世の中を突き進んでいくことになる。
その後、中国地方の平定のために出向く秀吉の軍師として、その力を発揮していく。特に、備中高松城攻略の際の巨大な堤防を築いての水攻め、そして直後の本能寺の変を聞いての秀吉軍の中国大返しを進言したのは、この黒田官兵衛なのである。

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六波羅蜜寺 -その2-

六波羅蜜寺

前回につづき、六波羅蜜寺のご紹介を。
屋根はゆるやかな傾斜で、奈良のお寺を思い出します。禅宗寺院を目にする機会の多い研究所職員としては、色々な違いが気になるところ。朱の色も鮮やかです。塗り直されてそんなに年数がたっていないようです。

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隠元橋 -宇治・黄檗宗萬福寺-

新隠元橋

春たけなわの4月3日、黄檗山萬福寺の開山忌に行ってきた。宇治へと車で向かう道中は桜も見頃、ちょっとした花見気分である。
京都市内から宇治市の木幡に入り宇治川に沿って走ると隠元橋がある。この地は、かつて岡屋の津という港があり、古くから交通の要衝として栄えてきた。江戸時代、黄檗宗開山隠元禅師が幕府から寺領地を賜ることとなり、新寺の候補地探しのために淀川をさかのぼり宇治川で下船した場所でもあることから、「隠元禅師渡岸の地」の呼び名も加えられた。昭和24年に初めて橋が架けられ、隠元禅師の渡しにちなんで隠元橋と名づけられたという。

この隠元橋が新しく架け替えられていた。これまでの橋は幅員も狭く、一宗の開山名を冠するには憚られるような小さな橋であったが、新隠元橋は4車線の両側に歩道まである立派な橋に生まれ変わっていた。
また、橋の東側には「黄檗開山隠元禅師渡岸之地」の石碑が新たに建立されていた。石材は禅師の出身地である中国福建省から取り寄せ、中国古来の伝統形式である亀趺の形に仕上げたという。
さて、黄檗宗では4月より岡田亘令老師が新管長に就任された。開山忌では力強く隠元禅師の遺徳を偲ぶ香語を唱えられた。この地に法筵が開かれて340年、脈々と法灯は継承される。

黄檗開山隠元禅師渡岸之地

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霊鑑寺の春 哲学の道

有名な月光

特別公開中の霊鑑寺(左京区鹿ケ谷)を訪れました。
毎年、椿の見頃と紅葉の美しい頃、公開されます(今年は4/6まで)。
昨年も参りましたが、やはり今年も心洗われる美しい椿を拝みたい。椿参拝です。
あまりに美しい椿を見ていると、不思議だなぁ…という気持ちになり、お釈迦様が金波羅華一輪をお示しになられた事を思い出します。

尼門跡寺院といえば、前回の禅と文化の旅にて、奈良の円照寺(後水尾天皇の第一皇女、梅宮さまが開山)を拝観させていただきましたが、こちらは同じ後水尾天皇の皇女、多利宮さまが開山です。
明治維新まで皇女などが入寺されたため、「鹿ケ谷比丘尼御所」「谷の御所」とも呼ばれます。
代々皇女が入寺された寺は、どことなく雅な感じが漂い、凛としつつも女性らしい優しい空気が流れているような気がします。
それでは、今年の椿を是非皆さまに…。

哲学の道も桜は満開。そして、水仙、ミツマタ、クリスマスローズ、レンギョウ、雪柳、石楠花、あらゆる花が咲き誇っていました。

秋の霊鑑寺
昨年の椿

霊鑑寺の春 哲学の道の続きを読む

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西小路通り

西小路通り

花園大学キャンパスの西側を南北に通る道が西小路通である。南から太子道までは広く快適な道だが、大学付近は依然として狭隘な道だ。もちろん一方通行である。

ずいぶん以前から拡幅計画があるようだが、最近はあらかた用地買収も完了したようで、丸太町通りとの交差点には信号機も設置された。
 
道路が拡幅されると自動車の通行もスムーズになり、歩行者も歩道を安心して通ることができる。しかし、そのぶん自動車の通行量は増える。歩行者の道路横断は難しくなり、両側の町は分断される。
 
そのような状況が各地でしばしば見られる。道路整備は重要だが、人々のつながりを壊さないような配慮が必要であろう。

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百花苑 -天龍寺-

馬酔木

この冬の京都は雪が多く、ここ天龍寺の庭にも春の気配が感じられるようになり、百花苑の花々が目を開き始めました。これからの庭内散策が楽しみです。

現在、天龍寺では下記のものが楽しめます。
椿・坐禅草・馬酔木・山茱萸・桃・木瓜・梅

これからは…
桜・木蓮・海棠桜・辛夷・芍薬・牡丹・平戸躑躅・満点星躑躅・石南花・五月などが楽しめます。
ところでみなさん、これ全て読めますか?!

坐禅草

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花の共演 -京都御苑-

しだれ桜

この季節だけ、椿(落椿も綺麗なままに…)、桃、梅、しだれ桜、水仙などの共演が京都御苑で見られます。
花の咲かない真冬の時期と違い、御苑は散歩する地元の人、観光客でにぎわいます。
まさに春、様々な鳥のさえずりもかわいらしく、心も明るくなります。

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六波羅蜜寺 -その1-

六波羅蜜寺

皆さんも学生時代に教科書で初めてご覧になった時、ハッと引きこまれませんでしたか?
どうしてもあの写真が目に、そして心に焼き付いて離れない、唱えられた「南無阿弥陀仏」がそのまま阿弥陀仏の姿となって口から現れ出ている、空也上人立像(重文)を初めて拝みに訪れました。

近いのになかなか訪れる機会が無かった-六波羅蜜寺-。近くにはお精霊参り(六道参り)で有名な六道の辻(あの世とこの世の境界と言われる場所)があり、なぜか私はこの辺りでよく迷う事と、なんとなく不思議な感覚に充たされる事から、足が遠のいていたのでした。
今回は-京の冬の旅-にて、特別に空也上人の画と実際にお使いになられた鹿の角の杖が公開されるという事で、この機会にと訪れました。

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京都御苑の梅と宜秋門檜皮葺きの葺き替え

京都御苑の梅 満開の木は主役!

3月8日(土)の京都御苑の様子です。
少し寒かった頃に比べて、だいぶ梅見の人々でにぎわってきました。
ただ、やはりまだ頑なに蕾を閉じたままの木も多く、満開となるにはもう少しかかりそうです。
今週のこの陽気に反応して、蕾がほころぶ事を期待しつつ…。

3月11日には自宅近くで、研究所に向かおうとしている時にうぐいすの初音を聞き、まだあどけなく、うまく鳴けないそのさえずりも可愛らしく、心和む一日の始まりとなりました。

080313-2.jpg

尾形光琳の描いた梅の画を思い出します。京都御苑の木々は、剪定や手入れも素晴らしく、散歩していて飽きません。梅の木も下手に剪定してしまうと、うまく花が咲きませんよね。
ちなみに御所は宮内庁、御苑は環境省の管轄だそうです。

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天龍寺の梅

天龍寺の梅

仕事で天龍寺(嵐山)を訪れました。
梅はどうかと見てみましたが、木によって違うようで、満開に近い木もありますが、ほとんどの蕾を固く閉じたままの木もあります。
三寒四温とはよく言ったもので、やはりなかなかすぐに暖かくはなってくれないようです。
梅の花も足踏みしているのでしょうか。

ミツマタの花もみつけました。茶人に好まれるこの季節の花です。

ミツマタ

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知恩院三門

知恩院


第42回京の冬の旅にて特別公開中の知恩院さんの三門をお参りさせていただきました。

この日の京都は雪が降り、三門の上から眺める京の都はまた違った風情。
四方を囲む山々は、冬特有のどんよりとした雲に身を隠していました。
京都の町全体を見渡せるほどの見晴らしは格別ですが、高い建物が目立つのが少し残念です。
それでもやはり、木造の門としては世界最大規模を誇る立派なこの御門、遠くからでも見えるそのお姿はそれは立派で、日本が世界に誇るべきものだと思えます。
内部の彩色豊かな絵の数々も、再建当時の趣を残しています。

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京都御苑の梅

八重紅梅

毎日のように雪が降る京都です。
京都御苑内にある梅林では、まだ頑なに蕾のままの木もあるものの、春の訪れを敏感に感じて咲き始めている梅もあり…。
そんな梅の木には写真愛好家達が集い、まだ春の色乏しい御苑内でもにぎわいを見せていました。

白梅

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『憧れのヨーロッパ陶磁』 -京都国立博物館-

京都国立博物館

特別展覧会、『憧れのヨーロッパ陶磁-マイセン・セーヴル・ミントンとの出会い-』を鑑賞しに、京都国立博物館を訪れた。
展観の紹介文章には、「いつの時代も、人は異国に対して一種の畏れを感じる一方で、強い憧れをもつようです。このところ、高級食器としてのヨーロッパ陶磁が人気を博し、テーブル・コーディネートで活躍している背景にも、おそらくある種の「異国趣味(エキゾチシズム)」があるのでしょう」とありますが、どうでしょうか。
最近の日本では、ブランドやラインを揃えて使わなければならない、そしてなんと言っても値の張る西洋の高級食器よりも、洋食であっても気軽に使える自分の好みの日本の窯元の作家物をどんどん使って、自分なりにコーディネートを楽しんでいる人が増えているように思えます。

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待合 -DVD撮影 相国寺にて-

待合


昨日に引き続き、DVD撮影にて訪れた相国寺。
管長の茶の湯点前の撮影だが、ちょうどこの日は午後から初釜があるとのこと。
待合を少し覗かせてもらった。

待合(まちあい)とは、招かれた客が待ち合わせる、茶事や茶会の為に茶室に入る前の待機場所のような部屋で、この日の待合は上の写真のような床飾り。
待合といえどもさすが、お軸は仙厓さんとのこと。
力強い結び柳には、新年を迎え、今年も無事過ごせるよう祈る気持ちになります。
ねずみの置物は、寺に縁ある人の作品でしょうか、愛嬌を添えています。

仏手柑

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雪の相国寺

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一連の管長老師の収録(禅文化研究所より、この春にDVD発売予定!)で、相国寺を訪れました(1/27)。
この日は朝から雪。家を出る時から、「雪降る寺の美しさはいかばかりか…」と、寒いながらも心は暖かく楽しみにでかけました。
静かな境内で、音もなく空から舞い降りる雪。高くそびえ立つ法堂。
桜や紅葉の気候の良い時ばかりではなく、多くの人にこの寒い凛とした空気の京都も味わって欲しい気持ちでいっぱいになりました。
観光客誘致の為、冬の京都では非公開寺院の特別拝観を行なっていますが、これは観光客にとっても本当に良い機会だと思えます。
どちらかというと、寒い冬には人の気持ちは内にこもりがちかもしれません。ですが、そんな時にこそ、さらに自分を見つめるべく、静かな所を訪れてみるのはいかがでしょうか。

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撮影のあった、大光明寺の門前。撮影風景などのレポートは、明日明後日とアップさせていただく予定です。

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京都の紅葉 -大沢池-

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日本三大名月観賞池のひとつである大沢池に訪れた。
大沢池は大覚寺の東側にあり、離宮嵯峨院の庭池で日本最古の庭池だそうだ。

大沢池には散策路が整備されており、池の周囲をぐるっと散策することができる。
この日も紅葉を楽しむ人たちがたくさん訪れていた。

風が吹くたびに紅葉した葉がひらひらと舞い落ち、色とりどりの落ち葉が秋色のじゅうたんとなっていた。その光景はとても美しく、そしてどこか切なくも感じた。

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元伯宗旦と樂茶碗 -樂美術館-

樂美術館

以前にも書きましたが、今年は元伯宗旦(千利休の孫にあたります)350年忌の年にあたり、京都の美術館では、宗旦にちなんだ展観が数多く見られます。
樂美術館もその1つで、長次郎が作った茶碗の中で、宗旦書付のある名碗や宗旦好みの茶碗、また、樂家歴代の茶碗を拝見する事ができます。

宗旦といえば、熱心な参禅の徒であった事、どこの藩にも茶堂として身を置くことをしなかった事、侘びさびに徹底していたというイメージがあまりに強く、その好みの道具や書付の残る道具とは一体全体いかなるものかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、多くの美術館を訪れ、宗旦のまわりにあった様々な物を見ていると、それだけではない宗旦の色々な面が伺えて、さらにその魅力に惹きこまれます。今回の樂美術館の展示でも、宗旦の新たな面を垣間見させていただけました。

*樂美術館では、様々な所に生けてある花がいつもとても素敵です。それも毎回この美術館を訪れる際の楽しみなのです。

*宗旦については、11/29に弊所発刊の堀内宗心宗匠『歩々清風』に、-元伯宗旦の茶と禅-として、詳しく書かれています。

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聚秀軒特別公開「第5回都伝統工芸の会-京町家で見る京の伝統産業-」

聚秀軒

11月23日(金)~11月25日(日)まで、京町家「聚秀軒」にて、秋の特別一般公開「第5回都伝統工芸の会-京町家で見る京の伝統産業-」と題する、都伝統工芸の会による特別実演が行われた。

この催しは、「京のみやこで古くから伝えられて受け継がれてきた『伝統産業』を多方面に紹介」するために、それらに携る職人さん方によって行われているもので、錺職〔錺屋 松田潔祀〕、京仏師〔村上湛雲〕、京表具〔矢口浩悦庵〕、そして組織(くみおり)〔綵巧〕など、和の建築や装いに彩りを添える逸品の数々を鑑賞しながら、それらを受け継ぐ方々の実演や説明がなされる、というなんとも贅沢な試みである。

秀なるものの展示

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京都の紅葉 -ひとりじめできる場所-

竹中稲荷

真如堂をあとにして、その向かいにある宗忠神社へ。神社とお隣の吉田山荘の紅葉を横目に、階段を上がります。しばし歩くと吉田神社の末社、竹中稲荷社の鳥居が見えてきます。
つい先程までいた真如堂には、溢れんばかりの人でしたが、この辺りは誰1人訪れる人もなく…。
何年か前までは、秋でもひっそりとしていた紅葉の名所と言える小さな寺も、最近は朝からものすごい人。情報を得るツールが増えたからでしょうか…。
人のいない名所といえる場所を求めている私です(と言いつつ、さっそくここで紹介)。

紅葉

自然の色って、本当にすごいですね。人は自然には勝てないな…と、災害のみならずこの色を見ても思ってしまいます。

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京都の紅葉 -真如堂-

真如堂

いわずとも知れた紅葉の名所、真如堂。
毎年、観光客でものすごいにぎわいを見せます。
私がいつも思うのは、紅葉の名所=新緑の名所ということ。
毎年一番の見頃がいまいちわかりにくい紅葉に比べると、新緑の時期はわかりやすく長いので、青々した若々しい葉、みどりの世界が楽しめます。
紅葉のみならず、一度5月頃の新緑の時期にも訪れてみて下さい。
と、なぜか紅葉紹介なのに新緑のオススメとなりましたが…。

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京都の紅葉 -霊鑑寺-

秋の霊鑑寺

今週は、京都のさまざまな紅葉をご覧にいれたいと思います。

まずは、11/23~26日まで特別公開されていた、臨済宗南禅寺派の霊鑑寺です。
椿の美しい頃、紅葉の美しい頃のみ、何日間か公開される寺院で、それ以外の時期は非公開です。
由緒正しき門跡寺院のたたずまい。いつ訪れても心清められます。

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天龍寺の紅葉

曹源池に映る紅葉

今年は残暑が猛暑となり、紅葉はどうだろうか…と心配していたものの、季節はちゃんと巡るようである。
11月に入って急に冷え込み、現在天龍寺の紅葉は見頃を迎えている。
特に京都は盆地で、その中でも嵐山は西の端にあるため、天龍寺の紅葉は一番早く、また、下から順に上へと紅葉していく様はえもいわれぬ美しさだ。
12月に入ると、嵐山が真っ赤になり、朝靄(あさもや)の中に見えるその嵐山が曹源池に映る様は誠に幻想的である。
早起きは三文の徳。早朝7時過ぎから天龍寺は開門しています。

えもいわれぬ美しさ

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廬山寺 -京都非公開文化財特別拝観-

廬山寺_大師堂

平安中期に、比叡山天台18世座主元三大師によって船岡山に創建され、1573年に現在の地(上京区寺町通広小路上ル/梨木神社のすぐ近くです)へと移されました。 
御存知の方もおありかと思いますが、船岡山近くには、「廬山寺通」という通り名のみが残っています。

京都非公開文化財特別拝観(11/11まで)で、今回初めて大師堂が公開され、「鬼大師」や、明智光秀の念持仏が公開されるとの事で足を運んでみました。

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紅葉情報 -高山寺-

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私の好きな寺の1つ。明恵上人の庵として知られる高山寺です。11/4(日)に訪れましたが、なかなか美しい紅葉が見られました。紅葉を楽しみに京都を訪れる方は、どうぞ目安にして下さい。ちなみに、3日に鞍馬を訪れた知り合いは、栂尾ほどに紅葉はしていないと話していました。

開山堂付近

このあたりは、空気が違います。京都市内から30分ほど車を走らせればこんな所がある事に京都に住む有難さを感じます。

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狩野永徳 -京都国立博物館-

狩野永徳展 -京都国立博物館-

京都国立博物館では、11/18(日)まで、狩野永徳展が開催されています。
少し前の話ですが、研究所メンバーで、有難くも内覧会に行かせていただきました。

戦国時代、天下統一を目指すほどの武将が出たこの時期、やはり、彼らを納得させるだけの人物があらゆる方面で多々出てくるものなのですね。そういう時代であったということでしょうか。
いくら才能ある人物でも、その人を活かすパトロン的な存在無しには、活躍の場も無い事でしょうし、その活躍ぶりが後世まで讃えられるものとはなり得ないでしょう。
今回は、史上初の永徳の回顧展、さらに今まで皆様の目に触れられる事の無かった物も初公開されています。戦国武将に愛された絵師だけに、その武将たちを祀る禅宗寺院にも彼の作品は数多く残っており、そのような物にもご注目いただきたいところです。

さて、内覧会でさえもものすごい人でしたが、一般公開が始まった今、あまりの人気ぶりに、金・土・日の開館を午後8時までに延長しているとの事です。最近、このような人気の展覧会では、混雑状況もHPにて確認できるようです。
なかなかゆっくり鑑賞とはいきませんが、ぜひ比較的すいている頃を見計らっておでかけになってみてください。

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金戒光明寺山門 -非公開文化財特別拝観-

金戒光明寺山門  光明寺のイチョウ


前回の“禅と文化”の旅のコースにも入れさせていただき、皆様をお連れした黒谷さん(金戒光明寺)の山門や庭園が、11/11(日)まで特別拝観となっています。
私は光明寺が好きでよく訪れるのですが、今回も山門に登らせていただいて参りました。

幕末に会津藩の駐屯所となったこのお寺。城郭造りのようになっており、京都中が見渡せる地にあり、その景色は圧巻です。山門の上から京都市内を見ると、確かに他の都市に比べて高い建物が少ないのがわかります。反対に、少しでも高い建物が、如何に景観を損ねているかもまるわかりで興ざめなのですが…。

私が初めてこのお寺を訪れたのは、山内の西翁院にある「淀看の席」という茶室が特別に公開された折でした。確かに、昔ならば大阪の方まで見渡す事ができたのでしょう。今は叶わぬその眺望ですが、そんな昔に思いをはせつつ、今回の特別拝観も楽しんで参りました。

黒谷さんからは、歩いて真如堂もすぐそこに。真如堂から忠宗神社を通り、秋深まってゆく吉田山散策などもおすすめです。

特別拝観の詳細についてはこちらをどうぞ
財団法人 京都古文化保存協会

真如堂

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「開館30周年記念展 暦年の茶」-北村美術館-

秋晴れの鴨川

河原町今出川にある北村美術館を訪れました。
2007年9月9日(日)~12月9日(日)まで、「暦年の茶」と題して、開館30周年と宗旦居士350回忌の節目の年を記念するに相応しい道具が展示されています。

こちらでの展示が楽しいのは、待合や、小間での濃茶席、広間での薄茶席など、茶事の進む順番通りに展示がしてある事なのです。自分も茶事に参加しているかのように、「あぁ、この場面でこのお道具かぁ…」と、まるで亭主の心づかいを感じる事ができるようで、勉強にもなります。

今回一番心に残ったのは、宗旦作の花入で、瓢箪を使ったもの。「銘 達磨」です。
まるで一筆達磨のような形をした瓢箪をくりぬき花入れにしたもので、なんともいえないわびの世界を感じます。美術館にあるべき物かもしれませんが、秋の様々な草花を生け、茶会に登場したらどれだけ素晴らしいことでしょう!叶わぬ願いですが、見てみたいものです。

今年は千宗旦の350回忌の年という事もあり、茶道に関係する美術館では、宗旦の特別展が多く見られます。乞食宗旦といわれながらも京の人々に愛され、禅の道にも深く通じた千宗旦という茶人の生き方、人柄、その精神性は、現代を生きる我々の心にも深く感銘を与えるものと思われます。
まさにお釈迦様が涅槃の際に言われた、「法灯明自灯明」を生きられた方です。私も各美術館で、千宗旦という人に触れたい思いでいっぱいです。また足を運びましたらこちらでご報告する事に致します。

*「宗旦の茶と禅」に関しては、11月29日に研究所から出版される、堀内宗心著『歩々清風-科学する茶禅の人-』にも詳しく書かれています。

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「懐石のうつわ展」 -野村美術館-

茶室_天龍寺

南禅寺近くにある野村美術館を訪れました。
いわずもがな、野村財閥を一代で築き上げた得庵(野村徳七氏)のコレクションが収蔵されています。
主に茶道具、そして自らも嗜まれた能に関する所蔵品が数多くあり、春と秋の展示が毎回楽しみな美術館です。

今回は、「懐石のうつわ展」。
前期 平成19年 9月 8日(土)~10月21日(日)
後期 平成19年10月23日(火)~12月 9日(日)

茶の湯をお稽古されている方で、本格的な茶事の経験のある方にはおわかりでしょうが、茶事をするとなると、びっくりするほどの様々な器が必要となります(昔のかなりわびた茶事は、そうでもなかったのかもしれませんが…)。
茶事とは、茶の湯のフルコースのようなもので、お濃茶を美味しくいただく為の懐石に始まり、お濃茶、薄茶へと続きます。その一会は、会の形式にもよりますが、3時間にも4時間にも亘ります。その長い時間、亭主が趣向を凝らし自分の思いを込め客をもてなし、客は客で、その亭主の心を汲み取ってこそ主客交わり一体となる、一期一会の会となります。

今回はそんな茶事での懐石に使ううつわの展示だったのですが、得庵がどのようにもてなしたのかと想像するだけで楽しくなるような逸品が揃っていました。
中でも、原羊遊斎作・酒井抱一下絵の蕨蒔絵の膳と椀は、ため息が出るばかり。おしかりを受けるかもしれませんが、羊遊斎の塗りには、女性を「匂うがごとく美しい」という、その表現を思わせるような感覚を毎回覚えてしまいます。

また、バカラの懐石具は、明治末から大正時代の大阪の美術商が、自らフランスのバカラ社に注文し取り寄せたものを、得庵のところに収めたというもの。
この時代の実業家である数寄者の茶に対する向き合い方、力の抜きどころ、道具を見る目には、いつも感服せざるを得ず、現代にもこんな方はいるのだろうか…としばし考えてしまうのですが、その時代の数寄者を支える美術商、道具商などにも、このようなおもしろい人物がいたものなのかと目の覚める思いがしました。

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円通寺 -京都岩倉-

円通寺

借景の庭で有名な円通寺を訪れた。
台風の影響からか残暑厳しい日で、暑い暑いと言いながらも庭を見ると、なんとなく心が静まり落ち着く。
何度となく訪れているが、一日として同じ景色であった事は無い。
空だって、自分の上には必ずあって、見上げれば一度として同じ空模様なんてものは無いのであるが、その「当たり前」を普段は忘れがちである。
この寺を訪れると、変わらず過ぎていくように思いがちな一日一日を、いとおしく大切に思い、なんとなく「頑張らなきゃなぁ」と、パワーをいただくのである。

それにしても、この岩倉の辺りも、私の大学の恩師が学生時代に下宿していた頃とはだいぶ変わってしまったようだ。この日も寺の下の方で、宅地開発の為か、ガガガガッと工事の音。
「音」といえば、日本人は秋の訪れと大喜びする虫の音であるが、英語圏の国ではあの虫の音もノイズであるという。日本人が感じる-情緒-とは、なかなか世界には伝えにくいものであろうか。
情緒ある虫の音は大歓迎だが、ノイズはまっぴらだ。京都市が醜い都市にならぬよう、新たな建築の規制に期待するばかりである。

仙人草

扁桃腺の腫れに効く?と言われる仙人草。

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花は野にあるように -高島屋 山村御流華展-

花は野にあるように

いつも(年に2回)楽しみにしている、京都高島屋での山村御流の華展にお邪魔した。

華道の流派は数えきれないほどあり、自分が習っている流派はもちろん好きで習っているのだが、この「山村御流」の花というのはまた格別な存在なのだ。
誰にも何にもこびず、ただ-花は野にあるように-をモットーに、決して派手でも華やかでもないのだが、日本人が古来から持つ小さきもの、美しきものを慈しむ思い、季節への感謝、感動をほんの少しの草花で思い起こさせてくれる。
いつも無料で開催されるので、是非一度自分の目で見て感じていただきたい。
(全国何カ所かの高島屋にて開催されるはずです。是非お調べ下さい)

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虫の音

秋の月

まだまだ日中は肌がヒリヒリするくらいの日差し、暑さが続くが、ちょうど一週間前の24日夜から虫の輪唱がそこここからきこえるようになった。
毎日、日が暮れた後に外の花に水をやるのだが、びっくりするくらいの数の虫の音に、人間は暑い暑いと気付かなくとも、自然界には確かに秋の気配が来ている事を知らされた。
心なしか、月も澄んで見えるようで・・・。

今年一番の秋の知らせに、一句・・・。と平安時代の人のようにはいかないのだが、季節の移ろいを有難く思い、なんとかこの日本の情緒を失わないように心がけなくてはと思う次第。

御地の秋の知らせは、如何ですか?

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大徳寺の月釜

大徳寺_月釜

28日は千利休さんの月命日。 この季節、少しでかけるだけでも汗が吹き出るような暑さだが、今月(7月)は土曜日と重なった為、、このような暑さに釜を懸けるご亭主は、どのような工夫をなさるのだろうと、お勉強させていただく為でかけてみた。 月命日であるから、むろん各塔頭での茶会が始まる前に、本堂で読経がある。 夏なら8時ぐらい、それ以外の季節だと、9時前くらいに塔頭に伺うと見学可能。

今回は二席回らせていただいたが、心に残ったのは、「自分の心の中にあるわだかまり、不安、どろどろした気持ち」など、この時期の暑さのみならず、人間の汚れや何かを洗い流して下さるような、久田宗也宗匠のお軸、「瀧」の一字。宗匠のお人柄をそこに見るような字に感動。そして床に飾られた吊り花入に生けられた昼顔。茶席で心の洗濯です。
その他の御道具も、暑さを忘れさせるなんともすっきりとしたお席で、席中ではたらく社中の方もきびきびと気持ちよく、日頃のお稽古の様子が伺えるようであった。

また、もう一つのお席では、由緒あるお茶碗の中に、皆も陶印を確かめるのだが誰のお作かわからぬお茶碗が。
ご亭主の話によると、「五条坂で、なんやしらんいいお茶碗やなぁ思て、求めましてん」と。
私であれば、名のある陶工が作ったわけではない、この素敵なお茶碗に気付けただろうか・・・と。
何事においても、「気付く」というのは、なかなか出来ない事で、見習いたく思った次第。

茶道は堅苦しい、なんだか権威主義の社会に思える、お月謝がすごそう! など、色々と世間での噂が先に立って始められない方もいらっしゃるかと思う。
が、良き師匠に出会い、自分が自分の在り方をはっきりと決められるようになれば、その先には自由があり、発見があり、これほど広がりあり奥深い世界はない(と、私は思う)。
禅から茶に入る方、茶から禅に興味を持つ方、色々いらっしゃると思うが、せっかく興味を持ったならば、まずは「はじめの第一歩」なのである。

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美しい国、日本?! -アレックス・カー氏-

氏は、雨蛙を見てエメラルドと・・・

7月15日、TBS『情熱大陸』というTV番組に、アレックス・カー氏が出ておられた。
どのような方かはこちらで>『情熱大陸 アレックス・カー(東洋文化研究家)』

様々な仕事をこなしていらっしゃるが、その全ての根底にあるのは、-本当に美しいものとは何か-であって、揺るぎない信念と審美眼を持つ彼だからこそ出来うる仕事をしていたら、それがあらゆる分野にまで拡がっているだけなのだと思えた。

「日本は、東洋の文化の終着地点のような所」と、番組内でおっしゃっていたが、まさにその通り。それは、アジア各国に趣き様々なものを自分の目で見て、手で触れて来たからこそ自然と出てくる言葉なのだろうと思えた。
今、政府は「美しい国、日本」というコピーを携えているが、それならば、その日本の源流とも言える国々の文化の知識までをも持ち、その上で、なかば壊れかけた日本の美しい風景や文化をどのように立て直して行くのかを見据えなくては、狭い狭い日本の内だけを見て「美しい国、美しい国」と言っていても、机上の空論に過ぎない気がする。
氏のように、知識と経験、ものを見る心の目を持った方に政策に携わって欲しいような、すがるような気持ちになってしまった。

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祇園祭 宵山

鯉山

台風到来、梅雨の雨も降り止まず、どうなるかと皆が心配した今年の祇園祭。
7月16日の祝日月曜日が宵山。この日も午前は晴れていたのに午後から雨、そして夕方には雨がやむという奇跡的?!な空模様。

gionkoi.jpg

一番人気(と思えた)、鯉山。 
飛騨の名工、左甚五郎作と伝わる力強い鯉、登竜門の出世御利益にあやかりたい?!と長蛇の列です。
また、鯉山の人気には、左甚五郎の鯉のみならず、17世紀頃にヨーロッパより日本に入ってきたといわれるトロイア戦争物語が描かれたタペストリーが。
普段は京都国立博物館に寄託されており、山鉾巡業の際には川島織物により復元されたものが使われる為、宵山の期間中の町席でしか本物にはお目にかかれません。

祇園祭 宵山の続きを読む

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つばめは益鳥か害鳥か?!

つばめの子勢ぞろい

一般には、つばめは害虫を駆除してくれる益鳥であると子供のころ学習し、大切にしてきた。
また、初夏と共に飛来し田植えの済んだ田園を低空飛行しているつばめは、美しい初夏の風物詩である。

その反面、今年の夏はここ天龍寺では燕害に悩んでいる。
玄関・大方丈にと、10箇所くらいの巣をかけ、子育てに余念が無い。
廊下はつばめの糞で真っ白になる。観察すると飛行中にも糞をするし、子供に餌を与える時もポトポトやっている。
毎日掃除をし、おっつかない廊下に新聞紙を敷いて置くのだが、焼け石に水である。
時折、敷いた新聞紙の記事に見入っていると大変なことになる。
拝観客は、「ま~カワイイ!」と言っているが、その頭にぽとり。雀のお宿よろしくつばめのお宿なのである。

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三室戸寺の紫陽花

三室戸寺 本堂

西国観音霊場第10番札所、三室戸寺を訪れた。
どなたでも、あじさいの寺としてこの寺の名前はご存知であろうと思う。
ただ、その寺の縁起となると私も全く知らなかった。
実は本山修験宗の別格本山だそうな。約1200年前に、三室戸寺の奥、岩淵より出現された千手観音菩薩を御本尊とし、光仁天皇の勅願により創建されたとの事。
天皇・貴族の崇拝を集め、霊像の霊験を求める庶民の参詣で賑わった・・・との事であるが、はてさて、はるか昔の賑わいと今の賑わい、その人の心の内はどのように変化しているのでしょうか。

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京都の「石舞台」蛇塚古墳

石室の高さ・幅は石舞台を凌駕するという

修学旅行で奈良県明日香村にある石舞台古墳を訪れた人も多いだろう。古墳の盛り土が失われ、巨大な横穴式石室の石材が露出していることで有名だ。蘇我馬子の墓との説もある。その不思議な光景は、被葬者の権勢を現わすとともに、古代の土木技術水準の高さをも示している。

あまり知られていないが、京都にも石舞台に匹敵する古墳がある。右京区にある蛇塚古墳である。地図を片手に細い道を進んで行くと、住宅街の中に突如現れる異様な光景。明日香の石舞台と同様、墳丘が失われて石材が露呈している。その圧倒的な迫力には一見の価値がある。

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今宮神社

今宮神社

大徳寺のお隣にある、「あぶり餅」で有名になった感のあるこの今宮神社。
修学旅行生やその他観光で来ている方の中には、あぶり餅だけを食べて神社にはお参りもせずに帰る人がいるほど・・・。確かに、あぶり餅にも疫病祓いの御利益があると言いますが、お参りもせず食べるだけ食べて帰るという事に後ろめたさを感じる気持ちが、今の日本人には無くなって来たのでしょうか・・・。
神社の大木と神殿の美しさ、流れる空気を味わって欲しいと思う今日この頃です。

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緑濃い賀茂川

賀茂川

新緑の時期には、まだ柔らかい若葉を思わせる淡い緑色のこの景色が、この時期になると力強い濃い緑の世界になります。
いつ見ても「あぁ、いいなぁ・・・」と思う京都の風景です。

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下鴨神社

下鴨神社

ここ、下鴨神社の参道は、御手洗川と泉川の間にあり、その周りには平安時代以前からの原生林、糺の森に囲まれています。
数多くの大木の間から柔らかい日差しが差しこみ、小川の流れがキラキラと・・・京都に住む人達の憩いの場となっています。
世界遺産に登録された事から、観光客の方も大勢訪れていらっしゃいます。秋には紅葉をひと目見ようと訪れる方も多いでしょう。

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第3回 西村惠信所長と行く、“禅と文化”の旅

承天閣美術館

平成19年5月30日(水)、たくさんの方にご応募いただいた“禅と文化”の旅、第3回目を終えました。
くわしい行程はこちら

【承天閣美術館 若冲展-釈迦三尊像と動植綵絵-】

この日はあいにくの雨(実は禅と文化の旅、雨の日が多いのです。雨男・雨女はいずこ・・・)。
京都駅を出発し、連日多くの人で賑わっているという、相国寺承天閣美術館にて開催中の「足利義満600年忌記念 『若冲展』-釈迦三尊像と動植綵絵-」をまず拝観致しました。
釈迦三尊像と動植綵絵が120年ぶりの再会といわれていますが、なぜなのでしょうか。この展示のいきさつについては、承天閣美術館HPに詳しく書かれていますので、是非ご覧下さい。
青物問屋の息子であった若冲だからこそふんだんに用いる事のできた、当時高価であった「白」。
また、他の様々な色を使って精緻に描かれた数多くの動植物、そして正面に釈迦三尊像。筆舌につくしがたいものでした。
江戸時代を生きた若冲が、いのちとは何か、信仰とは何か、今の時代の我々にその尊さを問いかけていました。
短い会期の間に、日本全国からひと目これを観たいと集まる人々。みなさん、このような大作を相国寺に寄贈した若冲の心、思いを感じた事でしょう。

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国鉄山陰線天神踏切西方20メートル

かつての国鉄山陰線

研究所から少し離れた所にある、何の変哲もない高架下。かつてここには踏切があった。
1969年6月24日午前2時36分ごろ、この地で一人の女子大学生が二十年の短い生涯を終えた。

“「独りであること」、「未熟であること」、これが私の二十歳の原点である”
                  (高野悦子『二十歳の原点』13ページ)


今、この地に立つと、時代の流れと個人の運命が交錯し、惻惻と私の胸に迫ってくる。

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新緑の蓮華寺

戸を開けると緑の世界

かれこれ8年ほど前、紅葉の三千院に行こうとしたのが、あまりの混み様に、八瀬の紅葉を楽しめれば充分か・・・と、バスを降りた。
その時に偶然みつけたお寺、蓮華寺。
まさに紅葉真っ盛りで、その当時はまだ観光雑誌などにもさほど掲載されていなかったせいか、拝観す者は私を含め、数人であった。
それから何度かこのお寺を訪れているが、きっと今の時期、緑の海のようだろう・・・と期待し、久々に訪れてみた。
筆舌に尽くしがたく、あとは写真をお楽しみいただきたい。

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大徳寺月釜

興臨院の緑

毎月28日は利休さんの月命日という事で、大徳寺聚光院では法要が行なわれ、大徳寺内の塔頭にて釜が懸けられる。
4月は聚光院が表千家担当で、総見院では茶筅供養、そして、玉林院・三玄院・興臨院・瑞峯院・大慈院の各塔頭にて、表千家の先生方が釜を懸けられた。
どこも1000円納めれば大寄せの茶会に参加でき、茶の湯を学ぶ者には良い勉強の機会となる。
何度も足を運ぶうちに、いかに先生のお茶に対する心、人柄が席中に反映されるのかがわかってくるのもおもしろい。
今回は、千家十職で釜を作る家、大西家の初代(浄林1590-1663)の吊り釜を拝見出来た。
五徳にはもう乗せられないというくらいの古さでも、このように茶会に使い、にこにこと笑いながら説明をして下さるご亭主の心に、五月の緑の美しさに、心癒される一日となった。

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『尊氏と天龍寺』展 於:天龍寺

天龍寺

嵐山天龍寺において、5月5日まで、『尊氏と天龍寺』展が開催中だ。
尊氏が描いたとされる「蘆葉の達磨」など、足利家と天龍寺の縁の深さを思わせる名品などが本堂内に展示されている。
曹源池の新緑も目に鮮やかなこの季節。
お出かけになられる方には是非ご覧いただきたい。

参拝者の方達

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アール・デコ・ジュエリーの世界-京都国立近代美術館-

アール・デコ・ジュエリーの世界


去る4月15日まで、岡崎の京都国立近代美術館にて、「アール・デコ・ジュエリーの世界」と題して、カルティエのデザイナーとして活躍した、シャルル・ジャコーによるデザイン画や、それをもとに制作された宝飾品、同じ時代のラリック、また、現在でも宝石商として名をはせているブシュロンなどのものも来ていた。
アール・デコといえば、だいたい1920年代に、新時代のデザインとして世界的に流行した様式ではあるが、この時代の誰かを挙げるなら、アール・ヌーヴォー、アール・デコの両時代を通して活躍した、ルネ・ラリックが常に私の頭の中にはあった。
同時代にカルティエ一族を支えたデザイナーがいた事は、恥ずかしながらこの展示を拝観するまで知らなかった。
この時代の、一種独特の美的価値観にはいつも驚かされる。約80年も前のデザイン画や宝飾品ではあるが、なお新鮮なのだ。
桁外れのゴージャスさに目を奪われたのは、インドのマハラジャの宝冠(カルティエによるデザイン)であった。残念ながら(当然かもしれないが)デザイン画のみの展示であったが、異様なまでの存在感と、西洋とはまた違ったデザインの魅力に、夏にインドを訪れる予定にしている私には想像をかき立てられるものがあった。

展示について贅沢を言えば、一般市民の声としては、デザイン画よりも宝飾品そのものをもっとたくさん拝見したかった。老若女、皆同じように瞳を輝かせてガラスケースを食い入るようにみつめる姿(私も同じであるが)は、なかなかどうして、やはり女性は光りもんが好きなのだなぁ・・・と妙に納得してしまうのであった。。。

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鹿ヶ谷 住蓮山安楽寺

安楽寺

先日ご紹介した霊鑑寺のお隣にある安楽寺。
浄土宗の法然上人の弟子である、住蓮上人・安楽上人の菩提を弔う為に作られたお寺である。

後鳥羽上皇に仕えていた松虫姫・鈴虫姫は、容姿端麗・教養深く、ことさら上皇の寵愛を賜ったそうで、他の女官達の嫉妬たるや、相当なものであったという。
ある日、松虫姫・鈴虫姫は清水寺への参詣の帰りに、法然上人の説法を聞き、出家を切望するようになる。
そしてとうとう、後鳥羽上皇に許しを請う事もなく、住蓮上人・安楽上人により松虫姫・鈴虫姫はその思いを果たすのである。
これを知った後鳥羽上皇は激怒し、この事を発端として、念仏教団の弾圧を始め、両上人を打ち首の刑に処した他、高齢の法然上人を流罪の刑に処したという。
歌人として知られる上皇が、反面このような事も・・・。自身もその後、承久の乱により、流罪の刑に処せられるのだが・・・。

つつじの咲く頃に、また訪れたいと思う。

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哲学の道の春

-哲学の道-といえば、春の桜ばかりが取り上げられるが、近所の方々が植えていらっしゃるのか、元々ある花なのか、様々な春の花を楽しむ事が出来るのだ。
下ばかり向いてないで、上を向いて歩こう・・・とはよく言うが、桜桜と、上ばかり向いて歩かずとも、下にも花はたくさんなのだ。

石楠花

石楠花(しゃくなげ)。 実はこの花、昨年私が訪れたブータンの国花なのだ。
山中は石楠花だらけ。見頃を迎えると、それはそれは美しいそうな。

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小学校のさくら

小学校のさくら


入学式といえば桜が似合いますね。家の近所にある小学校の桜も鮮やかなピンク色の花を咲かせています。現在は5分咲きといったところで満開になるのが楽しみです。

桜の木の根元に目を向けると淡い紫色の小さな花が咲いていました。これは「花にら」というユリ科の植物です。ちなみに花言葉は「別れの悲しみ」、見た目の可愛らしさからは想像できません。いったいどのような由来でついたのでしょうか。

花にら

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亀岡運動公園の桜

桜並木をひとりじめ

京都府亀岡市にある亀岡運動公園の桜です。3分咲き程度の開花で、まだまだこれからといったところです。

桜の本数は有名スポットに遠く及びませんが、人が混み合うこともないので、じっくりと桜を楽しむことができます。のんびりと散歩したり写真を撮ったりと、私にとっては大切な穴場スポットです。

この日はあいにくの空模様、これではあざやかな桜色も映えません。さらにポツリポツリと雨が…。バーベキューを楽しまれていた方々は大丈夫だったでしょうか。来週こそは、青空の下で見る満開の桜を期待しています。

えもいわれぬ色

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霊鑑寺の椿

衣笠

待ちわびていた霊鑑寺(臨済宗南禅寺派)の特別拝観。
鹿ヶ谷の傾斜を利用して造られた池泉観賞式庭園は、敷地を巧みに利用しており、尼門跡寺院の格式に相応しく、寺の境内としては広いとは言えない中にも、趣深く凛とした姿をみせている。
緑の海のような苔の中、椿を愛でつつ庭を歩いていると、徐々に拝観する者の心の汚れを流してくれるかのようだ。
さらにあまりに白く美しい椿、「衣笠」を見ていると、自分の中の醜い部分があらわになるようで、悔い改めねばと思わされる・・・。
「何色」とはいえない花の色の美しさに、人智をはるかに越えていると思わせる自然の力を見て取れた。

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満開 -御苑-

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日曜日、御苑のしだれ桜はほぼ満開でした。
その前の日の土曜日には、我が母校(兵庫県西宮市)のソメイヨシノは蕾の先が漸くほころんで来た感じで・・・。
この一週間ぐらいで美しく咲いてくれるでしょうか。楽しみです。

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御所の百花繚乱

御所のしだれ桜

先日、お天気の良い日に御所へと散歩に。
ここ最近、寒い日が続いている為、まさかまだだろうと思いつつ見に行くと、立派なしだれ桜が咲き始めていました。

満開の桃

桃が咲き誇っています。
梅は終わりかけではありますが、まだ咲いているものも・・・。

野の花

足もとにも、確実に春はやってきます。春は千林に入る 処々の花・・・かな。
たんぽぽ、おおいぬのふぐり、ホトケノザの共演です。

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霊鑑寺の椿

霊鑑寺


鹿ヶ谷にある南禅寺派の霊鑑寺は、ことに椿で有名な寺である。
1654年に、後水尾天皇が皇女多利宮(第一皇女梅宮は、奈良円照寺の開山)を開山とし創建された寺である為、その後も代々皇女が入寺されていた門跡寺院だ。
秋の紅葉、春の椿が美しい時期にのみ公開されるのだが、それがまもなくだということで、心待ちにしている。
後ろの山を借景し、鳥のさえずりが絶え間なく、現在も静寂の内にひっそりと佇んでいる。

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閑院宮邸跡

閑院宮邸

京都御苑の地は、江戸時代には公家の屋敷がひしめき合う公家町であった。東京遷都後、荒れ果てた公家屋敷を取り壊し、周りを石垣土塁で囲って整備され、現在の御苑の姿が定まった。

閑院宮邸跡は、御苑内に残る唯一の公家(親王家)の邸宅である。近年まで環境庁京都御苑管理事務所などとして使用されてきたが、歴史的価値が高いとして修理され、平成18年4月から一般公開されている。
 
閑院宮家は、東山天皇の子直仁親王に始まる四世襲親王家の一つであり、新井白石の建議によって創設された(他は伏見・桂・有栖川)。親王とは本来天皇の男子の称であるが、中世には特定の宮家に代々親王宣下をすることによって世襲親王家が成立する。閑院宮成立以降、四親王家はあたかも四天王のように天皇家の血筋を守護する役割を果たした。
 
実際、後桃園天皇が男子のないまま崩御すると、閑院宮典仁親王の子の師仁(兼仁)親王が養子となって皇位を継いだ。これが光格天皇である。それ以来、今上天皇まで代々直系継承が続いている。閑院宮家は、現在の皇室の源流ともいうべき重要な位置を占めるのである。
 
ちなみに、光格天皇は実父の典仁親王に太上天皇の尊号を贈ろうとしたが、松平定信の反対にあって頓挫した。これをきっかけに朝幕関係は悪化、明治維新の遠因ともなった。尊号一件という出来事である。
 
見ると、江戸時代の建築様式と明治以降の様式が混在しているようだ。これは明治以降この宮邸がたどった歴史を物語っている。きれいに整備された庭園も、落ち着きを取り戻すためには、もう少し時間が必要であろう。

参観は無料、月曜以外は開館しているので散策などには大変都合がよい。

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木蓮

木蓮

三寒四温。
暖かくなったかと思うと、冬に逆戻りだったり・・・。
春はなかなかいっぺんにはやってきてくれませんね。
先週の暖かさで、蕾だった木蓮がいっせいに咲き始めました。
青い空に向かって大きな花を咲かせています。
春の花は、若葉が出る前にいっせいに咲き誇るものが多いですね。
新しい門出を迎える季節に、彩りを添えてくれているようです。

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京の香り

京都の夜

すっかり日も暮れてから自転車で京都の町を走る時、大通りから一筋入ると、京の道は真っ暗です。
それでも、いろいろな香りが漂っていて、季節のありがたみ、歴史ある町に住む喜びを感じられます。
どこからともなく香ってくる蝋梅も、もうすっかり終わったなと思っていると、昨日はえもいわれぬ良い香りが。沈丁花です。ほんと、春ですね・・・。
家の近くにある老舗の香房からは、常に香を調合しているからか、夜通っても、沈香や時には伽羅などの香りが。香は、「聞く」(聞香)と言いますが、暗い中この香りが漂ってくるのを感じると、「聞く」という意味がわかる気がします。
お餅屋さんからは、お米をせいろで蒸す香り、お豆腐屋さんからは、あげさんを作る、大豆と焦げの香ばしい香り、仕出し屋さんからは、かつおやこんぶのお出汁の香り。
最後は食べ物の香りばかりになってしまいましたが・・・本当に、香りだけでも毎日楽しい京都です。

写真は、研究所から帰る途中のお寺密集地帯。
高い建物が無いので、お空の向こうまで見渡せて、屋根の様子が美しく気に入っています。

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比叡山に登る(3)-慈恵大師の墓-

慈恵大師の墓


西塔からぐっと足を伸ばして、横川は華芳ヶ尾の元三大師(912~985)の廟に詣る。

元三大師廟は御廟(みみょう)と呼ばれ、比叡山の三魔所の一つとして恐れられて来た場所である。今でも周囲には古木鬱蒼とした自然林が保たれており、まさに天狗でも出てきそうな雰囲気である。

元三大師は諱を良源、諡を慈恵という。第18代天台座主として、延暦寺を一大勢力にまで発展させた人物である。後世、観音菩薩の化身としてその霊威が恐れられ、元三大師信仰が発生した。現在でも角大師や豆大師の護符として親しまれている。

良源は滅に備えて遺告を残しているが、その中に自分の墓所についても詳細に述べている。火葬の後、遺骨を坑底に置きそのまま土をかけ、自筆の陀羅尼類を納めた上に目印程度の石塔婆を建てよ、と。簡素だが念を入れた墓作りを弟子たちに指示している。

石柵で囲った墓域内の木の根元に、素朴な八角柱の石幢が立つ。自然の中に埋もれながらも、侵しがたい尊厳性のただよう墓。日本人の墓としては理想の姿であろう。

比叡山に登る(1)

比叡山に登る(2)

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茶屋四郎次郎邸址

茶屋四郎次郎邸址

油小路下長者通りの角に、茶屋四郎次郎邸があった場所を示す石碑がある。
日本史の教科書で、少し見かけたことがあるかも?知れないこの名前。
織豊時代から、江戸初期まで栄えた京都の豪商で、当主が代々-茶屋四郎次郎-を襲名する(本姓は中島氏)。
江戸幕府の呉服御用商人でもあり、朱印船貿易でも活躍し、角倉家、後藤家とともに、「京の三長者」といわれた家だ。
京都にはあちらこちらにこのような石碑をみつけられ、それだけでも道を歩くのが楽しいものである。
是非皆さんも京都に来られたら、時間の許す限り、歩いて回られる事をおすすめしたい。

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あなめでた 吉祥-裏千家茶道資料館-

福寿草

堀川通り沿いにある、裏千家茶道資料館を訪れた。
「あなめでた 吉祥」と題して、吉祥文様を取り入れたお道具、その他美術工芸品などが展示されていた。
1月らしい数々の展示品に心華やぎ、吉祥文様のいわれなどについても解説があった為、その意匠は知っていても、どういった意味があるのかまでは知らない物などについて、改めて知る事が出来た。

自分が稽古する流派とは違う流派のお道具、お家元の好み物などを拝見すると、家々によって違う特徴が見えたりして、なかなか楽しいものでもある。

拝観者には、お茶も振る舞われ、一つ一つ違うお茶碗でおもてなし下さり、説明もして下さる。
京都に住んでいるのだから、どの流派に属するなどは関係無く、勉強させてもらえる所へは足を運ぼうと思う。

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花背の里 花竹庵

古き良き日本の民家


三連休。 京都、花背にある花竹庵(かちくあん)を訪れた。
美味しい蕎麦が食べられるとの噂で、何も調べずに出かけたのだが、実はここ、西本願寺絵所十二代絵師で、版画家の徳力富吉郎師(1902~2000)の夏画室だったとの事。
その上、庵号は表千家十四代家元の、即中斎宗匠より拝領したものだとか・・・。
徳力さんと言えば、研究所で扱っている版画十牛図が彼の作品である。その上、私は表千家の茶の湯を嗜んでいる。こんな所でまさか即中斎宗匠の扁額に遭遇できるとは夢にも思っていなかった。

この日は雪まで降って非常に寒かったものの、美山の里の美しい風景を楽しみ、古民家の情緒あふれるたたずまいの中、京都でも何本かの指に入るであろう!と思われる美味なる蕎麦をいただき、お腹も心も満腹になって帰路についた。

花竹庵

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水仙も春を感じて・・・

水仙


我らが研究所の前にある花壇。
ついこないだまではまだ蕾が多かったのですが、ここ3~4日で満開になりました。
楚々として、その姿に、その香に、こちらの心が清らかになるようです。
毎朝出勤時、今日はどの蕾が開いただろうと楽しみに花壇の前を通るのです。

ただ、この花壇はわりと人目につかない所にあります。
研究所の職員でさえ気づいていない人も・・・。
そこで、切るのはかわいそうなのですが、研究所の玄関に少しいただいて飾ります。
そのたった一輪で、玄関に春の香りがいっぱいで、心が和みます。
花の力って、すごいものです。

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比叡山に登る(2)

光定(こうじょう)の廟所

最澄の廟所である浄土院の脇から入って山道をしばらく歩くと、光定(こうじょう)の廟所に辿りついた。光定の廟は、信長による元亀の兵乱にも所在を失うことなく、現在の我々も光定の葬られた地を訪ね、いにしえに思いをはせることができる。

最澄の高弟であった光定は、師の悲願であった大乗戒壇の設立に奔走し、最澄の寂後七日にして設立許可の勅使来山を実現させた功労者である。光定が受戒の証明として朝廷から賜わった「光定戒牒」は、三筆の一人である嵯峨天皇の雄渾な筆致を今に伝えている。没後には別当大師と尊称され、近年まであった坂本の別当大師堂では大黒天の姿で祀られていた。

見ると、小さな方堂である。墓石を保護するための覆堂かと思い、まわりを一周してみて驚いた。出入り口がないのである。窓さえもない、木箱のような堂であった。中に墓石があるのかどうかも分からない。あったとしても拝することはできない。

光定の墓は、まるで暗闇の中に密封されているかのようだった。なぜこんな墓堂に祀られているのか、何かいわれがあるのか、調べてみたいものである。

翠苔の上に・・・

翠苔の上に金葉がちりかかる。まるで錦の反物のような山道。

比叡山に登る(1)はこちら

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御苑の白梅

御苑の白梅

休日には、四季の移ろいを楽しみつつ、御苑を散歩する。
前回は、一本だけ咲き誇る紅梅をみつけたが、今回はまたこの一本だけ、白梅が満開だ。
梅にも個性があるのだろう。
違う梅林を見に行っても、まだ固い蕾をつける木もあれば、満開の木もあったりして、おもしろいものだ。
皆さんのお住まいになられている地でも、梅は咲き始めていますか???

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御苑の梅

御苑内の梅

もしや、この暖かさだともう・・・。
と思い、御苑へ散歩に出かける。
春や秋と違って彩りの無い、しんとした御苑内に、一本だけ満開の梅。
春ももうすぐそこですね。

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ラブレター

山科 随心院


友人と山科区小野の随心院に詣った。

雨僧正と呼ばれた仁海の開創である当寺は、真言宗の二大流派のうち小野流の本寺として栄えた、日本仏教史の上でも重要な寺である。しかし、現在では一般に小野小町ゆかりの寺として知られている。

一室に小野小町が自らに寄せられた恋文を下張りにして作ったという文張地蔵が安置されていた。寺の案内記によると、罪障消滅を願い、あわせて有縁の人々の供養をしたものだという。

古来日本には、亡き人の手紙を張り合わせ、その裏面に経を写して故人の冥福を祈った「消息経」というものがあった。罪業を消滅させるために作られたというこの文張地蔵も、おなじ趣旨のものと考えることができよう。

しかし、真っ黒な地蔵尊を前にして手を合わせようとした瞬間、ある違和感に気がついた。抵抗感と言ってもよいかもしれない。

昔から仏像の材については非常な注意が払われてきた。霊夢によって感得した木、光を放った木など、不思議な霊瑞を現した木で仏像を彫ったという寺院縁起は枚挙に暇がない。実際、ご神木や落雷した木などで作ったと思しき仏像が数多く残されている。

ところが、この地蔵は、愛欲の所産である恋文を材料にして作られたというのである。いくら供養のためとはいえ、崇拝の対象である仏像の材料とするとはどういうことなのか。私は今、何に手を合わせているのだろうか…

すぐに「煩悩即菩提」という言葉が浮かんだ。無数の艶書が集合して慈悲の尊像を形作っているその姿、それは物狂おしいような愛執が、そのままさとりの姿であることをを現しているのではなかろうか。われわれの人生から悩みが消えることはないだろうが、それをどうとらえるべきかは、われわれ自身にかかっている、そういうことを示しているのではなかろうか…

そんな一人合点に悦に入る私の隣で、友人は全く別の解釈をしていたようであった。

「昔の恋人からの手紙って、意外と処分に困るからなあ…」

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上田秋成の墓

上田秋成の墓の碑

雨の日、いつもなら自転車で京都中を走るのだが、久々にバスと歩きででかけた。
歩いていると、ふと、この先に何かありそうだと、細い路地に入って行ってみたりする。

南禅寺の参道で、まっすぐ南禅寺拝観に向かう人からはずれて、とある路地を曲がってみた。
すると、上田秋成の墓があるというお寺に遭遇。
いつもと違った道、知らない道、人生においても必要なのだろうか。何かを見つけられるのかもしれない。

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冬の曼殊院

曼殊院

延暦年間(728~806)に、最澄により、鎮護国家の道場として比叡の地に創建されたのが曼殊院のはじまり。天台宗の門跡寺院である。

庭園

樹齢400年の五葉松が、鶴を表現している。

曼殊院からの景色

白川通りから少し東へ登ったこのあたりは、景観保護地区でもある為、このような見晴らしが・・・。
新緑美しい頃、また、紅葉の季節などは格別であろうと思った次第。
冬には、様々な野鳥が見られ、私が訪れた日は、メジロやオレンジ色をしたかわいい小鳥がさえずっていた。

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本阿弥光悦-屋敷跡-

本阿弥光悦屋敷跡

京都を自転車で走っていると、こういった碑をそこここでみかける。
これは、かの本阿弥光悦の屋敷跡を標すもの。
鷹峯に移る前には、堀川今出川の白峯神社近くに居を構えていたようだ。

室町時代より、代々刀剣の鑑定、磨き、浄拭を家職とした本阿弥家に生まれた光悦。
寛永の三筆の一人でもある(近衛信尹・松花堂昭乗)。
樂家の二代目常慶に樂茶碗のてほどきを受け、三代目道入とも親交厚く、光悦作の茶碗は樂家と同じ釉薬を使い、土を使っていても(樂家に、土が欲しい、釉薬が云々との消息などが残っています)、その趣は異なる。

字のみならず、茶碗・蒔絵・その他あらゆる工芸品に、彼の非凡な才能を見て取れる。
生業として芸術品を作り出すのではなく、なぐさみごととして数々のものを生み出したからこそ、その味わいは違うのだろうか。

光悦の事に関しては謎めいた部分も多く、興味をそそられて仕方がない。
年に何度か光悦寺にお参りし、いつも墓に供えられている白い菊をみつつ、思いをはせるのだ。

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比叡山に登る(1)

卵塔_慈覚大師

この秋、sさんの案内で、比叡山登山を敢行した。(sさんは、最澄に心酔し、最澄を心の糧として毎日を生きているという、とってもおちゃめな女のコである)今回は、比叡山の表参道ともいえる、近江坂本の日吉大社脇の登山口から登り始める。

途中、延暦寺第3代の天台座主である円仁(慈覚大師)の廟所に参拝する。小堂のところで右に折れ、山道を通り抜けた突き当たりの峰の上に、「慈覚大師」と刻まれた卵塔が厳然と立っていた。墓石は一見して新しいものと分かるが、それもそのはず、これは大正十二年に建立されたものであった。

辺りは木々の間を風が蕭々と吹き抜ける静寂の別天地。最澄の廟所である浄土院も、そこから仰ぎ見ることができる。琵琶湖も眺めも美しい。
円仁は遷化の時、山上に廟堂を建てるのは宗祖伝教大師のみにすべきであり、自らの墓も一本の木を植えて印にすれば足りる、と遺言した。
 
ところが、円仁の墓所については、不思議な伝承が付随している。

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虹と紅葉の嵐山

曹源池から見た虹

久しぶりに京都西山に虹が出ました。
昨夜の雨が、霧雨状になって残ったものです。
11月~12月初旬、この山際では、天気が良くても午後3時ごろには急に時雨て来るのが常で、そのおかげで嵐山の紅葉は瑞々しくて美しいのです。
しかし、近年は温暖化の影響で、雨になればスコールのように降り、日本の気候は温帯から亜熱帯化して来ているのではないでしょうか。
そのような気候のせいか、水不足と高温で縮かんだもみじの葉は、どこか悲しげに見えました。
四季折々の美しさは、我々人間を癒してくれます。
ですから、人間は地球環境を大切にし、自然との共生を真剣に考えなければならぬと思います。

それでは、しばし写真にて、今年の嵐山・天龍寺の紅葉を楽しんで下さい・・・。

屋根まで真っ赤

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12月8日

イルミネーション


12月8日
今年の仏成道会は金曜日だった。
夜、出張帰りの我が老婆(女房)を花園駅まで迎えに行き、そのまま、西大路五条へクリスマスツリーを見学に行った。
ここは、京都の有名な某電子機器メーカーの会社敷地で、昔から、この時期になると敷地内の街路樹を電飾で飾り、道ゆく人々の目を楽しませてくれている。
この日は、花金ともあって、多くの人々が見学に訪れていた。
暗闇の中に、イルミネーションの電球の一つ一つが温かい光を放出し、すれ違う人々の顔を照らし出していた。
フと、「日々是好日」という一句が脳裏を過{よぎ}った。雲門文偃{ぶんえん}禅師の正旦上堂の公案で有名だが、年末のイルミネーションを見て思いだした。
カップルに家族連れ、ペットの綱を握る人、ご老人の手を引きながら歩く人。皆が笑顔だった。
昨日も今日も明日も、この一日にも、様々な人間の生きざまが詰まっている。
帰り道、車中のラジオでは、65年前の真珠湾攻撃の日を記念して、ハワイで記念式典が行なわれたと報じていた。

寄りそうカップル

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善峯寺の紅葉

山寺だからこその眺め


11月下旬、ここ善峯寺(よしみねでら・京都市西京区)の紅葉はさかりを迎えていました。
善峯寺の歴史は、十一世紀の前半、恵心僧都の高弟、源算上人がお堂を建て、自作の十一面千手観音をまつられたのに始まるとのことで、現在は天台宗の寺院です。
応仁の乱で荒廃したこの寺を復興したのは、徳川五代将軍の母、桂昌院でした。

テレビなどで放映される事も多くなり、紅葉の季節の参拝者は年々増えています。
周りの山々の紅葉、境内の紅葉の美しさは随一で、少し不便な所にありますが、お参りすると心もスッキリし、気分も晴れます。
紅葉のみでなく、新緑の時期もさぞ美しい事でしょう。

色とりどりの照り葉

光線に光り輝く紅葉

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妙心寺山門

妙心寺


我が家は妙心寺のすぐそばにあり、開静(かいじょう)解定(かいちん)を知らせる板を敲く音が、僧堂から聞こえてくるほどである。
自宅で仕事をしているときなどは、この独特の拍子が耳にはいると、朝晩の慌ただしい時間の中でもホッと一息つくことができる。

先日朝の8時半ころ、いつものように、テクテク歩いて禅文化研究所へ向かう途中、丁度、妙心寺山門前あたりで、修学旅行の中学生ぐらいの子供たちが、数人ずつのグループでぞろぞろと向こうから歩いてくるのが目に入った。
「おは・よー・ござい・まーす」、すれちがいざまに、耳元に残る独特のイントネーションに少し気を取られながら、「おはよー」と返した。
目が合うと、小さな声やら大きな声やら、声変わり前の声やら……。道の反対側を歩いていたご老人が、嬉しそうに「どこから来たの?」と聞く声のあとから、笑い声とともに「アマクサー」と響いていた。
花園会館に宿泊していた彼らも、昨晩、境内に響く板の声を聞いたかしら。

※開静・・・起床
※解定・・・就寝

朝の妙心寺

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光悦寺の紅葉

有名な光悦垣

11月下旬の光悦寺です。
ここ数年、紅葉の時期は観光客でにぎわっています。
数年前までは、ほとんど人がいない穴場だったのですが・・・。
今年は、近くの源光菴が改修工事を終え、この秋から公開している事もあり、より一層にぎわっていたように思います。
紅葉で色づく季節も良いですが、ほとんど観光客のいない暑い夏に、緑を味わうのも良いですよ。

本阿弥庵

夏の光悦寺

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金戒光明寺 -黒谷さん-

山門 -金戒光明寺-


金戒光明寺は、浄土宗の大本山で、地元の人は、-黒谷さん-と呼んで親しんでいる。
京都で、タクシーの運転手に金戒光明寺と言ってもわからない事もあるそうだ。
高台にあるこのお寺、京都の風景を見下ろす事が出来るので、参拝しては四季折々楽しませていただく。
 
今回は、京都非公開文化財特別拝観にて、山門が公開されていたので訪れた。
以前の特別拝観で、新緑の季節に山門を登らせていただいた事もあったが、秋は初めてだ。
東山の紅葉の具合がひと目にわかり、京都中を見渡せる。
京都市には、景観保護の観点から、ビルなどの高さを制限する条例がある。
全体的に低い町並みではあるが、それでも、四方を山に囲まれた事を利用し、美しい借景の庭などがたくさんあったが、その景観は近年損なわれていっている。
そんなさなか、これ以上美しい景観を損ねる事の無いように、京都市はさらに厳しい規制を盛り込んだ景観施策案を発表した。
山門の上から見ていても、やはり高いビルなどは無い方が町並みが美しいであろう事は、容易に想像がつく。嬉しい試みである。

話は戻って、黒谷さんの山門の上には釈迦三尊と十六羅漢、さらに天井には龍の画が。
それはそれは立派なものである。
また、本堂には吉備観音(重要文化財)もあり、拝ませていただいた。

幕末には、会津藩主松平容保が京都守護職に命ぜられし折、本陣を置いていた。
城構えである事、千人の軍隊が駐屯できる事など、その理由はいくつかあったようだ。
会津藩士達も、今は静かに三重の塔のふもとに眠っている。

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京都嵯峨野 霊亀山天龍寺

今年の紅葉は全国的に遅いようだが、このところの1週間で、京都の各地も、急に色づいた感じがする。嵯峨野に用があったので、沢山の人で賑わう嵐山の天龍寺を訪れた。
夢窓疎石を開山とする、いわずとしれた、臨済宗の大本山の一つである。

先日、松島瑞巌寺へ行ったときに、平日なのに沢山の人が観光に訪れていて驚いたが、天龍寺はそれどころではなく、朝10時には、広い駐車場も満車状態の賑わい。
先週土曜日の朝、ズームイン・サタデーで、この紅葉を生中継報道されたらしいから、それを見てきた人たちもこの中に何割かいるのかもしれない。

紅葉に染まる曹源池庭園

天龍寺の中には曹源池という池をめぐる回遊式庭園があり、内部の木々の紅葉だけでも美しいが、さらに紅葉した嵐山をも借景にして、壮大な美しさである。
時々、このブログにも寄稿してもらっている、上司であるT師は、この天龍寺の職にもつかれているので、お願いして茶室に入れてもらった。

天龍寺には祥雲閣という広間の茶室と、甘雨亭という小間の茶室があり、通常、一般には公開されていない。
読者諸氏に悪いので、許可を得て、この茶室から見える庭の風景を・・・。
まずは、祥雲閣から見た庭である。


天龍寺の茶室、祥雲閣から見た庭

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御苑の紅葉

秋の御苑


京都では、紅葉が盛りの時期を迎えています。

京都御苑でも、様々な木々が色づき、そんな鮮やかな彩りの中、梨木神社では結婚式が行なわれていたりします。
神社の鳥居、木々の紅葉、着物で来られた参列者達が目に鮮やか。日本の美しい風景です。

子ども達は、暖かい格好をさせてもらい、落ち葉を踏みしめる時の音を楽しんでいます。
御苑内では、普段あまり見かけない鳥にも遭遇します。

京都では、まだまだそこここに、美しい風景がいっぱいです。

紅葉とイチョウの大木

御苑内には、紅葉の木がたくさんあります

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友禅流し?!

京都を自転車でうろうろしていると、思いがけない光景に出会える。
高瀬川にて・・・。

友禅流し?!

京都を旅する際は、レンタサイクルをオススメします!

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上京茶会 於:拾翠亭

拾翠亭


去る11月12日、恒例の上京茶会があり、拾翠亭にて裏千家による懸釜があった。
春と秋に、上京区主催にて、表千家と裏千家が交代で京都の上京区内の茶室にて釜を懸ける。

茶道を嗜む者もそうでない者も一緒になって、一服のお茶をいただきに集う。
なかなか好評のようで、いつも多くの客でにぎわっている。
敷居が低く気軽に行きやすい上に、普段入る事のできないような茶室で本格的なお道具などを味わえるからだろう。

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大徳寺 月釜

聚光院


去る10月28日、大徳寺での月釜に訪れた。
28日といえば、利休居士の月命日にあたり、毎月釜が懸かるのだ。
聚光院のみ、三千家の菩提寺である為、順番に法要を営み、家元担当にて釜が懸けられる。
その他いくつかの塔頭では、だいたい表千家の先生方により、釜が懸けられる。

いくつかのお席をまわらせていただいたが、中でも一番心に残ったのが、大徳寺23世である、大心義統による手造り赤楽茶碗だ。形はやわらかく温かみがあり、ずっしりと重く、表面には天衣無縫で豪快な宝づくしの模様が・・・。人柄が伝わってくるようだ。
お床には、大心に参禅したといわれる、表千家六代覚々斎の軸で、「圓」の一文字。
なかなか見られない組み合わせだ。

大徳寺の月釜ならではの素晴らしい道具との出会いに、澄み渡る秋空のもと、有意義な一日を過ごせた。

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『猩々乱』(しょうじょうみだれ) -金剛能楽堂-

金剛能楽堂を訪れました。
今回の番組は、-猩々乱-
曲の中で、乱(みだれ)という舞が舞われます。

猩々とは、中国の想像上の怪獣で、海中に住み、猿に似て体は朱紅色の長毛でおおわれ、顔はヒトに、声は小児の泣き声に似て、人語を解し酒を好むといわれます。
また、猩々緋といわれる色が日本古来の色にあり、戦国の武将はこの色を好んで陣羽織などに使いました。

金剛流お家元のこの日の装束も、足袋以外は赤 赤 赤!!! といった感じで、猩々が海に住むことを表わす意味もあるのか、装束には、青海波(せいがいは)の模様がありました。

また、能では、摺り足が基本で、かかとを上げる事はまれですが、この舞にはつま先立ちの場面もあれば、足で青海波の模様をあらわすようなステップ(ステップといったほうが良いくらいの足さばきなのです!)もあり、いつもとは違う様子に見入ってしまいました。
金剛流は、舞金剛と言われるだけあって、特にお家元の舞は力強く、朗々たるお声にも圧倒されます。

また、何度か訪れていながら、今回初めて知ったのですが、金剛能楽堂の場合、他の能楽堂とは違い、橋掛かり(舞台の左にある廊下のような所です)の壁に青海波の模様があります。
これは、元々、金剛家が宮中に上がる事を許された家である事から、宮中と同じ模様を使う事を許されたとのことでした。

今回は、京都新聞社主宰で、夜の6時半から始まる上、チケットは2000円。
このように気軽に足を運べる会もありますので、皆さんも是非一度訪れてみて下さい。

秋の夜長に幽玄の世界を楽しめました。

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狂言の名乗り

京都にいると、例えば能や狂言を、勤務の終わった後に出ても無理なく見に行ける。
それも金剛能楽堂や観世会館といった、本家本元へである。
これはとても嬉しいことだ。
学生の頃、父にすすめられて、一度、当時の金剛能楽堂まで出向いたことがあるが、どうも学生の私には敷居が高すぎて、入ることができなかった。

先日、観世会館で、「鬼瓦」・「月見座頭」・「仁王」という、それぞれ有名な狂言を観ることができた。
狂言の始まる前に茂山千之丞さんが、狂言こぼれ話ということでお話をされた。
そのお話は大変フランクな調子で、大いに笑って楽しんで欲しいということで、実際、その後の狂言も気楽に笑って楽しむことができた。
ご存じの通り、狂言では最初に名乗りといって、「これはこのあたりに すまいいたすものでござる」というように自己紹介のセリフがある。さて、この「このあたり」というのはいったいどこなのか。
茂山千之丞さんが仰るには、「狂言は、時代を越えて、今この時代のこの場所で演じられている。このあたりというのは、今の場合、この観世会館のあたりと思って頂ければいい。また、お客さんがこの舞台にあがって、自分自身のことと思ってくださればいい」ということだった。
眼から鱗のような気分だった。
たしかに「仁王」には、セリフの中に現代のこと「コンビニで云々」と出てきたりもして面白かった。古典芸能なのに、全く以て新しいのである。
学生の頃感じた敷居の高さなどというものは、実は勘違いだったのである。

さて、このところ、大御所と言われる人に出会ったり、話を聞いたりするたびに思うのだ。
こんな言い方をしては失礼かもしれないが、すばらしい人は、例外なく、大変お茶目なのである。
とても気さくで、いつも何か面白いことを見つけて楽しもう、としておられるように感じられる。
堀内宗心宗匠しかり、茂山千之丞さんしかりである。

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秋晴れの鴨川

サイクリングに良い季節です

夏の太陽とは違う、秋晴れの日の光。
空気が澄んでいて、鴨川が最も美しい季節です。
って、年中美しいんですけれどね・・・。
この川を見るたびに、「京都に住んでいて良かった」と、 一人幸せをかみしめるのです。

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光悦寺

光悦寺の参道

光悦寺を訪れた。
茶庭のような境内と静かな佇まいが大好きで、年に何度か訪れる。
いつも変わらず、光悦の墓には白い菊が供えられている。
数年前までは、秋の紅葉の時季にも訪れる人はまばらで、穴場であった。
NHKで『宮本武蔵』が放映された折、本阿弥光悦が武蔵の人生に深く影響を与えた人物として出てきた。

光悦寺の続きを読む

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祇園祭 -白楽天山-

白楽天山

京都では現在、祇園祭の一連の行事が続いています。
間もなくクライマックスの山鉾巡行が行なわれますが、様々な趣向を凝らした山や鉾の中には、中国の故事をテーマにしたものも多くあります。 中でも白楽天山は、唐の政治家で詩人の白楽天が、道林禅師を訪れたという禅の故事の一場面を表わしています。 白楽天が禅師を訪ねたところ、いつものように松の木の上で坐禅中。白楽天は思わず「危ない」と声をあげますが、逆に禅師から「危ないのはむしろ貴公のほうだ」と諭されます。白楽天は改めて仏法の大意を尋ねます。 禅師の答えは「諸悪莫作 衆善奉行」。悪いことをするな、善いことをせよというもの。
「そんなことは三歳の子供でも言いますよ」と言う白楽天に、禅師は「三歳の子供でも言うことであるが、八十歳の老人でも実行しがたいことである」。

織田信長が上杉謙信に贈った『洛中洛外図屏風』にも、それらしいものが描かれています。白楽天山の存在は、『景徳伝灯録』や『五灯会元』に見えるこの禅の故事が、室町時代の京の町衆にとっても、以外と身近なものだったということを示しているのでしょう。
(T.F wrote)

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京都御苑

京都御苑

ご覧のとおり、京都御苑です。

職員N.Kは、禅寺の雰囲気・清々とした気分になれるあの空気が大好きなのですが、同じように静かで広くても、京都御苑のその雰囲気は、また禅寺とは違います。
何が違うのかと考えていましたが、御苑にいる時、ふとこの雰囲気をどこかで味わった事があると頭をよぎりました。記憶をたどると、「そうだ、伊勢神宮」。なるほどと感じました。

団体でのツアーに、“京都御苑散歩”は含まれていないかと思いますが、京都に来られた折には一度、早朝の御苑を散歩されてみてください。お寺とはまた違った空気を味わえます。
 

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西村惠信所長と行く、"禅と文化"の旅

禅文化研究所では、皆様にお寺や禅に触れていただきたいと、毎年ツアーを計画しております。
今回からそのツアーは、西村惠信所長と一緒に、禅や文化に触れ、皆さんでご一緒にお勉強致しましょう!
というツアーとなりました。
当日の天気予報は雨!にも関わらず、さほど降られる事もなく、無事全行程を終えました。
くわしい行程はこちら

関牧翁前天龍寺管長筆_達磨図

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