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大徳寺の月釜

大徳寺_月釜

28日は千利休さんの月命日。 この季節、少しでかけるだけでも汗が吹き出るような暑さだが、今月(7月)は土曜日と重なった為、、このような暑さに釜を懸けるご亭主は、どのような工夫をなさるのだろうと、お勉強させていただく為でかけてみた。 月命日であるから、むろん各塔頭での茶会が始まる前に、本堂で読経がある。 夏なら8時ぐらい、それ以外の季節だと、9時前くらいに塔頭に伺うと見学可能。

今回は二席回らせていただいたが、心に残ったのは、「自分の心の中にあるわだかまり、不安、どろどろした気持ち」など、この時期の暑さのみならず、人間の汚れや何かを洗い流して下さるような、久田宗也宗匠のお軸、「瀧」の一字。宗匠のお人柄をそこに見るような字に感動。そして床に飾られた吊り花入に生けられた昼顔。茶席で心の洗濯です。
その他の御道具も、暑さを忘れさせるなんともすっきりとしたお席で、席中ではたらく社中の方もきびきびと気持ちよく、日頃のお稽古の様子が伺えるようであった。

また、もう一つのお席では、由緒あるお茶碗の中に、皆も陶印を確かめるのだが誰のお作かわからぬお茶碗が。
ご亭主の話によると、「五条坂で、なんやしらんいいお茶碗やなぁ思て、求めましてん」と。
私であれば、名のある陶工が作ったわけではない、この素敵なお茶碗に気付けただろうか・・・と。
何事においても、「気付く」というのは、なかなか出来ない事で、見習いたく思った次第。

茶道は堅苦しい、なんだか権威主義の社会に思える、お月謝がすごそう! など、色々と世間での噂が先に立って始められない方もいらっしゃるかと思う。
が、良き師匠に出会い、自分が自分の在り方をはっきりと決められるようになれば、その先には自由があり、発見があり、これほど広がりあり奥深い世界はない(と、私は思う)。
禅から茶に入る方、茶から禅に興味を持つ方、色々いらっしゃると思うが、せっかく興味を持ったならば、まずは「はじめの第一歩」なのである。

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老舗の心

熱帯地方の睡蓮(未草)

先日、とある老舗に長年使っている大切な物の修理をお願いした。
それが昨日届いたのだが、無駄なゴミを出さずシンプルながらも、大切な物を絶対に濡らさない、傷つけはしない、非常に気配りされた丁寧な梱包で、中味を見るまでもなく嬉しく思った。

そして、修理に出した物がまた職人さんによって新しい命を吹き込んでいただいたような気がして、「心を込めて何かをする」という事は、こちらにまで間違いなくきちんと伝わるのだなぁと改めて思い、大切な事を教えていただいた次第。

老舗、御用達、名店と謳われるほどの店になるまでには、先人の数知れぬご苦労があった事であろうし、今現在ものれんを守っていく困難との闘いであろうと思う。
修理に出した物一つに、老舗であるゆえん、その心を見、非常に爽やかな気持ちが心に拡がった。

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お盆前の一仕事 -庭木の剪定-

今年は猛暑だと言われているが、今のところは冷夏とも言えるような涼しい毎日ではある。
それでもようやく近畿も梅雨が明けたからこれからは暑くなってくるのだろう。
そしてお盆がやってくる。

筆者の自坊では、お盆までには境内の木々をきっちり刈り込んで、お参りに来られる方々をお迎えせねばならない。
大きな松の木や泰山木などは、自分の手に負えないので、シルバー人材センターにお願いして、かつて庭職人だったお年寄りの方々に手入れをしてもらっている。
今年もつい先日、2日間をかけてやっていただけた。

のこりの低い木、例えばさつきなどは、自分で電動植木バリカンや剪定ばさみを使って刈り込んでいく。これが毎年、お盆前にしなければならない大仕事の一つである。

刈り込み前はこんな感じ。
刈り込み前・・・

電動バリカンに慣れるまでは、何度も電源コードを挿んで切ってしまったり、思ったように刈れずにいたが、すべて剪定ばさみでやっていたことを思うと、なんと手早いことだろう。
しかし、刈り込んでいった中には蜂の巣があったりして、知らずに刈っていると、ぶぅ~んと蜂たちが飛び出してきて大慌てで逃げることもしばしばである。スズメバチの巣もあったりするから、笑っておれないのである。

刈り込んでさっぱり。これで今年もお盆が迎えられる、そんな気分になるのだ。


刈り込み後……

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MIHO MUSEUM -いにしえのほほえみ-

いにしえのほほえみ

大好きなミュージアムの夏季展示が始まったので足を運んだ。

「いにしえのほほえみ -地中海から東アジア・日本まで-」 7/14(土)~8/19(日)

この美術館、季節ごとの素晴らしい展示と共に、信楽の四季の恵みを体感できるのも気に入っている。
都会とは違う美味しい山の空気が味わえるのだ。

今回の展示は、地中海・オリエント・中央アジア・南アジア・東アジア・日本と、地域ごとのいにしえのほほえみ像のお目見え。
こういった像に見られる最も古いほほえみは、2600年ほど前のギリシアのものだとか(いわゆる、アルカイックスマイル)。
ギリシアを旅すると、ゆったりとしたほほえみを湛えた像にたくさん出会うが、それが時間と場所を経て、日本の仏像などのほほえみにまで到達する軌跡を、この展示で辿る事ができた気がする。
古今東西、和顔は絶やしてはならないものなのだ。

*夏休みには子供向けの企画などもある模様。 子供たちが、美しい自然、それに溶け込む建築、そして人間が生み出した各国の文化に触れられる素晴らしい機会だ。

アルカイックスマイル

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東京国立博物館 京都五山展

京都五山展

上野の東京国立博物館にて、-足利義満600年御忌記念「京都五山 禅の文化」展-が開催される。
*07年7月31日(火)~9月9日(日)

京都五山とゆかりの寺院から、中世の禅文化の名品が一堂に集うまたとない機会。
来館の皆様には、栞いろは歌-禅のことをもっと-を配らせていただく事となった(なくなり次第終了)。お近くにお住まいの方、期間中に東京に立ち寄られる方には是非お運びいただきたい。

先の「仏像 一木にこめられた祈り」も大勢の来場者で賑わっていた為、今回も多くの方がご覧になられる事を期待している。
また、会期中には、講演会のみならず、茶会や坐禅会(申込先着順/HPに詳細あり)も開催されるようで、ただ鑑賞するだけでなく、実体験も出来る企画となっているため、お茶人さんが集う月釜(茶会)や寺での坐禅にはなかなか出かけにくかった方も、気軽に参加できるのではないだろうか。

この展示、地元京都では開催されない為、非常に残念。
京都に五山があっても、その名品を一度に見る機会は無い。
東京国立博物館での展示後は、九州国立博物館を巡回(08年1月1日~2月24日予定)する。

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春日大社

奈良県は春日大社を訪ねた。

参道にならぶ苔むした石灯篭

奈良公園の山側に位置するここは、緑に包まれて神聖な空気が流れているようだ。 参道をいくと、苔むした沢山の石灯篭がならび美しい。

境内にはいると神殿の回廊などにはたくさんの灯篭が釣り下げられている。


たくさんの灯篭


ちょうど我らが忙しいお盆の頃、8月14日・15日には中元万灯篭という行事が行なわれ、これらの灯篭すべてに灯がともされるらしい。境内には3000もの数があるという。さぞや幻想的であろう。
そのときに訪れてみたい気もするが、職業柄、絶対に不可能ではある。

巫女さんの袴の朱色が映えてあざやかだった。


巫女さんの袴の朱色があざやかだ

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Flowers and Plants in Tibet -№11-

Flowers and Plants in Tibet -№11-

禅文化研究所客員研究員・李建華さんのご子息、叡(えい)さん による、チベットの草花の写真です。
石がゴロゴロ、乾ききったように見えるチベットの大地ですが、こんなに美しく花を咲かせています。

よく、泥から美しい花を咲かせる蓮が讃えられますが、この厳しい大地に美しい花を咲かせるこの植物も人が生きていく為の教えを説いているかのようで…。
専門家さえその品種を特定するのが難しい植物もあるとの事で、植物の詳しい説明は避けたいと思います。どうか、美しい写真をお楽しみ下さい。
尚、チベットの植物について詳しい方がいらっしゃいましたら、どんどんコメント宜しくお願い致します。

追伸:お父さんの李建華さんによるチベット紀行も必見です!!!

※写真の無断転載・利用はおやめください。

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美しい国、日本?! -アレックス・カー氏-

氏は、雨蛙を見てエメラルドと・・・

7月15日、TBS『情熱大陸』というTV番組に、アレックス・カー氏が出ておられた。
どのような方かはこちらで>『情熱大陸 アレックス・カー(東洋文化研究家)』

様々な仕事をこなしていらっしゃるが、その全ての根底にあるのは、-本当に美しいものとは何か-であって、揺るぎない信念と審美眼を持つ彼だからこそ出来うる仕事をしていたら、それがあらゆる分野にまで拡がっているだけなのだと思えた。

「日本は、東洋の文化の終着地点のような所」と、番組内でおっしゃっていたが、まさにその通り。それは、アジア各国に趣き様々なものを自分の目で見て、手で触れて来たからこそ自然と出てくる言葉なのだろうと思えた。
今、政府は「美しい国、日本」というコピーを携えているが、それならば、その日本の源流とも言える国々の文化の知識までをも持ち、その上で、なかば壊れかけた日本の美しい風景や文化をどのように立て直して行くのかを見据えなくては、狭い狭い日本の内だけを見て「美しい国、美しい国」と言っていても、机上の空論に過ぎない気がする。
氏のように、知識と経験、ものを見る心の目を持った方に政策に携わって欲しいような、すがるような気持ちになってしまった。

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禅スタイル?!

先日、テレビを見ていたら、NHK教育放送の「おしゃれ工房 」で、和風モダンなリビングコーディネートのことをやっていて、「禅スタイル」と呼んでいた。
曲がりなりにも禅寺で生活し、禅と大いに関係する仕事をしている身として、どのあたりが禅なんだろうかと気になった。というのは、正直、どこにもいわゆる「禅」らしさを感じなかったからである。

ネットで検索してみると、これは「ZEN Style」という欧米で確立した言葉であるようだ。『ZEN Style』という本まで出ているではないか。


ZEN Style

余談ながら、「禅」で検索してみると、弊所ホームページよりも上に出てくる、禅とは無関係なものがあるのには、なんとかならないものだろうか。

さて本題。これはどうやら、欧米人の目から見た日本の生活スタイルで、いわゆるシンプルな和風モダンのことをいうようである。決して民芸調ではない。色はモノトーンや焦茶を基調としている。どうやら欧米人が日本の禅寺で受けたインスピレーションからうまれたもののようだ。

なぜ欧米では禅がブームなのであろうか。
思うにそれは、欧米の個人主義が自我を尊重しすぎるあまりに行き着く所に行き着いてしまい、人間性の喪失が問題となってきたからではないだろうか。そして、無我を追究する禅思想に自己を見出す方法を見つけ出そうとした・・・。それがライフスタイルにまで影響を与えたのかもしれない。

そこで思い返せばわが国のことである。欧米化してプライベートを尊重し、いつのまにか、家の中は個室だらけ。親兄弟とも会話の少ない生活に成り果てている。
こんな欧米からの逆輸入によるうわべばかりのファッションやリビングスタイルはともかくも、禅の文化を育んだ日本に生きる我ら日本人は、本当の禅を学び、禅の精神を体験してほしいと思う。

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祇園祭 宵山

鯉山

台風到来、梅雨の雨も降り止まず、どうなるかと皆が心配した今年の祇園祭。
7月16日の祝日月曜日が宵山。この日も午前は晴れていたのに午後から雨、そして夕方には雨がやむという奇跡的?!な空模様。

gionkoi.jpg

一番人気(と思えた)、鯉山。 
飛騨の名工、左甚五郎作と伝わる力強い鯉、登竜門の出世御利益にあやかりたい?!と長蛇の列です。
また、鯉山の人気には、左甚五郎の鯉のみならず、17世紀頃にヨーロッパより日本に入ってきたといわれるトロイア戦争物語が描かれたタペストリーが。
普段は京都国立博物館に寄託されており、山鉾巡業の際には川島織物により復元されたものが使われる為、宵山の期間中の町席でしか本物にはお目にかかれません。

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この花の季節

木槿

暑くなってきたなぁ、梅雨だなぁ・・・。
と、なんとなく心が晴れない季節。

ふと気づくと咲き始めているのがこの花、木槿(むくげ)。
天を向いて、厳しい日差しも梅雨の雨も何のその。
花が少なくなってくる真夏にも、茶室で大活躍。
毎日毎日、誰に頼まれなくとも新しい花を次々と咲かせます。
そんな木槿の花を見て思う。『日新日々新』。

木槿

自然の模様、色ってすごい。歌舞伎役者も舞妓さんも顔負けの美しさ!
と思ってしまうのは私だけでしょうか・・・。

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今週の花

研究所の玄関

研究所玄関の今週の花。
桧扇(ひおうぎ)水仙、河原なでしこ、九蓋草(くがいそう)。
豪華な花よりも、なんとなく心を和ませてくれるこんな花が落ち着きます。

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21世紀に生きる君たちへ 司馬遼太郎記念館

引き続き、司馬遼太郎記念館。

さて、企画展である「21世紀に生きる君たちへ」。
展示用ディスプレイとして、「21世紀に生きる君たちへ」の全文、そして、司馬が好んで使っていたという色鉛筆で校正されたゲラ原稿などが展示されていた。
何度も読んだことのある「21世紀に生きる君たちへ」ではあるが、こうして目にすると、また新たなる感動が生まれてくる。

そもそもこの文章は、小学生の教科書のために書いたものであるが、子供たちは、この文章をしっかりと心に受け止めてくれたのだろうか。
また、彼らを教育する先生方は、司馬の思いをきちんと子供たちに伝えてくださっているだろうか。

21世紀に生きる君たちへ

「21世紀に生きる君たちへ」の全文を読んでもらいたいのはもちろんだが、その中で司馬は、自分の知ることのできない未来である21世紀に生きる子供たちに、ただして欲しい希望を連ねている。

まず一つは大いなる存在に生かされていることを知り、昔のように自然・人間を尊敬して欲しいこと。そして、「自分には厳しく、相手にはやさしく」という自己を確立し、社会において互いに助け合って生きていくべきこと。そうすることによって、21世紀は人類が仲よしで暮らせる時代になるに違いないと。

実はこの想いは、数々の著作の根幹にある司馬自身の想いそのものなのであることを知った。記念館内部にある講演会場にもなるシアターの映像で、司馬は映像の中でこのようなことを語っていた。

自分が著作を始めるにいたった根源は、敗戦から復員してきた22歳の時の自分にある。なぜ日本がこのような国に成り下がってしまったのか。国を治める人たちがどうしてこんなにふがいないのか。大正以前の日本はこうではなかったはずだ。戦国時代や江戸時代の日本人はちがったはずだ。
しかしその時私はなにも知らなかった。歴史のことがわからなかった。だから自分で調べ、22歳の時の自分にあてた手紙のように著作を始めたのだ……と。

さて、司馬は、昨今の悲惨な事件の数々を知ったならば、いったいどう思うことだろう。

記念館を訪れた記念に何冊かの本を買ったが、そのうちの二冊が上のもの。片方は英語が対訳されていて、世界の子供たちにも読んでほしいものだ。

記念館を後にするとき、もう一度、司馬の書斎を見てみた。
まるでそこに居るがごとし。机を離れて食事にでもいっておられるような状態である。


司馬の書斎

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司馬遼太郎記念館

司馬遼太郎記念館

東大阪市にある司馬遼太郎記念館にいってきた。 いつの頃からか歴史小説が面白くなり、著作のすべてを読んでみたいとさえ思っているくらいで、かねてから一度訪れなくてはと思っていた。 ちょうど、「21世紀に生きる君たちへ」の企画展を10月28日まで開催中である(これについては明日の記事にて…)。

企画展 「21世紀に生きる君たちへ」

ここは司馬の自宅に、後に建てられた安藤忠雄氏設計のミュージアムがある。
安藤氏といえば、コンクリートの打ちっぱなしの建築物で有名。例えば、以前に本ブログでもとりあげた、大山崎山荘美術館にも安藤氏の設計による新館がある。

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もうすぐお盆 (お寺で大活躍 擔雪II)

擔雪II

今年ももうすぐお盆。
地域によっては7月にお盆をされるところもありますが、多くは8月ですね。
このお盆、お寺の和尚方にとっては痩せるほどの多忙期ではあります。檀家の皆さんにとっては、普段遠ざかりがちなお寺へご先祖のご供養も兼ねてお参りするいい機会です。

こんな時期にお寺で大活躍するのが、「宗教法人管理システム 擔雪(たんせつ)II」。禅文化研究所で制作販売している寺院向けのパソコンソフトなのです。
実はこの種のソフトは他社からもいくつも出ているのですが、擔雪II は、我々僧侶が内部で開発していますから、痒いところにも手が届くようなソフトで、自画自賛ですが、ほかとは違うすぐれものなのです。その機能はかなりの圧巻。

サポート対応していると、よくこんな声をよく耳にします。
「以前に自分のお寺用にカスタム制作してもらったソフトがあるんだけれども、なかなか思ったことができない」「作ってくれた会社が廃業して、もう新しいWindowsに対応していない」

その点、擔雪IIは、実際に実務をしている僧侶が開発に直接関わっているので、要望と実現のすり合わせがうまい具合なのです。また、擔雪ver.1からの要望なども含み、できるだけ多様な要望にお応えしているパッケージソフトです。
要望に対応した新しい機能は、弊所のホームページからダウンロードできるアップデートファイルで簡単に最新版にすることができますし、もちろん最新のWindowsVistaにも、即時対応してきました。
また、このたび、日本全国に拠点を持つキューアンドエー株式会社と提携して、導入時の設定や、使用中のトラブルに、お寺まで出張して対応できるようなサービス(別途費用必要)も開始します(まずは関西圏のみから)。

過去帳や現在帳を含む檀信徒の情報、宝物什物を含む財産や日々の出納の管理、あるいは檀信徒負担金の管理・・・。
何かいいソフトはないかなと思われたら、この「擔雪II」はいかがでしょうか。

擔雪II

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つばめは益鳥か害鳥か?!

つばめの子勢ぞろい

一般には、つばめは害虫を駆除してくれる益鳥であると子供のころ学習し、大切にしてきた。
また、初夏と共に飛来し田植えの済んだ田園を低空飛行しているつばめは、美しい初夏の風物詩である。

その反面、今年の夏はここ天龍寺では燕害に悩んでいる。
玄関・大方丈にと、10箇所くらいの巣をかけ、子育てに余念が無い。
廊下はつばめの糞で真っ白になる。観察すると飛行中にも糞をするし、子供に餌を与える時もポトポトやっている。
毎日掃除をし、おっつかない廊下に新聞紙を敷いて置くのだが、焼け石に水である。
時折、敷いた新聞紙の記事に見入っていると大変なことになる。
拝観客は、「ま~カワイイ!」と言っているが、その頭にぽとり。雀のお宿よろしくつばめのお宿なのである。

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未草-ひつじぐさ-

ひつじぐさ

未草(睡蓮)の季節ですね。
朝開いて、夕方には閉じる事から、エジプトでの花言葉は、「復活」です。国花でもあります。
太陽信仰があり、水を大切に思う人々にとってはまさに、慈しむべき花であったのでしょう。
ツタンカーメン王の墓の中にも、ブルーの未草が敷き詰められていたと言われていますし、壁画やパピルスに書かれている絵にも、この未草が見られます。
エジプトを旅される方は、色々な所で遭遇する機会があるでしょう。

そんな未草、アジア諸国、むろん日本でも愛されていますね。
そういえば皇室では、紀宮様のおしるしが、未草でした。
あらゆる種類があり、水面に浮かぶ神秘的でありつつもかわいらしい花には、しばしみとれてしまいます。

写真でもおわかりのように、水面に葉も花も浮いているようにあるのが未草(睡蓮です)です(ただし、熱帯性のものは水面より茎が伸びて咲くそうな)。
もう少しすると蓮も満開ですね・・・(蓮は、葉も花も水面より上に伸びています)。

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お仏壇の購入

泥の中から美しい花を咲かせる蓮

つい先日、自坊の檀家の独居老人のAさんの家に、年忌にあわせて購入された新しいお仏壇の開眼に出かけた。
今まではご縁のある方から譲ってもらっておられた古いお仏壇で、宗派様式が禅宗とは違うものだったので、それを処分して、新しいお仏壇にされたのだ。
法要の後、親戚の方々と話をしていたとき、こんな話が出た。

「分家した家ではお仏壇をいつ買えばいいんでしょうか。誰も亡くなっていないのに買うもんじゃない、縁起が悪いことが起きると、よく人がいいます」と。

そこで私はこんな話をしました。
分家した当主にももちろんご先祖がおられるでしょう? 自分はそのご先祖方の縁をいただいて今ここにいるのです。だからお仏壇を購入してお祀りするご先祖がないわけじゃないのだから、気持ちが起こったのなら買えばいいんじゃないでしょうか。追善供養することに悪いことがあるはずはないでしょう……。

冒頭に書いたように、この檀家さんは、6年ほど前に、息子さんと奥さんを順に亡くされ、今は一人暮らしのお爺さん。法事には嫁がれた娘さんのご主人と子供達、そして2、3人の親戚がお参りされていた。
嫁がれた娘さんの子供達も、もう成人されたお嬢さんなので、彼女たちに話すつもりで、こう続けた。

失礼と存じつついいますとね、こうして新しいお仏壇を買われたけれど、なんで今更って思いませんでしたか? この家にはもうAさんしかいないんでしょ。Aさんが亡くなった後はこのお仏壇をお守りする人がいないのに、なんで今頃お仏壇を買うんだろうって、思わなかったですか?
だけど、それほどまでしてAさんは、息子さんや奥さんの菩提を弔いたかったのではないでしょうか。
そうすることによって、自分に大きな安心(あんじん)を得られたのではないでしょうか。
そうですよね、Aさん。

するとAさんは大きく頷かれていました。なんかホッとしたと仰いました。

これが本当の追善供養、そして回光返照ってことだと思う。
回向返照というのは、仏壇の花を仏様に向けて供えないで、自分たちに向けて飾っているのも同じことで、仏様やご先祖様に功徳していることが自分たちにさし巡って返ってくることの象徴なのである。
Aさんのされたことを、席を共にした若い人たちに知っておいて欲しくて、下手なお話をしたのであった。

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半夏生(はんげしょう)の季節

半夏生

「夏至から数えて11日目(現在は、天球上の黄経100度の地点を太陽が通過する日となっているそうだ)、だいたい7月2日~七夕頃までの間の日を、半夏生と言ってね、この花は、その頃にちょうど花を咲かせて、花のすぐ下の葉が白くなるから、半化粧とも言われるのよ。お化粧してるみたいでしょ!」と、お茶の先生から習った半夏生。

毎年毎年、この時期になると必ずと言っていいほど、茶室の床にお目見えし、「不思議・・・」と、1枚だけ白くなった葉をまじまじと見つめる。
小さな茶花の、たった一枚の葉っぱに、涼を覚えたりもする。

「半夏生」は、私にとっては、「これからさらに暑くなるなぁ、あ、もうすぐ祇園祭か・・・」と、季節の到来を知らせてくれる花の一つだ。
毎年、変わらずこの時期になると葉っぱが白く・・・。なんとも不思議な自然の営みなのである。

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無文老師のことば

無文老師

仏教、禅のことを勉強したい。
禅ってなに? 仏教って?  信仰って?
本を読んでみたいけど何から読めば・・・。

なんとなぁく、仏教、あるいは禅のことに触れてみたいな・・・と思われた時、その時の行動が後々自分の行く末や考え方、人生を変えるきっかけになるかもしれません。
ですが、自分が何から手をつけたらいいかわからない・・・。
そんな時はまず、無文老師のことばを読んでみて下さい。
“良いもの”に出会って下さい。

「第一歩」として、研究所HPの「読む」の欄には、無文老師のお話を掲載しています。
非常にわかりやすく物事の真理をお話し下さるため、力強いことばながらもとても優しく暖かく、読み進めやすく、心にじーんと響きます。是非。

こちらからどうぞ
無文老師のことば

「わたくしは坐禅をするようになってから、坐禅こそ真のいのりであると思うようになった。絶対者の前に正しく自己をすわらせること・・・」
「甘いものを食べすぎると虫歯になるように、甘い教育を受けて育った人間は、精神的に虫ばまれてしまいます・・・」
「われわれの人生も永遠に途中であって、もうこれでいいという終点はないと思います。お互いの人格も、いかに修行をしてみても、もうこれでいいという終点はないでしょう」
「何もすることがないという人間などございません。人間は死ぬまで何かができる、何かを作っていかねばならん」

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Flowers and Plants in Tibet -№10-

Flowers in Tibet

禅文化研究所客員研究員・李建華さんのご子息、叡(えい)さん による、チベットの草花の写真です。
チベットの厳しい自然の中でも、草は根を張り、美しい花を咲かせます。

今回の花は、皆さんも日本でよくご覧になられる花かと思います。
アガパンサス・オリエンタリスか、その他多くあるアガパンサスの仲間かと思われます。
アフリカ原産の花のようですが、強いようで、チベットの環境にも適応したのでしょうか。
荒涼たる大地にこの紫の花をみつけた時、どれだけ美しいことでしょう・・・。

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