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熊野詣で

熊野本宮大社

異国の文化や遺跡が好きで、たくさんの土地を旅してきましたが、帰国する度に日本の素晴らしさを再認識し、日本が一番自分にしっくりくる国で、大好きだとの思いを強くしてきました。

そしてこの夏、インドの聖地への旅から帰国し、「やはりインドは素晴らしい、けれども日本の美しさ、素晴らしさはどこの国も及ばない」との思いも頂点に達した感(おおげさでしょうか)があり、「これからはもっと深く深く日本のことを学ぼう。日本の聖地ともいうべき所を旅してみようか……」などとぼんやり考えていると、両親が「ご縁あって熊野本宮大社にお参りにいくけれど……」と。
インドから帰って3日後に、熊野大権現様のおはします大社へお参りに行って参りました。
ちょうど東京国際ブックフェアの際に、別冊太陽の「熊野」を購入したところでもありました。読む前にお参りとなってしまいましたが、これも何かのお導きでしょう。

山深く霊験あらたかな土地に築かれたなんとも清々しいお宮で、斎衣をまとい皆でご祈祷を受けました。
打ちならされる太鼓の音に、生まれ変わるような心持ち。皆それぞれに感慨深いものであったと思います。ただただ、頭を垂れて、「ありがたい、ありがたい」との思いでした。

いにしえの人々が「この地こそ」と崇め、信仰の対象となるようになった所には、何か人智を超えたパワーがあるものです。まずは熊野本宮大社にて、そのありがたさを体いっぱいに感じた、夏のある暑い一日でした。

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季刊『禅文化』209号

季刊『禅文化』209号

季刊『禅文化』209号。ネットショップよりお買い求めいただけます。

もくじ
追悼 山田宗敏和
枯淡の人 先師功山宗敏和尚を偲ぶ/山田宗正
金毛窟の日々 真珠庵、功山和尚を追悼す/柳楽義道
善財童子の求道ものがたり(十一)―栴檀林の教育者・ニルゴーシャ聖仙/小林圓照
西田直門 片岡仁志先生 (一)/北野裕通
叢林生活の安定(下之上) 要説・中国禅思想史/伊吹敦
禅宗語録入門読本1 禅の語録と中国語/小川隆
三十三観音の物語 馬郎婦観音と魚籃観音/藤田琢司
回想―鈴木大拙先生―その九/北西弘
雪舟―禅宗の絵画 その六/金澤弘
至道無難禅師と正受老人の初めての相見/中嶋徳三
人間、この矛盾存在 三余居窓話(五十七)/西村惠信
大聖武/泉田宗健
旅人かへらず/平塚景堂
こんな夢を見た/安永祖堂
いのちの讃歌 サヌカイト音禅/福井友榮
グラビア 寺宝探訪 京都・慈済院
合気道の面白さ どうして武道が合気(愛気)なのか/松田高志
和尚さんの身体講座 (十九)/樺島勝徳
まつがおか日記―夏/井上米輝子
世界に拡がる、隻手の音声/松下宗柏
柿の実一つの豊饒―中城ふみ子の食物の歌/佐伯裕子
表紙解説/藤元 裕二
いっぷく拝見
編集後記〈禅文化漫筆〉
『禅文化』バックナンバー
禅文化研究所の本


研究所HPには、いくつかの掲載記事をご紹介しています。
是非ご覧になってみて下さい。

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お盆の風景

夕立が来そうで来なかったお盆の夕暮れ

今年はお盆の前から雨も降らず、誠に暑いお盆であった。
私の自坊では、近隣の寺院との兼ね合いがあるので、毎年8月14日にお盆のお施餓鬼の法要を行なっている。もちろん、本来は8月15日に行なうのが正式だ。
8月14日にお施餓鬼を行なうために、うちの檀家さんたちは、14日を中日として、13日にお精霊さん(おしょらいさん)をお迎えし、15日の夕方には送り火をしている。

そういえば、去年の8/7のブログには、お盆の用意をする自坊の七日盆のことを書いていたようだ。もう一年がすぎさってしまって、今更ながら「光陰矢の如し」である。

お墓の前に吊られる行灯

さて、お盆には夕刻に墓経を誦むのだが、各家のお墓にはごらんの様な行灯(あんどん)が下げられ、夕方になると檀家さんが個々に訪れては行灯に灯をともして帰る。中には都会から帰郷した家族も賑やかに引き連れてお参りされているうちもある。
去年はよちよち歩きだった子どもたちが、元気に走っていたりすると驚く次第。
宗教行事とはいえ、古き良き風物詩である。
そういえば、市の市史編纂担当の方がカメラをもってやってきて、自坊の施餓鬼の様子を取材していかれた。
いつの日か、こうした行事も無くなってしまい、未来の人は市史をみて、「へぇ~、こんなことをやっていたのか」と言う日が来るのかもしれない。

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擔雪II訪問サポートサービスのご案内

パソコンの設定作業や擔雪IIの使用方法について、お寺まで出張して対応してくれないかというご要望に対応すべく、2007年7月より、日本全国に拠点を持つ「キューアンドエー株式会社」と提携し、擔雪II導入時の設定や使用中のトラブルに対して、お寺まで出張します“パソコン訪問サポート”サービスを開始いたしました。

> 擔雪IIを購入したのでパソコンにセットアップしてほしい
> 擔雪IIの基本的な操作方法を教えてほしい
> 新しいパソコンを購入したので古いパソコンから擔雪IIのデータを移行してほしい
> 擔雪IIのLAN版を使いたいのでLANネットワークの設定をしてほしい
> 擔雪IIが動かなくなったので見てほしい

などのほか、インターネット、メール、プリンタなどの各種設定作業も対応可能です。

現在のところ近畿地方のみのサービスとなっておりますが、日本全国へと順次エリア拡大いたしますので、ぜひご利用ください。

擔雪II出張サポートサービスについて
こちら


擔雪IIの情報はこちらからどうぞ

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日々是好日

円通寺_借景庭園

好きでよく訪れますが、一日として同じ日はありません。
当たり前なのですが…。よく晴れた日の円通寺からのお山(比叡山)です。

左京区一乗寺にある、臨済宗妙心寺派、円通寺は、この借景庭園で有名ですが、最近このお寺のふもとの方で宅地開発が急激に進んでいます。
借景庭園が借景庭園でなくなる日が近いのでは…と危機感を抱きました。
皆さんがこちらを訪れる事で、如何に景観を保つのが難しい事かおわかりいただけるかと思います。
ご住職も色々と運動をされていらっしゃいます。
ひとときの涼を求め、お山を眺めに行ってみて下さい。

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エローラ 仏教 -インド-

第10窟

エローラの石窟群でもっとも古い(5~7世紀)、仏教の遺構をご紹介。
上写真は有名な第10窟。声も響くホールのようなつくりのチャイティヤ窟。

ヴィハーラ窟

対するこちらはヴィハーラ窟。僧院・僧坊です。

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赤塚不二夫さん

漫画家の赤塚さんが亡くなって、久しぶりに、氏の「茶碗蒸しとスプーン」の会話を思い出した。スプーンと茶碗蒸しが描かれていて、スプーンの吹き出しに「あなたもう寝ましょうよ」とある。それで私は心の芯まで愉快になってしまった。スプーンも茶碗蒸しも、その役割を軽々と逸脱して、信じられないほど無意味に、しかし堂々とそこに描かれている。

別の図柄。頁の上の方におてんとうさまが描かれ「ポカポカ」とある。そのお日様の下のほうで若者たちが殴り合いをやっている。「ポカポカ」は殴り合いの音だったのだ。その絵を見た秀才の友人が、「赤塚は天才だね」と言ったのが何十年も昔のことだ。今思い出しても、その情景は色あせない。

8月5日の朝日の朝刊に、鶴見俊輔先生が、「赤塚不二夫さんを悼む」という追悼文を寄せておられる。
「一代の奇才、赤塚不二夫の逝去を惜しむ。赤塚不二夫を見るようになってから四十年あまり、まだその影響の渦の中にいる」という書き出しで始まるその文には、赤塚さんの造語もいくつか引かれている。「ガバチョ・トテシャン」(薬はまだか)、「タネプップー」(スイカ)。飛び跳ねる馬の情景を「パカラン、パカラン、パカラン」と何十コマも描く。鶴見先生はこの筆力を、「ゼロ歳児にもどった生命力の裏づけによる」もので、「その生命力の無法な羽ばたきが、今も私の耳にある」と書いておられる。

赤塚さんの漫画の数々を思い出してみると、どの楽しさにも、楽しさだけがある。赤塚さんのギャグは、出会ったときと同じ新鮮さを今も保っている。いずれにも「法(しばり)」というものがすっぽりと抜け落ちているからだろうか。

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霊場 国東半島 その2

富貴寺仁王門

両子寺を後にして向かったのは富貴寺(ふきじ)。
こちらも西暦718年(養老2年)に仁聞が開基したと伝えられる国東半島の古刹である。
両子寺とは全く趣のちがう小さなお寺ではある。

IMG_0062.jpg
ここには平安末期に建築された国宝の阿弥陀堂がある。九州最古の木造建築だそうだ。 京都平等院の鳳凰堂、岩手中尊寺の金色堂と並ぶ日本三大阿弥陀堂の一。 また、内部には本尊の阿弥陀如来座像(重要文化財)と日本四大壁画の一つに数えられる壁画(重要文化財)があった。ただし壁画はかなり保存状態が悪く、消えかけているような状況ではあった。

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霊場 国東半島 その1

国東半島の地図

大分県北部に位置する国東半島は霊場といわれるほど多くの寺院があるのをご存じだろうか。
実は私は知らなかった。
というより、京都や奈良が実近にあるし、熊野や四国は存じていても、九州に霊場と言われるようなところがあろうとも思わなかったし、そんなに古い寺院があろうとも知らなかったというわけだ。
九州の方には誠に失礼な話で申し訳ない。
さて、そんな国東半島を友人の車で連れてもらった。

両子寺参道
まずは、国東半島のほぼ中央にある天台宗別格本山の両子寺(ふたごじ)へ。 西暦718年(養老2年)、仁聞菩薩の開創による神仏合祀の古刹。 緑の豊かな参道をあがると護摩堂や庫裡があり、境内を巡っていくと奥の院本殿があり、両子大権現(男・女(双子)二天童子)が祀られているらしい。
奥の院本殿

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ブログ再開

福山_明光院

ご無沙汰致しております。
皆さま、お盆はいかがお過ごしになられましたでしょうか。

私事ですが、小さい頃の記憶というのは断片的にとても鮮やかに残っています。
毎年皆でお墓へとご先祖様をお迎えにいき、お供えものには茄子や胡瓜に割り箸が刺され、いつもより豪華に色々な物があり、なんだかこの時期だけに登場する特別な提灯がずっと灯りをつけられ飾られている光景です。
子供ながらに「特別な日、大切な日」というのを感じていました。今になって記憶をたどり、考えてみると、子供というのは、親が思っているよりも色々なものをちゃんと見つめて、考えて、わかっているものだなぁ…と思います。
だからこそ余計に、子供には伝えるべき事はしっかりと! と思う今日この頃です。

お盆が過ぎたというのに、まだまだ暑い日が続きそうですが、どうか皆さま健やかにお過ごしください。
本日よりまた、宜しくお願い致します。

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盂蘭盆に思う

蓮華

関東の盂蘭盆は7月だそうですが、ここ関西は8月盆ですから、愈々これからが本番です。炎天下、境内の墓地に出てお経を読まされるときなど、いったい誰がこんな暑いときをお盆に決めたんだと、秘かに恨めしくなります。しかし、お寺にやってくる人たちの顔ぶれが、いつもと違ってなんとなく華やいでいるのを見ると、こちらも汗を拭き拭き頑張らなければ、という気になります。
ここ滋賀の田舎では、昔からお盆になると、都会で暮らしている人たちが、家族を引き連れて故郷へ帰ってきます。するとお寺が一変して、昔馴染みの社交場と化すのは不思議な夏の風景です。それを見ると寺の和尚や寺庭の者も、今更のように日本仏教の健在を実感し、得も言われぬ充実感に満たされたりするのです。

誰かの句に、-墓拝む 人の後ろを 通りけり-というのがあります。今年もお盆を迎え、普段はすっかりご無沙汰していた亡き人たちへのお詫びにと、花や線香を持ってお墓へやってくると、もう既にみんなが墓を洗ってお供えを済ませ、一心にお経を唱えています。その邪魔にならないように、そっと後ろを通らせて頂く、という状景ですね。
私はそこに、日本人としての、言葉に表せない共感が詠われているように思います。仏教が難しい教理や厳かな儀式によってではなく、このような深く素朴な民俗信仰に支えられて伝えられてきたものだということを、今年もまたこうして私は実感させていただくのです。そういうお盆に会うのももうあと何回か、などとわが命を惜しみながら。


禅文化研究所所長 西村惠信


*研究所は、明日8月9日より17日までお休みをいただきます(ブログもお休みさせていただきます)。
お問い合わせや、書籍などをご注文いただきました方には御迷惑をおかけいたしますが、どうか宜しくお願い申し上げます。

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百日紅(さるすべり)

鮮紅色の百日紅
真夏の花というと、蓮・向日葵・朝顔と、この百日紅が代表格だ。 花に関する漢字は非常に蘊蓄(うんちく)がある。馬が酔う木と書いて「あせび」と読んだり、木の瓜と書いて「ぼけ」と読んだり…。その字から花の特徴がわかるようだ。

百日紅は夏の暑いさなか、百日も咲き続けるとも言われている。
『広辞苑』によると、

さる・すべり【猿滑・百日紅・紫薇花】(幹の皮が滑らかなので猿もすべるの意)
①ミソハギ科の落葉高木。中国南部の原産。幹は高さ数メートル。平滑でこぶが多く、淡褐色。葉は楕円形で四稜のある枝に対生。秋に紅葉する。夏から秋にかけて鮮紅色または白色の小花が群がり咲く。庭木としてわが国で古くから栽培。材は緻密で細工用。云々……

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お遍路の地へ

穏やかな四国の海

出張で四国(愛媛)へ行っていました。
連日35度を超える猛暑だというのに、真っ黒に日焼けした顔に白装束のお遍路さんをおみかけしました。
さすがこの時期に歩いてまわろうとされる方達。お1人で歩いておられる方がほとんどでした。
お1人といえども、お隣には同行二人、弘法大師さんがついていてくださる。もくもくと歩き続けるそのお姿に、本当にお大師さまが一緒についておられるような心強さを見た気がしました。
私もいつか、歩いてまわれたらなぁ…と夢見る今日この頃です。

溢れる緑、お大師さん縁の数多くの寺、霊峰、青く穏やかな海。澄み渡る空。温泉にみかん畑。砥部焼。日本てやはり美しいなぁ…と心底思える地、愛媛です。

緑溢れる地
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エローラ石窟寺院郡 -インド-

エローラ

前回までにご紹介したアジャンタの石窟寺院郡は仏教の石窟寺院郡ですが、今回からご紹介するエローラは、仏教・ヒンドゥー教・ジャイナ教がそれぞれ造られた時代は違えども破壊される事なく共存し、そして残っているという、まれに見る石窟寺院郡です。
今まで私が旅してきたアジア各国では、王が変わる事でそれに伴い宗教もかわり、首を切り落とされた無惨な姿の仏像を多々見てきました。また、最近カンボジアでは、敬虔な仏教徒が迫害をおそれて埋めたとされる多くの仏像が発掘されました。
現在のインドは、宗教紛争が無い国とは言えないでしょうが、この遺跡に見るインドのいにしえの人々の寛容性からすると、本来のインドの人々の持つ性質なのではないか…などと考えたりします。
そういう意味では、八百万の神の国、そして仏教も大切に加護されてきた日本と、共通点を見出せる気がします。

もしや!

前からいらっしゃるあの清々しいお姿は…。

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オヤジの昼寝 -天龍寺-

夏の天龍寺

今年の夏は猛暑が続いている。
日中は強烈な日射しで、水銀柱は常に30度を超している。町中を歩くと、干物になりそうな…。
そんな炎天下にもかかわらず、連日天龍寺は観光客で賑わっている。
大方丈や書院に吹き抜ける風が気持ちよく、ゴロゴロ寝ている観光客があとをたたない。
いくら注意してもききめは無く、若者や子供達には強く注意するのだが、中には大鼾で爆睡中にて、起こすのも気の毒になるようなお父さんも…。
そんな姿を見るにつけ、最近の父親は大変だなぁ…と思う。

夏休みになり、小さい子供のためにせっせと旅行をして絵日記に貢献。大きくなればウザイ・クサイといわれ、あげくのはてに消されかねない世の中である。
「子供は親の背を見て育つ」といわれるが、今では子供の顔色を見ながらハラハラ・ドキドキ心配ばかりしている親が多い。
子育てで大切なのは幼児教育で、特に小学生になるまでに社会的な基本ルールを徹底的に教育すべきであって、子供をペットと間違えている親が多いのではないかと危惧する。
子供は次の社会を作って担っていく大切な人材であり、ペットではない。
ガンバレオヤジ!
爆睡している時ではないのだ!

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伊賀 美の旅

長瀬の川

長瀬(名張市・上写真)をあとにし、伊賀上野へ…。
藤堂高虎ゆかりの伊賀上野城や、松尾芭蕉を記念して作られた俳聖殿、芭蕉の五庵のひとつで、唯一現存する蓑虫庵は以前訪れた為、その近くにある伊賀焼の谷本洋さん、あけみさん夫妻のギャラリーへ伺います。
谷本さんの作品は、古典的な伊賀焼に対する真摯なまなざし、お人柄が出るかのようなあたたかみも感じ、それでいてかっこ良くセンスあるものばかりで、伊賀焼といえばお茶人などに愛される陶器ですが、谷本さんの作る作品の凛としたたたずまいは、現代の若者にも「かっこいい」と受け入れられるのではないでしょうか。
伊賀焼のみならず、ヨーロッパ留学で培った独創性ある陶画(陶板)や器の数々も楽しく、また、奥様の作品も他には無い感じで、使い方を模索するのが楽しく、いつまでいても飽きる事のないギャラリーです。
また、こちらの作品には、山村御流による花も生けてあり、これがまたいつ行っても楽しみなのです。

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