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落語デビュー -立川志の輔 独演会-

京都造形芸術大学内にあります春秋座。大学内とは思えないような、花道までついた立派な舞台です。
前々から一度落語を観に行きたいと思っていたところ、お誘いをいただき、立川志の輔 独演会【“中村仲蔵”その他】を観に訪れました。

大がかりな舞台装置も小道具も何もいらない。志の輔師匠がひとたび話せば、温泉街の湯煙が上がり、舞台に雨が降り風が吹き、江戸の芝居小屋へとタイムスリップし、息つく暇も無いような、あっという間の3時間。いっぺんに志の輔師匠のファンになりました。

たくさん笑い、たくさん感動し、胸熱くなった夜。皆様も機会あれば是非一度志の輔師匠の“中村仲蔵”(もちろんその他も最高に面白かったです!)をご覧になってみてください。素晴らしいの一言につきます。言葉では語り切れません。

落語デビューにしてはとても贅沢な、ホンモノ中のホンモノを拝見したのではなかろうか???と思う私。これから東西の落語、様々な演目を観にでかけたいと思うのでした。

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柳生街道をゆく その5




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柳生街道クライマックス、柳生の里です。

こちらには臨済宗大徳寺派、芳徳寺があります。柳生宗矩が、父・石舟斎宗厳の供養のため、澤庵和尚を勧請開山として創建。柳生家代々の墓所となっている禅寺です。
宗矩の末子、列堂義仙(1636~1702)が第一世と言われています。

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茶の美の源流 唐物 -野村美術館-




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いつもポスターと拝観券をお送り下さる野村美術館様。他の職員の手に渡る事はほぼ(いえ、全く)無く、私がいつもお邪魔させていただいております。とても有り難い事です。

今回の展観は“唐物”。
茶の湯になじみの無い方には???かもしれませんが、読んで字のごとく、唐(中国、またはその一体)渡りのお道具類です。
お家元からのお許しを得て(お免状をいただいて)初めて師匠から伝授される点前がありますが、その中にも、この、唐物を特別に扱う“唐物のお免状”があります。これ以上は無いというほどに、お道具に対して丁寧な扱い(点前)をします。
この事からも、どれだけ珍重されたお道具か、おわかりでしょうか。

では、大名家などの家宝として伝わったり、昭和の経済界をリードしたような富豪茶人が所持したこのような唐物。我々庶民が所持し、扱う事などあるのだろうか?などという疑問を抱かぬでもありませんが、伝統の継承とはそういう事でもないな…などと思っています。
また、伝統の継承とは、とても丁寧に、心を込めて、これ以上は無いというほどに物を扱うという、その心そのものを学んでいるのだと理解しています。他事にも応用がきくというものです。

目に見えないもの、これです!と、目前に出して見せる事のできない“心”を継承するのには、型も必要不可欠なのだろう…。これがお茶から学んだ事です。
型が嫌で、覚えられなくてしんどくてお茶のお稽古を断念してしまうのは、非常に残念な事だなと思うのです。そこを超えたところに、とんでもなく広く、自由で、楽しくて仕方の無い世界が待っています。

美術館の御案内が違う方向へ行きましたが、茶の湯を学びつつ、様々な美術館の展観を尋ねる事、この上無い楽しみです。

“唐物”って一体?!と思われた方は、是非野村美術館にてその逸品を尋ねてみてください。地階で開催されていた、茶事にて使われたバカラの特注品もため息の出る素敵さでした。

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第18回 東京国際ブックフェア

今年も、「東京国際ブックフェア」が東京ビッグサイトで開催されます。

弊所は去年まで3年連続で出展しておりましたが、今年は出展をいたしません。
ご期待いただいていた皆様には、申し訳ありませんがご了承くださいませ。

その理由は(言い訳ともいいますが)、前にもブログでお知らせしたとおり、国の公益法人の制度改革により、弊所は公益財団法人へと移行すべく準備を行なっており、そのための諸手続や、これに伴ってWEBサイトの再構築を行なっている最中だから、というのが一つです。
また、書籍刊行においても、白隠禅師の語録である『荊叢毒蘂』や、日本最古の仏教史伝『元亨釈書』など、大部の書籍の編集作業に入っているため、現時点で提供できる新刊がないといったこともあります。

また、復活することになった節には、なにとぞ、ご来場の程をお願い申し上げます。


今年の東京国際ブックフェアについて、簡単にご紹介しておきましょう。
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第18回東京国際ブックフェア
会期 2010年7月7日(木)~10日(日)
会場 東京ビッグサイト

震災の影響を受けるかと思いきや、過去最多の1200社が出展するとのこと。今年のテーマ国は、情熱の国「スペイン」だそうです。去年から特に目だった「電子書籍EXPO」も同時開催しています。

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柳生街道をゆく その4 -円成寺-




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柳生街道を歩く上で大きな目的地の1つ、円成寺です。
真言宗の古刹で、本尊は運慶作と伝わる大日如来。本尊そのものもさることながら、光背もそれは美しく、どっしり本堂におはします御姿は、まさに大日如来らしく宇宙そのもののような大きさを感じました。

門にはしめ縄が。村の人々が年に一度作り替えて、掛け替えるのだとか。魔除けのような意味合いも兼ねているそうです。神道や土着の風習の名残でしょうか。

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狩野派の絵画 -花園大学歴史博物館-




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現在、花園大学の歴史博物館では、2011年春季企画展として、「狩野派の絵画 ~枡米菴コレクション京狩野作品を中心に~」が開催されています。
個人蔵(枡米菴コレクション・枩子菴コレクション)や、妙心寺塔頭の大法院・麟祥院に所蔵される、普段はあまり大きく取り上げられてはいない京狩野の絵画を展示されています。
会期はすでに前半を終えて後期に入っています。小規模の展覧ですが、入場は無料ですし、すばらしい作品をじっくりと観ていただくことができます。
是非おはこびください。
ちなみに禅文化研究所も同じ花園大学の敷地内にあります。秋には、この歴史博物館で、禅文化研究所曝涼展も計画中です。

会期:2011年3月31日~6月4日
開館時間:午前10時~午後4時(土曜日は午後2時まで)
休館日:日曜・花園大学全学休講日
入館料:無料
主催:花園大学歴史博物館
お問い合わせ:花園大学歴史博物館・花園大学企画広報室 TEL 075-811-5181
マップ:花園大学へは……

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柳生街道をゆく その3




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その1、その2に続き、柳生街道沿いの仏さまの紹介です。
のどかな風景を歩いてゆき(途中少し山道ですが……)、春日山石窟仏へ。
平安末期の作と伝えられ、地蔵菩薩立像、大日如来などが残されています。
劣化が激しく、近づけないように、また風雨に耐えられるよう柵が設けられ、大きなひさしがついています。

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小満 -二十四節季-




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私が子供の頃には、自坊のまわりに麦畑などなかったですが、今は米の減反政策のおかげであちこちが麦畑になっており、今年などは庫裡から見渡す限りが小麦畑です。

明日は二十四節季の8番目の「小満」。新暦で5月20~21日頃にあたります。

中国宋代に馬永卿の撰した『嬾眞子(らんしんし)』という書籍に、「小満、四月中ば、麦の気、此〈ここ〉に至って方〈はじ〉めて小満にして未だ熟さざるを謂うなり)」とあり、昨年の秋に蒔かれた麦がようやく穂をつけ、ほっと一息する頃をいうようです。
自坊近所の農家の方々も、麦も無事穂をつけ田植えも一通り終わって、安堵しているようです。有難いことです。

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柳生街道をゆく その2




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その1につづき、奈良の柳生街道です。

はるか頭上、木の根元が二又になったところに夕日観音がおはします。
街道を歩く人々も、あまりにわかりにくく通りすぎて行ってしまいますが、よじ登ってみました。

すると……。

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臨済宗檀信徒経典CD 発売




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先にご案内した、『臨済宗檀信徒経典CD』(定価1050円・5%税込)が、去る5月16日に発売となりました。
収録されている内容は下記の通りです。
 1. 般若心経
 2. 消災呪
 3. 本尊回向
 4. 世尊偈
 5. 大悲呪
 6. 開甘露門
 7. 先祖回向
 8. 坐禅和讃
 9. 舎利礼文
 10. 延命十句観音経
 11. 四弘誓願
 12. 普回向
 13. 小磬三声
また、読経方法についての解説や心得を記した冊子も封入しております。

ご家庭での読経の手引きとなる本CDに収録されている上記のお経は、『臨済宗檀信徒経典』(定価840円・5%税込)の中にすべて収められているため、併せてご利用いただくことをおすすめしています。
この『臨済宗檀信徒経典』には、収録されている経典のやさしい現代語訳や、解説も掲載されていて大変好評です。

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朝の一日の始め、あるいは一日の終わりとなる夕べに、自ら生かされていることの有難さを感得してご本尊さまとご先祖さまに報恩感謝し、また、たとえば東北被災地で不自由な暮らしをされている方々に一日も早く平穏な日々が戻ることを念じ、お仏壇の前に静かに座って読経しましょう。

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柳生街道をゆく その1




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奈良の柳生の郷へと続く柳生街道。
その道すがら、石仏を拝みつつ歩いて柳生の郷を目指す事にしました。
花(桜)の季節が終わり、生命感溢れる若葉が木漏れ日に輝く季節。
あまりに清々しく、古より「六根清浄」と山を歩いたのがわかる気がします。

高畑町から滝坂の道へ。まず最初に出会うのが、室町前期の作とされる寝仏です。

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飛火野のふじ -奈良-




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既に少し前の話となってしまいますが、いつもは日帰りの奈良、GW中に泊まりがけでゆっくりと巡ってみました。奈良の魅力を何回かに分けて、ブログでもご紹介したいと思います。

いつもは時間が無くて立ち寄らない場所。春日大社参道南側、飛火野あたり。
お弁当を食べたり、写生をする人がいたり、なんともいえないのんびりした時間が過ごせます。
高畑町めがけて奥へ奥へと入ってゆくと、ちょうど野生のふじの花がそれは見事に咲いていました。咲き具合も年によって違いますが、今年の花はそれは見事です。
京都では散った八重桜も、ちょうど満開。絵はがきのようなワンショットです。

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Google検索の特殊な使い方 その3




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以前にご紹介しましたGoogle検索の特殊な使い方の続きです。

【天気】

各地の天気予報や現在の天候を調べるには、「天気」というキーワードに続けて駅名や都市名などを検索ボックスに入力します。

例えば、京都の天気を調べたい場合は、Googleの検索ボックスに「天気 京都」と入力して検索します。「天気」と「京都」の間にスペースを入力し忘れないよう注意してください。

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【荷物の配達状況】

検索ボックスで「ヤマト」に続けてヤマト運輸のお問い合わせ伝票番号を入力すると、配達状況を確認するためのページを簡単に開くことができます。

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よろしければ一度お試しください。

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Google検索の特殊な使い方 その1はこちら
その2はこちらから

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新たなる差別に思う




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昨日、東日本の大震災から2ヶ月が経過しました。

現地の人たちは、それぞれ、色々な思いがあることでしょう。
昨日、ちょうど、福島在住で宮司をしている友人に連絡をとってみて話をしました。
彼の神社は海や原発からも遠く、大きな被害は無かったようで、風評被害に苦しむくらいで、生活は安定しているから大丈夫だということでした。

風評被害というから、野菜などのことかと思い聞いてみたところ、そうではないとのこと。
何よりも彼は、「福島」や「いわき」ナンバーの車に対するバッシングがあまりにもひどいと言うのです。実際に、近県に買い物にいった「福島」ナンバーの車が、ボディをボコボコに凹まされて帰ってきたのを見たそうです。

震災後、主に外国メディアでは、日本人はこの震災の被害にあっても、素晴らしい秩序と人間性をもって支えあって生きていることに感動したと、美談が多く報告されました。実際そういう面も多々有ると思います。
しかし、実はそればかりではないのです。福島県から引っ越してきた子供達が、少なからず差別を受けているという話は新聞で読んだりもし心を痛めましたが、我々が思っているよりはるかに深刻な様子です。

驚きました。いったい、それをやっている人はどういう人間なんだろう。日本人の美徳を称賛されているのに、実際にはこんなことが平然と起きていて恥ずかしいことです。
こんなことはあってはならないと思います。福島原発の事故は、よく言われるように、半分は人災だとも言えるでしょう。そもそも私たち人間が、手におえない原子力に手を出してしまい起してしまったことによる過ちといえます。

その事故の被害だけでも福島の人たちは大変な状態なのに、そこに住まう人たち、あるいはそこに住むことさえかなわなくなってしまっている人たちを、この上、さらに悲しませるようなことを決してやってはいけません。

我が国、あるいは世界の歴史においても、いわれのない差別がずっと問題になってきました。今でもその差別に苦しんでいる人も少なくありません。

どうして私たちは、人を差別してしまうのか、今一度、本来の心に立ち返って考えてみませんか。
人のふり見てわがふり治せ。福島の人に対しての差別をする人にはNO!を。そして、自分に同じような差別心は存在しないかを考えてみようではないですか。

少し仏教的に言えば、おのれの中にある、差別をするような「妄心」と表裏にある汚れなき「真心」=「仏性(ぶっしょう)」を見極めること、それが悟りだと思います。

どうか、被災地の人たちに、一日も早く安穏とした日々がおとずれますように。

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親鸞展 -京都市美術館-




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岡崎の京都市美術館にて開催中の、親鸞展にお邪魔しました。
御存知浄土真宗の宗祖、親鸞の750回忌を記念して開催中の展観です。

今回改めて思いましたのは、お釈迦様の修行・悟りに端を発した仏教が、日本ではこれほど多くの宗派に分かれ、それぞれの宗派が独自の特色を持ち発展するというのは、日本人の多様性や柔軟性ゆえなのか……という事でした。
いつも禅宗関連のものばかり拝見している私には、同じ仏教関連の展観でありながらあまりにも知識に乏しく……(念の為、うちの研究者は私とは違い、あらゆる宗派にそれなりに詳しいですのであしからず)。

親鸞が何を言い、何を伝えたかったのか-というところがもう少しわかりやすく、人々の心に訴えかける、伝わるような展観であればと思いました。
研究所が禅宗関連の展観のお手伝いをする際も、そこが大事なのだろうなと改めて思う、休日の午後でした。

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和紙の品格―山崎吉左衛門作品展 -得浄明院-




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京都は東山区、知恩院近くにあります信州善光寺さんの別院、-得浄明院-にて、檀紙制作の第一人者、山崎吉左衛門氏による様々な檀紙の展観と、山根折形礼法教場、山根一城氏による“折形”の展示がありましたのでお邪魔してきました(5/13まで)。

その歴史を600年前にまで遡る事のできる“折形”。皆さま御存知ですか?
様々なものやお金などを和紙で包み、人様に差し上げる。その方式の事を“折形”といい、送る物の格や金額に応じて使う和紙から折り方、包み方など、様々な決まりごとがあります。

四季や陰陽までをも考える為、様々な知識とセンスが必要な上に、一度折り間違え、筋がついてしまった紙は二度は使わない、精神統一を必要とする礼法で、まさに日本の“道”というべき世界に誇る文化です。

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Google検索の特殊な使い方 その2




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以前にご紹介しましたGoogle検索の特殊な使い方の続きです。

【為替換算】

Googleの通貨換算機能を使用するには、Google検索ボックスに換算した通貨を入力するだけです。

例えば、100ドルを日本円に換算したい場合は、Googleの検索ボックスに「100ドル」と入力して検索すると参考レートで換算された日本円が表示されます。

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【世界の現在時刻】

世界各地の現在時刻が検索できます。検索キーワードに「時間」に続けて、都市名を入力します。

例えば、ニューヨークの現在時刻を調べたい場合は、Googleの検索ボックスに「時間 ニューヨーク」と入力して検索します。「時間」と「ニューヨーク」の間にスペースを入力し忘れないよう注意してください。

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よろしければ一度お試しください。

Google

Google検索の特殊な使い方 その1はこちら

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パウル・クレー展―終わらないアトリエ -京都国立近代美術館-




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5月15日まで、京都岡崎の京都国立近代美術館にて開催中のパウル・クレー展へと足を運びました。

彼の作品についてあれやこれやと語ることばを私は持ちませんが、いつもなんとなく「あ、いいな」「観ておきたいな」と思った自分の心を大切に、美術館へは足を運びます。
有名か無名か、海外のものか日本のものか、古いものか新しいものか……、といった事は関係無く、一人きままに、自分のペースで歩みを進める美術館での時間が気に入っています。

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禅の書画什物のデジタルアーカイブ




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ここ数年、禅僧の書画図録を作成する仕事が続いている。
ごく最近でも、東陽英朝禅師、雲居希膺禅師、愚堂東寔禅師といった高名な禅師方の書画を、関係寺院に出向いては、撮影させてもらってきた。
ほかにも、ご縁があってご寺院を訪ね、御所蔵の書画什物を資料として撮影させていただく機会も増えてきた。

こうして蓄積されるデジタルアーカイブをデータベースとして保存していくことは、禅文化研究所としてやるべき事業の一つではないかと感じている。
そんなことから、禅文化研究所の本年度の事業には、「禅の至宝(禅文化財目録整備事業)」とともに、「一般寺院什物データベース」を企画している。
将来的には、これら2事業をまとめあげた、「禅文化のバーチャル博物館」をインターネット上に公開したいと計画している。

ところで、冒頭にあげたような図録の作成の場合には、主にその寺院の開山様であることで、その当時からずっと所蔵されている書画である場合が多い。しかしながら、長い歴史の中で収集などされて集まった書画を、寺院什物として所蔵されている寺院も少なくないのである。
そういった寺院を探して訪ね、そのデジタルアーカイブを研究所で保存させてもらうことをお願いし、それとともに所蔵目録となるようなデータベースを作成して提供できるというような事業である。

つい先頃、上記の一環で訪ねたご寺院では、主に白隠下の東嶺・遂翁・霊源・卓洲・隠山をはじめとする多くの禅僧書画をご所蔵されていて、なかなか圧巻であった。
冒頭の写真は、その中の1点で、遂翁画賛の「四睡図」ある。

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