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11月最後の日




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本日で11月も終わり、明日から12月。
なんとなく、忙しい忙しいと言ってはいませんか?
確かに、師が走り出している気がします。

28日の日曜日。今年最後の大徳寺の月釜にお邪魔してきました。
先月旅立たれた表千家の重鎮、久田宗也宗匠ゆかりのお道具類などを拝見し、如何に宗匠が皆に慕われ、尊敬されていたかを思い、しみじみと故人を偲ぶのでした。
中でも、宗匠御筆の「先今年無事 目出度千秋楽」を拝見した時には、時節柄、深く心に落ちるものがありました。
「来年も良いお年を」との御挨拶も耳にし、なんとなく気持ちが焦る思いも。

私が師事しているヨガの先生は、稽古の前にいつも短いお話をして下さいます。
その日も、「あれもしなきゃ、これもやっておかなきゃいけないな」と、なんとなくバタバタと落ち着かない気持ちで稽古に行くと、「この時期になると、なんとなく色々としなくてはならない事に気持ちばかり先走って、結局“今”できる事は1つなのに、思いは違う所へ行っていたりしませんか?」と。心を見透かされているような気がしたものです。
禅もそうですが、ヨガも“今”を大切にします。今に集中し、アーサナ(ポーズ)を行う事で、様々な“気づき”が訪れます。
坐禅をしている時だけ。お茶の点前をしている時だけ。ヨガの稽古をしている時だけ。これらの道が、その時だけのものではなく、少しずつでも、生活にそのまま生きるようになるのが目標です。

ひとまず、「あぁ忙しい忙しい」と口に出すのはやめて、数あるすべき事を、一つ一つ淡々と、でも、心を入れてやっていこう!と思う11月最後の日なのでした。

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萬壽僧堂(大分) 西尾宗滴老師を訪ねて




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季刊『禅文化』の連載記事、-吾が師を語る-の取材で、大分県大分市にある萬壽僧堂にお邪魔して参りました。

閑栖(かんせい)老師・西尾宗滴老師に、御自身の師匠について、様々なお話をお聞かせいただきました。
一番印象的だったのは、師匠の厳しい指導に対して、「ありがたい、感謝」と何度も口にされていた事です。
禅宗の老師方の接化は、それは厳しい事でよく知られていますが、在家の我々にはその世界は想像にも及びません。
それをあそこまで何度も、心底ありがたいと仰るのには、長く厳しい修行の毎日があったからこそなのでしょう。途中で抜け出せば、あそこまでの気持ちには到らぬものと思います。

西尾老師の記事は、来年発刊の4月号に掲載予定です。お楽しみに!

また、インタビュー後は現在の老師、佐々木道一老師とお話をさせていただきました。
時世をみつめ、現代に即した寺の在り方を常に模索されており、敷居を低くする事に努められています。
檀家さんや信者の方も増え、人々が集まって来ている様子。
先日の梅林僧堂といい、今回の萬壽僧堂といい、地方に人々を支える精神的支柱となられる老師方がおられる事に、嬉しく有難く思うのでした。
大分の方は是非、坐禅会などに参加されてみて下さい。

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『笑う禅僧―「公案」と悟り』 安永祖堂著




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『笑う禅僧―「公案」と悟り』安永祖堂著


「最近、気が晴れないし、坐禅でもしてみようか」
「うちの息子、ぐうたらで根性なしやさかい、坐禅でもさせてみよか」

そんなとんでもないこと "やめておきなさい" とは司馬遼太郎さんの言である。司馬さんは、禅は危険な思想だと言う。


昔、マルクス主義が危険だと言われた時代がありましたが、(禅は)もっと根源的な意味で、人間として最も危険な、劇薬の部分を持っています。いいかげんな者が禅をやってはいけないと私は思っています。(本書98頁)

司馬遼太郎のこの言葉を、著者は、抑下の托上、つまり、この上ない褒め言葉だと言われる。


劇薬とは効き目の強い薬物であり、もっと効き目が強くなると毒薬になる。要するに、用いかたによっては薬にもなれば毒にもなる。司馬は「禅は効き目のある劇薬」という言い回しで、そのことを言いたかったのではないだろうか。

禅はどのように効き目のある劇薬か。
本書に取り上げられているのはそのことである。
世間で「禅問答のよう」と言われるチンプンカンプンな話、禅家でいう「公案」とはどんなものなのだろう。たとえば「趙州柏樹子」の章。

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Googleカレンダーに六曜を表示する方法

このたび、禅文化研究所より、Googleカレンダーに六曜を表示する「Google六曜カレンダー」を公開しましたので、お知らせします。
Googleカレンダーは、家族や職場で、お互いの予定などを管理確認するために、手軽で便利なツールです。そこに上記六曜カレンダーを利用すると、お使いのGoogleカレンダーに日本独特の「六曜」を表示することができるようになります。

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【Google六曜カレンダーの特徴】

・Googleカレンダーに六曜がアイコンで表示されるので、予定表示の邪魔になりません。
・当日より未来3年、過去1年、計4年間の六曜を表示します。
・4年間の表示に限定しデータ量を少なくすることで、iPhoneやAndroidの携帯端末でも軽快に動作します。

【Google六曜カレンダーの設定手順】

1.以下のリンクをクリックして、Google六曜カレンダーの設定を開始します。

禅文化研究所Google六曜カレンダー


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2.[ログイン]画面が表示されたら、メールとパスワードを入力して[ログイン]をクリックします。Googleアカウントをお持ちでない場合は[アカウントを作成]をクリックしてGoogleアカウントを作成してください。

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「セキュリティで保護されたWebページのコンテンツのみを表示しますか?」のメッセージを消す方法

「Internet Explorer 8」を使っていると、以下のメッセージが出てくることがあります。

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安全なページであれば「いいえ」をクリックすることで全ての文字や画像が表示されますが、「はい」をクリックすると一部の文字や画像が表示されなくなりますので注意してください。

しかし、メッセージが度々表示されるのはとても面倒です。セキュリティは重要ですが、メッセージが度々表示されるのが面倒な場合は、メッセージを表示しないよう設定を変更することができます。

「セキュリティで保護された…」のメッセージを表示しない方法は以下の通りです。

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『How to do ZAZEN』 -新刊の御案内-




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旧刊“How to Practice ZAZEN”に代わる外国人初心者に適切な入門書としまして、『How to do ZAZEN』を刊行致しました。

仏教や禅、東洋の思想に関心のある海外の方へのお土産、日本で坐禅体験をされた方へのプレゼントなどに是非どうぞ。

詳しくはこちら

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『七十を過ぎてわかったこと』




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先般も御案内しましたが、禅文化研究所所長 西村惠信先生がNHK教育テレビの「こころの時代」に出演しました。
1時間びっちりと、自身の人生観「“人生で一番若い日”を生きる」ということについて話されました。身近にいるものでも今まで聞いたことがなかった話もあり、とてもいい番組に仕上がっていたと思いました。
そういったことも含めて、本人が今の年齢になってわかってきたことがあるといい、著されたのがこの『七十を過ぎてわかったこと -続々・三余居窓話-』(平成22年7月発行)です。この本、図書館選定図書に選ばれています。
今回の収録も、この書籍をベースにして、西橋正泰アナウンサーから質問をされていますので、番組をご覧になって先生に興味を持たれた方にはお薦めの一書です。
先日の放送を、朝早くて見逃してしまったという方、もう一度見たいという方、下記の時間に再放送がありますので、どうぞご覧ください。

再放送:平成22年11月22日(月) 午後2~3時(NHK教育テレビ)


弊所より発売中の著作一覧
七十を過ぎてわかったこと
禅語に学ぶ 生き方。死に方。
十牛図 -もうひとつの読み方-
臨済録をめぐる断章 ―自己確立の方法―
無門関プロムナード
禅坊主の後ろ髪

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京都御苑の秋




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様々な木々が手入れされ、立派に育っている京都御苑内。
この時期は一番の彩りをみせます。
上は、私が毎年注目している木です。このグラデーションに始まり、真っ赤になるまで、とある場所にぽつんと立っている木なのですが、えもいわれぬ美しさです。

先日、岡村美穂子先生のお話を拝聴する機会に恵まれ、「作為と無作為」という事について考えさせられました。
作為ばかりで生きる人間、無作為な自然。

「作為があって当然です。人間なんだし、意識があるんですもの。意識があってこそ確認ができるのよ」。

救われたような気がしました。むろん、その先があるわけですが……。
お話されるおことば、1つ1つが大切にしたいものばかりなのでした。

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システィーナ歌舞伎「スサノオsusanoo」 -大塚国際美術館(鳴門)-




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徳島県鳴門市の、大塚国際美術館にて昨年より始まったというシスティーナ歌舞伎を観劇に訪れました。
私自身、能や狂言は好きでよく観にでかけますが、歌舞伎はどうも苦手でして(ファンの方申し訳ないです、好みです)よほどの機会が無い限りでかけないのですが、システィーナ礼拝堂を模したホール、異空間で行われる近松門左衛門「日本振袖始」のスサノオ?!どういった事になるのだろうと楽しみにでかけました。

歌舞伎役者のみならず、徳島での上演という事で、阿波浄瑠璃や、スサノオという題材から、石見神楽のヤマタノオロチまで登場するシスティーナ歌舞伎版のスサノオ!!!
母方の里が出雲の私としましては、幼い頃より、訪れる度に耳にした神話や地名など、馴染み深い題材という事もあり、一度で何度も美味しいような舞台にひきこまれてゆきました。
クライマックスの高揚感は、なるほど能や狂言では味わえないような、また違う感動があり、芸道の素晴らしさに心打たれるひとときとなりました。

ここでまた、毎度引用して恐縮ですが、弊所発行の『歩々清風』堀内宗心宗匠著の一文を思い出しました。

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「弘雲佛画の心」展 -相国寺承天閣美術館-




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中国人画家、弘雲氏による作品を中心とした日中友好仏教書画展が、相国寺承天閣美術館(京都市上京区)で開催されています。
弘雲氏は1964年生まれ。幼少より中国画を学び、日本画と装飾芸術を研究するために、日本にも留学したこともあり、現在、仏教絵画の創作及び仏教文化芸術の国際交流を中心に活動されています。
今回の書画展は、弘雲氏と関係が深い北京霊光寺と京都霊雲院との姉妹寺院締結5周年を記念してのもので、会場では開催に先立ち、日中両国の仏教関係者多数が集まり、盛大にオープニングセレモニーが行なわれました。
弘雲氏の仏画は、伝統的な中国絵画に日本画の手法を取り入れ、さらに仏教の持つ深い宗教性を感じさせるものです。
この書画展は11/23(火)まで開催され、入場は無料です(但し承天閣展示室観覧の場合は別途入館料が必要)。

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大徳寺近辺の秋




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京の都もぐっと冷え込み、どこを通っていても目に入ってくる“自然が織り成す美しい錦繍”に心奪われる頃となりました。

大徳寺辺りを訪れますと、駐車場付近のけやきなどは上のように色とりどり。
僧堂の紅葉の木はそれは立派。ちょうど今はグラデーションが美しい頃でした。
修行中の雲水達はこの錦に何を思うのでしょう……。

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佐藤初女さん講演会




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以前にもこちらのブログでご紹介させていただきましたが、“森のイスキア”主催の、佐藤初女さんご本人が神戸に来られるとの事で、講演会にお邪魔してきました。

受付で、白い紙を手渡され、「先生が、“分かち合い”の時間として皆さまからのご質問におこたえくださいますので、こちらの紙にご質問があればお書きになってください」と。
“分かち合い”。
なんて良い響きなのでしょうか。講演会だからと言って、一方的にお話されるだけでなく、皆が参加してその場を作る……という所に、初女先生らしさを大いに感じました。

お話なさった事は全てが真理のように思えましたが、中でも、「その人と同じ立場、同じ気持ちになって話を聴きます。ただ聞いているんじゃないんです。話したい事を話して空っぽになれば、そこに新しいものが入ってゆけます」と仰った事が印象的でした。


弊所刊行の、『歩々清風』(堀内宗心著)の中で、宗匠が仰っている事を思い出しました。

お茶を含めて、人を指導するということはひとつの菩薩道であります。菩薩の指導法は、つねに相手と同じ高さまで身を落として、すなわち身を低めて、そうして人を引き上げるということであります。荷物の集配所で働いているリフトのように、その人のところへ行って、荷物と同じ高さまで支台を下げて、荷物を持ち上げ、目的地に持っていくのであります。これは済度するということであります。決して高いところから叱咤号令するのではないのであります。
『歩々清風』-お茶をおしえるという事-より

初女さんの生きる道は、菩薩道だな……と思えたのです。これはあくまでも私の捉え方であって、彼女自身はクリスチャンですし、「ボランティアというのとはちょっと違うと思うんです。私は奉仕だと心得ています」と仰っていました。

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惠信所長が「こころの時代」に出演




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このところ、雑誌記事に掲載されることが続いている西村惠信所長が、下記のとおり、NHK教育テレビの「こころの時代」に出演します。
今年4月に放映された「歴史ヒストリア」に出演では、出演時間がとても短くて、なんともあっけなく、本人の弁でもがっかりしたとのことでしたが、今回は1時間たっぷり、自身の人生観「“人生で一番若い日”を生きる」と題して西橋正泰アナウンサーを相手に語られます。
ご覧いただければ幸いです。


放送日:平成22年11月14日(日) 午前5~6時(NHK教育テレビ)
再放送:平成22年11月14日(日) 正午~1時(NHKデジタル教育3)
または、平成22年11月22日(月) 午後2~3時(NHK教育テレビ)

弊所より発行した著作一覧
七十を過ぎてわかったこと
禅語に学ぶ 生き方。死に方。
十牛図 -もうひとつの読み方-
臨済録をめぐる断章 ―自己確立の方法―
無門関プロムナード
禅坊主の後ろ髪

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白豪寺 -奈良市-




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以前より気になっていたお寺、白豪寺(びゃくごうじ)を訪れました。
古い家屋が並ぶ狭い道、時に田畑を望みつつ歩みを進めます。
立派な参道があるわけでもない、でも、ひっそり佇む古刹への、こういった中を歩く“思索の時”こそ、かけがえの無い時間のように思えます。
途中、縁起物の象徴、石榴の実がはじけていたり、柿の実がたわわに実っていたり、空高く真っすぐに伸びた木が紅葉していたり……。

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長い階段を登って辿り着くと、そこからは……。

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入江泰吉記念 奈良市写真美術館 -奈良市・高畑-




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奈良、高畑界隈の日記が続きますが…。
私が訪れました日は、志賀直哉旧居・新薬師寺・奈良市写真美術館・白豪寺の共通チケットのようなものが発売されていましたので、この-奈良市写真美術館-は、存在すら知らなかったのですが、ついでと言ってはなんですが訪れたのでした。

閑静な住宅街、田畑も残り、すぐ近くに新薬師寺という環境の中、このような素敵な美術館があったとは……。
まず建物が面白いのです。周りの環境を気づかい、建物は1階建て?かと思えば、地下に展示室があるのです。後で調べましたら黒川紀章氏設計との事。

この日の展示は、【平城遷都1300年記念「入江泰吉傑作選―大和路― 後期】でした。
まほろばの里、大和への憧憬の念がさらに増すような写真ばかり。そしてその写真一枚一枚に、入江氏の文章がパネル展示されているのですが、またその文章が良いのです…。奈良の歩き方についてのレクチャーを受けているようでした。

展示室へと階段を降りてゆく正面の壁に、なにやらとてもかわいらしいものが展示されていてひきつけられました…。
私も大好きな画家、杉本健吉さんの陶壁でした。入江氏と杉本氏は親友だったのだとか。


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新薬師寺 -奈良市・高畑-




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新薬師寺。
遷都1300年、ゆかりの品々が展示される正倉院展も開催され、1250年御遠忌の年にもあたる注目の人物、光明皇后が、夫である聖武天皇の病気快復を願い、天平19年(747年)に創建されたお寺です。
当時は荘厳な伽藍を誇ったようですが、唯一残ったお堂が現在の本堂となっています。
御本尊は薬師如来。そのまわりをぐるりと囲む十二神将は我が国最古・最大のものだそうです。

田畑や低く連なる山々の景色を楽しみつつ住宅街を歩いてゆくとひっそりと佇む古刹。
間近に拝む仏像。奈良の空気そのもののような、おおらかな雰囲気をたたえた屋根。
京都の寺社も好きなのですが、まほろばの里、奈良の寺社への憧憬の念はまた格別です。

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志賀直哉旧居 -奈良市・高畑-




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11月3日、文化の日。毎年恒例の正倉院展を観に奈良へでかけました。
が、遷都1300年のイベントなども盛りだくさんなせいか、いつにも増してものすごい人人人!朝9時頃に着いたのですが、既に150分待ちでした。

待ってでも観る甲斐のある素晴らしい宝物の展観である事は重々承知していますが、今回は執着を捨て、前々から気になっていた高畑辺りを散策する事に。
地図もガイドブックも無いまま向かいましたが、執着していた一つのモノ・コトを手放せば、新たな出逢いや発見があるもので…。

奈良市高畑、とても素敵な所です。何回かにわたってご紹介致します。
今回は志賀直哉旧居です。

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秋の澄んだ空気の中、閑静な住宅街の、ハゼもほんのりと色付き始めた並木道を進んでゆくと、看板が出てきます。

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生誕100年特別展 白洲正子 神と仏、自然への祈り -滋賀県立近代美術館-




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今月21日まで、「生誕100年特別展 白洲正子 神と仏、自然への祈り」が、滋賀県立近代美術館で開催中です。生誕100年という事で、各出版社が特集を組んで本を発刊しており、皆さんも御存知かもしれませんが、私の実家では彼女の著作がほぼ全作揃っており、折に触れては目にしてきて、“白洲正子先生”と呼ばせていただいています。

日本人が“美”というものについて考えたとき、どうしても避けて通れないのが信仰だと思います。
様々な“美”を見て感じて学んで、その奥にひそむ“信仰”というものに辿り着いた時、神道と仏教と日本人の美意識との結びつきなどについて、多くの著作や、亡くなられた後も発刊され続けている関連著作からガイド役をしてくれるのが、白洲正子先生です。
最近、殊更に、彼女の残したものは大きいなぁ……と思う私です。彼女のおかげで、様々な美しいものに出逢い、そこから人との和も広がっています。

彼女が足繁く通った近江の地での展観。是非ご覧になってみてください。

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香椎宮




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福岡県福岡市東区鎮座。仲哀天皇熊襲征伐の折、橿日宮にてにわかに崩御、神功皇后はこの地に仮に天皇の御棺を安置し、そのみたまを祀ったのに始まるという。
香椎の名は『続日本紀』『万葉集』など、奈良時代から見える古社だが、『延喜式神名帳』にはその名は記されていない。これは香椎宮が別名香椎廟と呼ばれていたことからも伺えるように、古代には仲哀天皇の廟として認識され、山陵に準じた扱いがされていたらからではないかと言われている、他の神社と同様のものとして扱われるようになったのは平安中期ころのことと考えられる。

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無料フィルタリングサービスのご紹介




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インターネット上にはたくさんの有益な情報や便利なサービスが存在しています。
その一方で、悪意を持った情報や子どもにとって好ましくない情報など、意図せずに有害なサイトを閲覧してしまうことがあります。

そこで「フィルタリングサービス」を導入することで、有害なサイトの閲覧を遮断することができます。

「フィルタリングサービス」とは、子どもの教育や育成上、悪影響を与える恐れのある情報を掲載しているホームページの閲覧を制限するサービスです。

今回は、Yahoo!より無料で提供されている「Yahoo!あんしんねっと」というフィルタリングサービスをご紹介します。

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「Yahoo!あんしんねっと」の主な機能として、有害サイト(ポルノ、出会い系、暴力、自殺、薬物、ギャンブル、違法情報など)をブロックする機能があります。

また、掲示板やウェブチャットを規制したり、ショッピングやオークションを利用できなくすることもできます。

設定方法もかんたんで、小学生以下、中学生、高校生、無制限の4つの段階から選択するだけです。

子どもが安全に安心してインターネットを利用できるよう「フィルタリングサービス」を導入することをお勧めします。

Yahoo!あんしんねっと

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蘇る大通禅師




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大河ドラマで人気らしい「龍馬伝」の原作、『竜馬がゆく』を読んだのは学生になりたてのころだったと思う。初めて手にした歴史小説だったが、すっかり竜馬に魅了されて友人たちに読むように勧めてまわったのを昨日のことのように思い出す。しかし、その後は、必要に迫られての読書に追われて、長い間、歴史物は読まなかった。

研究所がDVDの作成などでお世話になっている映像作家の児玉修さんから、新著『天翔ける白鴎―愚中周及の生涯』(思文閣出版、2010年10月発行)を頂戴した。13年ほど前に、大本山佛通寺開創六百年記念大法要が営まれた際、映像記録作成を担当された児玉氏から、開山である大通禅師(愚中周及)の生涯を絵にすることの困難をしばしばお聞きしていて、まことに限られた資料のなかで、七百年近い昔の一人の人間の生涯を組み立てるのは、気の遠くなるような作業だなと思った記憶がある。

頂いた本を帰りのバスのなかで読み始めたら止まらなくなって、翌朝職場に向かうバスの中で読み終えた。面白い。筋の立て方も秀逸だし、何より文章がほんとうに素晴らしい。愚中禅師の年譜にも載らない空白の十数年、その間の修行専一の禅師の日々が見事に蘇っている。長い間、おそらくは敬愛とともにその足跡を追い続けられた著者の、祈りにも似た禅師の姿が浮かび上がっているのだ。それが事実かどうかなどという問いはいかにも陳腐に思える。真実が緊(ひし)と身に迫ってくるからである。

司馬遼太郎氏の作品と比べて、遜色ないかもしれないなと、ふと思った。
しかし何より、私自身の易きに流れる安逸の日々への深い警鐘となる一書をいただいたことが、とても有り難かった。

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