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岐阜・八百津の大仙寺さん




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お仕事にて、岐阜は八百津にあります臨済宗妙心寺派のお寺、大仙寺さんにお邪魔していました。

どっしり落ち着いた和尚様らしい和尚様(というのは非常に勝手な私のイメージですが、確かにあるのです。"和尚らしい和尚"という存在が)と、寺庭(お寺の奥様)殿堂なるものがあれば必ずや殿堂入りされるであろう素敵な寺庭さんがいらっしゃるお寺で、何年か前に愚堂さんの墨蹟撮影にお邪魔し、再訪を楽しみにしていました。

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前回は夏にお邪魔し、珍しい大山蓮華の大木や、青々した緑に深呼吸したものですが、秋の大仙寺さんは初めて。これがまた自然の営みとはなんと素晴らしいのか、時にお庭を見てほっと一息つきながらの、有難い環境でのお仕事でした。
お昼やお三時には毎日、"地元のもの"でのおもてなし。ひっきりなしにお客様がみえる大寺ですのに、我々の事にもとても気配り心配りいただき、行動そのものが教えとなっておられる姿に感銘を受けました。

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うつわの力 -大山崎山荘美術館-




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紅葉の時期の大山崎山荘美術館は、信州あたりのコテージに来たかのような雰囲気で、我々の目を展示品のみならず楽しませてくれます。

今回の展示は、「うつわの力 -くらしを彩るいれものたち-」です。
私も器が大好きで、少しずつ増えていっています。これ以上いらないのではないか?と思うものの、やはりその時の自身の心にかなう物が欲しくなるものです。
心にかなう物と共にある暮らしは、豊かなものですね。

さて、そんな器の展示ですが、今回一番心に残りましたのは器ではなく、三國荘で使われていたという李朝のさじをティースプーンに見立てたもの。初めて拝見する形で、さじの文化の国のそれは、日本の形とはまた違い、いたくひきつけられ、誰かこれを写してはくれないものかと思ったほどです。

昔親しくしていただいていた骨董屋のおじさんが、あらゆる航空会社のティースプーンを集めていらしたのを思い出しました。お国柄で柄やつぼの形が違うのですよね。食べる物や文化が違えば当たり前の事かもしれませんが、なかなかに面白いものです。

それにしましても、何年も何年も、同じ場所(美術館)に通い続けるのは良いですね。
その時々の心性をこの風景が思い出させてくれます。
また、今の私は今の心性を通してこの場所からの風景を眺めて物思います。

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マニアックな絵葉書セット




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実はこんな物も売っています。
弊所に事務局をおいております、臨済宗黄檗宗連合各派合議所(長いですね…臨黄合議所と短縮して呼んでいます)の広報も兼ねて作ったハガキです。

こんなマニアックなハガキは、他には無いとおもいます。案外私も気にいっています(内部の人間の言い方ではないかもしれませんが……)。
なんといっても、托鉢する雲水。専門道場の近くに住んでいない方はびっくりされるかもしれませんが、未だに托鉢をしているんですよ。

お求めはこちらから

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かみ添さん 東京での催事のごあんない




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季刊『禅文化』216号(2010年春号)、-技を訪う-にてご紹介させていただきました、かみ添さんが、明日より12月4日(火)まで、銀座三越 8F ギャラリーで催事をなさっています。
ご本人もいらっしゃるそうで、道具などもご覧いただける模様。
京都・西陣のお店までなかなか足を運べない方にも、かみ添さんの紙を実際にご覧いただける機会です。ネットや冊子、写真などでご覧いただくよりも、ご自身の目で直にご覧いただきたい紙たちです。
是非お運びください。

さらに、明後日29日からは、糸井重里さんの"ほぼ日"にて、かみ添さんの"白いもの"が販売されます。コーディネーターの伊藤まさこさんとの対談も興味深く......こちらもご覧になってみてください。

さらにさらに、次号の『禅文化』では、かみ添さんが伊賀の土樂さんの襖紙を作られましたので、そちらについて少しご紹介する予定です。
お楽しみに。

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大原野神社 -2012紅葉だより-




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七五三のお参りのお子達の元気な声が、錦繍織り成す社に響きます。
健やかな成長を願わずにいられませんね。

洛西の名社、大原野神社です。

お子さんの着物姿はいずれも可愛らしいのですが、ついつい“着物”となると、厳しくチェックしてしまう私です。願いが込められた文様や柄、それぞれに意味があります。
このような機会にこそ、祝い着に相応しい物をと思ってしまいます。

……大きなお世話ですね。

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"空想家は科学的に正しい"




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大学時代の恩師・松田高志先生におこしいただく、仲間達との勉強会。

今回は先生のご著書『いのちのシャワー』より、「大空を仰ぐ」を拝読し、先生からお話をいただき、皆で様々な事を語り合いました。
本の中で先生が紹介していらっしゃった、古生物学者 ティヤール・ド・シャルダンのことばが深く印象に残りました。下記に先生のご著書より抜粋させていただきます。

「じつは、科学的に正しいのは、"現実家"ではなくて、"空想家"なのである。彼らの予測が微笑を誘うものであるにしても、彼らは少なくとも、人間という現象の真の大きさに対する感覚を持っているのだ」。  このティヤール・ド・シャルダンという人は、宇宙の壮大な進化とその中での人間の宇宙的意味を科学的に究明しようとした学者ですが、科学者の言葉として、これは大変面白いと思います。現実的な細かな知識より、人間や世界、宇宙の真の大きさに対する感覚の方が、たとえ"空想"のようなものでも、より"科学的"であるということですが、これは、まさに教育においても大切な点だと思います。

実に面白いですね。
ある意味、禅宗の修行とは、この意味での"空想家"になる為の修行のように思えました。
既成概念や囚われから脱却する。ちょうど先日とある老師の無門関提唱を拝聴しましたが、その第四十則、「擢倒浄瓶」にも通ずる話のようにも思え、一人わくわくしていました。
わくわく喜ぶだけではどうにも......。
自分はこの一生でどこまで枠を取っぱらえるでしょうか。

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願徳寺の如意輪観音 -京都・洛西-




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昨日、勝持寺の紅葉をご紹介させていただきましたが、実は勝持寺へ車で向かうと、山門のある正面とは違う駐車場へとナビに案内され、そのおかげで、国宝の如意輪観音様を拝む事ができました。

勝持寺のすぐお隣にひっそりと佇む、願徳寺。
こちらには平安前期の如意輪観世音菩薩半跏像がおはします。

榧木(かやのき)の一木造りで、その肌は年月を経て黒光りし、肩から腹へ、そして半跏趺坐を取った脚へと流れる衣のドレープのあまりに優雅な美しさは、遠くギリシアで見た彫像を思わせます。
また、背中などは、その柔らかいラインに色気を感じるほどで、仏様であって仏様でないような、肌に触れればあたたかいのではないか......と、生きていらっしゃるようななまめかしさを感じる美しさでした。

それにしましても、京都というところの奥深さは常々町中に暮らしていても感じますが、少し山の方へ入ればこのような仏様がおはし、日本の原風景がひろがっている。
中心部もそれは楽しいのですが、たまには洛西の古仏を拝むのも良いものです。

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勝持寺 -2012紅葉だより-




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なんだか今年は、「何を着れば良いか迷う」というどっちつかずの気候が無いままに、急激に寒くなったような気がします。
そのおかげもあってか、今年の紅葉の美しさは○年ぶりだ……というような声をよく耳にします。

京都に住まいしていれば、近くに御所あり鴨川あり、いずこにも美しい紅葉は見られるのですが、それだけでは飽き足らず、わざわざどちらかへ「紅葉狩りにでかけたい」という気持ちもわいてくるというものです。

そこで今年選びましたのは、西行が出家をしたお寺、西行桜が有名な勝持寺(しょうじじ/京都市西京区/天台宗)です。

応仁の乱にてほぼ全ての伽藍は焼失したものの、御本尊の薬師如来や日光菩薩・月光菩薩・十ニ神像を拝ませていただくと、創建時代の荘厳さや如何に……と偲ばれる洛西の名刹です。
また、かの有名な西行桜の枝ぶりは、葉が一枚も残らぬ姿となったこの季節でもそれは立派で美しく、「花の寺」として知られるのもさもありなん。春の頃にもまた訪れたくなるというものでした。

紅葉については筆舌につくしがたく。写真をご覧いただきたいと思います。

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『天のしずく-辰巳芳子いのちのスープ-』




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『天のしずく-辰巳芳子いのちのスープ-』を観てきました(辰巳さんがどのような方か御存知無い方はこちらで。)。

私は大学生時代のゼミで彼女の事を知ったのですが、彼女のスープの本はパラパラとページをめくり、眺めているだけでも“元気が出る本”として、私の本棚にいつも置いてありました。

食によって自分の身心を整え、変えてゆきたいと願う者にとって、指針となるような事を多く語り、実行してくださっている方の活動が、このように映像として残る事に、また、東日本大震災を経て、これからの食の在り方(=生き方)が問われている今、多くの人に辰巳さんの食に対する考えが広まる事に、有難い心持ちで拝見させていただきました。

映像の中で最も印象的だったのが、辰巳さんの手。
自分はこの有難くも与えられた両手、指を、全くと言ってしまっても過言ではないほどに、使っていないなぁ……と痛感。
ボタン一つで多くの事ができてしまうようになった世の中。手を使わなくなった事が、我々からどれだけ多くの大切なことを知らず知らずのうちに奪っていっているのか……考えさせられました。

さらに、私は「長生きをしたい」という思いを抱いた事が無かったのですが、それは驕りだなと思い知らされました。

近頃、お話を拝聴する尊敬すべき方々が口を揃えて、

「この年齢になってようやく少しわかりました(岡村美穂子先生/鈴木大拙秘書)」。

「少しものごとがわかったなぁと近頃ふと思う事がある。死に近づいているという事やね(福森雅武先生/土樂窯)」。

などと仰るので、「ふぅむ……」と思っていましたら、またこの映画でも、辰巳さんと、人生の大半を長島愛生園で過ごしていらっしゃる女性の方が二人して、「80歳を超えなければわからない事があると思うんです(女性)」、「私もよ。この歳になって漸くわかった事があります。(ここまで生きてきて)良かったわね(辰巳さん)」と、穏やかな瀬戸内海を眺めながら悦び合うシーンがありました。

私の命が、どれだけ生かされるのかはわかりませんが、その境地も知ってみたいものだな……と思うのと同時に、少し虚無感が立ち去るような、明るい心地になれたのでした。

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東嶺圓慈 特別展 第2期が始まりました




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以前お知らせしましたとおり、現在、花園大学歴史博物館にて、2012年秋企画展「東嶺圓慈 禅画と墨蹟」ならびに、禅文化研究所曝涼展「江戸前期の三大禅匠」を同時開催しております。
11/6までの静岡龍澤寺所蔵品を展示していた第1期展示には、沢山のご来場をいただき、大変興味深い展示であったなどとご好評をいただきました。

ついで、去る11/9より、第2期内容に展示替えをし、東嶺禅師示寂の地、齢仙寺をはじめとする故郷近江の寺院につたわる遺墨を展観しております。
また、第二展示室の禅文化研究所曝涼展では、引き続き雲居希膺・愚堂東寔・大愚宗築という江戸前期三大禅匠の墨蹟、ならびにその三禅僧と関係の深い禅僧の墨蹟もあわせて展観しております。
会期中に下記の記念講演会も開催します。

■2012年12月6日(木)13:30~14:30
「東嶺圓慈墨蹟に流れるもの」 丸山 猶計 氏(九州国立博物館主任研究員)

申込不要、入場料無料、ただし先着150名となりますので、ご注意ください。

なお、本特別展の図録は現在制作中です。東嶺禅師の書の内容は神道に関わることも多いため、釈文に手間がかかっており、大変お待たせをしておりますが、上梓の際にはこちらでもお知らせいたします。

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詳しくは、こちらのページを御覧ください。

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今週の花




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こんなに小さな花も、そこにあるだけで大いに心を和ませてくれます。

下が灰色で無愛想な場所に見えますが、書架のあいている段に置いている為です。あるのと無いのとでは大違いです。

*ちなみに、この花入れの高さは8センチ弱の可愛らしいもの。花の直系は7ミリほどです。小さきものは愛しいものです。

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清雅なる仏画 白描図像が生み出す美の世界 -大和文華館-




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11月11日(日)までだったのですが、大和文華館にて面白い展観が開催されていました。

仏画の元となる、墨のみで輪郭がはっきりと描かれた白描図像の展観です。
なかなかお目にかかる事は無いように思います。力強い線、繊細な線で表現される仏様の数々。

私達が何気なく見ている仏画の中には、この白描図像を元に描かれている物も多く、何体かの仏様が描かれている画などでは、実は解明不可能な組み合わせがあったり、向きを変える事なくそのままに描かれていて不自然であったりする事もあるようです。

今回は金胎仏画帖断簡の美しさと、一枚一枚大切にされたであろう事がわかるその表具の美しさにも感激しました。
そして何よりも、この日一番に私の心をひきつけてやまなかったのは、金剛峯寺蔵の善女龍王像でした。随分と退色し、既にうっすらとしかその姿を確認できないのですが、軸からはみださんばかりのパワーは圧倒的で、まさに生きているかのごとしでした。

瀟洒な住宅街にあって自然豊か。ひっそりと佇むこの美術館は私のお気に入りの美術館の一つです。
次回は11/18~12/24まで、「桃山、江戸前期の美術 -都市文化の華やぎ-」と題した展観が開催されます。


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正倉院展 -奈良国立博物館-




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今年もこの季節がやって参りました。奈良国立博物館・正倉院展(昨日で終了)。

毎年頑張って朝早くから長蛇の列に並んでいましたが、今年は、「オータムレイト(閉館の1時間30分前より販売する当日割引券)が始まる1時間前くらいに入るのが良い!」との情報を奈良の知人に教えてもらい、言われた通りに参りましたら、土曜日ですのにすっと入れました。

宝物が美しいのは明らかなのですが、この度は、宝物を納めた箱や、その箱を陳列した棚などがえもいわれぬ良い風合いで、私の心はそちらにひかれました。

と、話は変わりますが、友人が、「単なる古い箱とか布やん…」とのたまうおじさまの発言を聞いたらしいのですが、皆さんどう思われますか?

なるほど確かに、「正倉院から何十年に一度出てきて我々の前にお目見えする宝物」という頭があるからこそ、“良い、素晴らしい”と見えるのかも知れませんね。
螺鈿や象牙細工はいわずもがな、誰がどう見ても精緻で立派な細工なわけですが、箱や、退色して朽ちてしまった布などの場合、どうでしょう。こんな事は無い事ですが、そのあたりに打ち捨てられていても、「何かただ物ではない、美しいものがある」と気付く“目”をはたして持っているでしょうか。

そう考えてみると、私の言う「美しい」・「心ひかれる」なども、あやふやで所在無いものかも知れず、おじさんの事を見下して、さも自分はわかった風にいる事はできないものだな……と妙に反省した次第です。

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追憶の茶 -北村美術館-




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いつも主題を楽しみにでかける北村美術館(京都市上京区)。
今回は、-追憶の茶-と題して、無学祖元(鎌倉・円覚寺開山)の墨蹟を中心に、蒙古襲来の頃を偲ぶ企画だとか。
その墨蹟は、「鎖口訣」。建長寺にて示寂される一ヶ月前に書かれたもの。
他に仙厓さんの「望蒙古山詩」なども展示されており、茶人のみならず禅宗僧侶必見の展示となっていました。
12月9日まで。

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『いろはにほへと -ある日の法話より-』横田南嶺老師法話集




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弊所の理事としてもお世話になっております、円覚寺派管長・僧堂老師 横田南嶺老師の御著書(円覚寺派 黄梅院発行)を、ネットショップで取り扱わせていただく事となりました。

“禅の入門書”をいくつか弊所からも刊行し、ご紹介させていただいておりますが、入門としましては、横田老師の本が一番入りやすいかもしれないな……と個人的には思っております。

禅!禅!と禅を押しつけるような内容では無く、ものごとの当たり前の姿を、当たり前のままに、真っ直ぐ語り、教えてくださっています。
とくに「禅の本を…」と思っているわけでは無い方にも、スッと文章にひきこまれ、読みやすい本です。

私なども、「ごくあたりまえであるけれども、気がつかない事」に、ふと気付かせていただいています。
まぁ、とは申せど、「気付いた!」と思ってはまた心に塵が積もり忘れてしまう私たち。
部屋の掃除も必要ですが、どうやら心の掃除も常日頃から必要なようです。
“座右の書”として、是非ともオススメする次第です。

詳しくはこちらからどうぞ 『いろはにほへと -ある日の法話より-』

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禅塾デイ




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花園大学の卒業生ならば知っているのが、妙心寺にある「花園禅塾」。妙心寺の運営する学生寮。
私の学生時代にももちろんあって、お寺の息子さんばかりが頭を丸めて共同生活をしていました。
私はそこには在籍してはいなかったのですが、いわば、プレ僧堂的な生活をしているようでした。塾生以外は中に入ることもできなかったので、詳しい様子は知らなかったのですが……。

昨今、この花園禅塾は変貌してきました。丸坊主でなくても入塾できるようですし、塾生をあげて東北の被災地にボランティア活動にでかけたり、駅伝をやったり、なかなか充実しているようです。

そんな花園禅塾の普段の生活ぶりや活動を、一般の人にも知ってもらおうというイベントがあるようです。パネルや書道の展示はもちろん、特別発表として禅塾の一日や御詠歌、ミュージカル風発表、花大ダンス、お茶席や軽食など、感動とともに笑いもあるとのこと。

平成24年11月24日(土) 9:30~15:00
  特別発表:10:00~12:00
  軽食タイム:12:00~13:00
  バザー:13:30
場所は花園禅塾
バザー提供品の御協力も求められています。連絡先:花園禅塾 TEL/FAX 075-461-4128

特にお近くの方は、是非、訪ねてみてください。学生たちのやる気が伝わってくることでしょう。

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『東慶寺 季の味 -北鎌倉 花の寺の庫裡から-』井上米輝子




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著者の井上米輝子さんは東慶寺の寺庭である。以前に季刊『禅文化』に「まつがおか日記」と題して、鎌倉東慶寺の四季のくらしを連載いただいたことがあるが(206~209号掲載)、ご文章にふれ、添付写真を拝見するのを、心待ちにしていた記憶がある。

本日、新刊のご本を頂戴して、しばし時を忘れて拝読、拝見した。まず表紙のすばらしさはどうだろう。いずれもご自身の着物と帯からとられたものだという。頁をめくるごとに、在家から嫁がれて、名刹にしっとりと溶け込まれた米輝子さんの柔軟さと、大抵ではない審美眼に圧倒される。なんという花を生けられることか。

以前から米輝子さんの料理に対する造詣の深さは定評があったが、作り方の手ほどきとともに器に盛られたそれぞれが、いずれもどれほど気持ちよい美味しさだろうと、また深々と驚嘆する。

クオリティ・オブ・ライフなどという言葉が、ひっくり返っても届かない、ほんとうに美しい昔ながらの日々がここにはあるのだなと、とびきりのご本を手にして、あらためて納得したのである。

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『東慶寺 季(とき)の味 -北鎌倉 花の寺の庫裡(くり)から-』
井上米輝子著(世界文化社、2012年11月1日発行)2400円(税別)

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向嶽寺と富士山




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仏殿兼開山堂_山梨向嶽寺

先日のブログにて上司が書いていましたが、私も向嶽寺(山梨県にある臨済宗の本山)での会議に行かせていただいておりました。
向嶽寺と富士山の写真をいまいちど、もう少しご堪能いただこうかと思います。

上の一枚は、仏殿兼開山堂(市指定文化財)です。うっとりしてしまうほどにきりっと引き締まった美しい佇まいですね。よく見れば、建物が後ろに長く続いているのはおわかりいただけますでしょうか。
非常に珍しい形なのですが、前方に仏殿、後方に開山堂が一体となっています。天明7年(1787)に再建されました。

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方丈

そして方丈。前庭は、名城大学三浦彩子先生によるものだそうな。昨年できたばかりの新しいお庭です。
遠くむこうに見える山並みが、下写真のようにガラス戸にうつります。まるでぐるり山に囲まれているようです。
あたかも、この彎曲した島が浮かぶ枯山水庭園が海のように思え、山と海、世界全て(宇宙の理)を現し、その中にぽつりと自分が立っているような感覚を覚えました(実際はどのようにデザインされたのかは知りませんが、私の想像です...)。

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向嶽寺と富士山の続きを読む

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ある日のおやつ




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研究所では15時に茶礼……というと格好良いのですが、いわゆる“おやつ”の時間があります。
お客様や各地のお坊さんが来られた時に手土産をお持ちいただく事が多く、誠に有難い事に、おやつに事欠く事は無いのであります。
とある日のおやつは、研究所職員の自坊で採れたやまぼうしの実でした。
なんとも形容しがたい味でした。

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山梨向嶽寺での臨黄移動理事会




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臨済宗黄檗宗連合各派合議所では、年に一度、京都以外の本山を会所として、移動理事会が開催されます。今年は山梨県塩山市にある、臨済宗大本山向嶽寺にて、去る10月25日に開催されました。
臨黄15派の各派総長様を初め、内局の部長様方総勢59名が、各地よりこの地にお集まりになりました。われわれ禅文化研究所からも4名が参加しました。
到着後、まずは向嶽寺派管長の瑞松軒・宮本大峰老師のご導師のもと、大悲呪一巻を出席者全員で唱えました。

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読経の後は、各部に分かれて会議で臨黄全般に関わる相談議事を議論されました。
今回は、とくに4~5年後に臨黄をあげて行なわれる「臨済禅師1150年・白隠禅師250年大遠諱」に向けての内容が多く話し合われました。

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今週の花




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今頃の季節に?!ですが、大きな紫陽花の花とススキを生けています。
本日は紫陽花をアップで。花入れは、岸野寛さん作の黄瀬戸、竹筒花入れです。

紫陽花は6月に花が終わると、次の年にもたくさん花を咲かせるよう大胆に剪定するのが常ですが、剪定しないままにこの時期までほったらかしておくと、花も葉も紅葉して、ドライフラワーのような、アンティーク調の色になり、ススキと生けても違和感が無いので生けてみました。

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