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神長官守矢史料館 -長野県茅野市-

131031-1.jpg長野・諏訪探訪記のつづきです。
諏訪大社といえば、御柱祭が日本の三大奇祭として有名ですが、その他にもその祭祀に古くは神々に多くの生贄を捧げた事でも知られます。
そんな祭祀の事を知るべく訪れたのは、諏訪神社上社の神官の一つである「神長官(じんちょうかん)」を明治時代まで勤めてきた守矢家の資料館。

131031-2.jpg今回の展示では、守矢家の先代当主と岩波文庫創始者、岩波茂雄の交友についての展示もあり、意外な繋がりに驚いた次第。
諏訪という土地の生み出す人物の面白さに着目する事ができました。
諏訪生まれといえば、こちらの資料館は、守矢家のすぐ近くに生家がある建築家、藤森照信氏の設計で、その建築を再訪し、感じる為にも今回は是非とも訪れたい場所の一つでした。

131031-3.jpg資料館近くの茶室・高過庵

上社の本宮・前宮、下社の秋宮・春宮全てを参拝し、満足のいくお参りとなりました。

余談ですが、藤森氏の建築といえば、私が最もオススメしたいのは、静岡にあります浜松市秋野不矩美術館。インド好きとしては秋野不矩さんの絵も心惹かれてやまないものがあり、大好きな美術館の一つです。

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五観の美 福森雅武×白洲千代子展 ー和歌山ー

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取材でも、個人的にも、いつもお世話になっている土樂窯・福森雅武先生の和歌山市での展覧会のおしらせです。
福森先生がそんなことを?!と私も驚いたものですが、白洲次郎さん正子さんのお孫さんでいらっしゃるジュエリー作家、白洲千代子先生のジュエリーパーツをお作りになられているのです。
たとえば、下の写真でどれがそのパーツかおわかりでしょうか。

131030-1.jpgそう。細長いグレーの石のように見えるパーツです。他にも、鮮やかなブルーが発色したパーツなど、その表情は様々。千代子先生の感性とあいまって新しい世界が創造されていました。
福森先生ご自身は、「新しい事をするのは楽しいし、色々と発見があるもんです」と、いつものごとく楽しげ。「そんな事やったことない」とはねのけるのではなく、いつも、何でも、「いいよ」と仰る先生。ご一緒させていただいていると、いつもたくさんの学びがあります。

131030-2.jpgもちろん、先生の器や土樂窯の工房の作品、土鍋なども勢揃い。和歌山近辺の方は是非その仕事ぶりにふれてみてください。

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11月4日(月・祝)まで

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季刊『禅文化』最新号のごあんない

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10月25日(金)、季刊『禅文化』230号が発売されました。
表紙は普賢菩薩さま。この絵はもともと二幅対になっているのですが、この普賢菩薩さまの橫で何かが起こっているようです。下部に描かれる高い波が向かっている先は!……ぜひ、浅草寺教化部・藤元裕二さんによる表紙解説でお楽しみください。

ご注文は、ネットショップでも承っております。お手に取っていただければ幸いです!


*もくじ*

【特集 臨床僧】
寄り添う/河野太通
生老病死/有馬賴底
「臨床僧の会・サーラ」三年間の歩み/児玉修
一にも二にも僧侶の参加を/佐野泰典
翼をください/木原大萌
病院内のがんサロンに参加して/林晋堂
共に悩み、共に苦しむ/安達円信

ひとくち法話 晴れ渡った大空のように/横田南嶺
惟肖得巌賛の渡唐天神像をめぐって/芳澤元
禅宗語録入門読本19 南泉と趙州/小川隆
モンゴルの中国支配と禅(下之下) 要説・中国禅思想史37/伊吹敦
三余居窓話(余滴・一)/西村惠信
江戸前期の三大禅匠(四)    
―愚堂と雲居、そして一糸、偈頌の応唱―/能仁晃道
ミャンマー探仏記/松山大耕
部分から全体へ 寺院建築入門(二)/佐々木日嘉里
禅僧の死に様(十) 病臥すること七年――華叟宗曇/藤田琢司
善財童子の求道ものがたり(二十九)
三世・十方の仏塔廟の守護者ヴェーシュティラ家長(安住長者)/小林圓照
笶髦€ グラビア 誠拙周樗
睡猫庵歌話(三)             
骨壺の底に―山崎方代の無頼と宗教心―/大下一真
和尚さんの身体講座(四十)                  
安楽坐禅法(十)「3分間坐禅体操」を造ってみた/樺島勝徳
「生飯」と「邇崎虚帚」/山﨑紹耕
技を訪う―慈照寺の花 (一)こみ藁―川辺紀子
寺庭さんのリレー・エッセイ 私の「おてらいふ」/大洞美智子
禅における心身について(三)/佐々木奘堂
表紙解説/藤元裕二

いっぷく拝見
編集後記〈すずろごと〉
『禅文化』バックナンバー
禅文化研究所の本
カット 左野 典子

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実践講座 サンガセミナー 2013年第2回

去る10月16日、禅文化研究所主催の実践講座サンガセミナーの第2回目を開催しました。
会場は京都市内、円町駅に近い法輪寺(だるまでら)。

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午前中は、日展評議員であり日本書芸院副理事長のご高席にもつかれている、建仁寺塔頭正伝永源院ご住職の真神仁宏(まがみ・にんこう)師にお願いし、「毛筆基本講座」と題して、書道の基本をご教示いただきました。

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書道には「筆勢」ということがとても大切だということ。しかも、一文字ずつを、ゆっくり丁寧に書くことが必要だとも。受講者の皆さんは、基本的な筆遣いを習いながら、実際に筆を使い、講師の先生に添削をしてもらっておられました。
時間が少々短すぎたとの声も多く、来年の開催時には、もっと長い講義に改めようと考えております。

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午後は一転して頭をフル回転していただく講義。「論理思考講座 -心の時代に逃げてはいけない-」と題して、㈱プロコンセプト代表取締役、岡野塾主宰の岡野勝志先生にご講演いただきました。

タイトルを見ただけで尻込みしてしまわれるのか、午前中よりも受講者は減りましたが、手元に置かれた資料の他に55ページにもわたるプレゼンテーション画像。受講者はもとより、私たちスタッフもとても考えさせていただける、中身の濃い高度な講座でした。

いくつもの例題を出して話を進めて行かれましたが、講座自体の命題ははっきりしており、すぐに「こころ」ということで片付けてしまおうとする我々宗教者に対して、もっと論理的に考察し、話をすることの重要性をわかりやすく丁寧に説かれました。改めて、「言葉」の重要性を知らされた次第です。

今後、この講座は改めて別の機会をもうけ、もっと多くの方々に受けて頂けるようなことを企画しようと考えており、岡野先生からもご支援いただけるご意向を受けております。どうぞお楽しみに。

 

さて、11月7日に開催します、第3回のサンガセミナーは、3講座を予定しております。
真神仁宏師による「禅書道」、山添耕雲(やまぞえ・こううん)師による「漢詩初級講座1」、田口誠道(たぐち・せいどう)師による「エンディングノート活用」です。まだ受講者枠に余裕があります。お申し込みはこちらからどうぞ。

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禅と文化の旅 募集中

131025.jpg慈照寺内 洗月泉

11月28日(木)に予定しております、第11回禅と文化の旅ですが、おかげさまをもちまして、催行決定となっております。
まだ人数には余裕がありますので、是非ともお申込いただければと思います。

慈照寺研修道場における、―慈照寺の花―につきましては、職員が取材させていただき、本日発刊の季刊『禅文化』230号より4回に亘って連載させていただく事になっています。是非皆さまに、花方・珠寳先生の花を実際にご覧いただき、感じていただきたいと思っております。宜しくお願い致します。

旅についての詳細、お申込はこちらからどうぞ。

 

【今回訪れる場所】

銀閣慈照寺
正式名称を東山慈照寺といい、相国寺の塔頭寺院の一つ。室町幕府八代将軍の足利義政によって造営された山荘東山殿を起原とし、義政の没後、臨済宗の寺院となり義政の法号慈照院にちなんで慈照寺と名付けられました。9歳にして家督を、15歳にして将軍職を継いだ義政は、生涯をかけ自らの美意識のすべてを投影し、東山文化の真髄たる簡素枯淡の美を映す一大山荘を作り上げました。銀閣寺は美の求道者ともいえる義政の精神のドラマを500年後の現代にも脈々と伝えています(相国寺派公式サイトより)。

銀閣慈照寺研修道場
慈照寺が、平成23年(2011)年4月に開場。足利義政公のもとに発展し、日本文化の礎となった東山文化。以来継承され続けて来た茶・花・香を中心に、伝統文化・芸術を護り、伝え、学ぶ場。
その活動は国内に留まらず、永い年月をかけて培われてきた素晴らしい禅文化の底力でもって、ことばのみでは伝わりにくい"禅"をも海外に向けて発信・普及するに到っている。
今回はこちらで、「禅文化の特徴」と題して西村惠信所長の講演を行ない、慈照寺花方・珠寳先生による献花を拝見させていただきます。

●慈照院 大本山相国寺塔頭
延徳2年(1490)足利義政の塔所影堂となり、その法号より慈照院となる。
第七世の仏性本源国師と桂宮家の交流により、御学問所(現在の書院棲碧軒)が設けられた由緒ある塔頭。また、国師と千宗旦との親交による合作の茶室・頤神室が残る。通常非公開ですが、今回は特別に参拝させていただきます。

承天閣美術館 大本山相国寺内

開館30周年記念となる、円山応挙展を拝観。相国寺・金閣寺・銀閣寺所蔵の珠玉の画が集います。

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万治の石仏 

131024-1.jpg岡本太郎絶賛の石仏に会いにゆきました。
諏訪へゆくなら是非。日本の石仏とは思えない?!ような御顔をなさり、謎の多い石仏です。

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季刊『禅文化』230号が発刊されます

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季刊『禅文化』の最新号が、10月25日に発売されます。今回は、病いを得た人々の精神的痛みに寄り添うべく活動している僧侶たちの取り組みをご紹介したく、「臨床僧」を特集させていただきました。

「臨床僧」という言葉を、いま初めてお聞きになられた方もいらっしゃるのではと思います。仏教と西洋医療との間に存在した現実的な壁を越え、溝を埋めるべく努力を続ける僧侶たちの姿と歩みを、ぜひ知っていただければと思います。


「臨床僧の会・サーラ」


誌面全体を通じて地図や図版を増やすなど、ますます情報の充実にも努めております。ご注文はオンラインショップ、お電話などで承っておりますので、ぜひ宜しくお願いいたします。

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大浦天主堂

 

131022.jpg少し間が空きましたが、長崎では黄檗宗の聖福寺をお参りした後、信徒発見の舞台としても有名な、大浦天主堂を訪れました。

江戸幕府によるキリシタン弾圧、信仰の禁止、司祭や神父、教会などのよりどこを失うという艱難辛苦を堪え忍び、長きに亘り信仰を守り伝えてきた隠れキリシタンが、1865年、自身がクリスチャンである事を新しく海の向こうよりやってきた神父に告白した歴史的な教会です。

長崎は禅とも縁の深い土地ですが、どうしても教科書で学んだキリシタンの色々が印象深く、昔読んだ遠藤周作さんの『沈黙』が頭から離れませんでした。キチジロー!

長崎より帰りましてから、「はて、『沈黙』は実家に置いていたかな?!久々に再読したい」と実家の本棚を探そうとしましたら、『神は沈黙していない』という、宗教家・五井昌久先生の本が真っ先に目に入ってきました。
題名だけをみましたら逆の事を言っているようですが、そうではないですね。
どちらも読んでみるとしましょう。

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聞こえない音の話

131021-1.jpg『古事記』を題材にした舞台、『アマテラス』を鑑賞してきました。大音響で打ち鳴らされる和太鼓の迫力とアマテラスの神々しさに、観ているだけでカタルシスを得られたような。

ところでこの作品では、神話とはいえ仏教の法器もいろいろ使われていたことが興味深かったです。

たとえば禅宗でいうところの

131021-2.jpg鐃祓(にょうはち)

 

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引磬(いんきん)


などに近い形状のものや、

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チベットのシンキングボールも用いられていました。

 

法器の音やお経を聞くと何となく心が落ち着きますよね。これにはちゃんと根拠があって、ものすごく大ざっぱに書くと、こういうことのようです。

「音」の中には、人間が聞き取れない、あるいは聞き取りにくい周波数を持つものも存在します。法器は、そういう「聞こえにくいけど人間にとって心地良い音(倍音・ばいおん)」をたくさん発しているのだとか。僧侶の読経にも同じことがいえるそうです。

倍音の定義は長くなるので、ここでは割愛させてください。とにかく、ビィ~ン……と震える余韻などに多く存在する音といえば、何となくイメージしていただけますでしょうか。これらの音を浴びる「倍音浴」というリラクゼーションもあるようで、“観劇後の妙にスッキリした感覚”は、「む!倍音の効果もあったに違いない」と思ったりしています。お仏壇の前で「おりん」を鳴らされる時など、一度“聞こえない音”がもたらす精神的な癒やしも意識していただけると面白いかもしれません!


倍音については、こんな本もおすすめです。
『倍音 音・ことば・身体の文化誌』(中村明一・春秋社)

 

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禅に学ぶ『家族に想いを伝えるエンディングノート』

 

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少々長いタイトルではあるが、つい先頃、角川書店から発刊された、今、流行のエンディングノートの一冊である。
著者は田口誠道師。長野県にある臨済宗妙心寺派長昌寺の住職であり、行政書士でもある珍しい僧侶である。以前より、青山社から出されていた『エンディングノート 宝珠―おだやかな旅立ちのために』を執筆刊行されていたが、こんどは「禅に学ぶ」をうたっておられるとおり、禅の教えを学びながら書き込んでいけるエンディングノートである。

就職活動が「就活」と端折っていわれるように、終末に向けての活動を積極的にして、自分の人生を全うしようという「終活」という言葉ができてしまった。世の中で宗教離れが叫ばれるが、ふと自分の人生の終末を考えてしまうという人たちは多いのだろう。

生きるにしても死ぬにしても、本来、こういう考えを大切に見ていこうとするのは、宗教者の立場である。であるのに、宗教から離れて一人歩きしている「終活」がはやっている感じがする。田口師はそんななか、僧侶こそ終活の最適なカウンセラーであるべきだというお考えのもとに、各地をまわって、エンディングノートの必要性を説いておられる。

今年度の弊所のサンガセミナーにおいても、第3回目に田口師による「エンディングノート活用法」という講座を開講する(申込希望の方はこちらから)。どういったお話を伺えるのか、楽しみである。

本書は、禅文化研究所でも販売開始。檀信徒への布教施本としてどうぞ。

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帰りたくない

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昨日にひきつづき、長野の記憶、友人宅近くの牧場にて。
夏の間やってきてこちらに放牧され、好きな時に草を食み、好きな時に眠り、そんなそのまんまの姿で、我々人間をいやしてくれている牛さんたち。
冬は雪が深く積もる為、11月頃にはお迎えがやってきてどちらかの牛舎に戻るらしいのですが、嫌がってトラックに乗らないのだとか!
そりゃあ、そうだよなぁ・・・・・・。

私も長野から戻ってからというもの、“雑踏の中、アスファルトに阻まれ土は見えぬ道を自転車で急ぐ自分”というのを俯瞰して見た時、長野にいた事が儚い夢であったかのごとく思え、同じ時間をこうも違う場所で人々は暮らしているものなのだなぁ・・・と不可思議な気分になるものです。
今現在も、友人宅の周りは静寂に包まれ、鹿が駆け巡っている事でしょう。
二泊三日の滞在でしたが、あの静けさを体感した事は、ヨガの稽古で瞑想する時に、私に良いイメージを今も与え続けてくれています。

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山の花

131016.jpg自然界には不自然がありません。

お隣までは何キロか先・・・という山の中、大自然に囲まれた地に住まう長野の友人宅にお邪魔し、朝のさんぽで摘んだ草花です。
「あ、かわいいな・・・」と目にとまったものを、何も考えずに少し山から分けていただいただけなのに、それだけで完璧に美しい。
それもそのはず、この季節に、同じ山で育ったものを集めたのだから、不自然になるわけもないのです。
各地からやってくる花屋に並んだ花を、頭で考えてみて、「あの花とこの花を合わせよう」とまとめたのとは、わけが違うのですね。

福森雅武先生のように、山に入り木を切り花を摘み、床に生ける生活、長野の友人のような山の中での生活。憧れもしますが、私には私のくらしがあります。
都会に住み、家に飾る花はたいていお花屋さんでいただくしか無い日常であっても、賢人のくらしぶりに触れさせていただく事は、知らず知らずのうちに私に大きな影響を与えてくれています。
お花屋さんでの花選びも、何らか変化が出るかもしれませんね?!と、またまた頭で考えているうちはダメでしょうか。

いずれにせよ、最近私が気になる方、大好きで尊敬する方達は皆、職業や立場は違えども、“自然から学んでいらっしゃる”という共通点があります。私も都会育ちと雖も今からでも遅くはない!今以上に、意識的に自然の中へ入ってゆき、そこから学ばせていただくという機会を増やしてゆきたいと考え中です。

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-第11回 西村惠信所長と行く禅と文化の旅-

 

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本年秋も、11月28日(木)に、禅文化研究所の1日バスツアーを開催させていただきます。
今回は、“禅文化”にスポットを当ててみたいと思います。

午前中には足利義政公縁の相国寺塔頭・慈照院を参拝し、承天閣美術館を訪れます。
さらに午後には銀閣慈照寺の特別参拝ならびに慈照寺研修道場にて、所長の講演(「禅文化の特徴」)と、慈照寺花方・珠寳先生による献花を拝見させていただきます。

日本文化の礎ともなった東山文化・禅文化を皆さまと共に学ぶ秋の一日とさせていただく所存です。
ご参加お待ち申し上げております。

詳細はこちらをご確認くださいませ。


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2014年カレンダー

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2014年のカレンダーが出揃いました。
禅文化研究所の毎年販売しているカレンダーに加えて、2種類の墨跡カレンダーをお取り扱いさせていただいております。

どうぞよろしくお願い致します。

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長崎の聖福寺 -黄檗宗のお寺-

 

131009-1.jpg所用で長崎へと行っておりましたので、空いた時間はもちろんお寺めぐり。
長崎といえば、黄檗宗の四福寺が有名です。
崇福寺、興福寺、福済寺、聖福寺。そのうちの聖福寺を訪ねてみました。

131009-2.jpg中国風の文様や吉祥を意味する意匠が随所にみられ、多くの唐人がこの長崎で暮らした時代に思いをはせていると、ふと自分はどこにいるのだろうか・・・とわからなくなるような雰囲気です。長崎の町全体が、そういった異国情緒に溢れていますね。

131009-3.jpg延宝5年(1677)、隠元禅師の高弟木庵(もくあん)の弟子である鉄心(てっしん)により、創建された聖福寺ですが、現在、諸堂の荒廃が進み、修理を必要とされています。
大雄宝殿の修復募金のページもありますので、どうかご協力よろしくお願いいたします。

さらに、以前友人に見せてもらい、いっぺんに虜となりすぐに取り寄せました、聖福寺のご住職が作られる普茶料理の本があります。
写真も、使っている器もとても美しく、色鮮やかな中国風の精進料理は、臨済宗の精進料理とはまた違い、興味深いものです。こちらもどうぞよろしくお願い致します。

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長崎の教会群を世界遺産に!という運動をがんばっておられるようですが、黄檗宗寺院も皆さまお忘れ無きよう宜しくお願い致します!
次回長崎入りする際には、残りの黄檗宗寺院も是非とも訪れてみたいものです。

 

 

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大坐禅会の実行委員会 -臨済・白隠大遠諱-

 

131008-1.jpg平成28年に迎える宗祖・臨済義玄禅師1150年、ならびに翌平成29年に迎える日本臨済宗中興の祖・白隠慧鶴禅師250年の遠諱大法会に関してのご報告です。

10月1日に円覚寺派宗務本所にて、4回目となる大坐禅会の実行委員会が開催され、建長寺・円覚寺の管長老師をはじめ、委員の和尚さん方が集われました。

今回の会議では、大坐禅会の前に、平成26年6月に東京国際フォーラムで第一回目の講演会を開催することが決定致しました。
大坐禅会を迎えるまでに、年に2度の講演会等のイベントを実施し、正当年となる平成28年に向けて、広く皆さまにもこの遠諱大法会に親しんでいただきたいと考えております。

131008-2.jpg講演者には芸能人や学者など、著名人の名前があがりました。詳細は未定ですが、どなたが登壇されるのか、是非ともお楽しみに!

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スペインにて -ジュゼップ・マリア・ジュジョール-

 

131007-1.jpg夏のスペイン旅行の思い出より・・・・・・。
おそらくは、その建築に出会ったすべての人々を魅了してやまない天才ガウディにも、不得手な事はあったらしく・・・・・・。
ガウディ建築を語る上では絶対的に欠かせないと思われる、“色彩”。そう、色のセンスが無かったのだとか(無いと言ってもどのレベルかわかりませんが)。

131007-2.jpg“無い”とは申しましても、自身の建築を完成させる為の類い希な才能を引き寄せ、親子ほども年齢差のある若い才能に全幅の信頼を置いて任せられるのだから、それを含めてガウディはやはり天才なのでしょうが・・・・・・。

ジュゼップ・マリア・ジュジョール

あまりその名を知られぬジュジョールですが、彼無しにガウディの建築はありえません。なのに、なぜか“地球の歩き方”にも全く掲載されていないのですが。

ジュジョール建築が残るバルセロナ郊外の町へ行ってきましたので、写真をご紹介します。

131007-3.jpgその他、ガウディ建築でも、グエル公園やグエル教会、カサ・バトリョの色彩はジュジョール無しにはあり得なかったわけですから、共にご紹介しておきます。

131007-4.jpgこのような色の建築が、見事に町に溶け込んで何の違和感もない、スペインの町並みはとても美しいものでした。

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物 黒 無 monocrome -正木美術館-

 

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大阪は南の方、泉北郡忠岡町という、泉大津市と堺市に挟まれたごくごく小さな町に、珠玉の名品を多々所蔵する美術館があるのです。

正木美術館

今後ご一緒に何か新しい試みができたら・・・と、館長の高橋範子先生にご挨拶に伺っていました。
高橋先生が水墨画・禅画のことを語られたら、興味無い人ですら、その深淵なる世界にひきこまれてしまいます。そんな風に、画の事を情熱を持って、わかりやすく、楽しく、多くの人に伝えていらっしゃる方です(先生のご著書はこちら)。

正木美術館の展示も、他とはひと味もふた味も違います。
今回は、国宝の大燈国師墨跡や重文の雪舟と、写真家・現代美術作家として日本が世界に誇る杉本博司氏の作品、所蔵品とのコラボレーションが見事に成立しているのでした。

私の場合は、大燈国師さえ展示されていたら観に行くかもしれませんし、禅宗のお坊さんたちもそうかもしれません。また、逆に、デザインや現代アートの世界にいる方は、杉本氏の作品やコレクションが出ているという事だけでも、足を運ぶかもしれません。
ここで出会うものが、今まで足を踏み入れなかった世界であった・・・という事が、起こりうるのです。この美術館に足を運んだ事で、新たな可能性や世界が広がり、知らなかった自分に出会えるかもしれません。
私は、ものごとを見る時に、真の部分となるのはいったい何であるのか・・・そういった事を考えさせられました。

また、杉本氏の作品やコレクション、そして“杉本表具”といわれるあたらしい形の表装にいたく感動してしまいました。世界で認められている日本の芸術家が、大燈国師の墨跡を愛蔵されている(表具をみたら愛蔵ぶりがわかります)事も、新鮮な驚きなのでした。

この展覧会の主旨はこちらに。とても面白く興味深いので、是非ともご一読いただき、足を運んでみてくださいね!
お茶会や、子どもが参加できるようなワークショップの企画も充実しています。
私は、後期の展示品入れ替えの後に、また訪れたいと思っています。

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『人生、行きがかりじょう 全部ゆるしてゴキゲンに』(ミシマ社)

 

131003.jpgとても面白い本を読みました。自称・日本初の「酒場ライター」である、バッキー井上さんの新刊です。「画家」「踊り子」「ひとり〝電通〟」を経て現在は「漬物屋店主」「居酒屋店主」でもあるバッキーさんが選ぶ言葉は、かなり独特。本書は、バッキーさんが多用される言葉のひとつがそのままタイトルになっています。

【行きがかりじょう】の定義とは、


自分が選択をして、
現れるものと向き合い、
すべてポジティブに反応すること。
シアワセになるための基本的な心構えであり、
ゴキゲンへの道しるべであり、
すぐれた戦法でもある。
(本書より)


「人生、行きがかりじょう」。バッキーさんは常にこう考えます。目当ての居酒屋が臨時休業だった時も、大きめのトラブルに見舞われた時も、身体がきつい時も、もちろん最高に楽しいときも。たとえ不利な状態に陥ったとしても、自分が置かれている状況をめいっぱい愛することが大前提。そして、いまある条件の中で最もゴキゲンな流れに繋がる方法を考えるのです。こうしてひたすらポジティブに「行きがかりじょう」を実践するバッキーさんの人生は、小さな工夫や機転がいっぱいで実に痛快!!同時に、嫌みのない気遣いとサービス精神に満ちあふれていていることにも気づかされます。なぜなら、自分がゴキゲンであるためには、関わる相手が心地良くあることも重要だから。

「倍返し」に対して、「行きがかりじょう」の何と平和な戦法であることでしょう。

水道工事をしていたバッキーさんは、広告会社に潜り込んだと思ったら何故かペンキを塗ってフライパンを振り、お金が必要だという理由で画家に。その全てが状況に応じて選択を重ねた結果なのですが、

「『結果』って、自分で勝手に決めてるだけで、全部、『コンテニュー』やな」(本書より)。

この選択が次はどこに繋がっていくのだろう!?と 気になってページを繰る手が止まらなくなり(少なくともこの段階で、著者がお漬物を作り始める気配はまだ微塵もありません)、ゆっくり楽しむつもりが一気に読み切ってしまったのでした。聞き書きということもあり、まるでご本人からお話を伺っているようで終始ワクワクする一冊です。皆さんも是非。


【本の詳細】はこちら


【バッキー井上さんのお店】
錦・高倉屋

京都 百錬

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開館30周年記念名品展Ⅱ -野村美術館-

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開館30周年記念名品展Ⅱが開催されている野村美術館を訪れました。毎回足を運んでいると、何度かお目にかかれる名品があるのですが、本当にその時々によって、自身の好みも変わってゆくものですね。
今回は、朝鮮の刷毛目茶碗、ご銘“四海兄弟”のおなり(形)や雰囲気にいたく心ひかれ、いつまでの眺めていられるなぁ・・・・・・と思いました。

空気も爽やか、少し汗ばむ日もありますが、歩いて野村美術館の界隈を散策するのも心地良い時期となりました。南禅寺参拝とあわせて、是非こちらの美術館にもお運びください。

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禅語カレンダー2014年 -東嶺圓慈 画賛-

 

131001-1.jpg禅語カレンダー2014年版の販売を開始致しました。
本年は、-東嶺圓慈 画賛-です。

白隠下四天王の一人として名高い東嶺さんのカレンダー。
その著『宗門無尽灯論』にみられるごとき、白隠公案禅の修行体系を確立した人でもあり、また、神儒仏三道一致を説くのを特徴とするところから、なかなかに興味深い画を残しておられます。上写真、表紙の曼荼羅のような画も不思議ですね。神儒仏三法合画です。
なんだか来年にふさわしいカレンダーのような気がしているのは、私だけでしょうか。

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by admin  at 06:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)