トップページ » 2012年2月

承天閣美術館 -京都・相国寺-




120229.jpg


相国寺内にあります、承天閣美術館
現在、館内所蔵の屏風絵展が開催されています。

一時、俵屋宗達や本阿弥光悦に強く惹かれ、色々な美術館を巡っていました。
もう10年以上前になるでしょうか、大阪の萬野美術館にて観た記憶のある「蔦の細道図屏風」が、いつの間にか承天閣美術館に。
萬野美術館が閉館するのに伴い、その所蔵品の大部分が承天閣美術館に移ったようです。

この、「蔦の細道図屏風」の修復記念も兼ねた館内所蔵の屏風の逸品たち。日本を代表する絵師達の作品に数多く触れられる機会です。

昨日ご紹介しました、法堂龍図や開山堂の拝観と共に、是非お運びください。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

相国寺 -京の冬の旅-




120228.jpg
開山堂から臨む法堂。美しい!

3月18日(日)まで、相国寺(烏丸今出川)の法堂と開山堂、塔頭・大光明寺が特別公開中です。
私も法堂と開山堂を拝みにでかけてきました。

辰年とあってか、我が国最古の法堂にて狩野光信の龍図を拝み、龍のお守りを買って帰られる方がとても多いようです。三世代で訪れる方々が多いとの事で、嬉しい事だなと思いました。

いつもは公開されない開山堂。御所の御殿を移築したと伝わる開山堂は、瀟洒な雰囲気で、他派の開山堂の趣とは異なります。御所が近い為、いつも戦乱に巻き込まれ、焼けてしまっていたこの地にある相国寺。京都の歴史と共にあります。
是非おでかけになってみてください。御苑内の梅見も、あわせて是非!

------------------------
京都の禅寺にお出かけの際は、スマートフォンアプリ「京都禅寺巡り」を是非ご利用ください。相国寺を含め、辰年に因んだ「龍巡りスタンプラリー」機能も大好評です。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

第8回 臨黄教化研究会




2012_02_27-1.jpg

2月23~24日と臨黄合議所の「第8回 臨黄教化研究会」が、花園大学の教堂にて行なわれました。
今回の研究会の基本テーマは、“ 「お寺の危機Ⅱ」― 震災、今私たちにできること―”というもので、全国各地から、若手僧侶が中心に80人弱参加されました。
禅文化研究所は臨黄合議所の事務局を受け持っているため、スタッフとしてお手伝いをしました。

2012_02_27-2.jpg

初日は解剖学者の養老孟司先生の基調講演 「震災から問われているもの」でした。解剖学者としてどういう視点から震災について語られるのかと思って拝聴させていただきました。
いろいろなお話を伺いましたが、私が興味深かく感じたのは次のようなことでした。

--------

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

地球交響曲第6番上映会 -西田幾多郎記念哲学館-

今年はじめに訪れました、石川県かほく市にあります、西田幾多郎記念哲学館

そちらで、下記内容にて、私の大好きなガイアシンフォニー第六番の上映会があるようです。

場所も素晴らしく、こちらでの上映会、羨ましい限りです。
第六番ということで、音楽に関心ある方、音に関係するお仕事や』お勉強をなさっている方には特にオススメです。

日時 平成24年3月20日(火・祝)
    10:00~ 13:00~ 16:00~ 19:00~
料金 一般500円(当日券のみ)
    小中高生・哲学館友の会会員無料
出演 ラヴィ・シャンカール(シタール奏者)、ケリー・ヨスト(ピアニスト)、
    ロジャー・ペイン(海洋生物学者)ほか

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

擔雪II法務管理 封筒に宛名を印刷する方法




120223-1.gif


宗教法人管理システム「擔雪II法務管理」では、封筒に宛名を直接印刷することができます。この方法ですと、宛名を封筒に直接印刷しますので、宛名シールは不要になります。また、封筒に宛名シールを貼り付ける作業も省くことができます。

この作業のポイントは、プリンタのプロパティで印刷の向きを180度回転して印刷を行なう点です。

封筒に印刷を行なう際、プリンタの給紙トレイに、封筒の上端部(フタのある側)から挿入すると、正しく給紙されなかったり、紙詰まりを起こしやすくなります。
そのため、この作業では、プリンタの給紙トレイに、封筒の下端部(フタのない側)から挿入します。併せて、プリンタのプロパティで印刷の向きを180度回転する設定に変更して印刷を行ないます。

印刷の向きを180度回転する設定については、プリンタのメーカーや機種によって異なりますので、一例としてご紹介します。

擔雪II法務管理 封筒に宛名を印刷する方法の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (1)  | Trackbacks (0)

行者堂 -三重県伊賀市-




120222-1.jpg

昨日の正月堂に引き続き、近くの行者堂(伊賀市島ケ原)も訪れましたのでご紹介を。

“行者”と名がついているので皆さんもおわかりかと存じますが、役行者(えんのぎょうじゃ)ゆかりのお堂です。
巨大な岩盤の重なる隙間に、役小角(えんのおづぬ)が祀られています。江戸時代に大峰山からもらいうけたと言われる像だそうです。私が今まで見てきた像よりも若く凛々しく美しいお姿をされた像でした。

この、役小角。修験道の祖と崇められますが、伊賀忍術にも関係しているのでは?!との説もあるようで、確かに数々の伝説を思えば、さもありなんと思うわけで、想像膨らみます。

川を挟んで対岸には、南北朝時代の作と伝わる阿弥陀磨崖仏があります。
阿弥陀如来様なわけなのですが、密教と関わりの深い役行者が祀られるようになり、大日如来として崇められるようになったのだとか。なんともおおらかなこと。
南北朝時代の作ながら、はっきりとそのお姿を拝見できました。

木津川の上流で、その水の清らかさも清々しく、寒いながらも気持ちの良いお参りとなりました。
正月堂まで来られたなら、是非こちらにも。
その他にも様々な歴史が刻まれている土地。この界隈はとても興味深いです。

120222-2.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

正月堂 -三重県伊賀市-




120221-1.jpg

三重県伊賀市は島ヶ原にあります、正月堂(観菩提寺)を訪れました。

こちらは、東大寺の別院とも伝わり、毎年2月の11日、12日に行われる修正会(しゅしょうえ)が東大寺のお水取りの起源ではないかと言われているそうで、まさにその東大寺にてお水取りを始められた実忠和尚(じっちゅうかしょう)が開山と伝わるようです(元々この地に草庵があったのを再興したとの伝もあり)。
今度は機会があれば、この実忠和尚がお水取りの行法を授けられたといわれる笠置寺(京都府相楽郡)を訪れたいと思っています。

古都奈良に春を告げる修二会の行事を来月に控え、私の関心はその縁起などに向けられていますが、なかなかどうして色々な伝説があり、夢のよう。とても面白いものです。

こういった古から続く行事の事を色々と調べ、関係する地を訪れてみると、今まではバラバラだった日本の歴史や宗教や様々な土地と土地との関連性が、少しずつ線となって繋がり、身に染みてわかってきて、さらに楽しくなってきます。

福森雅武先生が、「なんでも、自分の足で訪れて自分の目で見て、体感してきなさい」と仰るのがなんとなくわかってきたように思います(まだまだと言われるでしょうが……)。

ネットやテレビに溢れる情報のみで、知ったつもり、わかったつもりにならぬよう、気をつけたいものです。

120221-2.jpg
by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

雨水 ―二十四節気―




20120219_0.jpg

昨日(2/19)は、二十四節気の第二、「雨水」でした。雪が雨に変わっていく時節ということです。ですが、一昨日には京都市内まで積雪し、自坊の付近も、こんなふうにまた雪で真っ白になりました。

今年は大雪の冬になってしまいましたね。各地でものすごい豪雪が記録され、除雪作業中の事故も沢山あったと報道されています。まだしばらく寒気によって雪が降ることでしょうが、そろそろ店じまいしていただき、早く春の陽のぬくもりを感じたい今日この頃です。

でも、一昨日の雪の一日から一夜明けるとカラッと青空がひろがって気持ちのいい朝がやってきました。そしてもうすぐ、こんなふうに春もやってきてくれるはず。

20120219_1.jpg

雨水 ―二十四節気―の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

『床の間の禅語』 河野太通著




120217.jpg

1984年初版の、河野太通老師(妙心寺派管長)による禅語の本、『床の間の禅語』の新装並製本が新たにできあがりました(※口絵以外の本編は初版の復刊です)。

禅語の本は数多く出版されていて、どれを選ぶも個人の自由。
それでもやはり、“まっとうなもの”を選んでいただきたいな……と、我が研究所の本をアピールする次第です。
心に響く時、響かない時、その時々によって禅語の捉え方、受け取り方は様々かと思います。

ですからこそ、ずっと手元に置いていただきたいなと思う一冊です。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

不審花開今日春




120216.jpg

春夏秋冬、日本には何らかの花が咲いているわけなのですが、春が近づき、梅の蕾がほころび出すと思い出す禅語があります。

不審花開今日春(いぶかし はなひらく こんにちのはる)

不審とは、いぶかしく思う心、不思議だなぁ……と思う心なわけですが、花が一輪開くのを見て、生命の、大自然への畏敬の念を持つ心、今という時を大切に思う心、その心を、尊いなぁと思います。

この、生命への尊厳を忘れぬ心を我々一人でも多くの者が持っていられたなら、自然環境を傷つける事も無いのだろうなと思います。

そんな事、あんな事に思いを馳せながら、禅文化研究所から皆さんに色々と禅に関すること、ものをお届けしています。

日本人の精神性の深いところに影響を及ぼしてきた禅の哲学、世界観。
この度4月より、活動の公益性が認められ、公益財団法人となります。

響く人、響かない人、響く時、響かない時、それはもう色々でしょうが、「継続は力なり」。
発信し続けてゆきたいと思いますので、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

涅槃会




20120215.jpg

本日2月15日は、お釈迦様が涅槃に入られた日にちなんだ涅槃会が、宗派を問わず、各地の寺院で勤められていると思います。
自坊は、私の勤務の都合上、先日の日曜日に先だってお勤めしました。

先日のブログ「絵解き涅槃図」でもお知らせしましたが、絵解き涅槃図の仕事をしたお蔭で、今まで漠然としか知らなかった涅槃図の登場人物のことがわかったので、自坊の涅槃会の際に、檀家さんたちにお話ししてさしあげました。
岡澤さんのように流暢に絵解きをすることはできませんが、御釈迦さんのご生誕から修行、成道のあと、長い長い布教の旅を終えて、この沙羅双樹の林の中で横たわられたこと。悲しみで気を失う阿難尊者。お釈迦様を産んで7日で亡くなった母・摩耶夫人が天界から阿那律尊者に先導され降りてこられる様子。
お釈迦様のまわりでは、菩薩様までが涙を流している。お弟子たちの他に、信者である在家のものたち、龍、夜叉、乾闥婆、阿修羅、迦樓羅、緊那羅、摩ご羅、多くの動物までが悲しんでいます。4本の沙羅樹は枯れ、4本の沙羅樹は青々としている四枯四栄のこと、などなど。
説明の域を出ませんでしたが、檀家さんたちは、熱心に聞いてくださいました。

自坊の涅槃図も四畳半ほどもある大きな軸ですが、なぜにこんなにも大きな軸なのか。天井から吊るしてもすべてを拡げるには無理で、下の動物たちは畳の上にいます。その前で立っている私は、そこでふと気が付きました。
こうして、自分がいる場所と繋がるようにして涅槃図があるのは、まさに自らがこの釈迦涅槃の場に居合わせているということを感じさせるためではないのかと……。

長い間、毎年かけてきたために軸は痛み、聞いたところ修理にはたいそうなお金が必要なようですが、できるだけ大切に大切に保存していきたいと思った次第です。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

禅はいずこに……




120214.jpg
羽釜で炊いた、菜の花とじゃがいものスパイスごはん(バスマティ米)


「京都なんてところにいたら、禅が身近ですよねぇ」。
というセリフをしばしば耳にします。

確かに、多くの禅寺があり、家の前を雲水が托鉢して歩き、坐禅会なども頻繁に行われ、環境としてはとても“禅”に近いように思います。
ですが、我が研究所から刊行しました、所長・西村惠信の著書『禅語に学ぶ 生き方。死に方。』にもありますように、「禅はどこにでも転がっている」わけです。恵まれた環境があっても、無い人には無い。環境がなくとも、ある人にはあるのかなと思うわけです。

禅ってそれじゃあ何なの?ってことになるのですが……。

私事ですが、友人がお店をオープンします。彼女は子育てをしながらご主人と二人三脚で、古い町家の改装なども自分たちで工夫して行い、開店の準備をすすめています。
まだオープンはしていないのですが、彼女の作る料理が大好きで、お願いしてお昼御飯をいただきに、友人とお邪魔しました。

卵や牛乳、肉・魚を使わないお料理で、いわゆる今流行りのマクロビ、精進料理のようなお料理なのですが、どこにも属さない、ここでしかいただけない、彼女流のお料理なのです。

お料理をいただいていると、私の友人が「いつもよりよく噛んで食べられる」と。
それぞれの素材が、今まで食べたこともないような方法で調理され、彼女の感性によってスパイスが使われたり、とても工夫されているわけなのです。

すべてが新鮮で、香りにも食感にも敏感になり、おのずと五感を研ぎ澄まし、よく噛んで味わっていただくようになり、明らかに、心も身体も喜んでいました。

私が私の主人公となり生きている彼女を見て、また、素材の命を生かし、それを食する者の命(身体も心も)をも生かす料理を作る彼女に、「禅のある人だな」、「ここへ来ると、そこらじゅうに禅が転がってるな」と思い、味わい深い良い休日となったのでした。

みなさんの周りにも転がっている“禅”、探してごらんになってみてください。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

日本独自の意匠




120213.jpg

茶の湯の稽古に通い始めてはや11年。
時を経てもなお、いつもいつも茶室には新鮮な驚きや感動が詰まっています。

先日のお稽古での主菓子は、“早蕨”。
さまざまなもののデザインに登場し、日本人の目にはさほど珍しくない早蕨の意匠ですが、外国の方はどのように思われるのでしょうか。私の大好きな意匠です。

土から顔をのぞかせる早蕨を見て、美しい、かわいらしいと感じる日本人の、先人の感性の豊かさに感動し、この国に生まれた事をありがたいなと思います。


*ご質問がありました。主菓子の御製は、兵庫県尼崎市武庫之荘にあります、阿波屋千鶴(あわやせんかく)です。ご主人は京都で修行されていたそうで、上品な甘さにて、四季折々とても美しい主菓子を作ってくださいます。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

『禅文化』222号 技を訪う -建築家 木島徹-




120210-1.jpg


日々の生活で出会った素晴らしい様々な“技”を、季刊『禅文化』にてご紹介しています。
本ブログでもご紹介させていただきます。
その他の記事はこちらから。
--------------------------------------------------------

季刊『禅文化』222号より
“技を訪う -建築家 木島徹-”  川辺紀子(禅文化研究所所員)

 八年ほど前のことだが、たまに洋服を買っていたショップが、異国情緒漂う神戸の旧居留地に路面店としてオープンすることになり、二階の一角に和の器、漆器、工芸品などを扱う店ができるという。服もさることながら器も好きだった私は、「これは一石二鳥……」と、楽しみにでかけた。その日のことは今でも鮮明に覚えている。

 ショップの雰囲気とはまた異なる洗練された空間は、とても新鮮だった。奇をてらったものではなく、しごく自然でどこか懐かしく居心地がいい。無駄を極限まで削ぎ落とした土と木の空間。茶室のようだけれど、もっと気軽で、どこにでもありそうなのに、どこにもない。ほのあかるさの中で見る器や工芸品の輝き。買い物をして、カウンターに腰かけ、目の前の床に飾られた掛け花入れと季節の花を愛でながら、お干菓子とお茶をいただく。現代的なショップと茶室に近い空間が気持ちよく共存するのを楽しみに、度々そこを訪れるようになった。
 気になるものをみつけたら、いつか手元に置くこともあるかもしれないと、作家さんや職人さんについて調べることはあったが、“建築”については、「誰がこの空間を設計したのか」といった詮索もせず、「さまざまなものを手がけた老建築家が、最後にゆきついた、簡素で枯高な作品なんだな、茶の湯を嗜んでおられる方かもしれない」などと、ひとり勝手に楽しい想像をしていた。

『禅文化』222号 技を訪う -建築家 木島徹-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

冬の天龍寺




120209.jpg

仕事にて、天龍寺を訪れました。
嵐山界隈もさすがに雪の降るこの日は人も少なく……。

ですが、そういう冬の、凛と張り詰めた空気の日に禅寺を訪れると、もやもやしていた事、何となく不安だった事を、「悩んで考えていても仕方ないか」とスッキリ払ってくれる心地がします。

曹源池庭園は、まさに開山夢窓国師の作庭で、古えより今もなお、雲水(修行僧)達がこのお庭の前で夜坐を行ない、心の塵や埃を払い清めているのです。
お庭が素晴らしいのは、そうやって、修行僧や参拝の皆様に眺められて、その“気”を感じて育っていっているからだと思うのです。庭と人の間に交流があるのだと思います。

さて、禅寺の庭の記事を、『禅文化』223号より掲載しています。
第一回目は、-鎌倉瑞泉寺と大徳寺大仙院の庭園-でした。
次回224号では、この曹源池庭園がとりあげられます。お楽しみに!

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

千住真理子さんコンサート -シンフォニーホール-




120208.jpg


彼女が紡ぎ出す音色に、「本当に優しく、慈しみ深くあるということは、とても柔らかく強くあること」と、改めて思いました。
しなやかな強さが無くては、深い慈しみを帯びた音色は奏でられないのでしょう。
彼女の人としての在り方、その人生が音に出ていて、感動することしきりでした。
“気付き”を与えてくれる演奏に、心底酔いしれた休日。

今回は特に、東日本大震災への思いを込めて、“祈り”が込められたもの、崇高な趣きある曲が選ばれ、チェンバロとヴァイオリンが奏でる音が、聴いている者を時空を超えた世界へと誘うかのようでした。
美しいものというのは、尊くありがたいですね。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (2)  | Trackbacks (0)

絵解き涅槃図




2012_nehanzu.jpg

来たる2月15日は、各地のお寺にて、お釈迦様が涅槃に入られた日を記念して行なわれる涅槃会の日です(旧暦により3月15日に行なわれるお寺もあります)。

涅槃会には、本堂に涅槃図という大きな軸がかけられます。涅槃に入られ、北枕で右脇を下にして安らかにおやすみになるお釈迦様の周りを、菩薩や羅漢、そして動物など、お釈迦様から教えをさずかったものたちが沢山集まって、涅槃を悲しんでいる絵が、この「涅槃図」というものです。
ただ私自身、そこに描かれているどの人が誰かといったことを、ほとんど知らずにおりました。

そんな折、先般、私は「涅槃図絵解き」というものを拝聴してきました。これは日本三大長谷寺の一つ、長野長谷寺の寺庭夫人・岡澤恭子さんが、真言宗智山派総本山の智積院にて、智積院専修学院の学院生にむけてされた講座でしたが、縁があって、一緒に拝聴させていただくことができました。
今のようにテレビや映画がない時代には、「絵解き師」という人が全国を回って、こういった涅槃図だとか地獄絵などを絵解きして歩いていたとのことで、今はそういった人たちがほぼいなくなってしまっているとのことでした。岡澤さんは、少しでも絵解きができる人が増えてくれればという思いと、自ら絵解きをして多くの人に、その絵に対して、あるいは絵に描かれている人のことを好きになるようにと思って活動されているとのことでした(交渉すれば、各地に絵解きにお越し頂けるようです。詳しくお知りになりたい場合は、禅文化研究所:西村までお尋ねください)。

そしてもう一つ、先頃、禅文化研究所はこの涅槃図をデジタル画像にして、妙心寺派教化センターと花園大学国際禅学科との三者共同事業にて、そこに描かれている人や動物、器物を解説し、そしてそれに関しての妙心寺派布教師による法話をリンクした、「WEB版 絵解き涅槃図」を構築し公開いたしました。

その場にいるだけでまるで涅槃のその場に居合わせるような気持ちにさえなってしまう絵解き師による絵解きには遙かに及びませんが、少しでも涅槃図のことがわかっていただければと思います。どうぞご利用ください。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

「大拙を識る」連続講座(金沢市・鈴木大拙館主催)




news_nishimura_pdf01.jpg

先般のブログ記事にもありました金沢市の鈴木大拙館では、開館記念「大拙を識る」連続講座として、禅文化研究所西村惠信所長による3度にわたる講演「鈴木大拙の原風景」が催されます。
会場は大拙館近くの金沢歌劇座(第3・4会議室)で、定員70名につき往復ハガキでの申し込みが必要で、多数の場合には抽選となるようです。受講料は3回分で1500円。
申し込みについて詳しくはこちらをご覧ください。


関連書籍:『相貌と風貌』(禅文化研究所発行)

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

節分会、そして立春 ―二十四節気―




20120203-1.jpg

まずは自坊で満開の蝋梅から。
今日は節分。各地で節分会が行なわれていることでしょう。

禅文化研究所事務局長が宗務総長の重責を勤められる嵯峨・天龍寺でも、今日は節分会です。朝8時から午後5時までのようですから、お近くの方は参詣されては如何でしょう。
福笹・絵馬授与/ 大福豆撒き(午前11時30分ごろ・午後1時30分ごろ・午後3時30分ごろ)/節分大茶会(裏千家淡交会)/書道・絵画展(嵯峨・嵐山・広沢小学校、嵯峨中学校)/甘酒無料接待など、楽しそうな行事があります。
局長は後日、この大福豆を職員にも配ってくださるので私もいただくのですが、とても美味しい豆で、毎年元気をいただいています。

そして節分の翌日である明日は二十四節気の第1「立春」です。今年は西高東低の冬型の気圧配置が長く続き、東北から日本海側を中心に大変な大雪に見舞われているようですが、暦の上ではもう春。豪雪地帯の方々にはもう少しの辛抱ですので、どうか事故のないようにお過ごし頂きたいと思います。

立春の早朝に曹洞宗の禅寺では祈祷会を行ない、「立春大吉」と書いて三宝印を押した札を山門等に貼るようで、檀家さんにも配布したりされるようです。
この曹洞宗の風習は、道元禅師がある立春の日、五色の瑞雲を修行者たちと共に見られた時に、「大吉祥」と喜ばれた故事によるとのこと。どおりで臨済宗では見たことが無いはずです。

どうか、今年の春には、世界中に、災難のない、大吉祥なうららかな日々が訪れますように。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

古都フエの大教会 -ベトナム-




120202-1.jpg

ベトナム紀行。
以前、臨済宗・ティエンムー寺を紹介しましたが、このティエンムー寺がある古都フエは、町が世界遺産に登録されています。
ホテルからの風景は上のような感じ。やはりフランス統治時代を思わせる建物が大半を占めますね。

ベトナムには仏教徒が多いのですが、熱心なクリスチャンも人口の約7%ほどを占めていると言われます。
興味深かったので、ホテルの部屋から見えていた教会にも行ってみました。

120202-2.jpg

フエ大教会。この建築、何様式というのでしょう……。なんとも不思議なつくりなのでした。

古都フエの大教会 -ベトナム-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

魯山人寓居跡 いろは草庵




120201.jpg

良い時代だなぁ……と、感慨深く。

石川県は加賀市の山代温泉にある、魯山人寓居跡にお邪魔してきました。
現在は、いろは草庵といって、魯山人の人生の軌跡を辿れる場所となり、公開されています。
集まるところには集まるのですね、面白い人が……。
賢人達の交流を、ことのほか興味深く拝見しました。

昔から、家人の趣味で魯山人の料理に関する本や器の図録を多々見てきました。
好きかと言われれば、個人的にはそれほどでもないのですが、やはり面白い方だなと思います。

京都では、何必館に魯山人の器や書が多く所蔵され、公開されたりしています。
お好きな方は是非!

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)