カテゴリー:「禅の寺」


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CJPF AWARD 2024ムービー部門で大本山永源寺さんがグランプリを獲得!

去る2月26日(月)に、クールジャパン官民連携プラットフォーム(CJPF)が主催する「CJPFアワード2024表彰式」が開催されました。
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その中のムービー(動画)部門(海外に向けて日本の魅力をストーリーとして発信した動画)で、大本山永源寺さんがグランプリを獲得されました。
ぜひご視聴ください。
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2022年度サンガセミナー「大本山萬福寺・宝蔵院 顕彰特別参拝」修了

DSC_5484_blog.jpg12月3日に行われたサンガセミナー「隠元禅師350年大遠諱年 大本山萬福寺・宝蔵院 顕彰特別参拝」の様子です。

僧侶の案内のもと、萬福寺の境内、そして普段は非公開の開山堂や法堂、東方丈などを参拝しました。お経の実演もしていただきましたよ。

DSC_5494_blog.jpg中国式の異国情緒あふれる境内に、ランタン祭りのカラフルなオブジェもたくさんありました。
寒い一日でしたが、皆さま興味深くお話を聞いておられたり、熱心に写真を撮っておられました。

DSC_5510_blog.jpgそのあとは黄檗宗萬福寺の塔頭・宝蔵院の鉄眼版一切経版木収蔵庫へ。

初代住職の鉄眼(てつげん)が1681年に完成させたお経の版木「鉄眼版一切経版木」(重文)や黄檗宗の典籍の版木などが保管されています。

DSC_5518_blog.jpgこの版木は、明朝体と原稿用紙のルーツであり、版木材には、堅くて摩滅しにくい吉野地方のヤマザクラが用いられています。


自らの大願を叶えるとともに、大慈大悲の心で、幾多の難民を救済することに生涯を費やされた鉄眼道光禅師の息吹を今なお、感じることが出来る貴重な場所です。

約6万枚もの版木に、皆さん驚かれたり感動されたりしていました。

DSC_5447_blog.jpg一方、宝蔵院で我々スタッフが昼食にいただいたのは、「寺そば」(ヴィーガンラーメン)。

動物性食材を一切使用していないラーメンとのことで、四季によってスープの味が違うそうです。冬限定の味噌豆乳味をいただきました。
カルボナーラ風で、まろやかでやさしい大人の味でした。トッピングはとうもろこし、糸とうがらし、白キクラゲ、胡麻など。見た目もカラフルでかわいらしさもありました。
開発には苦労されたそうですが、その珍しさもあって次々とお客さんが来られていましたよ。
宝蔵院では、版木の収納棚を新調するなど文化財保護のための資金を集める「鉄眼プロジェクト」に、寺そばの御代金の一部が募金として志納されます。
法蔵院にお立ち寄りの際はぜひ寺そばを味わってみてはいかがでしょうか。

一日三十食限定(11時~14時)/600円
※不定休あり(詳しい情報は法蔵院ホームページまで)


今回参加できなかったという皆さまも、来年度以降も、色々な講座を企画していく予定ですので、ぜひまたの機会にお待ちしております!

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大徳寺方丈の修理現場へ

国宝・大徳寺方丈の修理現場の見学に行ってきました。
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大徳寺は臨済宗大徳寺派の大本山で、鎌倉時代に大燈国師によって創建されました。
方丈は、本来住持の住まいとして用いられる建物でしたが、後に接待や行事の場としても使用されてきました。
現在の建物は、寛永12年(1635)に、大燈国師三百年忌にあわせて行われた伽藍整備の際に建てられました。今回は90年ぶりに建物を解体して修理が行なわれています。
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無数の丸太が組まれた圧巻の空間でした。すべて鳶職人による手仕事だそうですよ。
修理は令和8年まで行われる予定とのことで、完成が楽しみです!

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茶の湯にかんするウェブセミナーのご案内

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本日は、この6月~7月にかけて開催される国際的なセミナーのご案内です。

サンフランシスコ州立大学主催「サンフランシスコ茶の湯と茶文化国際会議(SFICCTC )」は、茶の湯について最新、あるいは重要な研究を紹介する学会。今回は弊所単行本「新・坐禅のすすめ」にて《坐禅の変遷》をご紹介くださった舘隆志先生(駒澤大学仏教学部講師)も登壇されます(先生の発表テーマは「禅語を通して僧侶の心を理解する」です)。

研究者向けではありますが、茶の湯とこれにまつわる文化に興味をお持ちの方にとって心動かされる発表が多いのではないでしょうか。リモートで実施(要登録)されますので、ご自宅で最前線の研究成果に触れられる貴重な機会でもあるかと思います。今後の発表者も募集中とのことですので、ぜひ下記より詳細をご覧下さい。

茶の湯と茶文化に関する第8回お茶ざんまいサンフランシスコ国際会議
テーマ:「日本のお茶の伝統における展示の芸術」
実施日時:(日本時間)2022年6月12、19、26日、7月3日/午前10:00~

詳しくはこちら

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田辺の一休寺開山堂屋根修繕プロジェクト

 

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11月になりましたね。気持ちよい秋晴れです。
さて、禅文化研究所ではデジタルアーカイブス事業で、各地の寺院の宝物調査をしていますが、大事にされているとは言え、それでも虫食いにあっていたり、雨漏りで水濡れしてしまったものとかがあり、残念に思うことが多々あります。
それらを修復した方がいいと薦めても、資金的に困難だということもよくお聞かせ頂きます。
文化財の保存維持にはお金がかかるのが実情です。
国宝や都道府県の指定になっている場合は、相当額の助成を得られますが、そうでなく資金繰りに難しいとき、どうしたらいいだろうか。そんな方法のひとつにクラウドファンディングというものも考えられますね。

さて、一休禅師が再興されたお寺として知られる、京都は田辺にある酬恩庵(一休寺)さまは、元々は、かの大応国師が建てられたお寺です。その開山大応国師の木像を祀る開山堂の屋根は檜皮葺き(ひわだぶき)ですが、風雨による損傷が激しく、雨漏りまでしている状態だそうです。そこでこの屋根の修繕プロジェクトを起こされ、その方法として檜皮ではなく、耐久性の高いチタンでの葺き替えとし、その資金調達にとクラウドファンディングを今日から始められました。

どうか、主旨にご賛同頂ける方は、少しでもご出資いただけるようご協力お願いします。この記事のシェアはご自由にどうぞ。

詳しくは下記から。
一休寺 開山堂屋根修繕プロジェクト(クラウドファンディング)

⽀援募集期間︓11⽉1⽇(⽉)〜12⽉24⽇(⾦)23時

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黄檗宗大本山 萬福寺へ

来年2022年は宗祖隠元禅師350年大遠諱。
隠元禅師といえば、江戸前期に中国から渡来し、当時の中国から多くの文物を日本にもたらした僧として知られています。

先日、隠元禅師によって開創された萬福寺の見学に行かせていただきました。また、主事の方に案内・解説もしていただき、より深く萬福寺を知る機会となりました。


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雨が降る中の見学でしたが、萬福寺独特の魅力を存分に感じることができました。
とても古いお寺なのに目新しさを感じるのは、他に類を見ない建築様式だからでしょう。異国情緒あふれるユーモラスな境内。禅師の影響力の大きさを実感できます。


萬福寺といえば、魚の形をしたこの開梆が有名ですね。
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大きな木製の開梆で、現在も時刻を知らせる際に毎日使われているそうです。(3代目のお魚とのことでした。)
口にくわえている玉は煩悩で、その煩悩を吐き出しやすいようにお腹を打ち、自らも心を戒めます。また、「魚のように寝る間を惜しんで、修行に励みなさい(魚は目を開けて眠ることから)」という意味もあるそうです。
とても独創的な発想で作られた開梆だったのですね。
それにしても不眠不休の心得とは…雲水さんは毎日過酷な修行をされているのだなと思いました。


萬福寺の柱は、石が支えています。

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ここにも中国風の特徴があり情趣を感じました。
昔の建築様式ではよく見られるようですが、この柱、礎石と柱はくっついていないそうです。
礎石の上にただ柱が乗っているだけなのに、萬福寺はこれまで一度も地震による被害もなく残存していることに驚きました。地震の際はこの石が揺れを吸収しているのだろうとのことですが、350年以上も前の技術に脱帽せざるを得ませんでした。
四角い模様のこの床は、龍のうろこを表しているそうです。


また、萬福寺では大遠諱事業の一環として、法堂などの屋根を創建当時の姿に復元されました。

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瓦屋根からこけら葺きへ。とても上品な風合いで、当時の趣を感じることができます。
工事が終わったこのタイミングで伺えて万感の思いでした。


ほかにも布袋様や、「卍くずし」と呼ばれるデザインの勾欄(こうらん)、桃の紋様が刻まれた「桃戸」など、ここに書き切れないほど見どころがたくさんありました。
大遠諱を迎えるこの機会に、ぜひ多くの方に足を運んでいただきたい寺院です。

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妙心寺三門懺法

IMG_0566_325.jpg秋晴れの10月16日、妙心寺の三門懺法が執り行われました。
本来は毎年6月18日に行われるのですが、今年はコロナ禍により延期となったのです。
今回、妙心寺法務部が儀式をアーカイブス映像として残すということで、撮影に立ち合わせていただきました。

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三門楼上には観世音菩薩と十六羅漢が祀られ、極彩色鮮やかに飛天や鳳凰、龍の図が柱や梁に描かれています。
懺法会は、自らの過ちを懺悔する儀式ですが、午前8時30分、山内僧侶30名ほどが出頭し、鼓鈸(くはつ)の合図と共に厳かに始まりました。古来から伝わる法式に則り3時間に及ぶものでした。

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妙心寺では、世代が変わるたびに儀式を伝えるのが難しくなってきており、映像で残すことの必要性を感じるとのことでした。
伝統的な儀式の保存というのもアーカイブスの重要な役割といえるでしょう。

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高台寺 秋の特別展

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新型コロナの収束は見通せない状況ですが、京都の社寺の拝観者数は戻りつつあるようです。
東山の高台寺では、下記の日程で秋の特別展「観音妙智力 -智慧と慈悲の光(ひかり)」が開催されます。
観音菩薩は詳しくは観世音菩薩ともいい、世間の人々の声(世音)を観察し(観)、その求めによって自在にお姿を現し、あらゆる苦悩から救済してくださる慈悲の菩薩です。
観音菩薩の慈悲と救済を説いているのが、『観音経』ですが、高台寺が所蔵する「三十三観音像」(室町時代)は、この『観音経』をベースに各場面と二十七の観音、そして六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天)の各境涯に対応する六観音を加えた三十三幅で構成されています。
今回はその中から観音菩薩の智慧と慈悲を余すことなく伝えるべく厳選された十二幅を公開されます。
この機会にご覧になられてはいかがでしょうか。


会期:10 月23 日(金)~12 月13 日(日)
時間:9 時~22 時(21 時30 分受付終了)
拝観料:大人600 円 中高生:250 円 ※特別展の別途料金なし
所在地:京都市東山区高台寺下河原町526 番地

 

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特別展「茶の湯-禅と数寄」(相国寺 承天閣美術館)

 

b_191204.jpgただいま、大本山相国寺の承天閣美術館では、特別展「茶の湯-禅と数寄」展が開催されています。

会期は下記の通り。

Ⅰ期 2019/10/5~2019/12/22

Ⅱ期 2020/1/11~2020/3/29

禅ととても関係の深い茶の湯。禅の心は、茶の湯の「わび」「さび」に欠かせないのでしょう。戦国時代の信長、千利休もこの相国寺で茶会を催したなどから、相国寺にもたらされている銘品も少なくないようです。

先日のサンガセミナーのカメラ講座でも撮影をしていたのですが、この承天閣のエントランスのもみじがとても美しく見頃です。また、ちょうど相国寺では12月15日まで秋の特別拝観も開催されています。あわせてお出かけになっては如何でしょうか。

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サンガセミナー「お寺で写真講座」「水墨画講座」修了

 

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去る11月29日(金)に、今年度のサンガセミナーの最終回となる第5回として、午前中に「お寺で写真」講座、午後には「水墨画講座」講座を、京都市上京区の大本山相国寺で開催しました。

このところ曇りがちで小雨も降るような毎日でしたが、当日はこれ以上の紅葉狩り日和はないというような晴天。

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9:30から相国寺内の一室をお借りして柴田明蘭先生による「お寺で写真講座 -露出で変わる写真の印象~紅葉のきれいな写し方」を開講。まずは座学で、プロジェクターをつかって一眼レフによる美しい紅葉撮影のための技術をご教示いただき、10:40頃からは各自御自分のカメラを持って相国寺境内に出向いて撮影を開始。

承天閣美術館のエントランスあたりはとてもグラデーションのきれいなもみじが楽しめました。またたまたま通りがかった着物姿の女性にモデルになってもらったりもして、カメラ熱があがりました。

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逆光で美しく見えるもみじを探したり、苔の上に散ったもみじを狙ったり、先生のご指導を仰ぎながら、皆さん真剣にファインダーをのぞいていると、あっという間に一時間経過。また座学の部屋に戻って、先生の作例を見せた貰いながら、今日の撮影の結果を楽しむ受講者の皆さんでした。
私も一緒に撮影をしましたが、何枚かいいのが撮れました。最初の一枚が、そのひとつです。

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午後には、相国寺の別の一室(和室)をお借りして、水墨画家の平川功先生による「水墨画講座 -来年の干支「子(ね)」を描いてみよう-」を開催。

受講者の大半は昨年も受けられた方々で、さっそく、先生の説明を聞きつつ、また先生の描かれた見本を見せて貰いながら、練習用の用紙にねずみを描いていきます。

先生も上手にほめていただくこともあり、皆さん、なかなかうまく描けているようでした。今年は私も一緒に受講させて頂き、ちょっとお尻でっかちになってしまいましたが、こんなのが描けました。

 

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今からいうと、それこそホントに鬼が笑う話ですが、再来年の干支は「丑」となります。したがって、来年の水墨画講座は、丑を描くことで開講予定としておきました。

初めての方でもまったく大丈夫です。どうぞ来年こそはご受講ください。

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飯山正受庵へ

 

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正受庵本堂

少し間が空いてしまいました。じつは先週はほぼデスクにいない一週間だったのです。13~15日と長野県飯山市の飯山市美術館で、正受庵の宝物調査に出向いておりました。

来年は白隠慧鶴禅師の師である道鏡慧端禅師(正受老人)の300回忌に正当します。大本山妙心寺の聖澤派では、この遠忌に向けての事業を計画されており、またそれをうけて飯山市でも、正受庵と正受老人の顕彰をする展覧会も計画され、飯山市美術館で開催する予定をされています。そのため、禅文化研究所と花園大学歴史博物館が協力することになり、このたびの悉皆調査ということになった次第です。

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正受庵に祀られる正受老人像

秋深まる飯山の地でしたが、近くを流れる千曲川は先月の台風の爪痕をまだ残していて、河川敷の木々には草木がひっかかり、田んぼは泥で掩われてしまっていました。来年1月発刊の季刊誌『禅文化』にもご寄稿頂いている飯山市教育長の長瀬先生のご自宅も、床上20cmの浸水だったとのことで、被害の大きかったことが伺われました。

それでも、街はいくらか活気を取り戻している様子で、また秋が深まって山々が色とりどりに鮮やかで、美術館で暗くなるまで終日調査を行なっていた我々も、翌朝の新鮮な空気に心を癒されたのでした。

きくと、飯山は、ほとんどが淨土真宗の門徒が多く、臨済宗はこの正受庵だけであると。それでもこの地では正受老人や正受庵に対する畏敬の念が強いことがよく伺われ、門徒であろうとも正受庵は大切にしていきたいという思いが根強くあるのを、ひしひしと感じました。

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正受老人の卵塔「栽松塔」

 

3日間にわたる調査を行ない、100本ほどの墨蹟を調査しましたが、まだ少し墨蹟もあり、また正受老人の書入れされた書籍等も調査できていませんので、さらにもう一度の調査が必要だろうということで現地を後にしてきました。が、これからすぐに雪におおわれてしまう土地ですので、おそらくは雪解けのあとにということになりそうです。

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現在の庫裏と前庭(正受老人ご存命の頃には建物はなく、田んぼや畑だったという)

 

個人的には週初めには、白隠禅師開山の龍澤寺へ、週後半にはその師正受老人の正受庵へという幸せな一週間なのでした。

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龍澤僧堂での斎会

 

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昨日11月11日、静岡県三島市の龍澤僧堂へ出向いてきました。それというのも私がご接化(ご指導)いただいた心鏡室鈴木宗忠老師の33回忌の斎会にお参りするためです。前日から近くのホテルに宿泊し、朝起きると、富士山を拝み見ることができました。前日にはこんなに白くはなかったので、夜の間に冠雪したものと思われます。

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龍澤僧堂を訪ね、まずは方丈にお参りすると、方丈の正面のガラス戸4枚が一新されています。これは伊豆半島を直撃した先般の台風による突風で吹き飛んでしまい、大きく破損してしまったとのことで、今日に間に合うように新調したとのことでしたが、ほんの数日前にやっとできあがったとのこと。
それ以外にはあまり大きな被害が無かったとのことで、不幸中の幸いでした。その前で、時期は違えども同じ僧堂で修行した仲間同士がしばしの歓談。

その後、今現在ご指導いただいている松華室後藤榮山老師に相見をお願いしてご挨拶してきました。老師は、私が道場に掛搭している頃にも、摂心になると東京から鈴木宗忠老師に通参されており、宗忠老師亡きあと死活庵中川球童老師に参禅、そして、球童老師亡きあとに龍澤寺師家となられたのでした。

いま齢90にもならんとするのに、肌はすべすべ、矍鑠としておられる姿は尊敬すべきものです。私ごとながら弟子がいまこの龍澤僧堂で修行させて頂いていますが、いい老師につけて幸せだと思います。

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さて、じつはこの斎会は、龍澤寺開山の白隠慧鶴禅師の毎歳忌、そして、鈴木宗忠老師の33回忌、そして死活庵中川球童老師の13回忌との合斎会でした。
真前にはお位牌とともに三つの頂相が掲げられています。真ん中が白隠禅師自画賛の頂相、向かって右は心鏡室鈴木宗忠老師の頂相、左が死活庵中川球童老師の頂相です。心鏡室老師の頂相の賛は八幡圓福寺の西片擔雪老師が、死活庵の頂相は妙心寺塔頭霊雲院の則竹秀南老師がご揮毫いただいています。

改めて我が師、鈴木宗忠老師の賛文を見ると70歳で遷化されたことがわかります。となると、私たちがご指導を受けていたときには60代前半だったわけで、自分の年齢もそこに近づいていることを改めて感じ驚くばかりです。考えてみれば60代のパワーで私たちをご指導頂いていたんだなと、今更ながら当時を思い浮かべたのでした。

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東西霊性交流

IMG_0447.jpg東西霊性交流に参加する5名の禅僧が、9月11日羽田空港からフランスに向けて出発しました。
1979年から始まった日本の禅宗とヨーロッパ諸国のカトリックとの交流は、今回で15回目となります。
参加者は6名(1名は現地から参加)で臨済宗3名、曹洞宗3名の構成です。2名ずつフランスとベルギー3つの修道院に分かれ2週間滞在し、祈りや瞑想、そして労働といった生活を体験したのち、パリで行われる3日間のシンポジウムに参加して帰国となります。

多くの日本人にとってキリスト教は表面的なことしかわかりません。ヨーロッパ人にとっても仏教は同じことでしょう。禅僧と修道士が共同生活によって互いの宗教を理解するというこの交流は、宗教間対話の一つとして貴重なものなのです。
参加者たちにとって実りのある交流となることを期待しています

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日中禅僧交流

IMG_kankuu.jpg 日中の禅宗修行僧の相互理解と交流を目的とした、第13回日中禅僧交換交流に参加する4名の禅僧が関西空港から出立しました。今回の交流は、8月28日より9月5日まで中国揚州市の大明寺と鎮江市の金山寺で行われます。
 大明寺は日本に渡った鑑真和上が住した寺として知られ、金山寺は中国四大叢林の一つで、金山寺味噌発祥の地としても有名です。
 一行は9日間の滞在中、各寺院で中国僧と共に朝課・坐禅・作務などを行ない、中国仏教の法式や文化なども学ぶ予定です。
 日本と中国の禅宗は、制度や修行内容などの違いは多々ありますが、互いに修行生活を体験することによって理解が深まります。短い期間ではありますが、4名が何を感じ取ってくれるか、成果を期待しています。
 
 後日、体験レポートを臨黄ネットにアップします。

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南禅寺宝物調査

 

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先週末は、今年度から毎月一度、恒例に伺っている南禅寺のデジタルアーカイブズ事業で調査でした。梅雨明けして夏本番といったお天気です。

調査を行なう宝物庫は除湿器は入っているものの冷暖房が一切ないため、窓のない密室での作業なのです。

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全体図を撮影したり、マクロカメラで細部撮影したり、法量を測ったり材質を調べたりして調書に書き込んでいきます。上の写真でかかっている軸は文化財指定の逸品です。なかなか間近で観られないものだと、調査時間も長くなります。

ただ2時間も発たないうちに脱水状態になっていくので、適宜、水分は取っていますが、それでも休憩を忘れずにいれなければなりません。一歩外に出ると、琵琶湖疎水からの水が流れていて、風も有り、外の方がだいぶ涼しいと感じます。

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水音を聞いているだけでも涼しくなります。ずっとここに座っていたい気持ちになりますが、そうもいかず、調査継続。

ついにスタッフの一人は、冷えピタをおでこに貼り付けてがんばっていました。禅文化研究所の新人スタッフも、慣れない調査ではあるけれども、興味をもってがんばってくれています。

b_2019-07-26-15.07.jpg毎月一度のこの調査。いつまで続けると終われることでしょう。

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飯山正受庵へ

 

b_MG_7276.jpg先般、飯山の正受庵へお邪魔してきました。ちょうど、近畿以西は梅雨明けとなった日で、信州飯山といえども夏の景色でしたが、ヒグラシの声が聞こえるのがいかにも飯山らしく感じました。

来年、白隠禅師の師匠である正受老人道鏡慧端禅師の300年遠諱に正当するのにあわせ、妙心寺の聖澤派にて遠諱委員会が組織され、遠諱事業が計画されております。弊所はそのお手伝いをさせていただくことになっておりますが、その一環として飯山市美術館での正受庵宝物展(仮)も計画されています。そこでその出陳品を選定すべく、正受庵に所蔵される宝物什物の下見に参上したわけです。

ちなみに私は飯山の近くにある野沢温泉や斑尾高原といったところには、過去に度々スキーに行っておりますが、正受庵を訪ねたのは一度きり。それも雪の中を外から拝んだだけで、実際に境内に入ったのは今回が初めてでした。

現在近隣のお寺の若い住職が兼務をされており、2年前の大本山妙心寺の白隠禅師250年遠諱事業で、正受庵の修復もされましたので、一時に比べるとだいぶきれいになったようです。

 

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こちらは正受老人の墓塔である「栽松塔」です。白隠禅師の高弟である東嶺円慈が、正受庵で正受老人の60年遠諱を勤め、報恩感謝のために正受庵の復興をするとともに、この墓塔を建立したのでした。

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白隠禅師が修行中、この正受庵を訪れ正受老人に相見した際に、正受老人からその高慢な心中を見透かされ、大喝されてここで蹴落とされたと言われ、蹴落とし坂と呼ばれています。階段上に細くて眼光鋭い正受老人が、蹴落とした白隠を見下ろしている、そんな様子が浮かんできます。自ら白隠禅師になった気持ちで見上げてしまいました。

そんな恐ろしい話がある正受庵ですが、和尚さんや檀信徒、飯山市美術館などの方々と打ち合わせをさせていただいた、庫裏の一室の縁側廊下を見上げると、こんなことに。

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裸電球のコードを巻いてある部分にツバメが巣を作ったのです。2年ほど前だったようですが、巣がそのままゆりかごのようですね。出入りしやすいようにとずっと窓を開けていたようですよ。正受庵の優しいお話です。

京都から飯山へは、特急サンダーバードで金沢へ、そして北陸新幹線で飯山まで。便利になったものですが、それでも片道4時間かかりました。今度は調査機材を持って車で走ることになりそうです。

それから、こちらの地元飯山高校、ことしの夏の甲子園出場おめでとうございます。健闘をお祈りします。

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今年の紫陽花は花が少ないのでは

 

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2019年も半分が過ぎてしまいました。如何お過ごしでしょうか。
先週末に鎌倉円覚寺を日帰りで訪ねてきました。昨年より勤修されてきた釈宗演老師と大用国師の遠諱事業もほぼ終わり、これらの記録本作成のための打ち合わせのためです。

円覚寺には境内にたくさんの紫陽花があって、この時期には目を楽しませてくれるのですが、どうも今年は花が少ないのではないかと思いました。ひょっとしたら、もうピークは過ぎているのかも知れませんが、実は自坊の紫陽花も然り、京都の紫陽花で有名な某寺院も然りといったわけで、ひょっとしたら、気温の低さや雨の少なさが影響しているのかも知れませんね。

 

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ところで、円覚寺に行くときには、新幹線の新横浜から乗り継いで、横浜駅に出て、そしてJRの湘南ラインで北鎌倉に向かうのですが、この電車、15両編成なのです。

関東の方にはよく知られているからなんのことはないでしょうが、関西ではJRであんなに長い列車はないと思います。せいぜい12両まで。そして、北鎌倉駅の改札口は、ホームの一番端にありますので、15両目になんて乗ろうものなら、降りるのに駅から出るのに延々と歩かねばなりませんね。

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これは帰路に撮ったものですが、北鎌倉の改札口から入って6両目くらいまで歩いてきたところです。が、これでもまだ先にこんなにホームが続いているでしょう? いかに東京や関東の電車は乗降客が多いかがこれをみてもわかるかと思います。

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自坊では今、大好きな半夏生が咲いています。半夏生は、葉っぱが半分おしろいをつけたようなので「半化粧」とも書いたりするらしいですが、私は、夏至から数えて11日目にあたる「半夏生」の頃に咲くからつけられたこの字が好きですね。

最近は半化粧で電車に乗ってきて車内で調えられる?女性もおられますが、公衆の面前に出られるときには、全化粧か素顔がいいですよね。

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建仁寺で暁天坐禅会

 

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7月になると、各地の臨済宗本山で暁天坐禅会、暁天講座といった一般向けの講座が開催されます。今回は、京都東山の建仁寺での「緑陰講座」をご紹介します。

午前6:30から30分の坐禅のあと、7:10から8:00ごろまでは「緑陰講座」として、7月12日~14日の間の3日間、下記の通りの講座がございます。

7/12 「日本の庭園の今と昔」 (株)中根庭園研究所代表取締役所長 中根史郎先生

7/13 「病と介護に学んだこと」 エッセイスト 岸本葉子先生

7/14 「碧巌録第九十九則 肅宗十身調御」 建仁寺派管長 小堀泰巖老師

※最終日7月14日の講座後には粥座(しゅくざ)[朝食]の接待があるそうです。

梅雨明けの頃、早朝に坐禅で清々しい気持ちに心を調えた後の講座、お出かけになってはいかがでしょうか。

なお会費・申し込み等は不要です。

 

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釈宗演老師没後100年記念事業

 

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釈宗演老師が中興開山である鎌倉の東慶寺では、没後100年にあたる本年、大法要や記念講演など、宗演老師を顕彰する事業を展開されます。

詳しくはこちらまで。

昨年は大本山円覚寺での100年遠諱やゆかりの地での顕彰事業が行なわれましたが、今回の催しも、世界を巡錫し欧米にZENを広めた釈宗演老師のことを深く知る機会になると思います。

なお、禅文化250号でも特集を組んでいますのでご高覧ください。

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白隠禅師の地へ -松蔭寺と産湯の井戸-

 

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一昨日のブログに続き、自坊の檀家さん達を引き連れての白隠さん由緒の地めぐり、その二日目。

残念ながら露天風呂からの富士山は拝めませんでしたが、伊豆長岡のいいお湯につかって、ホテルを後にしました。向かったのは沼津市原町の松蔭寺。ご存知の通り、白隠禅師が住職をされ、多くの修行者達を接化された古道場です。

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もちろん檀家さんたちは初めての参拝。本堂にお賽銭をお供えして手を合わせました。その後、本堂裏にあるお墓の方へご案内し、白隠禅師のお墓にお参りです。

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普段から法話などで白隠禅師のことは話してはいますが、「白隠禅師坐禅和讃」をつくった白隠さんくらいにしか、おそらく理解を得ていなかったであろうと思いますが、こうして由緒の地を廻ることで白隠禅師がどういう方で、どんなところにおられたかなど、身近に感じられて、布教効果は抜群です。

墓地内を少し探したところ、白隠禅師のご実家である長澤家のお墓も発見。前日に説明していたのですが、今は「耕文社」という印刷会社を経営されていて、私が勤めている禅文化研究所での刊行物も多くここで印刷して貰っているというと、また親近感がわくようでした。

このあたりのお墓は黒石が多いねぇとか、大きな墓石が多いとか、お土地柄の違いにひどく感心する檀家さん達。

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つづいて、松蔭寺のすぐ近く、いまは「白隠禅師産湯の井戸」としてお祀りされている長澤家跡にもお参りしました。こちらは白隠禅師250年遠諱を記念して大本山妙心寺が整備をされてきれいになっています。

白隠禅師の作られた「隻手音声」を表わす、白隠禅師筆の片手の絵が彫られた石もありましたので、こちらでも公案について説明したりして、臨済宗の修行に欠かせない参禅ということの話などもできました。ほんとに自坊にいて話していても、なかなか理解されにくい話ですが、こうして僧堂の生活や、白隠禅師の由緒の地を訪ねて、現地で話をすると、檀家さん達も興味ぶかく、また熱心に話を聞いて下さっていました。

沼津港市場に立ち寄って、おうちへのお土産をたんまり買い込まれた皆さんと、夕刻に無事に自坊に帰り着きました。また機会を作ってこういう旅をしたいものです。

 

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白隠禅師の地へ -龍澤僧堂-

 

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去る土日の二日間で、自坊の檀家さん7名をお連れして、三島の龍澤僧堂を訪ねてきました。私自身も在錫した僧堂ですし、今、弟子である息子も在錫中ですので、一度お参りしたいという声があったのです。

近畿はまだですが、東海地方はすでに梅雨入りしたとのことですが、初日は時折日差しが見えるような日で幸いでした。さすがに富士山を拝むことはできませんでしたが、龍澤寺に到着すると、まず方丈で本尊諷経をいたしました。見たこともないほど大きな魚鱗に檀家さんは驚きの声。その後、松華室老漢がお出ましになり、お茶とお菓子をいただきながら親しくお話をいただきました。

90歳になろうというのに、お顔の肌つやは全くそんな風に見えず、また矍鑠とした雰囲気に、檀家さん達も圧倒された様子で、龍澤寺を後にしてから、「老師の姿を見ておもわず姿勢を正してしまった」といった声がしきりと出ていました。また老師から富士山の絵に賛をされた色紙を全員にいただき、ありがたく頂戴しました。老師や弟子もふくめて全員で記念写真も取らせて貰った次第です。

その後、開山白隠禅師、二祖東嶺禅師、中興星定禅師の木像が祀られる開山堂にお参りし、つづいて禅堂内部も拝観させてもらいました。案内は弟子がしてくれました。檀家さん達ははじめて見る禅堂で興味津々です。どんな生活をしているのかをかいつまんで話をしておきました。

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方丈の裏手にある開山塔にもお参りし、そこから裏山を見上げると鎮守堂が見えます。雲水の頃、あそこにも上がって諸堂諷経したなぁと思い出しておりました。街中の喧噪とはかけはなれ、龍澤寺の境内は静かで、心も落ち着いてきます。こんな広い境内を少ない雲水で掃除するだけでも大変ですが、さすが僧堂ですから草も生えておらず美観が保たれています。

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檀家さん達にとっても、檀那寺の和尚やその弟子が修行したこの龍澤寺を訪ねられたことは、大層よかったようです。夜は伊豆長岡温泉に宿をとり、楽しく賑やかに懇親会をしたのでした。二日目は、白隠禅師の生まれ故郷である原へ参ります。

つづく

 

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円覚寺の至宝展

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4月20日より6月23日まで、東京の三井記念美術館で「円覚寺の至宝-鎌倉禅林の美」展が開催されています。
本展は大用国師200年釈宗演老師100年大遠諱記念特別展として開催されるもので、前日に行なわれた開会式に行ってまいりました。

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190422_管長挨拶.jpg開会式では、横田南嶺円覚寺派管長を導師に円覚寺派僧侶による記念法要が営まれ、続いて主催者による挨拶がありました。
横田管長は、美術館のあるこの土地は江戸時代前島と呼ばれ、円覚寺の所領であったという因縁に触れ、江戸後期、沈滞の中にあった円覚寺を中興した大用国師と、明治の廃仏毀釈後、禅を「ZEN」として欧米に広めた釈宗演老師の功績を称えられ、本展が文化遺産の展覧に留まらず、会期中に行なう坐禅や法話等を通して現代に息づく禅を伝える場であることを話されました。
本展では、円覚寺と円覚寺派寺院に遺された名宝だけでなく、無学祖元像と蘭溪道隆像が並んで展示されるなど、建長寺の名宝も多数出品されています。
なお、鎌倉派の絵画の展示室では、弊所の雪村周継筆「蕪図」も展示されています。
会期中は多彩なイベントが行なわれます。この機会に足を運ばれてはいかがでしょうか。

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円覚寺中興 大用国師二百年遠諱

 

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昨日(2019/4/11)、鎌倉の大本山円覚寺において、中興開山大用国師誠拙周樗禅師の二百年遠諱が勤修されました。本ブログでも書いておりましたとおり、数年前からこの遠諱のために立ち上げられた遠諱委員会より依頼を受けまして、禅文化研究所では大用国師遺墨集の編纂に関わってきておりました関係もあり、拝請を頂戴いたしておりましたので、参列させて頂きました。

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前日より鎌倉入りしたのですが、ご存知の通り、東京でも雪がちらついたほどの荒天。新横浜に降り立ったときより、京都より寒いと感じましたが、翌、遠諱当日は晴天。聞くところによると円覚寺派管長の横田南嶺老師が関わる法要の時には、雨が降ったことがないとのこと。台風でも風が収まるとの御霊験。どおりで内局の方々も、天気については心配がないと以前から仰っていたわけです。

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この遠諱には、誠拙周樗禅師とご縁のある大本山相国寺および大本山天龍寺の各管長猊下や、お隣の大本山建長寺派管長猊下、また廣園僧堂、相国僧堂や、関東叢林のお師家様方、各派本山御重役、建長寺塔頭尊宿、円覚僧堂出身の尊宿方、円覚寺派寺院尊宿など、総勢250名ほどが参席されておられました。

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仏殿には大用国師の頂相が祀られて、横田南嶺円覚寺派管長が導師のもと、献供九拝式が厳かに勤められます。私自身は妙心寺派の僧侶なので、他派の法要次第はあまり知らないので、興味津々でした。

b_2019-04-11-10.58.jpg献供九拝のあと、横田老師が拈香され、大用国師に対する報恩の香語を力強く唱えられました。おわって楞厳呪坐誦をお唱えしました。

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楞厳呪の唱え方も、妙心寺派とはかなり異なることを知りました。そもそも誦む音が違ったり、維那の節もまったく異なりますし、伸ばすところも違ったりというわけで、一緒に誦むのはかなり難しい状況でした。私のとなりにおられた、誠拙周樗禅師が出家された四国の佛海寺のご住職とも、こんなにも違うのですねと驚いておりました。

ともかく無事円成された遠諱、ながらく計画されてきた遠諱委員の方々もお疲れのことだと思います。
記念品として、弊所で制作させて頂いた『大用国師遺墨集』、このたび弊所から刊行した横田老師著の『武渓集訳注』をお使い頂き、大変ありがたいことでございました。御参席の皆様には少々重い記念品ではありますが、ご覧頂ければ幸いです。

また、『大用国師遺墨集』も弊所から特別頒布販売(税別¥20000円)させていただきます。

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萬福寺開山忌

 

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毎年4月3日に行われる黄檗山萬福寺(京都府宇治市)の開山忌に参列してきました。研究所には京都の各本山から開山忌への案内が届き、仕事が重ならない限り出席しています。桜の満開も近い京都ですが、ここ数日は寒い日が続き、この日も花冷えの中での法要となりました。この日の他山からの出頭は、京都の臨済各本山と山梨の向嶽寺、宇治の平等院や興聖寺、そして縁故寺院などでした。

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ご存知の方も多いでしょうが、黄檗宗は中国明代の禅を受け継いでいます。中国色の濃い建造物はもちろん、法要も独特の声明で行なわれます。普段読んでいる楞厳呪も中国音で読まれると部分的にわかる程度です。
法要後は名物の普茶料理をいただいて散会となりました。

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大本山萬福寺では、2022年に宗祖隠元禅師350年大遠諱を迎えます。伽藍の修復をはじめ、授戒会や坐禅会、日中仏教文化の交流などの事業が行なわれるようです。

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三島龍澤寺へ

 

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少しくブログ更新できずにおりました。花粉症がきついのかと思っていたら、高熱が出て珍しく3日間も寝込んでしまいました。
その熱が出る前に出向いたのが、三島市にある龍澤僧堂。このブログでも何度も書いておりますね。

今回は、昨年春から弟子が龍澤僧堂に掛搭して修行中なので、ご挨拶に伺うのが一つ。それからこの機会に檀家さんを引き連れて六月に団参をさせていただこうと思っているので、そのお願いも兼ねて松華室後藤榮山老師にご挨拶に伺ったのでした。

かすんでいたので、拝むことは無理かなと思っていた霊峰富士もうっすら見えて、暖かい静岡県。駿河湾もきれいに見えました。

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龍澤寺は現在、雲水6名とのこと。自分も在錫していたので、境内を含む山をこの人数で掃除するだけでも大変です。
到着したときには方丈で法事をしている様子。どうやら弟子が維那をしているようで声も聞こえて安心しました。
全国には約40ヶ寺の専門僧堂がありますが、少子高齢化の世の中で雲水も少なく、多くの僧堂は人少で苦労されている様子です。

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後藤榮山老師はたしかもう90歳かというお歳なのに、明快で矍鑠とされお元気そうでした。毎日若い雲水と生活されているとボンヤリなどしておられないのでしょうね。この老師に弟子をお預けしてよかったと改めて思い、もう梅の花も終わってしまっている龍澤寺をあとにしたのでした。

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安永祖堂老師の方広寺晋山式

 

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去る平成31年3月2日(土)、浜松市の大本山方広寺にて、第十一代管長となられた薔薇軒安永祖堂老師の晋山式があり、禅文化研究所からとして参列して参りました。幸いにしてお天気にも言うことなし、かえって暑いくらいの好天でした。

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この大きな本堂に、各派管長はじめ、僧堂師家、所縁の尊宿や派内寺院住職、また檀信徒の方などあわせて、総勢500名は越えるであろう方々に見守られる中、晋山の儀を務められました。

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管長猊下は、高く張りのある声で晋山法語などを唱えられ、老師は天龍寺の亡き平田精耕老師の法嗣であるので嗣法の香は平田老師に向けて焚かれました。そういったことから、白槌師には現天龍寺派管長の佐々木容堂老師が就かれていました。

無事円成ののち、市内のホテルに移動して祝宴が執り行われました。

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ご本人のご挨拶のあと、臨黄合議所理事長本山である建仁寺派管長の小堀泰巌老師の祝辞、続いて、乾杯の発声では、安永老師が花園大学で教鞭を執られることになった縁を語られた禅文化研究所前所長の西村惠信師でした。

この方広寺には禅文化研究所のデジタルアーカイブズ事業で調査に入らしていただいたので、近年、何度も足を運ばせて貰ったこともあり内局の重役方始め、顔見知りの方も多く、また各地から集まられた尊宿の方々も旧知の方も多く、親交を深めさせていただきました。

そして、そのデジタルアーカイブスの成果発表として、今年の秋には花園大学歴史博物館で「方広寺展」を開催しようと計画していることを、方広寺派宗務総長様にもご内諾をいただきました。また追ってご案内させていただきます。

それから、今回の晋山式を記念して発刊されたのが『坦翁禅話』(禅文化研究所刊)です。これまで季刊『禅文化』・大徳寺発行『紫野』・『京都新聞』などに連載された禅エッセイを集成。挿絵は老師のご友人である松尾正澄師によるものです。
ご購入をお待ちしております。

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中津・自性寺へ

 

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宇佐神宮をあとにして、デジタルアーカイブスの調査出張先である中津市の自性寺様へ向かいました。

予定通り10時着。積んできた調査機材を下ろして新幹線組のスタッフを待ちます。

この自性寺は奥平家の菩提寺でありますが、12代目の住職に提州禅恕(1720-1778)という、白隠慧鶴禅師の法を嗣いだ方がおられます。そしてその法を嗣いだのが13代目住職、海門禅恪(1742-1813)です。のちに八幡の圓福僧堂を開単された方です。

そしてこのお寺には「河童ケンヒキ太郎」の逸話が残っています。人に取り憑いて苦しめていた河童ケンヒキ太郎を、この海門和尚が仏縁によって改心させ、その河童が書いた詫び状が伝わっているのです。以後、この河童は水神のように近くを流れる山国川を護ったということで、境内にある地蔵堂の屋根には、山国川の方向を見ている河童の鬼瓦がありました。

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件の詫び状、写真は控えますが、とても素晴らしい筆書で書かれていました。

さて、3日間に渡る調査をしたのですが、その間、中津駅前のホテルに宿泊していました。私が泊ったのは10階の部屋。朝起きてスクリーンカーテンを開けると、目の前に不思議な光景が。

b_2019-02-14-07.19.jpgとなりのホテルの屋上になにやらおられます。アップでみてみましょう。

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これでもよくわかりませんが、じつはこれ、福沢諭吉先生なのです。
福沢諭吉先生の生家がこの中津にあり、中津藩の旗本として、蘭学者として、そして慶應義塾大学の創設者でもあり知らない人はありませんよね。
遺された有名な言葉が「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」ですが、思いっきり上から目線でした。

自性寺様では3日間で100本以上の書画墨蹟を調査させていただきました。もう一回は訪問する必要がありそうです。

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雪の永源寺

 

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先般来の永源寺派管長・道前慈明老師のビデオ撮影の関係で、先日の朝、雪の永源寺を訪ねてきました。

旧八日市のあたりには雪がないのに、永源寺の門前あたりは、上記のような雪景色。やはり少し山の奥へ入ってきているために、平地とはだいぶ様子が違います。

境内へ向かうと、朝日に照らされてとても美しいのでした。管長にお出会いする前にしばらく撮影を楽しみました。

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秋には紅葉を目当てに多くの方が訪ねられる永源寺ですが、この時期にはさすがに参拝客はおられず、貸切状態。

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b_MG_4218.jpg気温は低く、気分もきりっと引き締まり、このあと、僧堂へ向かい老師とお話をしたのでした。

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安土城址をあるいてきました

 

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去る日曜日の朝、ふと思い立って安土城址を歩いてきました。歩くと言うより登ってきましたという方がいいかもしれませんが……。

まだ紅葉も残っていた上に、拝観者がまだ誰も来ていない状況。ポイントとなるところの写真を撮りながら久々に天守阯に向かってひたすら登っていきます。

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最近、軽登山を始めたので、今までより足は軽い気がするのですが、段差のある階段は結構疲れるものです。

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途中には配下の武将達の屋敷跡とされる場所も点在しています。今は木々が生い茂っていますが、こちらは森蘭丸邸阯です。

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天守阯からみえる琵琶湖方面。内海もあって気持ちが良いですが、ここに地下1階、地上6階の天守閣があったわけですから、最上階から眺める気色はまた随分と美しかったことでしょう。

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今年に入ってからずっと補修工事をされていた摠見寺の三重塔もおわり、工事用の大屋根が取り払われて、久しぶりにその威容を観ることもできました。

この辺りまで来て、初めて一般観光客の男性に追いつかれました。聞くと、新潟から一人で来られたとのこと。昨日は彦根城に行き、今日はここにと。彦根城に比べたら階段の上りのきつさは全く違いますねと仰っていました。このあと「信長の館」に行ってみるとのことでした。

皆さんもお近くにお越しの際は、お尋ねください。ちなみに安土城址を護持している摠見寺は臨済宗妙心寺派の寺院です。

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真珠庵 特別公開

 

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来春、大本山大徳寺の開山大燈国師(宗峰妙超禅師)の法嗣で、大徳寺第一世である徹翁義亨禅師の650年遠諱ということで、大徳寺の塔頭であり徹翁禅師の開山された徳禅寺様より、弊所に禅師を顕彰する書籍等の制作を依頼されています。

そこで、必要な調査のために、昨日は徳禅寺さまや大徳寺山内を訪ねて参りました。

南禅寺方面はもう紅葉も終盤だとのことですが、大徳寺は今が見頃。たくさんの拝観者が境内におられます。意外に外国の方は少なく日本人が多いように見受けられました。

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徳禅寺様の調査が終わった後、徹翁和尚の法語を一休さんが書かれた書のある真珠庵にも参りましたら、ちょうど今は特別拝観中。真珠庵の和尚さんの発案で、現代芸術で描かれた方丈襖絵を観に来られている方が多数おられ、いつもひっそりしている真珠庵に人があふれています。

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私もぐるっと方丈や書院などを見せて頂き、古襖絵の修復などをするための資金繰りにと始められたとはいえ、あまりの現代アートぶりに正直、目を奪われました。

この特別公開は12月16日まで。和尚さんは自らひたすら御朱印を書かれておられるとのことでした。

あまり公開されることのない書院・通遷院や茶室・庭玉軒も拝観することができます。この機会に是非いかがですか。

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サンガセミナー2018 第5回「お寺で写真講座」と「水墨画講座」終了

 

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本年度のサンガセミナー第5回の2講座を、去る11月22日に真如寺(相国寺派・京都市北区)にて開催いたしました。

1講座目は「お寺で写真講座」で、今年で2回目となります。今年のテーマは「紅葉を綺麗に撮ろう」ということで、きれいな紅葉の見られる真如寺様にお願いして開講いたしました。

が、朝からあいにくの小雨模様。日が近づくにつれ天気予報は雨マークになり、どうしたものかと講師の柴田明蘭先生と頭をかかえていたのですが、開講時にはほぼ雨も上がりました。再び降らぬうちにと、まずは現状の技能で皆さんに撮影して貰います、ということで受講者一同、一眼レフをもって庭へ出動です。

20分ほど撮影をしたのち、再び書院へもどって座学の開始。カメラの構造からはじまり、Pモード、Sモード、Aモード、Mモードなどの撮影モードがあるなかで、今日はAモードを覚えて貰いたいとのこと。絞り優先モードです。絞りを開放値にしていくことでボケ味を出した撮影ができるということで、再び、カメラを持って庭へ。

もちろん私もカメラを抱えて飛び出しました。

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皆さん、熱心に実践を行なわれ、個々に柴田先生にレクチャーを受けられているうちに、「あ~なるほど」とか「お、面白い」とかの声が聞こえてきました。デジタルカメラならではで、撮ったばかりの写真がすぐに見えますから、どうしたらこうなるかが自分で手に取るように分かっていくのですね。

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心配していた天気もなんのその。逆に優しい光の水に濡れた紅葉を撮ることができたというわけで、皆さんご満足のご様子でした。

そして午後からは、水墨画家の平川功先生による水墨画講座。20名の受講者で今年も満席です。今年は、来年の干支「亥」を描いてみようということです。

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先生から懇切丁寧なレジュメと、練習用、本番用の用紙をいただき、皆さん熱心に聴き入ります。

今年は先生は一切筆を持たず、プロジェクターでご自身が描かれているところの手許の動画を何度も流されます。以前は、実際に筆を以て描くところを、受講者の方に見て貰われていたのですが、それでは狭くてよく見えない。ということで、この方法を考えられたようで、実際、その方がよくわかるのです。先生はそれぞれのもとに出向いて直接指導をされました。

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初めて水墨画に触れた方も少しわかったようで、これを機会に水墨画を描くことが身近になるといいですね。

こちらも是非来年も開講して欲しいというお声をたくさんいただきました。

さて、今年度のサンガセミナーものこすところあと1回となりました。ご参加の皆さん、お楽しみに。

 

 

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滋賀・瓦屋寺にて

 

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一昨日に南禅寺の宝物調査を始めたことを書いたばかりですが、11月14~15日には、滋賀県東近江市の瓦屋寺への宝物調査に、いつもどおり、花園大学歴史博物館の館長以下研究員や、お手伝いいただいている学芸員の方々と出向いていました。

こちらは松島瑞巌寺の雲居希膺禅師の高弟である香山祖桂禅師(賜紫佛海湛然禅師)が開山された、臨済宗妙心寺派の寺院です。すでに2回2日間の調査に来ていますが、今回は2日連続の調査です。
ご覧の通り、このお寺は紅葉の隠れた名所。知っている人は朝からカメラを下げてやってこられています。

この日も、拝観料は取られていませんが写経の申込をされたお二人の女性が朝から来山されていました。お寺のホームページや「じゃらん」でも予約ができるそうです。写経や写仏、坐禅、お香造りの体験ができるようです。

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瓦屋寺の本堂は、登録有形文化財に指定されていて、茅葺き屋根の入母屋造りの立派な本堂ですが、屋根の傷みがすすんでいるので、現在、葺き替えのための勧募中とのことです。

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調査の方も、書画軸を中心にすすめていきましたが、開山禅師の書をはじめ、その師匠である雲居禅師の書もありました。また仏画もあったりと、興味深い調査でした。おそらくあと2~3回は通わなければ終わらないと思われます。

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南禅寺の悉皆調査はじまる

 

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禅文化研究所のデジタルアーカイブス事業で、ここ数年取り組んでいた、浜松市の大本山方広寺、そして八幡市の圓福寺が今年前半に終わったあと、現在、花園大学歴史博物館で開催している「釈宗演展」のための調査や、来春の「誠拙周樗展」(仮称)に向けての調査を行なっていましたが、それらも完了したため、一昨年より依頼を受けていた大本山南禅寺の宝物悉皆調査に、先般よりやっと取りかかることができました。

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紅葉の季節が始まって拝観者もぐっと増え始めている中、南禅寺の宝物収蔵庫に出向いての調査です。この宝物収蔵庫は、きちんと温度管理湿度管理が保たれており、セキュリティも万全。さすがに「五山之上」を誇る南禅寺といった感じです。

書画軸類については、以前から手書きの台帳が完備されていますが、デジタル画像がないのと、もう少し詳しい台帳を作っていきたいというご本山のご意向があり、私達が悉皆調査に入ることになったというわけです。

京都市内にある南禅寺への調査ですから、今後、日帰りでちょくちょく通っていくことになりそうですが、まずは第一回目。
そして一番最初に調査したのは、こちらの「釈迦十六善神図」です。

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国の重要文化財に指定されている本図は鎌倉時代の作。そしてそこには他の十六善神図とは少し異なった珍しいものが描かれているのです。しかしそのことについて考証されたものはあまりみないとのこと。

本図は次の季刊『禅文化』251号(2019.1)の表紙図版として使用させて頂くことになっており、花園大学歴史博物館館長の福島恒徳先生による解説を掲載します。お楽しみに。

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永源寺の紅葉

 

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全国各地から紅葉の便りが届く季節になってきました。
先月末に滋賀県東近江市の永源寺に行ってきました。
境内の木々も徐々に色づいてきています。
永源寺では11月3日(土)から11月30日(金)まで紅葉ライトアップが行なわれます。

 

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期間中には、このたび永源寺で発見された彦根藩井伊家の第2代当主直孝の長男直滋(1612~61年)の「赤備え」の甲冑も本堂で展示されます。
この機会に足を運ばれてはいかがでしょうか。

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かしきりもみじ!?

 

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今年のサンガセミナーの第4回目も終了し、次の第5回は11月22日の「5-1 お寺で写真講座 - 紅葉を綺麗に撮ろう -」と、「5-2 水墨画講座 -来年の干支「亥」を描いてみましょう-」です。

その際の会場は京都市北区等持院町にある相国寺派真如寺様。お隣の等持院は天龍寺派の由緒寺院でご存知の方も多かろうと思いますが、じつはこちらの真如寺は相国寺派の山外塔頭という隠れた名刹なのです。というよりも、五山十刹の十刹に数えられた名刹なのです。

さて、この秋(2018年11月10日~12月9日)に、真如寺さんでは「かしきりもみじ」なる企画を実施されるようです。「かしきりもみじ」ってなに!?って思いますよね。
ホームページによると、

国内外から多くの観光客が集まる京都、特に紅葉などの人気シーズンには多くの人が名所に足を運びます。
京都という地の風情を感じながら、自分たちだけの空間で存分に紅葉を満喫してみませんか。

とのこと。つまり、紅葉の美しい境内の庭を、少人数だけで予約して楽しめるということのようです。ほんとにこのところの京都は観光客でいっぱい。外国人もたくさんみえて、ゆっくり京都の秋を楽しみたい方にはちょっと残念なことになってしまっています。

予約をしておけば、1組 6,000円(最大15名まで)で1時間かけてゆっくり楽しめるというわけです。

詳しくは真如寺のホームページをご覧あれ。

ちなみにサンガセミナーはちょうどその期間に開催するため、22日は予約不可になっています。

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圓福寺萬人講

 

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10月20日八幡市にある圓福寺の萬人講に行ってまいりました。
普段は修行道場であるため拝観はありませんが、毎年、4月20日と10月20日に開催されている万人講に限り参拝できます。
駐車場がない為、最寄の駅から臨時直通バスにゆられて15分ほど…。
この日は日本最古の木造達磨大師坐像(重要文化財)も拝見できます。
まずは、達摩大師にお参りのあと、警策を使って肩がこらないおまじない、そして身代わり観音の摩耶夫人にご挨拶。皆が触るのでツルツルテカテカ霊験あらたかなご夫人です。

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さらに、本堂に進み願い事を書いて法話を聴きます。アリとキリギリスではなく、日本版アリとコオロギのお話。所々に笑いを含め、大変わかりやすい法話が終わりますと、一人一人の願い事と名前を読み上げられ、願い事別に色分けされた達摩さんの中に入れてもらいます。
最後に精進料理をいただきます。もちろん雲水さん達が托鉢で集められた名物大根のお漬物もいただきました。これで「開運」「厄除け」「中風除け」が完了です。
皆さま来年4月の萬人講ご参加されませんか?

 

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久留米の梅林寺

先頃から、円覚寺の誠拙周樗禅師の遠諱に向けての墨蹟集を制作するために、各地を駆け巡っていることをこのブログでも書いておりますが、先週は、九州は久留米の梅林僧堂まで行って参りました。

blog_梅林寺2018-06-08-10.54.jpg初めて乗る九州新幹線。車両はJR東海の500系と同じですが、車体は薄い水色、車内は2列席が左右に分かれていて、東海道新幹線より通路が広いのですね。東海道新幹線であちこちに行くことが多いので、EX予約というネットで予約してICカードで乗車できるようにしているのですが、九州新幹線は対象外。ネットでは博多までしか予約ができず、久留米までは駅で別途買い足しするという、なんとも不便なことです。狭い日本なのですから、こういったことのインフラももっと進めるべきですね。

梅林寺に伺うのは初めて、もちろん久留米駅に降り立つのは初めてです。梅林寺のある西口にはホントになにもない、いかにも地方の新幹線の駅という感じです。今回は新幹線での出張ですので、ストロボスタンドを長いバッグで手で持ち、カメラやストロボ、ノートパソコンやらをキャリーケースに詰め込んだ大荷物をゴロゴロと引っ張りながらですが、駅から歩いて5分で梅林寺の山門に到着です。

blog_梅林寺2018-06-08-13.39.jpg紫海禅林の扁額が掛る山門をくぐり、庫裏へと向かいますと、右手に禅堂「金剛窟」がありました。

blog梅林寺_2018-06-08-13.41.jpg私が三島の龍澤僧堂に在錫しているとき、梅林僧堂にいた雲水が摂心に参加されたことがありました。参禅の喚鐘がなると、雲水は禅堂から脱兎の如く喚鐘場に走るのですが、彼のその速さといえば、尋常ではなかったことをふと思い出しました。以後、「ロケットダッシュの梅林僧堂」というイメージがあるのですが、今もそうなのでしょうか。

またこちらの梅林僧堂の閑栖老師である東海大光老師には、妙心寺管長をされていたときにDVD禅僧が語る「一筋がよし寒椿」を収録させていただいたことがあります。

blog_梅林寺2018-06-08-13.41.jpg玄関で案内を乞うと、花大出身だという知客さんにお茶を入れていただいたのち、隠寮で現師家の東海大玄老師と相見させていただきました。正式には初対面でしたので、いろいろとお話を伺いました。その間、老師の愛猫が、ずっと私の回りで座ったり寝転んだりしていました。「この猫はお客好きですね」といいましたら、老師曰く、「いや、話を聞いておるのだよ。あとで、あのときこんな話をしておったかな? と聞くと、ニャーと答えるよ」と。さすがです。

その後、誠拙禅師の一行書を一幅撮影させていただき、滞在1時間後には帰路の新幹線車内にいたのでした。

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妙心寺新管長の晋山式

もう6月になってしまいましたね。あっという間の半年でした。

さて、去る5月27日に、大本山妙心寺に愛知県犬山市瑞泉僧堂師家・小倉宗俊老師が新管長として晋山されました。老師は瑞泉僧堂師家として、すでにもう長く接化されてこられましたが、お生まれは大本山東福寺の門前町にあるお花屋さんのご子息。小さい頃から、東福寺の管長であった林恵鏡老師に「お坊さんになりなさい」と勧められていたそうですが、いつのまにか現実になったそうです。
当初は白隠禅師の古道場、三島の龍澤僧堂に掛搭され、3年の修行の後、瑞泉寺に再掛搭され松田正道老師に嗣法されました。

blog_2018-05-27-10.15.01.jpg私は後に同じく龍澤僧堂の鈴木宗忠老師の会下の末席を汚したご縁があり、以前より、親しくさせて頂いておりましたが、そういう関係で同じ龍澤僧堂の会下も晋山式に招いていただき、個人的には初めて妙心寺の晋山式に参列させていただいたのでした。式中はさすがに撮影もできないのですが、式ではこの法堂の壇上に管長猊下が登壇され、晋山法語を述べられたのでした。

DVD小倉宗俊.jpgこの晋山式に合わせて、禅文化研究所では、管長猊下のDVD「禅僧が語る 鬼手是仏心」(1500円+税)を制作し、販売を開始致しました。老師の生い立ちから現在までのこと、そして僧堂師家として現代の雲水達と向き合っておられる老師のお話は、現代を生きる我々にも指針となることでしょう。

ご注文をお待ち申し上げております。

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大用国師生誕の地、伊予へ その2

 

一昨日のブログの続きです。

円覚寺の誠拙禅師の誕生の地のご縁があり、西伊予、南伊予には、禅師の墨蹟を遺している御寺院がいくつかあります。
調査撮影の2日目にはその中の佛海寺さま、大隆さま、そして妙徳寺さまの3カ寺を訪ねました。
この地に遺る誠拙禅師の書をこの眼で観たいからと、大乗寺の河野老師自らもお出向きになりました。

 

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まずこちらは宇和島市の佛海寺様。昭和になってから火災で焼失したということですが、誠拙禅師の書が3幅あり、これらは火災の当時、幸いにも修復に出していたため焼けなかったとのこと。また本堂内にある扁額も禅師の書でしたが、おそらくこれも持ち出されて難を逃れたのであろうかと思われます。

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そして、この佛海寺さまには、このような誠拙周樗禅師(大用国師)を顕彰する碑が建てられていました。大正時代に建てられたもののようです。

この後の行程は、河野老師が自ら我々の道案内を買ってでていただき、先導されるままに続いての大隆寺さまへ。慶長10年に、伊達政宗の長男である伊達秀宗が徳川秀忠よりこの地を拝領し宇和島藩ができたわけですが、その後、この大龍寺を伊達家の菩提寺としたとのこと。
下の写真の右側に少し見えるところは、もともとお殿様のための玄関だったとのことです。伊達秀宗の正室である亀姫の墓所を始め、以後の伊達家の何人かの藩主や一族が祀られているとのこと。
機会があればこのお寺の悉皆調査をしたいと思うのでした。

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写真を取り損ねてしまいましたが、こちらの境内からは、宇和島城も見えました。

そして、同じく宇和島市ではありながら少し南下した津島にある妙徳寺さまへ。妙徳寺様が兼務されている永楽寺所蔵の墨蹟を調査させて頂きました。永楽寺様は誠拙禅師の生誕の地であるのですが、現在工事中で都合が悪く、妙徳寺様にて調査をした次第。

最後に付けたし。
宇和島といえば「じゃこ天」。滞在中の夕食や朝食でもいただきましたが、せっかくだからと思い、老舗を検索。「野中かまぼこ店」がヒットし、お土産に求めてきました。はらんぼという小魚だけを使った、手押してんぷらである「じゃこ天」。帰宅してさっそくほんのり焼いて食べましたが絶品でした。

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宇和島は知る人ぞ知る仏教信仰の篤い土地柄です。じゃこ天以外にも美味しい物もあります。四国でも一番西の端で、関西などからは少し遠いですが、いつかお訪ねになってみてはいかがでしょうか。

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大用国師生誕の地、伊予へ その1

誠拙周樗禅師の来年の遠諱事業である墨蹟集制作にともなう調査撮影のため、はるばる四国は愛媛、それも西予、南予へ機材を積んだ車で行って参りました。京都から片道500kmのロングドライブです。

南予は禅師の生誕の地なので、資料も少なくありませんが、そのうちの厳選書画を五軒のお寺で撮影させていただきました。

blog_2018-05-23-14.17.39.jpg初日一軒目に訪ねたこちらは西予市の光教寺様。耐震補強のため、10年ほどかけて、本堂再建、庫裏などの半解体による基礎補強大工事などを終えられたとのこと。
このあたりの町並みがえらく風情があるのでなにも知らないで尋ねたところ、光教寺のある西予市卯之町は、「重要伝統的建造物群保存地区」だとのこと。従って、お寺もその趣を遺した改修がなされていたのでした。
なので、この本堂、そう新しく見えないのですが、じつは内部はぴっかぴかの新築なのでした。

時間があれば卯之町の街並みを散策してみたいところなのですが、二日間での強行軍のため敢えなく諦めて後にし、続いて、宇和島市の大乗僧堂へ。

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小雨が降っていた事もあり、新緑のもみじや苔が一層美しい境内です。

blog_2018-05-23-14.39.jpg河野徹山老師には禅文化研究所の理事としてもお世話になっております。関東から大乗僧堂に入られた老師ですが、このあたりの歴史にもお詳しく、ご説明を受けながら調査を進めました。撮影のお願いをしていたもの以外の禅師の軸もお出しいただいたので、合わせて撮らせていただいてきました。できることなら大乗僧堂の宝物悉皆調査もさせていただきたいところですが、すでに老師自ら、パソコンなどを駆使して情報を整理中とのこと。もちろん雲水さんたちの勉強にもなり素晴らしいことです。

翌日もあと3軒の調査を残していますが、老師もご同行頂けることになりました。伊予に他にどのような禅師の書画が遺っているかごらんになりたいのだそうです。

続く

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鎌倉の円覚寺派瑞泉寺を訪ねる

 

blog_2018-05-11-12.10.jpg来年春に迎える円覚寺の誠拙周樗禅師の遠諱事業の一環である、遺墨集制作のために、先週後半の4日間、鎌倉円覚寺で調査撮影をしてきました。そのうち1日だけ、近くにある円覚寺派瑞泉寺へ出向いての調査となりました。

この瑞泉寺のご住職は、現在、円覚寺派教学部長をされていますが、季刊誌『禅文化』に連載いただいている「睡猫庵歌話」の筆者、大下一真師であります。

鎌倉では有名な五山十刹の十刹に入る名刹ですが、個人的には初めて訪ねました。円覚寺や建長からすると、鶴岡八幡宮を間に挟んで右手の方に車で5分ほど。鎌倉らしい狭い道路を進んでいくとかなり奥まったところに、この瑞泉寺はありました。

建立は嘉暦2年(1327)、京都の天龍寺の開山でもある夢窓国師が開山で、鎌倉公方の菩提寺として建てられたようです。関東大震災で大きな被害を受けたようですが、今は仏殿や庫裏も整えられ、多くの花や樹木囲まれた緑豊かなとても美しいお寺です。

こちらでの調査撮影の合間、ご住職の大下師にこちらへと案内されたのは仏殿の裏にある小間。ここの障子を開くと、夢想国師が作庭されたといわれる庭園を拝することができました。

blog_2018-05-11-12.jpg(パノラマ機能がなかったので2枚の写真を合成しています。クリックすると拡大表示できます)

右手の方にわかりにくいでしょうが滝水がそそいでいます。これには少し仕掛けがあるそうで、時間を限定して流しておられるそうです。

なんとこの庭は長らく土に埋もれてしまっていたとのことで、昭和45年に発掘されこのように見事に復元されたとのこと(ただし、仏殿裏からの一般拝観はされていません。境内からはご覧いただけます)。

瑞泉寺についてはホームページに詳しく記されていますので、そちらを。

境内ではそれはそれは美しい声(mp4)で、ウグイスが鳴いていました。鎌倉をお訪ねの際には、少し足を伸ばして瑞泉寺をお訪ねになることをお勧めします。

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八王子・廣園僧堂にて

 

来年の誠拙周樗禅師の遠諱に向けての墨蹟調査に、先般、東京や山梨を回ってきました。27本の軸を撮影するのに丸二日かかりました。

その始まりが八王子市にある南禅寺派の専門道場、廣園(こうおん)僧堂。丹羽慈祥老師が遷化されたので、今は縁あって、大本山向嶽寺派管長の宮本大峰老師がこちらの僧堂の兼務もされておられます。
実は私、初めてお訪ねしたのですが、こじんまりとした中にも凜とした空気。さすが専門道場です。ちょうど当日は坐禅会があったとのことで、宮本老師もおいでになり、久しぶりの相見がかないました。

三幅対の調査を終えて機材を車にしまい込むと、ちょうど境内の桜の大木が盛りなことに気がつきました。今年はホントに桜の開花が早かったですね。
シニアカメラマンの方が数人訪ねてこられています。というわけで私も負けじと自分のカメラを持ちだして撮影会。

関東ではもうすっかり桜も終わってしまったでしょうが、廣園僧堂を訪問した思い出として掲載しておきます。

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圓福寺展に集荷

 

blog_MG_8146.jpg一昨日のブログ禅で書きましたとおり、まもなく「圓福寺展」が開催されます。そのために、昨日、圓福僧堂まで、花園大学歴史博物館のスタッフとともに、作品の集荷に行って参りました。

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老師から指示を出され、雲水さん達がすべての作品を出してきていただきました。

今回借用するのは81点となります。借用作品を一点一点確かめてから梱包作業に入りますので、朝9時半から始めても夕方までかかります。

一点ずつ出しては、調書に、折れや虫食いがないかや付属品などを記していき、終われば巻き上げて、日通の美術輸送の専門スタッフが丁寧に梱包していきます。そうしてそれを大きな段ボールに再梱包して運び出すということになります。

blog_MG_8132.jpg調査の度にいつも楽しみにしていた、雲水さんが作って下さる昼食。今回は、僧堂らしく釜揚げうどんでした。しかし、十何回も寄せていただきましたが、一度として同じものは出されませんでした。昼食はいつもスタッフ一同、大感激でしたが、これで最後です。

調査を学芸員たちにお任せして、私は展覧会の際にパネルで展示する僧堂の伽藍などを撮影に廻りました。

まずはいつも調査で使わせていただいていた、有栖川宮の御殿の外観から。

blog_MG_8113.jpgそして、こちらはその内部の見事な格天井です。

blog_MG_8130.jpgそして、歴代塔にもお参りしてきました。こちらは開創の斯経慧梁禅師の塔所です。

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写真を撮り廻っていると、日供合米から戻ってこられた雲水さんが、順次、方丈前で大きな声で開甘露門を唱えながら帰ってこられました。大声を張り上げて読経する様子が、まるで『雲水日記』の中の絵のようで面白かった(失礼)ので、こっそりパチリ。

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夕方5時半、すべての借用作品を積み込んで、圓福寺を後にしました。

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三島龍澤寺へ

 

blog_MG_8015.jpg三寒四温のこの頃ですね。2月末のことですから、もう少し日にちが経ってしまいましたが、個人的な用があり、三島の龍澤僧堂へ参上し、松華室後藤榮山老師に相見して参りました。

先週末あたりから近畿も暖かくなり一気に梅も開花しましたが、すでに2月末でも三島は既に梅が咲き誇り、ぽかぽかと暖かく、さすがに静岡県でした。龍澤寺にはたくさんの梅の木があります。

blog_MG_8040.jpg制間ということもあり雲水の姿も見えない境内を、ご夫婦連れだって散策される方が数組おられました。ふとみると、その境内にある銀杏の木の下で、本堂に向かって坐禅をしているご婦人の姿がありました。

blog_MG_8043.jpg土曜日の昼下がり、静寂を求めてここに座りに来ておられるのですね。歩を進める足音さえ、そっと耳に触らぬようにと気を遣って通り過ぎたのでした。

じつは私の徒弟がこの春から、私がお世話になったこの龍澤僧堂に掛搭したいということで、前もってご挨拶にお邪魔したのでした。老師ももう米寿を迎えられていますが頗るお元気なご様子で安心しました。毎日、杖をついて境内や裏山を散歩しているとのこと。そして龍澤は作務も多いが、それで腰をしっかり鍛えられるから、しっかりと坐れるようにするのだとおっしゃっていました。

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妙心寺派のホームページがリニューアル

 

blog_20180305.jpg臨済宗妙心寺派の大本山妙心寺のホームページがリニューアルされました。

妙心寺派ホームページ委員会という組織があり、禅文化研究所として私も委員会のオブザーバーという形で今回のリニューアルに向けて関わってきました。制作を手がけたのは、臨黄ネットや禅文化研究所のWEBもお願いしている、Future Spirits社です。

以前のホームページは、一般参詣者に向けた内容も、妙心寺派の寺院に向けた内容も、檀信徒である花園会の方に向けた内容も一緒のページ内にあったのですが、今回のリニューアル前に、妙心寺派寺院や花園会に向けたものは、別ページとして妙心寺派宗務本所のホームページにまとめられ、大本山妙心寺のホームページ自体は、「禅の教え」「参拝・拝観」「体験」という3つのハシラを中心にコンテンツを整理し、すっきりと纏められ見やすくなりました。

また先にリニューアルされた英語サイトにあったフォトギャラリーも新たに設置され、妙心寺をビジュアルで紹介もされています。実はこのフォトギャラリーの写真を撮ったのは、ホームページ委員会の面々。私も撮影者の一人として関わったのでした。

今回のリニューアルでスマホやタブレットにも対応したレスポンシブ化も果たしてあります。
そういえば、ただ今、禅文化研究所のホームページのレスポンシブ化を行なっております。もうしばらくで完成します。

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DVD「禅僧が語る」犬山市瑞泉寺にて撮影

 

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先日、愛知県犬山市にある瑞泉寺専門道場にお邪魔しました。この僧堂の師家である、玄々庵小倉宗俊老師は、今年の5月から妙心寺派管長として晋山されます。そこでこの機会に、弊所のDVD「禅僧が語る」シリーズにご登場頂くこととなり、撮影に伺ったのでした。
※小倉老師と交代される現妙心寺派管長嶺興嶽老師のDVDはこちら

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瑞泉寺は犬山市の中心部にあり、付近には犬山城、モンキーパークや成田山名古屋別院もあり、瑞泉寺のある山の麓、目の前には名鉄も走っております。境内からは犬山城が一望できます。あいにく、屋根の工事を行なっているようで、今ひとつの風景ではありますが……。

 

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書院をお借りして、老師との対談を撮影しました。内容についてはDVDのできあがりをお待ち頂ければと思います。老師は京都の東福寺の近くの生花店でお生まれになり、縁あって瑞泉寺の塔頭の龍泉院にて得度。その後、三島の龍澤寺で3年間の修行の後、瑞泉僧堂に転錫され今に至られています。そのつれづれの思い出話などもお話頂きました。
私もお世話になった龍澤僧堂の老師方のお話も拝聴でき、個人的にも楽しい収録でした。

インタビュワーは、以前のDVDでもお願いしていた春川修子さん。ひさしぶりの禅僧にインタビューすることになって、少々緊張気味だとのことでしたが、さすがにそつなく対応していただきました。

blog_MG_7846.jpg私毎ですが、この僧堂に掛搭している雲水の一人に、私の知人のご子息がおられまして、今回、お邪魔したときに、お茶を出してくれました。あちらは憶えているかわかりませんでしたが、彼がまだ小さいとき、そのお寺に泊まりがけで伺うと、彼は弟と二人して、「和尚さん、一緒にお風呂に入ろうよ」といつも必ずお風呂に誘ってくるので一緒に入ったものでした。とても懐かしい思い出です。

本DVDの発売時には、改めてお知らせします。

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鈴木法音老師 大祥忌

 

blog_2018-02-16-09.26.06.jpg去る2月16日(金)、滋賀県の安土城跡にある摠見寺にて、佛通寺前管長であり摠見寺先住職の鈴木法音老師の大祥忌(三回忌)が営まれましたので、私も部内寺院であり、導師侍衣としての役も仰せつかりましたので参列して参りました。

blog_2018-02-16-09.35.jpg寒い冬の一日ではありましたが、太陽がぽかぽかと照りつけ、建物の中にいるより外にいる方が暖かいような日。法音老師も人に厳しい人ではありましたが、筋の通った方で時にはぽかぽかと今日のような暖かい日差しを感じるような方でもありました。

blog2018-02-16-10.36.jpg縁の深い和尚様や部内の寺院、そして縁のある在家の方々が集い、楞厳呪をお勤めし真前にお焼香を致しました。

あっという間の三回忌です。光陰惜しむべし、時人を待たず。老師の御尊容を拝して、心して生きねばと改めて思い返した一日でした。

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冬の保存食

おはようございます。本日、弊所の調査チームは再び円福寺様の寺宝調査に出かけております。

1219_001.jpg冬の円福寺といえば、この光景が有名ですね。昨日も「明日はもう木に掛かっているかなあ」などと、話題に上っていました。



1219_002.jpg今年は台風の影響で、野菜の成長がずいぶん遅れました。冬の保存食にも影響が出ているようで、京都では冬の味覚・千枚漬が供給不足。上賀茂名産のすぐき漬も、漬け上がりが例年より遅くなったのだと農家の方が話されていました(写真はその際撮影した上賀茂神社の生き神馬・「神山号」です)。

どうしても自然には逆らえないものですが、日々修行に励まれる雲水さん方のお腹を満たす大切なお大根。大きなものがぶら下がっていることを、お祈りしています!

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トムさんと天龍寺を「お坊さん歩」しませんか

 

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以前にもお知らせしましたが、弊所より発行している『禅僧になったアメリカ人』の著者、トーマス・カーシュナー師による「京都嵐山・天龍寺と座禅の心をトーマス・カーシュナー住職に教わる」が、来たる2017年12月9日(土)13:00~16:00(12:30 受付開始)に開催されます。

内容は、旧専門道場(友雲庵)での坐禅プログラム(道場生活の説明と坐禅)、法堂の特別拝観、曹源池庭園の説明と拝観、竹林の小道散策、通常非公開の夢窓疎石国師の塔所である臨川寺の拝観。日本語ペラペラのトーマスさんと坐禅体験し、それぞれの伽藍や庭の拝観説明もされながら、参加者と一緒に歩き回るのです。

紅葉の少し残る嵐山で、貴重な体験をしてみてはいかがでしょうか。天龍寺へ行ったことのある方でも、今まで観ていなかったところが観られますよ。

参加費4000円・先着15名お申し込みはこちらからお早めに。

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瓦屋寺(滋賀県東近江市)の紅葉

 

blog_MG_6611.jpg表題の瓦屋寺(臨済宗妙心寺派)はかの松島・瑞巌寺を中興された雲居希膺禅師開創の古道場です。実は去年も、このブログで紅葉風景「瓦屋寺(滋賀)」として紹介させていただきました。

今年は紅葉が少し早いというものの、まだ色づき始めたばかりの瓦屋寺を訪ねました。

blog_MG_6657.jpg真っ赤になる前の、緑や黄色、オレンジの紅葉葉が入り交じって、しっとりとしてとても美しいのです。

さて、じつは今回は紅葉を楽しむためにだけに出かけたわけではなく、瓦屋寺の先々住である無外和尚というかたの五十回忌があるため、まずはその前日の宿忌に出頭するためだったのです。

blog_MG_6698.jpg私も含め法類寺院が集まり、現住職を導師として大悲呪一巻をお勤めしました。檀家の役員さん達も法要準備のお手伝いのあと、お参りされました。

茅葺きのこの本堂、ただ今、屋根の葺き直しに向けて勧募もされています。相当な経費が必要だろうと思いますが、護持のために熱心に事業を進める若き住職に頭が下がります。

最近は、隠れたこのお寺の紅葉も少し有名になってきたようで、多くはありませんが、何組もの拝観者が紅葉を楽しまれていました。お訪ねになってみては如何でしょうか。もうしばらく紅葉を楽しめそうですよ。

瓦屋寺の地図はこちら

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白隠禅師250年遠諱(三島・龍澤寺)

 

blog_MG_5398.jpg龍澤寺方丈の内陣に掛けられた白隠禅師自画賛の頂相

今年平成29年は「日本臨済宗中興の祖」、「五百年間出」とされる白隠禅師の250年遠諱に正当していることは、もう何度も何度もお知らせしてきましたが、白隠禅師が開山となられた龍澤寺(静岡県三島市)で、去る10月11日に250年遠諱法要が勤修されました。

龍澤僧堂で修行をさせていただいた私も、法要に請を受けましたので出頭してまいりました。

blog_MG_5424.jpg僧堂にいくと、懐かしい顔が勢揃いし、とても楽しい時間となります。ただもう見られなくなった顔もあり、そんな寂しい話もしながら、法要の出頭を待つのでした。

_MG_5426.jpg向嶽寺派管長、円覚寺派管長をはじめ、老師方が居並ばれる中、法要導師は龍澤僧堂の松華室後藤榮山老大師が勤められ、展具九拝式につづいて香語。

松華室老師の香語は、

以前以後無白隠
間出扶桑中再興
今日焚香半五百

上酬慈蔭江湖僧

というものでした。「以前以後に白隠なし」と五百年間出と称される白隠禅師のことを唱われています。その後、楞厳呪を行道してお勤めしました。

この法要に先立ち、10月7日(土)から関東の僧堂や、龍澤寺ととくに縁のある岐阜の瑞泉僧堂や京都の円福僧堂から雲水が20数名参集して、報恩摂心が営まれていました。白隠禅師の開かれたこの龍澤寺で、どういう所見が得られたことでしょうか。

法要後に、雲水たちは各僧堂に向けて出立です。方丈前で並んで般若心経を唱えます。

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その後、老師方をはじめ、僧俗みなでお見送りしました。

なかでも山門で見送られる松華室老師のお顔が印象的でした。大法会を無事円成されて、さぞや安堵されたことでしょう。

blog_MG_5507.jpgこの報恩摂心での提唱は白隠禅師の年譜でした。その講本として禅文化研究所所蔵の刊本を複製してお使い頂きました。この複製本には、山岡鉄舟による白隠禅師に国師号を賜るように各派本山に呼びかけた書状(東京・全生庵蔵)なども資料として付けたものです。

 

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大本山相国寺 秋の特別拝観

 

相国寺_01.jpg大本山相国寺では、この秋、平成29年9月25日~12月15日まで、秋の特別拝観をされます(ただし法要などにより拝観できない日があります)。

特別拝観できるのは、法堂・方丈・開山堂です。現存する我が国最古の法堂(重要文化財)には、運慶作と伝わる本尊・釈迦三尊像。天井の蟠龍図は、手を叩くと反響することから「泣き龍」としても知られています。

パンフレットは以下の画像をクリックすると、大きな画像でご覧頂けます。

相国寺_01.jpg 相国寺_02.jpg

 

さて、この秋にも京都の禅寺を拝観されるときには、スマホアプリ「京都禅寺巡り」もご一緒にどうぞ。出かける前に事前学習、拝観のときには、スタンプゲットや写真を撮ってアプリからFacebookやTwitterへシェア。ご帰宅後には、「禅クイズ」でお楽しみ下さい。

ダウンロードは、それぞれのサイトから。

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サンガセミナー2017第3回の御案内

9月になって一旦涼しくなったと思ったのですが、またまた蒸し暑いここ数日。今年の仲秋の名月は来月初旬のようですが、はやく秋の風に吹かれたいものです。

さて、あと2週間ほどのち、9月20日に、今年度のサンガセミナー第3回目「日々の花講座 -秋口の花を生ける-」講座と「お寺で写真講座 - 一眼レフカメラを使いこなそう -」を開催します。「日々の花講座」はすでに募集人数に達していますが、「お寺で写真講座」については、まだお申し込み可能です。

先般、その会場となる南禅寺山内の大寧軒(通常非公開)に、講師の柴田明蘭先生と一緒に、下見に行ってきました。ただ今、少し工事中ですが、門はこんな感じです。ご参加の方に参考になれば。

blog_MG_5164.jpg厳密には現在はお寺ではないので、「お寺で写真講座」というのは少しまやかしとも言えますが、大本山南禅寺の管理下にあり、また山内でもありますので、そこのところはご容赦を。旧来は「大寧寺」という寺院であったものが一時期、どなたかの別荘のようになってしまっていたようです。

お花の講座や、座学を行なう室内の様子を見せていただいたあと、庭園へ。そこで唖然としました。というのは、今回のカメラ講座は、シャッタースピード優先などを学ぶために、水の流れがあるところをということで探し当てたこの大寧軒なのですが、なんと、池の水がすべて抜かれているではありませんか。柴田先生と二人、大汗をかきました。大慌てで南禅寺の担当の方に確認して貰ったところ、現在、工事の関係で水を抜いてあるけれども、講座前日までには池に水が戻っているとのこと。二人で胸をなで下ろしました。

というわけで、当日には、おそらく琵琶湖疎水の水をとりいれていると思われる、水豊かな庭園を撮影することができるはずです。今からでもお申し込み可能です。是非どうぞ。

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あえて庭の全容はお見せしないでおきましょう。

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またまた円福寺調査

 

blog_2017-08-29-14.44.jpg8月最終の3日間、またまた京都府八幡市の円福僧堂へ、デジタルアーカイブズ事業で調査に出向いて参りました。

研究所から車で1時間でいけるので、毎日通いでの調査ですが、初日は相当に蒸し暑く、機材を運び入れた時点で汗だく。3日間が思いやられるなぁと思うやいなや、今度は、蚊の猛攻。私はどうやらあまり刺されない体質のようですが、研究員女史はすでに何ヶ所も刺されたとか云っています。

2017-08-31-12.01.jpgいつものとおり、書画の調査も行ないましたが、今回は並行して工芸品の調査もありました。

2017-08-31-12.02.jpg見性宗般老師(円福寺第 14世)が有栖川宮威仁親王殿下とご縁があったため、禅寺には珍しい工芸品も時々見受けられました。またチベットなどから持ち帰られた品もあったりして、それらを一つ一つ調査していくのです。

2日目、3日目と日を追うごとに不思議なほど涼しくなってきました。蒸し暑さがなくなり、初日はびっしょり濡れた汗ふきタオルも、3日目にはほとんど使うことがないほど快適でした。

それと以前にも書きましたが、円福寺に調査に寄せて頂いた時は、お昼ご飯を雲水さんに作っていただいて精進料理をご馳走になっています。それがいろいろと工夫をされていて美味しいのです。

今回も3日間、3回の齋座をお世話になりました。毎日炊き込みご飯だったり、野菜を工夫して調理されたおかずなどを出して頂きました。3日目には驚きの料理。それがこちら。

blog_2017-08-31-12.07.jpg赤膳にはのっているものの、ちょっと西洋風。ご飯はケチャップライスで、上には湯葉があしらわれ、ご飯にはどうやら高野豆腐の小さくしたものが交じっていて食感が楽しめます。ポテトコロッケには充分に炒めきったタマネギがトマトとあえてソースとして載せられています。などなど、学生達からも笑みがこぼれるほどのご馳走でした。

円福寺の老師がおっしゃるには、私が以前にこうしてブログに書いたことをご覧頂いて、それを雲水さんたちに伝えられたそうで、それがまた励みになっているようだとのこと。社会と謝絶した世界の雲水さんに、グローバルに発信していることが力となっているという不思議です。

さて9月になりました。このまま涼しくなっていってくれるとありがたいですね。

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東福寺の夏期暁天講座

 

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夏本番となり、各本山での暁天講座の季節となりました。

今年の大本山東福寺での暁天講座は上記ポスターの通りです。

暑い盛りですが、朝の涼しい時間帯に、広々とした東福寺の大禅堂(去年、臨済禅師白隠禅師の遠諱大摂心を行なった場所)で、禅に関わるお話を聴講されては如何でしょうか。

会費も予約も不要です。どうぞお運び下さい。

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誠拙周樗禅師(1745-1820)の遠諱記念に

 

blog_20170720_092225.jpg昨日、鎌倉は大本山円覚寺まで出向いて参りました。梅雨明けしたばかりの暑い一日。
東上する時の新幹線は毎回、E席を確保し、富士山を拝もうといつも楽しみに向かうのですが、夏に富士山の全景を拝めることはなかなか難しく……。昨日も雲の小袖で顔を隠されておりました。

 

blog_20170720_103756.jpg北鎌倉の円覚寺山門に着きました。平日の午前中なので、参拝者は少ないようでした。なにやら見かけた顔の女性とすれ違いました。京都の数珠屋のおかみさん。朝早くから管長猊下にご相見だったのでしょうか。お見送りの雲水さんとお話しになりながらでしたので、こちらにはお気づきでないようでした。

blog_20170720_103837.jpg私はというと、2019年に円覚寺様が勤修される、中興大用国師誠拙周樗禅師200年および釋宗演老師100年の大遠諱に合わせて、制作を依頼されている大用国師の墨蹟集の打ち合わせに参ったわけです。
勅使門の前にも「大遠諱」の大きな立て札が見えますね。

blog_20170720_104116.jpg全国から集められた資料によると、大用国師の墨蹟は約450点。その中から、管長様や塔頭や末寺の委員の方々、そして宗務本所の方々と一緒に、掲載する書画を選定するという6時間近くにわたる会議でした。

今回の会議でほぼ選定を終えましたので、それらの墨蹟を、これから約1年ほどの間にご所蔵の各ご寺院などに伺って、撮影調査という大仕事が控えているわけです。

blog_20170720_104026.jpgこういった記念すべき事業に関わる刊行のご依頼をいただくことも、弊所の仕事の大きな部分を占めています。ありがたいことです。

日帰りでの鎌倉行。便利な世の中です。

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サンガセミナー2017 第2回講座終了

 

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おはようございます。今日は七夕様ですね。

さて、去る7月3日(月)、本年度サンガセミナーの第2回目にあたる「禅の建築講座 妙心寺の伽藍」を開講しました。講師は、弊所発行の季刊誌『禅文化』で「部分から全体へ 寺院建築入門」を連載頂いている佐々木日嘉里先生です。

妙心寺本坊の一室をお借りして、まずは座学から開始しました。一時間半ほどの座学で、住居建築とは異なる寺院建築の歴史概略、日本の寺院建築の種類として「飛鳥様式」「白鳳様式」「天平様式」を経て、日本独特の「和様」へと発展し、また中国の影響を受けた「大仏様」、そして「和様」ベースに大仏様を加味してできた「新和様」、さらに宋代の中国禅宗の影響を受けた「禅宗様」という、多種の様式の特徴を習いました。

blog_AC_2094.jpgそして今回は、その中でも「禅宗様」の時代による変遷を学ぶべくして会場とした妙心寺ですので、時代の変遷と共にみられる骨組みの特徴の変化を、実際に建築物を見学しながらご教示頂きました。

blog_2017-07-03-15.14.jpg通常非公開の室町中期に建てられた開山堂、そして桃山時代に建てられた勅使門や三門、江戸期に建てられた仏殿の構造を、実際に見比べ、時代により礎石の形が異なり、木鼻や虹梁の彫刻が変わったり、垂木の構造が変わっていくのを目の当たりに見せて頂き、受講者の皆さんはもちろん、私自身もとても興味深く知ることが多々ありました。

blog_2017-07-03-15.24.jpg受講者の方だけの特典にしたいので詳しくは書きませんが、三門の柱の長さの違いなどは初めて知ることができ、ものごとはじっくりと目を凝らさないと気がつかないことが多いのだと改めて感じました。

蒸し暑い中でしたが、ときおり涼風を感じる妙心寺山内、妙心寺派兵庫教区の奉仕団の方々が山内清掃をされていました。

 

さて、次回は9月に開催する第3回。「日々の花講座 -秋口の花を生ける-」と「お寺で写真講座 - 一眼レフカメラを使いこなそう -」の2講座です。残念ながら「日々の花講座」はすでに定員に達し、受付締切となっていますが、「お寺で写真講座」はまだ申し込み可能です。お申し込みをお待ちしております。

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円福僧堂デジタルアーカイブズ調査

 

blog_2017-06-28-14.26.49.jpgもうすでに何回目になるのかさえもわからなくなりつつありますが、去る水曜日に、八幡市の円福僧堂の宝物調査に出向いてまいリました。

カラ梅雨とはいえ、この日は朝から雨模様。なぜか我々が調査に出るときは雨が多いのです。メンバーの誰かが雨男だという説もありますが。

今回は、円福寺の世代の頂相を中心に軸物の調査をさせていただきましたが、さすがに絵師も有名な人が多く、美しい絵画をたくさん見せていただきました。また慈雲尊者や南天棒老師の書も迫力でした。

 

blog_2017-06-28-14.26.jpgところで、我々の調査チームも弊所と花園大学歴史博物館のスタッフ以外にもお手伝いいただき、さらに国際色豊かにもなってきました。京博に勤務しているアメリカ人女性のR女史。この方は20年くらい前からの知己で、禅文化研究所の宋代禅語録勉強会にも参加されていた方です。日本在住ですが、東洋美術を研究されています。今回、このR女史のご紹介で、京博でボランティアとして協力されているTさんという中国人女性も参加。アメリカのコロンビア大学大学院生で、おまけに研究対象は一山一寧を中心とした絵画と書だそうです。

blog_2017-06-28-14.27.jpgお昼には雲水さんが作って下さった精進料理をいただきます。赤膳にご飯と一汁二菜、僧堂の古漬け付き。今回のご飯は油揚げご飯でした。今夏の典座さんはなかなか料理がお上手で、いつもとても美味しいのです。その時節にあった美味しい食事も、私たちの調査の際の楽しみのひとつでもあります。

頂相や大きな軸物、屏風に扁額、工芸品。まだまだ調査が残っているものがたくさんあります。先は見えているようで、なかなかです。

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沙羅の花を愛でる会(東林院)

 

blog_AC_1910.jpg毎年、サンガセミナーの精進料理教室でお世話になっている、京都・妙心寺の塔頭のひとつ、東林院では現在、「沙羅の花を愛でる会」を開催されています。そそと咲く花と青苔に浮かぶ落花の風情を感じることができる拝観です。

blog_AC_1914.jpg6/15~6/30(金)の午前9:30~午後4:00。会費はお抹茶とお菓子がいただけて1600円。精進料理を頂くこともでき、そちらは5950円です。残すところあと3日。

blog_AC_1926.jpg毎年、6月の後半に行なわれている特別拝観です。和尚さんの法話も聞けますよ。
今年間に合わなさそうな方、来年はいかがでしょうか。

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改修工事と名庭

 

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足利尊氏公が、夢窓疎石を開山として創建された天龍寺派のお寺・等持院(京都市北区等持院北町63)。弊所からもほど近い立地です。そうなると私の悪いクセで「いつでも行ける」と安心してしまうのですが、これから約3年間、およそ40年ぶりの改修工事に入られると伺い2年ぶりにお参りしてきました。

ほぼ建物全体に及ぶ思い切った工事に踏み切られた理由は、耐震対策だそうです。観光都市の寺院として、「参拝者の安全を一番に」とご決断されたのだとか。古いものをただ遺すだけでなく、安全にも細やかな意識が必要な時代になってきているのですね。

さて、工事が始まると「本堂」、歴代足利将軍の木像を祀る「霊光殿」、足利義政公好みの茶室「清漣亭」の3棟がシートで覆われ見えなくなりますが、美しい庭園は引き続き拝観できます。

「芙蓉池」「心字池」のふたつの池で東西に分かれる回遊式庭園は、夢窓疎石作と伝わる名庭。現在は瑞々しい新緑のもと、サツキが満開で、眺めているだけで呼吸が深くなりました。花のリレーはこれから「半夏生」「紫陽花」へと続きます。庭園内にある尊氏公のお墓も従来通りお参りできるようにしたいとのお話ですので、是非おでかけくださいませ。

※工事の状況によっては変更となる可能性もありますが、安全第一ですのでご了承ください。

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安土城摠見寺 信長公毎歳忌

 

blog2017-06-02-11.06.jpg去る6月2日は、かの織田信長公の忌日。今年も、安土城址にある信長公の菩提寺・摠見寺にて毎歳忌が営まれました。

私は近隣寺院でもあり、普段から摠見寺の和尚さんには、自坊の法務に御加担いただいていることもあり、毎年、何らかの役配に割り当てられているのですが、今年は副司寮(ふうすりょう)。ごく簡単に言うと、ご参集いただいた和尚さん達がお持ちになる香資(お香料)を受付でお預かりして、後に御礼や領収書をお渡しする係です。

そんなわけで、法要には参列しないので、こんな法要中の写真が撮れるわけなのですが……。

さて、下の写真、これは何でしょう。摠見寺の玄関口にあるものなのですが。

blog_2017-06-02-11.12.jpgそうです、火鉢です。ある友人はこの写真を見たとき、法要で使う香炉か?と言いましたが、さもありなん。安土城の金瓦がその雰囲気を醸し出しているからかもしれません。が、火鉢であることにかわりはありません。

私は見つけたことはありませんが、私たちの親の年頃の人たちに言わせると、子供の頃、安土山を散策していると、こういう金瓦が落ちていたそうです。400年前に焼け落ちた安土城の瓦。なんとも感慨深い物がありませんか?

最後にお知らせです。

blog_2017-06-02-11.10.18.jpgここ、安土城址では、摠見寺の安土山保勝会主催で、数年前から秋に「薪能と筑前琵琶の調べ」を開催されています。今年も10月1日の夜に開催されます。予約が必要です。詳しくは2017-薪能.pdfをご覧下さい。

 

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藤の寺(正法寺)

 

blog_MG_2888.jpg滋賀県日野町鎌掛にある正法寺(臨済宗妙心寺派)は、知る人ぞ知る藤の寺として有名です。訪れたのはゴールデンウイーク最終日の夕方。まさに閉門近き頃でした。檀家らしき方々が保存維持費用として200円を徴収されていましたが、おそらく、私が最後の訪問者であっただろうと思います。

blog_MG_2883.jpg夕陽がまだ高かったので、ゆっくりと藤を楽しむことができましたが、じつはまだ5分咲きぐらいでしょうか。それでも立派な藤棚にみごとな花が垂れ下がっていました。開山の普存禅師が元禄のころに京都の仙洞御所から移されたそうで、樹齢三百年とのことです。

本堂にも上がってみました。こちらのご本尊は通常非公開のようで、直接拝むことができなかったのですが、大きな十一面観音菩薩とのこと。

そして実はこのお寺、現妙心寺派管長の嶺興嶽老師の嗣法の師である、瑞雲軒松山萬密老師(妙心寺640世)が、徳源僧堂師家として上がられる前に住持されていたお寺なのです。本堂の中には、萬密老師のご親化の時のにこやかな写真が何枚も飾られていて、いかに、このお寺を大事に思われていたかが感じられます。

blog_MG_2887.jpgこの本堂正面の扁額も、萬密老師の揮毫によるものです。

ほかに、山内には鎌倉時代(正和四年〔1315〕)の非常に美しい石造宝塔があり、滋賀県の重要文化財になっています。

blog_MG_2895.jpgキリシタン大名としても知られるかの蒲生氏郷が善政を敷いたこの蒲生の地。付近は、小高い山があちこちにあり、穏やかな土地柄の小さなお寺でした。

藤の花はまだ少しの間、愛でることができそうです。お訪ねになってみては?

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妙心寺にて白隠禅師250年慶讃法要!

 

blog_AC_1435.jpg昨日、5月11日、臨済宗妙心寺派の大本山である妙心寺にて、白隠禅師250年慶讃法要が勤められました。
これは臨黄合議所の遠諱法要とは別に、大本山妙心寺が勤修されたものです。
ブログタイトルになぜ「!」を敢えて打ったか。
じつはこれが歴史的なできごとだからです。かの白隠禅師の遠諱法要が、未だかつて本山である妙心寺で行なわれたことがなかったからなのです。
なぜか。それは、白隠禅師は妙心寺において開堂されたことがない、つまり妙心寺住持として世代に入られていないからなのです。しかし、現在の臨済禅は、大應-大燈-関山と続く法脈下にある、白隠の法系を遺すのみなのです。
そういうことがあって、このたび、白隠禅師の示寂250年を記念した慶讃法要が、はじめて妙心寺にて勤められたことは、まことに異例なことなのです。

blog_AC_1416.jpg妙心寺の法堂上に、かの白隠禅師の木像(三島・龍澤寺蔵)が安置されているのをみたとき、龍澤僧堂にほんの少し在錫しただけの私でさえ、感動をかくせません。とても、とても感慨深いものがあります。
もちろん、参列されている各派管長、僧堂師家の老師方も、そういった思いをお持ちではないかと思いました。

blog_AC_1410.jpg法要導師はもちろん、妙心寺派現管長である江松軒嶺興嶽老師。十八拝式という最も丁寧な仏事を行なわれた後の、慶讃法要の偈頌は、次の通りでした。

遺風二百五旬年
的々分明鵠林禅
今日幸逢真面目
洪恩親報一爐烟

blog_AC_1460.jpg香語の後は、楞厳咒の読経で、居並ぶ江湖の老師方がともに行道されました。

blog_AC_1487.jpgさて、今日はこれから、花園大学教堂にて、「白隠禅を現代にどう生かすか」をテーマに、「白隠シンポジウム【京都会場】」が開催されます。

 

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デジタルアーカイブズ事業 大本山方広寺での調査

 

blog__MG_1707.jpg2月22日(水)~24日(金)の三日間、静岡県浜松市にある大本山方広寺へデジタルアーカイブ宝物調査に行って参りました。
現在NHKで放送中の、大河ドラマ「おんな城主直虎」の撮影舞台となった場所でもあります。

調査の内容は、掛け軸の形態、品質、法量、作成された年代を調べ、全体の写真撮影、落款印など、細部にわたる撮影を行なった後、最後に軸先や箱の破損箇所を修復するという流れで作業を行ないます。

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初めて調査のお手伝いをさせていただき、主に法量と宝物の運搬などの軽作業を行ないました。保存の状態によってはかなり傷んだ物もあり、丁重に扱わなければすぐ破れてしまうような軸物もありました。
同行している花園大学歴史博物館の研究員の方々から、「作品をじっくり観察してみると、当時の有様や描き手の思い、様々な時代背景が見えてくる」という説明を受けながら書や絵を考察してみると、感情を込められて描かれた部分やそうでない部分などにも素人目線ながら気付くことができました。
今回は2泊3日の調査でしたが、まだまだ時間がかかるということで、今後の調査にも期待して取り組んでいきたいところです。

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鈴木法音老師 小祥忌

 

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過日、信長の菩提寺としても有名な、滋賀県安土の摠見寺(臨済宗妙心寺派)にて、佛通寺派前管長の一箪室鈴木法音老師の小祥忌が営まれました。

老師は、仏通寺派管長に上堂される前に、長らく摠見寺にて住持を勤められており、私も近隣寺院として親しくお付き合いをさせていただいておりましたし、また、季刊誌『禅文化』にもご寄稿をいただいていたり、いろいろなご縁をいただいておりました。

一部には大変厳しく論破される老師だったので、煙たがられていた方もいらっしゃるとは思いますが、私個人としては非常に厚遇していただき、幾たびか、食事にもお誘いいただいたこともありました。

blog_2017-02-16-09.48.23.jpg先般来の大雪のせいで、まだ摠見寺への参道にはまだ雪が残っており、法要当日は、外は陽も照っていくらか温かくはありましたが、本堂内は冷え渡り、身も引き締まるほど。法音老師と縁の深い妙心僧堂関係の諸尊宿、現住和尚と縁の深い静岡市の尊宿方、そして近隣部内の寺院が参集し、また在家の招待客の方もおられるなか、現住職が導師をつとめ、楞厳行道をもって勤修されました。

blog_2017-02-16-11.02.jpg冒頭の写真は、この度の小祥忌にあわせてできあがった、法音老師の頂相(ちんそう/禅僧の肖像画)です。普段はメガネをかけられていたので、少し違ったイメージでしたが、よく似せて描かれていました。賛は、妙心僧堂師家の岫雲軒雪丸令敏老師によるもの。津送の時の法語がほぼそのまま賛にされているようです。

法音老師のことを見事にそのまま法語にされていて、老師のご生前を思い出しておりました。

 

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デジタルアーカイブス調査 円福僧堂

 

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禅文化研究所のデジタルアーカイブス事業で、このところ、京都府八幡市の円福僧堂に調査に伺っています。こちらは、日本最古の木造達磨古尊像があることで知られていますが、書画に関しては悉皆調査があったことはないようで、現師家の政道徳門老師にお願いを申し上げたところ、ご快諾いただけたため、今回で2回目の調査に入っているところです。

老師は書画に興味をお持ちのようで、中でも愚堂禅師の書がお好みとのこと。それで以前に弊所が製作をさせていただいた『愚堂東寔遺墨選』は一番よく見ている図録だとおっしゃるほどです。

 

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この円福寺は白隠禅師の高弟の一人である 斯経慧梁禅師が創建開山であるので、白隠下の書画墨蹟が多く、白隠禅師の書画も逸品がみられます。

下は、白隠禅師筆の妙心寺開山関山慧玄禅師の頂相画賛の一部。濃い髭と耳毛が描かれていて、非常にユニークでしょう。

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まだしばらくかかりそうですが、調査完了の暁には、是非、円福寺所蔵品特別展を開催させていただこうと思っていますので、どうぞお楽しみに。

ところで、この日、調査に訪ねたとき、山門前の大きな銀杏の木に雲水さん達が梯子を掛けてよじ登り、なにやら作業をしているのです。見ると大量の大根を枝に掛けて干しているのです。

 

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私の出身僧堂でもこの時期に大根鉢があり、檀家さんや信者さんから大根をいただきに托鉢をしましたが、それをこうやって木に掛けて干すのは初めてみました。クリスマスツリーならぬ「大根ツリー」です。
珍しい光景なので今年はテレビ局も取材に来るとか。調査を終わって帰り際には、大根も干されて雲水さん達はすこしのんびりとたき火の様子。怪我もなく無事に終わってよかったですね。お疲れ様でした。

 

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作品返却 妙心寺

 

宝物の返却も終盤に入ってきました。本日は妙心寺への返却に同行しました。妙心寺からは国宝の「関山」道号をはじめ重文クラス4点を含む絵画・書跡7幅をお借りしていました。同じ作品でもガラス越しに見るのと直接見るのとは伝わってくるものが違います。この仕事ならではの眼福にあずかりました。

myoshin_1.jpgmyoshin_2.jpg 翌日は一路高知県へ。長宗我部元親像をお借りした高知県立歴史博物館に伺いました。

koti_1.jpgここでは平成29年10月14日から11月26日まで特別展「今を生きる禅文化-伝播から維新を越えて」が開催されます。土佐ゆかりの夢窓疎石、義堂周信、絶海中津らに焦点をあて、県内寺院に伝わる名宝と京都と臨済宗各寺院の宝物などが展示される予定です。

続いて元親像の所蔵者への御礼に高知市内にある若宮八幡宮を訪れました。

koti_2.jpgここは長宗我部元親が初陣の際、陣所を構え戦勝を祈願したことから出陣祈願の社と定められた所です。境内には長宗我部元親の像が建立されています。

koti_3.jpg美男で知られ「歴女」からも絶大な人気を誇る元親ですが、この日も若い男女が何名か訪れていました。

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作品返却 方広寺

特別展に出品された宝物の返却に浜松市の方広寺に行ってきました。
参道は見頃は過ぎたものの所どころに満開の紅葉が残っていました。
方広寺からは重文の宝冠釈迦如来坐像をはじめ開山無文元選像、白隠「百寿字」など8点ほどお借りしていました。

houkoji_1.jpghoukoji_2.jpghoukouji_3.jpg仏像の移送や開梱には細心の注意が払われます。東博の学芸員や日通の作業員らにより慎重に作業は進められ、坐像は元の場所に無事安置されました。

kokutaiji_1.jpgkokutaiji_2.jpg翌日は岐阜県経由で富山県高岡市にある国泰寺に伺いました。こちらは絵画1点と開山慈雲妙意坐像の返却です。開山堂までの雨に濡れた路面は滑りやすく、足下を注意しながら運び込みました。坐像の表面は剥落が目立ち、持ち運びも大変です。肌寒い中での作業でしたが、安置され元通りに荘厳されました。

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堺市 南宗寺

禅展の出展作品の返却が続いています。
先日は、三好長慶公や沢庵禅師、千利休や武野紹鴎などと縁が深い大阪府堺市の南宗寺へ行って参りました。

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これは仏殿です。拝観で行ったわけではないので、内部までは入っていませんが、天井には龍が描かれているそうです。

南宗寺は三好長慶が父の菩提を弔うため大林宗套を開山に建立した寺院で、臨済宗大徳寺派の専門道場ですが、現在は雲水がいないため閉単となっています。したがって禅堂もあります。

境内には千利休の遺愛の井戸「椿乃井戸」がありました。

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また、山門は国の指定文化財となっています。南宗寺はもとは宿院という地名のあたりにあったそうですが、大阪の陣で焼失し、それ以後にこの地に沢庵禅師によって再建されたそうです。

s_MG_0874.jpgところで、ここに徳川家康のお墓があります。なぜ?と思い、返却の際のご挨拶のときに、住職の田島碩應老師にお話を伺ったところ、大阪夏の陣のとき、真田幸村の奇襲を受けて籠にのって逃げ出した家康は、槍使いで有名な後藤又兵衛によってつかれて南宗寺で絶命したという伝説があり、それでここにお墓があるのだとか。大河ドラマの「真田丸」でも出てきましたが、何人も影武者がいたようです。

改めて時間をとって拝観によせていただきたいと思いました。

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丹波 高源寺

特別展の宝物返却のため兵庫県にある高源寺に行ってきました。
高源寺は、鎌倉時代に開創された臨済宗中峰派(幻住派とも)の本山で、現在は臨済宗妙心寺派に属し丹波屈指の名刹として知られています。

特別展では中峰明本像(重文)をお借りしたのですが、作品は寄託されているので今回は御礼だけの訪問でした。
毎年紅葉の時期には、全国から訪れる多くの参拝者で賑わうそうですが、今は葉はすっかりと落ちてしまい、境内も綺麗に掃き清められていました。

惣門から入り、山門、仏殿、方丈へと続く参道は石段になっており、方丈前の石段は壁のような急勾配です。
建造物の殆どは天正年間、織田信長の丹波攻めにより焼失しその後に再建されたものですが、どれもが往事を彷彿とさせる佇まいでした。

1_sando.jpg山門へと続く参道です。

2_butuden.jpg仏殿。修復された本尊「釈迦如来坐像」は目映い輝きを放っていました。

3_tahouto.jpg多宝塔。中には経典が収められています。

4_azumaya.jpg参道脇にある東屋の屋根は苔むして、盆栽のように木が生えていました。

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禅展がおわりました

春には京都国立博物館で、秋には東京国立博物館で開催しておりました「禅 心をかたちに」展が先月末で終了し、このところ毎日、手分けをして、お借りしていた大切な宝物什物を各地のご寺院や博物館・美術館に返却にまわっております。

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運送は、美術輸送で一番の定評のある日本通運の美術輸送班。トラックには日通のスタッフの他に、博物館の学芸員さんや主催の日経新聞の担当者も同乗し、臨黄合議所事務局からも御礼のご挨拶に同行しているという毎日です。
今日は宇治の大本山萬福寺様と田辺の酬恩庵様に行って参りました。

禅展ではオリジナルTシャツまで販売されていましたあの、羅怙羅尊者の胸がぱっくり割れてお釈迦様が顔を出されているあの羅漢像、印象をもってご覧になった方も少なくなかったのではないかと思いますが、この羅怙羅尊者を含む十六羅漢木像は黄檗山萬福寺の宝物です。大きなものなので、返却も大変でした(その詳しい様子は明日のブログで)。

_MG_0844.jpgその後、田辺の一休寺こと酬恩庵へ。こちらからはあの一休禅師の頂相や、御愛用品をお借りしていました。
名物の紅葉もそろそろおわりでした。ご住職によると、やはり今年は一週間くらい早いとのことでした。

_MG_0839.jpg大切なご宝物をお貸し頂き、感謝申し上げる次第です。

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道元禅師初開道場 興聖寺(宇治)

s_MG_0683.jpgご存知のとおり、弊所は主に臨済宗の研究機関でありますが、もちろん同じ禅宗のひとつ、曹洞宗ともいろいろなご縁があります。
この禅文化研究所の刊行物のなかで、おもに語録類の訓注を担当しているN師は、もともと在家出身ですが、現在は曹洞宗寺院の僧侶。曹洞宗僧侶なのに臨済僧の研究をしているという、とても変わり種の一人です。それはさておき、N師が修行に入門していたのが、この宇治の平等院の宇治川を向かい合わせにある興聖寺(曹洞宗)です。

先般、あいにくの雨でしたが、一度訪ねてみようと思っていたので、カメラを抱えて参拝してきました。

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ちょっと中国風の山門です。
興聖寺は常々、こうして無料拝観をされていますが、先に書いたように、修行道場(僧堂)でもあります。そして、なによりも、曹洞宗開祖である道元禅師が、あの永平寺よりも先に開かれた初開道場なのです。

ただ、道元禅師が建立されたもとの興聖寺はここではなく、別のところにあったようで、応仁の乱以後、衰微していた興聖寺を惜しみ、永井信濃守尚政公が、両親の菩提のため伏見城の遺構を使って、現在の地に諸堂を再建し建立整備したとのことです。

 

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正面は本堂で、本尊の釈迦牟尼仏は、道元禅師作と伝わっています。
右手が庫裏、左手に禅堂があります。禅堂のさらに左手には衆寮や経蔵がありました。

s_MG_0677_トリミング.jpg通常は庫裏の内部も拝観できるようでしたが、この日は法要があるとかで観る事ができませんでしたが、庫裏玄関には、こんな魚板が。今でも打たれているのでしょうか、腑は抜け落ちていますね。

s_MG_0679.jpg静寂な庫裏の廊下。同僚のN師もこの廊下をぞうきん掛けしていたんだろうなぁと、少々、感慨深く観ておりました。

じつは拝観客の多くは、この山門前の「琴坂」の紅葉を楽しみに来られていたのだろうと思います。ご多分に漏れず、私自身もその一人。しかし京都市内より遅いのか、まだ完全には紅葉しておらず、おまけに雨で絵にならずといった次第。残念でした。いずれまたお参りしましょう。

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瓦屋寺(滋賀)

 

s_MG_0429.jpg もう京都の紅葉も終わりですが、各地では今年は例年より少し早く紅葉を楽しめたのではないでしょうか。
友人知人からFacebookで寄せられてくる情報をみていても、いつもより早いんじゃないかっていう書き込みが多く感じられました。急に肌寒くなったからでしょうか。
このごろ、いきなり夏から冬になっているようで、過ごしやすい秋はすぐに終わってしまいますね。

s_MG_0386.jpgさて、11月半ばでしたが、雨上がりの朝に、自坊の法類で、親寺(本寺)でもある滋賀県東近江市の瓦屋寺を訪ねてきました。じつはあまり知られていませんが、紅葉で美しいお寺です。

s_MG_0463.jpgこのお寺はもともと華厳宗あるいは天台宗のお寺だったようです。大阪の天王寺を聖徳太子が創建されたときに、その瓦10万6千枚を焼かせたというこの地に、小野妹子が「瓦屋寺」として建てたのだそうです。
そして、江戸時代に臨済宗として中興された開山は、あの松島瑞巌寺に住まわれていた雲居希膺禅師の直弟子の香山祖桂和尚です。ちなみに、私の自坊では、この香山和尚の弟子が開山ですので、香山和尚を勧請開山としています。

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住職はこの春から交代されたばかりの若い和尚。毎日掃除におわれているとのことですが、美しい大伽藍です。
左手に見える茅葺きの本堂は、今、募財をされていて屋根替えを計画されています。大きな伽藍ですが、檀家数も多くないために、護持運営にはご苦労の様子です。

s_MG_0472.jpg来年の紅葉時期でも一度訪ねてみられてはいかがでしょう。そして、護持に少しでも浄財をご寄進いただければ、法類の私としても大変感謝申し上げます。

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白隠フォーラムin神勝寺

 

shinshoji1.jpg常栄寺でのフォーラムの翌日(11月20日)、広島県福山市の神勝寺で白隠フォーラムが開催されました。神勝寺は今から50年ほど前に創建された臨済宗建仁寺派の寺院で、地元の企業グループにより運営され、広大な境内には多くの伽藍や施設が建立されています。
その一つ、このほどオープンした荘厳堂は白隠禅画墨蹟の常設展示館で、200点を超える白隠の作品群を四半期ごとに架け替えて展観するそうです。

shinshoji2.jpgshinshoji3.jpgこの日の講演は山梨県にある健康科学大学教授の平尾真智子氏と芳澤勝弘氏。来場者は120名で遠くは仙台からお越しの方もありました。
平尾氏は「白隠禅師の仮名法語にみる『健康』の語の使用」のタイトルで、芳澤氏は「神勝寺の白隠コレクション」のタイトルでお話しいただきました。
平尾氏の講演は、日本で初めて「健康」の語を使用したのは白隠禅師であり、「健康」の語の普及には『夜船閑話』の普及が大きく寄与しているという内容でした。白隠禅師が著した10著作16ヶ所に「健康」の語が使用されているそうで、弊所刊行の「白隠禅師法語全集」全14巻の別巻である総合索引には、「養生」の項目はあるのですが「健康」の語は取っていませんでした。当たり前に使っている健康の語源が白隠禅師にあるとは、何とも興味深い話ですね。

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白隠フォーラムin常栄寺

 

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花園大学国際禅学研究所と臨済宗黄檗宗連合各派合議所が共催しての白隠フォーラムが、11月19日、山口市の常栄寺で行なわれました。常栄寺は臨済宗東福寺派の専門道場であり、雪舟等楊の作と伝えられる庭園(雪舟庭)が有名で、紅葉と相まって多くの参拝者で賑わっていました。

joeiji3.jpg講演は、山口県立美術館学芸員の荏開津道彦氏と花園大学国際禅学研究所顧問の芳澤勝弘氏。
荏開津氏は「雪舟の道釈人物画」と題して、年譜をもとに雪舟の「出山釈迦図」「観音変相図」「慧可断臂図」の3作品にまつわるトピックをお話しされました。
芳澤氏の「田舎雪舟と号した白隠」と題した講演では、雪舟と白隠が画を通して伝えたかったものについてお話しされました。とくに特別展「禅 心をかたちに」(東京国立博物館で公開中)に初出品された白隠の「慧可断臂図」の解説は、白隠禅師のメッセージが伝わり非常に興味深いものでした。

joeiji2.jpg県内の方々を中心に60名の参加者があり、皆さん満足した様子でした。

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大本山永源寺 開山寂室禅師650年遠諱法要


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去る11月7日、雲一つない晴天の下、永源寺派大本山瑞石山永源寺(滋賀県東近江市)にて正燈国師650年遠諱法要が厳かに執り行われた。
建長寺派、建仁寺派、大徳寺派、円覚寺派の管長をはじめ、僧堂師家や諸尊宿が大勢参列され、また檀信徒や一般来賓で大方丈は張り出し桟敷も含め参列者で埋め尽くされた。

我々禅文化研究所職員とも親しみの深い永源寺派管長道前慈明老師が導師を勤められ、厳かに展供十八拝式が行なわれた。その後、楞厳呪が唱えられ、約一時間半の儀式となった。

永源寺の開山正燈国師寂室元光禅師は美作の産、約翁徳倹の法を嗣ぎ、入元して中峰明本に参じた。
本山の直下を流れる音無川の渓谷のように清冽なその禅風は、後世、多くの人々に慕われた。

禅文化研究所としては今回、記念出版『訓註 永源寂室和尚語録』編纂のお手伝いを許されたことは光栄であった。
また『禅文化』誌242号では寂室禅師に関する特集を組み、管長の道前老師を始め多くの方々から玉稿を賜わった。
禅師を偲ぶきっかけとなれば幸いである。

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2016 サンガセミナー第4回 「禅の庭講座 ―江戸時代初期の宮廷文化と禅の庭」

 

_AC_9089.jpg先週、今年度のサンガセミナー第4回となる「禅の庭講座 ―江戸時代初期の宮廷文化と禅の庭」を開催しました。講師はこの講座で毎年お願いしている京都造形芸術大学の町田香先生。
今回は、京都に遺る宮廷の庭としては珍しい、南禅寺禅センターでもある光雲寺様と、同じく南禅寺派の尼門跡である霊鑑寺様を訪ねました。

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午後、光雲寺様で集合し、まずは住職である田中寛洲老師から光雲寺に遺る寺宝のご説明をいただきました。名だたるお公家様たちのお位牌や、台座に菊御紋と三つ葉葵紋の両方がある觀音菩薩像など、お公家様たちとご縁が深いお寺ならではの寺宝の数々でした。

_AC_9117.jpgその後、町田先生による約1時間の座学。御苑や離宮の庭を中心とした宮廷の庭園について詳しくご説明いただき、その中で禅寺にも遺る宮廷文化の庭として、この光雲寺と霊鑑寺の庭を実際に見ながらご説明をいただきました。

_AC_9131.jpg光雲寺は江戸期に諸堂が大きく荒れたため、庭も開創当時のものではなく、昭和になって小川治兵衛によって作庭されたものではありますが、寛政11年の『都林泉名勝図絵』に描かれている庭とよく似ていることが窺われました。

そのあと、光雲寺から哲学の道を北へ歩いて10分ほどのところにある霊鑑寺へ移動。こちらも光雲寺と同じく、通常は公開されていない寺院ですが、椿の時期、紅葉の時期には特別拝観をされているので、訪ねられた方もおられるかもしれませんね。

_AC_9135.jpgむした苔や、モミジが色づきかけている庭を観ていると、それまで晴れていた空から小雨が降り出してきました。おかげで少し苔が色を濃くしたようでした。

今年も11月になると霊鑑寺の特別拝観(京都市観光協会主催)もあるそうです。お出かけになってみては如何でしょうか。

次回のサンガセミナー第5回「掛け軸の扱い方講座」と「水墨画講座-秋を描く」へもご参加募集中です。

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大雅閠窓ァ禅師の足跡を訪ねて

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来年は白隠慧鶴禅師の250年遠諱の正当年であるのは既にご承知の通りと存じますが、さらに昔、永正15年に遷化された大雅閠窓ァ禅師(?~1518)の500年遠諱正当の年でもあります。

大雅閠窓ァ禅師という方をご存知でない方の方が多いであろうと思いますが、禅師は大本山妙心寺の四派の一つ、聖澤院の開祖である東陽英朝禅師について、その法を嗣ぎ、尾張一宮の瑞泉寺に住し、妙心寺にも出世した方。また、岐阜美濃加茂にある八百津の大仙寺で東陽英朝禅師に続く二世となり、近隣の宝蔵寺や大通寺を開山し、同じく近隣の南陽寺三世、米山寺(現在の正傳寺)二世、臨渓寺二世となられ、最晩年は大仙寺にて遷化されました。

聖澤派では、来年春に禅師の遠諱法要をお勤めになりますが、それにむけて禅師を研鑚するために図録資料集を作りたいというご意志があり、弊所はそのお手伝いをさせていただくことになりました。

先般、岐阜は八百津の地を訪ね、大仙寺、宝蔵寺、南陽寺、正傳寺、大通寺をまわり、残された資料や書画等がないかを調査し、撮影してきました。
なにしろ500年前の方ですから、そうそう墨蹟などが残っていません。それでも貴重な資料を拝見し、撮影してきました。ないと聞いていた御木像もあり、また禅師が安座されたという古い観音様も目の当たりにし、貴重な調査となりました。

大雅禅師2.jpg大仙寺の歴代塔。ほぼ中央に大雅禅師の卵塔が遺る。

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夏の方広寺(浜松市)へ

 

20160802-1.jpg先般、臨済宗方広寺派の本山である浜松の方広寺へ、禅文化研究所デジタルアーカイブス事業の悉皆調査に出向いてきました。

方広寺様へは今回で2回目の調査となります。1回目は2月上旬に1泊2日で、今回は2泊3日。さらに今回は、花園大学歴史博物館のスタッフのほかに、弊所の事業に興味をもっていただいた他所の学芸員の方や大学院生も含め、総勢10名での調査となりました。

京都方面からは東名高速豊田ジャンクションから、新しく開通した新東名を通っていくことによって、だいぶ時間短縮となり、便利になりましたよ。方広寺の方に聞くと、やはりその効果で名古屋方面からの参詣者が増えたとの事でした。

方広寺は明治14年に山林大火に遭い、大部分の伽藍を焼失してしまわれました。しかしながら、開山円明大師の御墓所と七尊菩薩堂、開山本像、そして半僧坊真殿が焼け残ったとのこと。その後の復興にあの山岡鉄舟居士が盡力されたようで、鉄舟居士の墨蹟なども何点もあります。上の写真にある本堂正面の扁額の文字も鉄舟居士によるものです。

※ちなみに、今回も調査に同行してくれている花園大学歴史博物館の学芸員・志水一行氏には、本年度の第5回サンガセミナー「掛け軸の扱い方講座」の講師を勤めていただきます。日頃の掛け軸の扱い方に間違いがなかったかチェックするのにいい機会では?

そしてまた、方広寺といえば山内に五百羅漢石像が安置されています。夏の蝉時雨のなか、佇む羅漢さん達をご紹介します。

20160802-3.jpg20160802-5.jpg20160802-2.jpg方広寺では、坐禅や写経の体験などを日帰りや一泊でさせていただけるプランも用意されています。8月21日には夏期講座も開かれるようです。羅漢さんたちに会いにお出かけになって、少し体験もしてみるというのは如何でしょう。

 

【禅文化研究所から夏期休業のおしらせ】
誠に勝手ながら、下記の期間を夏期休業とさせていただきます。
ご不便をお掛け致しますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。

【休業期間】2016年8月11日(木) ~ 2016年8月16日(火)

※書籍のご注文は、8月9日(火)の午前中までにいただきましたら、9日中に発送させていただきます。それ以降のご注文につきましては、17日(水)以降、順に発送させていただきます。

 

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サルスベリの花


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八月に入り、いよいよ夏も本番である。山寺のムクゲは、数を減らしながらも、咲いては落ち、落ちてはまた別の花が咲き、小生に、人生の無常と、その無常の中で、どう生きていくのかということを考えさせている。

そのそばにはサルスベリの樹が植えられている。もう青葉が茂りに茂っている。ムクゲが終われば、この花樹が、紅(くれない)の花を開いてくれる。

サルスベリは、幹の皮がなめらかでツルツルしており、猿もすべるから、この名前がついたというが、猿も出没する山寺に暮らす小生でも、さすがに猿がすべったところを見たことはない。古人がじょうずに命名したのであろう。何とも可愛らしい名前である。

ところで、サルスベリの中国名は「紫薇(しび)」である。とても綺麗な名前だが、紫色の薔薇(バラ)と読んでしまいそうである。紫微(王宮)に多く植えられたから命名されたそうだが、その別名が日本でも有名な「百日紅(ひゃくじつこう)」である。

たびたび無粋だが漢文を一つ。ある「花譜」に「紫薇、一には百日紅と名づく。四五月、始めて花(はなさ)き、開謝接続(咲いたり散ったりして)、八九月に至る可(べ)し」とあるように、とても長い間、咲いててくれる。もちろん、同じ花が百日咲いているわけではない。その点は、ムクゲと同じである。

実は、日本禅録に用いられる「百日紅」は、直接、サルスベリを言うものではない。その別名に掛けて人生の無常を説くのである。ある禅匠の百箇日忌の法語に「百日紅過春作夢(百日、紅過ぎて、春、夢と作(な)る」とある。これは、中国のことわざに「人に千日の好無く、花に百日の紅無し(凋まない花はない)」(『水滸伝』第四十四回)と言われるところから来ている。

一日のムクゲも、百日のサルスベリも、散っていくのに違いはない。さて、どう散っていくか。六十の小生は、まだその答えがみつからないでいる。

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ハスの花―衆生、本来、仏なり



160803-1.jpg先般は、ムクゲの花についてラチもない話をしたが、仏教の花と言えば、やはり、ハスの花である。泥の中から出て、その汚れに染まらないハス。「新荷仏」という言葉さえある。

7月の中旬、臨済宗のある本山を訪ねたが、境内の池には、もうハスの花が満開であった。施食会(せじきえ)に参加した塔頭(たっちゅう)寺院の精霊棚(しょうりょうだな)にも、ハスの花が献じられていた。「ひとつき早いなあ」と思った。

小生の山寺のハスが咲くのは、8月に入ってから。それも、お盆に近づいてからである。小さな池ではあるが、毎年、花を咲かせてくれる。池には山からの水が引かれているから水温も冷たく、そのぶん、開花も遅い。しかし、小生の山寺の施食会は、8月19日だから、ちょうどいい具合にハスの花を精霊さんたちに供えることが出来る。

開いている花を一本、ツボミの花を一本、開いている葉を一本、巻いている葉を一本。そして、花を落とした、まだ青々しいハチスを一本。毎年、供えるのはこの5本と決めている。これで十分である。ゾクっぽいが、すべてタダである。小生は、8月に花を買ったためしがない、ありがたいことである。

160803-3.jpgところで、またもや無粋な話であるが、なぜ、ハスが仏花の代表的存在であるのか。もちろん、宋の詩人周茂叔が「愛蓮説」に「蓮は淤泥(おでい)より出(い)でて染まらず」と歌うように、泥の中から綺麗な花を咲かせるからだが、ハスのツボミの中には、既に実が結ばれており、一切衆生が本来的に仏性を具えている喩えに用いられるからだと思う。

池のハスよ、ゆっくり育ってくれ。衆生、本来、仏なり。

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梶谷老師の墓参り

 

160722.jpg私の修行僧堂の師家であった梶谷宗忍老師(1914~1995・相国寺派前管長)の墓参に行ってきた。
墓は平成8年1月に一周忌を迎えるにあたり、相国寺から分骨して老師の生誕地である大分県佐伯市西野浦に建立されたものである。
大分には仕事の関係で何度も訪れているが、これまでなかなか足を運ぶことができなかった。今回は、修行時代の先輩にあたる方の新忌斎(49日法要)が佐伯市の寺院であり、法要後、参列した会下(僧堂OB)の方の呼びかけで実現した。

墓は入り江から山麓にかけて建ち並ぶ集落のはずれにあり、生家の墓の隣りに建てられている。
皆で線香を手向け大悲呪一巻を諷経。会下と共にお参りしたからか、僧堂を出て数十年が経つが、当時の自分に戻った思いがした。

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長岡禅塾訪問

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そぼふる雨の日の朝、京都府長岡京市にある長岡禅塾を初めて訪ねてまいりました。

長岡天神の森に連なる形で建っている長岡禅塾は、大学生を対象にした禅の寄宿塾で、昭和11年、日商岩井(現・双日)の前身である岩井商店の創業者岩井勝次郎氏によって設立されました。今も、関係企業や団体からの寄付金によって運営されているため、塾生は寮費を払うことがありません。

宗教法人(お寺)ではなく公益財団法人としているため、特定の宗派に属しているわけではありませんが、禅の実践生活をしながら大学に通えるように運営されています。

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初代塾長は、その辛辣さより「剃刀香洲」と呼ばれた梅谷香洲老師、二代目は西田幾多郎博士の高弟であった森本省念老師、三代目現塾長の浅井義宣老師と引き継がれ、現在は、副塾長として塾生ならびに通参の社会人の指導に当たっておられる北野大雲老師がおられます。

この長岡禅塾に寄宿し、のちに本山管長や僧堂師家になられた方も少なくありません。梶谷宗忍老師(大本山相国寺管長)、糸原圓應老師(平林僧堂師家)、篠原大雄老師(大本山永源寺管長)、道前慈明老師(大本山永源寺管長)などなどです。

現在は塾生が3名しかおらず、さらにそのうち2名は外国人だとかで、非常に運営に苦労をされているようでしたが、それにしてもこの掃除の行き届き具合は驚きでした。また、玄関から取り次いでくれた塾生の立ち居振る舞いは、僧堂の雲水とはちがい、非常にゆったりとした独特のもので、ある意味、感動さえ覚えました。

 

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7月1日からは摂心もあるということで、そういうときには、通参の社会人なども来られるとのこと。それぞれに個室の宿舎があてがわれ、禅堂では坐禅、そして老師に参禅といった僧堂摂心に準じた生活がなされるようです。

禅堂で寝泊まりはしないため、いわゆる単箱や蒲団棚はありませんので一風変わった禅堂ですが、内単と外単があり、たいへん立派なものでした。

1年以上寄宿することを前提に、入塾生を随侍募集されています。また一般の方には、坐禅会や提唱へ参加いただけるようです。詳しくはホームページをご覧下さい。

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さて、このたび、この長岡禅塾副塾長の北野大雲老師の著書を、禅文化研究所から発刊させていただくことになりました。禅門には、豪快、愉快、奇天烈な逸話がたくさん残っています。これらは実はそれぞれの禅者が厳しい修行をし坐り詰めてこそ出てきた話なのですが、老師自ら、そういった話を拾い集め、読み解き、一般の方々に広く知ってもらいたいということで、『禅に親しむ』(予価1300円〈税別〉)と題して9月中旬に発刊予定です。

どうぞお楽しみに。

 

 

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正眼夏期講座


160615.jpgおはようございます。
先週は建仁寺の緑陰講座をご紹介させていただきました。
本日は、岐阜にあります臨済宗系の短期大学・正眼短期大学の夏期講座のごあんないです。

毎年テーマを設けられているようで、今年は「翔 天無私」(しょう・てんにわたくしなし)です。

山川宗玄学長(正眼僧堂師家)の法話、提唱をはじめ、講師に岐阜大学大学院の手塚建一先生、政治学者の姜尚中先生をお招きしての講演、川鰭祐子さんのヴォーカルでジャズコンサートを予定とのこと。

詳細、お申込みなどはこちらをご覧ください。
 



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建仁寺緑陰講座


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各派本山の夏期講座の開催情報が研究所に届く季節となりました。

京都は建仁寺さんでの暁天坐禅会-緑陰講座-のおしらせです。
申込み不要。参加の意思のある方はどなたでもご来山くださいとの由。

坐禅開始は6:30~、緑陰講座は7:10~(終了 8:00前後)。
※最終日7月10日の講座後には粥座(しゅくざ)[朝食]の接待があるそうです。

内容詳細は下記のとおり。

 

7月8日(金)

講師  佐々木 閑先生(花園大学仏教学科教授)
演題 「現代人のためのブッダの言葉」 

 

7月9日(土)

講師 坂東 眞理子 先生(学校法人昭和女子大学 理事長)
演題 「人生後半期の生き方―プラチナエイジをめざして―」

 
7月10日(日)

建仁寺派管長  小堀泰巖老大師 
提唱 碧巌録第六十九則 『南泉画一円相』




なお、私ども研究所で開催するサンガセミナー
来週の14日、火曜日に第一回目を開催させていただきます。
午前がヨガ、午後が墓の法律講座。特に人数制限のある講座ではありませんので、前日まで申込み可能です(当日受付にてお支払い可)。
7月の、「香りを知る」・「傾聴講座」も募集中! ご参加お待ち申し上げております。
*お問い合わせ 075-811-5189 担当川辺まで

建仁寺緑陰講座の続きを読む

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相国寺 観音懺法



160601.jpg生きていればどうしても犯してしまう罪を悔い改める為、懺悔の力によって仏の心を取り戻そうとするのが、懺法(せんぽう)という儀式です(詳しい説明は相国寺のHPをご覧ください)。

この観音懺法が執り行なわれる日には、方丈に伊藤若冲の文殊・普賢菩薩と、複製された動植綵絵30幅が掛けられます(上写真は何年か前にお邪魔し、許可いただいて撮影したものです)。
特別に公開されますのでごあんないを。


公開日:6月7日(火)~14日(火)
*平日は10時~14時。土日は10時~4時までです。
お一人1000円。



相国寺の観音懺法は、鎌倉時代の渡来僧、仁恭石梁(せきりょうにんきょう)と清拙正澄(せいせつしょうちょう)、そして夢窓国師の三大老の協作とされる儀礼ということで、中国宋代の禅の儀礼の様式を色濃く反映しているわけです。
四頭茶会もしかり、美しく調えられたしつらえや僧侶の所作に、日本文化や日本の様式美が受けた影響は計り知れないものがあるのではないでしょうか。

160601-2.jpg観音様に罪穢れを発露悔過するという儀式では、やはり東大寺のお水取り(十一面観音悔過)が全国的に有名ですが、禅宗にもあるわけなのですね。

妙心寺さんや円覚寺さんでは、山門懺法といって、山門の上で執り行われるのだそうです。

ちょうど今月末神社で行なわれる夏越の大祓では茅の輪をくぐり、半年の罪穢れを落とさせていただき、水無月(宮中行事にまつわる菓子)をいただいて、来たる半年の無病息災を願うわけであります。

神仏どちらにも何の違和感もなくお参りする自分を顧みて、それも日本人の良いところだ……などと思う、6月です。


*臨川寺にて相国寺さんの観音懺法についてお尋ねがありましたが、その時はお答えできませんでした。後日ブログにてご紹介しますとお伝えしましたが、覧いただいておりますでしょうか???
是非ご参拝くださいませ。

サンガセミナー 受講者募集中】

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「水墨画を描いてみよう」 於・北鎌倉 東慶寺

 

160520.jpg皆さまおはようございます。本日はごあんないです。

私どものサンガセミナーで、昨年から水墨画講座をご担当いただいている平川功先生。
本年も秋に講座を予定しておりますが、近く6月、北鎌倉は東慶寺さんにおいてワークショップ「水墨画を描いてみよう」が開催されます。

◆6月3日(金)13時~15時   ◆4日(土)10時~12時
於:東慶寺 書院

お申込み、お問い合わせなど詳細はこちらからどうぞ。


これは、「二人の和紙展」と題して開催される紙漉職人・井谷伸次さんと、江戸経師職人・鈴木光典さんのお仕事をご紹介する企画展のワークショップです。
全く描いた事の無い方も大丈夫です。筆の扱いから濃淡のつけ方、コツなどを教わります。
この日は、井谷さんが漉かれる奥出雲の斐伊川和紙に、東慶寺さんに咲く花を描くのだとか。

160520-1.jpgこの季節の境内は、花菖蒲に紫陽花、八重のどくだみにイワタバコ等の花でにぎわいますが、とりわけ楽しみなのが本堂裏の岩肌一面に咲くイワガラミです。ちょうど6月1日から12日まで公開されるとか。
詳細ご確認の上、あわせて是非ご参拝ください。
*お写真はイワタバコです。


*平川先生が描かれた鏡板の松
  季刊『禅文化』241号からは、もくじのカットもお願いしております。お楽しみに!

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大本山東福寺 特別拝観のおしらせ

おはようございます。

現在、京都国立博物館での展覧会にあわせまして、京都禅寺一斉拝観を開催しておりますが、今週末29日からは、東福寺の法堂(仏殿)、禅堂が特別公開されます。
*詳細はこちら

 

160425-1.jpg
東福寺といえば、いつもブログやFBをご覧いただいている皆さまには、ご記憶に新しいかと存じますが、臨済禅師・白隠禅師遠諱を記念して、3月に報恩大摂心ならびに大法要が行なわれました。


ただただ伽藍をご覧いただくのみならず、禅堂ではどのように修行がおこなわれ、法堂ではどのように儀式がおこなわれたのか、ご参拝の皆さまにおわかりいただけるよう、パネルを制作してみました。

160425-2.jpg一ヶ月少し前の話ですが、パネルを見て感無量……の職員一同です。私も写真を見るだに、こみあげるものがございます。


臨黄合議所のFBページにて、全国から集まった雲水さんの修行の姿や、法要の様子はご覧いただいていたかと存じますが、やはり、その地を訪ねてみて、実際に自身の感覚で得るものはまた違う事と存じます。
是非ともご参拝なさってみてくださいませ。お待ち申し上げております。
 

◇東福寺ご参拝の折、お近くの禅寺めぐりをなさりたい方は、こちらをご参照くださいませ。

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春の京都禅寺一斉拝観 スタンプラリー

皆さまおはようございます。
度々ご紹介させていただいております、禅寺一斉拝観
京都国立博物館にて展覧会が開催される4月12日より、5月22日まで(公開期間は、寺院により異なります)京都の禅寺約60ヶ寺が公開されています。

160421.jpg大徳寺塔頭 高桐院

遠諱を記念した大々的な計画で、臨黄合議所(臨済宗黄檗宗には15の本山があります)、禅文化研究所が、京都市観光協会さんとの共催で実施させていただいております。


今回初めてスタンプラリーなるものに仕事として携る事となり、上司(禅僧です)の手作り根性発揮か?!
となるところでしたが、もしかして……と、ゴム印やスタンプで有名なシヤチハタさん(ヤは小字ではないのですよ!)が、スタンプラリーキットを製作販売されていることをWEBで見つけ、ダメ元で「こういう計画が…」とご相談しました所、御関心をお持ちいただき、多大なるご協力を得て、全寺院に立派なスタンプ台を設置する事ができました。

スタンプのデザインはこちらがせねばならない…とのことで、各寺院の象徴的なモチーフを考えて、下記のような感じで作っております。これらのスタンプは、シヤチハタさんのスマートフォンアプリ「iStamp」を使っていただくと、お参りしたお寺のスタンプ台のところで印影をゲットすることができますので、紙媒体でなくてもチャレンジしてみて下さい。
iStampのダウンロードは……App StoreGoogle Play からどうぞ。
160421-1.jpg寺紋もありますが、お寺に拝観してみれば、ああ、これがスタンプになっているのかとわかるようなデザインにしてみました。もしも、もしも、「一体何なのかわからない」というものがありましたら、お問い合わせくださいませ……。


誠に申し訳無いのですが、私自身はスタンプラリーというものをした事が一度も無く、はてさて、お葉書がほんとうに来るのだろうか!?と思っておりましたら、翌日からどんどん届きはじめ、嬉しく思っております。

160421-3.jpg

パンフレット(クリックするとPDFファイルが開きます)を、各寺院や京都市観光協会、京都総合観光案内所〈京なび〉、東京駅八重洲口の京都館情報コーナーでお配りしておりますので、その中にありますスタンプラリー用紙(切り取ってお葉書としてお使いいただきます)をご利用ください。

ご参拝、ご応募、お待ち申し上げております。


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東慶寺の春をいける「二人の花」展



160418.jpg皆さまおはようございます。

北鎌倉の東慶寺さん(臨済宗円覚寺派)。
こちらで開催されている雨宮ゆか先生のお花の御稽古には、私も何度かお邪魔させていただき、その御縁から、研究所でもサンガセミナーにて、“日々の花講座”をご担当いただいております。

過去、とお邪魔しましたが、この度は春の花を、ご住職の御母様井上米輝子さんと、雨宮ゆか先生がいけられます。

境内に咲く春の花がどのようにいかされるのか……。
私も興味津々で是非とも馳せ参じたいところですが、臨川寺特別参拝と重なり、お邪魔する事ができません……。いえ、臨川寺参拝で皆さまとお目にかかれますのは楽しみなのですが。

おすすめの展覧会です。境内に咲く花も、いけられた花も、どちらもお楽しみいただくべく、是非足をお運びになってみてください。

【東慶寺の春をいける 「二人の花」展】

2016年4月23日(土)縲鰀30日(土)
10時縲鰀17時 会期中無休

花器協力(五十音順敬称略);
池田優子、生形由香、打田翠、小笠原加純、
川村晃弘、小泊良、野口悦士、野村亜矢、
橋村大作、橋村野美知、花岡央

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湯島 麟祥院展 記念講演会のお知らせ

おはようございます。

現在、花園大学歴史博物館において、湯島 麟祥院 ―春日局と峨山慈棹―展を開催させていただいております。
何度もご紹介させていただいておりますが、禅文化研究所では、花園大学の調査チームと共に、寺院の宝物調査をさせていただいております。

さらにその後、このように結果報告といたしまして、花園大学歴史博物館にて展覧会ならびに展示にちなんだ講演会を開催し図録を作成、さらにデジタルアーカイブス事業も展開しております。
禅文化研究所デジタルアーカイブス事業

160412.jpg

これまでに調査がほとんど入った事の無かった麟祥院の宝物を、是非皆様にご覧にいれたいと願っております。
さらに、今週13日の水曜日には、記念講演会(於:花園大学教堂)を予定しております。
*詳細は下記
講演会後、博物館にて学芸員によるギャラリートークもございます。


入場は無料、事前申し込みも不要です(但し先着150名)。
駐車場はありませんので公共交通機関をご利用ください。
講演内容は、以下のとおりです。


■2016年4月13日(水)13:00~14:30「湯島麟祥院の歴史」
竹貫 元勝 氏(花園大学名誉教授・正眼短期大学特任教授)

於:花園大学教堂


歴史に親しんだ後にご覧いただく宝物類は、予備知識無く観るのとはまた違って、興味深く親しめる事と存じます。
皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。
何卒宜しくお願い申し上げます。

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天龍寺の桜

天龍寺の曹源池庭園といえば、開山夢窓国師作庭で有名です。

160405-1.jpgお仕事で、プライベートで、よくお邪魔して拝見しますが、毎度気づきがあるものです。
天龍寺の塔頭でお生まれになり、ほぼ毎日この庭園を観ている齢70を過ぎた和尚さんが、「この庭ほど素晴らしい庭は無いんやで」と毎度仰る事がそれを物語っています。

今回はことに山に咲く山桜や白木蓮が印象的だったせいか、借景の素晴らしさが身にしみ、作庭をされた夢窓国師のスケールの大きさがこちらに流れ込んでくるようでした。
歴代天皇より、7度にわたり国師号を賜与され、七朝帝師とも称された国の師というべき御方。それは魅力的な人物であったろう……と一人想像してうっとりとしてしまいます。

早朝より3時間弱お邪魔しておりましたが、太陽の光によって、庭の表情は刻々と変化し、いっときも同じ時は無いのです。
是非、お時間に余裕をもってご参拝願いたいものです。

160405-2.jpgさて、参拝者の皆様はこの素晴らしすぎる曹源池庭園に満足し、そのまま引き返してしまう方が多いのもごもっともですが、実はこの奥に多宝殿、百花苑があり、多くの見事なしだれ桜に茶花などが楽しめます。

遠く比叡山まで見渡せる山の上からの景色。えもいわれぬ日本の美しい春です。

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相国寺東京別院

おはようございます。

先日こちらでもご紹介させていただきました「禅と能」についての対談
相国寺東京別院を舞台に、素晴らしいお話が繰り広げられたわけですが……。

私のように、普段京都に住まいし、ストレスの全く無い自転車通勤をしている者にとっては、東京というところは正直駅に着いた途端に、人と物の多さと殺伐とした空気に辟易します。
さらに、品川から渋谷へ移動して…と、なかなかに通勤の人々で混雑した中到着しました、東京別院。

ビルばかりのコンクリートの中にあって、元のお屋敷時代から残る灯籠や庭の木々、木造建築から香る杉の木のかおり。心身がすーーーーっとし、その後どっしりと落ちついてゆくのを感じました。

160402-1.jpg昨今、宗教色というものを毛嫌いして、それをそぎ落とした結果の産物をよく見聞きしますが、“都会のオアシス”などという言葉では到底追いつけない(表現できない)ようなその佇まいは、やはりここがお釈迦様から連綿と続く教えを元に、己と向きあうべく存在する禅寺であるが故だろうと思うのでした。

月に2回、京都より管長猊下と僧堂の老師がいらして、提唱と坐禅会が開催されています。
スケジュールはこちらをご確認ください。

 

 

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禅と能 ―季刊『禅文化』特集記事取材

7月25日に発刊予定の季刊『禅文化』241号の特集(毎号、テーマを決めて特集を設けております)は、「禅と能」。まさに切っても切り離せない両者に焦点を当てたいと思っております。

編集会議において、「やはりこれは、管長・老師といったお立場の方と、能楽師の方の対談記事を目玉としたい……」と考えました。

そもそも、足利義満公の庇護により、観阿弥・世阿弥によって花開き大成された能の世界。
まずは金閣寺のご住職も兼任されている相国寺派管長・有馬賴底老師にご相談したところ、

「それなら是非とも観世宗家・観世清和氏との対談を」。

との願ってもいない鶴の一声で、昨日3月30日、お二方ともご多忙ながらお時間いただく事叶い、相国寺東京別院での対談が実現致しました。


160331-1.jpg聞き手は、能楽に造詣深く、管長や宗家とも親交がおありで、この度明治大学学長となられる土屋恵一郎先生。こちらがお尋ねしたい事を何ともスマートに、ご自身のご意見も交えながらの進行、非常に学ばせていただきました。

法や伝統文化の継承、後継者育成について、日々の修行・稽古について、心身の整え方・呼吸について……などなど、内容は盛りだくさんで、改めて驚くほどの共通点が出て参りまして、拝聴しながらかなり興奮してしまいました。

160331-2.jpg私事で恐縮ですが、20代前半から、禅と能に強く惹かれて参りました。
それぞれの魅力というものはもちろんあってのことですが、感覚的にこの2つを同じと見て惹かれていた理由というのは少しぼんやりしていて、自分の中でもはっきりとした答えが見いだせなかったのですが、今回またとない対談を拝聴する機会を得て、腹にすとんと落ちるものがあり、「そうだったのか!」と、眼から鱗でした。


こちらで詳しい内容はお伝えできませんが、是非とも季刊『禅文化』241号発刊のおりには、お手に取ってご覧いただけたらと願っております。
発刊はまたこちらでもご案内させていただきます。

何卒宜しくお願い申し上げます。


参考記事
ワザとこころ 能の伝承 -京都観世会館-

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托鉢雲水へのお布施の仕方

おはようございます。

僧堂が近くにありますと、およそ決まった日に雲水さんの托鉢姿を見る事があろうかと思います。
お布施をしてみたくても、なんとなく作法もわからぬのでいつも見送るのみ…という方もいらっしゃるかと。
以前にも一度ご案内させていただいたのですが、再度皆さまにお伝えをと思いました。

私の家の前では、報恩大摂心の終わった翌日に、大徳僧堂の雲水さんが托鉢をされていました。
「あぁ、摂心が終わったけれど、僧堂へ帰ってもまた修行が日常なのだなぁ…」と、当たり前の事ですが感慨深く、お布施をさせていただき、お姿お見送りしました。

160328-3.jpg遠諱報恩摂心 托鉢_撮影・研究所職員

さて、意外に京都に生まれ育った人でも知らないのが、雲水さんの出す掛け声。実は、「ほーーーーーぅ(法)」と言っています。そして、京都に住まう多くの方が、小さな子が言う事を聞かない時は、「おーのおっちゃん来るよ」と、まるでなまはげのような扱いをしている事もリサーチ済みです。

正直、雲水さん達は比較的若い方が多く、おっちゃんではないと私個人的には思うのですが......。あの低く腹から出す大きな声が、なまはげや、おっちゃんを連想させるのでしょうか。

そんな事はさておき、托鉢をする雲水さんにお布施をさせていただきたいけれど、方法がわからないのでいつも見送ってしまう......という方の為に、お布施の方法をご紹介です。

1.托鉢の雲水さんの声が聞こえたら、お布施を用意し、合掌しつつ、近寄ってこられるのを待つ。
2.雲水さんが気付いて、自分の前に立たれたら、互いに合掌一礼。
3.雲水さんが首から下げている看板袋の前垂れ(袋の蓋のようになっていて僧堂名が白く書かれている部分)を自分の前に出してくださったら、その上にお布施を置く。
4.雲水さんが前垂れに置かれたお布施を、滑らせるように袋の中にしまえば、また互いに合掌一礼。

無言のうちにこれらの事を終えます。

勘違いしてはならないのが、布施というのは、してあげているのではなく、「させていただいている」「功徳を積ませていただいている」という事。我々(在家の者)が、財施をさせていただいているのです。そしていつか雲水さんは和尚になって法を説かれ、法施となって私たちに戻ってくることでしょう。
六波羅蜜の一つ。
互いに合掌し一礼させていただく朝、なんともありがたく、清々しい気持ちになるものですよ。

160328-2.jpg遠諱報恩摂心 托鉢_撮影・野口さとこ

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天龍寺・臨川寺特別参拝のおしらせ


160128.jpgおはようございます。

本年は、臨済禅師の1150年遠諱(お亡くなりになられてから1150年の節目です)、白隠禅師の250年遠諱(正確には来年)の大法要の年。
それを記念して、様々な行事を開催する予定です。 

京都国立博物館において、4月12日から5月22日まで開催予定の特別展「禅 ―こころを形に―」にあわせまして、京都では「春の京都禅寺一斉拝観」が開催されます。
その中で、禅文化研究所では、約20年以上公開されていなかった臨川寺(夢窓国師のお墓があります)の特別参拝日を設けさせていただきました。

既に定員に達している日もありますが、空いている日にちでご都合つく方は是非ご参拝ください。
この日は天龍寺の法堂や非公開の茶室なども拝見させていただける事となりました。
お申込み、詳細はこちらからどうぞ。

私も、皆様にお目にかかれるのを心待ちにしております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

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大徳寺茶所

160122-1.jpg私用で大徳寺さんにでかけますと必ず立ち寄りますのが、茶所。
大黒天さんが祀られているひっそりとした三門横の休憩所です。

160122-2.jpgこちらでいただくお茶が美味しくて、いつもしばし座って休ませていただき、ほっとしています。

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大徳寺塔頭 高桐院

 


160121-1.jpg青竹にすげ替えられ、清々しく。
花や紅葉の時期はもちろん美しいのですが、冬が一番禅寺らしく、引き締まった空気感がなんとも言えません。

160121-2.jpgこれは昨年12月の終わりに撮った写真ですが、「すべての事があらたまる」新年を迎えるにあたって、私の心の準備までさせていただけるようでした。

京都市観光協会さんによる、京の冬の旅 開催中。通常拝観不可能な禅寺が多く公開されています。

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50回記念 京の冬の旅 ごあんない

京都市観光局さんが主催されている「京の冬の旅」
今回、洛南エリアの東寺さん以外はすべて禅寺!のようです。

151224-1.jpg遠諱記念・春の京都禅寺一斉拝観が待てない方は、まずは冬の京都へどうぞ。

 

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臨済録提唱 ―南禅寺派管長 於:南禅院―

臨済宗大本山南禅寺の南禅院にて、月に一度開催されております管長猊下による、臨済録提唱。
12月は13日(日)の開催でした。

151215-1.jpg私のような在家の凡人には、“提唱”となるとなかなかに難しいわけでありますが、今は亡き堀内宗心宗匠が、弊所から発刊させていただきました『歩々清風』の中で、ご自身がお若い頃に建仁僧堂に参禅なさってらした頃の記述があり、その箇所を自然と思い出すわけなのです。

提唱はわかったようでもあり、わからぬところもあり、ただ高座の上の老大師の頭(おつむ)を拝していると心身清々として、何か益があると感じていました。そればかりでなく、密参を済ませて茶礼、身近かに老大師のおそばにいると、なさること、話されること、その中から何か自然と身につけることができるような気がして、割合せっせと僧堂に通い続けていました。 (『歩々清風』参禅の日々 堀内宗心著より)

151215-2.jpgかねがね、老師方は雲水と同じ質素な日々のお食事のせいか、坐禅(呼吸)のせいか、お肌がツルツルの方が多く、いつもそこに注目してしまうわけなのですが、私の場合、頭(おつむ)を拝するというよりも、お肌を拝しては、なんともさすがであるな…などと不届きな事を考えてみたり、ヨガを始める前は汗の出ない代謝の悪い体質だったのが、冬にコートも着ずに南禅寺まで自転車をこぎ、坐ると汗がぽたぽた落ちるほどで、「これは汗がひいたら風邪をひく」と思ったところで、「そうだ、呼吸するとあたたかくなる!と禅僧たちはいつも言っているな」と思っては丹田を意識し、深い呼吸を心がけ、「ふむ、確かに体があたたかく、冷たい空気が気持ち良い」などと思ってみたり、おおよそ集中しているとは言えぬわけでありますが、それでも、あの凜とした空気の中、老師を感じ、自身の事に思いを馳せる時間は、宗匠が感じていた事と同じであろうかと思うのです。
*お若い頃とはいえ、宗心宗匠のご理解の域や深さと同じにしてはいけないのですが。

151215-3.jpg前置きが長すぎるのですが(これからです皆さま)、今回は臨済の四料揀(しりょうけん)より、「奪人不奪境、、云々」(だつにんふだっきょう、で検索すると色々解釈が出て参りますし、数々出版されている『臨済録』を読み比べてみても面白いかと存じます)。

師、晩参、衆に示して云く、有る時は奪人不奪境。
有る時は奪境不奪人。有る時は人境倶奪。有る時は人境倶不奪。

人は主観、境は客観。時に、主観を否定して客観を重視し、時に、客観を重視して主観を否定する。
また時には、主観も客観も否定し、また時に、主観も客観も肯定する。その先に現われる世界は…。


最後の最後まで拝聴していると、なんでしょう、十牛図の10、入驗ス垂手の画が頭に浮かびました。語録の世界も、その時その時、こちらの状態によって訴えかけてくるものが違うのでしょうし、同じ箇所を繰り返し学ぶものなのであろうなと思いました。
次回は1月24日(日)。南禅院にて9時~です。どの季節も良いのですが、冬の禅寺が、やはりそれらしいなと私は思います。どうぞご参集を!

*明日のブログはお休みさせていただきます。

 

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春の京都禅寺一斉拝観 〈2016年開催〉

平成28年春、臨済宗を開かれた臨済義玄禅師の1150年遠諱、ならびに日本臨済宗中興祖である白隠慧鶴禅師の250年遠諱を記念して「春の京都禅寺一斉拝観」を実施すべく準備にとりかかっております(遠諱の詳細はこちら)。

渾身の作。と申しましょうか、我が上司(お坊さんです)が作りました公式サイトはこちら


151211-1.jpg遠諱の一事業として京都国立博物館で開催される特別展「禅 ―心をかたちに―」(平成28年4月12日~5月22日)の展観期間にあわせて、京都市内を中心に、数多い本山をはじめとした禅宗寺院(約60ヶ寺)で通常非公開の寺院や寺宝の特別公開、坐禅会や写経体験・法話など、期間中に特別な催しが一挙に開催されます。
また通常公開寺院においても、期間中スタンプラリーなどを実施予定です。スタンプを集めて応募すると、抽選でプレゼントももらえます。

期間:平成4月12日(火)~5月22日(日)

 

「そうだ 京都、行こう」を、来年の春は「そうだ 京都の禅寺へ行こう!」ということで、宜しくお願い致します。

私自身、研究所でお仕事させていただいている御縁から、様々な禅寺に出入りします。
あの無駄の無い伽藍や庭の美しさ、隅々まで掃除が行き届き、空気まで引き締まっているような空間は、ほんとうに何度お邪魔したお寺さんでも、毎回毎回感動するものです。

庭をテーマに、エリア別に、坐禅会や写経会や茶会に参加。皆さまそれぞれに禅寺との出会い方があるかと存じます。そんな出会いが、自己を知る機縁となりますように。

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金閣寺参拝

 

151209-1.jpg「京都は生まれて初めて!」という小学校4年生の娘さんを連れて、友人が長野から来京。
一番行ってみたい所は?!やはり金閣寺(正式名称鹿苑寺。臨済宗大本山相国寺の門外塔頭ですよ皆さま)!

151209-3.jpg瑞々しい感性と共に参拝する金閣寺には、大人には無い発見があったり、「ん?!」と答えにつまるような質問をされてしまったりと、世間の一般常識や型にはまった自分を崩壊させてくれる良い機会、学びの時間となりました。

151209-4.jpg今年は紅葉も遅かった為、12月に入ったというのにちょうど見頃で美しく。意外と子どもよりも楽しんでいる大人たちでありました。

151209-5.jpg千本玉壽軒さんの、その名も“金閣”。なんともかわいらしい鳳凰、借景の山々まで美しく。
金閣寺納豆入りの餡が入った美味なるお菓子。金閣寺売店のみでの販売だそうです。

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12月8日 成道会

 

151208-1.jpgブッダガヤ お釈迦様が悟られた菩提樹の元に世界中から仏教徒が集います

12月8日。成道会(じょうどうえ)。
お釈迦様がお悟りを開かれた日。覚者(ブッダ)となられた日です。
僧堂では、本日をもって臘八大接心を終え、普段どおりの修行に戻ります。

151208-2.jpgマハーボーディー寺院 お釈迦様お悟りの地に建つ寺院


奇なるかな。
奇なるかな。
一切衆生悉く皆如来の智慧と徳相を具有す。
ただ妄想、執着あるを以ってのゆえに証得せず。

「思いがけず素晴らしい事だ。生きとし生けるものは皆な、生き方というものを知っている。ただ人間は自分の心に取り付かれ、この世からの借り物を自分のものだと思い込んでしまうから生き方が分からなくなってしまうのだ」。

「仏教徒の覚悟」福岡県 ・本岳寺住職  松本浩舜師 臨黄ネットより

151208-3.jpgこの夏、初めてブッダガヤを訪れました。今まで色々旅をして世界遺産だの遺跡だのを巡ってきましたが、私の中で他と比べようもなく素晴らしかったのは、大学の卒業旅行で訪れたネパールでのトレッキングで、4200メートルから見た8000メートル級の山々でした。
実際に眺めてこそ、そのものが神と崇められるのがわかったような気がして、あれ以上の感動を今後の旅で得られる事は無いだろうと決めつけていました。


ですが、お釈迦様が悟られた場所では、世界中から集う仏教徒の祈りが捧げられ、あちらこちらで瞑想する人がおり、そのあまりに平和で、静けさが充ち満ちた気というのは、私にたとえようもない心の平穏と静寂をもたらし、8000メートル級の山々(神)を観た時と同じような感動が蘇ってきたのでした。
何ごとも、体験もせず決めつけるというのは浅はかな事だな・・・と思い知らされ、必ずや再訪し、またあの地でしばし坐ってみたいと思っています。

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臘八大接心

ただいま日本の多くの僧堂では、臘八大接心(ろうはつおおぜっしん)のまっただ中です。
*もっと寒い時に…と、1月に大接心をされる僧堂もあり、時期は必ずしも決まっていません。

151203-1.jpgマハーボーディー寺院 インド・ブッダガヤ

これは、お釈迦さまが、苦行では悟りを開く事はできぬと気づかれ、菩提樹の下に坐を組み、12月8日、明けの明星をご覧になられて悟られた事に因んで行われる、禅宗道場ならではの行です。

12月1日から8日の早朝まで、食事にお手洗い、参禅とお勤め以外は、ほぼ坐禅三昧で過ごすという、それはそれは厳しい修行期間なのです。横になって眠る事もしないのだとか。
この期間の私は、寝床に入る時に「あぁ、老師や雲水さん達は横にもならないのだなぁ…」と思い、朝冷たい空気の中眼を覚まし、布団から出たくない気持ちがわき起こってきては、「あぁ、私はぬくぬくと布団の中にいるけれど、僧堂では日の昇る前の一番寒い時にも、坐ってらっしゃるんだなぁ…」と思います。

僧堂で修行する雲水さん達を叱咤激励しつつ、ご自身も行を続けられる接心中の老師のお話が、鎌倉は円覚寺さんの居士林だよりでご覧になれます。
8日の鶏鳴まで、どうか無事修行を終えられますよう祈っています。


151203-2.jpg余談ですが、上写真は、苦行の後スジャータに乳粥を施された後、いよいよお悟り前の坐禅に入られるお釈迦様の前に一人のバラモンが現われ、8束の草をお釈迦様に捧げた地が寺院として祀られている場所です。日本のガイドブックなどには載っておらず、私も運転手が連れて行ってくれて初めて知ったのでした。
お釈迦様ゆかりの場所が多々残る、是非とも再訪したいと願っているブッダガヤの地にあります。

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月釜 於:大徳寺

千利休の月命日の11月28日(土)。大徳寺のいくつかの塔頭にて釜が掛けられますので、久々にでかけてみました。

11月は、炉開きで茶室のしつらえも新たに、火が客の方へと近づき、さらに半年間茶壺でねかせたお茶の口切りがある季節。
茶人の正月とも言われるおめでたい月であります。
道具もどこかしらその喜びを表す物が並び、風炉の季節の軽やかさとはまた違った重厚感があり、「あぁ、いよいよ茶の湯の本格的な季節の訪れだ…」などと思うわけです。

151202-1.jpg本格的も何も、年がら年中稽古もしていますし、日本にはそれぞれに素晴らしい趣きある四季が存在し、その四季とともに育まれた奥深い日本の文化である茶の湯。常に自身と向き合うような道なのでありますが…。


太陽の出ている時間も少なくなってゆき、なんとなく自身の内と向き合うような季節。
さらに炉になりますと、風炉の時とは釜の位置が随分かわり、重心が変化し、自然と丹田に力が宿るような坐り方になるからでしょうか。習い始めてからずっと、一年中、いつも茶の湯が楽しく大好きで仕方がないのですが、炉の季節を迎えて最初の点前の時、必ず毎年「あぁ、やはり炉の点前は良いものだなぁ……」としみじみ思っているのです。

と、月釜の事を忘れていました。主のもてなしにはじまり、訪れる茶人達(客)の心構えまで、様々な人を先生とし、ほんとうに色々と学べる機会なのです。炉の季節の喜びを主客共に味わい、新旧の道具のバランスの絶妙な趣きに感嘆し、味わいつくして大徳寺を後にしました。

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高桐院の紅葉

サンガセミナー、禅の庭入門講座の時は、平日ということもあり参拝者も少なくこのような感じでした。
そして22日には三連休の中日という事もあり、参拝者多数!

151130.jpg特に、こちらのドウダンツツジは殊の外立派で、一体樹齢何年だろう…と思わせるような枝振りです(下写真の右側の赤く染まった木は、一本のドウダンツツジです)。

151130-1.jpgこの日、大徳寺本山では、開山忌(開山大燈国師)が厳修され、有難くも参拝させていただいておりました。

151130-3.jpg
11月も終わりますね。
冷え込んで参りましたが、体調崩さぬよう元気に最終月をお迎えください。

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臨済録提唱 ―於:南禅院―

来年は臨済宗の宗祖・臨済義玄禅師がお亡くなりになられて1150年という節目の年(1150年遠諱・おんき)です。
遠諱を記念した行事が色々と開催されておりますが(詳しくはこちら)、大本山南禅寺さんでは、南禅寺発祥の地・南禅院にて、毎月一回、臨済録の提唱をなさっています。

151127-1.jpg今回は総長さん(本山において、管長さんが法の上の、思想上のトップであり、総長さんは事務方のトップのお坊さんとでもいいましょうか…)がお話しくださいました。

臨済録の中でも有名な、「途中に在って、家舎を離れず。家舎を離れて、途中に在らず」。“家舎”を般若心経の境地、“途中”を観音経にたとえてお話くださいました。
私の中でまだ整理できていないのですが、非常に興味深い内容、とらえ方で、反芻してみているところです。
*ネットで検索すると、この箇所の色々な解釈が出て参ります。是非お探しになってみてください。


さらに、これも臨済録にあります「随所に主となれば立処皆真なり」より、人生における避けてはゆけない大変な事。それによって得た縁を最大に生かして、生かしきって、自身がその中で主となって生きた時、活貎第ス葬n(かっぱっぱっち)、自在な心で生きる事ができるのだという事をお話しになられました。

151127-2.jpg私自身、「これはもうどうしようもない」と思えるような大変な事が起きた時に、避ける事すらできず、今になるとどうしてあの時を乗り切れたのかわからないような事がありましたが、その時に得た様々な縁というものこそ、今に繋がり、自分自身の糧となっていると確信しています。
「大変な事によって得た縁」という考え方は全くした事が無く、目の覚める思いでした。大変な時に得る縁というのは、人生の宝となるのでしょう。

いつぞや、大学のゼミ教授が教えてくれた、中川宋淵老師(三島・龍澤僧堂師家 1907-1984)のお言葉「人生とは、因縁因果の大展開、大活動である!」を思い出し、教えていただいた当初よりも少しはわかってきた気がしたものでした。

来月は12月13日(日)の9時から、南禅院にて。ご参集ください。

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紅葉の大徳僧堂

 

151125-1.jpg毎年、大徳僧堂の紅葉を楽しみにしています。もちろん修行道場ですから中には入れませんか、門前から望む景色や、塀の上の紅葉を見ては、「うぅむ、雲水さんの修行の妨げになりそうなほど美しい……」などと考えては楽しんでいます。

151125-2.jpg今年は7月8月はぐっと暑く、お盆を過ぎれば秋が訪れたのかと思うくらいに涼しく、9月もそのまんま、また10月には暖かくなったりで、11月も小春日和が続いています。定まらぬ気候に私も体調を崩したりしましたが、それは木々たちも同じようですね。

紅葉しないままにチリチリになってしまっている木もあれば、まだ緑一色の落葉樹もあったりします。
「今年の紅葉はあかん!」などと、人間本位で言うのもおかしいかなと思いますが、昨年があまりに当たり年で美しかったのと比較してしまい、少し寂しい気持ちになるのは正直なところです。

151125-3.jpgですが、大徳僧堂の紅葉は変わらず感動的でした。
スッキリ整然とした禅寺に紅葉、良いものだなと思います。

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わが師の斎会

私が静岡県三島市にある龍澤僧堂に掛搭して、雲水のはしくれになって直後、龍澤僧堂で隠棲されていた中川宋渕老師が遷化されました。そして私が参じた鈴木宗忠老師も、5年ほどして遷化されてしまいました。それから早や四半世紀以上が経ち、先日、宋渕老師の33回忌、ならびに宗忠老師の27回忌が、開山白隠禅師の毎歳忌にあわせて勤修されたので、私も末席を汚しに参ってきました。

20151113-1.jpg中央・白隠禅師、向かって右・中川宋渕老師、向かって左・鈴木宗忠老師の各頂相

宗忠老師のあとを嗣がれた中川球童老師も既に遷化され、今は後藤栄山老師が雲水をご指導いただいています。宋渕老師のもとで修行した方達から数えると、すでに四人の老師方の会下が一同に会しての法要です。
同じ釜の飯をいただいたものは、世代が異なっても、一種独特の連帯感があるように思うのは、どこの僧堂でも同じでしょう。

20151113-2.jpg雲水が少ないので、禅堂はがらんどうのようですが、自分が寝起きした場所はやはり懐かしさで一杯です。

禅寺では、こういった年忌法要の前夜に行なわれる宿忌(しゅくき)と、当日行なわれる半斎(はんさい)をあわせて斎会(さいえ)といいます。お昼ご飯を斎座(さいざ)といいますが、粥座(朝ご飯)と斎座との中頃に行なわれるから半斎と呼ばれるのです。

したがって、半斎の後には供養のためのお斎(とき)があるのは当たり前。亡き老師方の思い出話に花が咲きました。

20151113-3.jpg

 

 

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『新装版 雲水日記 -絵で見る禅の修行生活-』

先日もご紹介しました弊所より11月15日発刊予定の、『新装版 雲水日記 -絵で見る禅の修行生活-』。

この書籍の画は昭和30年代に描かれたものです。先日書かせていただいたブログ↑(クリックしてご覧ください)をご覧いただいて、違和感と言いますか、何かお気付きになられませんでしたか???

ヒントはこの写真。って答えですけれど・・・。

151102-1.jpg
雲水さん、着物で畑仕事?!?!
そうなのです。実はこの当時にはまだ作務着が無かったのです。

私は昔から祖父のアルバム(上写真は祖父の写真アルバムより)をよく眺めていましたので、この着物での畑仕事にさほど違和感が無いわけですが、なんとなく作務着って昔からあるような感覚がございませんか?実はそうでもないのですね。
 
「なんだか短いけれど、それでも着物だとはだけて大変だったんじゃないかなぁ…」などと心配してみたりしていました。

151102-2.jpgなんで畑で集合写真?という一枚。私が生まれる前に祖父は他界しましたので聞けないままに・・・。禅文化研究所で働いていると知ったらどんなにか喜んだ事でしょう!色々と話してみたかったです。

それにしましても、尋常じゃ無い畑の作物の元気良さ!ですね。肥料も自家製ですから、よく育つわけなのでしょう。

151102-3.jpg
そしてまた・・・、作務(掃除)の休憩中ですか?!妙心寺の三門をバックに。
身内の事を言うのも変ですが、幼い頃より「かっこいいなぁ・・・」と思いながら(私はちょっと変わっていたようです)眺めていました。

当時の雲水さんのまぁキリリとしている事。他にも色々な写真がありますが、個人が特定されてしまうものが多いので掲載は控えます。掲載したらしたで、「うちのじいさんだよ」、「うちの先々代だよ」なんていうお声が聞こえてきそうで興味深くはあるのですが。



僧堂(臨済宗・黄檗宗)での修行生活。現在も、日々雲水さんたちが修行を続けておられます。
是非ともお手にとっていただきたい本です。どうぞよろしくお願い致します。

『新装版 雲水日記 -絵で見る修行生活-』

 

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相国寺秋の特別拝観

 

151026-2.jpgおはようございます。
12月15日(火)まで、相国寺さんにて秋の特別拝観です。

151026-3.jpg私がお邪魔しましたのは10月12日ですから、現在はもう少し紅葉が進んでいるかと・・・。
秋は開山堂(上の写真は開山堂のお庭、ポスターは開山堂を上から撮影したものですね)が公開されます。
ぴりりと引き締まったあの空間が私は大好きです。
祖師方に気を引き締めていただきつつ、紅葉の美しさにうつつをぬかす・・・。良いのではないでしょうか。

151026-1.jpg*画像をクリックすると大きな画面が開きます。

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季刊『禅文化』238号発刊

季刊『禅文化』の238号が、10月25日に発売となります。

今回の特集は、2017年に中興開山・鉄山宗鈍禅師の400年遠諱を迎える埼玉県の名刹・平林寺です。

151023-1.jpg巻頭は、ご住職の松竹寛山老師による寺史紹介。600年余りに及ぶ歴史を、境内に建ち並ぶ伽藍とリンクさせながらご案内いただきました。どうぞ誌上での境内散策をお楽しみください。

つづいて、関連人物のエピソード、境内を流れる野火止用水の歴史、天然記念物の境内林に生息する動植物についても、それぞれ専門家にご執筆いただきました(史料や図版、系図などを交えてわかりやすくご紹介する工夫をしておりますが、いかがでしょうか?)。

グラビアでは、花園大学歴史博物館で開催中の特別展「武蔵野の禅刹 平林寺 ―伝来の書画名宝展―」展示作品の中から選りすぐった7点を、これも担当研究員の詳細な解説を手引きにご覧いただけます。

151023-2.jpg野火止用水と仏殿 晩秋の平林寺

読書の秋、本誌を通じてしばし歴史の世界に浸っていただけましたら幸いです。宜しくお願いいたします。

 

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2015 秋の大徳寺 特別公開情報



151019-1.jpg11月9日(月)に開催予定の、サンガセミナー【禅の庭入門講座 近世・近代編】の打ち合わせで、大徳寺本坊にお邪魔しておりました。

ありがたい事に、普段拝観もしていらっしゃらない本坊にて、午前中の講義を行なわせていただける事になりました(総長さんのご好意で、方丈前庭園も拝観させていただけます!)。

151019-2.jpgサンガセミナーを開催しますと、アンケートにて、「セミナールームのようなところで椅子が良い」というご意見をいただくのですが(逆にお寺が良いというご意見も、もちろんあります)、大徳寺さんは事務所でも椅子は使っていらっしゃいません。
  
確かに、お膝や御御足が痛くてしんどいかな・・・と、気にかかるのですが、古く趣ある寺社建築の畳の一室で、まるで寺子屋のように学びの時間を過ごすのも良いかな・・・とも思うわけです。
特にお庭やお寺がお好きな方にはこの大徳寺さんの本坊、素晴らしい環境ですので、ご参加の皆様はお楽しみになさっていてください(あと数名でしたらまだ今からでもお申込み受け付けております)。

151019-3.jpgちなみに、現在、大徳寺山内の塔頭のうち、普段公開されていない黄梅院さん、興臨院さん、総見院さんが特別公開中です。 紅葉も先の方がほんのり染まり始めていました。是非ご参拝なさってみてください。

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方広寺観月の夕べ -奥山でふれる能-


151014.jpg臨黄ネットには、臨済宗黄檗宗各派からのお知らせ・講座案内が掲載されています。
私も欠かさずチェックしておりますが、「近ければ是非ともお邪魔したいのに!」と思いました、方広寺さんでの観月会

日時 平成27年10月24日(土) 受付/ 17:00~ 開演/ 18:00

能を代表する番組の一つ、“井筒”の上演があるそうです。
秋の人恋しい、ものがなしい季にぴったりすぎるくらいぴったりの番組。

四季有る日本では、季節によってこちらの心情も変わるもの。
秋には秋の孤独やもの悲しさを感じてみるのも、また一興かと存じます。

お能の世界は、まさに私達人間の生々しい感情そのものを描いているのであって、私はどの番組も他人事とは思えません。
この“井筒”は、美しい女性のお話で、初めての方でも、能面や装束などお楽しみいただけるものと存じます。

秋の夜長を禅寺で。是非お運び下さい。

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臨済録提唱 ―南禅寺派管長 於:南禅院―

 


151013-1.jpg先週金曜日にご案内させていただきました、管長猊下による南禅院においての臨済録提唱。
夜に降った激しい雨も朝にはあがり、朝靄のかかる東山を眺めつつ自転車を走らせました。

151013-2.jpgちょうどこの日は『臨済録』の中でも最も有名な「一無位真人」。
管長猊下のお声が朗々と響き渡る開け放たれた方丈。雨にしっとり濡れた苔とまさに色づきはじめんとする紅葉。
朝にこのような豊かで有難い時間を過ごさせていただくと、一日がまるで違うようでした。

151013-3.jpg11月は23日(月/祝日)の朝9時~です。紅葉狩りにおでかけになる前に是非ご参集ください。

151013-4.jpg

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臨済録提唱 ―南禅寺派管長 於:南禅院―

ブログでも何度もご案内させていただいておりますが、来年、平成28年は、臨済宗の開祖・臨済義玄禅師が遷化(お亡くなりになること)されて1150年の節目の年であり、大法要が行なわれる予定です。

この、50年ごとの大きな法要を、遠諱(おんき)といい、様々な行事が執り行なわれます。
→遠諱事業についてはこちら

151009.jpg臨済宗南禅寺派の大本山、南禅寺さんでは、南禅寺発祥の地でもある南禅院にて、管長猊下による『臨済録』提唱が開催されています。
ちょうど10月は6回目を迎え、明明後日の11日(日)に開催。
8時半に南禅院におこしいただきまして、9時から始まります(毎回参加費は100円(資料代含む))。
是非ご参集ください。

―今後の予定―
第7回目:11月23日(月)
第8回目:12月13日(日)
第9回目:1月24日(日)
第10回目:2月14日(日)

詳しくは南禅寺さんのHPもご覧ください。

*写真は新緑の頃に訪れました南禅院です

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臨済宗黄檗宗、全派の集い

 

151007-1.jpg皆さまこんにちは。
昨日は、臨済宗黄檗宗連合各派合議所による大きな会議が開催されました。毎年開催しますが、本年は静岡県浜松にあります方広寺さんにて開催されました(写真は浜名湖です)。

臨済宗・黄檗宗15派の本山にて、派を運営するにあたり、主たる業務に携る役職の方々が一堂に会し、特に今回は臨済禅師白隠禅師の遠諱についてを中心として話し合いを行なったわけであります。

151007-2.jpg

和尚さん方が到着されると必ず“到着茶礼”というものがあり、お抹茶一服とお菓子をいただき、さらに会議に入る前に必ず、各派の開山さま(そのお寺を開かれたお坊さん)への報恩の気持ちを込めて、小さな法要が行なわれ、管長猊下におでましいただきご挨拶いただきます。
これはもう和尚様方にとりましては当たり前の事として身に染みついていらっしゃると思うのですが、在家で、以前は企業で働いていた私にとっては何度経験しても当たり前とは思えず、毎回経験する度に感動し、良いものだなぁ・・・と思うわけなのであります。

私の卒業しました大学はプロテスタントの大学でしたが、ゼミの教授が入試部長をなさっていた時に、「入試の始まる前に必ずお祈りの時間があり、担当の教授陣で無事を祈るのです。有難い事に入試で何かトラブルが起きた事が無いんですね・・・」とお話されていたのを思い出します。

151007-3.jpg目に見えるわけでもない、形にしてはいどうぞと目の前に出せるわけでもないのですが、やはり祈りというものの尊さ、ありがたさ、大切さを思うのでした。
無事、浜松より帰着し、いつもの研究所でのお仕事再開です。

*臨黄合議所の情報は、Facebookでもご確認いただけます。


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神勝寺 -家庭画報10月号-

 

151001.jpg皆さまおはようございます。
家庭画報の10月号をパラパラとめくっていますと、立派な伽藍が目に留まりました。
広島にある禅寺、神勝寺さんでした。美容室で拝見していた為、携帯では綺麗に撮れない体制でしたのでこのような写真で申し訳無く・・・。
神勝寺を舞台に、花匠・佐々木直喜氏が様々なテーマで花を献じられています。

151001-1.jpgこちら神勝寺さんには、大本山永源寺から移築された含空院、さらに大本山建長寺から移築された禅堂が、国際禅道場となり、新たに人々を迎え入れています。
坐禅体験や禅の庭を拝観、さらに僧堂で雲水さんが食すうどんさながらのおうどんもいただけます。
広島県は福山へおこしの際は、是非ご参拝を。

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夕暮れの一休寺

 

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先日の記事のとおり、地域開発を巡って一休寺の庭園借景が存続の危機にさらされています。そんな初秋の或る週末、庭園のライトアップが行われました。

150925-2.jpg「まずは一休寺を知ってもらおう」という試みとのこと。

150925-3.jpg声をあげて叫ぶばかりでなく、見て、感じてもらうという手法にハッとしました。「反戦集会には行かないけど、平和集会なら行くわ」という、マザー・テレサの言葉を思い出します。

150925-4.jpg庭園を照らす灯りは、一見シンプル。ですが見方を誘導することなく、あくまで庭の個性を引き出すことに徹した、計算し尽くされたものなのでしょう。光と影のコントラストが印象的でした。

150925-5.jpgライトアップを担当されたライティングデザイナーの原田武敏氏は、一休寺にほど近い同志社大学ご出身とか。会場では少しお話もさせていただけたのですが、何気ない会話からも、この地に親しみを持ち、心を込められたことが伝わってきました。

150925-6.jpg良い形に収まればと、願います。


一休寺について詳しくお知りになりたい方は、こちらも併せてどうぞ。

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お寺でヨガ -両足院 ヨガスマイル-

春と秋の恒例行事となっていました、建仁寺塔頭・両足院さんでのヨガイベント、【ヨガスマイル】
毎回私の師匠・伊藤加奈子先生(季刊『禅文化』の「技を訪う」にてご紹介させていただきました)が講師としてクラスを担当される為、何度かお邪魔した事がありました。が、この秋が、両足院にて開催される最後の会となるそうです。
*我が師は今回2クラス担当されます。呼吸法のクラスは満員ですが、アーサナクラスはまだお入りいただけるようです。

150916-1.jpgインドでもアシュラム(道場)は、土地のエネルギーの高いところに建てられているはずです。ヨガはどこでだってできますが、やはり、古来より祈りが捧げられ、僧侶が修行をしてきた宗教的、文化的な場所で行なうアーサナ(ヨガのポーズ)は、身体や意識に覚醒を促しやすいのではないでしょうか。

そして、そもそもグル(指導者)について修行するのがまっとうな道とされるヨガですが、このイベントでは、日本全国から選りすぐりの優秀な講師が集まってきています。私自身ヨガをしていますが、波長の合う先生につくのが一番良いと思っています。

150916-2.jpg私の師匠の場合、ほれぼれしてしまうようなアーサナの完璧な美しさはもちろんのこと、たゆまぬ探求心で様々な事を学び続けられている事、そしていつも中道を歩まれていると思えるようなその雰囲気、心身のバランスの良さ、熱心な指導から、彼女以外、他に師はありえないと思って師事しています。
皆様もこのような機会に、素晴らしい師に巡りあわれる事を祈りつつ、ご紹介させていただきました。

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借景の森の危機 -京田辺・一休寺-

6月頃に参拝し、かの静寂の中、命の洗濯をさせていただいた京田辺の一休寺さん。
なんと、方丈庭園の借景となる裏山が、開発によって失われようとしているのだとか。

150915.jpg民意とは反対ばかりをゆく行政の在り方には心底辟易しますが、辟易ばかりしていられません。一休寺さんが署名を集めておられるようですので、皆さまご協力お願い申し上げます。→こちらから署名していただけます。

失われし借景庭園としては、そのご苦労ご心痛を圓通寺のご住職からも拝聴しましたが、繰り返されてはならぬ事と存じます。
これを決定した人物は、宗教的歴史的な遺産を破壊した者として、子々孫々に伝わる恥ずべき行為に自身が関わるという事実をわかっていらっしゃるのでしょうか。


京都市内でも次々と失われてゆく木々たち。
そういえば、もうすぐ京田辺で上映会があるガイアシンフォニーも、我々にとって無くてはならない樹がテーマ。いつもタイムリーな警鐘を鳴らしてくれるガイアシンフォニーですが、まさに今回も。私自身、上映を楽しみにしていますが、より多くの方に意識を持っていただけるよう、こちらでも宣伝させていただきたいと思います(上映会の詳細はこちら)。
皆さま、それぞれどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

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雨の麟祥院

 

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先週後半は、東京は湯島にあります春日局のお寺、麟祥院さんにて宝物調査をさせていただいておりました。
こちらも色々と勉強になり、大変有意義なお仕事をさせていただき感謝しております。

150914-2.jpg東京もずっと雨が降っていましたが、ホテルでニュースを見て驚愕。自然の猛威を前に言葉もありません。
原発の事に関してもそうですが、自然からのメッセージを無視し、未だに人間は己の力を過信し、利己的な欲に溺れている感が否めません。一人一人の意識の変化を促しているように思えてなりませんでした。
被災した方々の苦しみが少しでも軽減するよう祈るばかりです。

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静岡茶のルーツ



150910-1.jpgクリックすると大きくなります



お茶というと、どうしても臨済宗では茶祖といわれる栄西禅師が、中国よりお茶の種を持ち帰ったお話があまりにも有名です。
私自身お恥ずかしながら知らなかったのですが、静岡茶のルーツはなんと東福寺開山の聖一国師であるのだとか。
静岡を訪れた際、静岡茶の都マップなるものをいただき、その紙面で知ったのでした。中国へと渡った留学僧は、少なからず茶の種を持ち帰ったものなのでしょうか。自身が行ったとしたら・・・やはり持ち帰りますかね???


なぜお茶のラベルを東福寺の管長猊下が揮毫されているのだろう?!と思っていましたが、こういった御縁があってのことだったのですね。

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秋月吟壽-秋の名月と筑前琵琶のゆうべ- 安土摠見寺

 

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滋賀県安土にあります摠見寺さんにて、音楽を通してお寺と地元の交流を深め、近江・安土の発展を願う、第1回目となるコンサートが開催されますので、ご案内させていただきます。

内容としましては、安土城址の伝豊臣秀吉邸跡にて、筑前琵琶「熊谷と敦盛」、仕舞「敦盛」、筑前琵琶「大徳寺」を、筑前琵琶は田中旭泉さんが奏でられ、仕舞は味方玄さんが舞われるとのことです。

幽玄の世界をお楽しみください。

【詳細はこちら】

日時:平成27年10月25日(日)
会場:安土城址 伝豊臣秀吉邸跡
入場料:前売り3,000円 当日4,000円
定員:200名
開場:17:00 演奏19:00~20:30
前売 3,000円/当日 4,000円 軽食・飲料などがついています。
定員200名

主催:安土城址摠見寺保勝会
協力・問い合わせ先:近江八幡観光物産協会(TEL 0748-32-7003)
チケットは近江八幡駅北口観光案内所(0748-33-6061)、または安土駅前観光案内所(0748-46-4234)にて販売しています。

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第40回「京の夏の旅 文化財特別公開」南禅寺大寧軒

以前、南禅寺の塔頭にお仕事で伺いました折、固く閉ざされた門の向こうに少しだけ垣間見える世界がいたく気になっていました。
その“少し”だけでも、向こうに広がる世界がきっと素晴らしいものであろうと、どうしたってわかってしまうような、そんな気配を感じての事。

150903-1.jpg南禅寺大寧軒。室町時代には大寧院があり、その後幾多の歴史的変遷を経て、明治時代に藪内家(茶道)の所有となったそうな。
垣間見えていたのは、池泉回遊式でありながら、茶家の所有らしく茶庭(露地風)の意匠をこらした庭園だったのでした。

150903-2.jpg400坪以上ある庭内には、小間の茶室「環翠庵」が。例えば茶会をするとして、この茶室への席入りも、幾通りあるだろう?!と思うかのような・・・。茶庭としてはなかなか他に類を見ないのではないでしょうか。面白い趣向で茶会ができそうです(現在は南禅寺の所有となり、全く使われていない様子ですが)。

150903-3.jpg琵琶湖疏水を引きこんだ清流には、その証として、しじみの貝殻も目立ち、豊富な水量を誇っており、夏の暑い盛りに訪れましたが、緑一色の世界で水の音を聴き、まさに涼を得るひとときでした。

150903-4.jpg9月30日まで。滅多に公開されませんので、皆さま是非この機会にお運びください。

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武蔵野の禅刹 平林寺-伝来の書画名宝展-

 


150821-1.jpg9月24日より、埼玉にあります平林寺(平林僧堂)の珠玉の宝物をご覧にいれます展覧会、【武蔵野の禅刹 平林寺-書画名宝展】を、花園大学歴史博物館にて開催させていただきます(博物館と禅文化研究所共催)。

150821-2.jpgそのため、花園大学の調査チームの先生方と禅文化研究所の職員が、宝物の数々をお借りする為、平林寺へお邪魔しておりました。



150821-3.jpg展示予定のお軸がならびます。

150821-4.jpg一つ一つ確認作業をさせていただきます。

150821-5.jpgこちらに写っている3幅は、全て14世紀のものだとか。お楽しみに。

150821-6.jpgそしていつも有難く、欠かせない存在。日通の宝物輸送スペシャリストの方々!

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この平林寺は、関東以外の方はあまりご存知無いかもしれませんが、13 万坪におよぶ境内林に囲まれた静寂な空間のなか、開山・石室善玖(直指見性禅師、1294~1389)はじめ中興開山・鉄山宗鈍(霊光仏眼禅師、1532~1617)等の法灯が連綿と受け嗣がれています。
また、広大な平林寺境内の景観は武蔵野の面影を今日にのこし、多くの人々に親しまれています。

150821-8.jpg“知恵伊豆”として知られた名君、松平信綱公(平林寺の檀越・大河内松平家代々の墓があります)が着手し、開削された野火止の用水路は、歴史上の大事業(全長24キロ)としても有名ですが、そんな江戸時代初期の出来事を彷彿させる地でもあります。
この事業によって土地が潤い、人々の生活も豊かになったのだとか。詳しくは、『智恵伊豆に聞け』(文春文庫/中村彰彦)を是非お読みになってみてください。 

150821-9.jpg本展覧会では、歴世住持および中興開基・大河内松平家の関係資料のほか、平林寺にゆかりある黄檗僧・独立性易(1596~1672)の品々や、松永安左エ門(耳庵、1875~1971)の遺愛品をご紹介します。

また、平林寺の永い歴史のなかで蓄積された多彩な美術作品のうち、元時代に遡る中国絵画はじめ中世絵画や近世の禅画などの優品の数々をとおして、武蔵野に華開いた禅文化の魅力に迫ります。
また、記念講演会も開催致しますので、是非ご来場ください。


***************************************

【前期】9/24~10/31 【後期】11/2~12/12
於・花園大学歴史博物館 開館時間10:00~16:00/日曜休館

【記念講演会】 於:花園大学教堂

2015年10月14日(水)13:00~14:30
「平林寺に関わった名僧」 竹貫元勝先生(花園大学名誉教授・正眼短期大学副学長)

2015年11月18日(水)13:00~14:30
「平林寺の伽藍と境内」 松竹寛山老師(平林僧堂師家)

入場無料・申込不要 先着150名

 

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東福寺夏期暁天講座のごあんない

 

150730.jpg大本山東福寺にて開催される暁天講座のごあんないです。

来たる8月2・3・4日の三日間 大禅堂で開催されます。
午前6時より坐禅・6時半より法話との由。是非ともご参集いただきますよう、宜しくお願い申し上げます。


※暁天講座のご予約はできません。
※費用は無料です。
※法話後にお茶とお菓子がでます。

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天龍寺 暁天講座のごあんない


150722.jpg
おはようございます。
7月から8月にかけまして、臨済宗各派本山においては、暁天講座が開催されます。

いくつかの本山では既に終わっていますが、これからの本山も。ちょうど、嵐山にあります本山・天龍寺さんでは、今週末開催されます。

蓮も見頃、爽やかな朝のひとときを自己をみつめる時間に使ってみてはいかがでしょうか。
ご案内でした。

【天龍寺HPはこちら】

第一日目:平成27年7月25日(土)
第二日目:平成27年7月26日(日)
午前6時 ~ 午前7時:坐禅(天龍寺 大方丈)
午前7時 ~ 午前8時:提唱「夢中問答」天龍寺 管長 佐々木容道老大師(天龍寺 大方丈)
◆両日共、提唱終了後、素麺をお出し致します
曹源池庭園を眺めながらお召し上がり下さい
◇提唱からの参加も可能です
◇参加費は無料

*写真提供・天龍寺

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禅の風にきく 「白隠禅師の絵説法」

 

150715-1.jpg7月11日(土)に名古屋の徳源僧堂にて開催されました、中外日報さんによる臨済禅師・白隠禅師遠諱記念の講演会、芳澤勝弘先生による【禅の風にきく「白隠禅師の絵説法」】
この日は仕事ではなく、あくまで一参加者ということで楽しみに参りました(個人的に参加したい記念企画などの場合、仕事になりますので・・・もちろんそれはそれで楽しいのですが!)。

150715-2.jpg遠諱の記念という事もありまして、現在妙心寺の管長をなさっている徳源寺の嶺興嶽老師がはじめに御挨拶を。

臨済禅師がお亡くなりになられて1150年、白隠禅師は250年、そして50年ごとに法要を執り行なう事など、皆様にわかりやすくご説明くださいました。なんと嶺老師、50年前の遠諱は修行道場におられ、雲水さんとして体験なさったのだとか(私の祖父のアルバムにも50年前の遠諱の写真がありましたので、今度ご紹介したいと思います)。

50年前よりも芳澤先生の研究のおかげで、白隠さんの書画についてより一層わかるようになり、世間の人々にも知られるところとなった事、その書画の中に大きな教えが含まれている事など、ご説明くださいました。

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芳澤勝弘先生は、国内外で白隠フォーラムを開催され、白隠さんを全くご存知無かった方にもわかりやすく、目から鱗の解説をしてくださいます。この日の参加者の皆様も、白隠さんについてはあまりご存知無いような雰囲気。

まずは5分で完結する、お釈迦様からはじまる仏教史・禅宗史を!
なんということでしょう。日本国にテレビのCMとして流したいほどです(CMには少し長いですか?)。
その後の絵説法解釈では、皆様の感嘆のため息や笑い声も聞かれ、私も改めまして白隠さんの書画の世界に没頭致しました。
死して約250年たってなお、白隠さんは私たちに江戸時代と変わらず、ご自身が遺された書画によって法を説いてくださっています。なんとも尊い事であります。

ちょうど19日には、沼津にて白隠フォーラムも開催されます。これはお仕事でお邪魔しますが、今から楽しみにしております。皆様も是非、白隠さんの説法に触れてみてくださいませ。

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過ぎたるもの

とある日の東行き。
三島(静岡)にある僧堂(修行をするお寺)出身の上司から、「この季節にはまぁ富士山は見えないね」と言われましたが、諦める事無く新幹線ではE席を確保しました。

そうしますとやはり!田植えの終わった美しい田んぼと富士山の共演が見られました。

150710-1.jpg三島の僧堂というのは、龍澤僧堂と申しまして、白隠禅師ゆかりの僧堂でありますが、裏山へ登るとおっきな富士山が望めるのだとか。
修行に疲れたり、悩んでしまった雲水さんを、この霊峰がどれだけ慰め、励ましてきた事だろう・・・と勝手に想像の世界へ。
*とここで、上司から写真提供がありました。素晴らしい!!!(電線入ってますが・・・)

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そんな日本の心ともいうべき富士山と並んで評されたのが我々臨済宗中興の祖である白隠禅師です。

駿河には 過ぎたるものが二つあり 富士のお山に原の白隠

と古来より歌にも詠まれていたり。
その過ぎたるものともいうべき白隠禅師が遷化(せんげ・お亡くなりになる事)されて再来年で250年目の節目を迎えます。50年事に、“遠諱(おんき)”といって、大きな法要を営んだりするのです。

臨済宗黄檗宗各派や禅文化研究所では、皆様により一層、禅の世界、白隠禅師の遺された教えなどを皆さまに知っていただくべく、様々な事業に取り組んでおります。

またこちらでもご紹介させていただきたく、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

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東慶寺の夏をいける「二人の花」展 その2

昨日にひきつづき、東慶寺の夏をいける「二人の花」展のご報告を。
お花のワークショップが終わった後は、お待ちかねギャラリーへ(東慶寺さんには早く着きましたので、参拝は済ませておりました)。


東慶寺の境内に咲く花を、雨宮ゆか先生と、寺庭・井上米輝子さんが、フィリピンの籠やガラスの花器などに生けられる展示会。こういう方達の花を見て学び、真似て、自分のものとしてゆく過程は本当に大切だなと思います。
それでは皆様も・・・。夏を涼しくする草花の生かし方です。

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東慶寺の夏をいける「二人の花」展 その1

 

150707-1.jpg6月26日より7月5日まで、鎌倉は東慶寺さんにてお花のレッスンを担当なさっている雨宮ゆか先生と、寺庭・井上米輝子さんの「二人の花展」が開催されていました。

150707-2.jpgこれに伴い、28日には雨宮先生によるワークショップ「夏を生ける」が開催され、お邪魔させていただきました。
会場は東慶寺内の白蓮舎。こんなところで花が生けられると思うだけで、はやる気持ちを抑えがたく。

150707-3.jpg夏らしくフィリピンの籠に生けるのだとか・・・。籠には目が無い私にとって、たまらぬ魅力。
しかも、長らくフィリピンの籠を蒐集してこられた方が、大切に使ってくださる方にと手放されるとかで、ギャラリーにて販売もされていたのです。しかもこれが相場を知る者にとっては愕きの良心的すぎるお値段で、随分売約済みになっていましたが、ここでまたはやる気持ちを抑えがたく・・・(すみません)。

150707-4.jpg一人一人、選ぶ花器も違えば、花も違う。それぞれが自身と向き合うような花の稽古なのです。まさに、「みんなちがってみんないい」の世界が出現するのです。

150707-5.jpg私も、日本はもちろんのこと、様々な国で求めてきた籠に花を生ける事はしていましたが、平たい籠に生けた事はありませんでしたので、チャレンジを。
選んだお花は、山荷葉(咲くとこんなに可憐なのだとか!)、韃靼蕎麦(食べてよし!生けてよし!)、ふわりとかわいい鳥足升麻(確かに鶏の足に見えますけれど)、赤紫色の葉が美しいペリシカリアです。素朴な草花が籠の風合いにあうのだろうなぁ・・・と思い、今回はあまり色を使いませんでした。

バスケットや、蓋物、様々な籠がありましたが、皆様が選ばれた籠それぞれに良さがあり、それぞれの生かし方を学べて、目から鱗のレッスンでした。
さて、せっかくですので、研究所に生ける花も、籠月間!を設けたいと思っております。

明日につづく

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一休寺と能楽発祥の碑 -京田辺-

 

150702-1.jpg約一ヶ月ほど前になりますが、京都市内より少し足を伸ばして、京田辺の一休寺(酬恩庵)さんを参拝させていただきました。仕事でも禅寺、休日も禅寺です・・・。

こちらはいわずもがな、一休さんが晩年をお過ごしになられた寺であります。詳細は、一休寺さんのウェブサイトがとてもすっきりと見やすく詳しく、写真も美しいのでそちらをご覧になってみてくださいませ。

150702-2.jpgすっかり力強くなった緑がえもいわれぬ美しさ

150702-3.jpg趣ある開山堂 大應国師の木像が祀られています

都からは少し離れたこのような地の荒れた寺を、元は大應国師が建てられた寺であるという事もあり一休禅師が再興されたわけでありますが、1500年のむかし、一時都が置かれしこの地の“気”を、禅師は愛されていたのではないかなぁ・・・などと思いつつ、広い境内をゆっくりと歩かせていただきました。

150702-4.jpg150702-5.jpg

大應国師
大應国師
大應国師

余談ですが、門前でかなり気になる碑を発見。能楽発祥の碑とな?!

150702-6.jpg→に誘われるままに歩みを進めて参りますと、薪神社へ。確かに能楽発祥の碑があります。が、何の説明も無く、帰ってから調べてみますと、なんとこの地で、金春禅竹(1405~1570)が、一休禅師の為に猿楽を演じたのだとか。

金春流の中興の祖とされ、世阿弥の娘婿でもあり、世阿弥との深き交流でも知られる禅竹ですが、応仁の乱の際に、この近くに移り住み、一休禅師と交流がありました。
そういえば何らかの本で読んでいたと思うのですが、私の場合お恥ずかしながらすぐに忘れるものでして、こうやって足を運んでワクワクしながらその土地の歴史に触れますと、二度と忘れないほどに脳裏に鮮明に焼き付けられるものですね。
思い出深い参拝となりました。

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*一休寺さんの売店で販売されている大徳寺納豆入りの洋菓子、“もくもくじ”。ちまたでは既に有名ですが、私もかなりオススメです。

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天橋立 智恩寺

 


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日本三景の一つ、天橋立へ。同じ京都とはいえ北の端である宮津へは初めて趣きました。
「三景とは、誰が決めたのだ!?」と、誰もが思うところかと存じますが、江戸時代初期、全国を行脚した儒学者・林春斎が『日本国事跡考』に、 卓越した三つの景観として紹介したそうな。
松島も宮島も、訪れてみては「なるほど」と思ったものですが、やはりこちらも。自然のなせるダイナミックな造形美に心打たれました。

150630-2.jpgそしてこの地にあります智恩寺の文殊菩薩はこれまた日本三文殊の一つとして有名ですが、実はこちらの寺院、臨済宗妙心寺派の禅寺なのであります。ご開帳は年に数回らしく、そのお姿を目にする事は叶いませんが参拝を。

150630-3.jpgどの地へ趣いても、禅寺の雰囲気はやはり良いものだ・・・と一人納得。こちらのお寺では殊の外、境内に祀られている五輪塔や宝篋印塔にも惹かれました。

150630-4.jpg150630-5.jpgまた、いつも旅をすると、その地に伝来する謡曲にも心惹かれます。願わくば、その土地に縁の番組は、その土地で拝見してみたいものですね。

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禅の風にきく

 

150629.jpgおはようございます。
中外日報さんによる、臨済禅師・白隠禅師遠諱記念の特別企画、“禅の風にきく”

第一回、第二回とも好評のうちに終わられたようで、お次は7月11日に開催されます第三回目。

名古屋市内にあります徳源僧堂が会場ですので、皆様に普段は修行道場として閉ざされている僧堂の雰囲気というものも感じていただけるのでは?!と思います。

講師は白隠禅師の研究で知られる芳澤勝弘先生。
先生のお話に、難しいと思われがちな禅の書画の世界もぐっと親しみやすく、興味深くなる事間違い無し!
さらに現在、臨済宗妙心寺派の管長でもいらっしゃる、ご住職の嶺 興嶽老大師もご臨席との由。
是非ご参集くださいませ。

お申込みは中外日報さんまでよろしくお願い致します。

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東慶寺の夏をいける「二人の花」展

明日、6月26日(金)より、鎌倉は東慶寺さんにて、東慶寺でお花のレッスンを担当なさっている雨宮ゆか先生と、東慶寺寺庭・井上米輝子さんの「二人の花展」が始まります。

150625.jpg
思えば、昨年10月の終わりに東慶寺さんで開催された秋の「二人の花」展を拝見させていただき、雨宮先生の花を拝見し、レッスンを初めて受講して感動した事から、今年のサンガセミナー(京都・鎌倉にて花の講座を開催しました)に御縁を頂戴しました。

もちろん今回もお邪魔して、お二人のお花を拝見し、レッスンを受けさせていただく予定です。
暑い夏に、涼やかな心地にさせてくれる花の生け方を学べる事と、心待ちにしています。
皆さまも、日々の暮らしに花を取り入れてみませんか?


会期:6月26日(金)~7月5日(日)
時間:10時~17時 会期中無休

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しいちゃんのように -鎌倉・円覚寺-


150624-1.jpgそういえばこの素晴らしいお姿をご紹介するのを失念しておりました。
鎌倉サンガセミナーを終えて下山する際、門を出ますとしいちゃんのお見送りが!
熟睡なさっていますが・・・・・・。

150624-2.jpgどれだけ人が行き来しようが、囲まれて写真を撮られようが、つゆ知らず。今日もいつもと変わらず、“今を、我を”生きるしいちゃん。
ただありのままに生きるだけで、誰かを常に癒している。

本来の自己を生きると、おのずと誰かの為になるのだという尊い教えをいただきました。

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半夏生の庭園特別公開 -両足院-

150623.jpg臨済宗大本山建仁寺山内にあります塔頭、両足院さんが特別公開中です。

半夏生とは、七十二候の一つ。ちょうど昨日が夏至でしたが、この夏至から11日目が“半夏生”とされています。 そして、その頃に花を咲かせるから半夏生、または花のすぐ下の葉が、半分お化粧をしたように白くなることから半化粧と呼ばれるなど、諸説あるようです。

先日職場の机の上にどくだみを生けていて気がついたのですが、花の下の葉っぱが、半夏生のように少し白くなっていて、そういえば葉っぱなどが似ている?!と思い調べますと、半夏生はドクダミ科、やはり薬草として利尿作用があったり傷口にすりつぶしてぬったりするようでした。
茶花としても用いられますが、花の咲く頃にはドクダミに似通った香りがするとか?!感じた事がありませんでしたが、だとすれば茶室にはそぐわぬのでしょうか。
今度試してみたいと思います。
いずれにしても、じめじめしたこの季節に、とても爽やかで涼しげですね。ご参拝なさってみてください。


【題】半夏生の庭園特別公開
【期間】6月12日(金)~7月9日(木)
【料金】大人600円 小中学生300円 小学生未満無料
【時間】10:00~16:30(17:00閉門)
【茶室特別公開】如庵写し「水月亭」特別拝観
呈茶 於「臨池亭」 別途 500 円
【会場】 臨済宗 建仁寺塔頭 両足院

このような拝観情報は、スマホアプリ・京都禅寺巡りでも公開中!
どうぞよろしくお願い致します。

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如意庵茶寮 安寧 -鎌倉・円覚寺山内-


150622-1.jpgまるで自身がお寺の静寂の中に溶け込んでしまい、まさに安寧を得るかのような・・・・・・。

お寺カフェやお寺バーというものに若干否定的な私でしたが(研究所の見解ではなく、私個人の趣味です)、仕事後に、“円覚寺 如意庵茶寮  安寧an-nei” にお邪魔し、その思いは一掃されました(といっても、それは如意庵さんだから!なのですが・・・)。

150622-2.jpgと申しますのも、床の間のしつらえから生けてある花、器や盛りつけ、全てに主の心とセンスの良さを感じた事と、禅寺らしさから逸脱しないスッキリした佇まい、こちらが日々の暮らしに少しでも取り入れ、お手本にさせていただきたいようなポイントが随所にちりばめられていたからであります。

150622-3.jpg方丈が巧みに活用され、ご本尊に見守られつつ前庭を存分に堪能できます。建築も庭も職人の技が光るホンモノの世界。なんとも贅沢で、五感が喜びます。
円覚寺派管長・横田南嶺老師の『いろはにほへと』も各座席に常備。心の洗濯を!

150622-4.jpg日本の文化の発展に多大なる影響を与えた“禅”ですから、このように訪れる人に感じていただく布教というのも良いものだなぁ・・・と思った次第。

蒸し暑さも吹き飛び、鋭気を養う事ができました。
円覚寺さんにご参拝の折には、ご休憩なさってみてください。

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動植綵絵 複製画公開 -相国寺-

臨済宗大本山相国寺方丈において、伊藤若冲筆の動植綵絵の複製画が公開中です。

150611-1.jpgこの動植綵絵、元々は相国寺蔵でありましたが、明治の廃仏毀釈で寺が弾圧を受けていた折、境内地を守る為に手放されたものであります。
いわばこの三十幅が境内を守ったわけで、それがなければ現在の相国寺さんはどうだったのであろう?!などと思いつつ、感慨深く拝見しました。

150611-2.jpg美術館などで公開される事はありませんので、相国寺の観音懺法会前に方丈で公開されるのみです。
複製とはいうものの、絹本にコロタイプ印刷、さらに絵師により加筆されていますので、「真贋を見分ける・・・」などという世界からも逸脱するかのような・・・。

さらに、歴史的な背景や、この度複製が叶い、観音懺法会にて方丈にお軸を配しての儀式が復活した事など、様々な“おもい”に心寄せる時、確かに伊藤若冲が描いたものではなくとも、色んな思いを載せて、この軸は既に有難き宝、今後も大切にしてゆくべき遺産なのだと思いました。

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土が良ければ・・・

「土が良ければ、何でも大きくちゃんと育つんです。人間も一緒」。

150518.jpg見たことも無いような大きなねぎ坊主が、揃いに揃って太陽の方を向いて背伸びをし、スナップエンドウははちきれんばかり、サニーレタスはまるで美しい花が咲き誇るかのよう。

瑞々しく、生き生き育つ野菜達の美しさに感嘆の声をあげていると、「持って帰りなさい」。
自宅で一口その濃い味をいただくごとに、育てた方の心、はからいを感じ、有難く噛みしめています。
何の味付けもいりません。 

禅寺での感動や気づきは、何ものにもかえがたい私の血肉となっています。

 

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向き合う

“自分との向き合い方”といえば、ほんとうに色々な方法があります。
代表的な坐禅はもちろんの事、茶の湯やヨガに瞑想、読書に旅・・・数えればきりがありません。

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わざわざ何かをしなくとも、日々の生活の中で最も重要で、当たり前のように繰り返される自身と向き合う行為といえば、食べる事。
私が尊敬する友人は、「この一皿が、今の自分」といつも言っています。
まさに、その日の精神状態がそのまま隠しきれないものとなって出てしまうのが、料理だなと思うのです。
自身の精神と身体と魂とを養うものとして、特に僧堂や禅寺においても大切にされるこの日々の営み。
なかなか忙しい生活の中で意識するのは難しいかもしれませんが、一度、あえて意識する機会をもうけてはみませんか?

150515-.jpgさらに自身を見つめる、自身と向き合うものの一つに、“花を生ける”という行為が挙げられます。

シンプルな花ほど難しく、形が決まらなかったり、自我が出てしまってなんだかいやらしくなってしまったり、「野に有るように・・・」とはゆかぬもの。

お花のお稽古となると、なかなかに日々の生活では生けにくい立派すぎるものであったり、流派に入門となるとおおごとだったりします。

今回は、日々の生活にそっと寄り添うような花を学びたいと思います。
お床があろうがなかろうが、部屋が狭かろうが飾るところが無かろうが、花瓶が無かろうが(コップだって立派な花器になります)、そんな事は全く関係無く、日々花を生ける事は、自身と向き合う事にほかなりません。
少しのコツとエッセンスを学ぶ事で、ぐっと花の命を生かす事ができるようになります。

150515-2.jpg5月21日(木)、この、「食べる事」・「花を生ける事」を禅寺で体験し、自身と向き合ってみられませんか? 若干名様、まだお入りいただけます。ご参加お待ち申し上げております。

詳細&お申し込みはこちらから

鎌倉でもお花の講座があります。詳細はこちらからどうぞ。

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安楽寺 その2 -信州上田-

150514-1.jpg昨日につづきまして、信州は上田にあります安楽寺参拝についてです。

国宝八角三重塔につきましては、このサイトに詳しいので、引用させていただきます。

*** *** ***

木造八角三重塔は、木造の八角塔としては全国で一つしかないという貴重な建築で、昭和27年3月29日、文化財保護法の規定により長野県では一番早く国宝に指定されました。
立年代は鎌倉時代末期から室町時代初期までのあいだと言われてきましたが、平成16年、安楽寺の依頼を受けた奈良文化財研究所埋蔵文化センター古環境研究室の光谷・大河内両先生の調査の結果、三重塔用材の伐採年代は正應二年(1289年)ということが判明しました。

これにより少なくとも1290年代(鎌倉時代末期)には建立されたことが明らかとなり、わが国最古の禅宗様建築であることが証明されました。

初重に裳階(もこし=ひさし又は霧よけの類)をつけた珍しい形式であるうえに細部も禅宗様の形式からなり、類例が少ないです。

*** *** ***

との事。説明がなくとも、目の前に現れるだけで圧巻。日本建築の粋を結集したものである事は一目瞭然です。この日は木彫をしている友人が一緒でしたので、木の事なども説明してもらい、しばし遠目に、近くから・・・と何度も拝見。

150514-2.jpg遠い宋の国より来日した僧や、留学から帰った僧たちは、かの国に多くみられる八角形の塔を懐かしく思い、見上げたのでしょうか。
私は中国の八角塔は未だ参拝した事がありませんので、なんとなくベトナムの臨済宗寺院を思い出していました。

上田市の文化財マップにて、内部にお祀りされている大日如来の画像も拝見できます。禅宗寺院に大日如来?!仏様だけはそれより以前のものなのでしょうか。
興味のつきない安楽寺参拝なのでした。

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安楽寺 その1 -信州上田-

仕事でもプライベートでも、寺ばかり訪れている私ですが、先日は信州上田を訪れました際、かねてから念願であった安楽寺(元は臨済宗・現在曹洞宗)を参拝しました。

150513-1.jpg鎌倉時代、塩田流北条氏の領地として栄えた塩田平(現在の上田市)の地は、当時の政治の中心であった中央権力(鎌倉)と密接な関わりを持ち、ここ塩田の禅宗寺院は、鎌倉北条氏からも外護を受け、非常に栄えました。

安楽寺の開山・樵谷惟仙(しょうこくいせん)は、留学先の宋より1246年に帰国。荒れ果てた寺を再興(縁起は定かではありませんが、臨済宗の寺院になる以前よりあった古刹のようです)、臨済宗寺院としたようです。

建長寺の開山・蘭渓道隆とも親しく交流があったようで、先日仕事にて、蘭渓道隆禅師像の修復現場を拝見していた私は、そもそも時間が無く、安楽寺に寄る事はできないかもしれないと思っておりましたので、おそらくは禅師が繋げて下さった御縁であると、深く感銘を受け、感謝しました次第です。

150513-2.jpg写真を撮るのは憚られましたので撮りませんでしたが、樵谷惟仙禅師と、二世の幼牛恵仁和尚像も、それは威厳に満ち、お二人のお人柄が偲ばれるようでした。

150513-3.jpg長くなりましたので、我が国最古の禅宗建築様式を誇る八角三重塔につきましては、明日ご紹介したいと思います。

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坐禅と朝バッハ  於:妙心寺金牛院


150501-1.jpgお声かけいただき、出勤前にちょっとユニークな早朝坐禅会に参加して参りました。

「朝バッハ」付きというのが、普通の坐禅会にはない試みです。しかしそもそも、朝バッハってなに?坐禅の後にコンサートでもあるのでしょうか。それとも、流行の兆しが見えるドイツ菓子かなにかの名称?

と、いろいろ考えましたが正解は「朝、バッハの楽曲を演奏(練習)すること」。なんと坐禅中、同じ空間でプロの音楽家による生演奏が行なわれるというのです。

というわけで、一しゅ目はご住職の指導のもと通常の坐禅を行ない、二しゅ目、斎藤孝太郎さんの朝バッハ=「無伴奏チェロ組曲」が流れる中で坐らせていただきました。

坐禅中ですから、聴かせるための音楽ではないはず。それでもつい、意識が心地よいチェロの調べに向いてしまう自分に苦笑でしたが、静かに坐る場で音楽が邪魔だったかというと、決してそうは思いませんでした。以下、坐禅を終えて自分なりの気付きです。

坐禅と楽器演奏は一見まったく異なるもののようですが、自己と向き合うという点で共通していますね。呼吸が大切で、修練に終わりがないことも同じ。心を整える必要性も似ている気がします。「坐禅」と「朝バッハ」、互いに別のことをしながらも自分と向き合う時間を共有していたのかと思うと、帰り道は清々しさもひとしおでした。

私自身、弦楽器の演奏が趣味なのですが、坐禅レベルの緊張感で弾く機会は先生の前に出たときくらい。随分もったいないことをしてきました。今夜の練習は、今朝の張り詰めた空気を思い出してグッと集中したいと思います。

150502-2.jpg坐禅後の茶礼で配られたのは、円相に見立てたドーナツ

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内面からの美しさ

私も楽しみに拝読させていただいております、鎌倉は円覚寺さんの“居士林だより”
横田南嶺老師の提唱内容を、在家の方にもわかりやすいようにご紹介くださっています。

150424.jpg4月20日より、入制大攝心と申しまして、一週間集中的に坐禅の行をされる期間に入っておられます。

いつも思いますが、僧堂の老師方がお元気そうでお肌も艶々(こんな言い方申し訳ないのですが、本当なのです)、雲水さんのなんとも気持ち良い清らかに澄んだ雰囲気というのは、日々の修行の上に、さらにこういった攝心によって、自己と向き合い、身体と心を整えていらっしゃる賜物なのでしょうか。
内面からにじみ出る美しさを感じ、いつも感動します。


以前読みましてこちらでもご紹介した本の中にありましたが、チベット僧の老師のようなお立場の方は、「自分の中の仏が小さくなると行に入ります」と仰っていたのだとか。

禅宗でも悟後の修行が大切と言われ、僧堂ではこういった攝心の期間が設けられ、集中的に坐禅をする時間を取るという事に、修行体系は違えども、同じ仏教の修行での共通点を見いだし、やはり動中の工夫は、静中の工夫あってのこそなのかしらん・・・などと、くるくる思いを巡らせています。
考えている閑があったら、坐禅か瞑想でも実践し、自身の日々の生活がどう変わってゆくのか、実体験してみた方が良いですね。

研究所からは、僧堂での生活をつぶさにご紹介した、『雲水日記』という本を出させていただいております。ご関心ある方は是非!

なお、近々ですと関西では、5月4日(月)10:40~花園大学の教堂で開催される、【花園大学学長講座 禅とこころ】に、横田南嶺老師がご登壇されます。是非お運びください。

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縁のふしぎ

昨今のSNSと呼ばれる各種ツールの拡がりによって、まだ直接には出会った事の無い方と出会ってみたり、他の方の考え方をネット上で知る機会が増えたりと、おおよそ昔では考えられなかった環境に私たちは生きています。
物事には何にしても良い面と悪い面がありますが、私はせっかく今回はこの時代に生まれて来たのですから、コントロールされるのではなく、自身が節度を持ち、有効に活用したいと考えています。


先日も、とある会に参加した際に友人と話していましたら、そのお隣にいらしたお友達が「もしかして、禅文化研究所の方ですか?」と。
「おぉ、このようなマニアックな研究機関をご存知とは奇特な方もいらしたものだ…」と思いお話しさせていただくと、彼女のお母様が以前よりこのブログを楽しみにご覧いただいており、彼女も勧められて読んでくださるようようになったのだとか。

150417-1.jpg円覚寺さんで発売されたクリアファイルをいただきました それぞれに南嶺老師の書と画が!


さらに、こちらでご紹介しました居士林だより(円覚寺管長・横田南嶺老師の日曜説教でのお話や画像が掲載されているブログです)を知るに至り、「南嶺老師のお話が、介護で疲れていた母の支えになっていました」と……。
誰一人直接出会った事が無いところで繋がってゆく御縁のふしぎ、そして今回彼女と出会えて、直接お話をするに至った御縁のふしぎを思いました。


以前、ある和尚様が、「インターネットがあるこの時代にそれを活用しないのは、布教をしないのと同じである」とお話されていましたが、まさにインターネットを通じての布教により、救われている方がいらっしゃるのだという事を知ることができ、とても嬉しく有難く思った次第です。

 

150417-2.jpg最も美しき国宝舎利殿が!雲水さんも捨てがたく…さらに観音様に山門、迷いますね


南嶺老師による円覚寺での日曜説教の日は、私も以前お邪魔しましたが、最近はまたさらに人が増えて溢れているという噂も聞こえて参ります……。
関西でお話を拝聴する機会は少ないのですが、5月4日(月)には、花園大学の学長講座におこしいただける事になっております。午前10時40分から、花園大学教堂にて。是非お運びくださいませ。

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南禅寺管長 臨済録提唱 於:南禅院


150410.jpgおはようございます。

本日10時より、南禅寺山内・南禅院にて、南禅寺派管長・中村文峰老大師による臨済録提唱があります。
これは、臨済禅師1150年遠諱に因んで開催されるものです。
是非みなさまご参集いただきますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

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不審花開

 

150401.jpg

自然界の奇跡的な造形を見る時、神仏の、宇宙の“はからい”を特に感じることができます。
いったい何が、この花を開かせるのでしょう。

東京・麟祥院にて。

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「もうひとつの京都」展

 

150316-1.jpg本日は催しのお知らせです。

3月18日より名古屋の三越にて、京都の工芸作家による合同展覧会が開催されます。
季刊『禅文化』に季節の切り絵をご提供いただいている、切り絵作家・田中道男さんも出展されます。

150316-2.jpg田中さんの切り絵は「絵画」「工芸」「写仏」の三つに分類されていて、基本的に“一品モノ”となる「絵画」はとても密度が高く、素材も吟味されているそうです。今回は、クラフト市と銘打たれてはいますが、そんな「切り絵絵画」の大作も展示されるとのこと。

禅宗寺院を取り上げた作品も多い田中さんですが(高桐院さんのお玄関にも飾られていました!)、色や紙の質感、立体感などをお伝えできないことを常々心苦しく思っておりました。和紙の奥深さを再発見できる機会にもなると思います。お近くの皆さま、ぜひお立ち寄り下さい。

クラフト市「もうひとつの京都」

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麟祥院つれづれ -東京都文京区-

おはようございます。

麟祥院さんでの宝物調査、つづいております。
あまりに美しい椿がたくさん咲いているので、まずは麟祥院椿図鑑を。
椿の種類は2000以上もあるといわれ、さすがに私も数種類くらいしかわかりません。

150312-1.gif

そして、お昼をいただきに外へ出たりするのですが、すぐ近くにとても気になるたたずまいの和菓子屋さんが。

150312-2.jpg壺屋さん。屋根のところにも、のれんなどにもツボツボの紋が。これは気になる!と、中へ入ってみますと、壺の形をした最中や、ツボツボの形をした最中が。ほっこりするような雰囲気なのですが、職人の手仕事のきっちり感もあり、一目で気に入り、ホテルでいただこうと買って帰ってみました。

150312-3.jpg150312-4.jpgどうですかこの感じ!? あんこがたっぷり入っていて、なかなかに食べ応えがありそうだと思いましたが、上品なお味ですぐにお腹の中へ。
こちらのお店、明治維新で大店が「徳川さまにお世話になったのだから」と店を閉じてゆく中、勝海舟に「みなが壺屋の菓子を食べたいと言っているから続けるように」と言われ、今に至るのだとか。
京都とはまた違った江戸の歴史を垣間見るようで、宝物調査の出張といえども、その他諸々学ばせていただいております。

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麟祥院 -東京都文京区-

おはようございます。

宝物調査にて東京に来ております。
くしくも東日本大震災より4年目となる今日をこちらで迎えますのは、本来どこにいようが心を向けることは可能ではあるはずですが、関西におりますのとまた違う緊張感を抱くような心地でおります。

鎌倉では、神道・キリスト教・仏教という3つの宗教が宗派を超えて集い、合同法要が行なわれるようです。臨済宗では、建長寺さん円覚寺さんが中心となっておられます。

様々な価値観の見直しを迫られた大震災。4年がたちますが、未だ困難な生活を余儀なくされている方々の平穏無事を祈るとともに、自身の足下をみつめ、日々のくらしを見つめ直す機会としたい所存です。

150311-1.gifさて、話は変りますが、宝物調査は、東京都文京区にあります、春日局が開基の寺、麟祥院にお邪魔しております。
まさに都会のオアシスとでもいうのでしょうか、ビルに囲まれた中に静寂を保っております。

150311-2a.gif春日局のお寺、いたるところにこの紋が! 垣根やふすま、棚などに配されています。

150311-2.gif

さまざまな種類の椿を植えた垣根が。ちょうどどの木もたくさんの花を咲かせており、見頃となっています。
すばらしい宝物に眼福の極み。楽しみつつお仕事を進めさせていただいております。

150311-3.gif

境内のお庭にユキワリソウが!こんな風に自生しているのを初めてみました。昨日は雪が降りましたが、春の訪れを知らせてくれる花が咲いています。日に日にあたたかくなってゆくことでしょう。

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大徳寺月釜



150304-1.jpg毎月28日には、大徳寺のいくつかの塔頭で表千家の釜が掛かります(大寄せといって、誰でも参加できるお茶会があるのです)。先日もお邪魔して参りました。
若かりし頃より、28日が仕事休みの土日と重なればなるべく行くようにし、色々と学ばせていただいております。

150304-2.jpgこの日はほぼ表千家のお席で、私が稽古している流派の先生方が釜を掛けられるわけなのですが、これまでに様々な流派のお茶会を経験してきて思うのです。
 
皆、茶の湯の稽古をする者は、どちらかの流派に属して点前を習っており、稽古を続けているのですから、恐らくはその流派が好きなのだと思うのです。もちろん私も、好きだからこそ続いています。

150304-3.jpgただ、長く続けてきて、これこそほんとうの学びなのだろうな……と思いますのは、「結局は流派は関係なく、お茶をするその人自身がどうであるか…というところが一番大切なのだ」という事に気づいた事であります。

お茶を習おうとする方に、「どの流派がいいだろう?」と相談されると、昔は「そりゃあ表千家です」と答えたものですが、今は「私は表千家が好きだけれど、結局はどの流派であれ、師事する先生によると思う」と答えています。
これは、宗教でも同じなのだろうなぁ…などと考えています。
ただ、好みや、合う合わないは確かにあるわけで、私はやはり禅宗が好きだなと思っています。

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瑠璃光寺 五重塔 -山口市-

おはようございます。
先日から続いておりますが、山口市にあります臨済宗の古刹、常栄寺さんに宝物調査でお邪魔し、仕事前と仕事後に訪れました寺社をご紹介しております。

150223-1.jpg本日は、曹洞宗瑠璃光寺さんにあります、国宝五重塔を。なんと申しましょうか、瑠璃光寺さんにある……というよりも、この五重塔そのものがもう独立しているような感じで、山口で五重塔といえばまさにこの、大内氏の栄華を色濃く今に残す五重塔なわけであります。
どこから写真を撮りましても……フォトジェニック。

150223-2.jpg大内家26代の盛見が、先代でもある兄の菩提を弔う為に建てたのが、その本人も五重塔の落慶を見ずに戦死したのだとか。

150223-3.jpgこちらの五重塔、その美しさにより、日本三名塔の一つに数えられています(他は、法隆寺・醍醐寺なのだとか)。五重塔も拝観してまわっていますと、ほんとうに色々です。
そのバランスに絶対的な美というものや、価値があり、誰が決めたか三名塔と言われるのでしょうが、好みという意味ではまた別でしょうか。

のどかな田園風景に突如現れる、栄西禅師の生まれ故郷、岡山は吉備津神社近くの国分寺跡の五重塔などは、周りの風景の素晴らしさと合わせて名塔と呼ぶに相応しい五重塔だと思います。
色々巡ってみては、自分の好きな五重塔や多宝塔など、心に秘めつつ日本の宗教建築の美を楽しんでいます。

 

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洞春寺 -山口市-

山口出張での寺社めぐり、続きます。
遊んでいるわけではありません。朝、仕事で常栄寺さんにでかける前と、仕事が終わり、なんとかお天道様が顔をのぞかせてくださっている間に、さっと参拝させていただくわけです。

洞春寺さんといえば毛利元就の菩提寺。
常栄寺さんと並んで山口県を代表する臨済宗の古刹であります。
最近はもっぱらマル住職でその名を知る人も増えているのではないでしょうか。
誇り高き紀州犬のマル住職、昨年末に上司がお邪魔した際もこのとおり。

20150119-1.jpg友人宅で飼っていた紀州犬が、家族以外の者は何人たりとも近寄らせない、近寄ろうものならただではおかぬという気魄に満ちており、お邪魔する際にはびくびくしていたことを思い出します。
そんなマル住職のいる洞春寺に参拝できた!と思いきや、時間が無いからと車の中から門を拝見するのみにて、仕事へと向かったのでした……。

20150119-2.jpg洞春寺の境内には、児童養護施設・山口育児院があります。今から4代前の和尚が日露戦争の戦災孤児救済のために創られた孤児院で、今も現住職が理事長を兼務され、子供たちの成長を見守っておられます。

そういえば、前住職で理事長をつとめられた南禅僧堂師家の日下老師が、「京都から山口へ子供達に会いにゆくと、喜んで迎えてくれるのだ」と、とても嬉しそうににこにことお話してくださった日の事を思い出しました。
こちらの事だったのか…と感慨深く思い出しました。

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常栄寺 -山口市-

昨日につづきまして、常栄寺さんのご紹介。

150217-1.jpg我々がお仕事をさせていただいていた庫裏。立派ですね。青空に映えます。
その前庭が下写真。

150217-2.jpg山口は盆地。とっても冷え込みます。つくばいの水は、朝のぞくと必ず凍っていました。
職員の方達が、そこかしこにとても綺麗に花を生けていらっしゃいます。境内には珍しい花を咲かせる椿の木もあり、興味津々。

150217-3.jpg本堂前の石庭。

150217-4.jpg最後に雪舟のお庭を池のあちらがわから。

150217-5.jpgさて、こちら常栄寺さんでは、臨済・白隠禅師の遠諱事業の一環として、5月23日(土)に、坐禅会を予定しております。
お申し込み、詳しくはこちらからご確認くださいませ。

 

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常栄寺 -山口市-

山口市にあります常栄寺さんに宝物調査でお邪魔しておりました。
常栄寺といえば、雪舟庭で有名ですので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
お寺の歴史などは、こちらをご覧ください。なかなかに複雑です。


150216-1.jpg今回私は山口県は初めてでして、大内氏の如何なる治世により、“西ノ京”と呼ばれるに至ったのかなど、山口の歴史の深さに感銘を受けました。

150216-2.jpg初日は日本全国に寒波が!山口も盆地ですのでとても冷え込みましたが、雪が舞うお庭はまた格別です。さすがに真冬には拝観の方も少なく、雪舟庭を独り占め。

近頃では、近い事もあって、韓国からの団体客の方が多いのだとか。
仕事前の朝早く、仕事後の夕方、調査チームと参拝した寺社など、またご紹介したいと思います。

 

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衡梅院その2 -妙心寺塔頭-

きのうに続きまして、妙心寺塔頭・衡梅院さんのご紹介。

150210-1.jpg衡梅院さんには一風変わった茶室があります。
茶の湯を稽古している者からしますと、「むむ?!普通の茶室とは様子が違うぞ」とすぐに気づかれるかと思います。

150210-2.jpgそれもそのはず、煎茶道にも使える茶室なのだとか。木材の使い方、掛かっているお軸、水屋入り口にありました扁額?!(煎茶道っぽいのです)
その他随所に煎茶道の影響だろうと思われる箇所がみえて、興味深いものでした。
こちら、大正時代に南山城より移築してきた茶室とかで、その名を“長法庵”といい、とても明るくすっきりした風情でした。

150210-3.jpgこの、枝ぶりを生かした窓、水屋の明かり取りなのです。このあたりなど、煎茶道っぽいと思うのですがいかがですか?

150210-4.jpgこちらが茶室の入り口にあります扁額。変わっていますねぇ。
これの意味はここで話してしまうと、参拝される方のお楽しみが減ってしまいますので、参拝された方のみのお楽しみで。
他にも、江戸時代の狩野派の絵師・大岡春卜の龍虎、獅子などの障壁画を拝見させていただけます。
次はいつ公開されるかわかりませんので、是非公開期間にご参拝なさってみてください。


私は、今週か来週には妙心寺の三門を登って参拝してまいりましょう。またご報告します。

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衡梅院その1 -妙心寺塔頭-

京都市観光協会さんの“京の冬の旅”が始まっています。
お昼休みにふらりと妙心寺塔頭、衡梅院さんへ。なんとも贅沢です。

150209-1.jpg応仁の乱で荒廃した妙心寺を復興、中興の祖ともいうべき、雪江宗深禅師が妙心寺住持職を引退された後に、開山となり創建されたお寺です。

雪江宗深といえば、その弟子である、景川宗隆(けいせん そうりゅう)、悟渓宗頓(ごけい そうとん)、特芳禅傑(とくほう ぜんけつ)、東陽英朝(とうよう えいちょう)の四哲が有名で、それぞれ、龍泉派、東海派、霊雲派、聖沢派という派にわかれ、その教えが全国へと広がっていきました。
つまり、現在全国にある3000ヶ寺以上の妙心寺派の末寺は、全てこの四派のいずれかに属しているわけです。

150209-2.jpgそんな師匠と弟子を表現したのが、“四河一源(しかいちげん)の庭”です。
ひときわ目を引く立派な石が、雪江宗深。
そしてその周りを囲むように配置された4つの石が、4人の弟子たちです。
写真ではいまいちわかりませんが、是非参拝していただき、実物をご覧いただきたいものです。

150209-3.jpg風に木々が揺れ、雲から顔を覗かせた太陽が苔の海を輝かせ、山紫水明の中にこそ学ぶ事あり、と作られたのであろう禅の庭を感じるひととき。

修行をする者の為にあるのが禅の庭ではありますが、娑婆に生きるもこれまた修行。
生きていれば避けがたい苦しみや悲しみ、大変な事はどうしてもやってきます。

参拝者の方々の庭をみつめるひとときが、そんな事をふと忘れさせ、自分に帰る時間になる事を祈ります。

明日へとつづく

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節分会

 


150205-1.jpg節分に立春に満月、いろんな事がかさなり、春を迎える準備も一歩ずつ。
より一層「あぁ、今年を迎えたのだな」という気持ちが強まって参りました。

150205-2.jpg私ごとですが近年、節分の日には、通勤道にありますだるま寺さん(妙心寺派法輪寺)にお仕事後、参拝させていただいております。今年も多くの方達で賑わっていました。

毎年の節目節目に決まった行事があるというのは、自身の気持ちや身体にとってもリズムを刻む事になり、良い事だなと思っています。
門前で毎年恵方巻を売っているおばあちゃん、今年もお元気そうで何よりでした。

150205-3.jpg研究所には、どなたが持ってきて下さったのか必ず豆がスタンバイ。
さすがに豆まきはいたしませんが、茶礼の際にいただきました。有難い事でした。

 

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「京の禅寺」が特集されています

 

150204.jpg京阪沿線にお住まいの皆さま、京阪電車の機関誌『K PRESS』をご存じでしょうか?

鉄道会社の機関誌ですから、あくまで「沿線情報」という括りの中で、毎号、趣向を凝らした企画が目白押し。フリーペーパーなのに読み応えがあり、私は毎月発行を楽しみにしています。

最新の2月号では、京都の禅寺が1ページで特集されていました!キーワードを元に、禅についてまとめられています。専門的には「ちょっと違うぞ」という説明もあるのかもしれませんが、

何より一般の人が「へえ、禅についてもっと知りたいなあ」「お寺を訪ねてみようかな」と、興味を持ってくださるきっかけになるんじゃないかなという内容です。

ご遠方の方は、便利な電子版でどうぞ。

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曹洞宗瑞龍寺 -富山県高岡市-

曹洞宗の名刹、高岡は瑞龍寺を参拝しました。
こちらは、加賀藩二代藩主・前田利長の菩提寺で、江戸時代初期の創建。

総門から法堂までが一列に配置され、左に禅堂、右に庫裡、そしてそれらを回廊で結んでいるという禅宗特有の伽藍様式を今に残しています。141224-2.jpg仏殿・法堂・山門は国宝、総門・禅堂・高廊下・回廊・大茶堂は重要文化財に指定。
瑞龍寺大工棟梁山上善右衛門嘉広が印可した秘伝書に掲載されているという禅宗七堂伽藍人体表相図からすると、各お堂が人体の主要な部分に相当するのだとか。
興味深いものです。

141224-1.jpgネットで調べていますと、山門までは砂利が敷き詰められ、山門を入ると芝生が植えられているようですが、これはもう、雪の季節が一番美しいのではないかと思わされます。

141224-3.jpgそしてこちらの禅堂、現在は修行僧はいらっしゃらないとのことで、一般の坐禅に使われているのだとか。なんとも贅沢な空間ですね。

色々と寺院を訪ねていますが、やはり禅宗寺院のスッキリ、凜としたたたずまいはことのほか惹かれるものがあります。
また、この高岡市には、臨済宗本山・国泰寺さんもあります。以前訪れましたので今回は参拝しませんでしたが、高岡市を訪れた方には是非とも臨済宗・曹洞宗の名刹両方を参拝いただきたいものです。

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山口にて 続

先週末のブログ「山口常栄寺・洞春寺へ」に続き、もう1回おつきあい下さい。
洞春寺にお邪魔した後、ありがたいことに洞春寺のご住職が私を車に乗せて、帰りの新幹線までの間に近隣を少し案内して下さいました。

20141117-nishida.jpgまずは、西田幾多郎(1870~1945)の下宿していたお宅です。この2階に住んでおられたとのこと。
ご存じの通り、西田幾太郎は、京都学派・西田哲学の創始者である著名な哲学者で、鈴木大拙とも石川県専門学校(四高)時代からの親友です。
石川県で生まれ、東京帝国大学を卒業後、四高で教鞭をとり、明治30年9月にこの山口の山口高等学校勤務となりました。
そのうちの一時期にここ岡部氏の一室に居住していたとのこと。
このお宅は洞春寺の檀家さんのお家とのことで、一時、解体するような話になったところ、西田が住んでいた部屋を崩すなどしてはいけないとの反対をうけて思いとどまられたとのこと。今はどなたもお住まいではないようですが、こうして保存されていました。
立て看板によると、山口市は、当時、日本で最初にフランシスコ・サビエルによってキリスト教の伝道が行なわれた場所である「大道寺跡」が発見されたばかりで、そのためにキリスト教に感心を向け、また当時の山口高校の北条校長の影響を受けて明治30年頃から妙心寺で坐禅をするようになり、山口時代に宗教的感心を持つようになって精神的転換がなされたようだとのことでした。

20141117-_ryufuku1.jpgさて、西田の下宿のすぐ近くにあるのが曹洞宗龍福寺というお寺。葺き替えられたばかりの檜皮葺が美しいです。
ここは、毛利元就の長男である隆元が、養父の大内義隆公の菩提寺として建立したお寺とのこと。もともとこの境内は大内の平城「大内館」の跡地だそうです。

20141117-_ryufuku2.jpg境内にある大内義隆の辞世の句をしるした石碑があり、

討つ人も 討たるヽ人も 諸ともに 如露亦如電応作如是観

とありました。最後は金剛般若波羅蜜経の一節ですね。義隆は家臣である陶晴賢の謀反により長門の大寧寺(たいねいじ・曹洞宗)に逃れ、大寧寺十三世異雪慶殊(いせつけいじゅ)和尚の弟子となり、その後、自刃されたそうで、その辞世の句だそうです。
敵も味方もどちらの命も、露や稲妻のように儚いものなのだ、という意味でしょう。

この句を称えるように、その横には不断桜がひっそりと咲いていました。

20141117-_ryufuku3.jpgこんな、日帰り山口への旅でした。

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山口常栄寺・洞春寺へ

宝物調査、デジタルアーカイブス事業の打ち合わせで、山口市にある常栄寺(臨済宗東福寺派)にお伺いしました。
新幹線の京都から2時間余り、新山口で降りて、県庁所在地のある駅へ向かうにしては、情緒のありすぎる2両編成のディーゼル列車に揺られ山口駅へ。新幹線など、すべてICカードでタッチして改札を通過してきたのに、結果、山口駅では自動改札はなく、現金で240円をお支払い。ゆったりと時間が流れている気さえしました。

20141117-joei_1.jpg常栄寺は、毛利元就が開基である名刹。立派な伽藍もあり、僧堂もそなえる專門道場ですが、残念なことに今は休単中で雲水はおられません。しかし雪舟の庭として知られる庭園(国の史跡名勝)が方丈裏にあり、拝観者が後をたたず訪れています。

もともとは広島県の安芸にあったのですが、大内盛見の菩提寺である国清寺など複数のお寺と合寺された経緯も有り、以下に記す洞春寺に移され、のちに元就の息子である隆元の夫人の菩提寺である妙寿寺があった現在の地に移されたという遍歴をもつとのこと。

20141117-joei_2.jpg数年前にこの常栄寺に晋山された今井宏泉老師とお話をし、宝物の悉皆調査の依頼を受けました。弊所のデジタルアーカイブス事業にもご協力を頂けるということで、いずれ、デジタルアーカイブス「禅の至宝」に登録させていただくことになりそうです。

その後、タクシーで数分の洞春寺へ。

ここのご住職も先だって晋山式を終えられたばかりの新命和尚ですが、以前より面識があり親しくさせていただいることもあり、また常栄寺と関係のある古いお寺でもありますので、宝物管理に関するお話をさせていただこうかと思い参りました。そういえば以前訪ねた時のことをこのブログで書いておりました

さて、知る人ぞ知るですが、この洞春寺には、「マル住職」と名付けられた紀州犬がおります。そして、この張り紙!

20141117_tohsyun_1.jpg私が玄関に近づいていくと、吠えられはしませんでしたが。そろりと近づいてきて、ブルブルッと身体を震わせて「なにもんじゃい」と言わんばかり。ただ、幸いなことに坊主頭には噛みつくことはないそうです。

それに、昼間は危険性がないと判断し吠えなくても、朝夕、陽が低いときには吠えるとか。なかなかの番犬です。

そしてもう一つ、洞春寺には珍しい物が。玄関の真上にステンドグラスがあるのです。

20141117_tohsyun_2.jpg常栄寺は通常拝観(拝観料必要)されております。また洞春寺には重要文化財の山門と観音堂もあり、自由に拝観できます。どうぞお近くにお越しの際には、お立ち寄りいただきますよう。ただし有髪の方は「マル住職」にご注意あれ。

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東慶寺の秋をいける 「二人の花」展

 

141111-1.jpg境内は秋の花ざかり

鎌倉の東慶寺さんにて一度受講してみたいと思っておりました“挿し花教室”
ちょうど用事があり東京へ趣く日程と都合良く、参加して参りました。

141111-2.jpgこの日は、東慶寺の寺庭・井上米輝子さん(季刊『禅文化』にもご執筆いただいておりました)と、花を教えてくださる雨宮ゆか先生による「二人の花」展が開催中で、それにちなんだワークショップ。普段のお稽古とはまた別に教室が設けられていたのでラッキーでした。

141111-3.jpgレッスンは東慶寺さんのギャラリーにて。なんともかわいい花々が用意されています。この中から、自分の好きなものを選んで生けるのです。好きな花を自由に選べるお稽古!なんと幸せなことでしょう。

141111-4.jpg花器も、先生がお持ちくださった物の中から自由に選んで生けます。これもまた良い!選ぶ花、選ぶ花器、参加者それぞれの個性が出て興味深いものです。

141111-5.jpg花留めや剣山などは使わず自由に生けつつ、先生が要所要所でアドバイスをくださいます。私も流派の花は何年か学んでいましたが、この自由な雰囲気はとても新鮮で有難いものでした。
いくつものヒントをいただきましたので、これからの日々の花生活に生かしたい!と思います。
上写真と下写真、私めが生けました花です。

141111-6.jpgさらに、井上米輝子さんと雨宮ゆか先生の花をご紹介。「どれが米輝子さんのお花で、どれが先生のお花ですか?」とお尋ねすると、「どれだろー。枯れたりするとお互いが入れ替えたりしているので、どれがどれって言えないですね!」と。なんと自由なのでしょう。これもまたまた「良いなぁ・・・」と思いました。

141111-7.jpg様々な種類のタデを生けてらっしゃいます。立派な壺に、タデが主役とは!!!!!

141111-8.jpg蔓のものの生け方の参考になりますね。その他、様々な花器に東慶寺さんの草花が生き生きと生けられており、空間全体が喜んでいるかのようで、とても豊かな時間を過ごさせていただきました。花に触れている時間は良いものですね・・・・・・。東慶寺さんでのレッスンや、雨宮先生のスタジオでのレッスン、是非ともご体験なさってみてください。

141111-9.jpg帰りの新幹線では二重の虹が!有意義な休日となりました。

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白隠フォーラムin沼津

おはようございます。
今週末、9日日曜日に開催されます、【白隠フォーラムin沼津】のごあんないです。
既に会場は満員で、違うお部屋でモニターを拝見・・・との人気ぶりですが、無料ですし、是非ともこの機会におでかけくださいませ。
お申し込み、詳細はこちらから。

141107.jpgなお、来たる平成28年に迎える宗祖・臨済義玄禅師1150年、ならびに翌平成29年に迎える日本臨済宗中興の祖・白隠慧鶴禅師250年の両遠諱にむけ、臨済宗黄檗宗全宗派をあげて大遠諱事業を立ち上げております。

来年には、各地の僧堂や寺院にて、報恩坐禅会を開催予定。ぞくぞくとお申し込みいただいております。
詳細&お申し込みはこちらからどうぞ!

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妙興寺展  一宮市博物館


141029-1.jpg愛知県の一宮市博物館にて、妙興寺展が開催中です。

以下博物館サイトより。

貞和4年(1348)の創建以来、尾張の臨済宗の中心寺院として発展していきました。博物館の常設展示リニューアルオープンにあわせて、新たな国指定の重要文化財、愛知県指定文化財、一宮市指定文化財などをはじめ、これまで公開されることがなかったさまざまな文化財などを紹介し、妙興寺の歴史をたどります。

以前、取材にて妙興寺さんを訪ねた際のブログはこちらからどうぞ。
僧堂である妙興寺、なかなかに宝物を拝見する機会も無い事と存じます。期間中には講演会や体験会なども。詳しくは写真をクリックしてご覧くださいませ。


141029-2.jpg*写真をクリックしていただくと大きくなります。

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京都のお寺をめぐるお供にアプリ「京都禅寺巡り」

今年は毎年よりも秋の来るのが早いのか、朝夕はよく冷え込むようになりました。紅葉も早いかも知れませんね。

さて、弊所のスマホアプリ「京都禅寺巡り」(Android版/iPhone版)には、この秋の特別拝観情報が満載です。

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現時点で、妙心寺、東林院(妙心寺塔頭)、大法院(妙心寺塔頭)、萬福寺、東福寺、龍吟庵(東福寺塔頭)、天龍寺、宝厳院(天龍寺塔頭)、弘源寺(天龍寺塔頭)、等持院、南禅寺、相国寺、銀閣寺、大徳寺、高等院(大徳寺塔頭)、興臨院(大徳寺塔頭)、総見院(大徳寺塔頭)、黄梅院(大徳寺塔頭)、酬恩庵(一休寺)、高台寺、圓徳院、花園大学の特別拝観情報やイベント情報を配信しています。随時、追加情報更新中です。

また現在、秋の紅葉にあわせた、「秋のスタンプラリー」機能もご利用頂けます。秋の京都を散策される際には、是非おともに。

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等持院寺宝展のごあんない


141008-1.jpg臨済宗天龍寺派の禅寺“等持院”は、足利尊氏の菩提寺でもあり、歴代足利将軍を祀る廟所として知られています。
秋の特別展では狩野探幽筆「白衣観音・蝦蟇 (がま)図・鉄拐(てっかい)図」、長谷川等伯筆「豊臣秀吉像」などの掛け軸をはじめ、狩野興以筆の襖絵「二十四孝図」「柳下牛図」など、普段は見られない貴重な史料や文化財が公開されます。

是非ご参拝ください。

141008-2.jpg【期間】2014年10月10日(金)~14日(火)
【時間】9:00~17:00(受付終了は16:30)

特別参拝料:600円
お抹茶:500円(等持院特製銘菓“芙蓉の月”付き)
お番茶:300円(等持院特製銘菓“芙蓉の月”付き)

【アクセス】 住所・京都市北区等持院北町
*京都バス61,62,63,65番系統「等持院南」下車北に徒歩7分
*京福電鉄北野線等持院駅より北へ徒歩7分

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甲斐の名刹 恵林寺晋山式

恵林寺晋山式_1.jpg

昨年より宝物悉皆調査に入り、この10月6日から12月13日まで、花園大学歴史博物館で開催する「滅却心頭火自涼 -甲斐の名刹 恵林寺の至宝-」(主催:禅文化研究所・花園大学歴史博物館)の展示品所蔵元である、山梨県甲州市にある乾徳山恵林寺で、去る、9月30日に新命住職である古川周賢老師の晋山式が挙行されました。
弊所はこの調査の関係で老師とも親しくさせていただいていたことで、担当者である私も晋山式の末席に参列させて頂きました。

恵林寺晋山式_4.jpgさすが天下の名刹だけあり、老師の嗣法の師である大徳寺派管長貎下、近隣の向嶽寺派管長貎下、円覚寺派管長貎下、そして、縁のある僧堂師家方、また、近隣寺院はもとより、遠方からも多くの尊宿が出頭参列されました。

恵林寺晋山式_5.jpg三十数年住職をされて、このたび閑栖になられる南條大亨老師の退山式が方丈で粛々と行なわれる中、境内では周賢老師が稚児行列と共に山門に到達されての山門の偈が唱えられていたようです。(私は退山式に出ていたので、参列されていた在家の方から式中の写真を提供してもらいました)

恵林寺晋山式_2.jpg方丈にあがられて晋山の偈を唱えられたのちは、告報通りに晋山式の式次第が進んでいきます。いつも弁舌鮮やかな周賢老師ですが、少々緊張気味のご様子。

恵林寺晋山式_7.jpg一般在家の方々には、人生で何度も遭遇することのないであろう晋山式です。カメラやビデオ、スマートフォンなどで、式の様子を撮影されているのが目立ちました。

さて、僧堂ではないこの寺を選ばれた周賢老師は私との個人的なお話の中で、自分は住職となってからは、発心し禅僧になりたいという人をできるだけ育てていきたいと話しておられました。来春からその第一号のお弟子さんが僧堂に掛搭するとのこと。

私は、この老師の多岐にわたる下化衆生を楽しみにしている一人です。今後、季刊『禅文化』でもご寄稿をお願いしていく予定です。皆さんもお楽しみに。

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大徳寺 曝凉




140922.jpg大徳寺本坊にて開催される曝凉展(宝物の虫干し)のご案内です。
この日は塔頭・高桐院さんでも曝凉が開催されますし、塔頭 総見院・黄梅院・興臨院の秋の特別拝観も開催中(10/11-12/15)。
是非大徳寺山内にて充実した一日をお過ごしくださいませ!

【大徳寺本坊 爆凉展】
2014年10月12日(日)
9:00~16:30
拝観料 1300円

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大徳寺孤篷庵 特別公開のごあんない

 


140919-1.jpg大徳寺塔頭、孤篷庵の特別公開のごあんないです。

茶室「忘筌」や狩野探幽の障壁画を間近で鑑賞できる書院「直入軒」、茶室「山雲床」も一般初公開との事。
私自身とても楽しみにしています。
特に直入軒は、小堀遠州のプライベート空間だったとのこと。彼独特の美意識に触れられる事でしょう。是非ともお運びください。

140919-2.jpg期間:2014年9月28日(日)~10月9日(木)
受付:10:00~16:00
料金:大人 800円 ・ 中高校生 500円
アクセス
○京都駅市バス
・A3のりばから206→「船岡山」下車徒歩5分
・B3のりばから205→「船岡山」下車徒歩5分
○地下鉄烏丸線北大路駅から市バス
・市バス204・205・206→「船岡山」下車徒歩5分
○京阪電車四条駅、阪急烏丸駅(地下鉄四条駅)から市バス
・市バス1・102→「船岡山」下車徒歩5分

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私の思い出



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あれは3歳の頃。弟が生まれるというのでしばらく祖母宅に預けられていた私ですが、朝の記憶といえば、近くの京都御苑からやって来る鳩の鳴き声と、どこからやって来るのかは謎だけど割と頻繁に聞こえてくる「ほ~ぉ」の声でした。


「ほ~~~~~~~~~ぉい」と声が伸びるのが、なんかわからへんけど面白い!

なんかわからへんけど、いっぱい声が聞こえてくるのも楽しい!!


唱和して"~~~~~"の長さを競うのがマイ・ブームでした(すみません、幼児の考えることですのでお許しを......)。人数が少ない日はガッカリです(重ねてすみません......)。

声の正体についてはほどなく祖母から教わることになるわけですが、あれから30数年が経ちました。老師がたの中には、きっとあの時の雲水さんもいらっしゃるのでしょうね。

次号『禅文化』(10/25発売)では久しぶりに「吾が師を語る」を掲載させていただくのですが、今回は東福寺派管長・遠藤楚石老師、円覚寺派管長・横田南嶺老師による
対談形式です。

「どんなお坊さまにも修行時代があったのだな」と改めて感じ、同時に自分の思い出もよみがえった次第です。

*写真・水野克比古 絵はがきセットより

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佐藤禅忠展 -鎌倉・東慶寺ー

 


140917-1.jpg鎌倉にあります東慶寺さんにお邪魔しました。
境内は相変わらず季節の花と緑で溢れ、どこを眺めましてもほっと致します。

140917-2.jpg東慶寺内にあります松岡宝蔵にて開催中(11/9まで)の「佐藤禅忠展」を拝見させていただきました。佐藤禅忠師とは、東慶寺の男僧三世(東慶寺は元々尼寺でした)で、関東大震災により壊滅的被害を受けた寺を、観音様を描き続け寄進をつのり、再興された方です。

140917-3.jpg書画を拝見していますと、どんな困難にあっても意志は強固、ユーモアを忘れる事無く、軽やかに生きた禅僧であったからこそ、復興を成し遂げられたのであろう・・・・・などと想像してしまいます。特に画は、美しい観音様もあれば、拝見すると自然と笑みのこぼれてしまう面白いものも!!!“十年目”は特に、最高!!!たまらない!!!です。
是非お運びください。

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「滅却心頭火自涼 -甲斐の名刹 恵林寺の至宝-」 集荷の様子

20140912-1.jpg禅文化研究所のホームページの方で既にお知らせしていますが、この秋の特別展として、「滅却心頭火自涼 -甲斐の名刹◆恵林寺の至宝-」を、花園大学歴史博物館で開催します。

来月からの会期ではありますが、今月末には恵林寺様の新命住職晋山式がありますので、少し早めではありますが、恵林寺へ出展作品の集荷に出向いて参りました。

運送するのは、日本通運の美術品専用輸送車と専門スタッフです。大切な宝物をお預かりするため万全を期しています。

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恵林寺の境内には、「信玄公宝物館」があり、恵林寺蔵の多くの宝物を寄託保存されていますが、今回の集荷にあわせて、事前に恵林寺に一時返却をしていただき、すべての集荷作業は恵林寺の書院にて行なわさせていただきました。

20140912-3.jpg

まずは、一本一本、軸物を吊して、状態を確認し、折れや虫食いの場所などを集荷調書に記載していきます。このチェックには古いものほど時間がかかります。

20140912-4.jpg集荷のための調査を終えたものを、日通の美術スタッフが順次、丁寧に梱包していきます。軸物の箱がきちんと入ってしまうように、とても大きな軸の場合には、それに合わせた段ボール箱をその場で作ってしまうところは、さすが専門スタッフの熟練の技術です。

20140912-5.jpg朝からかかって丸一日を費やして、約70作品の梱包が完了しました。すべて完了すると、こういう形になります。これを翌朝、トラックに積み込んで一路京都へ、という段取りですすみました。

20140912-6.jpg恵林寺の文化財がまとまって寺外にて公開されるのは、今回が初のことだと聞いております。是非、「滅却心頭火自涼 -甲斐の名刹 恵林寺の至宝-」へおいでください。

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禅の至宝 デジタルアーカイブス

 

140908-1.jpg禅文化研究所が今年創立50周年を迎えていることを記念して、この春に特別展、「不立文字展 -禅の書画と典籍・六〇〇年-」という禅文化研究所所蔵品展を、花園大学歴史博物館で開催しました。
この会期中にはとうてい間に合いませんでしたが、来たる10月10日に催す、禅文化研究所創立50周年記念式典に向けて、『禅の至宝 -禅文化研究所所蔵品図録』を編集制作しており、先日、ようやく印刷会社に出稿ができた次第です。あとは出来上がりを待つのみ。来月には、内容のご紹介などしたいと思います。

さて、この図録を制作することになったのは、もともと、禅文化研究所が現在行なっている「禅の至宝 デジタルアーカイブス」事業にあります。臨済宗黄檗宗の寺院で所蔵される書画・墨跡・什物を、デジタル情報としてデータベース化していくものです。
昨年秋に、岐阜県八百津の大仙寺様の所蔵品展「大仙寺展」を開催したのも、この事業による成果でありました。花園大学歴史博物館とともに2回にわたる悉皆調査を行ない、デジタルカメラで撮影したものと、書誌情報を登録していき、その中からピックアップしたものを展覧会に展観したわけです。

140908-2.jpgそして、大仙寺様所蔵の全点のデータの整理がようやく整い、先頃、大仙寺様を訪ねて、ご使用のパソコンに弊所が開発した宝物管理システム「禅の至宝」(正式には未リリース)をセットアップし、データベースを登録させていただきましたところです。

くわえて、このデータをオンライン版の「禅の至宝」にも登録し、またその中からご許可いただける物をwebサイトにて公開していくことをご了解いただけないかと、大仙寺のご住職にもちかけたところ、ご快諾をいただきました。現在進行中の甲斐の恵林寺様のデータベースもあらかじめこのご許可をいただいていますし、もちろん、禅文化研究所の所蔵品に関しても公開する予定でおります。こうして、少しずつでも公開できる宝物が増えていくことになり、ひいては、禅文化にご興味のある方々に、インターネット上でバーチャル美術館として観ていただけるようになることを、これからの目標においているところです。どうぞお楽しみに。

 

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如法寺展 -大洲市立博物館-

 

140829-1.jpg3年前に訪れました、愛媛県大洲市にある古刹、如法寺さん(詳しくは以前の記事にありますので、リンク先をご覧くださいませ)。
当時はあちこちで修復作業が進んでいましたが、このたび、重要文化財でもある仏殿の保存修理を終えられたとのことで、市立博物館で展覧会をされる運びとなったようです。
ご案内をいただきましたので、是非とも皆さまに足をお運びいただきたく・・・。
近くには、臥龍山荘もあり、かの地の文化度の高さに、胸躍らせながら旅をした事を思い出します。木蝋で栄えたお隣の町、内子などの風情も素晴らしく。
また是非とも訪れてみたい地の一つです。
お近くの方は必ずや、遠方の方も旅がてら、是非!

「如法寺展 ~大洲に伝えられた盤珪禅師の歴史と心~」

【期間】平成26年7月23日(水)~平成26年11月3日(月)9:00~17:00
【場所】大洲市立博物館 4F展示室
所在地:松山市大洲市中村618-1 社会教育センター内
電話番号:(0893)23-4107
FAX番号:(0893)24-4107
駐車場:14台 (有料。最初の1時間150円。その後30分毎に80円)
【交通】JR大洲駅から徒歩約5分
【料金】無料

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方広寺夏期講座


140826.jpg皆さまこんにちは。長らくご無沙汰致しておりました。
一つ前の記事に、方広寺さんの夏期講座のご案内を掲載させていただきましたが、とても多くの方がお見えになったようですね。
その様子は方広寺さんのFacebookページからご覧いただけますので是非!

またぼちぼち職員のつれづれ、禅宗寺院情報、弊所からのお知らせなど更新させていただきますので、お付合いのほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

9月18日には、第二回目のサンガセミナーを予定しております。法式声明講座と、引導法語講座という、今回はお坊様方対象の講座となっております。
まだ受付しておりますので、ご関心をお持ちになられた方は、こちらよりお申し込みを!
お待ち申し上げております。

 

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夏期講座 -方広寺-



140808-1.jpg静岡県にあります臨済宗大本山・方広寺さんでの夏期講座のご案内です。
是非ご来山くださいませ。

◆平成26年8月24日(日) 9時30分受付  10時30分開講

〈第40回方広寺夏期講座開催〉

第1講 「私の運命」  方広寺派管長 大井際断老大師

第2講 「柔の真髄」 バルセロナオリンピック銀メダリスト

静岡文化芸術大学准教授    溝口紀子先生

第3講 「私はかく闘った」  元横綱 ・ 千代の富士  九重親方

定員 500名(申込み先着順。定員に達し次第受付終了)

参加費 1.お弁当付 3,500円  2.特別精進料理 5,500円

方広寺HPから申込みPDFダウンロード出来ます。

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さて、禅文化研究所は、明日より18日(月)まで夏期休業とさせていただきます。
本日正午までにいただきましたご注文は本日中に、それ以降のご注文に関しましては、19日(火)以降に発送させていただきますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

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夏期暁天講座 -東福寺-

 

140730-1.jpg下記暁天講座のごあんないです。
来たる8月2・3・4日の三日間、東福寺派本山・大禅堂で行われます。
午前6時より坐禅・6時半より法話とのこと。内容は下記です。

8月2日 「白隠禅画をよむ」
花園大学教授  芳澤 勝弘 氏

8月3日 「禅話」
東福寺僧堂師家
原田 融道 老大師

8月4日 「禅話」
東福寺住持本派
遠藤 楚石 老大師

早朝、涼しいうちの坐禅とお話、是非お運びください。

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通勤路のたのしみ

毎年のようにご紹介しているかもしれません。
この季節になると必ず出勤前に参拝するお寺があります。

140725-1.jpg立本寺さん(京都市上京区・日蓮宗のお寺です)です。
この花ほど、蕾から花が咲き、枯れゆく姿、枯れた後まで美しい花が他にありましょうや。

140725-2.jpg140725.jpgちょうど雨の後で、葉に残るしずくが玉の如く。季節的には違いますが、禅語の“秋露白如玉”を思いました。

*秋の朝、葉の上の露が玉の如く丸くなっている光景。露は紅葉の上ではあかね色に、青葉の上では緑色に姿を変えます。その露の性質を、無我に徹して自由自在にあらゆる立場に身を置く事のできる理想的な修行者とみている禅語です。

140725-3.jpgこの花を仏様の台座に・・・と考えられたのもわかりますね。ちょうど台座のような形で咲く一輪に遭遇できました。

140725-4.jpg散った花びらにもうっとりしてしまいます。

140725-5.jpg枯れてなお・・・花材にも良いですし、蓮の実納豆にも!!!
先日ご紹介しました黄檗宗萬福寺さんの名物です。なんでも隠元禅師が作り方を日本に伝えられたのだとか。こっくりとした、栗のような豆のような滋味深い味がしますよ。ご参拝の折にはお土産にされると珍しく喜ばれると思います。

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暁天講座 -天龍寺-


140724.jpg
おはようございます。
天龍寺さんにて今週末に開催される暁天講座のおしらせです。

 


第一日目 : 平成26年7月26日(土)
第二日目 : 平成26年7月27日(日)

午前6時 ~ 午前7時 : 坐禅 (天龍寺 大方丈)
午前7時 ~ 午前8時 : 提唱 「夢中問答」
天龍寺 管長 佐々木容道老大師 (天龍寺 大方丈)

◇ 提唱からの参加も可能
◇ 参加費無料



両日共、提唱終了後に素麺のご接待があるようです。かの夢窓国師作庭の曹源池庭園を眺めながらいただけるそうな!

この季節には、臨済宗各派の本山にて、一般参加者を対象にしました講座が開かれておりますので要チェックです!!! 既に終わってしまいました本山もありますが、これから開催される情報はなるべくお伝えできればと思っております。
坐禅にご関心ある方は、是非ともこちらもご覧になってみてください。

 

天龍寺さんの季節の花や法要の美しい写真がアップされているツイッターもご覧になってみてください。

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常照皇寺 -京北-

京都市内ではありますが、中心部からおよそ1時間ほど車を走らせた所にあります、常照皇寺(じょうしょうこうじ・臨済宗天龍寺派)を参拝してきました。

140723-1.jpg常照皇寺といえば有名なのが桜。国の天然記念物である「九重桜」、御所から株分けしたといわれる「左近の桜」、一重と八重が一枝に咲く「御車返しの桜」などの名木が揃い、桜の時期には参拝客も多いのだとか。この日参拝してきた事を近くに住む方に伝えると、「今行っても何も無かったでしょ~」と・・・・・・。

140723-2.jpg良きお寺というのは、花や錦が無かろうが良いものです。ちょうど雨上がりの空気が浄められた時に寺に着き、訪れる人もまばらで静寂な境内を心ゆくまで堪能できました。

140723-4.jpgここ常照皇寺は、光厳(こうごん)法皇によって貞治(じょうじ)元年(1362年)に開かれ、歴代天皇の帰依を得た皇室ゆかりの寺です。詫びた山中にあって、伽藍も庭も、その瀟洒なたたずまいは興味深いものでした。

140723-3.jpg天皇は周辺の自然を庭に見立て、寺の裏山を猿帰嶂、滝を白玉泉、山全体を万樹林と名付け、周囲の十勝を選ばれたという言い伝えがあるのだとか。当時からの変遷はいかばかりか想像もつきませんが、山の麓にある境内一帯の環境はおそらくは当時を彷彿させるものがあり、山と一体になった庭を見ていると、時間がたつのも感じなくなるかのよう。

140723-5.jpgこのお庭、下のように、茅葺き屋根の方丈から見る事ができます。そしてなんとご本尊の釈迦如来立像は、方丈の天井近くの鴨居上の仏壇に祀られ、我々を見守ってくださっています。

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そして、怡雲庵(いうんあん・開山堂)。
釈迦三尊に加え、来迎の阿弥陀三尊が16羅漢と共に祀られています。阿弥陀様の脇侍仏は美しい雲坐に乗り、それは美しいお顔をされていて、是非とも直に拝みたいと思っていたのが、この日叶いました。
さらに、お堂の奥には落飾後の光厳法皇の坐像が鎮座。生きてらっしゃるかのような気配をどうしても感じてしまい、言葉を失いました。

140723-8.jpg最後に、裏山の自然道へ。このような景色が広がっていましたよ。ただ、雨あがりの後は滑りますのと、身体を温める為か、まむしが!出てきていましたので、要注意でした。

常照皇寺。どの季節の参拝でもお勧めします。

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そうだ 京都、行こう。


140722.jpg関西人は意外と「そうだ 京都、行こう。」のポスターを見る機会が少ないのではないでしょうか?!
特にテレビも見ない私にとっては(宣伝では流れているのでしょうか?)、新幹線に乗る時くらいしか見る機会がありません。なんと今年の夏は、萬福寺さんではないですか!先日新幹線ホームでみかけて、とても嬉しく思いました。
黄檗山萬福寺といえば、禅宗の一つ、黄檗宗の本山です。研究所もいつもお世話になっております。
中国風の伽藍が皆さまには珍しく、興味を持たれるのではないでしょうか。是非お参りなさってみてください。

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平林寺の庭

 

 

140711-1.jpg野火止平林寺さんのご紹介が続きます。今回は立派なお庭です。
そもそも禅の庭は、修行僧達のものでありまして・・・。雲水さんが修行される僧堂内にありますので一般拝観はなさっていませんが、法要でいらっしゃる方達の、お庭をご覧になられる際の感嘆の声を聞きつつ、仕事をさせていただいておりました。

140711-2.jpg約千坪!の地泉回遊式庭園。江戸中期の作庭と伝えられ、県の「名勝」にも指定されているそうです。
新しく石組みがなされている箇所は、前住職の野々村玄龍老師の指示により作られたのだとか。ダイナミックな大きな流れを感じる事ができます。

140711-3.jpg度々ご住職が作庭に関わられたお庭を拝見する機会に恵まれますが、どのお庭もご住職そのもの。そして、ここが禅宗の庭の一つの大きな特徴ではないかと思えるのが、ご自身が掃除(作務)をなさる為、掃除のしやすい庭である事も大きなポイントなのだそうです。

140711-4.jpg我々一般人が書院などから眺めているのみでは何とも想像しにくいものですが、実際に庭に下りて掃除をしようものなら、その大変さはいかほどか・・・。庭が美しく保たれているその裏には、日々の手入れがある事を忘れてはならないと思いました。

140711-5.jpg以前、とある寺院にお邪魔しました時にも、「あれ、老師がいらっしゃらない・・・」と思っていると、お庭に麦わら帽子で掃除をする人が・・・。庭師かお手伝いの方かな?!と思っていると、その方が振り返られて「おはよう!」と。まさに老師なのでありました。こちらは勝手に「老師様がそんなことを?!」と思うわけでありますが、長年修行をされて来られた方や、禅僧にとっては当たり前の朝飯前でしょうか。禅僧のあるべき良きお姿を拝見させていただきました。

140711-6.jpg禅の庭をご覧になる時は、全てがそうではないかもしれませんが、雲水や僧侶達の修行の為のものである事、お庭を掃除する禅僧の姿なども想い浮かべてみると、また違った見方もできて興味深いものです。
夏椿は、散っても掃除せずに、少しの間だ眺めていたいものですね。彼らもそう思っているのでしょうか・・・・・・。

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平林寺の花

 

 

140710-1.jpg

昨日ご紹介しました、野火止平林寺。境内でみつけた花たちです。雨あがりでイキイキしていました。まずは擬宝珠の花(上・下写真)。

140710-2.jpg140710-3.jpg山紫陽花。楚々とした風情が美しく、茶花によく使われます。

140710-4.jpg立派な夏椿の木があり、周りには落ちた花が。

140710-5.jpgピントが合っていませんが、ねじ花です。別名、もぢずり。

140710-6.jpg秋海棠も咲きかけていました。お寺には、茶花として生けられるような花が豊富。お庭をめぐっていても飽きるという事がありません。寺院参拝の折には、花にも注目してみてくださいね。

140710-7.jpgおまけ。この子達は毎日庭に遊びに来ているようでした。このお庭を遊び場にとは、センスが良いですねぇ。毎日会っていれば、手から餌でも食べるようになるのではないか?!と思いつつ、彼らの行動を目で追い、楽しませてもらいました。

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平林寺 -埼玉県野火止-


140709-1.jpg埼玉県新座市は野火止にあります平林寺さんに、宝物調査でお邪魔していました。
境内の林が国指定天然記念物に指定されているとの事ですが、その広大な敷地に、入り口すらわからずうろうろしてしまいました。

140709-2.jpg平林寺は、修行僧が修行をする僧堂でもありますので、参拝できる範囲は限られていますが、立派な伽藍を見つつ、広大な林を散歩するだけでも心洗われる事と思います。
現在は青もみじが楽しめますが、秋の紅葉の素晴らしさはいかばかりか・・・・・・と思いました。

140709-3.jpg140709-4.jpg上写真でご紹介した所は、参拝&散策可能です。

歌によく読まれた“武蔵野”。現在は家が建ち並び昔の風情は無くなっていますが、平林寺さんに参りますと、昔の武蔵野の雰囲気を味わえるかのよう。
茶道の稽古でお床にかかる軸にある歌を思い出し、なるほどと思いました。

茶の道は 辿るに広し 武蔵野の 奥ぞゆかしき 月のすむなり

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永保寺 ー岐阜県多治見市ー

 

140702-1.jpg岐阜県は多治見市にあります、臨済宗南禅寺派の永保寺さんを参拝しました。
永保寺さんは個人的に何度かお邪魔しておりますのと、お庭や伽藍の素晴らしさから、皆さまにも是非ご参拝いただきたく、禅と文化の旅でもお邪魔させていただきました、私にとってなじみ深いお寺です。

140702-2.jpg今年は5月中旬にも多治見を訪れましたが、毛虫が大量発生しており、傘をささずにはいられないほどに毛虫だらけ・・・。上から、下まで、毛虫の世界でした。
もちろん永保寺さんも毛虫にとっては天国。。。 この時の景色をまた見ようと山を登りましたが、歩みを進めると多くの蛾が飛び立ち、まだ蛾になっていない毛虫が足下にもたくさん・・・。なかなかに大変な道のりでした。
毛虫に食べ尽くされて、6月だというのに全く葉っぱの無くなってしまった冬の枯れ木のようなありさまの木の痛々しい事・・・。かといって毛虫が悪いわけでもなく。
異常気象や、こういった異常発生など自然現象の原因は、全て人間にあるような気がしますので、なんとなく苦々しい気持ちでした。

140702-3.jpgそれでも、登ってゆくとこの景色。こちらは僧堂でもありますので、修行された雲水さんの中には、恐らくこちらで坐禅などを組まれた方もいるのであろうと、清々しい気持ちになりました。

永保寺さんでは結婚式もされているようですが、“結婚式会場”としてどれだけお金をかけて豪勢に作られた施設よりも、私はこちらの“ほんもの”の建造物、大寺院として選ばれた、土地のエネルギーが高い場所での方が良いなと思います。宣伝をと思ったわけでもないのですが、お近くの方はいかがでしょうか。

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観音懺法 -相国寺-


140618-1.jpg生きていればどうしても犯してしまう罪を悔い改める為、懺悔の力によって仏の心を取り戻そうとするのが、懺法(せんぽう)という儀式なのだそうです(詳しい説明は相国寺のHPをご覧ください)。
毎年6月の17日に大本山相国寺にて執り行われる観音懺法に、初めてお邪魔して参りました。

相国寺の観音懺法は、鎌倉時代の渡来僧、仁恭石梁(せきりょうにんきょう)と清拙正澄(せいせつしょうちょう)、そして夢窓国師の三大老の協作とされる儀礼ということで、中国宋代の禅の儀礼の様式を色濃く反映しているわけです。お茶をされる方はよくご存知の四頭茶会もしかり、美しく調えられたしつらえや僧侶の所作に、日本文化や日本の様式美が受けた影響は計り知れないものがあるな・・・・・・などと思いつつ、絶え間なく続く相国寺特有の梵唄(ぼんばい・声明のこと)に身心をゆだね、自らを省みる時間をいただく事ができました。

140618-2.jpg観音様に罪穢れを発露悔過するという儀式では、やはり東大寺のお水取り(十一面悔過)が全国的に有名ですが、禅宗にもあるわけであります!妙心寺さんや円覚寺さんでは、山門懺法といって、山門の上で執り行われるのだそうです。
今月末神社で行なわれる夏越の大祓では茅の輪をくぐり、半年の罪穢れを落とさせていただき、また来たる半年の無病息災を願うわけで、神仏両方にせっせとお参りする自身に、日本の信仰の面白さを見ています。

*写真撮影は許可をいただいております。

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浜松 方広寺さんへ

 

140604-1.jpg様々なお仕事で趣く禅宗の寺院。
私にとってこれは学びでもあり、趣味でもあり、もちろん一番の目的はお仕事をする為ではあるのですが、毎度楽しみにお邪魔させていただいています。
先日は静岡県は浜松にあります臨済宗の大本山・方広寺さんへ。

140604-2.jpgちょうどご本尊が修復を終え、東京国立博物館でのお披露目も終わりご帰還、ご開帳との由。お仕事後に拝ませていただき、さらに山内を拝観させていただきました。

140604-4.jpg山の斜面を利用して建てられている為、諸堂のおもむきはまた他の本山とは違っています。山を登って眺める屋根の峰には圧巻!そして本堂はご覧のとおり、石垣を築き上げた上にお堂が。

140604-5.jpg元々はこのあたりの土地の神様でもあった半僧坊大権現もお祀りされています。面白いいわれがありますので、是非この頁をご覧ください。開山様との面白いエピソードが掲載されています。
浜松には他にも小堀遠州作庭の庭で有名な龍潭寺、他宗にもお庭で有名な寺などがあります。浜名湖花博とあわせて是非お参りください。

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道前慈明老師が語る「和食 底流に禅の教え」 -読売新聞より-

 

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5月20日の読売新聞夕刊の「今を語る-宗教者の視点」に、臨済宗永源寺派管長・道前慈明老師が、禅の僧堂での食というものについて語っておられます。

語っておられる事は我々に食の大切さを改めてみつめさせてくださるのはもちろんの事ですが、語らずとも、そのお顔の表情やお肌のツヤが、老師の日々のくらしを物語っていますね。


写真をクリックしていただきますと大きくなりますので、是非ご高覧くださいませ。

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南禅院

 

140515-1.jpg亀山法皇廟

お天気も良く、新緑がまばゆいばかりの休日。南禅寺三門を参拝した後は、南禅寺発祥の地・南禅院へ。

こちらは、亀山天皇が出家され法皇となられた際に、離宮を寄進し、大明国師(無関普門禅師をお迎えになられて禅寺を作られた、まさに現在の南禅寺発祥の地であります。

140515-2.jpgそんな亀山天皇が、大明国師に帰依するきっかけとなったエピソードが紹介されていました。天皇が離宮にお暮らしになられていた折、夜な夜な現れる妖怪?!に悩まされるようになり、なんとか解決をと大明国師に白羽の矢が立ちます。
国師が雲水を連れてやってきて、粥を食し、坐禅をしただけで妖怪は出なくなったとの事。ただただ、僧堂での生活を離宮内でやってのけたら妖怪は消え失せた?!さて、どういう事でしょう?!

140515.jpg一山国師塔

それはお考えいただくとして、南禅院には、鎌倉時代末の代表的池泉回遊式庭園が現存しています。周りの山と一体になって我々を包み込むかのような庭で一服。亀山上皇が作庭をされ、夢窓国師が石を配したと伝わり、西芳寺や天龍寺の庭園の原点ともなった庭だとの事。

140515-3.jpg南禅院までの参拝路もまた興味深く。水路閣を上から見る事ができます。当たり前ですが、本当に水が流れているのを見ると、いつも「おぉっ・・・」と驚いてしまいますね。

140515-4.jpg本山を訪れますと、本山そのものの参拝から、各塔頭、三門や美術館のあるところは美術館も。参拝してそれらを見て感じるのも一興ですが、歴史や詳しい事をお知りになりたい場合は、弊所刊行の『禅の寺-臨済宗・黄檗宗15本山と開山禅師-をオススメします!

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2014年度 サンガセミナー開催のおしらせ

 

140508.jpg曹源池庭園 天龍寺

昨年にひきつづき、今年度もサンガセミナー、7講座を開講致します。

まずは第一弾、6月24日(火)“禅の庭入門講座(室町・鎌倉編)”です。

京都造形芸術大学講師・町田香先生をお迎えして、日本庭園の流れのなかで、禅の庭がどのように発生してきたのか、禅の庭が時代毎にどのように展開してきたのか等、まずは午前中に座学にて、庭の歴史、その特徴などを学びます。
お昼は精進料理をいただき、午後からは実際に庭を訪ね、学んだ事を基に庭を観てみましょう。何も知らずに観る庭ももちろん良いものですが、知る事によってまた違った味わい、楽しみが芽生える事と存じます。

第一回目は、室町・鎌倉時代のお庭についてを学びます(第二回目の来年度は、江戸、近代の庭を予定しています)。
金額は昼食、移動費用込みで9000円。スケジュールは下記。ご参加お待ち申し上げております。
お申込はこちらからどうぞ。


*天龍寺拝観受付に、9時45分に集合。
10:00~11:30 座学で講義
11:40~12:40 天龍寺直営精進料理店「篩月」にて昼食(料金は参加費に含みます)
12:45~13:30 天龍寺 曹源池庭園&百花苑参拝
→大徳寺へ移動(タクシーを利用・料金を含みます)
14:15~15:00 真珠庵参拝
15:10~15:40 芳春院参拝

 

禅と文化の旅、お申込受付中です!

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東慶寺 「吉岡コレクション 更紗展」

 

140507-1.jpg弊所の書籍を置いて下さっている書店様への営業の為、東京・神奈川へ行って参りました。書店を廻っていると、土地柄や、今どのような本が主流になっているのかなど、様々な気づきがあります。

140507-2.jpgさて、せっかく東へと赴くのであれば・・・と、是非とも拝見しておきたかった、鎌倉は東慶寺さんにて開催中の「吉岡コレクション 更紗展」にお邪魔して参りました。

140507-3.jpg東慶寺では花も楽しみの一つ。シャガの群生は光を浴びて」妖精のよう。

更紗の色の深さは、インドやインドネシア等の歴史、文化の深みそのもの。文様もそれぞれに面白く印象的で、日本人に古来より愛され、時を経てお寺の静かな宝蔵で今私が拝見できる不思議を思いました。世界各国に様々な織や染色が残りますが、更紗ほどひきつけられるものはありません。

140507-4.jpg十二単が群生していました

この日は境内にあるお茶室で茶会も開かれており、宝蔵隣にあるショップにもセンスの良い素敵な便箋や小物が揃っていました。うちの書籍も置いていただいていますよ!!!

140507-5.jpg大好きな花が!白雪芥子です

お寺が文化を守り、さらにそれだけではなく縁の下の力持ちとなって文化の発展に貢献する姿がこちらにはあり、素晴らしい例を目の当たりにしました。やはり、ほんものを見て、感じての感動なかりせば、到底守ってはゆけぬものと思いました。

140507-6.jpg珍しい翁草も咲いていました


東慶寺の寺庭・井上米輝子さんの生けられる花や、四季折々のしつらえ、お料理の大ファンです。出版なさった本のページをめくりながら、いつもうっとり、お手本にさせていただいたりしています。近くでしたら、足繁く通いたいお寺なのでした。
お近くの方は是非ともご参拝なさってみてください。


禅と文化の旅サンガセミナー、申し込み受付中です!

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朝の建仁寺にて

 

140422-1.jpg建仁寺で行なわれた栄西禅師遠諱記念の坐禅会にお邪魔してきました。

140422-2.jpgまるで冬に戻ったかのような寒い朝でしたが、引き締まった空気の中に響く警策の音は清々しいですね。

140422-3.jpg続いて厳かに栄西禅師の降誕会法要。

140422-4.jpgさらに、駒澤大学・花園大学兼任講師の舘隆志先生による講義を拝聴しました。お話は、栄西禅師の著書『未来記』を軸にしたもの。『未来期』の評価の変遷を見ながら、歴史の中で「日本禅宗の祖」という概念がどう変化していったのか、豊富な史料を用いてわかりやすく教えていただくことができました。

140422-5.jpg会場では、季刊『禅文化』最新号(232号・特集「栄西禅師と建仁寺」)の先行販売もさせていただいたのですが、お陰さまでさっそく多数の方にお求めいただき、本当にありがたいことでした。

140422-6.jpgちなみに、建仁寺のお坊様がたが、通りすがりに「お!」と反応されていたのが表紙。一般にはあまり馴染みがない絵画ですが、いまも建仁寺の大事な法要に現役で用いられている絵を取り上げました。この絵についても、表紙解説で詳しくご紹介しています!舘隆志先生の論文も収録しておりますので、ご興味おありの方は宜しくお願い致します。

お求めはこちらから宜しくお願い致します。

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縁あって和歌山のお寺の津送に

今年の一月に本ブログに別のスタッフが記事にしていますが、和歌山県のとあるお寺の寺史と建物や什物の写真を一冊にまとめた本を委託され、現在制作にあたっています。

そんなおり、このお寺の閑栖和尚様が遷化されました。このお仕事のご縁があって、私どもも津送に拜請をいただきましたので、片隅に参列させていただきました。

遠路のこともあって前日よりお招きいただき、シーズンオフの白浜温泉で一泊。目の前の太平洋は、凪いてなんとも静かでした。

2014-04-16-17.42.45.jpg

翌朝、お寺へ移動すると、各地から多くの僧侶、檀信徒、親類縁者がお集まりになっていました。見知ったお顔の方もおられ、旧交を深められているように思いました。これも亡き閑栖さまのご縁だろうと思います。

2014-04-17-09.37.56.jpg津送として、元粛に三仏事が執り行われましたが、秉炬導師は南禅寺派管長の香南軒中村文峰老師がおつとめになられました。もう85歳かと思われますが、香語の最後の一喝は力強い気迫を感じられました。
一旦退堂して、新忌斎という、いわゆる四十九日の法要も営まれ、無事円上。終わって出斎となり、小田長の精進料理をご馳走になりました。

滋賀の自坊のつもりで冬衣にウールの白衣で出頭してしまった私は、式中、汗ばむほど。そういや和歌山は暖かいのでした。

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栄西禅師八百年大遠諱記念行事 -建仁寺-

 

140414.png今年は、建仁寺の開山・栄西禅師の八百年大遠諱。まもなく発行の『禅文化』232号(4月号)でも巻頭で特集させていただいております。

関連の催事も始まっていますね。
東京国立博物館で開催中の「栄西と建仁寺」展も好評を博しているそうですが、来たる4月19、20日には、建仁寺にて記念行事「大衆報恩坐禅会」が行なわれますよ。
両日とも朝8:00からの坐禅に続いて栄西禅師降誕会のお勤めがあり、最後は記念講演という充実した内容です。

【講演】
4月19日:「護国の禅」/玄侑宗久師(臨済宗妙心寺派福聚寺住職・作家)
4月20日:「栄西禅師の未来記と蘭渓道隆」/舘隆志師(駒澤大学・花園大学兼任講師)

なお20日は、季刊『禅文化』最新号を発売に先がけて会場で販売させていただきます。
当日講演される舘隆志先生の論文や、「栄西と建仁寺」展を担当された田沢裕賀先生(東京国立博物館 絵画・彫刻室長)による建仁寺寺宝の解説も収録しています。
さまざまな角度から「栄西禅師と建仁寺」をご紹介する一冊となりましたので、記念の年にお手に取っていただければ幸いです。

宜しくお願いいたします。

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WaSa-B 寺院コンサートVol.1 (於・妙心寺大雄院)

 

140411.jpg来たる2014年4月26日(土)、妙心寺塔頭の大雄院にて、WaSa-Bという音楽ユニットのコンサートが開かれます。
このユニットは斎藤孝太郎(チェロ)と和田健一郎(ギター)のお二人で、斎藤さんは、映画「おくりびと」で本木雅弘にチェロの演技指導を行なった人です。
WaSa-Bのプロフィールによると、「和のテイストを大切にし、多彩な色彩や奥行き、スピードなどをチェロとギターによる音楽で表現するアコースティックユニット。"犬猫殺処分ゼロをめざしたチャリティー」なども積極的に参加。」とあります。
苔むした緑豊かな大雄院の庭の前で、音色と歌声を楽しめたらいいですね。
上の画像をクリックして拡大してみていただければ、問い合わせ先などが記されています。


*おしらせ
本年最初の“禅と文化の旅”は、6月4日(水)開催が決定致しました。詳細につきましてはまた後日おしらせさせていただきます。

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春はあけぼの -早朝の天龍寺参拝-


140408-1.jpg朝の早い時間に、天龍寺さんにお邪魔してきました。
この時期の百花苑の桜を初めとする様々な花々は、まさに百花というにふさわしい華やかさです。

140408-2.jpgおよそ樹齢70年から80年くらいのしだれ桜がそれは見事。

140408-3.jpg柔らかな桜色が、青空に映えます。

140408-4.jpg百花春至為誰開。

140408-5.jpg百花苑の山を登ってゆくと、遠くに比叡山まで望むことができます。まさに絶景。

140408-6.jpg桜とお寺の屋根を上から眺むるという不思議。

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何度来ても感嘆のため息がもれます。開山夢窓国師作庭・曹源池庭園。雲水の修行の為にある庭。今も夜にはこの庭の前で雲水が夜坐をします。まさに、生きている庭です。夜に坐り、時間がたってくると、ぼぉっと浮き上がって見えてくるそうな。これは修行を経験した方にしかわからない特権ですね。

天龍寺さんは朝8時半から参拝できます。早起きは三文以上の徳。是非とも朝一番にご参拝なさってみてください。


追伸
本日はとてもおめでたい日ですので、花でブログを飾ってみました。

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相国寺 春の特別拝観

 

140403.jpg相国寺さんでは、6月4日まで特別拝観をされています。
法堂(重文)・方丈・浴室(宣明)の3カ所が公開中とのこと。相国寺さんの法堂の龍図は、鳴き龍で有名ですね。皆さまも龍の声、お聞きになってみてください。

また、方丈は屋根瓦葺替など3年間の修復を経ての初公開。日本の職人の仕事が受け継がれるのは、こういった寺院の修復があってこそといえます。真新しく清々しい姿に感動します。

裏方丈庭園の九重桜もそろそろでしょうか。是非御参拝なさってみてください。
詳しい参拝情報はこちらからどうぞ。

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無量寺 ―南紀串本―

 


140327-1.jpg2011年のMIHO MUSEUMでの展観
を観て以来、いつか必ずや訪れてみたいと思っていました、円山応挙、長沢芦雪ゆかりの寺、南紀串本にある臨済宗東福寺派の無量寺さん。


140327-2.jpg樹齢は?!南国の寺らしく、巨大な蘇鉄です

宝永4年(1707年)の地震による大津波で全壊・流失。その地震と津波より時を経る事79年、天明6年(1786)に、白隠下の文保愚海和尚が、現在の地に本堂再建の悲願を果たされたのだとか。
その再建に際し、かねてより親交のあった円山応挙に本堂の襖絵等の制作を依頼するものの、都で引く手あまたの人気絵師。さらに年齢の事もあり、祝いに障壁画12面を描きましたが、その他の仕事を一番弟子の芦雪に託しました。

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芦雪は、約十ヶ月間の南紀滞在中に、270点余りもの絵を描いたのだとか。MIHO MUSEUMにてその秀作に出会う機会を得たおかげで、実際に串本に足を運び、その土地の太陽や海、山々、大自然の圧倒的な美しさに触れ、芦雪が如何にこちらの寺で自由に創作に励んだのかを伺い知る事ができました。

140327-4.jpg美術館などでこれだと思うものに出会えば、その作品の描かれた土地を訪れると、より深く自分の中に入ってきますね。足を運んでみる事の尊さを、改めて感慨深く思ったのでした。

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開山栄西禅師800年遠諱特別展 栄西と建仁寺 ―東京国立博物館―

 

140319.jpg本年、開山栄西禅師の遠諱の正当年を迎えておられます建仁寺さん。
その特別展が、東京国立博物館にて、3月25日(火)より開催されます。今回は巡回は無く、東京のみでの開催の模様。これは期間中に是非とも足を運ばねばなりません。

国宝風神雷神図屏風やその他数々の禅宗最古の寺院の宝物がおめみえ。なかなかに無い機会です。

建仁寺さんでの遠諱行事、こちらの展覧会では、遠諱に因んだ講演会や坐禅会など、さまざまな行事が開催されます。
詳しくは建仁寺公式HPと、東京国立博物館のHPをご覧ください。

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恵林寺宝物調査


140314-1.jpg既に2月末の話となってしまいましたが・・・・・・。

山梨県の恵林寺さんに宝物調査でお邪魔しました。大雪の後でしたのでどうなることかと思いましたが、道路の雪は解け、無事にたどり着き、調査を終える事ができました。
いつもの雪の風情・・・というものからはほど遠い観測史上最多となる積雪にみまわれ、参拝も中止、近くの葡萄園のビニールハウスも倒壊したりと被害が出たようでした。果樹たちも大雪にびっくりした事でしょうが、昨年来た時のような実りをどうか今年も見せてくれるよう願わずにはいられませんでした。

140314-2.jpg美しい庭をすっぽりかくしてしまうほどの雪は、我々に降り積もる煩悩の多さを思いおこさせました。

140314-3.jpg今年の秋頃には、花園大学歴史博物館にて、研究所と共催で『恵林寺展』が開催できるかと存じます。またご案内させていただきます。

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東福寺涅槃会のごあんない


140313.jpg東福寺さんにて、涅槃会の法要が執り行われます。特筆すべきは明兆作の大涅槃図が公開される事!!!皆さま必見です。
美術館でガラスケースごしに拝見するのではなく、実際の法要、儀式でどのように軸が使われているのかをご覧いただきたいものです。

さらに、国宝三門と龍吟庵も特別公開、方丈では寺宝展が開催中。
私も昨年お邪魔してきましたが、臨済宗本山でも随一の伽藍を誇る東福寺さんだけあって、三門も圧巻でした。係の方のお話も非常に詳しく面白く、ご関心無い方にもきっと興味深く参拝いただける事と存じます。
詳しくは東福寺公式サイトをご覧ください。

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心の洗濯

 

140307.jpg毎月第4土曜日にとある坐禅会に参加させていただいてます。
坐禅はしてみたいものの、朝6時からの早朝坐禅に参加するまでの気合いがなく調べていたところ、朝9時からの坐禅会がを見つけ、参加するようになり早5回・・・・・・。

毎回20人~25人程お見えでしょうか。
年齢層は結構高く、60歳前後の方が多いようにみうけられます。お話を伺っておりますと、10年ほど通ってるという方もおいでになり、みなさん年季が入っておられます。

坐禅会は朝9時開始で、本堂にてお経を唱えてからご住職の法話があります。今回は「坐水月道場 修空花萬行」という禅語に関しての法話でした。
日々ダラダラと過ごすの私にとっては反省しきりです。

法話が終わるといよいよ坐禅です。ところが、両足があがらず半跏での坐禅・・・・・・。呼吸法の数息観も教わり、格好だけは「坐禅しています!」というふうに見えますが、実際は、肩に力が入ったり、姿勢が悪く猫背になってきたり、外の音や声が気になったりで、なかなか集中することができません。
休憩をはさみ2回坐禅を組みますが、日によって短く感じたり長く感じたりしています。みなさん「始めは皆そうやから気にしないで」とお話下さいますが、いつになっら落ち着くことやら・・・・・・。

坐禅の後はお抹茶をいただきます。ご住職がお茶を点てて下さり、お手製のお茶菓子もいただき、坐禅で固まった気持ちと躰がまったりと解れていきます。

お抹茶をいただいている間に、座敷では几が並べられ写経の時間です。
皆さん慣れておられるので、書かれるスピードの速いこと!
筆を持つのは何十年ぶりの私にとっては、またまた肩に力が入ることになるのです。

写経が終わるのが11時30分頃でしょうか、写経几をかたづけ今度は毛氈を引きます。待望のお食事です!実は坐禅の時にお味噌汁や煮しめの香りが漂ってきて、ますます散漫になってしまうのです。
お食事は精進料理をいただきます。一汁三菜どれも美味しく、お皿が空くと、「おかわりいかが?」と声をかけてくださいますが、「待ってました!」とばかりに遠慮もせずさっと出してしまう。これが太る原因ですね。

お食事はお話しながら、とても良い雰囲気でいただき、先日の坐禅会では「この食事が楽しみで長年通ってます」とお話されている方もおられました。12時過ぎに坐禅会は終了となります。

坐禅会の時だけでなく、家にいる時に少しの時間でも坐禅を組んで気持ちを整える事ができるようにと思っています。

*各地で開催されている坐禅会情報はこちらをご参考に!

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祖師像のいわれ

「開山堂の開山様の木像は、何年に作られたものなのか」という質問が舞い込んだので、少し調べてみた。

この開山堂というのは、妙心寺の微笑庵のことで、その堂内に関山慧玄禅師の木像が安置されている。結論から言えば、この木像は、大永八年(1528)に彫られたものである。開山の遷化が、延文五年(1360)なので、没後約170年に作られたことになる。
よって、山内の衆僧が、誰も開山の尊顔を知らないのは当然である。困ってしまった衆僧はどうしたか。以下、無著道忠の『正法山誌』第一巻「開山尊像」の一文を訓読する。

今、微笑庵の木像、初め彫造の時、面相の拠(よ)る可(べ)き無し。忽(たちま)ち一(ひとり)の老婆有り。一物を袱(つつ)み来たって云(いわ)く、『仏像を買わんと欲(ほつ)せざるや』。衆、之れを取って袱(つつみ)を開いて之れを覧(み)る。一の祖像の面首なり。一衆、之れを買い、以て神授と為(な)す。即ち用いて開山の祖像の面首と為し、肩趺を造り足す。(中略)大永八年。

つまり、一人の老婆が売りに来た、誰のものかも分からない木像の首を買い、それを神からの授かりものと喜んで、これを開山像の首にしたということなのである。まあ何ともいい加減なことだが、誰も開山を見た者はいないのだから、これが現実であろう。

ついでに、あの臨済義玄禅師の形相は、「熱喝瞋拳」のスタイルで描かれるが(臨済禅師・白隠禅師遠諱のポスターにも使われています)、誰も禅師の姿など見たことがないのに、それはどうしてか。これにもいわれがある。

140303.jpg雪竇の持(象田卿公の法嗣)が、径山の大慧宗杲(1089~1163)を訪ね、大慧と雪竇と相与(あいとも)に画工が臨済の像を図(えが)くを観(み)る次(おり)、持、且つ其の本(モデル)を伝えんと欲す。大慧、為に肘(ひじ)を謠氏iかか)げ拳(こぶし)を蜊」(つ)くの勢(すがた)を作(な)さしむ。(中略)其の後、諸方に頂相を画(えが)くこと有れば、顰(ひそみ)に効(なら)って、肘を露(あら)わし拳を握るの状(すがた)を作(な)す」(『雲臥紀談』巻上)と。

祖師がたは沒蹤跡(もっしょうせき)に徹するが、それを形に現わしたいのが法孫のさがであろう。いつの世でもアイドルを求めるのは、変わりがないようである。

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我が師を語る -東福寺管長・円覚寺管長-

140213.jpg研究所が毎年作らせていただいているカレンダー。
来年2015年は、小池心叟老師の書画カレンダーを制作予定です(昨年末には撮影の為、東京の白山道場(龍雲院)にもお邪魔してきました)。

そんなご縁から、小池心叟老師を得度の師とされるお二方、東福寺管長・遠藤楚石老師と、円覚寺管長・横田南嶺老師に、先日東福寺にてお話を拝聴しました。

老師方がご自身の師匠について語られるのを直接拝聴できるのは、私にとりましても、多くの学びや気づきが訪れる至福の時間となります。
「老師のお側近くにはべる事は、大自然の中に身を置いた時の学びと似通っているなぁ・・・・・・」と思いました。老師ご自身がまさに大自然そのもののよう!

この対談のようすは、少し先になりますが、季刊『禅文化』の秋号(2014年10月25日発刊予定)にて掲載予定です。おたのしみに!

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「北奥耕一郎の世界」と、いつかの法話

 

140210.jpg京都を中心にご活躍中の写真家・北奥耕一郎先生の作品を拝見し、10年ほど前に聞いた法話を思い出した次第です。

「心の余裕がない人は、定点観測を始めましょう」というお話でした。通勤途中にある一本の木でも、駅のホームから見上げる空でもいい。ほんのひとときであれ、あるものをじっと観察する習慣に意味がある。毎日繰り返すうちに、今まで見逃していた小さな変化、ちょっとした美しさに気づけるようになってくると、それがやがて心の余裕にも繋がっていくのです――。

日差しの変化、雲の表情、葉っぱに落ちた露の動き……。禅刹の四季を追った写真を眺めながら、法話とともに、いつも穏やかな先生のお顔も浮かびました。

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由良の興国寺 -和歌山の名刹-

 

140129-1.jpg一般的に、醤油や味噌発祥の地として有名な和歌山県の由良町。
そもそもそれは、興国寺(臨済宗妙心寺派)の開山である、心地覚心(法燈国師)が宋から仏法を学び帰国される際に、一緒に金山寺味噌の製造手法を持ち帰り、それが醤油味噌の誕生のきっかけになったという事です。

140129-2.jpg私にとって興国寺は、岐阜の正眼寺の山川宗玄老師が兼務される寺院として色々とお話を伺った思い出、そして円覚寺管長・横田南嶺老師が中学生の頃、当時住職であった目黒絶海老師に参禅され、初めての公案として、「あなたの心をここへ持ってきなさい」と言われたお話を拝聴した事から、印象深いお寺として記憶されていたのでした。

140129-3.jpg南国独特の明るくパワー溢れる太陽、そして、まるで背後の山から龍がおりてきて、そのまま海へとかえってゆくのではないか・・・と思われるような素晴らしい気の溢れる山内。感動しました。

 

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成道会

 

131210-1.jpg12月8日(日)には、各寺院にて、成道会の法要が厳かに執り行われていた事と存じます。

私めは、さぞかし紅葉も綺麗であろうとふらりとでかけた大徳僧堂にて、ぴしゃりと閉じた門と、そこにあった張り紙に「そうか、今日は12月1日だった・・・」と、身が引き締まる思いがしたものです(それを見るまで呑気な事で忘れていました、申し訳ないことです)。

そして、ほぼ毎日のように老師の提唱を掲載してくださる居士林だより(円覚寺さんのブログです)を拝読し、朝あたたかいベッドの中で目覚める度に、「あぁ、布団から出たくない」と一瞬は思うのですが、その思いを吹き飛ばし、「いや、雲水さんは横にもならずに寒い所で坐禅を続けておられるのだな・・・有り難い事だ、それにひきかえ私はどうであろう・・・」と思ったものでした。

131210-2.jpg寒さや膝の痛み、眠気、妄想、極限まで坐れば、それらはどのように自分の中で変化を見せるのでしょう。雲水さんにインタビューとはなかなかできぬ事ではありますが、興味がありますね。お聞きしてみたいものです。

 

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白山道場の小池心叟老師


20131119-1.jpg

東京は文京区白山に龍雲院というお寺があります。
しかし、龍雲院という名前よりも「白山道場」として知られているのではないでしょうか。あの山本玄峰老師がここで「正修会」という坐禅会をもたれ、井上日召や田中清玄といった人たちが参禅していました。のちに法を嗣ぐ中川宋淵老師が山本玄峰老師と初めて出会われたのもこの白山道場です。

さて、ここに平成18年12月9日に世寿92をもって鬼籍に入られた南華室小池心叟老師が住まわれていました。京都建仁寺の竹田益州老師の膝下で長く修行され、湊素堂老師とともに、その法を嗣がれたお一人です。
湊素堂老師は、益州老師の後をとって、建仁寺僧堂師家、そして建仁寺管長と出世されましたが、この小池心叟老師は、ずっと白山道場に住まわれここを離れられることはなかったといいます。
この小池心叟老師を慕われて学生時代にここで起居されていたのが、現東福寺派管長の遠藤楚石老師と、現円覚寺派管長の横田南嶺老師です。心叟老師ご自身はここで寓居されてはいましたが、偉大な二人の管長を輩出された老師なのです。

この小池心叟老師は、とてもすばらしい書画を残されていることを、このたび縁があり知らされました。そして、禅文化研究所のカレンダーに使わせてもらえないかと考え、先般、研究所より車に撮影機材を積み込んで白山道場を訪ねました。

円覚寺の横田南嶺老師が兼務なさっていることもあり、お手持ちの心叟老師の墨蹟を出して頂き、また、関係寺院や近隣におられる白山道場の坐禅会の旧いメンバーからも墨蹟をお持ちいただき、115点もの写真を撮影させて頂きました。

何度もご覧になっているであろう墨蹟ですが、軸が変わる度に、「おお、これは若書きだ」とか、「この繊細な線がよく書けるものだ」とか、お弟子である南嶺老師はじめ、お集まりの皆さんからいろいろな言葉が漏れていました。

20131119-2.jpg

心叟老師がこの龍雲院に住まわれたときには、現在の庫裏の座敷が本堂で、床の間を内陣とされていてご本尊をお祀りされ、大変質素な生活をされていたそうで、なんでこんなところに住むことになったのだろうと、どこかに出ることを何度も考えられていたとのことでした。
物乞いが訪ねてきた時にも、「何かあげたいのだが、このとおり、このお寺には何もない。申し訳ないね」と払われたところ、あとでその物乞いがもどってきて「困ったときはお互い様だ」とリンゴを一つ置いていったという逸話も残っているとか。
その後、白山道場として坐禅会をはじめられ、多くの在家が坐禅を組みに集まりだし、今のような本堂もできたといいます。

さて、2015年のカレンダーが心叟老師の書で制作できるか、さっそくこれから調整です。

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東北の被災地を再訪 2

日没の早い東北の地、初日の夜は盛大に檀家さんたちと酒を酌み交わして楽しみ、また、楽天対巨人の試合を観戦。東北の希望の星である楽天を応援しましたが、初戦は辛くも敗れてしまいました。仙台のホテルは双方を応援する人たちで満員だとか。
半月を観ながら温泉を楽しみ、ゆっくりさせてもらいました。

松島の日の出

翌朝、松島の朝日に気持ちよく目覚めさせてもらい、一路、気仙沼へ。

途中、南三陸町を経由。「南三陸さんさん商店街」で、ちょっと休憩。
前回来たときにはひっそりしていて、まわりには津波で壊れた廃屋ビルがあっただけで、何もなかったのですが、今はそのビルもきれいに取り壊されて駐車場が拡大し、また隣にはホームセンターができていたりして、少し様変わりしていました。
あの防災庁舎はまだ佇んでいましたが、近く取り壊しが決定したとか。今でも取り壊してほしいという声と、残してほしいという声とが入り交じっているようです。
宮城県では津波によって被災したところはほぼ瓦礫は取り除かれ、ところどころにある処理場で重機が分別作業をして、巨大な焼却施設で処理をしているようです。前に来たときには、あちらこちらにあった壊れたビルの多くも跡形もなく片付けられ、またペンキで番号が書かれ積み上げられていた廃車も全く見つけることができませんでした。

またJR気仙沼線は、あちこち分断され見る影もありませんでしたが、今はその一部を舗装して専用バス道路として利用するようになっているそうで、列車に代わる交通手段として、今後はこのままで行くとか。


そして、前回の時にも訪ねたのですが、気仙沼の地福寺様へ到着。

この地福寺のご住職・片山秀光師は、「めげない、にげない、くじけない」をモットーにして震災後にも活発に活動され、復興に向けてのリーダーとしての役割を担っておられます。
また、「海辺の森を作ろう会」という団体の副理事長も務められ、海を防波堤で仕切るのではなく、自然と共生していける環境をつくろうと植樹活動も行なわれています。

まず、境内で片山住職より被災したときのお話を伺いました。前回来たときにはなかったのですが、鐘楼のあとにはお地蔵様が建てられ、また大鐘は、流されていた門柱を再利用して釣り下げられていました。また近くには巨大な瓦礫の処理上があり、大型ダンプがひっきりなしに向かっています。

先の方に海が見えますが、もともとは檀家さんたちの家がびっしり建っていて、ここから海は見えなかったということです。

地福寺 流された鐘楼あとに

ところが、下の写真に書き込んでいるところまで津波は押し寄せ、本堂の中にも流れ込み、隣に建っていた庫裏も「そっくり」流されたとシャレを交えてお話しされましたが、笑って聞いているわけにはいきませんでした。

bz2013_10_27_0117.JPG

本堂にあげていただいて、檀家さんたちとお経をあげ、焼香をさせて頂きました。
本堂の上間と下間には、犠牲になった檀家さん150名のお位牌やお遺骨が、びっしりと祀られておりました。お位牌だけが祀られている方もあり、まだご遺体の見つかっていないのだとうかがいました。
お茶とお菓子でおもてなしいただきながら、気仙沼で撮られた震災当日の津波の動画を見せても頂きましたが、それは目を疑うほどのものでした。


また、海べりにあった墓地は流されてしまったので、最近、下記のような納骨堂を建てられ、墓地の代わりにお参りできるようにされておりました。

新しく構築された地福寺の納骨堂

片山住職と握手をして、復興成就をお祈りしお別れしました。

ところで、今回の旅行は、私の掛搭していた僧堂仲間(仙台のお寺の住職)に紹介してもらった、仙台の「たびクルー」という旅行社社長の佐藤さんにお世話になりました。たしか行程表には添乗員無しとなっていたのにもかかわらず、実際には佐藤さん自らいろいろと便宜を図ってくださって、至れり尽くせりのサービス。宴会場ではお酒の手配も。本物の「おもてなしの心」を感じた次第です。おすすめします。

さて、まだ東北の地を訪れていない方、是非、赴かれることをおすすめします。復興は始まってはいますが、まだまだであることが、現地を訪ねられたらよくわかると思います。

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東北の被災地を再訪 1

去る10月末の土日を利用して、3.11のあの大地震から1年後に訪ねて以来、久しぶりに東北の地を訪ねてきました。
今回は、自坊の新年会で檀家さんに「一緒に東北に行って慰問してきましょう」と募っての1泊2日の団体慰問。団体といっても12名の小さな団体ですが、同行してくれた檀家さんたちには、住職として嬉しく感謝の気持ちで一杯です。
ただ非常に強い台風27・28号が一緒にやってきて、「藤原の効果」などという状況で、台風の進路が危ぶまれ、旅行を中止しなくてはならないかという判断に押し迫れ、やきもきしましたが、台風が東寄りに進んでくれたため、旅行を決行することができた次第。仏天のご加護と感ぜずにはいられません。

さて、自坊を出て伊丹空港から空路、仙台空港へ。空港からは小型の貸し切りバスにて移動です。
仙台空港も津波の被害を受けて、震災直後は大変な状況だったと、現地のバスガイドさんの声。空港の壁の見上げるような位置に津波の到達水位が掲示されています。
小雨が降っていたので、空港近くの閖上(ゆりあげ)地区を車窓から慰問。海に近いので、相当な被害があったとのことです。
案内して下さるガイドさんも石巻出身の方で、自身のお母様が震災時に入院中でしたが、震災により医療機器が正常に使えなかったため、震災後10日でお亡くなりになったとか。知人ご友人のお話もまじえ、2年半が経ったとはいえ、未だ更地のままの被災地を見ながらのお話は、重く心に響きました。

昼食の後、私たちが向かったのは、震災の被害は少なかったという日本三景のひとつ、松島です。

日本三景の一つだからと訪ねたわけではありません。松島といえば瑞巌寺。臨済宗妙心寺派の名刹があります。じつは、自坊の勧請開山は、松島瑞巌寺を中興したあの雲居希膺禅師の弟子にあたります。そういった御縁が瑞巌寺と自坊にはあるのですよと、檀家さんたちに伝えたところ、今までお参りしたときには知りもしなかったとのこと。ぐっと意識も深まったようです。

瑞巌寺参道

さて、参道両側には以前、大きな杉の木がたち並び壮観だったのですが、ごらんのとおり、参道左側はごっそりと杉の木がありません。これは山門近くまで押し寄せた津波により、杉が立ち枯れしてしまったために伐採したあとなのだそうです。

現在、瑞巌寺のご本堂は大改修中。これは震災の前から始まったようですが、まだ数年かかるという大工事。というわけで、仏像やお位牌は庫裏の中に仮本堂として祀られてありますが、その庫裏の前で、私たちの到着を知って、瑞巌寺住職の吉田道彦老大師が親しくお迎え下さいました。

職員の和尚様から懇切丁寧にご案内をいただき、檀家さんたちにもよくわかったことでしょう。そして、何度か瑞巌寺を訪ねている私も初めて目にしたのがこちら。伊達政宗公の正室陽徳院(愛姫)の御霊屋です。これは、本堂や庫裏からは少し離れた、瑞巌僧堂の裏手にあり、本堂の大改修期間中のみ公開されているということですので、瑞巌寺を訪ねられる方には是非ともおすすめしたいところです。
一目見た瞬間、ハッとするほどの豪奢な御霊屋です。まるでお祭りの御神輿のようでした。

瑞巌寺で特別公開されている陽徳院(愛姫)御霊屋陽徳院御霊屋このあと、松島の夕景色を楽しみながら、近くの旅館に一泊し、翌日は気仙沼へと向かいました。

日本三景 松島

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長崎の聖福寺 -黄檗宗のお寺-

 

131009-1.jpg所用で長崎へと行っておりましたので、空いた時間はもちろんお寺めぐり。
長崎といえば、黄檗宗の四福寺が有名です。
崇福寺、興福寺、福済寺、聖福寺。そのうちの聖福寺を訪ねてみました。

131009-2.jpg中国風の文様や吉祥を意味する意匠が随所にみられ、多くの唐人がこの長崎で暮らした時代に思いをはせていると、ふと自分はどこにいるのだろうか・・・とわからなくなるような雰囲気です。長崎の町全体が、そういった異国情緒に溢れていますね。

131009-3.jpg延宝5年(1677)、隠元禅師の高弟木庵(もくあん)の弟子である鉄心(てっしん)により、創建された聖福寺ですが、現在、諸堂の荒廃が進み、修理を必要とされています。
大雄宝殿の修復募金のページもありますので、どうかご協力よろしくお願いいたします。

さらに、以前友人に見せてもらい、いっぺんに虜となりすぐに取り寄せました、聖福寺のご住職が作られる普茶料理の本があります。
写真も、使っている器もとても美しく、色鮮やかな中国風の精進料理は、臨済宗の精進料理とはまた違い、興味深いものです。こちらもどうぞよろしくお願い致します。

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長崎の教会群を世界遺産に!という運動をがんばっておられるようですが、黄檗宗寺院も皆さまお忘れ無きよう宜しくお願い致します!
次回長崎入りする際には、残りの黄檗宗寺院も是非とも訪れてみたいものです。

 

 

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慈照寺の花

 

130927-1.jpg季刊『禅文化』の10月号(230号)より4回にわたり、“慈照寺の花”を取材し、ご紹介させていただく予定です。
本日も、来年1月号の取材の為、慈照寺研修道場にお邪魔していました。

私自身、慈照寺花方・珠寶先生から、花や自然から、そして脈々と受け継がれてきた日本文化の礎ともいえる東山文化から、さまざまなことを学ばせていただき、毎回感動をいただく、とても楽しく有難い取材となっています。
心底そのように思えることを、皆さまにお伝えできる幸せ。
うまくお伝えできるとよいのですが・・・・・・。 季刊『禅文化』をお楽しみに!

【おしらせ】
*珠寶先生による初めての花の書が発刊されました。
『造化自然』
先生の花やことば、厳しさの中にある慈悲の心が見えたとき、目から鱗なのでした。
私の心にまっすぐに飛びこんできた、先生の印象深いお言葉があるのです。
ここでお知らせしてしまうと皆様の気づきや楽しみを奪ってしまいますのでお伝えしませんが、ぜひとも手に取ってご覧になり、感じてみてください。

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南禅寺文化講座

 

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学びの秋。南禅寺さんで文化講座が開催されますのでお知らせします。
来月のご予定に是非ともお加えいただければと思います。

南禅寺さんの公式HPでは、“南禅ショット”と題して、皆さんが南禅寺で撮影された写真を投稿できるようになっておりますので、行かれた方は是非投稿なさってみてくださいね!

ー文化講座詳細ー

日時 平成25年10月26日(土)
会場 南禅寺龍渕閣
開始時刻 9:00 終了時刻 12:30(入場は8:40まで)
入場無料 定員200名

■9:00~9:50
講師 中村文峰老大師 南禅寺派管長 
演題「坐禅和賛」-白隠禅師二百五十年遠諱を前に-
■10:00~11:00
講師 原田正俊氏 関西大学教授
演題「鎌倉時代後期の禅宗と南禅寺」
■11:30~12:30
講師 樫山文枝氏 女優
演題「ひとすじの道~演劇と出会って~」

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円覚寺管長・横田南嶺老師テレビ出演

 

130809.jpg円覚寺 妙香池にて

皆様こんにちは。
明日から18日まで、禅文化研究所は夏期休業とさせていただきます。
本日午前10時までにいただきました書籍のご注文は、本日中の発送とさせていただきますが、それ以降のご注文につきましては、18日以降に順次発送となります。
ご迷惑をおかけ致しますが、どうかご了承くださいませ。

 

さて、そんな夏休み前に大事なご連絡を。

BS朝日「いのちを語る」に、円覚寺管長・横田南嶺老師がご出演なさいます。
前編が8月13日(火)、後編が8月20日(火)で、時間は19:24~19:54の予定です。
変更もあるかもしれません、こちらでご確認くださいませ。

為末大さんが円覚寺をお訪ねになられ、横田管長と“いのち”についてお話になられます。楽しみですね。

横田管長DVDはこちら。書籍はこちらからどうぞ。

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想像という名の翼

研究所に来て初めての夏を迎えました。夏といえば夏休みの自由研究ですが、朝顔の観察と工作は現在も定番なのでしょうか。
さて本日は、最近出会った素敵な制作物のご紹介です。

まずこちら。

unsui.jpg
tendoku.jpg

竹で作られているそうです。デフォルメ具合が絶妙ですが、制作者を聞いてむしろ納得しました。お作りになったのは、現役の雲水さん(おかしな言い方ですが)だそうです。さすが、日頃の行き届いた観察が作品に表れているのでしょうね。
なんでもこの僧堂では、夏の施餓鬼の際に工作大会が行われるとのことで、作品制作にあたっての唯一の条件は、「僧堂内にあるものだけを使用すること」。竹や廃材、包装紙などいったん本来の役目を終えたモノが、雲水さん達の想像力によって蘇った作品はいずれも素晴らしく、感心するばかりでした。


想像力といえば、この作品もぜひ。

kinkakusoto.jpg

「PIECE of PEACE」という展覧会に出展されている金閣寺。本展は、デンマーク生まれの知育玩具・レゴブロックで制作された世界遺産を集めたものですが、もう10年も続いている人気の催しであるにも拘わらず、私がその存在を知ったのは(大変残念ながら)つい最近のこと。実見の機会にはまだ恵まれませんが、いつか拝見したいとワクワクしています。


金閣寺に関しては内部まで再現されているとか。

kinkakunaka.jpg

他の作品も、こちらで見ることができますよ。「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」も既に公開されています。
PIECE of PEACE

 

不器用さがコンプレックスで、大きな工作に挑むこともなく夏休みを重ね大人になってしまった私ですが。さて今なら何をテーマに取り上げるかしら。
生き生きとした作品に接し、少し前向きに夢想しています。

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東福寺 暁天講座

 

130730.jpg祇園祭も終わり、いよいよ夏本番。
暁天講座も大詰めです。
今週末に開催されます、東福寺さんでの暁天講座の御案内。
詳細は下記です。

秋の紅葉のみならず、緑深い東福寺も清々しく。
朝はまだ気温も低く、吹き抜ける風がごちそうとなるでしょう。

いってらっしゃいませ!

平成25年 8/2・8/3・8/4
坐 禅  午前6時より
法 話  午前6時30分~
場 所  大禅堂

8/2 『白隠禅画について』
花園大学教授        芳澤勝弘 氏

8/3 『禅話』
東福寺僧堂師家     原田融道 老大師

8/4 『禅話』
東福寺住持本派管長  遠藤楚石 老大師

費用無料

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夏期講座のおしらせ -鎌倉・円覚寺-

 

130712.jpg円覚寺

京都の建仁寺さんでは、本日から暁天坐禅会&緑陰講座が始まりましたね。
続いて、来週は鎌倉の円覚寺さんにて、夏期講座が始まります。

どこの本山も、今をときめく講師陣達をお迎えになられているようですね。興味深いです。ですがやはり個人的に一番興味深いのは、老師による提唱です!!!

「いつ行くの?今でしょー!」(テレビを見ないので知りませんでしたが、流行っているそうですね、これに似たセリフが…)と冗談を言っている場合ではないのですが、実際のところ、雲水のご指導にあたられている老師方は、管長職も兼ねておられるとなおさらお忙しく、なかなか提唱を拝聴できる機会も少ないと思います。
暑い!めんどくさい!をさらりと脱ぎ捨てかの地へ向かえば、帰りは爽やかな風が。いってらっしゃいませ。

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花園大学学長講座 -円覚寺管長-

 

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昨日お伝えしました通り、この時期、本山での暁天講座、坐禅会などが盛んに開催されますが、毎週月曜日、花園大学教堂において、学長講座(予定表PDF)と題して、管長様や老師方や、禅の研究者の先生などがお話されたりしています。

7月15日(月)は、研究所はお休みをいただいておりますが、学長講座にて、鎌倉は円覚寺の管長・横田南嶺老師がお見えになられますので、もちろん私もお邪魔する予定でおります。

「管長様の法話をまとめてみました」。でおなじみの、居士林ブログや、そのブログをまとめた本をいつも拝読していますが、直にお話が拝聴できるまたとない機会です。

いつも老師方のお話を拝聴していると思うのですが、本になったものを拝読するのももちろん素晴らしい事ではあるのですが、何よりもライブ感が良いのです。実際にお会いして、生のお声を拝聴し、お姿を拝見してこそ、色々を感じ得るわけであります。
どの老師様も味わいというのでしょうか、それぞれの生き様を見せて下さいます。
是非とも、足を運んでいただきたいわけです。

何よりも、私が一番楽しみにしているのですが……。

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建仁寺 暁天坐禅会 緑陰講座のおしらせ

 

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さて、夏越の大祓も終わり、一年の折り返し地点がやってきましたね。

毎年、7月、8月になりますと、各派本山にて暁天坐禅会や夏期特別講座などが開催されます。まずは、京都は建仁寺さんより御案内。
3日間とも、朝6時半より坐禅、その後7時10分より講座。会費・申し込み不要です。
是非ともおでかけください。

7月12日(金)
講師  花園大学講師 舘隆志 氏
演題 「栄西禅師の御入滅について」

7月13日(土)
講師  外務省顧問・立命館大学特別招聘教授 薮中三十二 氏
演題  「日本の進路  ~緊迫する東アジアのなかで~」

7月14日(日)建仁寺派管長 小堀泰巌老大師
提唱 『碧巌録第三十七則 盤山三界無法』

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中国僧の来日 -日中臨黄友好交流協会-

 

130626.jpg日中両国の禅僧らが修行を通して相互理解を深める、第10回日中禅僧交流(過去の交流についてはこちら)のため、6月23日、河南省少林寺、白馬寺などから4名の中国僧が来日した。

本交流は研究所が事務局を務める日中臨黄友好交流協会と日中韓国際仏教交流協議会(事務局・清水寺)が共催で行なうものである。

一行は2班に分れ、岐阜県虎渓僧堂と京都府円福僧堂で日本の雲水(修行僧)とともに修行体験を行ない京都に集合、比叡山延暦寺で一泊の修行体験をしたのち、京都で報告会を行ない、7月2日に帰国する。

翌24日、2名の中国僧を連れて虎渓僧堂へと向かった。到着後、山門で香を焚き山内へ。山内寺院、世話方の雲水と共に茶礼、打合せを行なったのち、諸堂を見学、最後に禅堂に安単した。終始穏やかだった中国僧の顔も、禅堂に入ったとたん、緊張した面持ちに変わった。
5日間の体験の成果を上げてくれることを願いつつ、寺を後にした。

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参禅可能な寺院

 

130621.jpg坐禅をしたい!というだけであれば、探せば近所に坐禅会をされているお寺がわりにあったりします(地域にもよりますが……、こちらで検索!)。

ですが、参禅(老師に公案を与えていただく、いわゆる禅問答するわけですね)できる寺院となりますと、なかなかにみつけるのが大変かと存じます。
そこで、できうる範囲でこちらで探してみました。気になるかたは、直接お問い合わせいただいてから、お出かけください。
また、こちらには掲載していない寺院で、参禅可能な寺院があれば是非ともお知らせ下さい。

師との良き御縁がありますように。

 

【北海道】

瑞龍寺

【秋田県】

大悲寺

【東京都】

海禅寺

龍雲院・白山道場

【神奈川県】

円覚寺

【愛知県】

徳源寺

【京都府】

光雲寺

大通院

常徳寺

【大阪府】

寒山寺

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『いろはにほへと -ある日の法話より-2』横田南嶺老師法話集

 

130618.jpg弊所の理事としてもお世話になっております、円覚寺派管長・僧堂老師 横田南嶺老師の御著書(円覚寺派 黄梅院発行)、『いろはにほへと -ある日の法話より-』の、第2冊目が発刊となりました。

弊所でも、好評の第1冊目にひきつづき、ネットショップにて取り扱いさせていただいております。

 

「仏教の一番の核心は気づくことにあるのです。そして、気づけば理性の反応が自然と働いてきます。堪えるというよりも自分の感情に気づけば自然と自制することができるのです」。(本文より)


自分の感情を押し殺して、何かに堪えている。それでは辛いばかり。
あるがまま、自然である事、自分の素直に湧き起こる感情にふと気づく事。そこからはじめる事が肝心なようです。
いまだ日々修行に、坐禅に生きていらっしゃる南嶺老師から、どうすれば苦しみから解き放たれるのか、仏教が教える根本的な“本当に大切な事”が易しく語られています。

一冊目に続き、是非とも二冊目も座右の書に。
禅や仏教、その他の宗教に興味が無い、でも何かを求めているような方にも、是非プレゼントしてあげて欲しい一冊です。

こちらからどうぞ。

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永源寺派管長 晋山式

 

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去る6月2日、滋賀県東近江市の臨済宗永源寺派大本山永源寺にて、槐安窟道前慈明老大師の晋山式が厳修された。
老大師は4月1日をもって永源寺第144世、永源寺派第13代管長に就任されていたが、2か月後のこの日に晋山の運びとなった。

老大師は禅文化研究所で開催されている勉強会にもずいぶん以前から参加されており、私たちは親しみを込めて「閑さん」とお呼びしていた。
勉強会やその後の食事の際の会話は参加メンバーにとって楽しいひとときであり、閑さんの周囲はつねに朗笑に包まれていた。閑さんの飾らない気さくな人柄の然らしむところである。
そのような場に身を置くことを許されていた私にとっても、感慨一入の晋山式であった。

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托鉢雲水へのお布施の仕方

 

130531.jpg臨黄ネット 栞いろは歌より

京都に引っ越してきて初めて遭遇した事の一つに、"雲水さんの托鉢"があります。
これは恐らく、京都や鎌倉やその他、修行道場が近くにある地域ならではの光景かと思います。

意外に京都に生まれ育った人でも知らないのが、雲水さんの出す掛け声。実は、「ほーーーーーぅ(法)」と言っています。そして、京都に住まう多くの方が、小さな子が言う事を聞かない時は、「おーのおっちゃん来るよ」と、まるでなまはげのような扱いをしている事もリサーチ済みです。
正直、雲水さん達は若い方が多く、おっちゃんではないと私個人的には思うのですが......。あの低く腹から出す大きな声が、なまはげや、おっちゃんを連想させるのでしょうか。

そんな事はさておき、托鉢をする雲水さんにお布施をさせていただきたいけれど、方法がわからないのでいつも見送ってしまう......という方の為に、お布施の方法をご紹介です。実は私もわからず、研究所の上司に聞いてから実践しましたので、知りたい方はいらっしゃるのではないかと思いました。

1.托鉢の雲水さんの声が聞こえたら、お布施を用意し、合掌しつつ、近寄ってこられるのを待つ。
2.雲水さんが気付いて、自分の前に立たれたら、互いに合掌一礼。
3.雲水さんが首から下げている看板袋の前垂れ(袋の蓋のようになっていて僧堂名が白く書かれている部分)を自分の前に出してくださったら、その上にお布施を置く。
4.雲水さんが前垂れに置かれたお布施を、滑らせるように袋の中にしまえば、また互いに合掌一礼。

無言のうちにこれらの事を終えます。
勘違いしてはならないのが、布施というのは、してあげているのではなく、「させていただいている」「功徳を積ませていただいている」という事。我々(在家の者)が、財施をさせていただいているのです。そしていつか雲水さんは和尚になって法を説かれ、法施となって私たちに戻ってくることでしょう。
六波羅蜜の一つ。私にとって、分かち合う事の尊さを学ばせていただく朝は、なんとも清々しいものなのです。

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室町の花 観世宗家展 -承天閣美術館-

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相国寺(ただいま春の特別拝観中)内にあります承天閣美術館にて、-室町の花 観世宗家天-が開催中です。
私自身、お能には若い頃より惹かれてやまない為、楽しみにしていた展観でした。

第一展示室から、数々の名工の技をこらした能装束。どのような番組の時に着用する衣装であるかなど、解説を読みながら、その意匠に見入ります。

第二展示室への長い通路へと歩みを進めると、あのなんともいえない笛と鼓の音が聞こえてきます。DVD視聴コーナーが設けられおり、御存知“道成寺”(安珍と清姫の道成寺縁起を題材とした番組)が流ていました。ちょうどクライマックスの鐘の場面。あぁ……人間の悲しき性、女の怨念、鎮まる魂。観に行きたくなりますね。

第二展示室では、お待ちかね、能面です。まだまだわかりかねる難しいものでもありますが、数々の番組をみてゆけば、この能面は、あの能面は……と、能面のことも少しはわかってくるのでしょうか。
白洲正子さんのように、能が洗練される前の猿楽や伎楽の面など、大陸からの影響を色濃く残した古い面も拝見してゆきたいと常々思っています。

この展観は5月26日まで。その後には、流派が違いますが、私が毎年楽しみにしています、金剛家の夏の虫干があります。今年は7月20日・21日に開催されるもよう。
日に何回か、お家元御自らによる、とてもわかりやすい解説がなされ、ガラスケースなど無く、間近に能面や装束を拝見する事ができます。一見の価値大いにありです。

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光明院 -東福寺塔頭-

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久々に、波心庭(重森三玲作)を観にお邪魔してみました。

本山の方は多くの人が訪れていても、こちらは静か。いいですね。

どちらを見ても歩いても、塵一つ無く掃き清められた境内。掃除がゆき届いていると、空気も整い、なんとも気持ち良いものですね。こちらの心まで整えてくれるよう。ほんとうに、いろんなものが、整うのですね。
こちらのご住職の心を拝ませていただいているようで、有り難いものでした。

とある老師が仰った、「禅宗坊主は掃除をしていればいい、偉そうな事は何一つ言うな」という御言葉を思い出しました。掃除一つで衆生を接化できるのですね。

私も家に帰りましてから、普段以上に徹底的にお掃除に励みました。励まずにはいられなくなったのでした。

三門近くの六波羅門を出てすぐ。光明院さんのご紹介でした。

*本山拝観前には、『禅の寺』がおすすめです。

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新緑遊行と特別名宝展 -東福寺-

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臨済宗大本山東福寺(京都市東山区)において、新緑遊行と特別名宝展が開催中ですのでお邪魔して参りました。

方丈庭園や通天橋は通常公開されていますが、国宝の三門は年に数えるほど。
禅宗寺院最大の国宝三門より、目と同じ高さの位置に大木の新緑を楽しめます。それはそれは見事な景色で、急な階段を登ると目に飛び込んで来る緑に、どなたも感嘆の声をあげておられました。

三門といえば、宝冠釈迦如来坐像に十六羅漢がお決まり。そしてなんと東福寺の三門内部の絵は、かの画僧・明兆が描いたものなのだとか。未だ彩色が豊かに残り、天を舞う迦陵頻伽(がりょうびんが)に、極楽浄土を夢見てしばしぼぉ~っと。

名宝展では、初公開の寺宝も。そして通天橋の緑も今が最高に美しく。
“風がごちそう”の季節。是非ともGW中におでかけください(5/6まで 詳しくはこちら)。


 

 

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本山へのお参り前には、是非ともこちらでお勉強なさってみてくださいね!


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四頭茶会 於:京都・建仁寺

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皆様こんにちは。
思った以上にメンテナンスに時間がかかってしまい、忘れられてはいないかと心配になるほどでした。ご迷惑をおかけ致しました。
今後ともどうかブログ禅を宜しくお願い申し上げます。

さて、私事ですが、二十日土曜日に、建仁寺さんへお邪魔して参りました。
開山栄西禅師のご生誕慶讃法会・四頭茶会(よつがしらちゃかい)にお邪魔する為です。
少しばかり寒い一日でしたが、お天気にも恵まれ、東山の新緑も美しく、表千家・裏千家・煎茶席の亭主の御心入れもすばらしく、楽しい学びの一日となりました。

いただきましたパンフレットより、四頭茶会をご説明させていただきますと……

【四頭茶会とはどんなものか】

四人の正客に準じて相伴客がお茶をいただく、広間での作法と思えばだいたい近いようです。お点前と菓子のお運びなどは、四人の寺僧によって行い、その役名を供給(くきゅう)といいます。正客と相伴客がそれぞれの所定の位置につくと、侍香(じこう)という役の僧が入堂、正面ご開山の画像の前で一香を献じ、中央卓前へ退いて、左右両手で一度ずつ焼香して、席を清めます。供給の僧は縁高に入った菓子と、お茶が入れられた天目茶碗とを運び終われば、各々の客の前でお点前を行います。正客の前では胡跪(左たて膝の姿勢)、相伴客の前では立ったままで点前します。

【由来】
中国の宋・元の時代、比較的大きな禅宗寺院で行われたもので、鎌倉時代に日本へ禅が伝えられると流行し、室町桃山時代以降、さかんに用いられた作法です。禅宗寺院内の修道行事、法式、作法等を規定した清規(規則)に従うものです。

決められた型・作法どおりの動きとは、なんとも美しいもので、拝見しているこちらの背筋も正されるよう。
日々の茶の湯の稽古においても型を習っているわけですが、そこがまずできるようになってこそ、心も入ろうというもの。ここで学ばせていただいた空気を、自身の稽古にも生かしたいと思いました。

今年はなにやら10月にも大茶会があるのだとか。楽しみですね。
その前に、5月8日より始まる、「細川護熙 襖絵と屏風の世界」にもお邪魔しなくてはなりませんね。皆様も是非。

臨黄ネットの、栞いろは歌の栞に、四頭茶会の写真がありますのでご紹介しておきます。
日々是好日

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友人の黄檗宗寺院、本堂再建のお話

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私の高校時代からの親友に黄檗宗僧侶がいます。
近江八幡市にある岩倉山という小高い山の中腹にあるお寺で、若い頃、3日とおかず夜な夜な遊びに通っていました。麓からのわびた石段を登っていくと、途中で左に折れる角に灯籠がありましたがもちろん灯っているわけでもなく、街灯もない真っ暗の参道で、少々薄気味悪い気持ちで登り降りしていたものでした。
近年、先住職であった父を亡くされ、住職となった彼は車で登れる参道を設備したのでぐっと便利になり、また景色がいいものの使いにくかった庫裡を改築してきました。
檀家さんからの寄附もありましょうがその数15軒、彼の高校教師としての収入をかなり投じての改築だったろうと推測されます。
また、古びた本堂もあり、かなり傷んでいたような記憶がありますが、私は入ったことはなかったように思います。このたびその本堂が再建されたのです。
3年ほど前から、本堂を建て直すことにしたと聞いていて、大変なことをやる気になったなぁと思ったものです。

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木材はこの山から切り出されたもので、内部は黄檗宗らしく甎(しきがわら)の本堂です。檀家さんでもある年配の大工さんが、ほとんどの仕事を一人でコツコツと仕上げていかれた様子。もちろん檀家さんたちも財政面はもちろんのこと、実労働としても協力されたように聞きます。おかげで、一般的な経費よりはるかに安く建てられたとのこと。

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岩倉山というだけあって、昔はよく石の切り出しが行なわれていたらしく、ここで切り出した石で石塔を作り、かの有名な日野の石塔寺に運んでいったとか。山中には沢山の地蔵さんが点在していたとのことで、それをこの工事に合わせて一ヶ所に集めてきて供養することにしたそうです。落慶法要が近いというので、些少ながら御祝を持って参じたところ、できれば早く退職してしまって、せっかく立派になったこのお寺に参詣客を増やすように努め、普茶料理を作ってお出しするとかしてみたいという、これまた驚きのこれからの人生の意志表明も聞きました。

住職であるこの友人は坊主臭さがない男で、友情に免じてもらって失礼ながらいうと、本堂を建て直すなどという大事業をやる気概があるなんて思ってもみなかったのですが、改めてその宗盟心にあっぱれと驚くばかりです。

昨今、寺院の世襲制を批難されるむきもありますが、肉山寺院とはちがい、田舎のこういう小規模寺院では、世襲した住職自らが副業をもって収入を得、その身銭を切って護持運営、復興していくしかないという実情があることも知って頂ければと思います。

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彦根の一本桜




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桜の話題が続いてしまっていますが・・・。
滋賀は京都より少し遅めに開花したので、もう少し楽しめるところもありそうです。
爆弾低気圧のせいで暴風雨の過日の土曜日でしたが、彦根城は多くの人で賑わっていたようでした。

その彦根城を横目に私が向かったのは、彦根城主井伊家の菩提寺である龍潭寺とその隣にある井伊神社。この両寺社にはそれぞれあまり知られざる一本桜があるからなのでした。
どちらもちょうど石田三成の居城であった彦根の佐和山城址の麓にあります。

まずは、人っ子一人いない龍潭寺へ。静岡にも井伊家の菩提寺の龍潭寺がありますが、関ケ原の戦いで勝利した井伊家が徳川から与えられた佐和山城の麓にも、菩提寺として龍潭寺を建築したのが、このお寺です。

山門をくぐったところにお目当ての枯木の枝垂れ桜があります。

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彦根城などのソメイヨシノは満開なのですが、この桜はまだ3分咲きといったところでしょうか。桜よりも青々した苔に目が奪われるほどです。
この様子では見ごろはあと1週間後ぐらいでしょうか。4/13~14の土日ごろに訪ねられるといいかもしれません。

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この龍潭寺には、小堀遠州作の庭園があるのですが、これはまた後の機会に。

つづいて龍潭寺の北側に位置する井伊神社に足を運んでみました。

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井伊神社もひっそりしていて、他に参拝者はいませんでした。立派な鳳凰の彫刻の入った社殿はだいぶ傷んでいて、立て看板によると彦根市が修復を始めているとのこと。左傍らに小さな新しい社殿が建っており、御神体はすでにそちらに御遷座されているとのことでした。

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その社殿の脇にある一本桜はごらんのように見事な枝ぶりで、小雨の中でしたが満開でした。
この桜を目当てに何人の人が来ているのかはわかりませんが、井伊家の栄華を物語るような立派な桜を満喫しました。

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退蔵院 -妙心寺塔頭-




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昼休みに退蔵院さんにお邪魔して参りました。
京都市内ではポスターを見る機会があまり無く、実は京都の人間は意外と知らないのですが、先日新幹線に乗った際に知りました。
今年の「そうだ、京都、行こう」は、こちらの枝垂れ桜なのですね。

祖父が妙心寺で修行した事もあり、幼い頃から何度か妙心寺には参拝し、退蔵院さんにもお邪魔していましたが、まさに禅寺というべく、静かな静かな境内でした。
この春はもちろんのことそうはゆかず、大変な賑わいを見せていました。
桜にすれば、そんなこともどこふく風ですね。

*本日はお釈迦様ご生誕の日。花まつりが各地のお寺で催されています。

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細川護熙元首相筆の襖絵 -正伝永源院-




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千家十職当代・永樂善五郎作の書院襖引き手


テレビや新聞で既に報道されましたが、建仁寺塔頭の正伝永源院の方丈に、このたび、政界引退後に陶芸家として活動しておられる細川護熙元首相が、襖絵を描いて寄贈されました。
正伝永源院は、もともと正伝院と永源庵という二つの寺院であったのですが、鎌倉時代に開創された正伝院は、大阪冬の陣ののち、隠棲した織田信長の弟である有楽斎が再興し如庵という茶室をたてて、晩年を茶の湯三昧のうちにすごされたお寺です。
もう一つの永源庵は開基が細川頼有公。ところが廃仏毀釈のおりに無住であったため、売却された正伝院の移転地とされ、廃寺になってしまいました。しかし細川家の菩提寺であったため、のちに永源の名を再び興して現在の寺名になったということです。
こういったご縁があり、細川家の末裔である細川護熙氏が、本院に襖絵を描いて寄贈することになったとのこと。その襖絵が以下の「東山の春・夜桜」と「西山の秋・紅葉」の各8面です。御住職の許可を得て写真を撮らせていただきました。

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東山の春・夜桜





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西山の秋・紅葉

正伝永源院は通常非公開の寺院ですが、この襖絵の特別公開が明日4月5日から始まります。方丈室中には狩野山楽の筆と伝えられる金色の襖絵もあり、東山、建仁寺近辺を散策される予定の方には、是非、この機会に参拝されてはいかがでしょう。
ただし、この襖絵は、4/10~22に、阪急うめだギャラリーで行なわれる「細川護熙展」に出展されるため、正伝永源院の特別拝観中では、4/5~7と4/25~5/6の期間のみ展観されますのでご注意ください。
細川元首相は、このあと夏と冬の絵も描かれるとのことです。

また、冒頭の書院襖引き手を作られた千家十職の永樂善五郎氏らの募財によって平成8年に再建された、有楽斎が建てた名席「如庵」写しの茶室「如庵」も特別公開されます。

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庭園の枝垂れ桜も満開でした。


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お寺は少しわかりにくい場所にあります。下の地図をご参考までに。


大きな地図で見る
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高知へ その3

高知へ その2の続きです。
吸江寺の兼務をしている還暦の和尚の本務寺院は長谷寺(ちょうこくじ・別名「まきの寺」)です。訪ねたことがないというと、ではみんなで行きましょうと、吸江寺を訪ねた一行がそのまま車に便乗して長谷寺に向かうことになりました。

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長谷寺は高知市から東へ1時間近くいった香南市夜須町羽尾の山中にあります。市街地から狭い林道を車で縫うように走ること30分。人里から完全に離れた山の中にあるお寺です。それもそのはず、現在は臨済宗妙心寺派のお寺ですが、もとは神亀4(727)年に行基によって開かれたと言われています。
ご本尊は十一面観世音菩薩と地蔵菩薩像です。住職の許可を得て仏像の写真を撮らせてもらいました。

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十一面観世音菩薩はかなりいたんでいますが、頭部にある十一面がかすかにわかります。香南市保護有形文化財に指定されています。
また、境内にある小さな梵鐘は高知県保護有形文化財に指定されていて、やさしく打つと、古えを感じるとても寂びた音がしました。

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境内にはほかに鎮守である弁天堂やおよそ歴代の守護者のものかと思われる古い五輪塔が並んでいますが、どこもちゃんと手入れされていて、山奥で人が訪ねるのも少ないであろうにと、感心することしきりです。
しかし一番上の山門の写真にもあったように、ここでは坐禅会も開かれていて、道心堅固な方が集まってこられているとのことでした。

仲間たちとも別れをつげ長谷寺をあとにし、京都へ向かった私たちは、帰路の途中で、淡路島で唯一の黄檗宗の禅寺・国清禅寺(南あわじ市)へ立ち寄りました。

ここは、南画界の第一人者・直原玉青和尚が復興したのですが、本堂は阪神淡路大震災の被害がまだ残っている状態でした。お寺の近所に、滝川記念美術館玉清館があり、玉青和尚の描かれた書画が展示されているので観てかえることとにしました。

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玄関を入ってすぐの3層の天井に描かれている雲龍図は、直径約6mほどの大きな画ですが、玉青和尚は一晩で描かれたとのこと。ほかにも12枚の画からなる「うしかひ草」(牧牛図)など、水墨画や着色された大きな南画が展示されていて、見応えがあるものでした。

こうして、高知行一泊二日の旅は終わりました。全国各地に仲間がいるというのは、楽しいものです。

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東海庵 -妙心寺塔頭-




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妙心寺四派の一つ、東海派の本庵、東海庵が公開されています。

応仁の乱により諸堂を焼失した後、再興に尽力した雪江宗深(せっこうそうしん/1408-1486)。
その4人の傑出した弟子が、それぞれに一派を成し、四派四本庵による教団統括運営組織の礎を築きました。

4人の弟子とは、景川宗隆(けいせんそうりゅう)、悟渓宗頓(ごけいそうとん)、特芳禅傑(とくほうぜんけつ)、東陽英朝(とうようえいちょう)で、それぞれ、龍泉派・東海派・霊雲派・聖澤派をつくります。
妙心寺の末寺は現在およそ3500ヶ寺ほどありますが、全ての寺がこの四派のどこかに属しているわけで、お坊さんたちの会話をよく拝聴していても、「お前んとこは○○派だから○○だ」などというセリフを耳にします。
内容はともかく、“流れ”というのは大事なのですね。


と、前置きが長くなりましたが、まさにこの、東海派の本庵である東海庵が公開されているというわけであります。
なかなかに公開される機会はありませんので、是非とも“京の冬の旅”で公開されている期間(3/18まで)に一度訪れてみて欲しいお寺です。
方丈前の庭を観ていますと、やはり、やはり、禅宗の寺はいいなぁ……と、いたってシンプルで、あらゆるものが削ぎ落とされた中にいて、満たされている気分に浸る事ができました。

余談ですが、3つの素晴らしいお庭があるのですが、解説をしてくださるボランティアガイドの方の主観的な庭の見方での説明がかなり長く(その方も庭を愛してやまないのでしょうが)、こちらがじっと庭をみて考える時間を与えさせてはくれないほどです。
一人静かに見たいのであれば、ボランティアガイドさんが皆さんに説明されている時をはずしてご覧になられるのが良いのかもしれません。

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高知へ その2

高知へ その1に続き、高知旅行初日の夜は、同じ釜の飯を食んだ仲間が集い、賑やかに還暦の会を終えました。
翌朝、還暦を迎えた和尚が住持(兼務)をする、夢窓疎石(1275~1351)が創建された吸江寺(ぎゅうこうじ)へ参拝しました。
吸江寺は五台山公園の麓に位置し、高知港が見渡せるちょっと高台にあります。以前は、寺の門前まで港だったということですが、夢窓国師はこのような景観の土地を好んで寺を建立されたそうです。
今は残っていませんが、記録によると夢窓国師が作庭された庭もあったそうです。

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本堂の内陣には夢窓国師(中央)の木像があり、また左下に見えるのは、夢窓国師お手彫りと伝わる仏像がありますが、先年、このお寺から夢窓国師の弟子、絶海中津(1336~1405)がお使いになっていたと思われる700年前の九条袈裟が発見され、現在、京都国立博物館にて保存されています。




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こんなパゴダ(ビルマの慰霊塔)が禅寺にあるのを未だかつて知りませんでしたが、聞くところによると、この高知からは戦時中、ビルマ(現ミャンマー)に出兵した兵士が多くいたようで、戦死した彼らの慰霊塔として建てられたとのこと。今もパゴダの会に所属する人たちが定期的に参拝に来たり、ミャンマーを訪れたりしているようです。

パゴダ内に祀られる本尊は、国の重要文化財に指定されている地蔵菩薩坐像で、これは、夢窓国師が足利尊氏の守り本尊を移してきたと伝えられています。


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高知は京都や滋賀よりもだいぶ暖かく、すでに水仙は満開。黄色い花はあまり見たことがないものでしたが、キバナアマだということです。 調べてみると、中国雲南省やインド北部、パキスタンの高山に生息するということです。
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椿も満開、万作の花ももう咲き終わりの状態でした。

つづく

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冬の禅寺




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ピシーーーーーーーーーッ。
としておりました、節分の日の天龍寺

冬の禅寺にて、枯れに枯れた景色。
目には見えずとも僅かに感ずる春の気配。

【京の冬の旅】も開催中。
今日はお昼休みに妙心寺さんへ拝観に行こうかなと思っています。

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慈照院公開 -相国寺塔頭-




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京の冬の旅―非公開文化財特別公開 が10日より始まっています。

私もさっそく、相国寺の門外塔頭、慈照院さんへお参りして来ました。
こちら慈照院は、その寺名からもおわかりのように、足利八代将軍義政の菩提所。
そして、桂宮家の菩提所でもあり、御学問所も設けられていました。

茶室、「頤神室(いしんしつ)」は、下座床の四畳半で、比較的明るい茶室。塀を超えればすぐに烏丸通りであるという事は忘れてしまうような静かな佇まいです。
茶室へと続く露地も、ひととき娑婆の世界を忘れて違う世界へと人々をいざなうような……。
こちらで茶会を催したらどれだけ楽しいだろう……といつもの妄想が始まります。

禅宗寺院では、慈照院さんのみならず、妙心寺の東海庵、大庫裡や経蔵、そして、南禅寺派の霊鑑寺などが公開されています。
キリリと寒い中での寺院拝観もまた一興。
是非とも京都におでかけの際にはお立ち寄り下さい。

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『墨蹟の至宝展-気迫あふれる禅僧の書-』 -承天閣美術館-




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相国寺内にあります承天閣美術館にて、「『墨蹟の至宝展』-気迫あふれる禅僧の書-」が開催中です。(3月17日日まで)。

今回見た書が、次に公開されるのはいつでしょう。
今回自身に響いたものとは違うものが、また次回には響くのかもしれません。

そうやって、人生のうちで何度も触れていただきたい“墨蹟”の展観です。
是非おでかけになってみてください。

「墨蹟の至宝展展」 -気迫あふれる禅僧の書-

日時:平成24年12月12日(水)~平成25年3月17日(日)
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
入館料:一般 800円 65歳以上・大学生 600円 中高生 300円 小学生 200円
主催:相国寺承天閣美術館
会場:相国寺承天閣美術館

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岐阜・八百津の大仙寺さん




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お仕事にて、岐阜は八百津にあります臨済宗妙心寺派のお寺、大仙寺さんにお邪魔していました。

どっしり落ち着いた和尚様らしい和尚様(というのは非常に勝手な私のイメージですが、確かにあるのです。"和尚らしい和尚"という存在が)と、寺庭(お寺の奥様)殿堂なるものがあれば必ずや殿堂入りされるであろう素敵な寺庭さんがいらっしゃるお寺で、何年か前に愚堂さんの墨蹟撮影にお邪魔し、再訪を楽しみにしていました。

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前回は夏にお邪魔し、珍しい大山蓮華の大木や、青々した緑に深呼吸したものですが、秋の大仙寺さんは初めて。これがまた自然の営みとはなんと素晴らしいのか、時にお庭を見てほっと一息つきながらの、有難い環境でのお仕事でした。
お昼やお三時には毎日、"地元のもの"でのおもてなし。ひっきりなしにお客様がみえる大寺ですのに、我々の事にもとても気配り心配りいただき、行動そのものが教えとなっておられる姿に感銘を受けました。

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向嶽寺と富士山




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仏殿兼開山堂_山梨向嶽寺

先日のブログにて上司が書いていましたが、私も向嶽寺(山梨県にある臨済宗の本山)での会議に行かせていただいておりました。
向嶽寺と富士山の写真をいまいちど、もう少しご堪能いただこうかと思います。

上の一枚は、仏殿兼開山堂(市指定文化財)です。うっとりしてしまうほどにきりっと引き締まった美しい佇まいですね。よく見れば、建物が後ろに長く続いているのはおわかりいただけますでしょうか。
非常に珍しい形なのですが、前方に仏殿、後方に開山堂が一体となっています。天明7年(1787)に再建されました。

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方丈

そして方丈。前庭は、名城大学三浦彩子先生によるものだそうな。昨年できたばかりの新しいお庭です。
遠くむこうに見える山並みが、下写真のようにガラス戸にうつります。まるでぐるり山に囲まれているようです。
あたかも、この彎曲した島が浮かぶ枯山水庭園が海のように思え、山と海、世界全て(宇宙の理)を現し、その中にぽつりと自分が立っているような感覚を覚えました(実際はどのようにデザインされたのかは知りませんが、私の想像です...)。

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向嶽寺と富士山の続きを読む

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平成24年 大徳寺曝凉展




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年に一度の大徳寺爆凉展、10月14日(日)開催です(雨天中止)。

場所:大徳寺本坊
時間:午前9時~午後3時半まで。
料金:お一人1,300円。

ガラスケースごしではなく、間近に祖師方の息吹に触れる事のできる機会。
是非、迫られてみてください。

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等持院寺宝展




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京都市北区にあります-等持院-にて、寺宝展が開催されます。

詳細は下記のとおり。

期間:平成24年10月5日(金)~9日(火)まで。
時間:午前9時~午後5時まで(受付終了は16時半)。

特別参拝料 600円(寺宝展以外の日は500円)
お抹茶 500円(等持院特製銘菓「芙蓉の月」付き)
お番茶 300円(等持院特製銘菓「芙蓉の月」付き)

だいぶ昔、茶の湯を習い始めた頃に訪れた清漣亭(等持院にある茶室です)にて、貴人床・貴人口にふぅむ…とうなった私です。
清漣亭から眺める庭、そして喫する一服は如何なものであったのか。

観光客もまばらな静かなお寺です。寺宝展の期間に是非お尋ね下さい。

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『なごみ』8月号 小特集・坐禅入門




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淡交社さまより毎月お送りいただいております、『なごみ』
いつも楽しみに拝読させていただいております。ありがとうございます。
今回の変化朝顔特集も、目のつけどころが面白すぎます。私も近々朝顔を生けてみましょう。

そして皆様に是非ともご紹介したいのが、花園大学教授の安永祖堂老師の監修・文章、そして妙心寺派の専門道場・埼玉県の平林寺(へいりんじ)の協力による、「坐禅入門」小特集!!!
僧堂の禅堂を拝見できる喜びに興奮しております。

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平林寺禅堂 なんとも、よい写真ですねぇ


坐禅とは何か、坐禅による身体・呼吸・心の整え方とは、インドに始まり、東へ東へと伝播していった坐禅の現在…など、10ページの中に、わかりやすいカラー写真と、安永老師の名文で、これを読んだらさっそく実際に禅寺へ!!!身心一如、自身の身体と心に向き合ってみよう!!という心持ちになります。

弊所に事務局を置いております、臨済宗黄檗宗HPの坐禅会情報も是非ご活用ください。


余談ですが、『なごみ』の連載で、私はいつも市川猿之助さんの“亀遊笑覧”を楽しみに拝読しています。歌舞伎役者さんの豊富な知識、経験、審美眼をもって語られるお話は、骨董を生業とする人や、評論家などとはまた違った視線で読者を楽しませてくれます。一冊の本になる事を切に願っております。

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京都禅寺巡り iPhone版リリース開始




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昨年11月よりリリースし、2万ダウンロードを超えて好評な、Androidスマートフォンアプリ『京都禅寺巡り』に、去る7月31日、待望のiPhone版が登場しました。

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基本機能は、Android版と同じですが、画面の遷移はiPhoneの特性を使ったものとなっています。
文字情報はもちろんのこと、美しい画像表示で寺院の写真を見ることができます。

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動作もさくさくと軽快です。また、GPS機能を使って、スタンプラリーをしながら寺院散策を楽しむことができます。

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真夏はさておき、秋に向けてこのアプリで、京都のお寺巡りをしてはいかがでしょうか。

※iPhone版はダウンロード時に350円(11/30までキャンペーン価格170円)が課金されます。

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鎌倉円覚寺 夏期講座




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7月20~23日まで、鎌倉円覚寺では恒例の夏期講座が行なわれました。
ブログでも書いておりましたとおり、先月に円覚寺管長・横田南嶺老師の撮影をさせていただき、弊所の「DVD禅僧が語るシリーズ」に加えました、新商品DVD『精一杯生きよう』が、この講座に間に合うように完成できましたので、さっそく初日の7月20日に円覚寺に出向いて夏期講座に参加の方々に頒布させてもらってきました。

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円覚寺の山門は受付開始の7:30に開門されますが、その前にこのような受講者の列ができていて、関心の深さを感じ取ることができます。私は準備があるので、脇の通用口から一足お先に……。
開場と共に、どんどんと来場者があり、第一講の管長老師の提唱の頃には大方丈はすでに満席、書院や玄関口のあたりに座る人もおられました。

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老師がご自身でご喧伝くださったおかげで、第二講目の宇宙飛行士・山崎直子さんのお話の前の休憩時間に、頒布しているテントまで来られてDVDや本をお買い求めになる方が大勢おられ、飛ぶように売れていきうれしい悲鳴でした。

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DVD禅僧が語る 横田南嶺老師 「精一杯生きよう」 本日発売




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過日このブログでもお伝えしておりましたように、臨済宗円覚寺派管長・僧堂師家の横田南嶺老師DVD「精一杯生きよう」ができあがりました。

管長様による毎月の日曜説教会には、何百人もの人が集うと耳にし、私もお邪魔してまいりましたが、なるほど皆さんが通われるのがよくよくわかった次第です。

この、日曜説教会や、僧堂接心でお話になられた事は、ブログ・居士林だよりをご覧いただければと思います。

実際に管長様の口から発せられる御言葉、お話を拝聴する為には是非ともこのDVDをご覧になっていただきたいと思います。

“DVD禅僧が語る”シリーズは、今回で9作目となります。
こちらのDVDは、一度見て終わりにしないでいただきたいのです!
同じ映画でも、観る年齢や時々によって感想が変わるように、特に老師のお話は、その時の自身の状況によって、ひびいてくる言葉が違います(私の経験上)。
何度も繰り返し、観て、聴いていただきたいな…と職員一同心より思っています。

どうぞよろしくお願い致します。

詳細はこちらからご覧ください。

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円覚寺のしいちゃん




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鎌倉円覚寺さんのブログ、居士林だよりにたびたび登場し、読者をなごませてくれる円覚寺のしいちゃんです。
会えるかな?!と思っていたら、会えました!

DVD撮影の際に遭遇したのですが、管長様はじめ、撮影スタッフや研究所職員が「しいちゃんだ!」と周りを取り囲み様子を眺めていてもどこふく風。一心に毛繕いをなさっておいででした。

しいちゃんはまだ小さい時に瀕死の状態であったのを、僧堂の雲水によって助けられ、管長様の指示により獣医さんのところへ連れて行ってもらい、一命を取り留めたそうです。
雲水さん「忍さん(にんさん)」が助けた事により、忍(しのぶ)ちゃんと名付けられ、しいちゃんと親しみを込めて呼ばれるようになったそうな。
youtubeでも、「円覚寺 猫 しいちゃん」で検索すると、ごはんを食べているしいちゃん、ゴロゴロ転がっているしいちゃんの動画が見られます。人気者ですね!

かなちゃんにはお会いできませんでした。またの楽しみにとっておきましょう!


と、ここまで書いて円覚寺さんのブログをとくと拝見して気がついたのですが、どうやらこの子はかなちゃんかもしれません……。が今日のブログはこのままでお許し下さいませ。

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臨済宗各派本山 暁天講座のおしらせ




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臨済宗各派本山にて、この季節になりますと、暁天講座・夏期講座が開催されます。
早起きは何文の徳になるでしょうか?!

ちょうど朝の気温が心地よいこの季節、蓮の花も美しいことでしょう。
おでかけになられてみてはいかがでしょうか。私もいくつか参加予定です。
研究所にお知らせをいただいた暁天講座ならびに夏期講座、こちらでご紹介致します。


【東福寺】
期日  8月2日、3日、4日
座禅  午前6時より
法話  午前6時30分~
場所  大禅堂
演題  8/2 『二人の画聖 明兆と雪舟』  花園大学教授 福島恒徳 氏
     8/3 『禅話』 東福寺僧堂師家  原田融道 老大師
     8/4 『禅話』 東福寺住持本派管長  遠藤楚石 老大師
費用  無 料


【円覚寺】

時   7月20日~23日
場所  大方丈
詳細はHP参照のこと

【方広寺】
時   8月26日
場所  本堂
詳細はHP参照のこと

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永保寺 虎渓僧堂 -岐阜県多治見市-




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岐阜県多治見市にあります、臨済宗南禅寺派虎溪山永保寺を訪れました。
こちらは専門道場にもなっており、虎溪僧堂には今もなお、雲水さん達が日々修行を積まれています。

突然訪れたにも関わらず、禅文化研究所の職権を利用?しまして、雲水さんの筆頭・知客寮(しかりょう)さんに境内を案内していただきました。
とても快く色々とご説明くださり、ありがたい事なのでした。

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国宝の観音堂は修理中でシートに覆われてはいましたが、それでもやはり夢窓国師の作庭と伝わる庭から発せられる美しさは揺るぎないもので、観音堂が修復を終えた後の姿はこれまたいかばかりか……と、次回訪れるのが今から楽しみなのでした。
8月頃には修復も終了するとの事。今年の紅葉参拝は永保寺さんに決まりですね。

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早朝坐禅 -花園大学・無文館2F-




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無文館 禅堂


何を隠そう、無文館(むもんかん)とは禅文化研究所があります建物です。そう、禅文化研究所の2Fは禅堂になっているのです。
この禅堂において、花園大学主催の自由参加早朝坐禅が開催されています。

【時間・曜日】
午前7時55分より8時45分まで(50分間)
土曜日・休講日以外、毎日開設(開講期間中)

【スケジュール】
7:55 木板を打って開始を知らせる
8:00~8:25 坐禅
8:25~8:30 経行(きんひん・堂内を歩く)
8:30~8:43 坐禅
8:43~8:45 読経(般若心経)後終了

関心のおありになる方は是非!
ちなみに、大学内の食堂(8時半~)では朝御飯が100円との事。坐禅会の後に朝御飯を食べて帰られる方もいらっしゃるようです。
ごはん、お味噌汁、焼き魚、のりとその他一品ついて100円だそうです。さらに温玉をプラスしますと、160円になるのだとか。あわせてご利用下さい。

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東林院の沙羅双樹




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妙心寺塔頭の東林院は、沙羅双樹の花を見ることができるので有名です。
ちょうど今、梅雨のさなかに白い花を咲かせ、一日でポトリと落ちてしまう沙羅の花は、平家物語の一説でもよく知られていますね。

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今年は毎年より1週間ほど遅めの開花のようですが、毎日、いくつかの花を咲かせては、緑でやわらかな苔の上にポトリとまた一つ花を落していっています。
近年まで太い古木があったのですが、残念なことに枯れてしまったとのこと。これも盛者必衰のことわリですから致し方有りません。

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観音懺法




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6月17日は大本山相国寺の、18日は大本山妙心寺の観音懺法(かんのんせんぽう・妙心寺さんは山門でなさるので「山門懺法」)を取材させていただきました。
相国寺さんは現在大方丈が工事中ということで、例年より簡素なかたちだったようでしたが、開始から終了までの4時間まるまるを、妙心寺さんは一般見学の1時間のみを、拝見いたしました。


観音懺法は、観世音菩薩は大慈大悲を御心とし、抜苦与楽を主とし給えるがゆえに、観世音菩薩に帰命信従して、自己の罪業を懺悔するのである。
観世音菩薩を迎えその前で懺悔する儀式作法を、略して観音懺法という。
相国寺における観音懺法は、中国からの来朝僧で鎌倉建長寺、円覚寺、浄智寺および南禅寺などに住した高僧、一山一寧(いっさんいちねい)の甥で、一山が来朝した時随従して渡来し、建仁寺、興雲寺などに住した仁恭石梁(せきりょうにんきょう)、それにやはり渡来僧で建長寺、円覚寺、浄智寺、南禅寺などに住した清拙正澄(せいせつしょうちょう)と、夢窓国師の三大老の協作であることが、「鹿苑日録」によって知られる。
夢窓国師から二世春屋妙葩(しゅんおくみょうは)へと伝えられたのである。足利家では、毎月18日室町第の内仏殿において相国寺の清衆を請して修業せられ、相国寺においては、毎月17日に修され月次懺法とよばれていた。又毎年6月17日三門円通閣の上で修行するのを閣懺法といった。(相国寺のHPより)

室町時代の五山禅林をもっとも代表・象徴する儀礼こそ、観音懺法でした。なかでも旱のときに行われる観音懺法は、毎月の観音懺法とは違い、いわゆる「千僧供養」、つまり各五山寺院が数百人という大人数の禅僧を動員して、京都の観音の最大の霊場である清水寺などでとりおこなわれました。
禅僧の観音懺法は他宗の祈祷にくらべても、高い芸術性を持つと同時に、きわめて霊験あらたかな儀礼とされ、足利将軍をはじめ、京都のひとびとの関心の的でした。

日本人の信仰として観音信仰がひじょうに強いことはあらためていうまでもありませんが、禅宗でも達磨大師が観音の生まれかわりとされるなど、強い観音信仰がありました。観音さまを祀っている禅宗寺院もとても多いことはよく知られます。

ぜひ禅の観音信仰について、いずれ季刊『禅文化』でご紹介できればと思っております。

18日は鎌倉の大本山円覚寺でも夕方に山門懺法が行われたようです(ブログ「円覚寺居士林だより」参照)。来年はぜひ、鎌倉円覚寺の懺法も拝見(取材)させていただきたい!と思っております。

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老師の実行力




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昨年、ヨガの事などを色々とお話させていただいた老師と久々にお会いしました。
すると老師、「あなたと色々話してね、昨年の5月から私は朝のニュースなどテレビを見ていた時間を、ヨガにあてていますよ。そうすると、朝課や坐禅、参禅を受けていても気持ちがよくて、毎日本当に楽しいのですよ。身体を動かしながらの呼吸。ヨガというのはすごいものですね」と。

御自らの生き方、在り方にて我々に教えを示して下さいますね。なんとすばやい実行力でしょう!
私達は「(新しい事に取り組もうとする時に)やりたいんだけどね~でも…」などと、興味あるものも何らかの理由をつけては自ら遠ざけてみたりするものです。

“老師”などと聞くと雲の上の存在のように思ってしまいがちですが、少しでも自分達がいただけるものをいただき、日々のくらしに生かす事ができるのだなと思った次第です。
やってみたいならやってみよう!


それにしましても、ヨガでは私の方が先輩?になりますが、長年の修行、坐禅、質素なお暮らしにより鍛えられた身体と精神をお持ちの老師ですから、吸収力も私とは違い、すぐにマスターになってしまわれるのではないかと思います。
まぁ、それでも、私は私のペースでやっていきましょう。

ちなみに余談ですが、老師方には、本当にお肌がつるつるで羨ましくなってしまう方が多くいらっしゃいます。美容の秘訣も、老師の生活、つまりは禅の修行、僧堂の生活などから得る所が大いにあるなと思う私です。粗食&呼吸(坐禅による)がミソですね!

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日曜説教会と坐禅 -鎌倉・円覚寺-




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鎌倉は円覚寺さんの、居士林ブログを楽しみに拝読している私。
噂に聞こえてくるのは、管長の日曜説教会には、300~400人の方々が集うとのお話。
「これは実際に鎌倉へ赴き、参加したい!」といざ鎌倉へ、念願叶って先日の日曜説教会にお邪魔する機会を得ました。

9時からの会だというのに、早い人(いわゆる管長ファン)は7時半にはやってきて席を確保しているとの事。前の席が大人気、これ如何に! 開始直前には、広い方丈が狭く感じるほどに人で埋め尽くされ、この日もおおよそ400人の老若男女が参加されていたとの由。
私も研究所に勤めているとはいえ、400人で一斉にお経を唱えるのは初めてで、その荘厳さには、ぞくぞくと鳥肌が立ってしまいました。

管長のお声に導かれ、皆、背筋をスッと伸ばして合掌し、生まれて来た事、生かされて今ある事に、両親に、様々なことに静かに感謝する時間を持つ事から始まります。 普段なんとなく「私は色々な事に感謝しながら生きている」と思っているものですが、その深さというものには際限が無いのだな……と。

様々な事がしみじみと有難く思えて、頬をなでる風も、杜鵑の美しいさえずりも、あらゆるものへの感謝の念が全身を覆うようで、とても清々しく心地よい時間。
そしてその後の管長によるお説教は、本当に私達の所まで降りてきてお話下さる、菩薩行とはこの事だな……と思うような、非常にわかりやすいお話で、毎月皆さんがこちらで心洗われる思いをされるのが、よくよくわかったのでした。
そして、説教の後、皆で坐る時間もとても尊いですね。
僧堂と同じ…とまではいかないのでしょうが、警策の厳しさも他の坐禅会と比べれば随一!「あぁ、与える方も大変だろうなこれは……」と思うくらい真剣なもので、背中をひりひりさせながら、ありがたさを噛みしめていました(はい。坐禅中に考えていました)。
後でお聞きしたら、和尚様も手の豆が潰れていらっしゃいました。

本当に、実際にその場に足を運んでみる事は、とても大切な事ですね。

お近くの方は是非とも一度、そして鎌倉へのご旅行をお考えの方も、こちらの説教会&坐禅会を行程に組み込んでいただきたい!と切に願うのでありました。

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天得院特別拝観 -東福寺塔頭-




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京都市は東山区の東福寺塔頭、天得院にて-桔梗を愛でる特別拝観-と題して特別拝観期間が設けられます。
日没後にはライトアップも。是非おでかけください。

平成24年6月15日(金)~7月17日(火)
拝観時間:午前9時30分~午後8時30分(受付終了)
拝観料:一般(大学生以上)500円/中高学生300円/小学生以下無料

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温泉と禅僧




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狩野一信画「五百羅漢図 浴室」(増上寺蔵)『日本の美術534』より

ヒット中の映画「テルマエ・ロマエ」をレイトショーで見てきました。
ネタばれはよくありませんので、「面白かった~! オススメです!」とだけ、申しあげたいと思います。

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映画のストーリーとはまったく関係ないのですが、今日は“温泉と禅僧”のかかわりについて。

温泉が病気や怪我に効くというのは、日本人なら誰でも知っていることだと思いますが、実は、それを利用したり、ひろめたりしていたのは禅僧でした。
なかでも有名なのは室町時代の曹洞宗の禅僧の源翁心昭で、いろいろな場所で在地の神様(山神や竜神)に引導(授戒)をおこない、その返礼で、寺を守護してもらったり、泉や温泉を出してもらったりしたと伝えられています。
源翁さんが開いた温泉として有名なのは、熱塩温泉(福島県耶麻郡)です。

禅僧の温泉好きは、重要な文学作品を生み出したことでもまた知られます。
明応9年(1500)5月5日~23日に有馬温泉で湯治していた夢窓派の禅僧の寿春妙永と景徐周麟との間で交わした聯句の集成が「湯山聯句」です。またそれに一韓智■(コウ)が注をつけたのが「湯山聯句抄」という作品(抄物)になります。

室町時代の京都にいた五山僧にとって、もっとも親しみがあった温泉は、有馬温泉だったようです。

「湯山聯句抄」には「垢を洗い、病を治さうとてかと云に、いや、元来法身は清浄なれば、洗ふべきの垢もないぞ。治すべき病もないぞ。さるほどに、今湯に入るは、この無垢を随分至極と思ひ、無病を至極と思ふ、この心を洗ひ去けんとてあるぞ」とあります。

当時の禅僧の一般的な考えかはわかりませんが、「元来、法身は清浄なのだから、洗いおとすべき垢や治すべき病はない。無垢や無病を当たり前だと思う心こそ垢がついて病んでいるのだ」と一韓は述べています。

「無垢や無病を当たり前だと思う心こそ垢がついて病んでいる」とはなかなかおもしろい発想だと思います。現代人のわれわれにも何かしら参考になるかもしれませんね。

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檀林皇后がきいた鐘




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妙心寺の銅鐘(図録『京都妙心寺 禅の至宝と九州・琉球』)より

大本山天龍寺が、かつてこの地にあった檀林寺の跡地に建てられていることはご存じの方が多いと思います。檀林寺は、嵯峨天皇の皇后・檀林皇后(橘嘉智子)が、禅を学ぶために中国から招いた義空禅師のために建てた、日本ではじめての禅寺とされるお寺です。

夢窓国師は天龍寺供養のさいに、「禅宗が日本に伝わってひろがりさかんになることにおいて、この地にあった檀林寺がさきがけであり、天龍寺がしんがりである」と述べておられます。天龍寺は檀林寺の禅宗史上の意義によって、今の場所に建てられました。

義空禅師は日本へと禅を伝えにきたものの、日本で禅を理解できるのが檀林皇后しかいないことに失望して、中国に帰ったといわれています。広大な寺地をほこった檀林寺も衰退し、平安時代の女流歌人・赤染衛門の和歌集「赤染衛門集」には、「檀林寺の鐘の、土の下に聞ゆるをいかなるぞと問へば、鐘堂はなくなりて御堂の隅に掛けられたればかうきこゆるぞといひしに、后のおぼしをきあはれにてありしにもあらずなりゆく鐘の音つきはてむとぞ哀れなるべき」と、檀林寺にあったあの立派な鐘堂も、失われてしまったと記されています。

檀林寺の跡地には、その後、離宮の亀山殿が、後嵯峨上皇と亀山法皇によって営まれました。亀山殿には寿量院や浄金剛院という御堂も建てられ、寿量院について夢窓国師は「亀山上皇が南禅寺の禅僧20人を置かれ、天龍寺法堂はその寿量院の跡地(後継)にあたる」と述べておられます。

浄金剛院には、亀山法皇のご遺骨が分骨されましたが、浄土宗のお寺だったようです(『増鏡』)。浄金剛院は、兼好法師の『徒然草』に「およそ鐘の声(音色)は黄鐘調なるべし(略)浄金剛院の鐘の声、また黄鐘調なり」とあるように、すばらしい音色の鐘がおかれていたことが知られます。

ここでお気づきの方もいらっしゃると思います。大本山妙心寺に奉安される国宝の「梵鐘黄鐘調」は、嵯峨亀山殿内の浄金剛院の鐘であったとも伝えられていますが、もしかすると、もともとは日本最初の禅寺の檀林寺におかれていた鐘だったかもしれません(あくまで可能性レベルのお話ですが)。

檀林皇后は義空禅師とはじめて対面したときに悟りを開かれたと、夢窓国師は述べています。つまり日本人ではじめて禅の悟りを開いたのは、檀林皇后という在家の女性でした。悟りを開いた檀林皇后に、檀林寺の鐘の音色はどのように聞こえていたのでしょうか。

妙心寺にお参りいたしますと、鐘の音も録音で聞かせていただくことができますが、ぜひその音色に、かつて嵯峨野にあった檀林寺と、檀林皇后・義空禅師のことも思い起こしていただければと思います。

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名勝照福寺庭園 -京都府綾部市-




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含勝庭

京都府綾部市にあります臨済宗妙心寺派、照福寺を訪れました。
こちらのお庭は、国の名勝庭園に指定されています。
作庭されたのは、江戸時代のこのお寺の住職、仙裔和尚とのこと。

生命の営み、万物は流転する事をお庭から教えてもらったひとときでした。

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生々苑

こちらは、足立美術館のお庭の作庭でも知られる、中根金作先生の設計監督によるもの。
岐阜方面から集められた石が使われ、20~30坪ほどのお庭ですが、とても心に残るお庭でした。

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東福寺名宝展の御案内




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東福寺・通天橋の新緑 柴田明蘭(写真)


大本山東福寺で、4月21日から5月6日まで東福寺名宝展が開催される予定です。

「この度の名宝展では、禅の伝法に生きた聖一国師の生涯に焦点をあて、東福寺に大切に護り伝えられてきた修行時代から晩年にいたる国師ゆかりの文化財を一堂に展観するとともに、国宝三門を特別公開いたします」(大本山東福寺のHPより)とのことです。

聖一国師の遺偈や自賛の頂相(肖像画)など、東福寺ご所蔵の国宝・重文の書画をはじめ、国宝三門も同時に特別公開されます。

国宝三門へのぼれば、「壮麗な極彩色の世界がひらかれています。中世建築ではめずらしい一面の極彩画は、画聖兆殿司(明兆)およびその門人寒殿司の筆と伝えられています」(同)とのこと。三門にのぼるのは大変そうですがぜひ極彩色の世界の世界を体験したいですね。
また「東福寺のみほとけ」展も同時開催され、ふだんは非公開の東福寺伝来の仏像・工芸品を拝見できるとのことで、こちらも楽しみです。

新緑の東福寺で名宝を満喫する前に、聖一国師や東福寺について「予習」したいと思われた方に、一つマニアックな文献をおすすめしたいと思います。
今枝愛真先生が『静岡市史 原始古代中世』(1981)に寄稿された「入宋の禅師 聖一国師と大応国師の活躍」です。一般にはあまり(ほとんど?)知られていないと思いますが、聖一国師についてのとても丁寧でわかりやすい伝記です。
各都道府県立図書館などの大きな図書館でぜひ一度探してお読みいただければと思います。

大本山東福寺 新緑遊行と特別名宝展
「聖一国師の遺宝 法をつたえ 宝をまもる」
(国宝三門、「東福寺のみほとけ」同時公開)
2012年4月21日(土)~5月6日(日)
名宝展・三門共に9:00~16:30(受付は16:00まで)
拝観料:
名宝展 大人1000円、中高大生600円
三 門 大人600円、中高大生500円
名宝展・三門・通天または方丈の三ヵ所共通拝観券が
大人1500円、中高大生1000円とお得です。

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「天龍寺寺宝展 夢窓国師と嵯峨・嵐山」展




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少し前になりますが、3月20日の午後、京都嵯峨嵐山の時雨殿で行われている「天龍寺寺宝展 夢窓国師と嵯峨・嵐山」展を訪れ、佐々木容道天龍寺管長のご講演「天龍寺と夢窓国師」を拝聴いたしました。
天龍寺ご開山の夢窓国師の事跡や思想、また天龍寺創建の意義について、1時間たっぷりみっちりとお近くでお話をうかがうことができました。

展示のほうは、出品数は多くありませんでしたが、天龍寺さんは寺宝展をなさらないので、長く夢窓国師を勉強してきたわたしもはじめて実物を拝見したものばかりでした。

なかでも感激したのは墨跡「謝宋船網司上堂偈」です。こちらは状態があまりよくないのが残念ですが、日本史上で名高い「天龍寺船」を主宰した博多の商人へ国師が贈られた偈、つまりは国師自筆の感謝状です。
写真でこれまで拝見してきましたが、実際に拝見したところ、予想以上にすばらしく、当時最高級の中国紙(蝋箋)に書かれたたいへん大ぶりの立派な墨跡でした。

南北朝の混乱の世に、天龍寺創建を無事なしとげられた国師のお心にしばし思いをはせました。

今週末は夢窓国師が心から愛した嵐山の桜を見がてら、いかがでしょうか。


-小倉百人一首殿堂時雨殿リニューアルオープン企画展-
【天龍寺寺宝展~夢窓国師と嵯峨・嵐山~】
6月24日(日)まで。10時~17時(入館16時半まで)
休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館)
入館料/高校生以上500円、中小生300円
小倉百人一首殿堂時雨殿
(京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町11。京福嵐山本線「嵐山」より徒歩5分。Pなし、周辺に有料あり/TEL.075・882・1111)

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山村御流 奉花会 -奈良・円照寺-




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年に一度、山村御流(華道)のお家元、円照寺にて執り行なわれる奉花会に、今年もお邪魔して参りました。
いつもは、尼門跡に相応しい可憐な桜が楽しめるのですが、今年はやはり寒いのかまだ咲いてはいませんでした。

毎回、お邪魔する度に様々な事を思い、自身を省みる、花を生けるとはどういう事なのかという事を考えさせられる機会をいただいていますが、今回は、私も茶の湯においては流派に属して稽古をさせていただいている身ですので、流派というものに属する事についてあれこれと考えていました。

人間が集団となると、様々な人がそこへ集い、中には「この人は本当に道のお稽古をされているのだろうか」と疑いたくなるような方に出会ったりもします。初期仏教のお釈迦様の集団においても、現在の宗教団体においても同じ事が言えるかもしれません。
民芸運動の創始者である柳宗悦などは、茶人に対して辛辣な評価を下したりもしていました。

また、ハイセンスな方は、自身のセンスで花を生け、自身のお茶を楽しまれていて、「茶道なんてものは習わなくても良い。あのような人達の中に交わりたくもない」とまで仰るような方も時々いらっしゃいます。

ですが、はっきりと申し上げたいのは、流派の中に入らなくてはわからない事が絶対にあるのだという事です。それを知らずに批判めいた事を言う人には、私は少しがっかりしてしまうのです。
批判したくなる気持ちもわからなくもないのですが、道の稽古を励むという事は、その者自身の事であって、どんな人がいようとも、茶の湯の精神や真理が腐るわけではないと思うのです。

自身のセンスにおいてなさるのは自由ですし、何も申し上げる事は無いのですが、それに加えて、道の稽古や流派の事を批判するのは、その人の価値を下げてしまいかねないなと私などは思います。

流派に入ることによってのみいただける、自身へと流れ込んでくる流祖の悟りや教えがあり、人から人へ、連綿と受け継がれてきた尊い精神があるというものです。

このように思えるのも、たまたま私が素晴らしい師匠との御縁に恵まれているからであって、そこを忘れてはならないなと思う次第です。

何を学ぶにつけても、良き師匠との出会いを!

2010年奉花会の記事はこちら

-山村御流 華展の御案内-
近鉄百貨店 奈良店にて、5/31(金)~6/3(月)。
心にそっと寄り添う花に出会えます。
お近くの方は是非おでかけください。

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霊鑑寺 春の特別公開




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毎年心待ちしています。不審花開今日春。
京都市北区鹿ケ谷にあります霊鑑寺の特別公開情報です。
尼門跡寺院に興味がある方、椿好きな方は必見です。


3/30(金)~4/8(日) 10:00~15:30(最終受付)
700円
高校生以下無料

スマホアプリ「京都禅寺巡り」では、こういった特別公開寺院の情報も掲載しています。
ほとんど無料で利用可能ですので是非ダウンロードしてご利用になってみてください!(*Androidアプリです )

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相国寺 -京の冬の旅-




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開山堂から臨む法堂。美しい!

3月18日(日)まで、相国寺(烏丸今出川)の法堂と開山堂、塔頭・大光明寺が特別公開中です。
私も法堂と開山堂を拝みにでかけてきました。

辰年とあってか、我が国最古の法堂にて狩野光信の龍図を拝み、龍のお守りを買って帰られる方がとても多いようです。三世代で訪れる方々が多いとの事で、嬉しい事だなと思いました。

いつもは公開されない開山堂。御所の御殿を移築したと伝わる開山堂は、瀟洒な雰囲気で、他派の開山堂の趣とは異なります。御所が近い為、いつも戦乱に巻き込まれ、焼けてしまっていたこの地にある相国寺。京都の歴史と共にあります。
是非おでかけになってみてください。御苑内の梅見も、あわせて是非!

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京都の禅寺にお出かけの際は、スマートフォンアプリ「京都禅寺巡り」を是非ご利用ください。相国寺を含め、辰年に因んだ「龍巡りスタンプラリー」機能も大好評です。

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冬の天龍寺




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仕事にて、天龍寺を訪れました。
嵐山界隈もさすがに雪の降るこの日は人も少なく……。

ですが、そういう冬の、凛と張り詰めた空気の日に禅寺を訪れると、もやもやしていた事、何となく不安だった事を、「悩んで考えていても仕方ないか」とスッキリ払ってくれる心地がします。

曹源池庭園は、まさに開山夢窓国師の作庭で、古えより今もなお、雲水(修行僧)達がこのお庭の前で夜坐を行ない、心の塵や埃を払い清めているのです。
お庭が素晴らしいのは、そうやって、修行僧や参拝の皆様に眺められて、その“気”を感じて育っていっているからだと思うのです。庭と人の間に交流があるのだと思います。

さて、禅寺の庭の記事を、『禅文化』223号より掲載しています。
第一回目は、-鎌倉瑞泉寺と大徳寺大仙院の庭園-でした。
次回224号では、この曹源池庭園がとりあげられます。お楽しみに!

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瑞源寺(臨済宗妙心寺派) -福井市-




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技を訪うの取材で、福井市に行ってきました。

福井といえば、永平寺(曹洞宗)のお膝元、そして浄土真宗の教えが広く深く伝わった地である為、臨済宗寺院はとても少ない地域です。
その中でも、福井に訪れたのなら是非にと、瑞源寺さんにお邪魔し、ご住職に色々とお話を伺って来ました。

こちら瑞源寺さんは、福井藩五代藩主・松平昌親(後に第七代をも勤め、吉品と改名)と、その母・高照院の菩提を弔う妙心寺派のお寺です。
廃藩置県により取り壊された福井城の遺構を残す寺として、本堂と書院が県指定の重要文化財となっており、2010年には大々的に修復がなされました。
細部に至るまで当時そのままの技法と素材で復元を……と、現代の職人の力を結集し蘇った遺構に、感慨もひとしおでした。

通常拝観は行なっていませんが、関心のある方は事前に連絡してお邪魔すれば、拝観が可能です。
御本尊、本堂、書院の修復記録は下記からどうぞ。


-御本尊の十一面観音の修復記録-

-本堂・書院の修復記録-

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如法寺 盤珪禅師ゆかりの寺 -愛媛県大洲市-




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少し前の話になりますが、臥龍山荘を訪ねた後、盤珪禅師ゆかりの如法寺さんが近いということで、お邪魔してみることにしました。

開基は、大洲藩二代藩主・加藤泰興公。1669年に、龍門寺(姫路市網干)の盤珪禅師を招いて開創された寺院です。仏殿は創建時代(1670年)の建築で、重要文化財に登録されています。

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新しいご住職が入られたとの事。荒れていたお寺も、様々な箇所で修復作業が進められているようでした。この立派なお庭も、今は少し切ない状態ですが、手入れすれば立派に新しく息を吹き返す事と思います。

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-円覚寺・居士林だより-




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【円覚寺・居士林だより】

このブログをたまたまみつけてからというもの、遡って記事を拝読してみたり、毎日の更新を楽しみにしています。

臨済宗大本山円覚寺(鎌倉)の僧堂攝心や、皆様方も参加可能な坐禅会、法話の会における老師のお話や、美しい円覚寺の四季などが紹介されているのです。

鎌倉と京都、物理的に遠く離れていても、我々凡夫にも非常に明解に、わかりやすく語りかけて下さる老師のお話を、このようにブログで拝読させていただける有難さにおいては、個人的に少し否定しがちな“発達しすぎ?な科学技術”も、やはり素晴らしい面があるものだ……と思うわけです。


禅に関する事を少しでも掴みたい、学びたいという方は、どうぞ禅文化研究所のブログよりも、こちらのブログを是非毎日ご高覧下さい。と、熱い気持ちでお伝えしたいのです。
理解の及ばないような難しいことばよりも、賢者が伝える、万人に伝わる易しいことばの中にこそ、真理があるのだなと思います。

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永源寺 篠原老師の遷化

臨済宗・永源寺派管長、永源寺僧堂師家の篠原大雄老師が、2011年10月14日に遷化されました。

3年前のDVD制作時、直接携わりお会いする事は無かったのですが、収録されてきたVTRを拝見し、どうしても、是非とも、直にお会いしてみたいと恐れ多い望みを抱きました。
そうして月日が経ち、今年3月に願い叶って、季刊誌『禅文化』のインタビューにてお邪魔し、直にお話を伺う事ができました。
あの日の事は、きっと、死ぬ時まで鮮明に覚えているだろうと思います。

そして本日、密葬にてお別れをさせていただきましたが、御棺が山を降りてゆく際、参道の緑が太陽の煌々たる光を受けて光輝く中をゆかれました。

尊敬し、お慕い申し上げた老師の遷化に、改めて“死”ってなんだろう。。と考えるのですが、私はおそらくこれからも、「今の私を老師がご覧になられたらどう仰るだろう、こういう時、老師はどう仰るだろう」と幾度となく考える事と思います。私が息絶えるその時まで、老師も生きていらっしゃるんだな……というのが、今のこたえです。

老師から教えていただいた事、老師の生き様、少なからずお話を伺った者として、自分の周りの友人をはじめ、このブログや色々な所で話して伝えてゆきたい……とおこがましくも思っています。

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全国明暗尺八献奏大会




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時代劇などで深い傘を被って尺八を葺きながら歩く虚無僧の姿を見たことがあると思います。
実はこの虚無僧は、中国で興った禅宗の一派、普化宗(ふけしゅう)の僧侶で、剃髪をせずに尺八を吹いて諸国を行脚していた半僧半俗の人なのです。

普化宗は、鎌倉時代の禅僧、心地覚心禅師(しんちかくしん・1207~1298・法灯国師)が建長元年に中国(宋)に渡って、中国の唐代の僧である鎮州普化(ちんしゅうふけ・生没年不詳)を開祖とする一派の法系をついでいた張参に竹管吹簫を習い、その弟子たちを紀伊由良の興国寺を建てて住まわせたことから始まります。

明治4年に、江戸幕府と関係が深かったため、明治政府によりこの普化宗は廃止されましたが、明治21年、大本山東福寺の塔頭である明暗寺に明暗協会が設立されて、虚無僧が復活しました。

今は、明暗導主会と称される明暗尺八根本道場が、下記の日程で「全国明暗尺八献奏大会」を催されます。また同時に、東日本大震災被災者 明暗道人物故者追善法要も合修されます。

  ◇日時:平成23年10月23日(日) 午前10時~午後4時
  ◇場所:東福寺塔頭 明暗寺(京都市東山区本町15丁目)
  ◇入場無料(一般のご来聴歓迎)

また、その前日には、明暗寺を出発点として、伏見稲荷周辺、建仁寺周辺、龍安寺・妙心寺周辺、天龍寺周辺の市内4ヶ所で、虚無僧行化(托鉢行)があるようで、虚無僧が尺八を吹きながら托鉢する珍しい姿を見ることができるようです。

お問い合わせは、明暗導主会(075-323-2188 林晋水さん)まで。

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大本山大徳寺(京都紫野) 曝涼のご案内




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このところ、展覧会の情報ばかりで申し訳ないですが……。

毎年恒例の、大本山大徳寺(京都紫野)の曝涼のお知らせです。
大徳寺所蔵の宝物の数々が、虫干しを兼ねて展観されますので、この機会に大徳寺をお訪ねになっては如何でしょうか。

 平成23年10月9日(日)
 午前9時~午後3時半
 但し、雨天中止。

※この曝涼は、毎年10月の第二日曜に開催されています。

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等持院 寺宝展の御案内




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足利尊氏の墓所としても知られる、京都市北区にあります天龍寺派のお寺、等持院(とうじいん)にて、寺宝展が開催されます。美しいお庭とあわせて是非眼福のひとときをお過ごし下さい。

期間:平成23年10月7日(金)~11日(火)
時間:9時~17時

特別参拝料:600円(寺宝展以外の日は500円)
お抹茶:500円(等持院特製銘菓“芙蓉の月”付き)
お番茶:300円(等持院特製銘菓“芙蓉の月”付き)

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石川周子写真集『龍山之思出』




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7/8日のブログにあった、弊所スタッフが訪ねた龍澤寺専門道場。そして、後藤榮山老師に語っていただいたのは、三人の老師方のお話でした。

わずかながらも龍澤僧堂に在籍した小衲には感慨深いのですが、そんな折、偶然にも偶然、ある一冊の写真集が7月12日に上梓され、縁があって手元に届きました。

それがこの、石川周子写真集『龍山之思出』(幹書房発行 ¥5,250)です。
龍澤寺の創世記かつ黄金期の様子を、ご実家が沼津市にあって龍澤寺の信者さんであったという、かの石川周子氏が若き頃に龍澤寺に通ったり泊まったりして、僧堂生活に密着し撮りためておられたものを集めた写真集なのです。

他の僧堂のことはあまり知りませんが、龍澤僧堂は近隣の人たちと密着していて、信者さんや檀家さん達が典座に出入りしては、手伝いをしてくれていたり、子供達が遊びに来て雲水と親しくなったりするというようなことがありました。
そういうオープンな様子が、そして、厳しい禅の生活の中にかいま見られる大らかで暖かい様子が、この写真集に溢れていると思いました。
それは、この写真集の中に収められている、山本玄峰老師、中川宋淵老師、そして当時雲水であった鈴木宗忠老師を始めとする古参の方々の表情に明らかです。
ノスタルジックと言えばそれまでですが、写真だけでなく、中川宋淵老師のうたも鏤められていて、見応えのあるいい写真集です。

裏表紙のこのすばらしい写真も、龍澤寺の近くの田園風景です。今はだいぶ変わってしまいました……。


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東日本大震災 -被災地へ「祈り」を-




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臨済宗妙心寺派、神宮寺住職・高橋卓志師からの御案内です。
神宮寺さんの毎年行われている「いのちの伝承」というイベントの中で、被災地への祈りを行われるそうです。一般の方、僧侶(宗派問わず)の方、多くの方にご参加いただきたいとの事。下記に御案内させていただきます。


************************************

被災地への祈りのひとときを持とうと思います。
神宮寺にご縁のある仏教者の皆さま東日本大震災にかかわりを持たれている皆さま。
被災され、亡くなられた方々を追悼し、祈りをささげたいと思っている皆さま。


8月3日夕刻(18:00)神宮寺にお集まりください


3月11日。大きく長い揺れの後、海は盛り上がり、津波となって東日本の沿岸部を襲いました。そして、27,000人(行方不明の方々も含めて)以上の方が、亡くなりました。
豊饒なる海が、突如、苦海に変わったのです。
この災禍に対して、私たちは「何かしなければ」と思いました。すぐ、現地に飛び、支援活動をした人がいます。あちこちに設置された募金箱にコインを入れた人がいます。肉親や友人の安否を、つながりにくい携帯電話で尋ね続けた人がいます。毎日テレビに映る被災地の映像に向かい、手を合わせていた人がいます。原発事故を憂い、電飾を消してほしいとパチンコ屋さんにかけあった人がいます。がれきの中を歩きながら亡き人々の供養をしたお坊さんがいます……。
それぞれが、それぞれの方法で、被災地を想い、被災地への祈りをささげたのです。
お盆を迎えるにあたり、改めて、この地から被災地に向けて、祈りを届けたいと願います。松本からは500㎞以上隔たった被災地です。でも、被災地を、被災された方々を強く想い、全身全霊をふりしぼって祈ることで、この距離は間違いなく埋まります。そして、そのことで、被災地に「力」は生まれます。
どなたでも参加できます。一緒に祈りましょう。

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綴プロジェクト 於:建仁寺




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3月19日より始まりました、建仁寺「綴プロジェクト作品展」-日本の文化財を最新デジタル技術と京都伝統の技で再現-。
詳細はこちらから。

日本の宗教やそれに関わる伝統美、心。それが受け継がれてゆくところを観て感じる事で、元気・勇気・やる気など、色んな良い気をいただける事かと思います。
京都においでになる際は是非お運び下さい。

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永源僧堂 篠原大雄老師を訪ねて




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先日、季刊『禅文化』の連載記事、-吾が師を語る-の取材で、滋賀県東近江市にある永源僧堂篠原大雄老師を訪ねました。

私は研究所で働かせていただいてちょうど6年ほどになるのですが、研究所にいながらも、在家で“禅”の世界にこよなく憧れるただの一人にすぎません。このブログを読んで下さっていたり、坐禅に興味を持って坐禅会に行かれている方々と同じです。

禅の研究者でもなく、ましてや僧堂生活を経験した事があるはずもなく、そんな者が老師と一対一でインタビューさせていただくわけで、この上なく有難いお仕事であり、楽しみには違いないのですが、同時にインタビュー前の緊張感は尋常ではありません。
この日の永源寺界隈は雪。しかも風も強く吹雪のよう。緊張とあまりの寒さから、「日頃の私の行いが悪いせいか…」などと全くもって関係ないであろう事を思いながら老師との相見の時間を迎えました。


「“普通”という事のすごさ」を思い知りました。私達は常にどこかしら身体や心に力が入りながら日々生活していますが、老師にはそれが全く無いのです。芯が通っていてぶれない人とは、何の力も入らず自由自在に軽やかに、淡々と“本来の自己”でいられるのだな…と。

インタビューが進むにつれ、あれだけの緊張もどこへやら、身を乗り出すように話を伺っていた私です。老師は常に淡々と普通。なのに私の心は帰る頃にはぽかぽかと温かく、視界を遮るほどに降る雪も、凍て付くような寒さもなんのその。スキップしたいほどに軽やかな心持ちなのでした。心と身体の繋がりとは面白いものですね。

何が起きても変わらずに存在するという事、常に“普通”という事が、皆に大きな安心(あんじん)を与え、その存在や空気そのもので衆生を接化するものなのだと感じました。ましてや雲水となると寝食を共にし、老師の一挙手一投足から学び取る。修行とは尊いものだなと感無量でした。こういう世界を垣間見ると、やはり、腹の底から、「あぁ…禅って良いもんだなぁ。好きだなぁ」と思う気持ちがまた深くなります。


そんな篠原老師には、“男が男に惚れて”、若かりし頃の老師を出家に至らしめた森本省念老師、建仁僧堂時代の竹田益州老師の事などを主にお話いただきました。『禅文化』夏号(7/25発刊予定)に掲載予定です。お楽しみに。




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関係機関等からのお知らせ




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弊所のブログは、主に禅に関心のある方などにご高覧いただいているかと存じます。
なかなかに、弊所主催での講演会や坐禅会などは開催する機会がございませんが、お仕事でいつもお世話になっている、東京禅センターさんなどは、様々な勉強会や坐禅会など、広く門戸を開き、敷居を低くし、どなたでも参加できるような企画をお考えです。

また、弊所に事務局を置いております、臨済宗黄檗宗連合各派合議所の公式HP(臨黄ネット)では、臨済宗・黄檗宗の各派本山よりお知らせなども随時更新しております。

既に、除夜の鐘の情報なども掲載中。あっという間に大晦日を迎えそうですね。

是非下記情報もお気に入りに登録して、チェックしてみて下さいね!


【東京禅センター】

【臨黄ネット】

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11月最後の日




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本日で11月も終わり、明日から12月。
なんとなく、忙しい忙しいと言ってはいませんか?
確かに、師が走り出している気がします。

28日の日曜日。今年最後の大徳寺の月釜にお邪魔してきました。
先月旅立たれた表千家の重鎮、久田宗也宗匠ゆかりのお道具類などを拝見し、如何に宗匠が皆に慕われ、尊敬されていたかを思い、しみじみと故人を偲ぶのでした。
中でも、宗匠御筆の「先今年無事 目出度千秋楽」を拝見した時には、時節柄、深く心に落ちるものがありました。
「来年も良いお年を」との御挨拶も耳にし、なんとなく気持ちが焦る思いも。

私が師事しているヨガの先生は、稽古の前にいつも短いお話をして下さいます。
その日も、「あれもしなきゃ、これもやっておかなきゃいけないな」と、なんとなくバタバタと落ち着かない気持ちで稽古に行くと、「この時期になると、なんとなく色々としなくてはならない事に気持ちばかり先走って、結局“今”できる事は1つなのに、思いは違う所へ行っていたりしませんか?」と。心を見透かされているような気がしたものです。
禅もそうですが、ヨガも“今”を大切にします。今に集中し、アーサナ(ポーズ)を行う事で、様々な“気づき”が訪れます。
坐禅をしている時だけ。お茶の点前をしている時だけ。ヨガの稽古をしている時だけ。これらの道が、その時だけのものではなく、少しずつでも、生活にそのまま生きるようになるのが目標です。

ひとまず、「あぁ忙しい忙しい」と口に出すのはやめて、数あるすべき事を、一つ一つ淡々と、でも、心を入れてやっていこう!と思う11月最後の日なのでした。

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萬壽僧堂(大分) 西尾宗滴老師を訪ねて




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季刊『禅文化』の連載記事、-吾が師を語る-の取材で、大分県大分市にある萬壽僧堂にお邪魔して参りました。

閑栖(かんせい)老師・西尾宗滴老師に、御自身の師匠について、様々なお話をお聞かせいただきました。
一番印象的だったのは、師匠の厳しい指導に対して、「ありがたい、感謝」と何度も口にされていた事です。
禅宗の老師方の接化は、それは厳しい事でよく知られていますが、在家の我々にはその世界は想像にも及びません。
それをあそこまで何度も、心底ありがたいと仰るのには、長く厳しい修行の毎日があったからこそなのでしょう。途中で抜け出せば、あそこまでの気持ちには到らぬものと思います。

西尾老師の記事は、来年発刊の4月号に掲載予定です。お楽しみに!

また、インタビュー後は現在の老師、佐々木道一老師とお話をさせていただきました。
時世をみつめ、現代に即した寺の在り方を常に模索されており、敷居を低くする事に努められています。
檀家さんや信者の方も増え、人々が集まって来ている様子。
先日の梅林僧堂といい、今回の萬壽僧堂といい、地方に人々を支える精神的支柱となられる老師方がおられる事に、嬉しく有難く思うのでした。
大分の方は是非、坐禅会などに参加されてみて下さい。

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大徳寺近辺の秋




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京の都もぐっと冷え込み、どこを通っていても目に入ってくる“自然が織り成す美しい錦繍”に心奪われる頃となりました。

大徳寺辺りを訪れますと、駐車場付近のけやきなどは上のように色とりどり。
僧堂の紅葉の木はそれは立派。ちょうど今はグラデーションが美しい頃でした。
修行中の雲水達はこの錦に何を思うのでしょう……。

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光明禅寺 -太宰府-




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太宰府を訪れるなら、太宰府天満宮はもちろんかと存じますが、すぐ近くに東福寺派の禅寺があります。光明禅寺です。

天満宮は日本人のみならず、韓国や中国からの団体で溢れかえっていますが、こちらは私が訪れた際には1人きりでした。
どこまでも続くかのような緑の世界を堪能。雨の後で、空気も洗われ、しっとりとした苔の色も鮮やかで、その趣きはえも言われぬ程。
紅葉の時期の美しさはいかばかりか…と後ろ髪惹かれながらこのお寺を後にしました。
初めての太宰府でしたが、天満宮よりも、九州国立博物館よりも(すみません)、一番深く心に残ったのは、ひっそりと佇むこの小さな禅寺なのでした。

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退蔵院ピースフルコンサート




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以前こちらでもご紹介させていただきました、妙心寺の塔頭、退蔵院でのピースフルコンサートにお邪魔してきました。
パーフェクトポーションの代表、サルバトーレの平和に対する思いと、それに繋がる支援、そして退蔵院の皆様のご理解でこのコンサートは実現したようです。

写真の真ん中に写るTenzinさんは、チベットからインドへ亡命した過去を持ちます。
親と離れ、ヒマラヤを越えてインドを目指す子供たちが現在も数多くいるとの事。
私もネパールで4100メートルくらいまでのトレッキングをしましたが、雪の残る山をゆくのがどれだけ恐怖感抱くものであるか……山登りの装備など全く無しに、命を懸けてヒマラヤを越えるというのは想像を絶するものがあります。

そんなヒマラヤを越えた、親のいない子供たちが、亡命政府のダラムサラの“チベット子ども村”で共同生活をしているそうで、Tenzinさんはそちらへの支援活動などもされているそうです。
「どうかヒマラヤよ、チベットの子供達に道をあけておくれ…」という願いを込めた曲は、涙無くして聴く事はできませんでした。
随処に“祈り”を感じたコンサートでした。Tenzinさんの作る曲には“鳥のうた”が多いそうです。様々な思いが込められている事は想像に難くありません。

便利な事に慣れすぎた我々、物質主義に偏ってしまっている現代においては、目には見えぬ“祈り”など、捧げて何になるのか、結果が見えぬ、物理的変化が認められぬ……という人が多いのかもしれません。
しかし、例えば日本においても、神社や寺院において様々な祈りの儀式や法要などが現在も行われている事、それが遥か昔から守り続けられて来ている事には、大きな意味があるのだと私は思います。


雨の降る少し寒い夜でしたが、“祈り”を感じる声・音、また、Tenzinさんと共に皆で唄い、心温かくなるひとときでした。

チベットはずっと前、いつからかは忘れましたが私の強い憧れの地です。
荒涼たる大地、ぬけるような青い空に神秘的な色をたたえた湖、人々の深い信仰心、東洋の叡智といわれる精神的支柱ダライ・ラマ、世界中で出会うチベット人の優しさと笑顔。京都にいらしたリンポチェの教え。

個人的に浅からぬご縁を感じるチベットとまた“繋がり”を持てた夜でした。
ちなみに、チベット人の名前に多く見られるTenzin(テンジン)とは、“仏の教えを守る者”という意味があると聞いた事があります。
最後には皆で、チベット仏教徒が大切にしている御言葉、「オンマニぺメフム」を唄いました。

本日は大阪でコンサートとの事。また皆の心を温かくしてくれる事でしょう。

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Japanese Decorative Gigs 2010 窶骭€ 京 都 南 蛮 事 変 -妙心寺・春光院-




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「南蛮寺の鐘」が残る妙心寺の塔頭、春光院さんにて、10月24日、面白い会が催されます。
唐紙・襖紙の制作で、昨日ご紹介しました-かみ添-さんも参加されています。
私もお邪魔する予定です。
美しいモノ、新しい価値観との出会いに、自身が何を思うのか、今から楽しみにしています。

Japanese Decorative Gigs 2010 窶骭€ 京 都 南 蛮 事 変

*今回はご案内が遅れ、チケット予約期間を過ぎてしまいました…。昨年もこの催しは行われていたようですので、もしかすると来年も?! 関心を持たれた方は、アンテナを張り巡らせておいて下さい。

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梅林僧堂 東海大光老師を訪ねて




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先日、季刊『禅文化』の連載記事、-吾が師を語る-の取材で、福岡県久留米市にある梅林僧堂分院までお邪魔して参りました。
閑栖老師(前妙心寺管長)・東海大光老師に、御自身の得度のお師匠さんや、僧堂での師匠である東海玄照老師について様々なお話をお伺いしました。

当日、久留米の地に降り立ち、久留米城址や筑後川、ブリジストンの大工場などを目にしてから梅林寺を訪れ、この地に僧堂があり、そこでは今でも昔ながらの厳しい修行が続けられ、精神的支柱ともいえる老師がいらっしゃるという事の意味は、とてもとても大きな事のように思い、感慨深いものがありました。
むろん、存在すら知らない、気にしないでその地に住まう方々もいるでしょう。
ですが、坐禅会などもされているようですし、精神面・文化面をリードするに価する僧堂が存在するという事を、この地の人々は、大切にしてゆかなければならないなと思いました。

インタビュー中は、鋭い眼光を放ちながらも、赤子のように美しく澄んだ老師の瞳に引き込まれつつ、物心つく前から「お坊さんになる」と仰り、一筋に生きて来られたお姿、お話に、胸が熱くなりました。
まさに、御自身が好きだと仰る、映画監督・五所平之助さんの句「生きることは 一筋がよし 寒椿」のままに歩まれていらっしゃるのでした。

在家の私が、研究所でのお仕事によって、普通ではありえないであろう、一対一で老師にお話を伺うという事に、悦びと感謝の気持ちが湧き起こらないはずもありません。
僧堂の老師方は、メディアなどに登場される事はほぼありませんし、皆さんがお知りになる機会も少ないかと思います。
ですが、季刊『禅文化』の記事を通じて、少しでも多くの方に、老師の生き様、来し方、師匠との交わりを知っていただき、何か自身の生き方・人生の糧としていただければと願っています。

季刊『禅文化』2011年1月号に掲載予定です。
お楽しみに!

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中国僧との交流




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日中の禅僧が坐禅や作務など、修行体験を通して相互理解を深める、日中禅僧交換交流のために5名の中国僧たちが来日した(9/27)。

中国仏教協会から派遣された一行は、福建省の仏学院の指導者を中心としたメンバーで、国内の2つの専門道場で雲水たちと共に5日間の修行生活を送り、関係寺院を表敬訪問したのち、京都で報告会を行なう予定である。

中国漁船衝突事件で日中関係が緊迫した状況の中で、本当に来日できるのかと少し不安もあったが、空港に現れた元気な姿を見て先ずは一安心。

翌日、滞在する専門道場の一つである一宮市の妙興寺に案内した。国により文化・習慣は違っても、修行という共通項があればお互いを理解するのにそう手間はかからない。僧堂生活の説明を受ける彼らの真剣な表情からもそれは感じ取れた。

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木曽の名刹 定勝寺 その2

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庫裡内部の書院には、「定勝寺棚」と言われる立派な棚や、欄間や障壁画など、目を見張るものばかり。
御所蔵になられている宝物も逸品ばかりで、そのうち15点ほどの撮影をさせていただいた。
拝観も可能なので、付近に赴かれた際には、一度訪ねてみてはいかがだろう。

ちなみに、皆さんがよく口にするであろう蕎麦は、麺として切られた蕎麦。昔はそば粉を練っただけの「蕎麦がき」と区別して「蕎麦切り」と言われていたが、最も古くこの蕎麦切りの存在が記されている文献が、この定勝寺に残っている寄進記録であり、同寺では「蕎麦切り発祥の地」としている。

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木曽の名刹 定勝寺 その1

季刊『禅文化』218号の表紙に掲載する「瀧見観音」図の撮影を行なうために、岐阜県は木曽の定勝寺(臨済宗妙心寺派)を訪問した。
私事だが、じつはこの寺の現住職とは大学時代の同級生である。ただ、お寺を訪問するのは初めてなので、楽しみにして出かけたのだった。

中央高速の中津川インターから国道19号線を木曽川沿いに北上すること約40分。19号線から少しはずれた、旧中仙道沿いに建つ定勝寺に辿り着いた。

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石段の上には美しい山門が見える。山門の横にはかなりの樹齢を誇るであろう、見事な枝垂れ桜の老木がある。春に見てみたいものだ。
山内には本堂と並んで美しく大きな庫裡が建っている。失礼ながら木曽の山間にしては、あまりにも立派な伽藍なので、正直、驚きつつ庫裡に踏み行った次第。そこで旧友とともに、先の住職でその父である閑栖和尚にお出迎えいただいた。

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庫裡に入った瞬間、その内部の美しさにも見入ってしまった。聞くと、山門、本堂、そして庫裡は、国の重要文化財だというではないか。木曽親豊の菩提寺として建設されたのは関ケ原の戦の直前、1598年。すでに400年以上にもなる。お寺自体は室町時代に開創され600年の歴史を誇るが、当初、木曽川沿いに建てられていたが水害で流れ、以後、この地に移ってから災害に遭わずに現在に到るという。

明日へつづく

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曹洞宗大本山永平寺




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福井県にあります曹洞宗大本山の永平寺を訪れました。
御存知、道元禅師により寛元2年(1244)に開創。日本曹洞宗の修行参禅の地です。

雲水さんによる簡単な説明を受けたあと、参拝客は本山内を巡りますが、ざっと見れば約1時間程で拝観してまわれます。
臨済宗とはまた違った七堂伽藍ももちろん気になりますが、随処ですれちがう雲水さん達が気になり、目で追ってしまいます。
臨済宗の場合、僧堂に一般人がお邪魔するという事はほぼあり得ませんし、拝観も不可能。本山内にある僧堂についても山内の奥にひっそりとたたずみ、参拝客の皆様は気づかないほどかもしれません。

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曹洞宗大本山永平寺の続きを読む

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退蔵院ピースフルコンサート




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季刊『禅文化』205号「私の目から見るチベット」李建華 より

私が個人的に大好きなアロマショップ、パーフェクトポーション京都店を訪れますと、何やら気になるちらしが目に入りました。

-退蔵院ピースフルコンサート- 10月24日(日)

社長のオーストラリア人、サルバトーレは、アロマテラピーの中に、中国の五行・気やインドのアーユルヴェーダ、チャクラなどの知識を織り交ぜた独自のアプローチで、人々の身心を癒す事を考えている方で、私の中でかなり注目の人物です。
また、その国・土地の文化を尊重する方で、日本や京都を意識した商品も揃っていますが、そんな彼と退蔵院さんとのある御縁から、今回のコンサートは実現するようです。

チベットが大好きな私にとって、会の趣旨にも共感でき、しかも退蔵院さんでという事で、お邪魔しないわけには参りません!
皆さんもお時間のご都合があえばいかがでしょうか?

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庭の水遣り




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連日の猛暑が続いている。9月に入ってもその勢いは止まず、予報では今月中旬まではこの暑さが続くらしい。8月は殆ど雨が降らず、梅雨の頃はあれほど晴れ間を願っていたのに、今はいつ雨が降るかを願う毎日である。
人間にはまだ冷房という逃げ場があるが、草木にとってこの連日の照りようはかなり厳しいものだ。
昨年は殆どすることがなかった寺の庭木や苔への水遣りも、今年は定期的に行なうようになった。
赤茶けてカサカサになったいた苔も少しの水を与えるだけで緑が蘇ってくる。朝の忙しい合間の作業となるが、本格的な雨が降るまでの辛抱である。

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館蔵の名品展 -承天閣美術館-




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墨蹟を学びたい方必見の展観です。
臨済宗大本山・相国寺内にあります承天閣美術館にて、館蔵の名品展が開催中です。
禅の巨匠の墨蹟が多々出展されており、関心のある方には非常に興味深い展示となっていました。
「どの禅僧の字が私は好みかな…。この方が気になるなぁ……」などという所から、その禅師について調べてみたりするのも楽しみの1つです。
是非お運び下さい。>来年3月27日まで

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東福寺塔頭 光明院




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前々より伺ってみたかった東福寺塔頭・光明院さんを訪れました。
散策には暑すぎるからか、夕暮れ間近だからか、1人ぽつんと庭を眺め…。

拝観料は志納、団体客やマナーを守れない方の入山はお断り。
どこへお参りするにも緊張感を持ってお参りすべきでしょうが、入り口に書かれてある事で妙に意識しつつ……。書いていなくては守れない者がいるというのは、由々しき問題だなぁ…とも思い…。

重森三玲作の庭、カラスの鳴き声、蝉の声。その中に身を置く不思議な感覚。
一人旅の方に是非お参りいただきたい塔頭です。

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慈照寺




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東求堂同仁斎 秋の特別拝観では書院飾りが再現される

DVD禅の庭シリーズの第4作目となる『銀閣寺』の制作が始まり、猛暑が続く7月末に行なわれた撮影隊に同行した。

当初、早朝から本番の予定であったが、気象条件が万全といえず庭の撮影は取りやめ、寺側関係者と打ち合せ後、今後の撮影に備えて銀閣寺執事長の案内で東求堂と観音殿(銀閣)内部を見せていただいた。
これまで東求堂は何度かあるが、銀閣2階に上がるのは初めてで、これも制作者側の役得といえる。

撮影は1年かけて行なわれ、銀閣寺の四季の移ろいと共に禅院の庭が持つ深い精神性や自然観を追い続ける。

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銀閣2階より東求堂を望む
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建仁寺 両足院の半夏生




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両足院

仕事で建仁寺さんを訪れました。
本山内にある塔頭の両足院さんにて、半夏生の美しいお庭が特別公開されているようです。>7月11日まで。
多くの方がおみえでした。詳しくは両足院さんのHPをご覧ください。

半夏生(はんげしょう)。特別に目立つわけでもなく、日が経ち白い部分がまた緑色になれば見向きもされなくなります。ですがじめじめとしたこの季節、茶室に涼を添えるその姿が私は大好きです。

それにしても本日も30℃を超える真夏日。拝観の皆様も汗だくで、なかなかにお疲れのご様子でした。
京都観光の際は、暑さ対策は万全になさっておでかけください。


東京国際ブックフェア 招待券進呈中

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寂室禅師生誕奉賛茶会 於:永源寺




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5月9日、滋賀県にある臨済宗大本山・永源寺にて、開山様のご誕生を祝う寂室禅師生誕奉賛茶会が催されました。
まさに「風がごちそう」と言いたくなる季節。太陽の光をあびてきらめく新緑に何度も深呼吸しました。

本堂での献茶・献笛に加え、泰山流(煎茶)・表千家・裏千家・遠州流・番茶席が設けられ、どのお席もそれは盛会で、修行するのにはもってこいと思われる山奥の本山も、この日(と、秋の紅葉時期もですが…)ばかりは普段に無い賑わいを見せます。

秋の紅葉の季節もそれは美しいものですが、是非この青もみじの季節の清々しさも皆さんに知っていただきたいといつも思います。
お子さんをお連れになる方も多く、気軽にお茶に親しめる機会でもありますので、是非、気になった方は来年おでかけ下さい。その際には、開山様のお誕生日をお祝する会である事も、お子さんにお話しになってあげてくださいね!

永源寺公式サイト
2007年のようす
2009年のようす

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愚堂禅師開山の中山寺




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本ブログで何度か書いたが、今年秋に愚堂東寔禅師の350年遠諱が営まれる。その愚堂禅師が開山された寺院の中の一つに三重県伊勢市の中山寺がある。
伊勢神宮の外宮に近いところにある、この寺院は臨済宗妙心寺派に属し、当時はこのあたりの本寺であった。
愚堂禅師遠諱記念事業に関わるうちに、この中山寺の御住職・中山義彦師から依頼を受け、弊所は、愚堂禅師の法嗣で当山の第二世・雪潭豊玉禅師の語録の訓読注釈、ならびに什物の図録を作ることを承った。

そんなことで、先般、ご所蔵の什物や山内諸堂の図録写真撮影に、中山寺を訪ねた。

まずは新緑鮮やかな境内を撮影。
本堂と庫裡の他に、鎮守堂、不動堂、地蔵堂、天神堂と、諸堂があり、鎮守堂には権現さんが祀られていたり、愛染明王や観音様も一緒に祀られている不動堂は、以前は経蔵だったとのこと。ご住職のお話では、明治の廃仏毀釈で近隣の寺院が廃寺に追い込まれたため、そこから預かったものも多いということだった。

10時ごろから始めた什物の撮影は夕方5時ごろまでかかったほどで、それでも、江戸末期や明治以降の墨跡は撮影しておらず、選りすぐったものだけであった。墨跡以外にも、御所蔵の円空仏もあり、また雪潭禅師の木像の撮影には一番苦心した。

来年の春に中山寺様で行なわれる雪潭禅師の三百年遠諱に向けて、これらの出版物を制作していくことになっている。

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寂室禅師生誕奉賛茶会 於:永源寺




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5月9日(日)、滋賀県にある臨済宗永源寺派の大本山永源寺において、-開山寂室禅師奉賛茶会-が開催されます。毎年、開山様のお誕生日に近い日曜日を選んで開催されています。

開山寂室元光禅師が都よりこの地に移られた時、多くの修行僧がそれに従いこの山深い地で修行に励んだといいます。そして禅師は、後光厳天皇からの再三にわたる京都天龍寺への出世を断り続けたとの事。
そんな事に思いを馳せながら、深呼吸し、新緑の中で一服のお茶を皆さんでいただきませんか? 
是非おでかけください。

2007年のようす
2009年のようす

開催日:平成22年5月9日(日) 午前10時~午後3時

献茶式:遠州流 小堀宗実家元  (献茶式は11時より)
献 笛:都山流 八木慶山師

特別協賛:煎茶席 泰山流家元
協賛席:表千家流/裏千家流/遠州流/瑞石会

茶 券:前売券:2500円/当日券:3000円

茶券販売所:大本山永源寺・各協賛席

お問い合わせ:大本山永源寺(奉賛茶会係)
           電話 0748-27-0016

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俵屋宗達筆松島図屏風 複製




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琳派の祖・俵屋宗達といえば、建仁寺蔵の「風神雷神図」があまりにも有名であるが、今から400年近く前、江戸時代初期の1630年頃に描かれた、この「松島図屏風」も俵屋宗達筆の傑作である。
この屏風は、当時の堺の豪商、谷正安が宗達に依頼し、澤庵禅師が開山の堺・祥雲寺に寄贈されたものとされている。
それが約100年前の1902年に、アメリカのチャールズ・フリーアの収集品の一つとなり、その後、ワシントンDCのスミソニアン博物館のフリーア美術館で収蔵されてきたのである。

この度、京都文化協会とキャノンが取り組んでいる「綴プロジェクト」の第三期制作の一作品として、この「松島図屏風」が高精彩複製作品として完成し、祥雲寺に寄贈されたのである。禅文化研究所はその監修という立場で関わっており、寄贈披露式にご招待いただいた次第。

俵屋宗達筆松島図屏風 複製の続きを読む

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歴史秘話ヒストリア "みんな好き好き一休さん"




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NHK総合テレビの歴史秘話ヒストリア(毎週水曜22:00~22:43)に、弊所所長・西村惠信先生が登場します。
平成22年4月21日放送分の、
「第37回放送予定 みんな好き好き一休さん ~禅の心で自由に生きろ~」
において、一休禅師の奇行の真意について究明します。

「とんちの一休さん」と、一般にはあの可愛らしいアニメの一休さんのイメージですが、実はそのイメージとは全く違う、風狂の禅僧。後小松天皇の御落胤という説もあり、大悟しても師の華叟宗曇からの印可状を受け取らなかったり、お正月に杖に骸骨をつけて「ご用心ご用心」といって歩いたり、破戒としかとれないような行動をしたり・・・。

有漏路より 無漏路へ帰る 一休み 雨ふらば降れ 風ふかば吹け(一休)


この歌は、一休の道号のもとにもなる有名な歌ですが、我々人が生きていく上でもっとも大切な生死(しょうじ)にまつわる真実の歌です。

何かにつけて理解を超えた行動をとった、一休禅師の境界に少しはせまることができるかもしれません。
どうぞお楽しみに。


※ 一休禅師関係の書籍(禅文化研究所発行 現在ご購入可能なもの)

 『一休道歌 三十一文字の法の歌』(禅文化研究所編)
 『大徳寺と一休』(大徳寺塔頭 真珠庵前住職 山田宗敏著)
 『一休和尚抄 般若心経圖會』(禅文化研究所編)


5月18日、西村惠信所長といく禅と文化の旅 参加者募集中!

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世界遺産 嵐山天龍寺の春




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お仕事で嵐山天龍寺を訪れました。
この日(2日前)はあいにくの雨模様にもかかわらず、たくさんの参拝者の方がみえていました。
天龍寺を参拝した際にお庭の草花をご覧いただくと、1つ1つに名前を書いた立て札が立っています。
春にはたくさんの花が咲きますので、是非桜のみならず、足もとの花にも目を向けてみて下さいね!

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タブラ奏者 アリフ・カーンのコンサート -皷楽撃竹- 於:福成寺






昨年9月にこちらでもお知らせ、ご報告しましたインド人タブラ奏者のアリフ・カーンさんが再来日されます。
京都市西京区にあります禅寺、福成寺の竹林をバックに、あの幻想的な音色を聞かせていただける機会がまたやってきました。

前回私もお邪魔しましたが、屋外でのコンサートは、木漏れ日の中で風を感じ、まるで鳥達も楽器に共鳴するようにさえずり、心の底にあるストレスなどからも解き放たれるかのような気持ちの良いコンサートでした。
是非皆様にも、この機会に味わっていただきたいものです。
ご都合つきましたらどうぞ。
詳細は、上のパンフレットをクリックして下さい。

時:4月4日(日)10:00~12:00
所:福成寺(京都市西京区樫原内垣町24)
参加料:2000円

その他アリフ情報はこちらのブログにて!

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-而生其心- 石田智子展 ギャラリー素形




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京都のギャラリー素形(室町二条下ル)にて、石田智子展が開催中です。
石田智子さんといえば、玄侑宗久師の奥様であり、我が研究所の季刊『禅文化』213号の、-寺庭さんのリレーエッセイ-にも寄稿いただいている。その中に、如何にしてこういった制作活動をするに至ったかが書かれており、様々な心の葛藤を知り得た。

この展観のタイトルは石田さん御本人がギャラリーの空間から感じ取り、御自身の作品の展観と重ねてつけられたのだとか。

-応無所住、而生其心- 臨黄ネット・禅語栞いろは歌より
-応無所住、而生其心- ブログ禅「えしん先生の禅語教室」より


皆さんはこの空間に何を感じ取られるのでしょう。
私も会期中に伺いたいと思います。
じっくり展観を見た後は、ギャラリー横のカフェで一服。
素敵な休日になる事間違いなしです。豊かな時をお過ごし下さい。

3月7日まで
ギャラリー素形

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フランス語版『雲水日記』




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フランスのフィリップ・ピキエ社から、『雲水日記―画で見る禅の修行生活』(佐藤義英/画・文)の仏訳が出版された。
訳者のロジェ・メネソンさんは、フランス極東学院所長のフレデリック・ジラールさんのかつての生徒さんで、10年ほど前に、『雲水日記』を仏訳したいと、禅文化研究所に訪ねてこられた。ご承知のように、『雲水日記』の日本語版は、専門用語もあふれていて、洒脱だが、わかりにくい個所がいろいろある。これを、面白みを残したまま筋の通ったフランス語にするのは、大変だろうなと、ロジェさんのお話を伺いながら感じていた。
今、入門編の二つ「初行脚(はつあんぎゃ)」と「掛錫(かしゃく)」を拝見したところだが、誠実な苦労のあとが偲ばれる。いいフランス語だなあと思う。ユーモラスな画も生きている。日本の文化を根底から支えている世界を、楽しくお知らせすることのできる一冊だと思う。定価19.50ユーロ。
アマゾン(フランス)では、18.53ユーロで入手できるようだ(ただし送料は別途必要)。

日本文化に関心のあるフランス語圈の方々への、ちょっと「イケテル」プレゼントとしても役立つかもしれません。

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播州 龍門寺




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兵庫県姫路市にある龍門寺は、「不生禅」を説いた盤珪永琢禅師(1622~93)を開山として寛文元年(1661年)に創建された。
播州随一の偉容を誇った大叢林として名高く、今もその遺構を残している。しかし無檀家のため伽藍の補修や維持管理に代々の住職は苦心されてきた。
平成16年に住職に就任した河野太通老師は、諸堂の復興に努められ、同時に大衆禅道場を開単し国内外の禅修行者を受け入れ坐禅指導をされている。

今回訪問した目的は、次期妙心寺派管長に就任される河野老師に、「禅僧が語る」シリーズへの出演を依頼するためである。
4月からの管長職と共に全日本仏教会会長にも就任され多忙な毎日となっても、生活の基本は龍門寺に置き大衆の接化に努めたいそうだ。
インタビューは3月に行なわれるが、どんなお話をしていただけるか今から楽しみである。

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水僊(水仙)




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この季節に咲く花で最も好きな花、水仙。今年も研究所横の花壇にたくさん花を咲かせています。
あの可憐で清楚な姿からは、日本人としてはどうも納得がいかない花言葉-うぬぼれ・我欲・自己愛・神秘-などにぎょっとしたものですが、ギリシア神話から来ていると言われると閉口。
ナルシストの語源にもなった美少年ナルキッソスのお話は御存知でしょうか(諸説あります)。
日がな水鏡に映る自分を見て過ごしていたナルキッソスですが、自分の美しさを鼻にかけ、言い寄ってくる相手を邪険に扱い恨みを買うなどしていました。
そんなある日、復習の女神が、ナルキッソスが自分しか愛せないよう呪いをかけ、彼は水鏡に写る自分に恋をしてしまったのです。もちろん、水面に写る自分に恋したところでその思いが遂げられるはずもありません。憔悴したナルキッソスはそのまま死んでしまいます。その後には水仙が咲いていたそうです。また、水面をのぞきこむようなナルキッソスの姿と水仙が似ているという事もあるようです。
そんなこんなで-自己愛-というような花言葉がついた水仙…。

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大徳僧堂の錦




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先日、大徳寺を訪れた際の写真です。
僧堂の紅葉がそれは見事で美しく、しばしみとれました。
そう、まさに先日、12月1日からは臘八大摂心* が始まっていますね。

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松島 瑞巌寺




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日本三景の一つ松島にある瑞巌寺は、奥州随一の禅寺で伊達家の菩提寺として知られる。
天長5年(828)、慈覚大師円仁によって開創され、当時は延福寺と呼ばれていた。現在の建物は、慶長14年(1609)、伊達政宗公が桃山様式の粋をつくし、5年の歳月をかけて完成させたものである。
訪れた日はあいにくの空模様であったが、本堂へと続く参道の両脇には杉木立が並び、静寂な雰囲気を醸し出している。
国宝の本堂は現在平成の大修理中で、残念ながら中の拝観はできない。

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秋深き永源寺にて




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先にブログ禅で報告した、第8回西村惠信所長といく“禅と文化”の旅で訪ねた永源寺。紅葉の事前情報では「色づきはじめ」といったことだったが、訪ねてみると、まだ緑の葉も残すものの、真っ赤に紅葉した葉も有れば、黄色く色づいた葉もあり、見事なグラデーションを見せていた。

今回は、そんな永源寺の紅葉や山内をご紹介します。小雨のあとだったせいで、却って色も引き締まって、さらに美しくみえました。

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もう少しお楽しみください。⇒

秋深き永源寺にての続きを読む

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妙心寺 禅の心と美  -名古屋市博物館-




名古屋市博物館

11月23日まで名古屋市博物館にて、【特別展 開山無相大師650年遠諱記念-妙心寺 禅の心と美-】が開催中です。
東京国立博物館、京都国立博物館と、妙心寺開山無相大師650年遠諱事業の一環として、順次開催されて来ましたが、今回は展示内容もまた異なっているようです。
予想を上回る人出だそうです。妙心寺所蔵品だけではなく、濃尾地区の妙心寺派寺院所蔵の宝物も多数出展されております。なかなか目にすることのできない宝物の数々、是非この機会にお近くの方はおでかけになってみてください。

お正月からは九州国立博物館で「京都 妙心寺 -禅の至宝と九州・琉球-」が開催されます。

栞いろは歌 禅のことをもっと…も各会場内にてお配りしております。

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遠州龍潭寺




遠州 龍潭寺

奥浜名湖の北、井伊谷(いいのや)にある龍潭寺は臨済宗妙心寺派の寺院である。源義朝や源頼朝に仕えた井伊氏の菩提寺で、戦国時代に徳川家康に仕えた井伊直政は、彦根城主に出世している。直政の遺言により建立された彦根の龍潭寺は分寺にあたる。

奥山にある方広寺を訪問した帰途に立ち寄ってみた。売店もある広い駐車場は、平日にも関わらず、大型バスが何台も駐車している。聞けば舘山寺で開催されている花博とのタイアップで観光客が多く訪れるとのこと。
石畳の参道を進み、山門を入って石段を登ると正面に庫裡が見える。現在本堂は屋根の葺替え工事中で足場が組まれ全容を見ることはできない。本堂裏にある庭園は小堀遠州作。東海一の名園といわれている。多彩な石が配置されサツキとの組み合わせが見事である。まだ色づいていなかったが、どうだんが紅葉する頃も見てみたい。
同じ時期でも、大勢の拝観者で溢れ返る京都の観光寺院と違い、ゆっくりと拝観できるのが地方寺院の良さであろう。

遠州作庭
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チベット・タンカ絵師 馬場崎研二・帰国展 -京都・退耕庵-




チベット・タンカ絵師 帰国展

東福寺塔頭、退耕庵にて、チベットタンカ絵師・馬場崎研二さんの帰国展が開催されます。
詳細は下記のとおり。普段は非公開の塔頭にての展観です。
是非この機会にお立ち寄り下さい。

-馬場崎研二-
長崎県佐世保市生まれ。
慶応義塾大学法学部政治学科卒。
1978年3月、インドのダラムサラにて生涯の師、チャンパ・ツェテン氏と出会う。
以後11年間、師の死去まで師事。ダラムサラでの生活を終え、今年7月31年ぶりに帰国。
チベットタンカ絵師として国際的に活躍。

日時:11/3(火)~10日(火) 10:00~16:30
料金:300円
会場:京都 東福寺 塔頭“退耕庵” JR奈良線・京阪本線「東福寺」下車、徒歩5分

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大徳寺塔頭 特別公開情報




大徳寺駐車場横の紅葉(昨年)
昨年の大徳寺での紅葉


先日所用があり大徳寺へでかけた所、特別公開をしている塔頭がありました。
いずれも普段は非公開の寺院ですので、秋の京都へのご旅行を計画されている方は、是非訪れてみられてはいかがでしょうか。

【黄梅院】
春林宋俶を開祖とする小庵・黄梅菴を前身とし、天正年間(1573~92)に豊臣秀吉・小早川隆景らの帰依のもと改築されました。本堂や庫裡などは重要文化財に指定されています。また、千利休による直中庭の他、武野紹鴎作の囲式四畳半の茶室「昨夢軒」なども見ごたえがあります。個人的には直中庭にある加藤清正が朝鮮より持ち帰ったという灯籠が素晴らしいと思っています。

期間:2007年10月6日(土)~31日(水)、11月13日(火)~12月9日(日)
時間:10:00~16:00


【興臨院】
大永年間(1521~1528)に能登の守護畠山左衛門佐義総が建立し、天正九年(1581)に前田利家により改修が行われ、以来、前田家の菩提寺となりました。
こちらのお寺のもみじの大木の紅葉は、えもいわれぬ美しさです。

期間:2007年10月6日(土)~12月16日(日)
時間:10:00~16:00

いずれのお寺も、法務などで拝観休止の事もあります。ご了承下さい。

【第8回 西村惠信所長と行く“禅と文化”の旅 参加者募集中!】

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神戸 祥福僧堂




神戸 祥福僧堂

墨蹟の撮影にて、神戸市内にある祥福僧堂を訪れました。
こちらの僧堂は、禅文化研究所初代所長の山田無文老師がおられた僧堂です。現在の師家は、木村太邦老師です。

僧堂を訪れると、とても興味深いので色々と観察する私ですが、いつも、どちらの僧堂に伺っても一番に思うのは、

「は~~っ、(お腹の底から)気持ち良いなぁ…………」

という事です。この言葉につきるのです。
通り抜ける風、黒光りするほどに磨かれた床、掃き清められた庭、その僧堂を取りまとめる老師の息遣いが聞こえるようで、また厳しい修行に励む雲水さん達そのものの姿を見るようで、とても楽しみにしている仕事の1つです。

この掃き清められた庭を見よ!

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法常寺 -亀岡市-




丹波 法常寺

9月のはじめ頃、愚堂国師の墨蹟撮影の為、亀岡市にある臨済宗妙心寺派の法常寺を訪れました。
こちらの開山は江戸初期の禅僧、一絲文守(いっし・ぶんしゅ)です。永源寺の中興の祖としても有名です。
都を離れ、山深いところを好んだ一絲が25歳の時にこちらに移り住み庵をむすんだところ、彼に深く帰依していた後水尾天皇が伽藍を寄進したとの事。
仏殿は市の文化財、庭は府の名勝に指定されています。紅葉の頃はいかばかりか……と思いつつ、境内を散策しました。

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宗鏡寺 -兵庫県豊岡市出石-

参道

但馬の小京都といわれる出石にある宗鏡寺(すきょうじ)は、通称沢庵寺と呼ばれる臨済宗大徳寺派の古刹である。もとは東福寺派に属し、戦国大名山名氏の帰依を受け山陰唯一の伽藍を誇っていたが、羽柴秀吉の但馬攻めにより山名家が滅亡し、寺もまた荒廃した。
これを再興したのが、この地に生まれた沢庵宗彭(そうほう)である。
沢庵禅師といえば、徳川家光をはじめ多くの大名の帰依を受け、柳生宗矩に剣術の心得を教えた人物としても知られ、今日食膳におなじみの「沢庵漬」は、禅師の工夫によるものとも言われている。禅師は晩年、家光により建立された江戸の東海寺に住するが、生涯を通じて最も親しんだのが、故郷にある宗鏡寺である。

出石までは私の自坊から車で2時間ほど。山と川に囲まれ静かな佇まいをみせる町並みは、殆どの名所旧跡が歩いて回れる距離にある。

庭園

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タブラ奏者 アリフ・カーンのコンサート




コンサート at 福成寺

9/18のブログでお知らせしたように、去る9月27日に、インドから若きタブラ奏者のアリフ・カーン氏が初来日し、京都市西京区の福成寺の竹林で、シタールの田中峰彦氏とのミニコンサートがあった。
コンサートを見に行くことにしたところ、今回の来日に深く関わっている人が、研究所に以前勤務していた方の奥方ということもあって、少々お手伝いを頼まれることになった。

彼と彼のインド側のプロデューサー的存在の女性を京都市内のホテルでピックアップし、車で会場のお寺に連れていき、コンサートの時にはカメラマンになってほしいとのこと。
そんなわけで、しばらくの時間では有ったが、直接、下手な英語で話をしたりして、コミュニケーションもはかれた。もしインドにいく機会があったら、きっとお世話になれそうなことに……

タブラ アリフ・カーン/シタール 田中峰彦

それはさておき、オープンエアで竹林を背景にしたミニコンサートは、約40名ほどの聴衆の中でアットホームな雰囲気のなか始まった。
シタールの田中氏から楽器やインド音楽の説明をしていただき、あのシタールの奏でる独特なインド音楽と、初めて目にする、タブラという打楽器のリズミカルかつメロディアスな音に魅入られて、あっという間の1時間半だった。

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妙興僧堂 稲垣宗久老師を訪ねて




妙興僧堂


秋晴れの気持ちよいとある日、季刊誌『禅文化』の記事、-吾が師を語る-の取材で、愛知県一宮市にある妙興僧堂を訪れました。
稲垣宗久老師の師である、河野宗寛老師や挟間宗義老師について、お話を伺ってきました。

稲垣老師の飾らないお人柄、お話に魅了され、じんわり感動がひろがり、「あぁ……、師匠と弟子とは本当に本当に良いものだなぁ」などと、しみじみ思いながらお話を拝聴していると、目頭も熱くなりました。

私にも師と慕う心から尊敬する人がいますが、師と仰ぐ人を失った時の事について、御自らも師匠2人をお見送りされた経験から伺ったところ、「師匠を失ったらどうしたらいいか?じゃあこうしなさい、ああしたらいいですよとアドバイスをしてもそんなものは何の役にもたちませんよ。その時あなたが受け止める感情とか思いを、他の何かが引き受けるというような事はないですよ」と、強い大きな声で言われ、ハッとしました。
こうなったらどうしよう、ああなったらどうしようと先の事に対する不安を思いめぐらしていても致し方ない。今を精一杯生きる、自己をみつめ真摯に生きていく事を教わった有難い一日でした。

前回の山川宗玄老師につづき、大変興味深い素晴らしい記事になる事間違いなしです。

愛知一宮・妙興僧堂、稲垣宗久老師による、『吾が師を語る――河野宗寛老師と挟間宗義老師』は、来年1月発売の季刊誌『禅文化』215号に掲載予定です。

妙興僧堂
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インド タブラ奏者 アリフ・カーン初来日記念コンサート 於:京都 福成寺




クリックしていただくと、大きな画面が開きます。

研究所にもよくいらっしゃるお坊さんのお寺にて、上記のようなコンサートがあります。
インド大好きな私は、900年も続くタブラ奏者の家系の貴公子がやってくるとあって、喜々としてでかける予定です。
「日本でいうところの東儀秀樹か?!」などと色々妄想しております……。

是非皆様もご一緒にいかがですか?
お問い合わせ等は、上記掲載メールまでお願い致します。

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大徳寺 曝凉のご案内




大徳寺

今年も10月の第2日曜日(雨天中止)に、大徳寺本坊において曝凉(掛け軸・宝物などの虫干し)展が開催されます。
さわやかな秋晴れの一日、禅寺にて、普段拝見する事のできない宝物をご覧になられてはいかがでしょうか。ご関心がおありの方は是非おでかけ下さい。

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第94回 大蔵会 於:花園大学

第94回 大蔵会


【第94回 大蔵会】
*どなたでも無料でご参加いただけます。ご来場お待ち申し上げております。

平成21年9月24日(木)
於:花園大学

法供養/午後1時より  
記念講演/午後1時30分より
       演題:『超仏越祖』ということ
       講師:西村惠信(花園大学前学長・禅文化研究所所長)
展観/「臨済の学僧・無著道忠の世界」(この日1日のみ/於:花園大学歴史博物館)

問い合わせ先/花園大学総務課 TEL075-811-5181

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師匠について -八幡・圓福僧堂-



神月徹宗老師の墓

愚堂(ぐどう)国師の墨蹟撮影の為、京都府八幡市にある圓福僧堂を訪れました。
こちらの僧堂は、私の祖父が若かりし頃に修行をしていた僧堂です。
私が生まれる前に亡くなった祖父の事については、彼に反発していた父(寺は継いでいません)からはさほど多くを聞く事もなく、二十代になった頃からでしょうか、漸くぽつぽつ色々と話を聞くようになり、修行時代の写真を見たりするようになりました。
その頃ちょうど、禅とは切っても切り離せない世界である“茶道”のお稽古を始めた私にとっては、“禅の修行”というと雲の上の憧れのような世界。写真を見るだけで気持ちがひきしまるようで、喜々として祖父の修行時代の写真を眺めては興奮し、「若い女の子にしては変わっている……」と母は嫌な顔をしたものでした。

祖父は僧堂時代の写真を並べたアルバムの中に、誰かとてつもなく偉そうなお坊さんの写真とお墓の写真を、さも大切な方のものなのでしょう……1ページに1枚ずつ貼りつけていました。
後から祖父の書き残したものを調べていてわかったのですが、ある僧堂から転錫(てんしゃく・僧堂を変わる事)して圓福僧堂に赴き、そこで教えを請うたのが、その大切そうな写真の人、神月徹宗(こうづき・てっしゅう)老師だったのでした。
前の僧堂での老師の事には全く触れず、徹宗老師の事のみ触れてある書き残しと、写真の残し方を見ると、祖父もなかなかに激しい人だなぁ……と思いながらも、自分にその祖父の血が流れているのがよくわかります。
写真を眺めていると、よほど徹宗老師への思い入れが強く、師匠として心底崇めていたのであろうと思います。
私にも人生の師と心底仰ぐ人が、2人います。大学のゼミ担当教授(季刊誌『禅文化』に寄稿いただいている松田高志先生)と茶道の師です。人生において、素晴らしい師匠に出会う喜びを若くして知っている事はとても恵まれている事で、祖父が修行当時のみならず、老師が亡くなられてからも心底師を慕った気持ちが、今の私にはよくわかります。

縁あって研究所でお仕事をさせていただき、圓福僧堂を訪れ、祖父の師の墓へお参りさせていただける事にしみじみと有難みを感じた一日でした。

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山本玄峰老師のこと 2




四国八十八カ所霊場・第三十三番・雪蹊寺

雪蹊寺境内

高知県高知市にある、四国八十八カ所霊場・第三十三番・雪蹊寺(臨済宗妙心寺派)である。桂浜にほどちかい、このお寺を旅の途中で訪ねた。もともと真言宗であったが廃寺となり、戦国時代に四国全域を治めた長宗我部元親の手によって臨済宗の寺院として復興され、長宗我部元親の菩提寺となった。

今年のお正月に、和歌山にある山本玄峰老師の生誕の地を訪ねた事について、このブログで書いた。
この同じ年に、今度は玄峰老師の得度の寺を訪ねることができた。

前のブログでも書いたとおり、老師は和歌山県に生まれ育ったのだが、青年期に失明し、眼が光を失った。それを憂えて死に場所を求め、四国八十八カ所の遍路を歩かれたという。
七度目の遍路の途中、三十三番・雪蹊寺の門前で行き倒れとなったところを、当時の住職であった山本太玄和尚に助けられ、下男として働く内に得度を受け出家されたのである。

山本太玄和尚の塔

出家の後、修行を重ねられて、松蔭寺や龍澤寺などの白隠道場を復興されることになる。
そのため、弘法大師にたいするご恩を忘れられず、生涯にわたって、さらに四国遍路を繰り返され、その数は17回にも及んだという。

雪蹊寺の山門を入ったすぐ左に、上の太玄和尚の塔があり、そのすぐ隣に、山本玄峰老師のブロンズ塔と、その孫弟子にあたる鈴木宗忠老師(私の僧堂時代の師匠)のブロンズ塔が建てられていた。
実はこのブロンズ像の寄贈者は、W氏という方で、龍澤寺で修行した縁のある私たちのお寺にも、玄峰老師と宗忠老師のブロンズ像をご寄贈いただいている篤信家である。

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天寧寺 -京都・曹洞宗-



天寧寺 額縁門

秋晴れかとみまごうような青い空、カラッとさわやかな気候のとある日、自転車で寺町通の鞍馬口を下がったあたりを走っていると、立派な門構えのお寺が。
石碑を見ると「金森宗和墓所」との事で、門からは抜けるような青空とはるか遠くに比叡のお山が。
これは!と思い、自転車を停めてみました。
金森宗和とは、江戸時代初期の茶人で、飛騨高山城主金森可重(かなもりありしげ・千利休について茶の湯を嗜んだ)の子で、父に勘当された事から京都へとおもむき、茶の道に入りました。
その茶風は「姫宗和」と呼ばれる事からもわかるように、“綺麗さび”をモットーとし、公家などに親しまれました。かの名工、野々村仁清を指導した事でも有名で、仁清の作品を思い浮かべると、千家のわびさびの世界とはまた違う“綺麗さび”の世界というのもどのようなものか、想像がつくかと思います。

比叡山を望む立派な門は、あたかもキャンバスに描かれた絵を見るかのようで、“額縁門”と呼ばれるそうな。
このようなお天気の日に、こちらの前を通らせていただけた事をありがたく思いました。

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寳慈院 旧千代野御所

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とある日、自転車での買い物帰りにいつもは通らない道を通っていると、老禅尼と禅尼が手をつないでご自坊を外から眺めて(何かを点検!?)おられた。
老禅尼がお歳を召されており、お御足の事もあるのかもしれないが、ぎゅっと手を握りあったそのお二人の後ろ姿があまりにも慈悲深く微笑ましく、また、「はて、代々尼さんという事はもしや尼門跡寺院だろうか……」と、通りすぎてから自転車を引き返した。

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『禅の寺 臨済宗・黄檗宗15本山と開山禅師』 新刊のご案内



禅の寺

新刊のご案内です。
以前研究所から発刊しておりました、『禅の寺』が、装い新たに総カラー、ムック体裁本にて復活します!
意外にも、臨済宗黄檗宗の本山全てが詳しく紹介された本というのは他にありません。
研究所職員もこれは必携!と思える一冊となっております。
開山様について、本山の歴史、建造物、その他様々な本山にまつわる逸話なども収録。
写真資料もかなり豊富で、禅宗について勉強したい方のみならず、ご旅行前に知識を詰め込んでおきたい方にももってこいです。

ちなみに、15本山とは……
建仁寺・東福寺・南禅寺・大徳寺・妙心寺・天龍寺・相国寺・万福寺・建長寺・円覚寺・向嶽寺・国泰寺・方広寺・永源寺・佛通寺 です。


詳しくはこちらから。
是非お手元に一冊どうぞ。

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山口・洞春寺 -愚堂禅師墨蹟撮影行にて-




洞春寺山門

九州での愚堂禅師の墨蹟写真の撮影を終えた帰り、高速道路が日曜祝日1000円であることをいいことに、少々寄り道をして、山口市にある名刹・洞春寺に立ち寄った。

ここは、南禅寺僧堂師家の清光軒・日下元精老師が住持となっている、建仁寺派の寺院である。
ここは毛利元就の菩提寺としても有名で、山門は、洞春寺の前身である国清寺当時からのものであるとか。

以前にこの洞春寺蔵の嘯岳鼎虎禅師手沢本『山谷詩抄』の影印本を、依頼を受けて制作させてもらったことがあり、どんなお寺なんだろうと思っていたから、幸いの機会である。
嘯岳鼎虎禅師(1528~1599)という方は、この洞春寺の開山であり、もともと博多の人であった。明国入ること二度で各地の名師に歴参され、永禄三年(1560)に帰朝されたという。のちに、建仁寺や南禅寺にも住持されている。そして、毛利元就は禅師に参禅し、この寺を創建するに到るのである。
この開山禅師自らの自筆の抄物という点で非常に貴重な資料である。

ちなみに、山谷詩は、禅僧の中で親しく読まれてきた詩集であるが、双璧となる蘇東坡の詩集と比べると、意外に研究書や解説書が少ないため、そういった意味でも、学識ある禅僧の自筆本として重要な書籍である。

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第7回西村惠信所長といく“禅と文化”の旅2 -東福寺・芬陀院-


東福寺

第7回西村惠信所長といく“禅と文化”の旅1に引き続き、ご報告を…。

白河院を後にし、一路東福寺へ。
まずは書院をお借りして、惠信先生による講演を行いました。
テーマは下記のとおり。

【禅修行と禅院文化の華麗なる矛盾的相即】

Ⅰ、修行者の心得としての「大燈国師遺誡」
Ⅱ、禅宗叢林の環境と文化
Ⅲ、ⅠとⅡの矛盾

惠信先生による講演

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鎌倉へ -円覚寺-




鎌倉 円覚寺


臨黄合議所関係のお仕事にて、鎌倉は円覚寺(臨済宗円覚寺派の大本山)を訪れていました。
6月の鎌倉といえば、紫陽花や岩がらみなどで有名な寺もあり、北鎌倉の小さな駅のホームは溢れんばかりの人でした。
是非、鎌倉を訪れた際には、数々残る禅の古刹を訪れてみて下さい。

円覚寺(円覚寺派本山)
東慶寺(円覚寺派)
建長寺(建長寺派本山)
明月院(建長寺派)

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妙興寺仏殿 蟠龍図 -愛知県一宮市-

妙興寺 仏殿

愚堂禅師の墨蹟撮影にて、愛知県一宮市にある妙興僧堂(妙興寺)を訪れた。
老師御自ら境内をご案内下さり、仏殿天井の珍しい蟠龍図に一堂感嘆の声をあげた。

この天井の蟠龍図、西洋画家の山喜多次郎太(1897~1965)画伯によるものである。
多くの寺院の法堂、仏殿、三門などに龍図あれども、西洋画家の描いた蟠龍図は、こちらくらいではなかろうか。
日本画家が描くものとはタッチや風合いが全く異なり、様々な彩りが鮮やかで美しい。
また、須弥壇下部の獅子の画がなんとも言えずユーモラス。

こちらの仏殿、公開されているので、是非お近くの方はお立ち寄りいただきたいと思う。

実際に見たい方は↓この先は御控え下さい。仏殿龍図と獅子の画像があります。

妙興寺仏殿 蟠龍図 -愛知県一宮市-の続きを読む

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平林寺 -埼玉県新座市-




平林寺_山門

9月にフランスで行なわれる第11回東西霊性交流への禅僧派遣依頼のため、埼玉県新座市にある平林寺(へいりんじ)を訪れた。
平林寺は、武蔵野の一角、野火止台地に15万坪に及ぶ境内地を有する臨済宗妙心寺派の名刹である。東京都に隣接し、開発化されている周辺と比べ、緑豊かな境内林に覆われている静寂な一帯は、別世界の趣きである。
総門から山門、仏殿と続く伽藍は、禅宗様式の端正な佇まいを備えている。平林寺のシンボルといわれる茅葺きの山門に掲げてある扁額は、京都詩仙堂の石川丈山筆によるもので、「凌霄閣」と記してある。

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岐阜の寺には大山蓮華?!




大山蓮華

愚堂東寔禅師の墨蹟撮影の為、何軒かの岐阜のお寺(全て臨済宗)にお邪魔していました。
そこで「ほ~(感心)」と思ったのは、この季節に山奥にひっそりと大輪の気高い花を咲かせる大山蓮華が、多くの寺で見られた事。それも、それなりに昔から植わっていたであろうかなり立派な木なのでした。
京都の禅宗寺院にも多々訪れていますが、例えば住職などが茶人で、この花を茶会にと植えたりする以外には、あまり庭に植わっているのをみかけない気がします。
私の大好きな花の1つです。奈良の霊場大峰山あたりに古くから自生していた事からこの名がついたのだとか。一度群生地を見に行きたいものです。

彼方の山を借景
岐阜・大仙寺の本堂前からの眺め。素晴らしい借景。
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今年のつばめ -天龍寺-




天龍寺の燕

天龍寺では、昨年はつばめの糞に憤慨して、連日廊下を掃除に追われ、つばめ専用公衆トイレの設置を叫びたくなるほど燕害対策に翻弄されました。
今年は5月中旬にやっと玄関前に1つ巣を作り、そろそろ雛も誕生しているようです。
1つ2つの巣をかけているのは風物詩として微笑ましい事ですが、軒並み巣をかけられるとなかなか悩ましいものです。

新型インフルエンザの流行で、参拝客がめっきり少なく、特に今のシーズンは修学旅行生が多く連日中学生でにぎわうはずが、今年はさっぱりです。
まもなく玄関は燕の雛でやかましくなるでしょう。

天龍寺の燕
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大徳寺 高桐院

大徳寺 高桐院

良く晴れた日、「この時期きっと緑が美しいに違いない」と、大徳寺の塔頭高桐院を訪れました。
緑の海…と思えるような苔と青紅葉の世界。
訪れる人もまばらで、静かな境内を存分に味わえます。
細川家歴代の墓、有名なガラシャ夫人の墓、茶室松向軒など、日本の信仰と歴史、文化が凝縮された空間。
暑い季節に涼を求めるなら、オススメの禅寺です。

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正眼僧堂 山川宗玄老師を訪ねて



正眼寺本堂
正眼寺 本堂

季刊『禅文化』の記事、-師を語る-の取材で、岐阜県美濃加茂市にある正眼僧堂を訪れました。
山川宗玄老師の師である、梶浦逸外老師や谷耕月老師について、たくさんの興味深いお話を伺う事ができました。
また、師について語っていただくという事は、同時に山川老師ご自身の修行時代についてをお話いただく事にもなり、このブログを読んで下さる方と同じ“禅ファン”の一人でもある私(在家)としては、「こんなにも良い、嬉しい仕事が他にあろうか!」と、この機会を緊張しつつも嬉々として楽しませていただきました。

師とのエピソード、ご自身の修行時代のエピソードなどについては、是非皆さんに読んでいただきたいと思います。213号、214号あたりでご紹介する予定となっております。
季刊『禅文化』をどうぞ宜しくお願い申し上げます。

正眼寺
遠鉢より戻る雲水
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妙心寺の三門より


妙心寺三門よりのぞむ仏殿

京都古文化保存協会による特別公開にて、妙心寺の三門を訪れました(今年は5月1日~10日まで公開されていました)。
三門とは、空門・無相門・無願門という三つの境地を経、仏国土に至る門、三解脱門(さんげだつもん)の事をあらわします。

上の写真は三門より望む仏殿です。いつもと違う目線で見られるのが嬉しいものです。
仏殿前の立派な松の木は、私の祖父が妙心僧堂に掛搭していた頃(約70年前)には、まだまだかわいい苗木でした。祖父の雲水時代の写真が思い浮かび、感慨深いものがあります。

普段は見られない三門内部、そして三門から眺める風景を楽しめる為、公開された折には色々な寺院の三門を訪れますが、妙心寺の三門は内部の彩色が非常に美しく残っています。
また公開される事がありましたらお知らせしますので、機会がありましたら是非参拝なさってみて下さい。

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平成21年 寂室禅師生誕奉賛茶会 -永源寺-



永源寺_借景の庭

滋賀県にある臨済宗大本山永源寺。
開山である寂室元光禅師の誕生日(5月15日)に近い日曜日に、毎年大茶会が催されます。
本年は5月17日で、表千家・三木町宗匠によるお献茶が執り行われました。

あいにくの空模様にも関わらず、どのお席(表千家・裏千家・遠州流・煎茶席・番茶席)も盛会で山内は大にぎわい。雨に洗われた新緑のもみじも、より一層目に鮮やかでした。

今回、何よりも一番に感動したのが、表千家のお席にて、篠原大雄老師(管長)とご一緒できた事でした。
研究所のDVD撮影の時には同行できず、いつか、なんとかお目にかかりご挨拶をと2年ほど前から強く願っていたのでした。大寄せの茶会で同じお席に入る事ができるというのは、ほぼ奇跡!この機会を逃しては…と、しっかりご挨拶させていただきました。
ありがたい一日でした。

この大茶会には、小学生やそれ以下のお子さんも多く、どのお席も和やか。
是非一度、皆さんもご参加下さい。来年も日程がわかりましたら、お知らせ致します。

平成21年 寂室禅師生誕奉賛茶会 -永源寺-の続きを読む

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銀竜草 -天龍寺-

銀竜草

5月はじめ頃から、天龍寺の庭園「望京の丘」に向かう階段横に、初めて見る草を発見。
図鑑によると、「銀竜草(ギンリョウソウ)」との事。

「うろこのようなもので包まれた白色の体全体を竜にみたてたもの。花・茎・葉の体全体が純白、根は茶色で短かく先が丸い。8~15cm。先端に下向きの花を1つつける。暗い森の中の落ち葉の積もった所に生える。落ち葉などから養分を得て生活(腐生植物という)。湿った空気、たくさんの落ち葉、安定した森の中でないとできない微妙な環境条件のもとで育つ」
とあった。
天龍寺では、これらの条件をあまり満たしていない気もしますが、毎日庭を巡回している中で時々このようなめずらしいものに出くわします。
銀竜草、別名をユウレイダケ。天龍寺に毎年お目見えとなると、名物になりそうで楽しみです。

銀竜草
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天龍寺 百花苑 -京都嵐山-



サンザシ

天龍寺の“百花苑”は、今非常ににぎやかです。
牡丹・山吹・石楠花・鍾馗空木(ショウキウツギ)・黒老梅・都わすれ・紫蘭・大手毬・花水木等などが咲きそろっているからです。
専門道場近くでは、山査子(サンザシ)が見頃。竹藪には筍がニョキニョキと出没し、春を満喫しています。

山査子

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天龍寺の躑躅



白花三葉躑躅_天龍寺

今、関西ではいたる所で躑躅が満開です。
京都では長岡京市の長岡天神がことに有名です。

ここ天龍寺も、赤・白・黄と目を楽しませてくれています。種類が多く、山・満天星(どうだん)・大柴・三葉・白・蓮華・餅・霧島など、10~15種類が庭内に咲き揃っています。
つつじの名称は、次々に咲くことから、「つづき咲き」、花が筒状なので「筒咲き」から来ているそうです。また、漢字で書くと“躑躅”ですが、中国で毒性のあるつつじを羊が誤って食べたところ、足踏みをしてもがき、うずくまってしまったところからこのような字が使われるようになったと言われています。

天龍寺の躑躅 霧島躑躅

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建仁寺の芍薬と石楠花


建仁寺の芍薬

先日、仕事の為に建仁僧堂を訪れました。
在家の私のような者(しかも女性)にとっては、禅文化研究所に勤めていなければ訪れるご縁も無いような所なので、仕事ながら心から楽しみにでかけました。

これまでに私は、いくつかの僧堂にお邪魔した事があります。もちろんそれぞれに、凛とした修行道場の雰囲気が漂うのですが、僧堂によってカラーがあり、瀟洒な感じがそこはかとなく漂う僧堂もあれば、まるで幼い頃に観た映画、ジャッキー・チェンの『酔拳』のごとく、ここは昔の中国か?!と思わされるような僧堂もあります。
各僧堂の雰囲気から、僧堂を束ねる老師の息遣いを感じ取れるような気がして、いやらしいとは思いながらも、きょろきょろと観察をし、色々な事を感じ、一人狂喜乱舞しています。
私の祖父も、とある2つの僧堂で修行をしていましたが、約70年ほど昔の僧堂の写真と、今の僧堂がさして変わりなく在り続ける事にもびっくりさせられます。

季節の話題を…と思いましたのに、話が逸れていました。
建仁寺を訪れて、あまりに芍薬が美しかったので皆様にご紹介を。
僧堂前には、石楠花が植えられ、これもまた美しい花を咲かせていました。
桜が終わって、なんとなく寂しい気もしていましたが、寂しさなんて感じている暇も無いようでした。
四季ある国に生まれた幸せを思います。

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京都春季非公開文化財特別公開のお知らせ



つつじと新緑

毎回とても楽しみな、「平成21年 京都春季非公開文化財特別公開」のお知らせです。
5月1日~10日にかけて、普段非公開の寺院や神社などが特別に公開されます。
ゴールデンウィーク中、京都の旅をご計画の方は是非ご参考までに下記HPをご覧になってみて下さい。
現在、京都は八重桜がそろそろ終わりを迎えるのと同時に、つつじや石楠花や芍薬、藤の花、そして瑞々しい新緑が我々を楽しませてくれています。

京都古文化保存協会さんのHP

禅文化研究所としましては、やはり臨済宗大本山の妙心寺の三門と塔頭に注目しております。

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織田信長の寺 安土 摠見寺(そうけんじ)




大手門階段

滋賀県安土町にある安土城の大手門階段である。桜がみごろ(4月5日)。
ここにある織田信長の創建による摠見寺(そうけんじ)は今まで非公開とされてきたが、去る4月5日から日曜祝日のみ特別公開されることになった。
住職と懇意にさせていただいているし、自坊から近いこともあり、5日の朝一番に拝観より一足早く出向いてきた。和尚の許可も得て、ここでご紹介することにさせていただく。

この摠見寺は、本来は安土山の頂上付近にあった。今そこには、仁王門と三重の塔が現存するのみで、本堂や庫裡などは1854年に焼失してしまった。したがって、今の摠見寺は、明治以後に建てられたもの。戦国期には家康邸であった跡地である。
数年前に現住職(加藤耕文師)が入寺後、色々と修繕され、また手を加えられて、今回の公開にふみきられたのである。

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桜 借景の山にまた桜 -天龍寺-



天龍寺の桜

先週、4月7日に仕事で訪れました嵐山・天龍寺です。
嵐山・亀山を借景として取り入れた曹源池庭園が有名ですが、山内どこにいても山に咲く桜が見られ、すぐ近くに咲く桜と共に何倍もの楽しみを与えてくれます。
「なんて贅沢なんだろう…」。と、しばし仕事を忘れ感慨にふけっていました。

山の木々も新芽を出してもこもこと、その中に桜の色がかわいらしく。
お茶の席で使われる主菓子のきんとんを思い出します(花より団子でしょうか…)。

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おしらせ -日曜美術館「妙心寺」・白隠禅画墨蹟集-

何度かこちらでもおしらせしましたが、5月10日まで、京都国立博物館において、“特別展 妙心寺”が開催されています。関連して、私も大好きな番組、4月12日のNHK教育テレビ『日曜美術館』で下記のとおり放送があります。

4月12日(日) NHK教育テレビ 朝9:00~10:00(再放送は翌週日曜日の夜8:00~)
「妙心寺 不屈の禅が生んだ美」 

番組内では、世に名高い狩野派や、海北友松などがとりあげられるようですが、忘れてはならないのが臨済宗中興の祖といわれる、白隠慧鶴禅師です!
膨大な数の画を残された白隠さんの事も是非こちらの番組でご覧になってみてください。絶対におもしろいですよ!
この、白隠さんの禅画墨蹟集が、現在特別価格(4月30日まで)にて発売中です。さらに、白隠禅師法語全集も割引価格にてご提供中です! 詳しくは下記からどうぞ。

白隠禅画墨蹟 全三冊

禅画をご覧になりたい方はこちらから

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不審花開今日春 -京都・霊鑑寺の椿-


月光椿

今年もありがたい事に、3月28日~4月5日まで、別称“鹿ケ谷比丘尼御所”・“谷御所”とも呼ばれる門跡寺院・霊鑑寺(臨済宗南禅寺派)が公開されていました。
ブログでも何度かご紹介しておりますが、春と秋・椿と紅葉の美しい時期に限り1週間ほど特別公開されるのです。公開日程がわかった時点で、ブログや禅文化研究所のメールマガジンでもお知らせしておりますので、是非お心に留めておいていただき、春や秋に京都を訪れる際は、ご参拝なさってみて下さい。

さて、私が毎年こちらを訪れていて思うのは、「不審花開今日春」という禅語です。
表千家不審庵の号もこの語から来ているのですが、幾重にも美しく重なった衣笠(椿の種類)の花びらや、言葉では表現しきれぬ美しい白い色、京都市の天然記念物にもなっている日光・月光椿、黒椿のドラマティックな真紅の蕾、どれをとっても人智を超えたものとしか思えず、じっと見入るにつれ「あぁ、不思議だなぁ。どうしてこのように咲くのか…」と心から思い、人間のわかる事なんて微々たるものだ、おごってはいけないな…と思い知るのです。
道端に咲くたんぽぽを見てもそう思うべきですがなかなかそうもいかず、いつもこちらの椿を見に行くと心新たに気づかされるのです。

08年の霊鑑寺
07年の霊鑑寺

哲学の道の桜
哲学の道 満開です!
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妙心寺開山650年大遠諱へ その2




妙心寺開山650年大遠諱

遠諱団参の続きである。
退蔵院を出た後、仏殿と法堂の間で集合写真をにこやかに撮っていただいて、檀家さんたちは法堂へ案内され、私たち住職は大方丈の隣の寝堂で出頭用の法衣に着替え待機。

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霊鑑寺の特別公開

今年も椿で有名な尼門跡寺院、霊鑑寺の特別公開が始まっています。
>3月28日~4月5日まで。

京都へおでかけの際は是非こちらへもお運び下さい。

08年の霊鑑寺
07年の霊鑑寺

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妙心寺開山650年大遠諱へ その1




妙心寺開山650年大遠諱

大本山妙心寺の開山無相大師650年遠諱法要にお参りする遠諱団参のために、先日、自坊の檀家さんたちを引き連れてお参りしてきた。
法要は一日3回に分けて行なわれるのだが、自坊の教区は、午後2時からの第3回目。そのため、朝から大型バスで出発して、まずは、現在、京都国立博物館で開かれている「妙心寺展」を観覧してきた。

妙心寺展(京都国立博物館)

高速道路が自家用車で1000円で走れる割引が適用されたため、朝から、名神高速の交通量は多かったようだが、それでも予定通りに開館時間に到着し、朝一番から妙心寺にまつわる宝物をじっくり見てまわることができた。
無相大師や花園法皇の書、東海庵、龍泉庵、聖澤院、霊雲院という四本庵の開祖の頂相などをはじめ、白隠禅師の書も多く展示されていた。また、狩野派の金箔の上に立体感溢れて描かれた障壁画は、おもわずしばらく立ち止まって見入ってしまった。
ただ、会期前期には、有名な龍虎図や瓢鮎図は展示されていなかったので、その点が残念だった。後期にもう一度訪れたいところである。
我々と同じく、遠諱団参にいく前に来られている、同じ教区のご寺院の檀家さん方も多かったからかもしれないが、途中、花園法皇と無相大師の木像の前では、手を合わせている姿も見られた。

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京都 臨済宗本山の桜



南禅寺_法堂
南禅寺 法堂と桜

禅文化研究所は、臨済宗黄檗宗連合各派合議所(臨黄合議所)の事務局も兼ねています。
ですから、禅文化研究所のお仕事と、臨済宗黄檗宗関連のお仕事、どちらもさせていただいております。
本日(3/30)、臨黄ネットの広報活動として拝観寺院や美術館博物館でお配りしている“栞いろは歌”を納品する為、京都のいくつかの本山にでかけていました。
平日とはいえ春休み、そしてこの陽気のおかげで桜も種類によっては満開!という事で、京都中観光客でにぎわっていました。
おでかけの際のご参考までに、本山で撮った写真等をご紹介。

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天龍寺の枝垂れ桜

天龍寺のしだれ桜

京都嵐山にある天龍寺(臨済宗大本山)。
百花苑の枝垂れ桜がそれは見事(3/26の写真)です。
花冷えする日でも、ひと目美しい花を…、禅寺の空気を…と、たくさんの参拝客で賑わっていました。
これからの季節、嵐山に咲く桜と併せて我々の目を楽しませてくれることでしょう。

天龍寺のしだれ桜 天龍寺のしだれ桜

天龍寺での坐禅会などの情報は、臨黄ネットトップページのおしらせに掲載されています。
ご参考になさってみて下さい。

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永源寺僧堂での悲しい事件




永源寺僧堂

3月6日に臨済宗の大本山の一つ、永源寺の道場で起きた事件(私は事故だと思う)について、ご存じの方も多かろう。
これについて、私はここで、あくまで個人的な思いを綴っておきたいと思う。

各メディアでは、「修行中の僧侶(雲水)が、酒に酔った上で口論となり、後輩の修行僧を縁側から突き落として死なせた」というゴシップ記事的な趣旨で、修行道場での傷害致死事件としてとりあげられた。

事件の後、ブログなどで本件をとりあげておられるものも散見した。
そこで多くは、臨済宗の修行道場の管理体制がどうとか、そういう疑問視を投げかけられている。
また、僧侶が不飮酒戒を犯していること自体を、猛烈に批判しているお方もおられる。よほどご自身は戒律を守ってご立派な方なんであろう。
しかし私はそんなところに問題の根底があるのだとは思わない。

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面壁坐禅しない臨済宗 -映画『禅 ZEN』を機会に-




坐禅

以前の映画『禅ZEN』の感想にて、道元禅師の曹洞宗と、我らが臨済宗とでは坐禅の方法が違う云々…という事を少し書いたが、今日はそれについて触れたいと思う。

映画「禅 ZEN」でも禅堂でのシーンが何度も出てくるが、臨済宗との坐禅方法の違いを一言で言うと、曹洞宗では面壁といって、壁に向かって坐る。臨済宗はその反対で壁を背にして坐るのである。

禅宗初祖である達磨大師は面壁九年といって、洞窟の壁に向かって九年も坐禅をされていたというから、面壁が根本にあるのだろうし、江戸時代に発行された臨済宗の無著道忠著『小叢林略清規』にも、面壁で坐ることをつとめて行なうようにと書いてある。

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冬の庭

禅寺の庭

落葉樹の葉がすっかり落ちてしまったこの季節、我が寺の庭は寂しい佇まいを見せている。昨年は雪で覆われる日も何日かあったのだが、今年は全くといっていいほど積雪がなく庭の変化も楽しめない。

中央にある紅葉の木は樹齢も古くかなり弱ってきており、昔のような目映い新緑と鮮明な紅葉が見られなくなってきているのが残念である。
正月には朱色の実が鮮やかだった千両も、鳥の餌となったようで緑の葉を残すだけとなってしまった。

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甲斐の国のたからもの -山梨県立博物館-

甲斐の国のたからもの_向嶽寺蔵 仏涅槃図

“甲斐の国”と聞けば、まず皆さんは何を思い浮かべられますか?!
やはり武田信玄公!!! でしょうか。もうそれしかないというほどに歴史上印象強い武将ですね。
そこまで思われたのなら、是非、我らが臨済宗としては、禅に深く帰依し学ばれた信玄公(そもそも信玄とは得度した時からの法諱です)とゆかり深い、本山向嶽寺恵林寺を思い出していただければとても嬉しく思います。
そんな名刹に残る宝物のうち、新たに山梨県指定の文化財に認定されたものが、「甲斐の国のたからもの」という展観名にて、山梨県立博物館にて展示されます。

禅宗関係のものとしては……

東禅寺(曹洞宗) 宝冠釈迦如来坐像
向嶽寺(臨済宗) 仏涅槃図
南松院(臨済宗) 桃隠和尚像(開山頂相)
南松院       渡唐天神像 策彦周良賛

蘭石図 伝雪窓普明筆(重要美術品)
柿本人麻呂図 如水宗淵筆(重要美術品)
陶弘景松聴図 天与清啓賛(重要文化財)

などが展示されるとの由。また、柳沢吉保ゆかりの調度品の数々も展示されていますが、これは元々吉保の菩提寺であった黄檗宗の永慶寺に奉納されたものが、移封の際に恵林寺に移されたものだそうです。
さらに、上写真の、修復を終えた「仏涅槃図」(向嶽寺蔵)展示室内で、2月15日(日曜日)午後1時より、仏教年中行事公開「涅槃会」の法要(向嶽寺派僧侶による)がご覧になれます。さらに、仏涅槃図についての解説や、法要についての解説もあるようです。
またと無い機会かと存じますので、是非この日におでかけになられてみてはいかがでしょうか。

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妙心寺展 開催中! -東京国立博物館-

妙心寺展

既に、このブログでも紹介した(2008/12/25)が、現在、東京国立博物館で、「妙心寺展」が開かれている。
今年、大本山妙心寺の開山無相大師の650年遠諱の年に因んでの特別展観である。
大本山妙心寺の宝物はもちろんのこと、妙心寺派の各寺院に収蔵、あるいはもともと収蔵されていた宝物なども展示されているのだが、その中に、「老梅図襖 旧天祥院障壁画」も展示されている。

この「老梅図襖」は現在、アメリカのメトロポリタン美術館が所蔵しているもので、今回の展覧会に特別に里帰り展示されているようだ。
このブログをずっと読んでいただいている方は、「おっ」と思われるかもしれない。
実は、この「老梅図襖」のことを、「狩野山雪・老梅図襖絵の複製  妙心寺・天祥院」に書いたことがあるからだ。

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大晦日

除夜の鐘

画・トーマス・カーシュナー師

大晦日といえば除夜の鐘。
昨年私は旅に出ていて、ヨーロッパでお正月を過ごしました。ものすごい爆竹の音、わいわいとにぎやかな人々の声、翌朝には河原にワインボトルなどが大量に散乱し、それを拾う為に元旦から清掃車がお目見えでした。厳かなクリスマスを過ごす分、新年ではじけるのでしょうか?!
はるかかなたの国で、毎年かわりばえのしない日本でのお正月、ことに大晦日には除夜の鐘の音を恋しく思ったものでした。

寒く暗い中、どこからともなくお寺さんから鐘の音が「ごーん、ごーーーん」と聞こえ始める。
「そろそろやな……」と暖かくして家族ででかけ、鐘を撞かせていただく。
朝はお屠蘇を若い者から…。前日はお寺へ出かけ、今度はお宮さんへ初詣。何日も続くおせち料理。いつも変わらぬお正月のひとこま。
「変」で幕を閉じた2008年。変わるも大事、変わらぬも大事。
皆さんは一年をどのように締めくくり、どのように新たな年を迎えられますか?

画 トーマス・カーシュナー師
『禅僧になったアメリカ人』のトムさんの画です。著書の中にもトムさんの自筆画がありますが、とっても素敵なのです!

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庭の松 その2 -天龍寺-

天龍寺の松
天龍寺の松の剪定

日本三景は全て松である。
仙台の松島、天の橋立も松と砂浜、安芸の宮島も松である。
日本人にとって目出度い松・竹・梅においても、これまた松が一番だ。

昔、松は人々の生活に必要なエネルギー供給源であった。
電気のない時代、松脂は明かりを灯すのに使い、また、太平洋戦争では松脂を精製して飛行機も飛ばした。
また、松茸は秋の味覚の王様だ。江戸時代の天龍寺供養帳(日単)には、年中行事として所司代や奉行所へ進物とした……と記録されている。

その昔、嵐山は殺生禁断の地であり、立木の伐採はもちろんのこと、石や木の根を掘ることを禁じた札が立ち、下草刈りにも許可が必要とされた。
松の立木枯れや風雪で倒れた時は必ずその数を調べ、記録し、売却の入札についても落札者とその値を記録し、管理された。それほどに松は昔から大切にされた。

戦後のエネルギー革命により、松は庭の観賞用と化し、なかなかに手のかかる「金喰い虫」となっているが、人々の心の癒しとなっていることは確かだ。
金に勝るものが、松の美かもしれない。

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和尚さんの蕎麦打ち

和尚さんの蕎麦打ち 蕎麦打ち 


秋晴れ気持ちよいとある日。訪れたお寺さんで、和尚さんが蕎麦打ちをされておいででした。
プロ級の腕との噂高い和尚さんの蕎麦粉を扱う手つきは、それはもうお茶のお点前でいうと「流れるかのごとく、いつ茶杓を持ち、茶をはき、いつ点て終わっていたのかわからない…」というくらい(どんな例えでしょう…)自然なのでした。

在家の身である私からすると、禅寺の和尚さんというのは、芸能人!のようです。
いろいろな方がいらっしゃいますが、上記のごとく蕎麦を打てばプロ級、うどんを打つのがプロ級の和尚さんもいます。野菜を育て、精進料理を作ったなら料理人顔負け。
その“人となり”を表すかのようにサラサラと力強く書かれる墨跡は書家の字とはまた違い、凡人には真似できない。墨絵を描かれてもそれはもう絵師のよう。楽器が得意な和尚さん、写真が得意な和尚さん。花を生ければ、一派立ち上げられては?と思うような和尚さん。ちょっとした庭だって、自分のセンスで作ってしまう。
それはもう個性豊かで、研究所で働いていますと色々な和尚様に出会えてとても楽しいものです。

「お寺」とだけ聞くと、誰かが亡くなった時のこと、お墓の事、法事の事…と、なんとなくグレーなイメージ。そんなことばかりが浮かぶかもしれません。
ですが、それだけではない!
お寺は、「死」に深く関わっている分、同じだけ「生」にも深く関わっています。
学問・芸術・伝統・哲学、あらゆる分野と関われる大いなる可能性を秘めた本当におもしろいサロンなのです。
ただ、和尚さんだって人間です。いろんな人がいます。お寺にも個性があります。
各々が、自分の人生に深く大きく影響を与えてくださるような、「この人!」と思えるような師に出会うには、「求めよ、さらば与えられん(マタイによる福音書・いきなり聖書ですが)」なのです。

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第6回西村惠信所長といく“禅と文化”の旅 1-大徳寺-

堀川通りの紅葉
紅葉の並木美しい堀川通り

去る11月14日、恒例となりました“禅と文化”の旅を無事終える事ができました。
お天気は快晴! とても気持ちの良い気候で、抜けるような青空のもと、京都をお楽しみいただきました。ご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。
それでは、ブログにてご報告を……。
行程はこちら
まずは、京都駅を出発し、大徳寺へ。
今回は、私の知りうる限りでは一般公開された事のない三門や法堂(はっとう)、その他本坊などを特別に拝観させていただき、西村惠信所長による講演も行なわさせていただきました。
大徳寺の皆様、お世話になり、誠にありがとうございました。

【三門】 重要文化財
応仁の乱の後、一休禅師の参徒であった連歌師宗長等が一階部分を寄進、のち千利休居士により二階部分が設けられ金毛閣と名づけられたとのことです。恐らく私が今まで登った三門の中で、一番急な階段です。皆さんでゆっくりと二階へ…。
登り終えるとその見晴らしの素晴らしさと、釈迦三尊像をはじめ、十六羅漢、天井の龍図、千利休居士像に圧倒され、ため息が漏れました。

三門 法堂
三門と法堂

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正法寺 -永源寺派・京都-

正法寺参道

京都府の、相楽郡和束町にある臨済宗永源寺派のお寺、正法寺を訪れました。
噂に聞いていたとおり、訪れる人もまばらで、美しい木々の紅葉をひとりじめできました。
名所の人混みに辟易している方には、少し不便な場所であっても、かなりオススメです。

真っ赤!

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天龍寺の紅葉

天龍寺の紅葉
昨年の11月15日の紅葉

11月の京都は、どこも紅葉狩りの観光客でごった返します。
ここ嵐山は、京都市内で一番最初に日が差す所です。
午前6時頃、うっすらとあたりが明るくなってきます。

天龍寺の曹源池はまだ暗く、東山から一条の光が嵐山にあたり、少しずつ下におりてきます。
そして曹源池の龍門瀑の天辺の蓬莱山に朝日があたるころ、あたりは一番冷える時間帯となります。
ここ天龍寺では、池の側から順番に上に向かって紅葉します。そして11月下旬には嵐山全山が紅葉します。
今年の秋の紅葉は、天龍寺の早朝参拝をオススメします。

【天龍寺早朝参拝】
期間:11月15日(土)~12月7日(日)
午前7時30分~
庭園参拝料500円
上記期間以外は、11月の土・日・祝日

天龍寺の紅葉
昨年の11月30日の紅葉
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南無三世三千諸仏 -禅寺の授戒会-

授戒会

さる11月1~3日、近隣の永源寺派のお寺で3日間にわたる大授戒会が厳修された。
実はこのお寺は、永源寺派の現教学部長さんのご自坊。
戒師は、永源寺管長篠原大雄老師である。
私は派が違うものの、ご縁があるので知客寮として司会進行の大役を承った。

授戒会

戒を受ける戒徒は老若男女あわせて100余名。熱心な方達ばかりである。
境内はきれいに掃除され、戒徒のどなたかが熱心に育てられたであろう菊花がきれいに咲いている。

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庭の松 その1 -天龍寺-

松を倒します

黄檗禅師:「深山裏に許多(そこばく)を栽えて、什麼(なに)をか作(せ)ん」。(そんな深い山中に松を栽えて如何するつもりか) 
臨済禅師:「一つには、山門のために境致と作(な)し、二つには、後人のために標榜と作さん」。(1つには、この境内の境致を奥ゆかしくしていこうと思います。2つには、後輩たちの手本になるように植えておくのです)
山田無文老師『臨済録』-臨済栽松-より

上記の問答にもあるからか、禅寺には松が多い。
天龍寺では、近年松食い虫の発生が多く、今年に入ってから既に5本以上を切った。
100年以上の齡を重ねた立派な赤松も、ものの1時間もすれば姿を消してしまう。
毎年の手入れは大変で、目つみに始まり、葉つみ、剪定と大変である。
10月の開山忌を前に急ピッチで松の手入れをしたのだが、松食い虫以上に松は金食い虫である。

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妙心寺 曝涼展のおしらせ

妙心寺

11月3日(月)、4日(火)の午前9時~午後4時まで、妙心寺の大方丈・微妙殿において、曝涼展が開催されます。
またとない機会です、禅寺の空気を味わいに、そして宝物を観に、是非おでかけ下さい。

*参加志納金 千円(お抹茶付)
妙心寺公式HP
禅僧が語る 東海大光老師(妙心寺派第32代管長)「一筋がよし寒椿」

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萬福寺文華殿 秋期展の講演会

萬福寺

秋期展のテーマ『伝道布教最後の旅・・新黄檗の開立・・』にちなんだ講演会にて、弊所職員の能仁晃道が講演をさせていただきます。
秋の宇治を訪れる方は、是非黄檗宗本山、萬福寺に是非お立ち寄り下さい。

演題:『明僧渡来と本朝臨済禅の覚醒』
講師:兵庫松谷寺住職、禅文化研究所所員 能仁晃道禅師
日時:11月9日(日)午後2時より
場所: 黄龍閣別館 真空の間 受講料無料。参加自由ですが、電話予約が必要です。
    ※ただし、入山料と文華殿入館料(200円)が必要。

●萬福寺文華殿 TEL:0774-33-1199(専用)

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京都非公開文化特別拝観

禅の寺

今年も秋の特別拝観の時期がまもなくやってきます。
いつもどちらにでかけようかと私も楽しみです。
今回禅宗寺院からは、大徳寺本坊・真珠庵・黄梅院・慈受院・南禅院・東福寺三門が公開されます。
普段公開されていない寺院ばかりですので、是非この機会をお見逃し無く!!!

禅僧が語る 各派管長DVD 絶賛発売中!

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早朝の南禅寺

早朝の南禅寺

来年春、装い新たに(ムック形式になります)再刊を予定している-禅の寺-の撮影の為、お天道様が登った直後の南禅寺を訪れました。
朝早いというのに、既に境内には散歩をする人、独自の体操をしている人、様々に気持ちの良い朝を過ごされているようです。京都に住まう者は、本当に贅沢ですねぇ。
朝早くに行かないと見られない光景ですが、あれだけの落葉樹が植わっている境内、私たちが歩かせていただく道がきれいなのは、毎朝僧堂の雲水や南禅寺の本坊の和尚さん達が総出で掃除されているからなのです。

早朝の南禅寺 疏水

気持ちのよい秋晴れ。見上げると爽快な気分に。
南禅寺といえば疏水も有名ですが、皆さんこのように前から見ているだけではありませんか?
実は上へと登って見ると……

早朝の南禅寺の続きを読む

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八坂の塔 -法観寺(臨済宗建仁寺派)-

八坂の塔_早朝

恐らく知らない人はいない?!と思われる京都八坂の塔。
先日、仕事で写真撮影があった折に訪れました。まだ東山より日も登りきらぬ、観光客もいぬ間に見る塔は、いつもと様子が違って見えるのでした。

さて、この八坂の塔、実は臨済宗建仁寺派の寺院に属する事は、御存知無い方も多いのではないでしょうか。
正式名称を、霊応山法観寺といい、寺伝によれば聖徳太子により建てられたとされており、また、渡来人八坂氏の菩提寺であったとの説もあるようです。
度重なる戦火により何度か焼けてしまっていますが、現在の塔は、足利義教により1440年に再興されたものだそうです。
そこにあるのが当たり前のように思える八坂の塔ですが、改めてその歴史の古さに、平安以前の京都の街はどのようなものであったろう…と心のみタイムスリップする思いで眺めていました。


第6回 西村惠信所長といく“禅と文化”の旅 参加者募集中!
詳しくはこちらからどうぞ。

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ススキに寄生 -南蛮煙管-

美しいススキ_瑞峰院

先日、お茶会で大徳寺の塔頭、瑞峰院さんを訪ずれました。
すると、美しく穂をひろげたススキの前で、着物のご婦人方が何やら下をのぞきこんでいます。
はてさて何事かと一緒になってのぞいてみると、なんとも不思議な花が…。
親切なご婦人が、「ススキの養分を吸って生きている、南蛮煙管(ナンバンギセル)という花よ」と。
なるほど!花が煙管の形そのもの!おもしろい!にしても、ススキに寄生とは…。
少し調べてみますと、葉緑素を持たないこの花は、ススキやミョウガ、サトウキビの根などに寄生し、養分を吸い上げて生きているそうな。
葉緑素…そういえばむか~し理科で習いました。確かにお日様をたくさん浴びてもあまり意味のなさげなそのお姿。したたかに生きているのですね。
と言いつつふと我を振り返り……、人間はえらそうにしているけれど、自分で養分を作れるわけでもなく、同じく地球に生きている命をいただき、地球を汚してなんとか存在している事を思うと、南蛮煙管のことをえらそうに言えないではないか!と思うのでした。

南蛮煙管

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大徳寺 曝凉のおしらせ

大徳寺三門_金毛閣

10月12日(日)、秋晴れの心地よい空気の中、大徳寺の宝物の虫干しが行なわれます(本坊にて9:00~15:30/1人1300円)。
約100点ほどの絵画・襖絵・墨跡などが展示されます。
中でも、かの有名な牧谿(もっけい)の水墨画「観音猿鶴図」は特に美しく、見に行った甲斐があったと思わされます。本坊にも普段は入れませんので、この機会に如何でしょうか。

美術館ではなく、実際に禅寺にて宝物を見られるまたとない機会です。是非おでかけ下さい。
ちなみに、あくまでも虫干しが最重要目的ですので、前日が雨であったり、当日が雨であったりすると、行なわれません。お天気があやうい際は、お調べになられてからおでかけください。

なお、本坊内は写真撮影不可です。昨年こっそりカメラを出し、撮影されようとした方がいらっしゃいました。大徳寺さんのご好意でこの日のみ一般に開放されています。せっかくの機会が失われる事の無いよう、マナーは守りましょう!

大徳寺

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富山 大本山国泰寺

大本山国泰寺 総門

取材で富山県高岡市にある、臨済宗国泰寺派の大本山国泰寺を訪ねた。
慈雲妙意を開山とし、また後醍醐天皇の帰依も受け勅願寺となった。明治維新後には廃仏毀釈の影響を受けたが、山岡鉄舟の尽力を得て諸堂宇の修造を行なったという。
またこの地方に生をうけた、西田幾多郎、鈴木大拙も、若き頃には国泰寺の雪門和尚の膝下で参禅したという。
末寺数は臨済黄檗の15派のうち最少であるが、山岡鉄舟ゆかりとして有名なの東京谷中の全生庵も、この国泰寺派の一寺院である。

富山 大本山国泰寺の続きを読む

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『訓注 雲居和尚語録』・『雲居和尚墨跡集 続』のご紹介

訓注 雲居和尚語録 雲居和尚墨跡集 続

松島の瑞巌寺(臨済宗妙心寺派)では、雲居希膺禅師350年遠諱を記念し、全国の関係寺院・機関・個人の協力を得て、昭和60年発行の『雲居和尚墨蹟集』に掲載されなかった墨跡など、130余点を収録した、『雲居和尚墨跡集 続』と、『訓注 雲居和尚語録』が発刊されました。
特別頒布品として、少部数ながら禅文化研究所にてお買い求めいただけます(上記リンク先からどうぞ)。

なお、現在、瑞巌寺の宝物館・青龍殿にて、雲居和尚展が開催中です。
松島におでかけの際は是非お立ち寄り下さい。

雲居和尚展_瑞巌寺
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日々是好日

円通寺_借景庭園

好きでよく訪れますが、一日として同じ日はありません。
当たり前なのですが…。よく晴れた日の円通寺からのお山(比叡山)です。

左京区一乗寺にある、臨済宗妙心寺派、円通寺は、この借景庭園で有名ですが、最近このお寺のふもとの方で宅地開発が急激に進んでいます。
借景庭園が借景庭園でなくなる日が近いのでは…と危機感を抱きました。
皆さんがこちらを訪れる事で、如何に景観を保つのが難しい事かおわかりいただけるかと思います。
ご住職も色々と運動をされていらっしゃいます。
ひとときの涼を求め、お山を眺めに行ってみて下さい。

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ブログ再開

福山_明光院

ご無沙汰致しております。
皆さま、お盆はいかがお過ごしになられましたでしょうか。

私事ですが、小さい頃の記憶というのは断片的にとても鮮やかに残っています。
毎年皆でお墓へとご先祖様をお迎えにいき、お供えものには茄子や胡瓜に割り箸が刺され、いつもより豪華に色々な物があり、なんだかこの時期だけに登場する特別な提灯がずっと灯りをつけられ飾られている光景です。
子供ながらに「特別な日、大切な日」というのを感じていました。今になって記憶をたどり、考えてみると、子供というのは、親が思っているよりも色々なものをちゃんと見つめて、考えて、わかっているものだなぁ…と思います。
だからこそ余計に、子供には伝えるべき事はしっかりと! と思う今日この頃です。

お盆が過ぎたというのに、まだまだ暑い日が続きそうですが、どうか皆さま健やかにお過ごしください。
本日よりまた、宜しくお願い致します。

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百日紅(さるすべり)

鮮紅色の百日紅
真夏の花というと、蓮・向日葵・朝顔と、この百日紅が代表格だ。 花に関する漢字は非常に蘊蓄(うんちく)がある。馬が酔う木と書いて「あせび」と読んだり、木の瓜と書いて「ぼけ」と読んだり…。その字から花の特徴がわかるようだ。

百日紅は夏の暑いさなか、百日も咲き続けるとも言われている。
『広辞苑』によると、

さる・すべり【猿滑・百日紅・紫薇花】(幹の皮が滑らかなので猿もすべるの意)
①ミソハギ科の落葉高木。中国南部の原産。幹は高さ数メートル。平滑でこぶが多く、淡褐色。葉は楕円形で四稜のある枝に対生。秋に紅葉する。夏から秋にかけて鮮紅色または白色の小花が群がり咲く。庭木としてわが国で古くから栽培。材は緻密で細工用。云々……

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オヤジの昼寝 -天龍寺-

夏の天龍寺

今年の夏は猛暑が続いている。
日中は強烈な日射しで、水銀柱は常に30度を超している。町中を歩くと、干物になりそうな…。
そんな炎天下にもかかわらず、連日天龍寺は観光客で賑わっている。
大方丈や書院に吹き抜ける風が気持ちよく、ゴロゴロ寝ている観光客があとをたたない。
いくら注意してもききめは無く、若者や子供達には強く注意するのだが、中には大鼾で爆睡中にて、起こすのも気の毒になるようなお父さんも…。
そんな姿を見るにつけ、最近の父親は大変だなぁ…と思う。

夏休みになり、小さい子供のためにせっせと旅行をして絵日記に貢献。大きくなればウザイ・クサイといわれ、あげくのはてに消されかねない世の中である。
「子供は親の背を見て育つ」といわれるが、今では子供の顔色を見ながらハラハラ・ドキドキ心配ばかりしている親が多い。
子育てで大切なのは幼児教育で、特に小学生になるまでに社会的な基本ルールを徹底的に教育すべきであって、子供をペットと間違えている親が多いのではないかと危惧する。
子供は次の社会を作って担っていく大切な人材であり、ペットではない。
ガンバレオヤジ!
爆睡している時ではないのだ!

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湯布院 (擔雪(たんせつ)II講習会)

大分県の住職研修会へ、弊所の発売している「宗教法人管理システム 擔雪(たんせつ)II」の講習をするようにと呼ばれて出向いた。
今回、偶然にも2つの別の研修会が続いて行なわれることになったため、二泊三日での別府泊まりである。

このころの九州は雨が続いており、大分空港に到着した時も小雨模様であったが、住職研修会の役職を担っておられるお寺の寺庭婦人様が、わざわざ空港までお迎えに来ていただいていた。
会場までの車中でお話を伺うと、いろいろとご縁があるようで驚いた次第。世間は狭い。

このお寺は、あの湯布院の温泉地のはずれにあるということで、研修会修了後、湯布院観光を兼ねて、お邪魔させていただいた。
佛山寺というこのお寺。以前は堂宇がすべて葦ぶき屋根であったが、近年、火災によって焼失し、この山門がその面影を残すのみである。


佛山寺山門

庫裡の横には、近所の子どもたちが自由に読むことができる私設の図書室があった。子どもたちが沢山いるのですか? と尋ねたら、それが少なくて……と。
やはりここでも少子化でせっかくの図書も利用される機会が少なくなったようだ。自然とお寺に集まる子どもたちも減っていることになる。

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大徳寺 高桐院

高桐院

仕事にて、大徳寺塔頭の高桐院を訪れました。
言わずとしれた、細川家の菩提寺。
千利休より賜ったという燈籠が、細川忠興・ガラシャ夫人の墓として有名な古刹です。

昨日本屋さんに立ち寄りますと、「暑いこの時期こそ、京都のお寺巡り…」というような京都本が発売されていましたが、まさにその通り。
観光客も少なく、時に境内をひとりじめというような寺院もあります。
緑が目に涼しく、そこを通って吹く風はまさにごちそうです。
春や秋ではとうていそうはいきません。

春夏秋冬、日本の四季の素晴らしさや、四季に育まれた文化を知るには、気候の良い時期ばかりでなく、全ての時期に京都を訪れてみられると、また新たな発見もあるかと存じます。

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遠州 大本山方広寺

方広寺参道にて
甲斐の国を後にし、富士山をかすめて一路静岡へ。 浜松に近い浜名湖の北あたりに位置する、方広寺派の大本山方広寺を訪ねた。 私はこの方広寺には、はじめての訪問なのである。 以前から本などで見ていた参道の風景だが、初めてこの目でみると、想像より何倍もすばらしい。
石橋に並ぶ羅漢さん

参道の両側は木立に覆われ、清水が流れ、アルファー波のシャワーを浴びているようである。
居並ぶ羅漢さんたちも、涼しげに感じる。

遠州 大本山方広寺の続きを読む

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甲斐 大本山向嶽寺

大本山向嶽寺 外門

武田神社、恵林寺と辿ったあと、今回の山梨訪問の主眼である向嶽寺に向かった。
向嶽寺へは二度目、一度目はブログにも書いたが、去年の三月のことだった。
さて、向嶽寺は日本の臨済宗黄檗宗15派のうちの一つの大本山である。
恵林寺からほぼ南に車で5分程度の距離であるが、こちらはいわゆる拝観寺院ではないので、ひっそりとしている。雲水の修行する修行道場もある。
さらに、ちょうどこの日は、接心(修行僧が集中して坐禅する期間)中であり、一般参拝者は寺に入ることもできないようななかではあったが、特別に御許可を頂いて、管長である宮本大峰老師とお会いすることになっているのだ。

放生池

境内に入ると、放生池があり、その奥には大きな仏殿が見える。
向嶽寺の開山は抜粋得勝禅師(1327~1387)で、得勝禅師が富士山へ向かう夢を見たことにちなみ、向嶽と名づけられたという。開創にあたり、武田信玄の祖先にあたる武田信成が土地を寄進したという。

仏殿

さて、管長老師との要件はもちろん、すでに発売になっている「禅僧が語る」DVDシリーズの後発分の出演依頼であった。
老師曰く、後世を担ってくれる大事な若者たちがこんなことではいけない。
DVDで世の人たちに訴えるより、事はもっと急務である。
永田町に乗り込んで、宗門からの声を直接ぶつけるほうがいいのではないかというお話にも発展した次第。

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大徳寺 僧堂の垣根

大徳僧堂の垣根

仕事で大徳寺を訪れましたある日、普段あまり通らない僧堂近くを通り、その垣根の美しさに暫し目を奪われました。
この高い高い垣根の向こうで、今も昔と変わらず雲水さん達が修行に励まれています。
辺りには凛とした空気が漂い、こちらまで身もひきしまる思いで大徳寺を後にしました。

皆さま、色々なお寺に参拝されるかと思いますが、垣根に注目されると案外おもしろいですよ。
京都でも光悦寺の光悦垣、建仁寺の建仁寺垣、桂離宮の桂垣、金閣寺の金閣寺垣・銀閣寺の銀閣寺垣、色々な垣根を楽しめます。
そして職員Kのオススメは、八幡にある寛永の三筆の1人・松花堂昭乗ゆかりの松花堂庭園です。こちらでは広大なお庭に、昭乗垣や双竜垣をはじめとした、たくさんの種類の垣根が見られます。

竹がこんな風に組まれています

大徳寺 僧堂の垣根の続きを読む

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天徳院にて桔梗を愛でる

天徳院

仕事で東福寺を訪れました。
塔頭の天徳院さんでは-桔梗を愛でる特別拝観-が行なわれているようです。
夜にはライトアップもあるようで…。
通天橋から壮大なスケールでひろがる青もみじを眺めた後、手入れの届いた庭に楚々とした風情で咲く桔梗を愛でるのも良いものでしょう。

期間:7月17日(木)まで 午前9時30分~午後8時30分
拝観料:大人300円 小人200円

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南禅寺 三門拝観

南禅寺 三門

6月30日、仕事で南禅寺を訪れました。他の臨済宗の本山では、三門拝観は特別期間中しか行なわれない事が多いのですが、南禅寺では、内部は拝観できないものの、上に登って「絶景かな!」の眺望を楽しむ事ができます。
青もみじ、苔がとても美しい南禅寺。そして緑濃くなったこの時期、お天気も良く、皆さまさぞかし素晴らしい景観を堪能された事と思います。

南禅寺を訪れる際は、是非三門上に登ってみられる事をオススメします。京都の景観を、なぜ守らなくてはならないか……も見えてくる事と思います。

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甲斐 恵林寺

恵林寺

武田神社参詣のあと、甲州市にある恵林寺へ赴いた。
言わずと知れた、武田信玄公の菩提寺であり、かの夢窓国師が開山の臨済宗妙心寺派の名刹である。
車をとめて、杉木立の長い参道をゆったりと歩くと、古びた三門に至る。

恵林寺三門

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第5回西村惠信所長といく“禅と文化”の旅 その2(光雲寺)

光雲寺仏殿

しばし哲学の道の緑の中を歩き、臨済宗南禅寺境外塔頭の光雲寺へ。
哲学の道近辺には、気をつけていないと見落としそうになりますが素晴らしいお寺がいっぱいです。
光雲寺の歴史などについてはこちらからどうぞ。

仏殿

まずは仏殿にて般若心経を唱えます。

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第5回西村惠信所長といく“禅と文化”の旅 その1(霊鑑寺)

雨の予報に心悩ませた6月11日(水)、皆さんの日頃の心がけが良いからか雨に降られる事もなく、無事に第5回“禅と文化の旅”を終える事ができました。
行程はこちら

霊鑑寺へ

まずは臨済宗南禅寺派に属する尼門跡寺院、椿で有名な霊鑑寺へ。こちらは紅葉の時期椿の時期にそれぞれ一週間ほど特別公開されるのみですが、今回は特別に緑美しいこの時期にお邪魔させていただきました。

緑濃い山がすぐ後ろに。「こんなところにこんなお寺があったのね!」と皆さまから…。少し北に行くと法然院、哲学の道を南に下がると南禅寺。近くには来たことがあるものの、ここは知らなかったという方が多かったです。
門をくぐると緑の海のような世界が。ツツジのピンクがよく映えます。

庭園

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鎌倉 建長寺

建長寺
円覚寺と文字通りならんでいる建長寺は、臨済宗建長寺派の本山で、鎌倉五山の第一とされる。北条時頼が蘭溪道隆禅師を招いて建立された名刹。 円覚寺と並ぶとはいえ、少し由比ヶ浜に近いせいか海の風も感じるため、どこか雰囲気が違う。 管長老師と建長寺僧堂の一室でお出会いし、DVDの件をご快諾いただいた後、山内を撮影にあるいた。

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鎌倉 円覚寺

鎌倉にある、臨済宗円覚寺派の大本山、円覚寺を訪問した。
管長方のDVD制作の一環で、円覚寺管長の足立大進老師にお会いするためであったが、私個人は、実は円覚寺を尋ねるのは初めてである。
鎌倉時代後期に、北條時宗が無学祖元禅師を招いて開創された寺である。

JR横須賀線の北鎌倉の小さな駅を降り立つと、すぐ近くに円覚寺へあがる階段がある。
今はどうやら修学旅行の季節らしく、子どもたちも多い。


円覚寺三門

またとくに最近は、年配の方が立派なデジタルカメラを抱えて、ファインダーを覗かれているのもよく見かける。デジタルカメラは今までの銀鉛フィルムとくらべ、フィルムが無駄にならないから、重宝されているのだろう。

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慈受院 -薄雲御所-

慈受院

臨済宗単立寺院、慈受院門跡が5/6まで特別公開されていましたので、伺って来ました。
非公開寺院でしたが、今回初めて公開されたかと思います。今後、春や秋の特別公開の時期には拝観できるようになるのかもしれません。またそのような情報はこちらのブログでもご案内させていただきます。

この門跡寺院は、1428年、亡夫である足利義満の遺言により、日野栄子が天皇家の菩提を弔うため建立されたそうです。それ以来、代々尼門跡により守られてきた為、薄雲御所又は烏丸御所、竹の内御所と呼ばれてきたそうです。
色々な尼門跡を拝観する私ですが、やはり尼門跡には尼門跡らしい風情があります。こちらのお庭もこじんまりとしていながらも気品高く、車が多く走る堀川通りから少し入った所とは思えない空気が漂っていました。
写真不可でしたので、ご覧に入れられませんが、また公開される事もあるかと存じます。
是非訪れてみてください。

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開山無相大師650年遠忌のために 於:妙心寺

妙心寺


臨済宗妙心寺派大本山妙心寺では、平成21年の遠忌に向けて全国の檀信徒による参拝でにぎわってきています。
先日前を通りましたら、壁の漆喰も装い新たになるようで、たくさんの職人さんによって作業が勧められていました。

漆喰塗り直し


この機会に、先師の徳にあやかり、心さまよう混迷のこの時代に光を見出したいと思う今日この頃です。

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第39回 寂室禅師生誕奉賛茶会のお知らせ 於:永源寺

永源寺の新緑

第39回 寂室禅師生誕奉賛茶会
於:臨済宗大本山永源寺(滋賀県)

昨年の様子はこちら

今年の詳細は下記のとおり。紅葉で有名な本山ですが、5月の新緑もそれはそれは美しく、清々しい心持ちになれます。

開催日:平成20年5月11日(日) 午前10時~午後3時
献茶式(午前11時より):裏千家 泉本宗悠業躰
献  笛:都山流  八木慶山師

特別協賛 煎茶席 泰山流家元
協賛席   裏千家流
      表千家流
       遠州流
       瑞石会

茶券   前売券:2500円
      当日券:3000円
      一席券:当日、永源寺朱印所で発売

茶券販売所 
     大本山永源寺
      各協賛席
     

お問い合わせ  大本山永源寺 奉賛茶会係
           電話 0748-27-0016
            FAX 0748-27-1055

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臨済宗大本山佛通寺の撮影

川を渡って佛通寺へ


絶版となっていた『禅の寺』を復刻する事となりました(今秋発売予定)。
臨済宗の本山全てをこのような形で紹介した本もなかなか無い事や、「もう買うことはできないのですか?」とのお問い合わせをいただく事もしばしばあり、今回はカラー写真を増やし、文章にも少し手を加え、皆さまに手にとっていただきやすいようにと考えています。むろん、しっかりと各本山の歴史や宝物などもご紹介する、本格的な本山紹介の本であるのは言うまでもありません!

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08年さくら その2

昨日に引き続き、桜の写真です。この2枚は京都、上品蓮台寺の桜です。紅しだれがとても立派です。

上品蓮台寺

上品蓮台寺

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08年さくら その1

京都御苑 小川の糸桜

今年もたくさんの桜を楽しめました。なぜか今年は初めて桜に夢中でした。むろん毎年綺麗だなぁと思って見ているのですが、どうしてでしょうか。現在の心境?年齢?でしょうか…。
なかなか綺麗な写真が撮れましたので、皆さまにご紹介を。
来年のお花見のご参考にどうぞ…。 上の写真は京都御苑の小川の糸桜、下は吉田神社です。

吉田神社

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白隠墨跡展とフォーラムのご案内 於:松島 瑞巌寺


松島の瑞巌寺での白隠墨跡展とフォーラムのご案内です。
詳しくは画像をクリックして下さい。

ちなみに、講演をされる芳澤勝弘氏は、現在、花園大学国際禅学研究所教授ですが、以前は、禅文化研究所の編集主幹で、私たちの上司でした。
したがって、「白隠禅師法語全集」は、編集主幹時代の成果です。

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隠元橋 -宇治・黄檗宗萬福寺-

新隠元橋

春たけなわの4月3日、黄檗山萬福寺の開山忌に行ってきた。宇治へと車で向かう道中は桜も見頃、ちょっとした花見気分である。
京都市内から宇治市の木幡に入り宇治川に沿って走ると隠元橋がある。この地は、かつて岡屋の津という港があり、古くから交通の要衝として栄えてきた。江戸時代、黄檗宗開山隠元禅師が幕府から寺領地を賜ることとなり、新寺の候補地探しのために淀川をさかのぼり宇治川で下船した場所でもあることから、「隠元禅師渡岸の地」の呼び名も加えられた。昭和24年に初めて橋が架けられ、隠元禅師の渡しにちなんで隠元橋と名づけられたという。

この隠元橋が新しく架け替えられていた。これまでの橋は幅員も狭く、一宗の開山名を冠するには憚られるような小さな橋であったが、新隠元橋は4車線の両側に歩道まである立派な橋に生まれ変わっていた。
また、橋の東側には「黄檗開山隠元禅師渡岸之地」の石碑が新たに建立されていた。石材は禅師の出身地である中国福建省から取り寄せ、中国古来の伝統形式である亀趺の形に仕上げたという。
さて、黄檗宗では4月より岡田亘令老師が新管長に就任された。開山忌では力強く隠元禅師の遺徳を偲ぶ香語を唱えられた。この地に法筵が開かれて340年、脈々と法灯は継承される。

黄檗開山隠元禅師渡岸之地

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霊鑑寺の春 哲学の道

有名な月光

特別公開中の霊鑑寺(左京区鹿ケ谷)を訪れました。
毎年、椿の見頃と紅葉の美しい頃、公開されます(今年は4/6まで)。
昨年も参りましたが、やはり今年も心洗われる美しい椿を拝みたい。椿参拝です。
あまりに美しい椿を見ていると、不思議だなぁ…という気持ちになり、お釈迦様が金波羅華一輪をお示しになられた事を思い出します。

尼門跡寺院といえば、前回の禅と文化の旅にて、奈良の円照寺(後水尾天皇の第一皇女、梅宮さまが開山)を拝観させていただきましたが、こちらは同じ後水尾天皇の皇女、多利宮さまが開山です。
明治維新まで皇女などが入寺されたため、「鹿ケ谷比丘尼御所」「谷の御所」とも呼ばれます。
代々皇女が入寺された寺は、どことなく雅な感じが漂い、凛としつつも女性らしい優しい空気が流れているような気がします。
それでは、今年の椿を是非皆さまに…。

哲学の道も桜は満開。そして、水仙、ミツマタ、クリスマスローズ、レンギョウ、雪柳、石楠花、あらゆる花が咲き誇っていました。

秋の霊鑑寺
昨年の椿

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百花苑 -天龍寺-

馬酔木

この冬の京都は雪が多く、ここ天龍寺の庭にも春の気配が感じられるようになり、百花苑の花々が目を開き始めました。これからの庭内散策が楽しみです。

現在、天龍寺では下記のものが楽しめます。
椿・坐禅草・馬酔木・山茱萸・桃・木瓜・梅

これからは…
桜・木蓮・海棠桜・辛夷・芍薬・牡丹・平戸躑躅・満点星躑躅・石南花・五月などが楽しめます。
ところでみなさん、これ全て読めますか?!

坐禅草

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あなぐま寺庭の講演 於:妙心寺

あなぐま寺庭の講演

建仁寺派瑞陽寺の寺庭である伊賀奎子さん(弊所発行『あんたはあんたのままでいい 寺庭奮闘記』の著者)が妙心寺本山で行なわれた寺庭婦人研修会で講演を行なった。
伊賀さんは住職と共に山口県の過疎地にある山寺を守る傍ら、旺盛な好奇心でユニークな活動を行なっている。
「女が寺で生きていくとき」と題した講演で伊賀さんは、老物理学者と羊飼いの少年とが宇宙の真理を語り合う夢枕獏の短編『羊の宇宙』の一文を朗読し、都会のスピードとは無縁な過疎地のスローな暮らしぶりや寺に集う人々を紹介した。

お寺があるからみんなが元気を出して輝いていられるという伊賀さんは、過疎地や限界集落のことを開放区であり自由集落と呼び、お金もない寺であってもできることは見つけられる、お寺は都会から田舎に帰ってきた人たちの心の拠り所としてなくてはならない存在で、寺庭がみんなを引きつけていけるよう力をつけてほしいと熱く語った。
講演後は著書のサイン会を行ない、購入者一人一人に「頑張ってね」と声をかけられていた。
「京都に来て田舎が活性化できる企画を一つ思いついたわよ」と明るく語る伊賀さん。70歳とは思えないエネルギッシュな女性である。

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蕗の薹(フキノトウ)

蕗の薹

墨跡の撮影ででかけたお寺にて、蕗の薹をみつけました。
雪解けの、ようやく顔を出す頃とは違って、これだけ暖かくなってくるとかなり成長しています。
ほろ苦い春の味、てんぷらにして食べたら美味しいよなぁ…と一人しみじみ眺めます。

春の寺には、最近都会の道端ではとんと見なくなったすみれやいぬふぐり、ホトケノザなどの小さなかわいい花や、沈丁花の香りも満ち、木蓮のつぼみもどんどん大きくなって、春の知らせがそこここに。発見だらけで楽しいものです。

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高岡 瑞龍寺 2

シンメトリックで美しい瑞龍寺山門

高岡 瑞龍寺1はこちら
総門を入り山門を正面に立つと、左に禅堂、右に大庫裏がシンメトリックで美しい。
回廊をめぐると、この禅堂や大庫裏をめぐることができる。

回廊

件の禅堂であるが、入堂は禁じられているので前門から覗いただけであるが、私が知っている中では一番、単の高さが高くて踏み台があるほどで、また単箱の後ろは障子が無いためにかなり薄暗く感じた。
普段はこの状態であるから、あの吊り広告のように坐禅を組ませてもらうには予約が必要な様子だし、それにしても、ここは現在、修行道場でもなく雲水もいるようではない。ただの観光寺院にしておくには、甚だ勿体ない気がする。

さて、瑞龍寺は加賀藩二代藩主前田利長の菩提寺であるが、その利長公の墓所は瑞龍寺の中にはなく、総門を出てまっすぐに八丁道を行くと突き当たりにあるが、法堂の裏手の左には分骨石廟があるらしいので行ってみた。
ここには利長公の他に、織田信長公父子の分骨された廟も並んでいた。信長公の娘が利長公の正夫人(玉泉院)であるからであろう。本能寺の変の後に、その分骨をむかえたものとされる。
これらの石廟は富山県の指定文化財になっている。

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狩野山雪・老梅図襖絵の複製  妙心寺・天祥院

妙心寺塔頭 天祥院

京都国際文化交流財団が行なっている「デジタルアーカイブ事業」。 簡単に言うと、京都の貴重な文化財である屏風や襖絵などの書画を、最新のIT技術により撮影されたデジタル画像から高性能のプリンターで和紙に印刷し、そこに京都の伝統工芸士が金箔を貼り込み、複製品を作成するというものである。 この3月に、キャノンの出資もうけて制作されるこれらの複製事業によりようやく完成した数点が、もともとあった所蔵寺院等に里帰りすることになった。

そのうちの二点、石庭で有名な龍安寺にあった、狩野永徳画の「琴棋書画図」襖絵と、妙心寺塔頭の天祥院にあった狩野山雪の描いた「老梅図」襖絵について、禅文化研究所は監修という立場で計画時から関わっていた。
この2点は明治期の廃仏毀釈の影響を受けて散逸してしまった逸品で、現在、「琴棋書画図」襖絵は米国シアトル美術館に、「老梅図」襖絵は米国メトロポリタン美術館に所蔵されている。

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天龍寺の梅

天龍寺の梅

仕事で天龍寺(嵐山)を訪れました。
梅はどうかと見てみましたが、木によって違うようで、満開に近い木もありますが、ほとんどの蕾を固く閉じたままの木もあります。
三寒四温とはよく言ったもので、やはりなかなかすぐに暖かくはなってくれないようです。
梅の花も足踏みしているのでしょうか。

ミツマタの花もみつけました。茶人に好まれるこの季節の花です。

ミツマタ

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高岡 瑞龍寺 1

曹洞宗・瑞龍寺

今年の夏には未開通の飛騨清見IC-白川ICが開通し、そうすると名神高速の一宮ジャンクションから北陸自動車道の小矢部砺波ジャンクションまで、東海北陸道が全線開通することになり、東海と北陸との便の風通しが一気によくなる。

さて、大雪だった岐阜の白川郷から富山県高岡市へ向けて、既設の東海北陸道を利用して抜けた。白川郷ほどの雪はないが、それでも北陸も水気の多い雪が降っていた。
高岡市には臨済宗の大本山の一つ、国泰寺があるが、今回は曹洞宗の瑞龍寺という名刹を訪れてみた。

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天龍寺 平田精耕管長の津送

法堂での轤キ拜式

去る3月6日、大本山天龍寺第84世住持 平田精耕管長の轤キ拜式が執り行われた。 ふつう禅僧の葬儀には、遷化してすぐに行われる密葬と、正式に縁者を集めて行われる津送とがあるが、天龍寺ではこの津送を轤キ拜式というようだ。 轤キ拜という言葉にあまりなじみを感じなかったので調べてみると、『禅学大辞典』に、「【轤キ拜】しゅはい:轤キ香礼拜の略。香を轤キ(た)いて礼拜すること」とあった。

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献茶式 -於:太平寺-

太平寺

毎年2月8日、十三参りでも有名な大阪は天王寺にある太平寺(曹洞宗)にて、堀内宗心宗匠ご奉仕による献茶式、そして茶筅供養があります。
約一ヶ月前の話になりますが、今年は久々にでかけて参りました。

茶人の朝は早いと言われますが、2月の寒さも何のその!この日は特に、宗心宗匠のお献茶を前の方で拝見したい!と思う人達で朝早くから境内はにぎわいます。
願い叶って一番前で、宗匠の所作その全てを見逃すまいと食い入るように真剣に見つめる人達の表情を見て、研究所から出版させていただいた、堀内宗心宗匠『歩々清風』のまえがき、臨済寺僧堂師家・阿部浩三老師の

――伝統の継承、文化の継承というのは、先人先達の生き様やそのあとを、そして熱意を丸ごと感じとって、実はこちらの方がひたすらに習い、ひたすらにひたすらに求め続けていって、はじめて伝わっていくものではないのでしょうか。――

という一文を思い出しました。伝統や文化は、上から下へと単に水が滴り落ちるようにつたわっていくのではなく、ひたすらに求める者がいてこそ伝わる。また、ひたすらに求めたくなるような継承者が存在するという事がもちろん大前提になるわけで、茶の湯を稽古する者としては、伝統文化を継承するというような大それたおこがましい事はさておき、ただただ宗心宗匠のようなお方と同じ時代に生まれて来られた事を感謝し、仰ぎ見つつ稽古に勉強に励むのです。

寒あやめ

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龍沢寺僧堂・死活庵老師の津送

梅のほころぶ龍沢寺

Ryutaku07.jpg

静岡県三島市にある専門道場、円通山龍沢寺。あの白隠禅師が開山である名刹である。 この龍沢寺住職の死活庵・中川球童老師が、昨年末に遷化されたことは、このブログでも少し書いた。 20年以上前に、わたしはこの道場に掛錫していたので、2月14日の津送のお手伝いに呼ばれ、前日13日、三島駅に降り立った。 京都は雪が降っていたが、静岡は雲一つない快晴。あまりにも富士山がきれいに見えたので沢山写真も撮ったのだが、これは改めて書かせてもらう。

死活庵老師の真前

さて、さっそく梅の花のほころぶ龍沢寺に向かい、懐かしい顔ぶれと挨拶をかわし、老師の遷化をいたみあった。 じつは、私が新到参堂(入門)して一週間もたたないころ、当時、龍沢寺の閑栖老師だった中川宋淵老師が遷化され、その数年後に、私が参じていた鈴木宗忠老師も遷化された。そしてこのたびの中川球童老師の遷化で、ここ二十年あまりで三人もの老師を送ることとなり、ここで同じ釜の飯をたべた会下一同、悲しみに暮れている次第である。

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永源寺で春の息吹き

茅葺きの永源寺本堂

永源寺の本堂は今どきめずらしい茅葺きの大屋根である。その本堂の中には、「世継ぎ觀音」と呼ばれる本尊聖観世音菩薩が祀られているが、50年に一度のご開帳でしかお目見えできない秘仏である。
この観音様は一寸六分ほどの小さな仏様らしいが、等身大ほどの聖観世音菩薩坐像の宝冠の中に安置してあるそうである。


境内のお地蔵様

永源寺管長、篠原大雄老師のお話を撮影し、ちらちらしていた雪があがったので、永源寺山内で春の息吹きがみつけられないかと探してみたら、ようやくやっと開きかけている梅の花をみつけることができた。
屋根に雪は残ってはいるが、やはりもう立春なのである。


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禅僧のことば -永源寺 篠原大雄管長-

永源寺僧堂

ちょうど大寒、雪の舞う中、滋賀県東近江市にある大本山永源寺に、各派管長方のDVD撮影のひとつ、篠原大雄管長の取材に訪ねた。
「こんな真面目くさった質問じゃ、本音がしゃべれんじゃないか」と撮影前におどけてみせる老師だったが、以前よりぐっと痩せてしまわれている。
というのも、去年の三月に喉頭癌を患われ、まだ一年にも満たない闘病中の御身。声が出しにくいのと、近ごろまでは提唱でもマイクを使用されていたとのことであった。
しかしにこやかにインタビュワーの質問に答えられ、とても大切なお話から、冗談も加えられてという、あっと言う間2時間強の撮影だった。
しかし、終わってから、実は声を出すのはまだ少し辛いんだとおっしゃる。そんなそぶりなど全くなかったので、長時間の撮影で申し訳ない思いである。だがとてもいいお話が聞けたので、みなさんには製品となったビデオを楽しみにしていただきたい。

篠原大雄管長

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待合 -DVD撮影 相国寺にて-

待合


昨日に引き続き、DVD撮影にて訪れた相国寺。
管長の茶の湯点前の撮影だが、ちょうどこの日は午後から初釜があるとのこと。
待合を少し覗かせてもらった。

待合(まちあい)とは、招かれた客が待ち合わせる、茶事や茶会の為に茶室に入る前の待機場所のような部屋で、この日の待合は上の写真のような床飾り。
待合といえどもさすが、お軸は仙厓さんとのこと。
力強い結び柳には、新年を迎え、今年も無事過ごせるよう祈る気持ちになります。
ねずみの置物は、寺に縁ある人の作品でしょうか、愛嬌を添えています。

仏手柑

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雪の相国寺

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一連の管長老師の収録(禅文化研究所より、この春にDVD発売予定!)で、相国寺を訪れました(1/27)。
この日は朝から雪。家を出る時から、「雪降る寺の美しさはいかばかりか…」と、寒いながらも心は暖かく楽しみにでかけました。
静かな境内で、音もなく空から舞い降りる雪。高くそびえ立つ法堂。
桜や紅葉の気候の良い時ばかりではなく、多くの人にこの寒い凛とした空気の京都も味わって欲しい気持ちでいっぱいになりました。
観光客誘致の為、冬の京都では非公開寺院の特別拝観を行なっていますが、これは観光客にとっても本当に良い機会だと思えます。
どちらかというと、寒い冬には人の気持ちは内にこもりがちかもしれません。ですが、そんな時にこそ、さらに自分を見つめるべく、静かな所を訪れてみるのはいかがでしょうか。

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撮影のあった、大光明寺の門前。撮影風景などのレポートは、明日明後日とアップさせていただく予定です。

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相国寺特別拝観 -京の冬の旅-

相国寺 開山堂

京都市観光協会主催の、非公開文化財特別公開がはじまっています(3/18まで)。
冬は寒くて…と、なかなか足を運びにくい京都ですが、凛とした空気の中、名刹を訪ねるのは心身ひきしまる思いがして、とても良いものです。

今回の冬の旅では、臨済宗の本山の中では、 >相国寺の開山堂(かいさんどう)・法堂が公開されています。開山堂はめったに公開されません。庭も特徴ある枯山水で、丸山応挙の襖絵も必見!
法堂の龍は、八方睨み・鳴き龍で、ボランティアガイドの方が色々と説明してくださるので、禅寺に足を踏み入れた事の無い方も、興味深くご覧いただけるかと思います。
また、山内の塔頭では、水上勉氏の直木賞受賞作『雁(がん)の寺』で有名な瑞春院も特別公開中です。
お寺の中の寒さ、床などの冷たさは想像を絶するものがあります!是非暖かくしておこしくださいね。

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永源寺を訪ねて

新緑の頃の永源寺山門

禅僧のことばのDVDシリーズ収録も、第一弾の予定は、残すところ大本山永源寺管長、篠原大雄老師だけとなった。 先日、その事前打ち合わせの為に、撮影監督の映像工房サンガの児玉氏とともに、冬の永源寺を訪れた。

永源寺派の本山である、瑞石山永源寺は滋賀県東近江市、名神高速八日市インターから車で約10分の山間にある。新緑の季節、あるいは紅葉の季節には、とても多くの拝観客が来られるこの永源寺ではあるが、この冬の時期には、附近の民間駐車場や土産物屋も閉ざされており、境内には文字通り人っ子一人見えない。

管長老師との約束の時間より少々早く到着したので、誰もいない山内を散策した。何度も永源寺には来たことがある私だが、この季節、そして人のいない境内を歩くのは初めてのことだった。
やはり禅寺はこうでないと......、きれいに掃き清められている上に、誰もいない深閑とした冷たい空気。
開山の寂室元光禅師は、この山紫水明な仙境をことのほか愛されたというのがわかるようである。
何度か兵火にかかり、伽藍は焼失して再建されているが、江戸期に建立された山門は美しく、文化財に指定されている。

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禅寺に忍者あらわる?!

天龍寺の達磨さん


*嵐山・天龍寺にて

「和尚さん、ここは禅宗の寺ですよね?」。
「そうだよ」。
「どうして忍者がいるんですか?」。
と、20代ぐらいの若者が尋ねます。

何を言っているのかわからず聞き直すと、若者は庫裡(くり)玄関の衝立の達磨大師図を指すのです。
朱の頭巾を被った半身達磨の大衝立です。

「これは達磨大師といって、インドから中国へ仏教を伝えた人だよ」。
「へ~、そうですか!忍者じゃないんだ!」。

近頃の若者たちは達磨を知らぬのか!
昨年末、禅文化研究所から出た『日本にのこる達磨伝説』でも読んでみなさい!と言いたい気分であった。
起き上がり小法師・達磨さんとにらめっこ・選挙七つ道具の一つ、当選すれば達磨に目を入れて万歳!などなど、そういったものを知らないのであろうか…。
仏教がインドで起こり、中国に伝来する立役者となった達磨大師も、時代と共に忍者に化けるのかと苦笑しました。

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禅僧の言葉 -建仁寺管長-

早朝の建仁寺境内

一連の管長老師のビデオ収録で、臘八接心のあけてまもない早朝の建仁寺僧堂を訪ねた。 建仁寺へと拝観者が多く訪れる本坊庫裡とは少し離れた場所に建仁寺僧堂はある。 本日お話をうかがう建仁寺管長の小堀泰巌老師とも親しく接したことがなかったが、わが国の最初の臨済道場である建仁寺は、臘八開けとはいえ、ピリっとした空気で澄んでいた。

建仁寺僧堂

案内を請うと、「ど~れ~」という対応の雲水の声がひびき、我々は海北友松の障壁画のある書院に通された。この部屋での収録である。床の間には白隠禅師の達磨図がかかっている。 方丈の前には回遊式の素晴らしい庭園があると聞いていたが、もちろん目にしたのははじめてのこと。大変うつくしい庭にしばし目を細めさせていただいた。

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大般若転読(1)

冬の天龍寺


『大般若経』の転読を見るのは心地よい。禅寺でも正月などに行なわれるなじみ深い行事だ。僧侶が分担して一巻づつ経題を唱え、経本を両手で捧げ持って広げる。すると、高い方から低い方へ、カラカラと軽快な音をたてながら、まるで生き物のように経本が流れ下って行く。参詣者の間をぬって「大般若の風」もそよぐ。

『大般若経』600巻は唐の玄奘三蔵が翻訳したものである。仏典の中では最大の分量を誇る。日本でも呪的効力が極めて強い経典であると認識され、奈良時代から攘災招福・五穀豊穣のために盛んに読誦がなされてきた。

しかし、なにぶん大部なものであるため、転読という方法がしばしば取られた。転読とは、経の題のみ、あるいは初・中・終の数行のみを読むことを言う。ちなみに、経典の全てを読むことを真読という。

前々から疑問に思っていたことがあった。現在の形式の転読は折本でないと出来ないのである。中世以前の大般若経が巻子本(巻き物)であったことは、書誌学では常識に属する。いったい、どのような形で転読が行なわれていたのであろうか。

しかし、同じような疑問を持つ人は結構いるらしい。古い『大般若経』の調査をしている知り合いから、「こんな論文がある」と教えてもらった。(つづく)

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禅僧のことば -黄檗宗 萬福寺管長-

東方丈_萬福寺

晩秋の終わりが近づいた一日、宇治市にある黄檗山萬福寺を訪れた。京都市内の紅葉で名高い寺院は、この時期は朝早くから参拝者で賑わっているが、ここ萬福寺はそれほどではなく、早朝の凛とした空気が心地よい。

切妻造りの総門から境内に入ると、三門、天王殿、大雄宝殿と中国風の伽藍が建ち並び異国情緒に溢れている。天王殿には弥勒菩薩の化身とされる布袋和尚が中央に祀ってあり、でっぷりとした腹を突き出した姿は仏像とはいえ実に微笑ましい。茶室有聲軒近くにある黄檗の木は山号の由来となった樹木であるが、病気のためか幹の途中から切り取られ、今は僅かな枝を残すのみである。
さて、今回の訪問の目的は、以前にもお伝えした臨済宗黄檗宗の各派管長に出演いただくビデオの収録のためで、初回は仙石泰山黄檗宗管長である。撮影には境内奥にある東方丈を使用させていただいたが、庭の紅葉は今が見頃で白砂とのコントラストが美しい。

黄檗宗管長

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京都の紅葉 -霊鑑寺-

秋の霊鑑寺

今週は、京都のさまざまな紅葉をご覧にいれたいと思います。

まずは、11/23~26日まで特別公開されていた、臨済宗南禅寺派の霊鑑寺です。
椿の美しい頃、紅葉の美しい頃のみ、何日間か公開される寺院で、それ以外の時期は非公開です。
由緒正しき門跡寺院のたたずまい。いつ訪れても心清められます。

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まつがおか日記 -鎌倉東慶寺より-

秋を生ける


季刊『禅文化』の206号より、東慶寺の寺庭婦人井上米輝子さんに、自然の彩り鮮やかな、鎌倉は松岡山にある東慶寺の四季の移ろい、季節ごとの喜びや楽しみなどをご寄稿いただいています。

実は、ご寄稿いただく前から、寺庭婦人さんのブログ、-まつがおか日記-をいつも楽しみに拝見させていただいていました。
ことに茶の湯をたしなむ者には、この東慶寺境内の山野草、茶花の豊富な事に心ときめかせつつ、季節ごとに掲載されるその可憐な花々を写真で楽しんでいた次第です。
畑などで採れる季節の恵みは、スーパーで買うのとはまた違って、自然からの恵みに対する感謝の気持ちへと直結しているような気がします。だからこそ、東慶寺で饗される精進料理の美味しさはいかばかりかと…。
近くに住んでいれば、茶会や坐禅会、朗読の会など、あしげく通いたいお寺です。

お月見の供え物

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天龍寺の紅葉

曹源池に映る紅葉

今年は残暑が猛暑となり、紅葉はどうだろうか…と心配していたものの、季節はちゃんと巡るようである。
11月に入って急に冷え込み、現在天龍寺の紅葉は見頃を迎えている。
特に京都は盆地で、その中でも嵐山は西の端にあるため、天龍寺の紅葉は一番早く、また、下から順に上へと紅葉していく様はえもいわれぬ美しさだ。
12月に入ると、嵐山が真っ赤になり、朝靄(あさもや)の中に見えるその嵐山が曹源池に映る様は誠に幻想的である。
早起きは三文の徳。早朝7時過ぎから天龍寺は開門しています。

えもいわれぬ美しさ

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第4回 西村惠信所長といく“禅と文化”の旅 その2

菊水楼

第4回“禅と文化の旅”その1はこちら

後ろ髪ひかれる思いで円照寺を後にし、昼食の為、菊水楼へ。
文化財にも指定されているという立派な建物に皆の心も踊り、秋の味覚を堪能しました。
昼食を終えてバスに戻ろうとすると、見送りをするかのように立派な男鹿が。
関西に住む者、ことに奈良をちょくちょく訪れている者にとっては何ら珍しくない鹿も、その他の地域から来られた方には非常に珍しいようで、しばし撮影タイムとなりました。

鹿のお見送り

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第4回 西村惠信所長といく“禅と文化”の旅 その1

奈良の紅葉

11/3(金)、第4回西村惠信所長といく“禅と文化”の旅のご報告です。
行程はこちら

奈良の町は思った以上に木々の紅葉も美しく、時にバスの中から歓声があがりました。
まず目指すのは大和三門跡寺院の一つ、妙心寺派の円照寺です。普段公開されていませんので、初めて訪れる方がほとんどだったのではないでしょうか。
バスを下りてから皆で参道を歩きます。山に分け入っていく感じで、空気は徐々にひんやりと透明感を増していくようでした。江戸時代、この寺の開山であられる梅宮さまがいらっしゃった頃、門跡寺院であることから御殿と呼ばれはするものの、いかばかりの侘びしさであっただろうと思いをはせます。

参道

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「鍛える」ということ

警策

日々、黙々と坐禅をする友人の研究者が、「規律やしごきで人が悟れるなら、どうしてアウシュヴィッツの囚人たちは悟らなかったのだろう」と言ったことがある。

相撲部屋のしごき騒動が云々されている。激しいぶつかり合いの稽古が禁止されれば力士たちの教育が根本から揺らぐとの声もある。

かつて梅林僧堂で修行をされた加藤耕山老師(1876~1971)が、臘八摂心(12月1日から釈尊成道の12月8日まで僧堂で行なわれる不眠不休の修行)の様子をこう語られている。


梅林寺という所は、ほかの時は別だが臘八だけは思いきって叩きよりますからね。(中略)堂内のほうでは直日(じきじつ、禅堂内での総取り締まりの役)は「独参をせよ、グズグズ坐っておっても何もならん、独参せよ」と。そうすると行くんですな。行くと大庭の所に助警というのが五、六人警策を持って立っている。「何ウロウロしとるか、そんなドイツイことで老師の前に行って何になるか。しっかり坐って来い、禅堂へ行って坐ってこーい」。それでも禅堂へ行くと叱られて追い出されるから、我慢はって行こうとする。ナニクソと、もう暴力ですな。一人や二人ならいいが、四人も五人もおって、なかには柔道何段なんていうやつがおって、しまいには真剣になってやりだすんじゃ。(中略)坐れというのならいくらでも坐っておるんじゃけれども、両方ではさみ打ちする。一方は「行け」というし、一方は「いかん、行くな」とこういう。無理ですわね。それがもう、実に悲惨ですからね。バタバタバタと、まるで戦場とちょっとも違わん。血相を変えてやりますからね。あまりバタバタ、ガタガタやるから、老師が心配さっしゃるです。「えろうゴタつくが、どうも修行はそんなもんじゃないがねえ。あやまちでもできるといかんから、たいがいにするように」と。わたしが古くなってからですが、「老師、心配しなさるな。存外心配なさることはありませんよ」と、なだめよったがな。そりゃそんなふうで、「あんまりこういう時代のことだから、たいがいにしておかないと」と、これをやめた老師があったですよ。そしたらあんた、もうちいっとも気がのらないですよ。沈んじまって、どうもいかんです、……

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天龍寺 秋の花

白杜鵑草

急に秋らしくなってきた昨今。
今年の8月、9月は猛暑にて思考回路が分断していた。漸くそれも接続されたが、あの夏の暑さは地球温暖化の影響か?はたまた自分の老化か…と悩む。

庭にはやはり秋はちゃんと来ている。様々な種類の杜鵑草が咲き、金木犀のオレンジ色の花・銀木犀の白い花からはかぐわしい香りが「秋」を知らせてくれている。

山路杜鵑草

珍しい山路杜鵑草でしょうか。

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禅僧のことば

禅僧のことば

今、研究所の出版企画で、臨済宗黄檗宗の各派管長とお会いしている。これは「禅とは何か」や「いのちの在り様」などのテーマをもとに各老師に語ってもらい、それをビデオに収録してDVD化するための出演依頼である。
映像に残るということで最初は難色を示された老師も、趣旨を説明すれば最後にはご理解いただき、今のところ交渉は順調に進んでいる。
第二次世界大戦後、長い歴史の中で培ってきた価値観を見失ってしまった日本人に、「人として生きることの意味」を禅僧の立場から語ってもらおうというのが企画側の意図であるが、お話しを伺う中で、老師の側からも、これほど人のいのちが軽視される今の社会に向けて、何かメッセージを発信しなければならないという意識も感じられた。
これまでお会いした老師方は、それぞれに個性は違うが禅僧としての魅力がある方々ばかりである。実際の収録ではどういった言葉を発していただけるか、今から楽しみである。

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曝凉のおしらせ 於:大徳寺

紫野 大徳寺

10月14日(日)、秋晴れの心地よい空気の中、大徳寺の宝物の虫干しが行なわれます(本坊にて9:00~15:30)。
約100点ほどの絵画・襖絵・墨跡などが展示されます。
中でも、かの有名な牧谿(もっけい)の水墨画「観音猿鶴図」は特に美しく、見に行った甲斐があったと思わされます。本坊にも普段は入れませんので、この機会に如何でしょうか。

この日は、特別公開されている塔頭もいくつか(黄梅院・興臨院・総見院)あるようですし、他の塔頭でも虫干しが行なわれ、公開されることがあります。美術館ではなく、実際に禅寺にて宝物を見られるまたとない機会です。是非おでかけ下さい。

ちなみに、あくまでも虫干しが最重要目的ですので、前日が雨であったり、当日が雨であったりすると、行なわれません。お天気があやうい際は、調べてからおでかけ下さい。

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一休さんの袈裟

秋ですね

室町時代の一休宗純禅師(1394~1481)が晩年を過ごされた一休寺(酬恩庵・京田辺市)に残る、一休さん着用の「五条袈裟」の複製品がこのたび完成し、一休寺での公開の後、明日9/19~24日まで、日本橋の高島屋にて公開されるとのことです。

この袈裟は、原品の痛みが激しい為、ご住職の依頼により、龍村美術織物と京都工芸繊維大学が調査をし、約13年かけて復元したそうです。
さすがに約600年も前の物となると、染料や織り方など、調査は困難を極めるのでしょうか。
600年の重みを感じさせる原品、600年前の一休さんが生きた時代を髣髴させてくれる複製品。どちらも尊いものですね。

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円通寺 -京都岩倉-

円通寺

借景の庭で有名な円通寺を訪れた。
台風の影響からか残暑厳しい日で、暑い暑いと言いながらも庭を見ると、なんとなく心が静まり落ち着く。
何度となく訪れているが、一日として同じ景色であった事は無い。
空だって、自分の上には必ずあって、見上げれば一度として同じ空模様なんてものは無いのであるが、その「当たり前」を普段は忘れがちである。
この寺を訪れると、変わらず過ぎていくように思いがちな一日一日を、いとおしく大切に思い、なんとなく「頑張らなきゃなぁ」と、パワーをいただくのである。

それにしても、この岩倉の辺りも、私の大学の恩師が学生時代に下宿していた頃とはだいぶ変わってしまったようだ。この日も寺の下の方で、宅地開発の為か、ガガガガッと工事の音。
「音」といえば、日本人は秋の訪れと大喜びする虫の音であるが、英語圏の国ではあの虫の音もノイズであるという。日本人が感じる-情緒-とは、なかなか世界には伝えにくいものであろうか。
情緒ある虫の音は大歓迎だが、ノイズはまっぴらだ。京都市が醜い都市にならぬよう、新たな建築の規制に期待するばかりである。

仙人草

扁桃腺の腫れに効く?と言われる仙人草。

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柳田聖山先生の生まれ、そして、眠る地

昨年11月8日、あの著名な禅宗史研究者である柳田聖山先生は逝かれた。
読者諸氏は、先生の生まれ故郷が滋賀県彦根市にある荒神山にある延寿寺という、臨済宗永源寺派の小さなお寺であることを御存知であろうか。


延寿寺



少し山を上がったところにある延寿寺

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先祖代々の墓

蓮

お盆にお墓参りに行ってきた。新しい霊園には「翔」「夢」など、思い思いの文字が書かれた墓石もかなり増えてきたが、実家の墓地は村の共同墓地で、「先祖代々之墓」「〇〇家之墓」などと彫られた角柱形のものが主流である。

これらの墓は、彫ってある文字が示すとおり家の墓であって個人の墓ではない。日本は「イエ社会」だといわれるから、このような形態の墓が伝統だと思うのが普通であろう。

しかし、貴族や武士ならともかく、庶民までイエ制度が普及するのはそんなに古いことではない。だから「先祖代々之墓」と刻まれた墓石も、そんなに古いものではないそうだ。

墓石を詳細に調査した研究によると、現在見つかっている最古の先祖代々墓は寛政四年(1792)のものだそうである。広く庶民にまで先祖代々墓が一般化するのは20世紀に入ってからとのことという。(岩田重則『「お墓」の誕生』岩波文庫)

それ以前の墓石はどうであったかというと、位牌のように個人あるいは夫婦の戒名を刻んだ個人墓が普通であったらしい。古くさかのぼったほうが「個人主義」とはおもしろい。

石塔一つからでも、いろいろなことを読み取ることができるものである。

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居士 -こじ-

居士とは

戒名に使用される「居士」という尊称。
本来は在家でありながら仏道に精進する男性を称する語でした。

仏教で使う居士の語は、サンスクリットの「グリハパティ」、すなわち「家の主人・家長」の訳語ですが、特にインドの四姓の中のヴァイシャ階級の資産家を呼ぶときに使用されたようです。ヴァイシャは商工業に従事し、仏教を信奉する富豪も多くいました。
『祖庭事苑』という禅籍には、居士と呼ばれるための四つの条件が挙げられています。

  およそ四徳を具するものを、すなわち居士と称す。
  一には仕宦(官)を求めず。……役人ではない
  二には寡欲にして徳を蘊(つ)む。……欲をもとめず功徳にはげむ
  三には財に居して大いに富む。……大金持ちである
  四には道を守ってみずから悟る。……仏道に精進する

居士になるのも並大抵のことではなかったようです。今となっては単なる理想像かもしれません。

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丹波篠山 邦楽コンサート

本堂

もう一ヶ月前の事になるが・・・7月8日、丹波篠山の山ふところ、とある山寺にて一日遅れのたなばたコンサートが開催された。
 
ふだん生の音楽演奏に触れる機会の少ない地域の人々に、本格的な邦楽の音色を聞いてもらいたいと、住職が企画したミニ演奏会だ。寺の住職は禅文化研究所の所員でもある。
 
箏の演奏は、世界中でさまざまな音楽とのセッションを試みておられる福原左和子先生。尺八は東福寺退耕庵住職の五十部泰至師。
 
六時半からの開演だが、お二人とも早くから来られてリハーサルに励まれる。リハーサルといえども少しの妥協も許さない厳しさがひしひしと伝わってくる。
 
開演は6時30分。外はまだ明るいが、地域の人々が三々五々集まってくる。本堂はほぼ人で埋まり、何人来るか気をもんでいた住職もホッと一息。
演目はメジャー曲から現代的なものまでバラエティーに富んでいた。「今の季節に『春の海』とは少し変ですが」との五十部氏のトークの後、誰もが知っている「春の海」から演奏は始まった。
 
箏のさやかな音色と尺八の幽玄な響きが夕闇せまる丹波の山里に広がってゆく。箏と尺八の絶妙なコラボレーション。最後のアンコールは箏でしんみりと「さくら」「たなばた」。
おじいちゃんおばあちゃん、ふだん元気な子供たちも静かに演奏に聞き入っていた。「すばらしい演奏だった。初めての経験。また聞きたい」と好評のうちにコンサートはお開きとなった。

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大徳寺の月釜

大徳寺_月釜

28日は千利休さんの月命日。 この季節、少しでかけるだけでも汗が吹き出るような暑さだが、今月(7月)は土曜日と重なった為、、このような暑さに釜を懸けるご亭主は、どのような工夫をなさるのだろうと、お勉強させていただく為でかけてみた。 月命日であるから、むろん各塔頭での茶会が始まる前に、本堂で読経がある。 夏なら8時ぐらい、それ以外の季節だと、9時前くらいに塔頭に伺うと見学可能。

今回は二席回らせていただいたが、心に残ったのは、「自分の心の中にあるわだかまり、不安、どろどろした気持ち」など、この時期の暑さのみならず、人間の汚れや何かを洗い流して下さるような、久田宗也宗匠のお軸、「瀧」の一字。宗匠のお人柄をそこに見るような字に感動。そして床に飾られた吊り花入に生けられた昼顔。茶席で心の洗濯です。
その他の御道具も、暑さを忘れさせるなんともすっきりとしたお席で、席中ではたらく社中の方もきびきびと気持ちよく、日頃のお稽古の様子が伺えるようであった。

また、もう一つのお席では、由緒あるお茶碗の中に、皆も陶印を確かめるのだが誰のお作かわからぬお茶碗が。
ご亭主の話によると、「五条坂で、なんやしらんいいお茶碗やなぁ思て、求めましてん」と。
私であれば、名のある陶工が作ったわけではない、この素敵なお茶碗に気付けただろうか・・・と。
何事においても、「気付く」というのは、なかなか出来ない事で、見習いたく思った次第。

茶道は堅苦しい、なんだか権威主義の社会に思える、お月謝がすごそう! など、色々と世間での噂が先に立って始められない方もいらっしゃるかと思う。
が、良き師匠に出会い、自分が自分の在り方をはっきりと決められるようになれば、その先には自由があり、発見があり、これほど広がりあり奥深い世界はない(と、私は思う)。
禅から茶に入る方、茶から禅に興味を持つ方、色々いらっしゃると思うが、せっかく興味を持ったならば、まずは「はじめの第一歩」なのである。

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つばめは益鳥か害鳥か?!

つばめの子勢ぞろい

一般には、つばめは害虫を駆除してくれる益鳥であると子供のころ学習し、大切にしてきた。
また、初夏と共に飛来し田植えの済んだ田園を低空飛行しているつばめは、美しい初夏の風物詩である。

その反面、今年の夏はここ天龍寺では燕害に悩んでいる。
玄関・大方丈にと、10箇所くらいの巣をかけ、子育てに余念が無い。
廊下はつばめの糞で真っ白になる。観察すると飛行中にも糞をするし、子供に餌を与える時もポトポトやっている。
毎日掃除をし、おっつかない廊下に新聞紙を敷いて置くのだが、焼け石に水である。
時折、敷いた新聞紙の記事に見入っていると大変なことになる。
拝観客は、「ま~カワイイ!」と言っているが、その頭にぽとり。雀のお宿よろしくつばめのお宿なのである。

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栞いろは歌「禅のことをもっと…」

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禅文化研究所は、「臨済宗・黄檗宗連合各派合議所(臨黄合議所)」の事務局も兼ねています。 例えば、浄土宗であれば、総本山知恩院といって、浄土宗をとりまとめる頂点ともいえる本山があるのをご存じですよね?

じつは、よくお尋ねになる方もおられますが、我が臨済宗・黄檗宗には総本山というものはありません。
臨済宗には大本山が14、黄檗宗には1つあり、あわせて15の本山があります。
しかしどこも同じ臨済禅の本山であり、修行僧(雲水)は別の本山の下にある道場においても修行することが認められていますし、各地方では、本山の異なるお寺同士でも密接におつき合いがあるということも少なくありません。
そこで、これらの本山の横の連携、つながりを持つ為に構成されているのがこの臨黄合議所なのです。

各本山についてはこちらから
臨済宗・黄檗宗本山
この、臨黄合議所の公式HPを、-臨黄ネット-といいます。いわば、臨済禅の公式サイトです。
禅宗寺院を訪れる皆様に、より広くこのサイトをお知りいただきたい、また、拝観した寺院にて、建物や庭の他に、より禅というものに触れていただきたいという思いから、各派本山と一部拝観寺院において、拝観された皆様に小さな栞をお配りしております。
この栞、一昨年の秋には「いろはにほへと ちりぬるを」の12種類であったものが、さらに「わかよたれそ つねならむ う」の12種類が加わり、全24種類となりました。
栞の裏には、それぞれの頭文字から始まる禅語とその説明が書かれています。
特に外国の方には珍しい写真が多いようで、わざわざこれが配られている事を目当てにお寺に訪れる方もいらっしゃるほどだそうです。
全て集めると、24種類の写真つきの禅語集のようになりますよ!
*この栞の写真は、写真家、水野克比古さん・水野歌夕さん・田口節さんらによるものです。

詳細についてはこちら。
栞いろは歌「禅のことをもっと…」

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北鎌倉 東慶寺

御地蔵さん

臨済宗円覚寺派、松岡山東慶寺を訪れてきました。

研究所発刊の季刊誌『禅文化』に、今年の10月秋号より4回に亘って、東慶寺の寺庭婦人さんのエッセイが連載される予定です。 そんなご縁もあって、寺庭婦人さんによるブログ「まつがおか日記」がある事を知りました。
その日記には、お寺の茶室で行なわれる月釜や、境内で咲く花の様子などが紹介されており、少なからず茶道に関心があり、茶花が大好きな私は、毎回の更新を楽しみに拝見し、この時期に訪れたくて仕方が無かったのです。
学生時代に、小林秀雄氏の墓を拝みに訪れたのは冬であったから、ブログを拝見していると、この季節はだいぶ境内の様子は違うようなのです。
そんな折、ちょうど鎌倉出張が! 
仕事に支障をきたさぬよう、早めに京都を出て向かうは北鎌倉東慶寺!
十時前には着いたものの、この時期の紫陽花やその他様々な花を観ようと、境内は既にすごい賑わいでした。

鎌倉の自然豊かな地に位置する東慶寺の土地は、山野草・茶花と言われる花々にはうってつけのようで、様々な花が元気よく咲いており、植木鉢で育てるのとはわけが違うその瑞々しさ、はかない小さな花であっても、その力強さに、一歩進むごとに立ち止まりつつなかなか先へ進めないほど。

東慶寺へ

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信長忌

425年前の天正10年(1582)6月2日、明智光秀の謀叛により、京都の本能寺で織田信長は自刃した。その直後、安土城は謎の出火により消失したという。築城してまだ3年が経ったばかりであった。
今はその城址を残すばかりで、天下の名城と呼ばれたその姿はない。


安土城址


さて、安土城築城と時を同じくして、信長は、城郭内に摠見寺(そうけんじ)という禅寺を建立した。今も臨済宗妙心寺派として残る寺院である。司馬遼太郎の著作を読むと、信長は腐敗した旧来の仏教や僧を嫌い、比叡山を焼き討ちした。また禅というものにも深く傾倒した様子もないので、少々不思議に思うところではある。
ともかく、信長の菩提寺として摠見寺は、近隣の社寺から多くの建物を移築して建てられたようだ。
但し、安政元年に消失したため、当時の堂宇は仁王門と三重塔が残るだけで、ほかは疎石を残すばかりである。現在の摠見寺の小さな本堂兼庫裡は、旧家康邸跡に立つ仮のものである。

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第3回 西村惠信所長と行く、“禅と文化”の旅

承天閣美術館

平成19年5月30日(水)、たくさんの方にご応募いただいた“禅と文化”の旅、第3回目を終えました。
くわしい行程はこちら

【承天閣美術館 若冲展-釈迦三尊像と動植綵絵-】

この日はあいにくの雨(実は禅と文化の旅、雨の日が多いのです。雨男・雨女はいずこ・・・)。
京都駅を出発し、連日多くの人で賑わっているという、相国寺承天閣美術館にて開催中の「足利義満600年忌記念 『若冲展』-釈迦三尊像と動植綵絵-」をまず拝観致しました。
釈迦三尊像と動植綵絵が120年ぶりの再会といわれていますが、なぜなのでしょうか。この展示のいきさつについては、承天閣美術館HPに詳しく書かれていますので、是非ご覧下さい。
青物問屋の息子であった若冲だからこそふんだんに用いる事のできた、当時高価であった「白」。
また、他の様々な色を使って精緻に描かれた数多くの動植物、そして正面に釈迦三尊像。筆舌につくしがたいものでした。
江戸時代を生きた若冲が、いのちとは何か、信仰とは何か、今の時代の我々にその尊さを問いかけていました。
短い会期の間に、日本全国からひと目これを観たいと集まる人々。みなさん、このような大作を相国寺に寄贈した若冲の心、思いを感じた事でしょう。

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柳生の里 -柳生家墓塔 芳徳寺-

柳生家の墓塔

柳生家菩提寺、芳徳寺にて、柳生一族が眠るお墓へお参り。

緑溢れる敷地を少し歩いて行った所に、歴代が眠っている。
何代も続けて、先祖代々の地に眠る・・・。現代では少なくなってきた事だろう。

墓前の地蔵柳生家歴代の墓

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柳生の里 -柳生家菩提寺 芳徳寺-

芳徳寺

兵法の 梶をとりても 世の海を
       渡りかねたる 石の舟かな

中学生か高校生の頃だったか、この柳生石舟斎の句を耳にし、なんとなく「かっこいいな」と思ったものの、特に柳生の里にまで足を向ける気にもならずに過ごしていたが、先日やっと訪れてみた。
ここ、芳徳寺は、石舟斎の菩提を弔う為、その子宗矩が創建した大徳寺派の禅寺。
開山は宗矩と親交のあった沢庵和尚。
歴史上の人物が当時の名僧と親交があったり、居士として禅の修行に励んでいたりする事はよくある事だが、特にこういった所を訪れても、何宗のお寺なのか、なぜその宗派の寺を菩提寺としているのか・・・などとはあまり関心が持たれぬ事も多い気がする。
観光地と化してしまった寺では、何宗の寺なのかを知りたくても、拝観チケットやパンフレットにも書かれていないなんてことも無きにしもあらず・・・。
その人物の背景や、寺の創建の由来などを知ってこそ、歴史への理解も深まり、旅もより一層味わい深いものになる。
是非、お寺を拝観される際は、お庭に心癒されるのももちろんだがその他の事にも少しづつ興味を持っていっていただきたい。

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寂室禅師生誕奉賛茶会 於:永源寺

借景の庭

去る5月13日、滋賀県は東近江市にある臨済宗の大本山、永源寺を訪れた。
毎年、開山様の誕生日に近い日曜日に献茶式が行われ、表千家・裏千家・遠州流・煎茶道泰山流のお席と、法堂で番茶席が設けられる。
今年は天候にも恵まれ、参会者は新緑鮮やかな中、それぞれ工夫こらされた茶席を楽しんだ。

永源寺のご開山、寂室元光禅師は、後光厳天皇からの再三にわたる京都天龍寺への出世を断り続け、弟子と共にこの山中にあったと聞く。
禅師はじめ、当時の修行僧も、新緑の季節にはこの美しい山々を愛でたのか・・・と感慨にひたりつつ、そのような有難い地で、様々な流派の人達が一堂に会し茶席が持たれる事に感謝しつつ、一席一席楽しませていただいた。

来年も、5月中旬の日曜日に予定されているそうだ。
是非、おでかけいただきたい。

永源寺山門

山門も緑におおわれ・・・

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大徳寺月釜

興臨院の緑

毎月28日は利休さんの月命日という事で、大徳寺聚光院では法要が行なわれ、大徳寺内の塔頭にて釜が懸けられる。
4月は聚光院が表千家担当で、総見院では茶筅供養、そして、玉林院・三玄院・興臨院・瑞峯院・大慈院の各塔頭にて、表千家の先生方が釜を懸けられた。
どこも1000円納めれば大寄せの茶会に参加でき、茶の湯を学ぶ者には良い勉強の機会となる。
何度も足を運ぶうちに、いかに先生のお茶に対する心、人柄が席中に反映されるのかがわかってくるのもおもしろい。
今回は、千家十職で釜を作る家、大西家の初代(浄林1590-1663)の吊り釜を拝見出来た。
五徳にはもう乗せられないというくらいの古さでも、このように茶会に使い、にこにこと笑いながら説明をして下さるご亭主の心に、五月の緑の美しさに、心癒される一日となった。

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『尊氏と天龍寺』展 於:天龍寺

天龍寺

嵐山天龍寺において、5月5日まで、『尊氏と天龍寺』展が開催中だ。
尊氏が描いたとされる「蘆葉の達磨」など、足利家と天龍寺の縁の深さを思わせる名品などが本堂内に展示されている。
曹源池の新緑も目に鮮やかなこの季節。
お出かけになられる方には是非ご覧いただきたい。

参拝者の方達

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奈良 円照寺

奈良 円照寺

後水尾天皇の第一皇女、文智内親王(梅宮さま)が開山の門跡寺院。
法華寺、中宮寺と並んで大和三門跡寺院の一つで、現在は臨済宗妙心寺派の寺院、本尊は如意輪観音である。

花の好きな後水尾天皇の影響を受けてか、開山の梅宮さまも、奈良の豊かな自然の中、野にある花を摘んでは生けておられたという。また、母、明鏡院の菩提を弔う為、添花会を催したとも伝えられる。
このような事から、「花は野にあるように」を流儀とする山村御流が興り、代々の住職が、山村御流の家元となられるのだ。

普段公開はされてないこのお寺。年に一度、4月の第一日曜(今年は第二でした)に、法要と免状授与式が行なわれる時に、山村御流の門下生が参詣する。

桜も満開を迎えた4月8日、今年はこのお目出度い日がお釈迦様の誕生日と重なり、修練に励んだ門下生が本堂にて免状を受け取る姿も晴れ晴れと、見ている者の心にも感動が湧き起こった。

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霊鑑寺の椿

衣笠

待ちわびていた霊鑑寺(臨済宗南禅寺派)の特別拝観。
鹿ヶ谷の傾斜を利用して造られた池泉観賞式庭園は、敷地を巧みに利用しており、尼門跡寺院の格式に相応しく、寺の境内としては広いとは言えない中にも、趣深く凛とした姿をみせている。
緑の海のような苔の中、椿を愛でつつ庭を歩いていると、徐々に拝観する者の心の汚れを流してくれるかのようだ。
さらにあまりに白く美しい椿、「衣笠」を見ていると、自分の中の醜い部分があらわになるようで、悔い改めねばと思わされる・・・。
「何色」とはいえない花の色の美しさに、人智をはるかに越えていると思わせる自然の力を見て取れた。

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浮御堂 海門山満月寺

浮御堂


琵琶湖に浮かぶ近江八景の一つ「堅田の落雁」として有名な浮御堂。
琵琶湖大橋から近い堅田の町にあるこの御堂は、実は臨済宗大徳寺派の海門山満月寺という禅寺であるのをご存じだろうか。
もとは約千年以上前の長徳年間に、比叡山の恵心僧都が、琵琶湖の湖上交通の安全と衆生済度を発願し、一千体の阿弥陀仏を刻んで、湖上に堂宇を建てたことに始まるという。

歴史を経て、現在の浮御堂は昭和12年に再建されたもので、内部には阿弥陀仏一千体が安置されている。西方極楽浄土におわす阿弥陀如来であるから、浮御堂正面は比叡の山を背にして、琵琶湖、つまり東に向かって建っているのである。
近年、夏期の琵琶湖の渇水に見舞われると、浮いていない浮御堂になってしまうが、今は湖水も豊富で、鴨やかいつぶりなど水鳥が水面に漂っていた。
境内には芭蕉をはじめ、いくつかの歌人の句碑がある。ほかにも一茶、広重、北斎等の詩歌や絵画も残されており、一休禅師や蓮如上人も立ち寄られた名所である。

浮御堂から見る穏やかな湖上

浮御堂 海門山満月寺の続きを読む

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霊鑑寺の椿

霊鑑寺


鹿ヶ谷にある南禅寺派の霊鑑寺は、ことに椿で有名な寺である。
1654年に、後水尾天皇が皇女多利宮(第一皇女梅宮は、奈良円照寺の開山)を開山とし創建された寺である為、その後も代々皇女が入寺されていた門跡寺院だ。
秋の紅葉、春の椿が美しい時期にのみ公開されるのだが、それがまもなくだということで、心待ちにしている。
後ろの山を借景し、鳥のさえずりが絶え間なく、現在も静寂の内にひっそりと佇んでいる。

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甲斐の国 塩山 向嶽寺

今年のNHKの大河ドラマは『風林火山』。そのご当地である甲斐の国にある、臨済宗の大本山向嶽寺に仕事で訪れた。
向嶽寺は山梨県甲州市(旧・塩山市)にあり、東京からだと新宿から中央線で1本でいけるのだが、京都からはなかなか交通の便が悪い。
名古屋から中央線で行く方法もあるのだが、時間的には、京都から新横浜まで新幹線で、新横浜からは在来線の横浜線で八王子まで行き、また中央線に乗り替えて特急で塩山へ。
時間としては、京都を出てから4時間、約600kmの旅である。このまえ行った韓国へ行く方が早いくらいだ。

塩山駅

塩山駅からは南アルプスや驚いたことに、富士山の頂上が山の合間に望むことができた。確かに地図で見ると、富士山の真北に位置するのだから、驚くことでもない。

甲斐の国 塩山 向嶽寺の続きを読む

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重要文化財『龍虎図』 -妙心寺-

龍虎図1

大本山妙心寺所蔵の、狩野山楽による-龍虎図-(重文)の高精細複製品が、(財)京都国際文化交流財団より、妙心寺に寄贈されました。
本物は、京都国立博物館に委託保存されており、お目にかかれる機会はそうはありません。
この複製については、曝涼(虫干し)展にて、秋に公開される予定です。
詳しく決まりましたら、またお知らせいたしますので、どうぞおでかけ下さい。
すごい迫力です!

写真は、妙心寺管長東海大光老大師と、京都国際文化交流財団の可児達志理事長です。

龍虎図に見入る、管長様

重要文化財 『龍虎図(高精細複製品)』

所蔵先:妙心寺
時代:江戸時代・17世紀
形状/材質:紙本金地著色
員数:六曲一双屏風
寸法:各隻 縦177.5cm×横356.5cm

監修:財団法人 禅文化研究所
製作寄贈:財団法人 京都国際文化交流財団
金箔加工:裕人礫翔(箔伝統工芸士)
技術協力:Canonキヤノン株式会社
※この作品はキヤノン株式会社の大判プリンター『imagePROGRAF』で出力し、金箔加工を施したものです。

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国宝『風神雷神図屏風』 -建仁寺-

風神雷神図屏風


京都・建仁寺にて、国宝『風神雷神図屏風』の、高精細複製品が展示公開されています。>2月末まで。
繊細なデジタル画像を大判プリンターにて出力した後、伝統工芸士の方が金箔を貼ったもので、忠実に再現されています。
本物は、京都国立博物館に委託保管されていますので、なかなか目にする機会はありません。
是非この機会にご参拝下さい。

国宝『風神雷神図屏風(高精細複製品)』

所蔵先:建仁寺
時代:江戸時代・17世紀
形状/材質:紙本金地著色
員数:二曲一双屏風
寸法:各隻 縦154.5cm×横169.8cm

監修:財団法人 禅文化研究所
製作寄贈:財団法人 京都国際文化交流財団
金箔加工:裕人礫翔(箔伝統工芸士)
技術協力:Canonキヤノン株式会社
※この作品はキヤノン株式会社の大判プリンター『imagePROGRAF』で出力し、金箔加工を施したものです。

寄贈式

12月26日、財団法人京都国際文化交流財団の可児達志理事長より、建仁寺執事長水谷信行師に寄贈目録の贈呈がありました。

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虹と紅葉の嵐山

曹源池から見た虹

久しぶりに京都西山に虹が出ました。
昨夜の雨が、霧雨状になって残ったものです。
11月~12月初旬、この山際では、天気が良くても午後3時ごろには急に時雨て来るのが常で、そのおかげで嵐山の紅葉は瑞々しくて美しいのです。
しかし、近年は温暖化の影響で、雨になればスコールのように降り、日本の気候は温帯から亜熱帯化して来ているのではないでしょうか。
そのような気候のせいか、水不足と高温で縮かんだもみじの葉は、どこか悲しげに見えました。
四季折々の美しさは、我々人間を癒してくれます。
ですから、人間は地球環境を大切にし、自然との共生を真剣に考えなければならぬと思います。

それでは、しばし写真にて、今年の嵐山・天龍寺の紅葉を楽しんで下さい・・・。

屋根まで真っ赤

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妙心寺山門

妙心寺


我が家は妙心寺のすぐそばにあり、開静(かいじょう)解定(かいちん)を知らせる板を敲く音が、僧堂から聞こえてくるほどである。
自宅で仕事をしているときなどは、この独特の拍子が耳にはいると、朝晩の慌ただしい時間の中でもホッと一息つくことができる。

先日朝の8時半ころ、いつものように、テクテク歩いて禅文化研究所へ向かう途中、丁度、妙心寺山門前あたりで、修学旅行の中学生ぐらいの子供たちが、数人ずつのグループでぞろぞろと向こうから歩いてくるのが目に入った。
「おは・よー・ござい・まーす」、すれちがいざまに、耳元に残る独特のイントネーションに少し気を取られながら、「おはよー」と返した。
目が合うと、小さな声やら大きな声やら、声変わり前の声やら……。道の反対側を歩いていたご老人が、嬉しそうに「どこから来たの?」と聞く声のあとから、笑い声とともに「アマクサー」と響いていた。
花園会館に宿泊していた彼らも、昨晩、境内に響く板の声を聞いたかしら。

※開静・・・起床
※解定・・・就寝

朝の妙心寺

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京都嵯峨野 霊亀山天龍寺

今年の紅葉は全国的に遅いようだが、このところの1週間で、京都の各地も、急に色づいた感じがする。嵯峨野に用があったので、沢山の人で賑わう嵐山の天龍寺を訪れた。
夢窓疎石を開山とする、いわずとしれた、臨済宗の大本山の一つである。

先日、松島瑞巌寺へ行ったときに、平日なのに沢山の人が観光に訪れていて驚いたが、天龍寺はそれどころではなく、朝10時には、広い駐車場も満車状態の賑わい。
先週土曜日の朝、ズームイン・サタデーで、この紅葉を生中継報道されたらしいから、それを見てきた人たちもこの中に何割かいるのかもしれない。

紅葉に染まる曹源池庭園

天龍寺の中には曹源池という池をめぐる回遊式庭園があり、内部の木々の紅葉だけでも美しいが、さらに紅葉した嵐山をも借景にして、壮大な美しさである。
時々、このブログにも寄稿してもらっている、上司であるT師は、この天龍寺の職にもつかれているので、お願いして茶室に入れてもらった。

天龍寺には祥雲閣という広間の茶室と、甘雨亭という小間の茶室があり、通常、一般には公開されていない。
読者諸氏に悪いので、許可を得て、この茶室から見える庭の風景を・・・。
まずは、祥雲閣から見た庭である。


天龍寺の茶室、祥雲閣から見た庭

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松島 青龍山瑞巌寺

松島の絶景

「♪松島の~ さよ~ 瑞巌寺ほどの~ 寺もな~いとえ~」と斎太郎節でも有名な、臨済宗妙心寺派の名刹、瑞巌寺を訪れた。 瑞巌寺宝物館への出張のためである。 大阪空港から飛行機で向かったが、天候がよかったので、機内から琵琶湖全体を見渡せ、また雪の帽子をかぶった日本アルプスも見えた。ほんの一時間で、仙台空港に着く。 安部総理ではないが、日本はまだまだ美しい国である。

国宝 瑞巌寺

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虎渓山永保寺

虎渓山永保寺

岐阜県多治見市にある、南禅寺派の修行道場、虎渓山永保寺を訪れた。
妙心寺派の某教区寺庭婦人研修会がここで開かれ、私は、ここに講師として呼んでいただいたためである。
ここは天龍寺開山でもある夢窓国師が開かれた名刹であるが、数年前、方丈や庫裡を消失した。
火事の際には、火は屋根裏をつたってあっというまに延焼したため、消防車がかけつけたときには、ほぼ焼け落ちてしまった後だったということである。
今、その再建工事の真っただ中である。


再建中の方丈

先にも書いたとおり、この寺は約700年前に夢窓国師が開かれた寺で、水月堂と呼ばれる観音堂は、夢窓国師が開かれた翌年に建てられたものである。その前に広がる廻遊式庭園は、これも夢窓国師の作庭であると伝えられている。


夢窓国師の作庭



橋の向こうに見えるのが観音堂(水月堂)


実は、私がここを訪れたのは初めてである。だが、私が5歳の時に亡くなった祖父が、この道場で長い間修行したと聞いている。
研修会の私の拙い話の前に、萬仭軒老大師の御法話を頂戴したのだが、その中で、昭和2年当時には、ここには100名を数えるほどの雲水がいたため、禅堂は非常に大きいのだと聞かされた。その中の一人が私の祖父であったのだと思い、きっとこの庭を見ながら夜坐をしたのであろうかと思うと、感慨一入であった。

研修会を行なった寺庭婦人会は、皆で延命十句観音経の写経を奉納し、永保寺の再建祈願をされた。
ただ心配なことに、この再建工事を行なっている中村建設が、9月に不渡り手形を発行し民事再生法を申請したということで、住職である萬仭軒老大師をはじめ、関係各位のご心労をお察しする。

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第2回 西村惠信所長と行く“禅と文化”の旅

去る11月11日(土)、恒例のバスツアーを催行致しました。
この秋は、混雑する京都を避け、滋賀への旅を企画。
禅や美術に触れる旅となりました。
当日の天気予報は雨・・・でしたが、さほど降られる事もなく、無事全行程を終えさせていただきました。

くわしい行程はこちら
前回の旅行はこちら

大池寺_蓬莱庭園

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大徳寺 月釜

聚光院


去る10月28日、大徳寺での月釜に訪れた。
28日といえば、利休居士の月命日にあたり、毎月釜が懸かるのだ。
聚光院のみ、三千家の菩提寺である為、順番に法要を営み、家元担当にて釜が懸けられる。
その他いくつかの塔頭では、だいたい表千家の先生方により、釜が懸けられる。

いくつかのお席をまわらせていただいたが、中でも一番心に残ったのが、大徳寺23世である、大心義統による手造り赤楽茶碗だ。形はやわらかく温かみがあり、ずっしりと重く、表面には天衣無縫で豪快な宝づくしの模様が・・・。人柄が伝わってくるようだ。
お床には、大心に参禅したといわれる、表千家六代覚々斎の軸で、「圓」の一文字。
なかなか見られない組み合わせだ。

大徳寺の月釜ならではの素晴らしい道具との出会いに、澄み渡る秋空のもと、有意義な一日を過ごせた。

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花札も真っ青!-天龍寺-

美しい萩の花_天龍寺

私の住む、嵐山天龍寺は、今萩が満開です。
百花苑には、白・ピンク・混合とそれはそれは美しく群生しています。
萩は一株では花が小さくあまり見映えが良くは無いかもしれませんが、大きい株がいくつもあるとそれはそれは見事です。
今年は、中秋の名月ごろが一番美しいとのことです。

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西村惠信所長といく -禅と文化の旅-

吾唯知足

恒例の、【禅文化研究所 日帰りバスツアー】のお知らせです。

紅葉で混み合う京都を避け、今回は滋賀(甲賀・信楽)を訪れます。
京都と同じく歴史深い近江の里で、美しい自然と美術に触れ、禅の寺にて
西村惠信先生のお話を拝聴し、共に学びましょう。
詳細は下記のとおり。

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大徳寺、電線を地中に。

所用で、大徳寺を訪れた。
何やら門のところに看板がかかっているので読んでみると、景観保護の為、電線を地中に埋める工事をはじめたとのこと。
素晴らしい試みだと思う。

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日中禅僧交流

出発前

8月29日、第5回日中禅僧交換交流のため、臨済宗・曹洞宗から6名の雲水たちが中国へと旅立った。一行は10日間にわたり厦門にある南普陀寺で中国僧と共に修行生活を行う。

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鎌倉日帰り行

今、禅文化研究所と臨黄合議所ですすめようとしている、禅芸術の文化財など宝物のデジタルアーカイブ化という大きなプロジェクトがある。
臨済宗や黄檗宗の各本山を中心に所蔵されている宝物等の写真と目録を整備するという、禅文化研究所にとっても、とてもやりがいのある大切な事業だ。
その説明に各本山をまわっている不肖であるが、28日金曜日には、鎌倉の建長寺に出向き、建長寺と円覚寺の両本山の御担当者に説明に伺ってきた。

北鎌倉の駅

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無價・無学

東福寺方丈_市松模様の庭

先日、仕事で東福寺を訪れた。
帰りに山内を少し案内していただき、とある扁額が気にかかり眺めていた。

  無價室

東福寺の歴代の管長様はこの室号と決まっているらしい。
ただ最近では、通常は違う室号をお使いとの事。
墨跡で、無價室という号が書かれているものに遭遇すれば、それは東福寺管長のものという事になる。

さて、それはさておき、「無」ということばについてだが・・・。
そのまま世間一般の意味でとると、無價(價は価の旧字)は「価値のない・・・」となる。
が、禅の世界では「無」となると、無限大、他に比ぶるもの無し・・・といった意味となる。
他に値するものの無いほどにすごい!>無價
「無学」ならば、もう学ぶものは無いと言ってもいいくらいの境地。また、もはや修行は必要ないほどの修行を達成した意味となる。お寺へ行って、「無学なもので・・・」とはナンセンスなのだ。気をつけたい。
(N.K Wrote)

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曹源池の出臍君

天龍寺の五位鷺

出版(天龍寺季刊誌『曹源』)の仕事で天龍寺に参上した時、天龍寺曹源池に住みついているという、五位鷺に遭遇しました。
この鷺は、観光地の鷺らしくポーズを取るのがうまいとのこと。鶴島の天辺で静止したり、日本最古の石橋の上で片足で立ったり、人が来ると必ずどこかからやって来て、いろいろとポーズを取り、観光客を持て成してくれるそうです。
天龍寺の和尚さん方が、「誰だ!世界文化遺産の庭園に置物を置いたのは!!!」と言ってしまうほどに長時間静止しているとのことです。
天龍寺では、出臍君と命名しているようです。
私が出かけた際には、上のようなポーズをとってくれ、写真が取れました!

(M.T wrote)

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西村惠信所長と行く、"禅と文化"の旅

禅文化研究所では、皆様にお寺や禅に触れていただきたいと、毎年ツアーを計画しております。
今回からそのツアーは、西村惠信所長と一緒に、禅や文化に触れ、皆さんでご一緒にお勉強致しましょう!
というツアーとなりました。
当日の天気予報は雨!にも関わらず、さほど降られる事もなく、無事全行程を終えました。
くわしい行程はこちら

関牧翁前天龍寺管長筆_達磨図

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