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この一年、ありがとうございました

2007も暮れ行きますね

本日12/26より新春1/6まで、禅文化研究所は冬期休業に入らせていただきます。
この一年も、禅に関する事のみならず、職員のつれづれ日記のようなこのブログをご覧いただき、誠に有難うございました。感謝申し上げます。

この一年を振り返りますと、我が国日本は、あまりにも様々な事件が起こりすぎて、1つ1つを思い出すには心苦しいほどですが、それも全ては一人一人の「気」・「こころ」が原因となって、大きな問題へと発展しているように思われます。
『~の品格』という本がベストセラーとなるあたり、国民も何らか不安を抱き、このままではいけないと思う気持ちが確かにあるのでしょう。
禅文化研究所としては、初代所長の山田無文老師の著作にもあるように、改めて『自己をみつめる』事が必要なのではないかと考えます。
文明の発達した国の民が、社会の価値観、周りの価値観に囚われて、自己をみつめる事無く流されて生きた時、物質的には充たされていても、何だかわからないままに空虚感・喪失感を抱くのではないでしょうか。
日々常々、自己をみつめつつ、ものに囚われず、真摯に生きていきたいものだと思います。

さて、次回ブログ更新日は、1月7日となります。
少し間があきますが、どうかお忘れ無く、来年もご高覧賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

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杭州 銭塘江と六和塔 -中国3-

西湖

北京での業務を終え空路2時間弱、杭州へ。 杭州には李建華さんの友人で、今回の邦訳のお手伝いをしてくださる王さんがおられる。 空港まで愛車でお出迎えいただき、さっそく市内のホテルに移動して打ち合わせを行なった。

西湖 花港観魚

西湖の遊覧

さて、実は杭州には初めて来た私としては、ちょっとした観光時間も楽しみにしていた。 私は滋賀県に住んでいるので、湖があり緑も多い杭州は、北京や上海と違い、とても落ち着いた気持ちになった。 街の西にある西湖は、美しい景観を楽しむことができる名勝区であり、数々の文化財もある。

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ヒムロー織り -インド・オーランガバード-

himuro1.jpg

オーランガバードは、織物の産地として知られています。
アジアを旅すると必ず織物をチェックする私は、今回ももちろんのこと、タクシーの運転手任せではありますが、織物工場へ。
特にここで有名なのはヒムローと呼ばれる織物。交渉すれば安くなるでしょうが、最初に言われた値段でだいたい90ドル~100ドル前後。織りあげるのにかかる手間と、シルクだという事を考えればやはりそれくらいはするでしょうか。
ただ、きらっきらの派手な(色々な物があるのかもしれませんが)ヒムロー織りのサリー、日本での利用方法が思い付かず、ただ着るだけ着て写真を撮らせて欲しいとお願いすると、なかなかいい料金を言ってきましたが、着る機会も無いだろうということで着させてもらうことに。
今回インドで、サリーを着るだけ着て写真を撮りたいと、そういう店が無いか探したのですがみつかりませんでした。観光客には受けると思うんですが誰かそういう店を始めないものでしょうか…。

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禅僧のことば -妙心寺管長-

妙心寺法堂

平成21年に開山無相大師の650年遠諱を迎える妙心寺は、連日のように地方からの団体参拝者を受け入れている。法堂には五色幕が吊るされ法要ムード一色である。3400の末寺を擁する妙心寺は塔頭だけでも46を数える。勅使門から三門・仏殿・法堂と一直線に建ち並ぶ伽藍の偉容と広い境内は、さすがに臨済宗最大の本山の趣きがある。

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Flowers and Plants in Tibet -№14-

チベットの草花

禅文化研究所客員研究員・李建華さんのご子息、叡(えい)さん による、チベットの草花の写真です。
硬そうな土、栄養分や水分などは含まなさそうな大地から力強く生えて、赤い実をみのらせています。

専門家さえその品種を特定するのが難しい植物もあるとの事で、植物の詳しい説明は避けたいと思います。どうか、写真をお楽しみ下さい。
尚、チベットの植物について詳しい方がいらっしゃいましたら、どんどんコメント宜しくお願い致します。

追伸:お父さんの李建華さんによるチベット紀行もご覧下さい。
チベットの厳しい自然の写真は、ご覧いただくだけでも価値あり!です。

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北京での仕事 -中国2-

電飾の天安門広場

今回の訪中は、主に2つの仕事のためである。 その一つは、研究所が事務局を兼ねている、臨済宗黄檗宗の公式サイト、臨黄ネットホームページの中国語版を作成するため、その翻訳についての打ち合わせである。 既に、英語版ページは去年の冬からオープンしているが、今度は中国に向けても発信しようということになっている。そもそも禅は中国から渡ってきたわけであるから里帰り的ではあるが、日本と中国の友好を深める意味もある。

もう一つの仕事は、研究所が日本国内で発行発売している書籍の中国語版の出版についてである。現在、予定に上がっているのは、禅僧の修行生活を絵をつけて書かれた『雲水日記』、山田無文老師の説話集『和顔』および『愛語』。この3種類である。

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大徳川展-東京国立博物館-

大徳川展

来場者が40万人を超え、大成功のうちに終了したという大徳川展。
ちょうど出張中に行く事ができました。
「二度とない!」の文句に、平日でもものすごい賑わいでした。
日本人ならどれだけ歴史音痴でも知らない人はいない徳川家康。
その家康を頂点とする徳川の各御家のお宝がおでましとあれば、日本人としてはさほど興味が無くとも出向いてしまいそうです。
少し前から司馬遼太郎にはまって読み続けている私にも、リアルに当時を想像できる様々なものがお出ましで、非常に興味深く楽しむ事ができました。
日本史を、つめこみの勉強としてしかとらえられない学校の授業(私がそうであっただけかもしれませんが)が、こういった展覧を観る事によって、楽しくてもっともっと知りたいものになれば…と思いました。

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禅僧のことば -黄檗宗 萬福寺管長-

東方丈_萬福寺

晩秋の終わりが近づいた一日、宇治市にある黄檗山萬福寺を訪れた。京都市内の紅葉で名高い寺院は、この時期は朝早くから参拝者で賑わっているが、ここ萬福寺はそれほどではなく、早朝の凛とした空気が心地よい。

切妻造りの総門から境内に入ると、三門、天王殿、大雄宝殿と中国風の伽藍が建ち並び異国情緒に溢れている。天王殿には弥勒菩薩の化身とされる布袋和尚が中央に祀ってあり、でっぷりとした腹を突き出した姿は仏像とはいえ実に微笑ましい。茶室有聲軒近くにある黄檗の木は山号の由来となった樹木であるが、病気のためか幹の途中から切り取られ、今は僅かな枝を残すのみである。
さて、今回の訪問の目的は、以前にもお伝えした臨済宗黄檗宗の各派管長に出演いただくビデオの収録のためで、初回は仙石泰山黄檗宗管長である。撮影には境内奥にある東方丈を使用させていただいたが、庭の紅葉は今が見頃で白砂とのコントラストが美しい。

黄檗宗管長

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ビービー・カ・マクバラー -インド・オーランガバード-

ビービー・カ・マクバラー

久々にインド旅行記です。
17時間の列車の旅にて到着したオーランガバードの街を散策。
タージマハールをモデルにして建てられたというビービー・カ・マクバラーへ。
タージマハール建設ほどの国費を使うわけにはいかず、大理石が使われたのは墓標周辺とドームのみ。アウラングセーブ帝の妃の廟墓で、1678年に息子のアザム・シャーが建てたとの事。

デカン高原に唯一残るムガル王朝の建造物とのことで、見逃すわけにはいかないはずが、海外からの観光客はほぼ見られず、地元の人、あるいはインド人旅行者ばかりでした。ツアーで来ると、おそらくオーランガバードでの滞在は、アジャンタ・エローラ遺跡の観光の為のみで、このような遺跡には足を運ばないのかもしれません。
タージマハールと比べられ、貧相であるなどと言われるようですが、私はこちらはこちらで大変気に入りました。総大理石のタージマハールが素晴らしく美しいのは当たり前ですが、こちらはこちらで寂びていてまた良かったのです。日本人的な感覚で見れば、「総大理石ではないし、タージマハールより小さくてつまらない」とはならないはず…だと私は思います。

廟より見る雄大な景色

廟からは雄大な景色が広がっています(デカン高原)。雨期のため、緑も美しく素晴らしい眺めです。タージマハールはアグラの町中にあるので、こうはいきません。アジャンタ・エローラの石窟観光の為オーランガバードに滞在する方は、お時間があれば是非こちらにも行かれる事をオススメします。

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表千家北山会館 -元伯宗旦展-

元伯宗旦展

京都北山にある表千家北山会館では、12/20(木)まで、「350年遠忌記念 元伯宗旦展~残された手紙にみる生涯と茶の湯~」と題して、主に宗旦の手紙を中心とした展観が楽しめます。

宗旦ゆかりの道具などを単に見て感じるのみならず、実際に宗旦からその子息、江岑宗左に宛てた手紙、大徳寺の和尚方とのやりとりなどを拝読する事によって、宗旦の近辺の事、その思い、時代背景などが詳しく理解でき、展示されている消息全てに詳しい解説があるため、非常に勉強になる展示でした。
まるで歴史の教科書を詳しく勉強しているかのごとく、宗旦と交流のあった公家、武士、僧侶、町衆などが次々に登場し、歴史に詳しくない者にはいささか高度な内容であるかもしれません。
ですが、信長から秀吉、徳川へと急激に時代が動いたこの頃の、茶人を始めその周辺の才能溢れる人達の身辺が伺え、茶道や歴史が好きな者には、大変魅力的な内容でした。
なかなか自分自身で勉強するのが難しい内容かとも思われますので、このチャンスに是非足を運ばれると良いかと思います。

ちなみに、元伯宗旦とその子息、宗左については、現在『茶道雑誌』にて連載中の「掌のつむじ風」が大変読みやすくおもしろくて、毎月私は楽しみにしています。

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年末年始休業について

年末年始のお知らせ

禅文化研究所は、12月26日から1月6日までを年末年始の休業といたします。
1月7日より通常通り業務を行ないます。
ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願い申し上げます。

なお、書籍等は25日14時までにご注文いただきましたら、年内に発送させていただきます。
お急ぎのご注文はお早めにお願い致します。

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MIHO MUSEUM -MIHOコレクション 大いなる時を超えて-

MIHOミュージアム

開館10周年記念特別展Ⅲ-大いなる時を超えて-(12/16まで)と題された展示を拝観しに訪れました。
まず最初に我々を出迎えてくれるのが、なんともいえない表情の犬の埴輪。教科書で学んだ物ともまた違う感じで、『日本書紀』には、野見宿禰(のみのすくね)が日葉酢媛命(ひばすひめのみこと)の墓へ殉死者を埋める代わりに土で作った人馬を立てることを提案したとあるようで、現代の考古学研究により、この説話は否定されているようだが、日本書紀を信じた方が、時の権力者の慈悲に触れられるようで、ロマンがあって良い(そういうものではないのかもしれませんが、お聞き流し下さい)。

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オリンピックを迎える北京 -中国 1-

北京

星野監督率いる日本野球チームが、北京オリンピックの出場を決めた。 その激戦のころ、研究所の刊行物を中国語化して中国でも売ってもらおうと、短期間ではあるが、久しぶりに中国北京を訪れた。 来年の夏にはオリンピックが行なわれることで、いろいろと注目されている北京である。

オリンピックへのカウントダウン

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2008年 禅語カレンダー

以前にもご案内申し上げましたが、年も暮れてきたところで再度ご紹介を。
2008年の研究所発行禅語カレンダーです。
お値段も手ごろですので、年末年始のご挨拶・贈り物と一緒にいかがでしょうか。

禅語カレンダー08

今年は、天龍寺第7代管長、また天龍寺僧堂師家として多くの雲水の指導にあたられた関精拙老師(1877-1945)の画より選りすぐりの12枚。
毎月、精拙老師の画や賛と、それにあわせた禅のことばを楽しんでいただけます。

50部以上、100部以上のお申し込みにつきましては、1部あたりの価格も割引き価格となり、50部以上からは、カレンダー下部に寺名や社名などの刷込み印刷も承ります(100部以上なら刷込み無料)。

詳しくはこちらから

【表紙・ねずみに乗った大黒天】
手に持てる 打ち出の小槌 振り回し
何を出すやら 大黒の天
布袋頭、解開し了わり
十方世界、蕩蕩として辺無し

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京都の紅葉 -大沢池-

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日本三大名月観賞池のひとつである大沢池に訪れた。
大沢池は大覚寺の東側にあり、離宮嵯峨院の庭池で日本最古の庭池だそうだ。

大沢池には散策路が整備されており、池の周囲をぐるっと散策することができる。
この日も紅葉を楽しむ人たちがたくさん訪れていた。

風が吹くたびに紅葉した葉がひらひらと舞い落ち、色とりどりの落ち葉が秋色のじゅうたんとなっていた。その光景はとても美しく、そしてどこか切なくも感じた。

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元伯宗旦と樂茶碗 -樂美術館-

樂美術館

以前にも書きましたが、今年は元伯宗旦(千利休の孫にあたります)350年忌の年にあたり、京都の美術館では、宗旦にちなんだ展観が数多く見られます。
樂美術館もその1つで、長次郎が作った茶碗の中で、宗旦書付のある名碗や宗旦好みの茶碗、また、樂家歴代の茶碗を拝見する事ができます。

宗旦といえば、熱心な参禅の徒であった事、どこの藩にも茶堂として身を置くことをしなかった事、侘びさびに徹底していたというイメージがあまりに強く、その好みの道具や書付の残る道具とは一体全体いかなるものかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、多くの美術館を訪れ、宗旦のまわりにあった様々な物を見ていると、それだけではない宗旦の色々な面が伺えて、さらにその魅力に惹きこまれます。今回の樂美術館の展示でも、宗旦の新たな面を垣間見させていただけました。

*樂美術館では、様々な所に生けてある花がいつもとても素敵です。それも毎回この美術館を訪れる際の楽しみなのです。

*宗旦については、11/29に弊所発刊の堀内宗心宗匠『歩々清風』に、-元伯宗旦の茶と禅-として、詳しく書かれています。

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聚秀軒特別公開「第5回都伝統工芸の会-京町家で見る京の伝統産業-」

聚秀軒

11月23日(金)~11月25日(日)まで、京町家「聚秀軒」にて、秋の特別一般公開「第5回都伝統工芸の会-京町家で見る京の伝統産業-」と題する、都伝統工芸の会による特別実演が行われた。

この催しは、「京のみやこで古くから伝えられて受け継がれてきた『伝統産業』を多方面に紹介」するために、それらに携る職人さん方によって行われているもので、錺職〔錺屋 松田潔祀〕、京仏師〔村上湛雲〕、京表具〔矢口浩悦庵〕、そして組織(くみおり)〔綵巧〕など、和の建築や装いに彩りを添える逸品の数々を鑑賞しながら、それらを受け継ぐ方々の実演や説明がなされる、というなんとも贅沢な試みである。

秀なるものの展示

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茶入・棗の名品 -香雪美術館-

香雪美術館

阪急御影駅ほど近くにある、香雪美術館(神戸市東灘区)を訪れました。
こちらは、朝日新聞創設者の村山龍平翁の蒐集品に加え、初代理事長の村山長挙(玉泉)翁の蒐集した物が所蔵され、春と秋に展示公開されます。
経済界で活躍され、茶の道にも通じた偉人の蒐集品を展示する私設美術館がことに好きな私ですが、それぞれの先人の楽しみ方、趣味趣向に触れられるのも、後々の人達の手によって、所蔵品が大切に受け継がれてきたからこそ。いつも有難く勉強させていただいています。
時を経てなお美しいく、斬新に思える意匠などもあり、茶入・棗の逸品を訪れる人もまばらな静かな美術館で楽しめました。

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