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虫の音

秋の月

まだまだ日中は肌がヒリヒリするくらいの日差し、暑さが続くが、ちょうど一週間前の24日夜から虫の輪唱がそこここからきこえるようになった。
毎日、日が暮れた後に外の花に水をやるのだが、びっくりするくらいの数の虫の音に、人間は暑い暑いと気付かなくとも、自然界には確かに秋の気配が来ている事を知らされた。
心なしか、月も澄んで見えるようで・・・。

今年一番の秋の知らせに、一句・・・。と平安時代の人のようにはいかないのだが、季節の移ろいを有難く思い、なんとかこの日本の情緒を失わないように心がけなくてはと思う次第。

御地の秋の知らせは、如何ですか?

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伊吹山 3 山野草Part2

本日も伊吹山の草花の紹介。

これはカワラナデシコ。 茶花としてもよく用いられるかわいらしい花です。


カワラナデシコ


黄色いのは菊科のメタカラコウ。白い泡だった花は、シシウド。シシウドは山でよくみかけますね。


メタカラコウとシシウド


ヤマアジサイ。大きく咲き誇るあじさいの花もいいですが、こういった山野に咲くつつましやかな紫陽花にも、心惹かれます。


ヤマアジサイ


シオガマギク。秋の花ですが、すでに花を咲かせつつあります。実は、この花が何なのか調べるのに、ちょっと苦労しました。


shiogamagiku.jpg

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世界遺産 ナスカ展 -京都文化博物館-

ナスカ展

遺跡にも興味があり、非常に惹かれるものの、地球の裏側という遠さと、あまりに違う文化を持つ為、まだまだ神秘の世界のような、本当に地球上にこんなとこがあるのかしらんと思うような地。それでもやはり、いつかは訪れてみたい地。
そんなナスカの展示が京都文化博物館にて開催中(9/24月・祝まで)。

儀式に使われたのであろうとされる壺に描かれる絵は、幾何学的で私からすると異様としか言いようが無く、確かに現代にも通ずるデザイン?!かもしれないのだが、理解しようとしてできるような物ではなく、まさにナスカの人々が信仰する「超自然」の世界であった(むろん、おもしろいな、素敵だなと思うものもいくつかはありましたが)。
戦好きだった彼らは、敵の首級(トロフィー)を必ず持ち帰り、盛大な儀式により葬ったという。
単に敵というのではなく、神聖な人間の首に対する畏敬の念からのようだ・・・。
日本の戦国時代には無いような事である。

展示の趣旨と離れるからであろうか、人々の生活そのものが見えてくる展示では無かったのが残念。展示の品にも、一体何に使われたのかわからない物が多数。
あまりにかけはなれた儀式的世界の品々よりも、祖先がもしくは日本人と同じ可能性もあるという、アンデスの麓に生きる彼らの生活を知りたいと思った。

子供のミイラも展示されていた。子供が生け贄に使われたと聞くと、「幼いのにかわいそうに・・・」と思うのが常ではあるが、何かの本か番組で、この生け贄の子達は皆微笑んでいるような穏やかな表情をしている為、現代に生きる我々が思う「かわいそう」という感情とは裏腹に、生け贄にされる際には、安心していけるような工夫がされていたのではないかと言われているそうな。
むろん、ナスカの地上絵についての展示ではおもしろい工夫がされていたので、是非足を運ばれると良いと思う。
日本の皆さんからみて、はてさてこの展示、どう感じるのだろうか興味深い。

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NHKラジオ深夜便 -トーマス・カーシュナー師-

雨の日の托鉢 除夜の鐘つき


2月11日に、NHK教育テレビ「こころの時代 宗教・人生 -人生の荷物は少ないほうがいい-」に出演された、トーマス・カーシュナー師。
テレビの反響とはさすがにすごいもので、たくさんの本(『禅僧になったアメリカ人』)をご注文いただいた。

研究所としては、無名に等しいアメリカ人禅僧の私記が、一体どれだけの人に読んでもらえるのか想像もつかず、そうではあっても、今の時代だからこそ、彼のような人がいる事を皆さんに知っていただきたいと思っての出版であった。
そして、また先日(8/11)のNHKラジオ深夜便に彼が出演し、たくさんの本をご注文いただいた。

研究所の職員は皆彼の事を知っているため、テレビやラジオで紹介され、彼の真摯な真面目すぎるほどにまっすぐな生き方、今までの困難な道のり、そして様々な事を乗り越えて今がある事などが多くの方の知るところとなり、心に響いたのだと思うと、とても嬉しく思う。

感想を下さる読者の皆様のお言葉からも、この本に力づけられた事が伝わってくる。ブログを読んでいただいている皆様にも、是非オススメしたい一冊である。
皆様からのご感想

*上の絵は、本文中の挿絵です。カーシュナー師によるものです。

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京都五山 禅の文化展公式HP -東京国立博物館-

五山展

現在、東京国立博物館にて開催中の京都五山 禅の文化展

その公式サイトに、我が禅文化研究所と、弊所に事務局を置く、臨黄合議所のホームページを、主催者側のご厚意により、紹介していただけた。
こちら

公式サイトでは、この展示に関するブログなども発信中!
是非ご覧いただきたい。

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先祖代々の墓

蓮

お盆にお墓参りに行ってきた。新しい霊園には「翔」「夢」など、思い思いの文字が書かれた墓石もかなり増えてきたが、実家の墓地は村の共同墓地で、「先祖代々之墓」「〇〇家之墓」などと彫られた角柱形のものが主流である。

これらの墓は、彫ってある文字が示すとおり家の墓であって個人の墓ではない。日本は「イエ社会」だといわれるから、このような形態の墓が伝統だと思うのが普通であろう。

しかし、貴族や武士ならともかく、庶民までイエ制度が普及するのはそんなに古いことではない。だから「先祖代々之墓」と刻まれた墓石も、そんなに古いものではないそうだ。

墓石を詳細に調査した研究によると、現在見つかっている最古の先祖代々墓は寛政四年(1792)のものだそうである。広く庶民にまで先祖代々墓が一般化するのは20世紀に入ってからとのことという。(岩田重則『「お墓」の誕生』岩波文庫)

それ以前の墓石はどうであったかというと、位牌のように個人あるいは夫婦の戒名を刻んだ個人墓が普通であったらしい。古くさかのぼったほうが「個人主義」とはおもしろい。

石塔一つからでも、いろいろなことを読み取ることができるものである。

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堀 文子展 -京都高島屋-

堀文子展

『画業70年 自然と共に生きて 堀 文子展』 を訪れた。
(8/15~20日まで、京都高島屋グランドホールにて開催。9/12~24まで、難波高島屋でも開催予定)

以前から、婦人雑誌に度々紹介されている事があり、今まで見たことの無いような画風や、その絵の持つ力に惹かれていたので、日本画家でいらっしゃる事も何も知らずにただ訪れてみた。
「○○画」などという枠を超えて、生命の神秘、命ある全てのものに対する尊厳が彼女の絵から溢れている。日本画家として出発した彼女が、どのようにしてこういった絵を描くに至ったのか、その軌跡を辿る事のできる展示となっていた。
歳を重ねるごとに、様々な物を吸収し、深くなってゆく彼女の絵に魅了され続ける何時間かであった。

「死は、外からやってくるものではなく、自分の内にあるもの」
「自然の中に暮らしていると、虫や鳥たちと同じく、自分も自然の一部なのだなと本当にわかるんですよ」

優しく語りかける一言一言に、真理が見えた。
会場で流されるビデオの中で、堀さんがご自宅の庭にて、蜘蛛の巣に霧吹きで水をかけ、巣に水滴がつきキラキラと美しく輝くのを見せて、「ほら!とってもきれいでしょ!!!」と、少女のように瞳を輝かせる姿が印象的であった。

堀さんの絵の展示を拝見させていただき、染色家の志村ふくみさんを思い出した。
素晴らしい方達がおっしゃる事を聞いていると、物事の真理、人として大切な事、人類がこれから歩むべき道を教えていただけるような気がする。
また、生命への尊厳ということから、神谷美恵子さんの著作を改めて読んでみたい気分になった。

チベット(現在はインドにいらっしゃいますが)のダライラマ法王が、その著作の中で「慈悲深い人は皆、チャーミングなのです」とおっしゃっていらしたが、ふとそのことが思い出された。

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伊吹山 2 山野草Part1

冬は雪に閉ざされる伊吹山であるが、春から秋にかけて、とても沢山の花が咲き乱れる。
これから何日かに亘って、伊吹山の草花を紹介したい。

8月に訪ねると、まずはシモツケソウが一番きれいに目立つ。
調べて知ったのだが、シモツケソウとシモツケはよく似ているが別の花。
花はよく似ていても葉が異なるのだ。さらに、シモツケソウと京鹿子(キョウガノコ)は葉っぱもよく似ているが、これも違う花のようだ。
これは、シモツケソウ。


シモツケソウ

時折、ひときわ目立って咲いているのは、コオニユリ。
自然界の色とは、人智を超越したかのようななんとも不思議なものである。


コオニユリ

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伊吹山 1 百花繚乱のお花畑

かの関ケ原の合戦があったあたり、滋賀県と岐阜県の県境にある標高1377mの山が伊吹山である。
日本百名山の一つでもあるこの山は、ヤマトタケルノミコトに関する神話があったり、『源氏物語』の「関屋」の巻にも出てくるので、伊吹山は歌枕にも使われる。
この山は薬草でも知られるが、様々な野草が自生しているお花畑があり、登山客や観光客の目を楽しませてくれる。

何かと忙しくて避暑とまではいかないが、伊吹山ドライブウェイを使えば、車で8号目まで登れるため、まさしく百花繚乱のお花畑を容易に楽しむことができるのだ。

伊吹山頂 夏雲が広がる

夏真っ盛りでも、雲が眼下に見えるほどだから、風はとても涼しい。

百花繚乱のお花畑

お花畑

次回は花にクローズアップ。

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近江八幡の水郷

筆者の自坊からそう遠くない、滋賀県近江八幡市には、琵琶湖につながる水郷地帯がある。
群生する葦の間を入り組んだ水路が通っていて、安土の内湖へと繋がっているのだ。

近江八幡の水郷

近江八幡の水郷

近江八幡の水郷

ご覧の通り、人口建造物が見えないポイントもたくさんあり、私のお気に入りのスポットである。
しかし、案外、読者諸氏もこの風景を見たことがあるかもしれない。というのも、テレビの時代劇の撮影で時折この辺りが使われているからである。
また、「水郷めぐり」という、和船で水辺を楽しめる観光でも有名だ。

今年の夏は格別に暑い。この風景でもみて、心を涼ませてみてはいただけぬだろうか。

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女というのは・・・

久しぶりに楽しい言葉に出会った。

ジョージ秋山の『浮浪雲(はぐれぐも)』。連載八百回記念という今号は、なんとか良い妻をめとって子どもに恵まれていい生活をしようと生真面目一本でやってきた男のおはなし。ほのかに思いを寄せる女性はいるが、一歩が踏み出せずに悶々と日々を送る。そんな男に、品川宿「夢屋」の頭(かしら)「浮浪雲」が「指南」する。

「女とはどういう生き物か知ることでんす。女は三つでできてる生き物でんす。虚栄と快楽と打算でんす。この三つを満足させるのが男の仕事でんす」。

あまりに言い得て妙なので、思わず声を立てて笑ってしまった。こんなふうに思い切れる男に女はどれほど出会いたいことか。

そして不思議なことに、そんな浮浪雲と暮らす奥さんのカメさんには、「虚栄」や「快楽」や「打算」に駆り立てられる風が微塵も感じられないのである。

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居士 -こじ-

居士とは

戒名に使用される「居士」という尊称。
本来は在家でありながら仏道に精進する男性を称する語でした。

仏教で使う居士の語は、サンスクリットの「グリハパティ」、すなわち「家の主人・家長」の訳語ですが、特にインドの四姓の中のヴァイシャ階級の資産家を呼ぶときに使用されたようです。ヴァイシャは商工業に従事し、仏教を信奉する富豪も多くいました。
『祖庭事苑』という禅籍には、居士と呼ばれるための四つの条件が挙げられています。

  およそ四徳を具するものを、すなわち居士と称す。
  一には仕宦(官)を求めず。……役人ではない
  二には寡欲にして徳を蘊(つ)む。……欲をもとめず功徳にはげむ
  三には財に居して大いに富む。……大金持ちである
  四には道を守ってみずから悟る。……仏道に精進する

居士になるのも並大抵のことではなかったようです。今となっては単なる理想像かもしれません。

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合歓の木

合歓の木

緑濃くなっていく6月頃から徐々に山道などでちらほらとみかける合歓(ねむ)の木。
9月頃まで見られます。緑多い山あいなどで、このピンクの刷毛のような花はとても目立ちます。

奈良の方でしたでしょうか、七夕の夜に合歓の木と大豆の葉っぱを川に流して邪気を払ったりするようです。
オジギソウの葉と合歓の木の葉はそっくりです。オジギソウは手で触れるとすぐに閉じてしまいますが、合歓の木は閉じません。
夜になるとゆ~っくり閉じるのだそうですよ。

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季刊『禅文化』

禅文化205号

研究所では、春夏秋冬と、年に4回(1,4,7,10月の25日)季刊誌を発行している。
僧侶をはじめ、研究者、禅に興味ある在家の方など、読者は様々だ。
その内容も多岐に亘り、語録の解説もあれば、禅の美術について、また読みやすいエッセイや掛軸拝見、日本達磨伝説、チベット紀行文、和尚さんの身体講座なども。
表紙はいつも編集者が吟味に吟味を重ね、良い画を探して決めている。むろん、その解説付。
次号では、教育に関しての記事も掲載する予定だ。

禅に関心をお持ちの方は、バックナンバーのもくじを一度ご覧下さい。

季刊『禅文化』

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Flowers and Plants in Tibet -№13-

Flowers and Plants in Tibet

禅文化研究所客員研究員・李建華さんのご子息、叡(えい)さん による、チベットの草花の写真です。
硬そうな土、栄養分や水分などは含まなさそうな大地から生えています。
水分を無駄に放出しないように、細い細い茎なのでしょうか。

専門家さえその品種を特定するのが難しい植物もあるとの事で、植物の詳しい説明は避けたいと思います。どうか、美しい写真をお楽しみ下さい。
尚、チベットの植物について詳しい方がいらっしゃいましたら、どんどんコメント宜しくお願い致します。

追伸:お父さんの李建華さんによるチベット紀行もご覧下さい。
季刊『禅文化』205号に掲載された湖の写真は必見です!

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お盆休み -夏期休暇のおしらせ-

お盆

本日、8月10日(金)より19日(日)まで、夏期休暇とさせていただきます。
この期間中に、オンラインショップより本をご注文いただきましたお客様には、誠に申し訳ございませんが、発送させていただくのが20日以降となります。ご了承下さいませ。

研究所職員には、禅宗の僧侶、その他在家の者もおります。
お坊さん達はこの猛暑の中、檀家さんのお参りなどで大忙し。この夏に何キロも痩せてしまう人も。
在家の者は在家の者で、家庭においてご先祖さまをお迎えする準備にかかります。
皆さんの地域では、どのようなお盆をお過ごしでしょう。
関東やその他では7月にお盆を終える地域もあるようですね。
地域の風習は違えど、ご先祖さまをお迎えする心は同じことでしょう。
また、御地の事など色々お聞かせ下さいね。

ブログは休暇中もいつもどおり発信(平日のみ)いたします!
ご高覧下さいませ。

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朝鮮あざみ-アーティチョーク-

直径は10センチ以上はあります

背丈が2mもあろうかと思われる巨大な薊(あざみ)です。夏によく見られます。
朝鮮あざみ、またの名をアーティチョーク(こちらの方が知られているかもしれません)。

濃縮エキスやハーブティー、サプリメントなどもあり、健康食品として売られています。
イタリアンやフレンチレストランで使われているのをご覧になる機会もあるでしょう。
コレステロール値を正常にする事から、ヨーロッパでは薬草として用いられてきたようです。
食用としては、花の付け根の膨らんだ蕾部分を用います。
個性的な花束を作ってくれる花屋さんなどでは、花材としてもたまにみかけます。

はてさて、最初にこの蕾を食べたのは如何なる人物でしょうか。
私から見ると、薊とはとげとげしく、少しおどろおどろしく、野の花として小さな種類の物を生けるのはよしとして、食べようとは…。先人に感謝です。

見上げる高さ!

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丹波篠山 邦楽コンサート

本堂

もう一ヶ月前の事になるが・・・7月8日、丹波篠山の山ふところ、とある山寺にて一日遅れのたなばたコンサートが開催された。
 
ふだん生の音楽演奏に触れる機会の少ない地域の人々に、本格的な邦楽の音色を聞いてもらいたいと、住職が企画したミニ演奏会だ。寺の住職は禅文化研究所の所員でもある。
 
箏の演奏は、世界中でさまざまな音楽とのセッションを試みておられる福原左和子先生。尺八は東福寺退耕庵住職の五十部泰至師。
 
六時半からの開演だが、お二人とも早くから来られてリハーサルに励まれる。リハーサルといえども少しの妥協も許さない厳しさがひしひしと伝わってくる。
 
開演は6時30分。外はまだ明るいが、地域の人々が三々五々集まってくる。本堂はほぼ人で埋まり、何人来るか気をもんでいた住職もホッと一息。
演目はメジャー曲から現代的なものまでバラエティーに富んでいた。「今の季節に『春の海』とは少し変ですが」との五十部氏のトークの後、誰もが知っている「春の海」から演奏は始まった。
 
箏のさやかな音色と尺八の幽玄な響きが夕闇せまる丹波の山里に広がってゆく。箏と尺八の絶妙なコラボレーション。最後のアンコールは箏でしんみりと「さくら」「たなばた」。
おじいちゃんおばあちゃん、ふだん元気な子供たちも静かに演奏に聞き入っていた。「すばらしい演奏だった。初めての経験。また聞きたい」と好評のうちにコンサートはお開きとなった。

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七日盆(なぬかぼん)と招き幡

8月7日を盆の入りとして、七日盆という。
この日、筆者の自坊では、朝早くから作業着を着た檀家さんたちが集まって見え、本堂にてお勤めをした後、墓掃除、草刈り、境内清掃など全山清掃を行なうのだ。
それとともに、お盆にお精霊さん(おしょらいさん)がキュウリの馬に跨って戻ってみえるための目印にと、東と西に招き幡を2本、高く立てるのだ。書かれている文字は「宝楼閣神咒」という呪文である。


招き幡

そういえば関東は7月がお盆である。となると七日盆は7月7日、つまり七夕である。
七夕として祭るのは単に星の祭りのようなものではなく、こういった七日盆の行事とも関係があるのではないかと思えてきた。
そう思って調べてみたら、七日盆というのは、どうやら関西を中心に行なっている行事のようである。奈良でも盆入りというようだし、井戸さらいをやる「池替盆」をやる地方や、「七度親を拝み、七度海に浴びる」 「七遍飯を食い、七度海に浴びる」「七度ホウトウを食べ七度水泳ぎをすれば腹を病まぬ」というような女性の禊を行なう地方もあるようで、地方によって七夕は色々な意味合いを持っているようだ。
地域に根付いた信仰と、仏教の行事が関係している行事の一つと言えるのだろう。
自坊の近くには縄文時代の祭場跡と言われる遺跡が在る。星を仰いでいた太古にまで思いをはせる。

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2008年 禅語カレンダー

禅語カレンダー08

禅文化研究所の来年のカレンダーは、天龍寺第7代管長、また天龍寺僧堂師家として多くの雲水の指導にあたられた関精拙老師(1877-1945)の画より選りすぐりました。
毎月、精拙老師の画や賛と、それにあわせた禅のことばを楽しんでいただけます。

年始年末のご挨拶、お返し等としてご利用頂ける、お求めいただきやすいお値段です(1部\525)。
50部以上、100部以上のお申し込みにつきましては、1部あたりの価格も割引き価格となり、50部以上からは、カレンダー下部に寺名や社名などの刷込み印刷も承ります(100部以上なら刷込み無料)。

詳しくはこちらから

【表紙・ねずみに乗った大黒天】
手に持てる 打ち出の小槌 振り回し
何を出すやら 大黒の天
布袋頭、解開し了わり
十方世界、蕩蕩として辺無し

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-赤膚焼(あかはだやき)- 奈良

赤膚山元窯 古瀬堯三

奈良の中心部から少し車を走らせた所にある赤膚焼の窯元(奈良市と大和郡山市に点在)。
遠州七窯の一つにも数えられている。 
奈良へ観光でやって来ても、ここを訪れるのはお茶かお花をする方だろうか。
焼き物好きが訪れる窯元という感じの場所では無い気もする。
奈良に家元(円照寺門跡)がある山村御流の華展では、よく赤膚焼の花器を目にする。
私がよく訪れるのは上の写真、古瀬堯三氏。日常に使える器から茶道具まで、多くの器達が迎えてくれる。

初めて来た際は、こんな所に立派な登り窯を構える窯元があったのかとびっくりした次第。
赤膚という変わった名称。地名からという説と、鉄分を多く含む陶土を用いる為、素焼きした表面が赤くなるからという説があるらしい。
赤膚焼の特徴といえば、なんともいえないとろりとした(感じの)オフホワイト色の釉薬、そして奈良絵。
この奈良絵は、お釈迦様の生涯を描いた絵過去現在因果経に由来すると聞いたが、奈良らしく、五重の塔や鹿などもお目見えするなんとも愛らしい図柄なのである。

奈良絵_家奈良絵_やっこさん?!

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Flowers and Plants in Tibet -№12-

砂漠の中での希望

禅文化研究所客員研究員・李建華さんのご子息、叡(えい)さん による、チベットの草花の写真です。
砂漠の中で、どのように水分を保っておけるのでしょう。美しく咲いています。

専門家さえその品種を特定するのが難しい植物もあるとの事で、植物の詳しい説明は避けたいと思います。どうか、美しい写真をお楽しみ下さい。
尚、チベットの植物について詳しい方がいらっしゃいましたら、どんどんコメント宜しくお願い致します。

追伸:お父さんの李建華さんによるチベット紀行も必見です!!!

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百日紅

木登りの上手な猿も滑りそうな木だから「さるすべり」と呼ばれる百日紅。
また百日間ほど花を紅の花を咲かせることから、この「百日紅」と書かれるのであろう。
猿が上るほど大きな木ではないが、自坊にも5本ほどの紅白とりまぜた百日紅があり、今年もお盆が近づいた今頃から、きれいに花をさかせはじめた。


百日紅

百日紅について、弊所の季刊誌『禅文化』85号(昭和52年夏発行)に、歌人の松本仁さんが書かれた「わが花物語 百日紅」という文章があるので、以下に全文を転載しておこう。

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