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第8回 西村惠信所長と行く“禅と文化”の旅 ご案内




禅と文化の旅_永源寺


この三門に登らせていただきます!

禅文化研究所のバス旅行のご案内です。
今回は、紅葉の名所と謳われる、滋賀県の臨済宗大本山“永源寺”へ皆様をお連れしたいと思います。
三門の写真(上)をご覧いただいてもおわかりかと存じますが、多くのもみじが植わる山内は、秋の彩りに溢れる事と存じます。
今回は特別にこの三門に登らせていただき、内部に安置されているお釈迦様や羅漢様をお参りさせていただき、紅葉を間近にご覧いただきます。その他非公開の寺宝も拝見させていただく事となっております。また、こちらにて場所をお借りし、所長による講演も行います。
昼食は僧堂内のお部屋をお借りし、滋賀の名料亭“招福楼”さんのお弁当をご賞味いただきます。
永源寺をあとにしてからは、守山市にある“佐川美術館”を訪れる予定です。
詳細は下記よりご確認下さい。
皆様のご参加、心よりお待ち申し上げております。

【第8回 西村惠信所長と行く“禅と文化”の旅】

禅と文化の旅_永源寺
どんな色に染まるでしょうか?!
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パラミタミュージアム 再訪 -三重県四日市-




アンコール展_パラミタミュージアム

大好きなパラミタミュージアムを再訪しました。
現在、特別展として、-アンコール・ワット展 アジアの大地に咲いた神々の宇宙-が開催中です。
世界三大仏教遺跡の1つとされるアンコール・ワット。私は7~8年前に訪れましたが、その頃よりさらに整備が進んだり、新しい発見があったりで、ますます興味深い遺跡になっています。
今回の展示では、2001年に発掘されたクデイ仏が日本初公開されていました。
日本とはまた違った感じの柔和な表情の仏像達に、心がおおらかになるようでした。
パラミタミュージアムでの展観は、明日9月30日までですが、その後各地を巡回します。
京都では、10月9日~11月3日まで、美術館「えき」KYOTOにて開催予定。
是非おでかけになってみてください。

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妙興僧堂 稲垣宗久老師を訪ねて




妙興僧堂


秋晴れの気持ちよいとある日、季刊誌『禅文化』の記事、-吾が師を語る-の取材で、愛知県一宮市にある妙興僧堂を訪れました。
稲垣宗久老師の師である、河野宗寛老師や挟間宗義老師について、お話を伺ってきました。

稲垣老師の飾らないお人柄、お話に魅了され、じんわり感動がひろがり、「あぁ……、師匠と弟子とは本当に本当に良いものだなぁ」などと、しみじみ思いながらお話を拝聴していると、目頭も熱くなりました。

私にも師と慕う心から尊敬する人がいますが、師と仰ぐ人を失った時の事について、御自らも師匠2人をお見送りされた経験から伺ったところ、「師匠を失ったらどうしたらいいか?じゃあこうしなさい、ああしたらいいですよとアドバイスをしてもそんなものは何の役にもたちませんよ。その時あなたが受け止める感情とか思いを、他の何かが引き受けるというような事はないですよ」と、強い大きな声で言われ、ハッとしました。
こうなったらどうしよう、ああなったらどうしようと先の事に対する不安を思いめぐらしていても致し方ない。今を精一杯生きる、自己をみつめ真摯に生きていく事を教わった有難い一日でした。

前回の山川宗玄老師につづき、大変興味深い素晴らしい記事になる事間違いなしです。

愛知一宮・妙興僧堂、稲垣宗久老師による、『吾が師を語る――河野宗寛老師と挟間宗義老師』は、来年1月発売の季刊誌『禅文化』215号に掲載予定です。

妙興僧堂
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秋の風景 秋桜と彼岸花




秋空

秋を感じさせる夕方の空だ。
今年は、いつのまにか名づけられた、シルバーウィークなる長期連休があり、各地へお出かけになった方も多かったようだ。
私たち僧侶はお彼岸で、連休の恩恵を得て行楽に出かけるというようなこともなかったが、そんな中、愛犬の散歩にカメラを持って出て、実近にある秋を味わって一興としていた。

秋桜(コスモス)

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-南岳磨甎- えしん先生の禅語教室 その10




秋ですね

-南岳磨甎(なんがくません)-

世間の夏休みに倣って、私の禅語教室もしばらくお休みを頂きましたが、ようやく思索の季節を迎えましたので、また始めることにします。

前回には、六祖慧能に参じた南岳が、「説似一物即不中」と答えて六祖に認められた話をしましたが、今度はその南岳が立派な禅の師匠となって、後に自分の法を嗣ぐことになる馬祖道一(ばそ どういつ、709~788)に、はじめて出会った時の「南岳磨甎(なんがくません)」ということばについて話してみましょう。「甎」(せん)という字は瓦の旧字。つまり南岳懐譲和尚が瓦を磨いたという意味の、よく知られた禅語ですから憶えてください。

中国では開元と言われる年頃、道一という沙門(お坊さん)が、伝法院に住んでいました。彼は朝から晩まで、坐禅ばかりしていました。南岳和尚がこれを聞いて、この男は見込みがあると見ると伝法院へ出かけていきました。案の定、道一は眼を瞑って頑張って坐禅をしています。これを見ると南岳が、「お前さんは何の目的で、そんなに力んで坐禅ばかりしておられるんじゃな」と聞きますと道一は、「何とかして仏になりたい一心で」と答えました。すると南岳は、どこからか一枚の瓦を持ってきて、庵の前の岩の上でそれを、ゴシゴシと磨き始めたのです。

道一が驚いて、「老師はそんなことをして、何になさいますか」と聞くと、「鏡を作ろうと思ってな」との答え。「瓦を磨いても、鏡にはなりますまい」と言うと、「坐禅しても仏にはなれるまい」。「それじゃ、どうすればよろしいのですか」と問い返すと、「人が駕(馬車)に乗って行くとき、車が止まったら車を打つがよいか、牛を打つがよいか」。道一はグッと詰まってしまったのでした。

南岳は続けて次のように言われたのです。「お前さんはそして坐禅を学び、坐仏を学びたいのであろう。しかし、もし坐禅を学びたいのなら、禅というものはそんな格好の上にはないのだ。また坐仏を学びたいというのなら、仏さんはそんなにじっと坐ってばかりいるものではない。無住法(決まった形のない仕方)において、取捨してはならぬ(わざとらしくないのがいい)のだ。お前のように格好ばかり仏さんでは、かえって仏を殺すことになる。また坐禅の姿にばかりに執著していると、とうてい真理には到ることはできまい」。これを聞くと道一は醍醐(美味しいもの)を飲むような思いがしたという。
(『伝灯録』南岳懐譲の章)

南岳は六祖慧能の教えを受けて、インドいらいの「如来清浄禅」から、日常生活の中でのはたらきを重視する禅、つまり般若の智慧を重視する「祖師禅」を行じていました。
六祖から始まった頓悟頓修を本質とする新しい禅思想の特色は、このように悟りを得るための坐禅から脱皮した点にあります。もちろんこれは坐禅とは何かという本質論であって、坐禅を否定したということではありません。坐禅という形に囚われない禅ということです。
現在の日本の禅で、このように坐禅と智慧の一致(定慧不二)を実践しているのは曹洞宗の「黙照禅」です。反対に臨済禅では、特に白隠禅師いらい悟りを得るための厳しい坐禅を実践しています。この違いについては、後に詳しく説明することにしましょう。

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インド タブラ奏者 アリフ・カーン初来日記念コンサート 於:京都 福成寺




クリックしていただくと、大きな画面が開きます。

研究所にもよくいらっしゃるお坊さんのお寺にて、上記のようなコンサートがあります。
インド大好きな私は、900年も続くタブラ奏者の家系の貴公子がやってくるとあって、喜々としてでかける予定です。
「日本でいうところの東儀秀樹か?!」などと色々妄想しております……。

是非皆様もご一緒にいかがですか?
お問い合わせ等は、上記掲載メールまでお願い致します。

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大徳寺 曝凉のご案内




大徳寺

今年も10月の第2日曜日(雨天中止)に、大徳寺本坊において曝凉(掛け軸・宝物などの虫干し)展が開催されます。
さわやかな秋晴れの一日、禅寺にて、普段拝見する事のできない宝物をご覧になられてはいかがでしょうか。ご関心がおありの方は是非おでかけ下さい。

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第94回 大蔵会 於:花園大学

第94回 大蔵会


【第94回 大蔵会】
*どなたでも無料でご参加いただけます。ご来場お待ち申し上げております。

平成21年9月24日(木)
於:花園大学

法供養/午後1時より  
記念講演/午後1時30分より
       演題:『超仏越祖』ということ
       講師:西村惠信(花園大学前学長・禅文化研究所所長)
展観/「臨済の学僧・無著道忠の世界」(この日1日のみ/於:花園大学歴史博物館)

問い合わせ先/花園大学総務課 TEL075-811-5181

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弥彦神社 その2 -新潟-




美しい千羽鶴

お参りを済ませた後、弥彦神社の境内を散策してみた。
本殿に入るには、神門とよばれる門があるが、ここに絵馬がかかっていて、一緒にひときわ色鮮やかで美しい千羽鶴が奉納されていて目を引いた。

神門の両側には古さを感じる苔むした狛犬がじっと参詣者を見つめているようだ。
それから、こういった古い神社仏閣にお参りすると、灯籠も気になって、おもわずファインダーにおさめてしまう。この灯籠もなかなかいい形だ。

苔むした狛犬

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弥彦神社 その1 -新潟-




弥彦神社の鳥居

良寛さんの五合庵のある山続きに、弥彦山という山があり、そのふもとに越後国一宮の弥彦神社(いやひこじんじゃ)がある。地名は「やひこ」と呼ばれるので、通常は「やひこじんじゃ」とよばれるが、古くは「おやひこさま」と呼ばれていたという。
越後の国の開拓神・伊夜彦神(天香山命)をお祀りしている。

古来は万葉集に、
「伊夜比古おのれ神さび 青雲のたなびく日すら 小雨そぼ降る」
「伊夜比古 神の麓に今日らもか 鹿の伏すらむ皮衣きて 角つきながら」
という歌が残されている古い神社である。

御手洗の川

鳥居をくぐると、清涼な流れの御手洗の川があり、杉の大木に覆われた参道を歩く。
一旦左に曲がるところに社務所があるが、その近くに椎(しい)の御神木があり、その前に良寛禅師の「御神木讃歌」というものが掲示されていた。

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かみ添  -京都の職人さん-



かみ添

大切な人に手紙を送る際には、便箋や切手などには特にこだわりたいと思っています。
まだ唐長の美しい便箋やハガキが修学院でしか買えなかった頃から、時折訪れては買い求めていました。
最近では四条烏丸のお店(古今烏丸内)にて求めやすくなり、個人ブログや雑誌などでもよく紹介され、便箋やハガキのみならず、様々な美しい商品を扱っておられ、御存知の方も多い事と思います。
そんな唐長にまた新たなひろがりが!
お弟子さんが独立されるというのです。これは!と、西陣にできた新しいお店にさっそく伺ってみました。

-かみ添-

町家を改装された店内には、ほんのりと優しい灯りがともり、壁や襖に貼られた紙の美しさを存分に引き出しています。光のあたる角度によって、様々な表情が見え隠れします。

無音(ムネ)

水玉のようなこの模様は、かみ添さんのブログによると、 「無音」(ムネ)と名付けられているとの事。ぼたん雪がシンシンと降っている音の無い世界を表しているそうな。
大切な人と語り合う時には、テレビや音楽をつけずに、こういった景色が共にあると、落ち着いて安心して様々な事を語り合えそうですね。そう思うと、“かみ添”という屋号がとてもよくわかる気がしてきます。職人さんによって魂を入れられた紙が心に寄り添ってくるような印象を受けます(私の勝手な解釈です)。紙が、生活にも心にも添って存在する感じでしょうか……。

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加藤正俊先生 逝かれる




加藤正俊先生 遺影

禅文化研究所の学術顧問をお願いしていた、花園大学名誉教授・加藤正俊先生が、去る9月8日夕刻4時48分、心不全により鬼籍に入られた。享年80だった。
先生は、昭和4年、京都府与謝郡加悦町にお生まれになり、花園大学を卒業後、立命館大学大学院日本史学科修士課程を修了。その後、禅文化研究所資料室勤務、花園大学教授を歴任され、退職後は、禅文化研究所学術顧問として、今日まで研究を続けてこられた。
専門は日本禅宗史である。
著書は、『近世禅林墨蹟』臨済編1・2(思文閣出版)、『白隠和尚年譜』(同)、『円相―禅の究極―』(毎日新聞社)など、禅宗史に関わるものから、書画解説の類のものが特に多数あり、また『国史大辞典』(吉川弘文館)や『禅学大辞典』(大修館書店)の辞書執筆にも関わられた。
その功績は膨大なものであり、今更ながら、この学術分野における第一人者を失ったことは残念でならない。

研究所の仕事上においても、我々に判読できない諸々の墨蹟の解読などを、気軽に引き受けてくださった先生である。
ご冥福をお祈りする次第である。

なお、葬儀は下記の通りの予定で行なわれる。
 通夜 9月10日 午後6時~
 葬儀 9月11日 午前11時~
いずれも、先生のご自坊の嵯峨嵐山の金剛院にて。
葬儀などについてのお問い合わせは、花園大学 企画広報課(tel 075-811-5189)まで。

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承天閣美術館(相国寺内) -相国寺 金閣 銀閣名宝展 ~パリからの帰国~-



承天閣美術館

臨済宗大本山相国寺内にある承天閣美術館を訪れました。
「相国寺 金閣 銀閣名宝展 ~パリからの帰国~」と題して、昨年パリのプチ・パレ美術館で開催された展観の帰国展示会でした。
貴重な墨蹟や茶道具など、ぎゅっと凝縮された展示品に圧倒されました。
会期も終わりに近いからか、訪れる人もたくさんでした。
承天閣美術館の気に入っているところは、靴を脱いで絨毯の上をそのまま歩いて展示品を見る為、靴の音やスリッパの音が全くしない所です。これ、美術品などを見る時にはとても嬉しく大事な事です。

さて、もう上の展観は終わってしまいましたので、次回展観をご案内しておきます。
西陣織といえばこの方、山口安次郎さんの能装束の展観です。
-心と技の饗宴-105歳 山口安次郎作 能装束展

この展観にあわせて、相国寺境内にて、お能の会も催されるとの事。その際の装束は、安次郎さんによるものだそうです。

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師匠について -八幡・圓福僧堂-



神月徹宗老師の墓

愚堂(ぐどう)国師の墨蹟撮影の為、京都府八幡市にある圓福僧堂を訪れました。
こちらの僧堂は、私の祖父が若かりし頃に修行をしていた僧堂です。
私が生まれる前に亡くなった祖父の事については、彼に反発していた父(寺は継いでいません)からはさほど多くを聞く事もなく、二十代になった頃からでしょうか、漸くぽつぽつ色々と話を聞くようになり、修行時代の写真を見たりするようになりました。
その頃ちょうど、禅とは切っても切り離せない世界である“茶道”のお稽古を始めた私にとっては、“禅の修行”というと雲の上の憧れのような世界。写真を見るだけで気持ちがひきしまるようで、喜々として祖父の修行時代の写真を眺めては興奮し、「若い女の子にしては変わっている……」と母は嫌な顔をしたものでした。

祖父は僧堂時代の写真を並べたアルバムの中に、誰かとてつもなく偉そうなお坊さんの写真とお墓の写真を、さも大切な方のものなのでしょう……1ページに1枚ずつ貼りつけていました。
後から祖父の書き残したものを調べていてわかったのですが、ある僧堂から転錫(てんしゃく・僧堂を変わる事)して圓福僧堂に赴き、そこで教えを請うたのが、その大切そうな写真の人、神月徹宗(こうづき・てっしゅう)老師だったのでした。
前の僧堂での老師の事には全く触れず、徹宗老師の事のみ触れてある書き残しと、写真の残し方を見ると、祖父もなかなかに激しい人だなぁ……と思いながらも、自分にその祖父の血が流れているのがよくわかります。
写真を眺めていると、よほど徹宗老師への思い入れが強く、師匠として心底崇めていたのであろうと思います。
私にも人生の師と心底仰ぐ人が、2人います。大学のゼミ担当教授(季刊誌『禅文化』に寄稿いただいている松田高志先生)と茶道の師です。人生において、素晴らしい師匠に出会う喜びを若くして知っている事はとても恵まれている事で、祖父が修行当時のみならず、老師が亡くなられてからも心底師を慕った気持ちが、今の私にはよくわかります。

縁あって研究所でお仕事をさせていただき、圓福僧堂を訪れ、祖父の師の墓へお参りさせていただける事にしみじみと有難みを感じた一日でした。

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良寛さんの地 五合庵・国上寺 -新潟- その2




香児山

五合庵・国上寺行の続きである。
国上寺の各堂宇から、山を下っていくと、ふと左手に香児山(かごやま)という小さな塚のような丘があり、そこには上のような石像が林立している。丘の上には小さな廟もあった。
この地は天香児山命伊夜比古(あまのかごやまのみこと いやひこ)の神が鎮座された場所ということで、弥彦神社の神が御神託をされた廟所であるとの札がある。つまり、国上寺を建立するように託宣された場所なのであろう。
神々しい空気に包まれ、石段を一段一段降りておくことになる。
すると、ひっそりと五合庵がたっていた。横には良寛さんの句碑も建っている。

五合庵

五合庵の中には、良寛さんがお酒を好んだことからか、日本酒が供えられていておかしかった。
ただ、まいったのは蚊の大群に襲われたことだ。この五合庵辺りにだけ多いので、ひょっとするとこれは、良寛さんが虫を殺すようなことをせず、慈愛に満ちた人であったから、蚊もこの地を選んで住んでいるのではないかと思えたのだった。

お酒を供えられた良寛さん


『良寛和尚逸話選』(禅文化研究所発行)

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良寛さんの地 五合庵・国上寺 その1 -新潟-




国上寺境内にある良寛像

夏休みの終わりに、かの良寛さんの地、新潟県は寺泊にほどちかい、国上寺・五合庵を訪ねてきた。
良寛さんというと、曹洞宗の僧侶で、子供が好きで、かくれんぼをして皆が帰ったのにも気付かず、ずっと朝まで隠れていたとか、軒先を突き破って伸びてきた筍のために板を外したりして伸びられるようにしたといった、やさしいやさしい逸話が有名だ。
ただ、良寛さんの像は、どれも何か厳しい顔をしていて、子供たちに優しかったというイメージと違うように感じてしまうのは、私だけだろうか。

とまれ、この良寛さんは、岡山県は玉島(倉敷市)の円通寺で修行をした後に、各地の名僧を訪ね歩き、新潟にもどって、約20年、五合庵に住まいしたという。
この五合庵という庵は、真言宗の国上寺という越後最古の古刹の境内地にある小さな庵だ。まずは国上寺へとお参りした。

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「畜類償債譚」

延興寺の僧恵勝は、生前に寺の浴室で湯を沸かすための薪一束を無断で他人に与え、そのまま死んだ。その後、寺の雌牛が一頭の仔牛を生んだ。やがて成長した仔牛は、薪を満載した荷車を引いて休むことなく働かされた。

ある日、見かけない僧侶が寺の門の所に立っていた。いつものように荷車を引いて門を入っていく牛を眺めて、「恵勝法師は、涅槃経はうまく読めたが、荷車はうまく引くことができない」と言った。牛はそれを聞いて涙を流して嘆息し、そのまま倒れて死んでしまった 。
牛を連れていた人は「お前は、牛を呪い殺したな」と責めたて、その僧侶を朝廷に訴えた。朝廷はその僧侶を呼び出して取り調べるが、その姿は貴く美しく、ただ者には見えない。そこで朝廷はその僧侶を浄室に控えさせ、三人の絵師に似顔絵を描かせた。すると絵師が書いた似顔絵はみな観音菩薩の姿であった。気づくとその僧侶は忽然と消えていた。(『日本霊異記』上巻)

生前になんらかの形で罪を犯した人物が死後家畜に生まれ変わり労働して償うという形式の説話を「畜類償債譚」などと称し、中国の『太平広記』や『冥報記』に多く見える。南泉普願の「山下に一頭の水迚ッ牛と作り去らん」の語も、ただこれらの説話を前提とするというばかりでなく、この生々しくも恐ろしい罪悪と業報の話によって担保さえされているようにも思われる。

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擔雪IIシリーズ 最新OSの Windows 7 に対応

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Windows の最新バージョンである Windows 7 が2009年10月に発売されることが決定しました。
2007年1月に Windows Vista が発売されてから3年と経たないうちに Windows 7 の発売、これは Windows Vista があまりにも不評だったからだと言わざるを得ません。
最新OSの Windows 7 が動作の軽い使いやすいOSになることを期待しています。

宗教法人管理システム 擔雪IIシリーズ では、各部門管理 Ver1.20 以上にて、最新OSの Windows 7 に対応しました。

現在お持ちのセットアップCDのバージョン(CDの表面に赤色の文字で Ver1.** のように記載)が Ver1.20 未満の場合は、擔雪II各部門管理のインストール後に必ず最新バージョンのアップデートファイルを適用してください。

詳細については、擔雪II Windows 7 への対応状況についてをご覧ください。

擔雪IIの情報はこちらからどうぞ

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禅僧たちの国際交流

朝夕に秋の気配が漂う8月25日、中国とフランスに向かい二つのグループが関西空港から旅立った。

日中禅僧交換交流へ

一つは、平成10年から臨黄友好交流協会が中心になって進めている第7回「日中禅僧交換交流」である。今回は、広東省深蝨ウ市にある弘法寺で、相国寺(京都)、瑞巌寺(宮城)、永平寺(福井)から派遣された6名の修行僧が中国人僧と寝食を共にし10日間の修行体験を行なう。

東西霊性交流へ

もう一つは、禅文化研究所が事務局になって進めている第11回「東西霊性交流」で、現地での合流を含め6名の禅僧が、フランス国内にある3つのカトリック系修道院に分かれて2週間の僧院生活を体験し、シンポジウムを終えて帰国する。

同じ禅宗でも日本と中国では随処に修行形態の違いがある。ましてキリスト教との差は歴然である。しかし、同じ食事をし、同じように祈りと労働に参加するという実体験によってその宗教を理解することができる。また、他の宗教を知ることによって自分たちの宗教を見つめなおすことにも繋がるのである。
彼らたちが体験を通して何を得て帰ってくるかを期待したい。

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三重県名張市の木地師さん -加計仏具店-


修復する仏像

よくお世話になっている恩人の案内で、素晴らしい木地師さんの仕事を拝見させていただきました。
“木地師”と聞くと、皆さんはどのようなお仕事を想像されますか?
私は一番に浮かぶのは、漆を塗る前のお椀やお盆などの原形を作る職人さんでした。
今回は、仏壇仏具、その他寺院神社などに関係する多くの物をお作りになられている木地師さんです。
様々な職人さんのお仕事を拝見していますと、「職人さんの仕事には規格というものが無い分、本当に自由で幅広いなぁ……」と思う事が多々あるのですが、まさに今回もそうでした。

【加計仏具店】
代表作は、知恩院さん所蔵の『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』を図像化した「観経曼荼羅(かんぎょうまんだら)」の軸を、厨子におさめ立体的にあらわした立体曼荼羅の木地制作です。軸に描かれている世界を立体的に…なわけですから、その仕事たるや、素人の理解の枠は超えに超えていました。
言葉では表現できませんので、HPの画像をどうか一度ご覧になってみてください。HPの納入例のページには、実際の立体曼荼羅の画像もあります。
木地の部分を加計さん親子がお作りになり、その他に、塗師や彩色師、仏師など様々な職人さんの手が加わって漸く完成をみる、後世にずっと伝えていきたい日本の仕事です。

たくさんの彫刻刀 たくさんの小さなカンナ

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