「河口慧海 仏教探究の旅」展開催
この9月に、堺市博物館で河口慧海(1866~1945)に関する展覧会が開催される
とのお知らせを頂きました。
黄檗僧の慧海はチベットに仏典を求めて一途に努力し、その出生地である堺市と
してその功績を顕彰する展覧会となるということです。
慧海に師事したひとは多く、妙心寺派管長・花園大学学長・禅文化研究所所長を
歴任した山田無文老大師もそのおひとりでありました。
この機に、慧海の足跡に接して頂ければ幸いです。
詳細は、こちらから。
この9月に、堺市博物館で河口慧海(1866~1945)に関する展覧会が開催される
とのお知らせを頂きました。
黄檗僧の慧海はチベットに仏典を求めて一途に努力し、その出生地である堺市と
してその功績を顕彰する展覧会となるということです。
慧海に師事したひとは多く、妙心寺派管長・花園大学学長・禅文化研究所所長を
歴任した山田無文老大師もそのおひとりでありました。
この機に、慧海の足跡に接して頂ければ幸いです。
詳細は、こちらから。
第151回花園大学創立記念特別企画として、佐々木閑特別教授と横田南嶺総長の記念対談を下記のとおり開催します。
日時:5月25日(木)
14時~15時(開場13時30分)
場所:花園大学 返照館100
定員:先着200名(※事前申し込み不要)
このたび、佐々木閑教授に本学第1号となる「特別教授」称号が付与されました。
「特別教授」とは、花園大学に在職している教授または特任教授のうち、専門分野において特に優れた業績を挙げ、先導的な役割を果たしている方で、国内外において極めて評価の高い研究を現に遂行し、その継続・発展が期待される方に付与される称号です。
※天候等の理由により中止となる場合がございます。その際は花園大学ホームページにてお知らせいたします。
協力:(公財)禅文化研究所
問い合わせ先:地域連携教育センター 【電話】 075-811-5181(大学代表)
花園大学歴史博物館にて「自性寺」展を開催いたします。
歴代住持に関する資料や、奥平家歴代肖像画、近世禅林墨蹟や近世絵画など実に多彩な自性寺(大分県中津市)の文化財を展観します。
これらの文化財を通じて、中津の地にて奥平家とともに歩んできた自性寺の歴史を紹介するとともに、同地に花開いた禅文化の魅力に迫ります。
●会期
2023年5月15日(月)~7月8日(土)
会期中、大幅な作品の展示替を行います。
前期:5月15日(月)~6月10日(土)
後期:6月12日(月)~7月8日(土)
●休館日
日曜日、祝日
※但し、大学行事により臨時休館する場合があります。
●開館時間
10:00~16:00(土曜日は14:00まで)
●会場
花園大学歴史博物館(無聖館4階)
●入館料
無料
●主催
花園大学歴史博物館
公益財団法人 禅文化研究所
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また、6月6日(火)には記念講演会も行ないます。貴重なお話が聴けることと存じます。
本講演会の入場は無料、事前申し込み制です(定員60名)。
■2023年6月6日(火)13:00~14:30 花園大学教堂ホール
「白隠禅師と堤洲和尚」
芳澤勝弘氏(花園大学国際禅学研究所顧問)
参加ご希望の方は禅文化研究所まで、
・氏名
・連絡先(日中、連絡が取れる電話番号)
・人数(本人含む)をお知らせください。
TEL:075-811-5189
FAX:075-811-1432
MAIL:info@zenbunka.or.jp
◆リーフレットはこちらからご覧下さい→ jishoji_A4.pdf
2023年5月8日(月)に、学士会館(東京都千代田区)にて、「一休フォーラム」が開催されます。
2023年4月に芳澤勝弘『一休宗純『狂雲集』再考』(春秋社)が刊行されることにちなみ、講演と研究報告が行われます。
いま、一休をめぐってどのようなことがみえるのか――みずからを「一段の風顛、はなはだ妖怪」(酬恩庵蔵「一休朱太刀像」一休自賛)と称した一休に再び取り組む場となればと念じております。
当研究所も共催しています。ぜひご参加いただければ幸いです。(予約制)
詳しくはこちらから。
現在、花園大学歴史博物館において、「見性宗般禅師100年遠諱記念・熊本地震復興祈念 見性寺」(~12月24日(土))展が開催中です。
禅文化研究所デジタルアーカイブス事業にて、花園大学歴史博物館との共同で、書跡・絵画資料の悉皆調査を実施しました。
本展では、見性宗般禅師百年遠諱を記念するとともに、熊本地震からのさらなる復興を祈念し、震災の被害を免れた見性寺の文化財を紹介します。
震災の被害を免れた見性寺の文化財。頂相や書、印や近代絵画など、さまざまな「禅」の文化財をご覧いただけます。
(画像は前期展示のもの)
詳しくは→こちらから。
本日、4月4日(月)より、花園大学歴史博物館において、「2022春季企画展『禪の書画 ―禅文化研究所蔵 高僧遺墨名品展―』」(~5月14日(土))展が開催されました。
本展は、当研究所の所蔵作品のうち、室町時代から現代に至る書画と典籍の優品を通して、禅の美をご紹介するものです。墨に彩られた精神文化と、そこに発露する「禅=こころ」をご堪能いただければと存じます。
なお、本展覧会は事前予約制(花園大学学生・教職員は事前予約不要)となっております。お越しの際は、事前に予約方法をご確認の上、ご来場いただきますようお願い申し上げます。詳しくはこちら。
花園大学歴史博物館で開催中の特別展「両足院―いま開かれる秘蔵資料―」記念講演会を実施いたしました(於妙心寺花園会館教化ホール)。
講師の片山真理子先生(花園大学歴史博物館研究員・ 東京藝術大学美術学部付属古美術研究施設非常勤講師)は、高麗美術館(京都市北区)で学芸員として15年間勤務された経験もお持ちの、朝鮮美術の専門家であられます。今回の講演会は間際に決まったもので、会場も花園大学より徒歩7分ほどの花園会館での開催でしたが、関心を持つ方々に足を運んでいただき、用意した席は埋まりました。
演題は「両足院の文物と対馬以酊庵輪番がもたらしたもの」。近年実施の両足院(建仁寺塔頭)の所蔵品の調査・整理をもとにお話いただき、そのなかでも朝鮮から伝来した文物の存在というものは、朝鮮修文職として対馬以酊庵に赴任したことと大きな関わりがあるもので、もちろん朝鮮通信使の来日との関わりは当然あると思われますが、また別の流れではないか、とのことでした。
江戸時代、対朝鮮外交においては対馬藩が徳川幕府より専任され、一手に取りまとめてきました。しかし、国書改竄の事実が明るみとなった柳川一件の後には、京都五山の碩学僧が約2年ごとに派遣されることになり、その後230年にわたって「以酊庵輪番制」として機能しました。両足院からも輪番した碩学僧が4名、中には2度、3度つとめた住持を輩出しており、京都に帰って来る際には、当地で得た土産を持ち帰ったということで、片山先生からは、両足院と以酊庵の歴史や現在展観中の朝鮮美術について、わかりやすく教えていただきました。
今回、花園大学歴史博物館で公開されているのは、蔵の修復工事にともなう寺宝の一時保管中に行われた、整理をともなう調査研究の成果です。未公開の優品のほか、光の当たりにくい作例にも目を向けた貴重な機会となっています。「書画ばかりでなく、蔵には貴重な古文書も存在しており、保護の意味で両者をともに博物館で預かることとなり、ともに調査する機会を得られた収穫は大きい」と片山先生。絵画と文献の一致についても例を挙げてご紹介くださいましたので、講演会にお越しいただけなかった皆さまも、ぜひレジュメをご覧ください。
展覧会は、前期は今月25日(土)まで。後期は2022年1月7日(金)からで、作品の展示替えは大幅に行われます。どうぞお楽しみください。なお、1月21日には、同院の典籍調査に深く関わってこられた赤尾栄慶先生(京都国立博物館名誉館員)の講演会も実施されます。詳しくはこちら。皆さまのご参加お待ち申し上げます。
禅文化研究所のWEBサイトでもすでにお知らせしておりますが、禅文化研究所のデジタルアーカイブズ事業で調査の成果(花園大学歴史博物館との共同調査)として、この春は建仁寺派の両足院に伝わる貴重な資料の展覧会を開催します。
会期は4月2日から6月13日、会場は花園大学歴史博物館、入場無料です。
両足院は龍山徳見を開山とする建仁寺塔頭で、江戸時代には、歴代住職の雲外東竺などが、五山の中でも学徳に優れた僧に与えられる「碩学」の称号を授与され、対馬の以酊庵に輪住して朝鮮外交に深く関与しました。
そういったことから、両足院に伝わる五山文学の資料は非常に価値のあるものも多く残っていますが、今までは限られた研究者が目にしてきただけで、一般の方はもちろん、研究者などが直接見てみたいと思ってもそれをかなえることはほぼ不可能でした。
そんな中、一昨年より、これらの書籍資料を含めた書画軸などの悉皆調査を委託され、禅研と花大歴博で共同して調査をしてきましたが、この度ようやくそれらの成果として展覧会を開催することができる運びとなりました。
また会期中には2回の特別講演会を開催します。上記の限られた研究者の一人で、もと京都国立博物館におられた赤尾栄慶氏と、近年、両足院蔵の朝鮮物の研究に取り組まれている片山真理子氏によるご講演です。あわせてご来場をお待ちしています。
それまでに新型コロナウイルス騒動がどうか収まっていることを祈っています。
また今後は、これらの資料の画像データをWEB上で閲覧できるように進めていくよう、両足院様とも調整しているところです。どうぞお楽しみに。
明日(2020/2/6)のことで恐縮ですが、表題の通りのシンポジウムについてのお知らせです。
花園大学教堂にて下記の通り、「千手観音への祈り:ナムカラタンノーの世界」と題した「禅宗法式シンポジウム」が開催されます。
昨年からはじまって第二回となる今回のシンポジウムでは、禅門では日常的に唱えられている『大悲呪』という経典について、臨済宗・曹洞宗の講師によって、その流伝と受容についての講演を拝聴できます。
また、日本の禅宗三派(曹洞宗・黄檗宗・臨済宗妙心寺派)ならびに中国・韓国諸師(花園大学留学生)のご協力のもと、各国各宗における『大悲呪』の解説・読誦をも聴いていただきます。
・日時 2020年2月6日(木) 14時40分~17時30分(14時10分 開場)
・会場 花園大学教堂
・講師(敬称略):野口善敬(臨済宗妙心寺派)/尾﨑正善(曹洞宗)
読誦:野口善敬(臨済宗妙心寺派)/尾﨑正善(曹洞宗)/村瀬正光(黄檗宗)
/中国の大悲呪(花園大学留学生諸師)/韓国の大悲呪(花園大学留学生諸師)
・共催:臨済宗妙心寺派教化センター/花園大学国際禅学研究所
・協力:曹洞宗総合研究センター/黄檗宗大本山萬福寺/禅文化研究所
・定員:120名
・会費:無料
・参加申込:参加をご希望の方は、国際禅学研究所へお申し込み下さい。
申込先:花園大学国際禅学研究所 電話:075(823)0585/Fax: 075 (279) 3641
禅文化研究所では、下記の書籍を発刊しております。
現在、花園大学歴史博物館で開催しております秋期企画展「東海の名刹 奧山方広寺」展ですが、去る11月23日土曜日には、花園大学教堂において、大本山方広寺派管長の安永祖堂老師に基調講演をいただきました。
ご存知の方も多かろうと思いますが、老師はこの花園大学で教鞭をとっておられたこともあり、ご来場の方の中には旧知の方もおられたようです。
聴衆も多く、教堂も満席になるほどの状態でしたが、「方広寺と無文元選禅師」と題した老師のご講演を、皆さん、熱心に聴いておられました。
ご講演では、方広寺のなりたちや、なかでも半僧坊のいわれや民間信仰について、歴史的な背景を見ながらご教示頂きました。また無文元選禅師が中国にわたって禅を学ばれたころのことなども解説頂き、興味深いお話をたくさん聴くことができました。
また今回の展覧会は、大本山方広寺、花園大学歴史博物館、公益財団法人禅文化研究所に加え、大蔵会も共催とさせていただいております。ちょうどこの講演会の日に大蔵会の法要もこの教堂でお勤めされたとのことでした。
安永祖堂老師の著書など(弊所発行)をご紹介しておきます。
本ブログでもすでにお知らせしましたとおり、さる11月4日より、花園大学歴史博物館において、「東海の名刹 方広寺」展がはじまっています。大本山方広寺の宝物が一度に展観されるのは、関西方面では初めてです。
さっそく、展示室には、興味を持っておいでになっている方々がちらほら。こんな感じですから、思う存分、ゆっくりと作品を鑑賞頂けると思います。小さな博物館ですから、ゆっくり観ても疲れるというほどのことはありません。正直、私は大きな博物館が苦手でもあります。
また、会場内では液晶ディスプレイに方広寺の伽藍や境内などを紹介する映像が流れています。じつはそこに出ている写真はすべて、先般の出陳品集荷の際に私が撮影してきた写真であることを、ここだけで明かしておきましょう。とてもきれいに晴れたいい日だったのです。会場でゆっくりご覧下さい。
こちらは第一展示室です。大きめの作品がかかっています。
また、会期中の11月23日(土・祝)13:00~14:30には、記念講演会として「方広寺と無文元選禅師」と題して安永祖堂老師(臨済宗方広寺派管長)による講演(花園大学教堂)があり、またその終了後に歴史博物館展示室にて、学芸員によるギャラリートークもありますから、是非ご来場下さい。
ところで、先日、滋賀県の佐川美術館で開催している「ZENGA 白隠と仙厓展」を観に行ってきました。
白隠さんや仙厓さんの有名な書画はもちろん、今回初公開される逸品もありました。また、同じテーマで描かれた図が比較として並べて展示されていたりして、楽しめました。
でも、なんで、同じテーマの作品なのに、作品タイトルの付け方を違えているのかがナゾ。「鍾馗」と「鍾馗図」とか。意図があるようには思えませんでしたので、単にノーチェックだったのでしょうか。(笑)
会場のミュージアムショップでは、弊所の書籍も何冊か販売されています。
お知らせがギリギリになってしまいましたが、来たる2019年11月4日~12月14日まで、花園大学歴史博物館にて、2019秋季企画展「東海の名刹 奧山方広寺」展を、大本山方広寺、花園大学歴史博物館、大蔵会、禅文化研究所の共催で開催いたします。
今回は、後醍醐天皇の皇子であった無文元選禅師(円明大師・聖鑑国師、1323~90)が開山とし、井伊家一族の奥山六郎次郎朝藤によって開創された、静岡県浜松市の臨済宗方広寺派の大本山深奧山方広寺で所蔵される宝物・什物を展観します。
禅文化研究所のデジタルアーカイブズ事業で、花園大学歴史博物館との共同悉皆調査によって得られた成果の発表の機会です。
無文元選禅師の関連資料をはじめとする寺史資料はもとより、黄檗僧との交流を伝える遺墨群や、江戸期から近代における絵画の優品、さらには方広寺の宗風を慕う人々より寄進された書画を通じ、方広寺の歴史を紹介するとともに、同地に華開いた禅文化の魅力に迫ります。
秋の好時節、京都へお越しの際には、是非、この展覧会にお運びいただければ幸いです。
また会期中に下記の通り、方広寺派管長・安永祖堂老師による公開講演会も実施します。それにあわせてご来場もお待ちしております。
■2019年11月23日(土) 13:00~14:30
「方広寺と無文元選禅師」安永祖堂老師(大本山方広寺派管長・元花園大学教授)
4月2日から花園大学歴史博物館で開催してきました、「大用国師200年遠諱記念 誠拙周樗-鎌倉禅中興の祖-」展(共催:大本山円覚寺・花園大学歴史博物館・公益財団法人禅文化研究所)も残すところ2週間弱となってきました。
現在は、長いGWがあけてから後期展示に変更して展観しております。
非常に多くの遺墨点数を残されている誠拙周樗禅師ですが、やはりこれほど一挙に集めた展覧会は、そうそう機会があるものではありません。非常に品格のある作品の数々です。
円覚寺に残る史料的にも貴重なものも多く、芳名帳を見ると、鎌倉からお越し頂いている方もたくさん見受けられます。
樽のように見えているのは風呂釜。現在の電気ポットのようなものです。
会期は6月15日まで。どうぞお早めにお越し下さい。
なお、展覧会図録は花園大学歴史博物館にて販売しており、またさらに大部の『大用国師遺墨集』は禅文化研究所にて頒布販売させていただいています。
現在、花園大学歴史博物館で開催中の2019春季企画展 「大用国師200年遠諱記念 誠拙周樗 -鎌倉禅中興の祖-」を記念して、ちょうど後期展示の始まった去る2019年5月13日午後1時より、横田南嶺老師(臨済宗円覚寺派管長・花園大学総長)の講演会を開催いたしました。
誠拙周樗といえば、円覚寺中興の祖であり天龍寺や相国寺の僧堂をも開単された傑僧であられますが、同じく本年遠諱を迎えられた釈宗演老師のように一般に知られた方かといえば、そうではありません。横田老師も「関西で大々的に名前が出るのはこの展覧会が初めてではないか」とお考えになられたそうで、今回は禅師のことを初めて知る方のご聴講を前提に、ご生涯や思想などさまざまお話しいただきました。
誠拙禅師は古月禅材の法系にあられますが、老師によると「古月下の特徴として、書の良さが挙げられる」のだそうです。作品をスクリーンに映しつつのご説明でしたので、会場の皆さまも目で納得しながらお話を楽しまれていたご様子でした。
とくにその嗣法の師である月船禅慧のことも採り上げられ、誠拙禅師の詩文の格調の高さは大いに月船の影響を得たであろうことや、月船禅師の詩偈集である『武渓集』に誠拙禅師が自ら綿密な書入れを施された本が、今も円覚寺に遺っており、それをもとにこのたび禅文化研究所から『武渓集訳註』を刊行されたこともご紹介いただきました。
誠拙周樗自画賛 蘭竹図(円覚僧堂蔵)
最後に、蘭と竹を描いた一対の書が「特に禅師の禅風をよく表わしているように思う」と横田老師はおっしゃいます。白隠禅との対比で語られることが多い古月禅ですが、書画においても特徴が現われるのでしょうか、或る美術の専門家は、その空間(余白)の美しさを絶賛されたそうです。
また横田老師は、「作品を見比べることによっても近世の禅の出処がわかるのではないか」とも話されていました。白隠の書画をご覧になったことのある方はたくさんいらっしゃることと思いますが、ぜひこの機会に誠拙禅師の作品にも触れて、大用国師・誠拙周樗禅師の禅風を感じでいただければ。該当の作品も現在展示中です。
以前よりお知らせしておりましたとおり、昨日、2019年4月2日より、花園大学歴史博物館におきまして、2019春季企画展 「大用国師200年遠諱記念 誠拙周樗」展の展観が始まりました。
花園大学の入学式に合せての展観開始ですので、来賓はじめ、父兄の方々も多々ご来場になっていました。
いつもと同じく、第1、第2の両展示室を使用して展観を行なっております。前期後期で総入れ替えとなりますので、いずれの会期にもご来場頂ければ幸いに存じます。
それにしても、昨日は寒い朝でした。自坊のあたりは、田畑が雪でうっすら白くなりました。
以前、誠拙周樗禅師の200年遠諱がこの4月にあり、それにむけて遺墨集を作成中であるとこのブログ禅で書きました。
そしてまた、その遠諱のある頃、来たる4月2日より6月15日に、花園大学歴史博物館にて、2019春季企画展「大用国師200年遠諱記念 誠拙周樗-鎌倉禅中興の祖-」展を、大本山円覚寺、花園大学歴史博物館、禅文化研究所の主催で開催いたします。
当時、衰退していた鎌倉禅を使命をうけて再興された誠拙周樗禅師。円覚僧堂の開単にはじまり、鎌倉ばかりではなく、八王子の廣園僧堂(南禅寺派)、京都の相国僧堂(相国寺派)と天龍僧堂(天龍寺派)の僧堂開単もされた、今風にいうと凄腕の禅僧です。
残された遺墨は数多く、私達が実際に調査したものだけでも180点。所蔵を確認できているものは440点以上にのぼります。これはほとんどが寺院ですので、一般の方でご所蔵のものもかなり多くあろうかと思います。
ともかくも、調査した180点の中から、鎌倉を中心とした関東、京都、愛媛から、厳選した80点を出陳いただき、前期後期の2回にわけて展観します。
是非、この展覧会にもお運びいただければ幸いです。
会期中に下記の通り、2度の公開講演会も実施します。それにあわせてご来場もお待ちしております。
本ブログで紹介させて頂きましたとおり、去る12月15日より展観が始まりました名古屋市博物館の月僊展をさっそく観に行ってきました。
初日ということで多くの人が来られているかもと思いましたが、比較的ゆっくりと多くの絵を楽しむことができました。先にブログで書いたようにデジタルアーカイブズ事業で調査で何作かを目にしたことがあり、大仙寺と圓福寺の所蔵品を紹介しましたが、それらはおそらく月僊の作品の中でも後期にあたるようです。
というのも前期に描かれたものは、色も濃いめでありどちらかというと愛嬌のある筆致で描かれていたようで、後期になると、それらがあっさりとした色使いに変わっていったようです。この展覧会では、多くの作品が展観されていまして、それぞれ描かれた時代が分かる限り記されていますので、その違いが歴然としています。
涅槃図も三点ありましたが、よく目にする涅槃図とは筆致がことなりますが、それでもやはりそれぞれの人物や動物が鮮明に描かれていて興味深く思いました。
誠拙周樗が賛を書いている、影響を受けた円山応挙筆の布袋図(名古屋市博物館蔵)も展示されておりじっくりと眺めてきました。もちろん図録も買い求めてきました。
皆さんも、どうぞ機会があればお運び下さい。
今、手許で仕事している円覚寺の誠拙周樗禅師の墨蹟の整理をしているなかで、円山応挙の布袋図に誠拙周樗が賛をしているものがあり、それが名古屋市博物館所蔵なので、館のホームページを見ようとしてたまたま見つけたのが、この特別展「画僧 月僊」です。
デジタルアーカイブスの調査で禅寺を悉皆調査しているときに、時々、でくわすのが「月僊」筆のすばらしい着色墨画。
月僊(げっせん、1741-1809)は名古屋生まれの江戸時代の淨土宗の僧侶。江戸の増上寺で出家した後、桜井雪館(さくらいせっかん、1715-90)に絵を学び、あの円山応挙の影響を強く受けたと云われます。伊勢山田の寂照寺の住職になってからは、描いた絵を売って寺の復興に努めたと聞きます。なんか、二足鞋を履いて寺を維持している我々のようで嬉しくなります。したがって沢山の絵が出回っているのですが、主に京都や伊勢周辺に多いと思われます。
そういえば、デジタルアーカイブズ事業で調査をした、岐阜八百津の大仙寺様に「酔仙図」がありましたし、八幡の圓福寺にも海門禪恪賛の「遭痛棒図」がありました。
酔仙図(大仙寺蔵)
遭痛棒図(圓福寺蔵)
いずれも繊細なタッチで描かれた絵画でした。
というわけで、もっと観てみたい衝動に駆られ、今週末早速に名古屋まで足を伸ばして展覧会を観に行ってくることにします。皆さんも如何でしょうか。
会期は平成30(2018)年12月15日(土)~平成31(2019)年1月27日(日)となっています。詳しくは特別展「画僧月僊(げっせん)」のWEBサイトをご覧下さい。
現在、花園大学歴史博物館では、「明治の禅僧 釈宗演」展の後期展を開催しています。
主会場である第2展示室では、円覚寺や東慶寺所蔵の、釈宗演老師の頂相や墨蹟を展示。
また第1展示室では、禅師の師匠に当たる方々やゆかりの禅僧の書画、そしてまた、禅師から若狭のゆかりの方々への自筆絵はがきの数々、写真や書籍なども展観しております。
後期展は12月8日まで。もうあと20日ほどとなりました。是非、釈宗演老師の遺墨が集まっているこの貴重な機会に是非、花園大学歴史博物館までお運び下さい。
2018年秋企画展「100年遠諱記念 明治の禅僧 釈宗演」開催を記念し、昨日2018年11月8日(木)午後1時より、花園大学教堂にて西村惠信先生(花園大学名誉教授・禅文化研究所前所長)による講演会「宗演老師と海外巡錫」を開催いたしました。
ご自身と釈宗演老師を郢ォぐ不思議な縁から始まり、ご自身も若くして1年間渡米した時の話を交えながら話はすすみ、釈宗演老師が居られた明治期には、廃仏毀釈や、キリスト教の波が押し寄せていた日本において、若くして見性したものの、仏教の退廃に嫌気がさして還俗まで考えていたといわれます。しかし、慶應大学で薫陶を受けた福沢諭吉のすすめもありセイロンに留学してパーリー語と上座仏教を学び、帰国してから32歳にして円覚寺派の管長となられた宗演老師は、万国宗教大会に日本の仏教代表として演説されました。しかし、日本の各派からは万国宗教会議などはキリスト教が喧伝されるに過ぎないから行く必要なしとされ、宗演老師をはじめとする日本の仏教各派の僧侶たちは自費で渡ったとのこと。
今は絶版品切れとなってしまっていますが井上禅定著『釈宗演伝 -禅とZENを伝えた明治の高僧-』(禅文化研究所刊)を参考にしながら90分間、しっかりとお話をいただきました。
なお、季刊『禅文化』250号には、今回のご講演と同じ題名のご寄稿が掲載されています。
また他に釈宗演老師の行履を記したものには、『明治の禅匠』や『近世若州僧宝伝』がございます。いずれも禅文化研究所で発売しておりますので、この機会に如何でしょうか。
2018年秋企画展「100年遠諱記念 明治の禅僧 釈宗演」開催を記念し、去る2018年10月16日(火)午後2時より、花園大学教堂にて横田南嶺老師(円覚寺派管長・花園大学総長)による講演会を実施いたしました。
講演タイトルは「釈宗演老師を思う」。宗演老師の生い立ちから遷化まで61年間にわたる激動のご生涯を、日記や書翰などの資料を用いつつお話いただく90分の講演。横田老師は「私も宗演老師に直接お目にかかった世代ではありません」とおっしゃるのですが、宗演老師と老師をとりまく人々のお気持ちを代弁されるかの解説に、ご参集くださった130名の皆さまも聴き入っておられました。
なかでも、セイロン出立の際、師である今北洪川老師が『羅云忍辱経』を写して宗演老師に贈られたというエピソードには胸が詰まりました。『羅云忍辱経』とは、シャカが実子であるラゴラに忍辱(忍耐)の心を伝えるべく説いたものだそうです。異国の地へ愛弟子を送り出す師の深い愛情が伝わってきます(実物は現在展示中ですので是非!)。
この他さまざまな逸話をご紹介いただきましたが“とっておきだな”と感じたのは、老師に最後までお仕えになった釈大眉老師が「先師にこの言葉あり」と選ばれた、宗演老師の口癖「もったいない」です。とかく革新的な部分がクローズアップされがちな宗演老師ですが、これについて横田老師は「枯淡なる禅僧の姿に、釈宗演老師の真骨頂を見る思いです」としめくくられ、盛大な拍手をもって講演会は終了となりました。
なお、老師のご講演をYoutubeにアップしてありますので、ご覧下さい。
最後に、今回の展覧会について花園大学歴史博物館研究員の志水一行先生に見どころを伺ったところ、「故郷若狭に遺る遺墨を、多数展観している点が本展覧会の大きな特徴。若狭方面からもたくさんの方にご来館いただいています」とのこと。また「釈宗演老師が学長を務められた、臨済宗大学(現花園大学)にまつわる貴重な資料の数々もぜひご覧いただければと思います」。
この機会に皆さまどうぞお運びくださいませ。
※次回の記念講演会は2018年11月8日(木)午後1:00~2:30、「宗演老師と海外巡錫」と題して西村 惠信先生(花園大学名誉教授・禅文化研究所前所長)にご講演いただきます。
今年秋には明治時代に活躍され著名な禅僧の一人である釈宗演老師の100年遠諱が、鎌倉の大本山円覚寺で勤修されます。それに先立ち、大本山円覚寺・花園大学歴史博物館・禅文化研究所の共催で、花園大学歴史博物館におきまして、2018年秋企画展として「100 年遠諱記念 明治の禅僧 釈宗演」を開催いたします。
禅文化研究所としましても、ほかに釈宗演老師の出身地である若狭の地でも行なわれる遠諱法要にあわせて、相国寺派第四教区で自費出版される『近世若州僧宝伝』の編集をさせていただき、釈宗演老師以外にも若狭から出られた近世の傑僧の伝記などをまとめさせていただきました。
また、同じく大本山円覚寺において来年4月に勤修される誠拙周樗禅師の遠諱事業として、禅師の遺墨集の制作を承っており、現在、そちらも編集中であるということもあり、このところ、円覚寺関係の仕事をたくさんさせていただいています。
さて、話を戻しますが、「100 年遠諱記念 明治の禅僧 釈宗演」の会期中に、二度の講演会も予定しております。詳しくはこちらをご覧下さい。どちらも入場無料で、お申込も不要です。
展覧会は前期後記で展示替えもあり、それぞれの期間中に一度ずつの講演会ということになるので、それにあわせてご来場になるのもオススメです。
どうぞ、花園大学歴史博物館までお運び下さい。
すでにご案内の通り、4月3日より花園大学歴史博物館にて「圓福寺 ―京都八幡達磨堂 寺宝展」を開催しております。
先般4月5日は、花園大学内にて臨黄ネットの運営委員会全体会議がありましたので、その後、委員の皆様に展覧会にお運び頂き、熱心にご覧頂きました。
GWの5月5日までが前期展示となっており、1日おいて5月7日からが後期展示としてすべて入れ替えとなります。
どうぞ皆さんも、是非、花園大学歴史博物館までお運び下さい。入場無料です。
一昨日のブログ禅で書きましたとおり、まもなく「圓福寺展」が開催されます。そのために、昨日、圓福僧堂まで、花園大学歴史博物館のスタッフとともに、作品の集荷に行って参りました。
老師から指示を出され、雲水さん達がすべての作品を出してきていただきました。
今回借用するのは81点となります。借用作品を一点一点確かめてから梱包作業に入りますので、朝9時半から始めても夕方までかかります。
一点ずつ出しては、調書に、折れや虫食いがないかや付属品などを記していき、終われば巻き上げて、日通の美術輸送の専門スタッフが丁寧に梱包していきます。そうしてそれを大きな段ボールに再梱包して運び出すということになります。
調査の度にいつも楽しみにしていた、雲水さんが作って下さる昼食。今回は、僧堂らしく釜揚げうどんでした。しかし、十何回も寄せていただきましたが、一度として同じものは出されませんでした。昼食はいつもスタッフ一同、大感激でしたが、これで最後です。
調査を学芸員たちにお任せして、私は展覧会の際にパネルで展示する僧堂の伽藍などを撮影に廻りました。
まずはいつも調査で使わせていただいていた、有栖川宮の御殿の外観から。
そして、こちらはその内部の見事な格天井です。
そして、歴代塔にもお参りしてきました。こちらは開創の斯経慧梁禅師の塔所です。
写真を撮り廻っていると、日供合米から戻ってこられた雲水さんが、順次、方丈前で大きな声で開甘露門を唱えながら帰ってこられました。大声を張り上げて読経する様子が、まるで『雲水日記』の中の絵のようで面白かった(失礼)ので、こっそりパチリ。
夕方5時半、すべての借用作品を積み込んで、圓福寺を後にしました。
当研究所が花園大学歴史博物館と共同で行なっておりますデジタルアーカイブス事業として、2016年11月26日~2017年12月20日までの足掛け15日間にわたり、圓福寺寺宝の調査を行なって参りました。
このたびその成果発表として、2018年4月3日より、花園大学歴史博物館に於いて、「2018春 圓福寺 ―京都八幡達磨堂 寺宝展」を開催できる運びとなりました。詳しくはこちらをご覧下さい。
圓福寺歴代住持遺墨など寺史関係資料のほか、宗般玄芳老師が帰依をうけた有栖川宮家ゆかりの品々なども展観し、圓福寺の歴史、宗風を概観します。また圓福寺の歴史のなかで育まれた中世から近代にいたる美術作品の優品をご紹介します。
どうぞ、皆様のご来場をお待ちしております。
昨年12月11日から2月3日まで、花園大学歴史博物館で開催していた企画展「蘇山玄喬 ―禅画と墨蹟
徳源寺・円福寺・見性寺所蔵品」も終了し、多くの方にご来場頂きありがとうございました。
先般、この展覧会のためにお借りしていた作品を返却するために、名古屋の徳源寺にお邪魔しました。
借用の際にチェックした調書にもとづき、それ以外に破損などがないかをチェックし、元通りの形でお返しすることが目的です。
お邪魔したのは花園大学歴史博物館館長の福島恒徳先生と研究員2名、そして私。日本通運の美術輸送の方2名です。
調査から、借用、そして展覧会での展示、返却。その間に図録の作成もあり、何度も目にした作品群。これでしばらくお目に掛ることもなくなりますが、深く記憶に残るものばかりです。さて、息をつくまもなく、4月からは「円福寺展」(仮称)を開催します。お楽しみに。
2月13日・14日、臨済宗黄檗宗の僧侶を対象にした第13回臨黄教化研究会が花園大学教堂で行なわれました。主催は臨黄合議所です。
今回のテーマは「以語伝心」(造語です)、相手の心に伝わる法話作りを学ぶことが目的です。
1日目は2人の講師のお話を拝聴しました。
村上信夫氏(元NHKエグゼクティブアナウンサー)には、「伝える」と「伝わる」の違いについて、言葉のプロらしく、わかりやすくお話しいただきました。「間」の取り方の重要性、そして聴くことの大切さも再認識させられる内容でした。
中西東峰師(妙心寺派小山寺住職)には、法話の作り方について、長年の布教活動で培われた経験に基づきお話しいただきました。
講演1「伝えると伝わる」と題した元NHKアナウンサー・村上信夫氏
講演後、参加者は6つの班に分かれて、それぞれの班で一人1話の法話を披露してゆきました。法話後、主監による講評と他の班員による互評を受けるという内容でしたが、採点法式ではなかったため、アドバイス的な指摘が多いように見受けられました。
2日目の午後からは、各班から推薦された代表6名が全員の前で法話を行ないました。各人が自分の持ち味を出し、伝わる法話をしていただいたと思います。
2日間ではありましたが、この経験が各寺院での布教活動に少しでもプラスになることを願っています。
参加者の発表法話
最後に講評をされた妙心寺派高等布教師・中西東峰師。
村上信夫さんがブログで講演のことを触れられています。
※二日目の参加者代表による法話発表は、後日、YouTubeにて公開予定です。
昨日(2018.1.18)、花園大学歴史博物館で開催しております「蘇山玄喬展」の公開講演会として、花園大学国際禅学研究所研究員の瀧瀬尚純氏による「蘇山玄喬禅師-その人と行履-」と題したご講演をいただきました。師は日本近世臨済宗についての研究をされています。季刊『禅文化』245号には、「白隠慧鶴と愚堂東寔」と題した一文を寄稿頂いております。
聴衆は約30名でしたが、プロジェクターと詳細なレジュメを用いた講演に聴き入っておられました。
さて、白隠禅師と比べると遥かに知られていない禅僧ではありますが、九州で生まれ、熊本の見性寺住職を務めた後、京都府八幡市の円福僧堂で雲衲を接化し、名古屋市の徳源僧堂の禅堂開単もされた方で、後の臨済宗門に大きな影響を与えました。
実は50年前の季刊『禅文化』46号(昭和42年9月) にて、禅師の100年遠諱を記念して蘇山禅師の特集が組まれています。その時の特集記事は、
蘇山和尚を憶う/松山萬密(当時:徳源僧堂師家)
蘇山和尚と見性寺/西片義保(当時:見性寺住職)
蘇山玄喬の生涯/加藤正俊(当時:禅文化研究所資料室主任)
といったもので、執筆者の方々はもう皆さん鬼籍に入られていますが、今、読み返しても充分な内容です。
このたびの遠諱に合わせて、徳源寺から発刊されました『妙用禅師遺徳集』を、禅文化研究所はデジタルアーカイブス事業を通じて制作させて頂きました。見性寺、多福寺、円福寺、徳源寺に所蔵される書画をすべて掲載しております。
博物館の展覧会も2月3日まで開催しております。是非ご来場をお待ちしています。
見性寺山作務図
蘇山玄喬自画賛(京都円福寺蔵・後期展)
ただいま、花園大学歴史博物館では、「2017冬企画展「蘇山玄喬 ―禅画と墨蹟」展」(主催・禅文化研究所・花園大学歴史博物館)を開催しています。ちょうど、本日より、後期展示となりましたので、前期展とは展示替えも多いため、前期展にお越しいただいた方も、どうぞ後期展へもご来場下さい。
また、来たる、2018年1月18日(木)13:00~14:30には、花園大学教堂にて、本展覧会の基調講演会として、「蘇山玄喬禅師-その人と行履-」と題して瀧瀬尚純氏(花園大学国際禅学研究所研究員)にご講演をお願いしております。
入場は無料で、先着150名様となっております。
また講演会後に展覧会場にお越し頂くと、学芸員によるギャラリートークを行ないます。江戸時代後期の禅僧、蘇山玄喬禅師の禅画、墨蹟をどうぞお楽しみ下さい。
寒い中ではございますが、どうぞご来場をお待ちしております。
1月1日(月)より2月12日(月・祝)まで九州国立博物館で特別展示「白隠さんと仙厓さん」が開催中です。臨黄合議所が主催する臨済禅師・白隠禅師遠諱事業の最終となるものです。
公開に先立ち12月27日に行なわれた、白隠禅師像の遷座法要に行ってきました。この白隠像は沼津市原の松蔭寺から特別出品されたもので、九州では初公開となります。
法要は聖福寺の細川白峰老師の導師で営まれ、崇福寺、承天寺、松蔭寺の各老師方や関係寺院の方々が随喜されました。
白隠像を目の当たりにし、一連の行事もこれで最後かと思うと、準備期間を含め7年間遠諱事業に携わった一員として感慨深いものがありました。
特別展示の会場は博物館4階の文化交流展示室となります。お近くにお越しの際には、ぜひお立ち寄りください。
すでにお知らせしたとおり、平成29年12月11日より、花園大学歴史博物館にて企画展「蘇山玄喬 ―禅画と墨蹟」展が始まっています。
初日、一番にご来場頂いたのは、大乗僧堂の老師と隠侍さんだったようです。興味深くご覧頂けたようで幸いでした。ちょうど妙心寺の開山無相大師毎歳忌があるので、都合がよかったようです。
書画だけでなく、蘇山禅師の愛用された数珠や印なども出陳されています。
下記に弊所所長からの展覧会開催についてのご挨拶を転載いたします。
ごあいさつ
今回蘇山玄喬禅師百五十年遠諱を記念して、禅文化研究所が花園大学歴史博物館と共同で禅師遺墨の企画展を開催することになりました。ご縁の深い徳源寺、円福寺、見性寺に所蔵されている禅師の遺墨を集めて、平成29年12月11日より30年2月3日の期間、開催いたします。
江戸後期の禅僧、蘇山玄喬禅師は熊本にお生まれになり、尾張総見寺に居られた卓洲胡僊の所で十八年修行され、嗣法されました。永源寺派は同じ卓洲派でも蘇山禅師の兄弟子に当る春応禅悦禅師の系統ですが、蘇山禅師が卓洲派の偉大なる祖師で有ることには変りません。蘇山禅師の字は癖字の強い禅僧の間に在って、力強い正統派の書体であって、書道のあまり得意でない小衲には嬉しい限りです。また蘇山禅師は多くの禅画を描いています。布袋の画を沢山画いていますが、就中「指月布袋」には面白い物が多い樣に思えます。祖師方の画も多く、特に「慈明引錘図」は優れたものです。これを好い機会に存分に味わって頂けたら禅文化の本望であります。
永源寺派管長・禅文化研究所所長 道前慈明
入館料無料です。みなさまのご来場をお待ちしております。
本日、平成29年12月11日から花園大学歴史博物館で開催しています「蘇山玄喬 -禅画と墨蹟」展にあわせて、本展に出陳していない禅文化研究所所蔵の蘇山禅師の禅画を紹介します。
先般ご紹介したのは「文殊菩薩像」でしたが、今回ご紹介するのは、
蘇山玄喬自画賛「蛤蜊観音図」(紙本墨画/129.4cm×41.9cm)
です。まずは図版をみていただきましょう。
白隠禅師の禅画によく観る蛤観音図ですが、今回の展覧会には水月観音図はありますが、蛤観音図はありません。賛文は下記の通りです。
(「擔水売河頭」白文長方印)
應以蛤身可得度者、即現
蛤身而爲説法。
前華園蘇山書(「玄喬沙門」白文方印)(「蘇山」朱文方印)
「観音経普門品」の一節を「蛤に変えて」もじったものです。款記が「前華園蘇山書」とあることから、おそらく見性寺住持の最後の頃から円福寺に住山したころではないかと思われます。
関防印の「擔水売河頭」という白文長方印は、円福寺の調査でも何度も目にしました。
今回の出展作品の中にもこの関防印が押されている作品もあります。
では、どうぞ花園大学歴史博物館までお運び下さい。
先週金曜日のブログ禅でお知らせしました「蘇山玄喬展」。会期は12月11日からですが、それに先駆けて、去る11月16日に出展いただく書画墨蹟を名古屋の徳源僧堂まで集荷に伺いました。この前日には、まさしく蘇山禅師の150年遠諱法要が当寺で行なわれたわけで、僧俗約200名ほどの参詣者があったとのことです。
住職である妙心寺派管長の嶺興嶽(みね・こうがく)老師は、お忙しい様子で、昨日の内に妙心寺に帰られてしまったとのことで、お手伝いいただいている近隣の会下の和尚さんがご対応いただきました。
集荷作業の合間を見て、蘇山禅師の塔所「鵞王塔」に拝塔。この鵞王塔は、開山堂の裏側の戸をあけると拝める場所に安置されています。鵞王というのは禅師の別号で、墨蹟に「鵝王老衲」という落款印を使用されている作品もあります。
展覧会のために借用させて頂くのは、徳源寺に蔵される蘇山禅師の書画・墨蹟のすべて計61点で、今回は老師がおられる妙心寺小方丈に置かれているものを除く51点を、徳源寺からお借りします。
一点一点を一旦吊してみて、その状態を確認する作業を学芸員が行ないます。どこに折れがあるとか、虫食い(虫損)があるとか、そういったことも綿密に調書に書き入れ、その後、いつもお願いしている日本通運京都支店の美術輸送担当者が丁寧に梱包をしてくれます。手前の女性の方は実は花園大学史学科の卒業生。こうやって、美術品に触れる仕事につけているわけですね。
午後3時過ぎまで作業にかかり、夕刻、無事に花園大学歴史博物館の収蔵庫に搬入できました。
ところで、今回の蘇山禅師150年遠諱を記念した禅師の図録ができあがりました。
詳しくはこちらをご覧ください。特別頒布を行なっております。
夏本番となり、各本山での暁天講座の季節となりました。
今年の大本山東福寺での暁天講座は上記ポスターの通りです。
暑い盛りですが、朝の涼しい時間帯に、広々とした東福寺の大禅堂(去年、臨済禅師白隠禅師の遠諱大摂心を行なった場所)で、禅に関わるお話を聴講されては如何でしょうか。
会費も予約も不要です。どうぞお運び下さい。
2月13日~14日と、第12回「臨黄教化研究会」を花園大学にて開催しています。
本研究会は、現代社会の諸問題をテーマに積極的な意見交換を行ない、そこでの結果や課題を各自が寺院活動に生かすことを目的とした、臨済宗黄檗宗僧侶の研究会で、今年で12回目となります。
今回は、援助的コミュニケーション「傾聴」をテーマに、仏教の原点を顧み、僧の本務を考え、講演と演習を通して、参加者自身が聴く意味を明らかにすることを目指します。
1日目には基調講演として「聴くことの意味について」と題して、村田久行先生(京都ノートルダム女子大学名誉教授・日本傾聴塾代表)にご登壇いただきお話をうかがい、参加者は熱心に拝聴していました。
その基調講演を基礎にして、分科会にわかれて傾聴に関してのグループワークを実際に行ないました。傾聴僧の会の方々にお手伝いをいただき、それぞれのグループでサポートにあたっていただいています。
2日目には、前日の研究会をふまえてのシンポジウムを行ない、午後には再度、グループワーク(実践)を行ない、最後にグループ発表(総括)というスケジュールです。
先日こんなことがありました。
暗くなってから自坊に帰ると閑栖和尚がいうに、近所に老夫婦だけで住まわれている檀家のAさんのご主人の方からついさっき電話があって、「嫁さんが見当たらんけど、お寺にお邪魔していないか」と聞いてきたと。
来られた様子がないので、「みえていないですよ、と答えたが、心配だから、お前も探しに行ってやってくれ」といわれました。私はさっそく懐中電灯をもって、ともかくAさんのおうちへ行ってみて尋ねると、さっき出て行ったきり帰ってきてないとのこと。このAさんの奥さんは、認知症ではないけど、物忘れ症候群のようで、ちょっと心配になります。
Aさんにどこか奥さんが行かれそうな心当たりはないかときいて、その心当たりのお宅へ向かいました。
そのお宅の奥さんと話してみると、「みえていたけど、さっき帰られましたよ。おうちの二階ででも眠ってられるんじゃない? じつは明日、○○○なことがあるらしくて、それが嫌でここに来ていろいろ話されて帰られたのよ」とのことです。
それでまたAさん宅にもどって、二階に寝ていないか確認して貰ったところ、「二階で寝てましたわ」って。帰られていたのに気がつかなかっただけだったんですね。ホッとして、「よかったですね、おうちにおられて」、「いやいやご迷惑をかけました」と、声を掛けあって帰った次第です。一応はこれで一件落着。
じつはこの「○○○なこと」というのは、このAさん夫婦の娘さんが、母親の物忘れ症候群を心配するあまり、Aさんと相談してデイケアサービスのお世話になろうとしているらしく、その件で、明日、ケアマネさんが来たりするとかで、Aさんの奥さんはそれが不安で、夜も眠れないと言っていたということなのです。
世の中にはこういう方がたくさんおられることだろうと思います。かくいう私の母も物忘れ症候群の一人。通院はしていますが、もっと社会や人と関わって欲しいと思うのに、寺でじっとしていることがほとんど。Aさんの娘さんのように、ケアマネさんに相談しようと思うのも当然でしょう。
でも、自分は大丈夫と思うお年寄りたちは、プライドもあり、逆に不安もあることでしょうから、嫌がるのもわからないではありません。
家族や親族、あるいは和尚と檀家さんという関係でなくても、こういったことに直面することが、今後どんどん増えてくることは、火を見るより明らかです。では私たちはどう対応していったらいいのでしょうか。
Aさんの奥さんは、ご主人に不安を言えないわけで、近所で親しく話を聞いてくれているおうちで、不安を語っていたわけです。
ターミナルケアまで見据える事も大事ですが、まずは人の声を聞く。これは大切な事だと思います。
今回のことで、改めていろいろと考えさせられました。
さて、禅文化研究所の今年のサンガセミナー、来週(7/20)の講座では「傾聴講座―カウンセリング技法に学ぶ傾聴の本質と実際」と題して、花園大学学長の丹治先生に講義いただきます。午後には村田真彌子さんによる「香りを知る」講座も開かれます。まだお申し込み可能です。
各派本山の夏期講座の開催情報が研究所に届く季節となりました。
京都は建仁寺さんでの暁天坐禅会-緑陰講座-のおしらせです。
申込み不要。参加の意思のある方はどなたでもご来山くださいとの由。
坐禅開始は6:30~、緑陰講座は7:10~(終了 8:00前後)。
※最終日7月10日の講座後には粥座(しゅくざ)[朝食]の接待があるそうです。
内容詳細は下記のとおり。
7月8日(金)
講師 佐々木 閑先生(花園大学仏教学科教授)
演題 「現代人のためのブッダの言葉」
7月9日(土)
講師 坂東 眞理子 先生(学校法人昭和女子大学 理事長)
演題 「人生後半期の生き方―プラチナエイジをめざして―」
7月10日(日)
建仁寺派管長 小堀泰巖老大師
提唱 碧巌録第六十九則 『南泉画一円相』
なお、私ども研究所で開催するサンガセミナー。
来週の14日、火曜日に第一回目を開催させていただきます。
午前がヨガ、午後が墓の法律講座。特に人数制限のある講座ではありませんので、前日まで申込み可能です(当日受付にてお支払い可)。
7月の、「香りを知る」・「傾聴講座」も募集中! ご参加お待ち申し上げております。
*お問い合わせ 075-811-5189 担当川辺まで
おはようございます。
現在、花園大学歴史博物館において、湯島 麟祥院 ―春日局と峨山慈棹―展を開催させていただいております。
何度もご紹介させていただいておりますが、禅文化研究所では、花園大学の調査チームと共に、寺院の宝物調査をさせていただいております。
さらにその後、このように結果報告といたしまして、花園大学歴史博物館にて展覧会ならびに展示にちなんだ講演会を開催し図録を作成、さらにデジタルアーカイブス事業も展開しております。
*禅文化研究所デジタルアーカイブス事業
これまでに調査がほとんど入った事の無かった麟祥院の宝物を、是非皆様にご覧にいれたいと願っております。
さらに、今週13日の水曜日には、記念講演会(於:花園大学教堂)を予定しております。
*詳細は下記
講演会後、博物館にて学芸員によるギャラリートークもございます。
入場は無料、事前申し込みも不要です(但し先着150名)。
駐車場はありませんので公共交通機関をご利用ください。
講演内容は、以下のとおりです。
■2016年4月13日(水)13:00~14:30「湯島麟祥院の歴史」
竹貫 元勝 氏(花園大学名誉教授・正眼短期大学特任教授)
於:花園大学教堂
歴史に親しんだ後にご覧いただく宝物類は、予備知識無く観るのとはまた違って、興味深く親しめる事と存じます。
皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。
何卒宜しくお願い申し上げます。
現在、京都駅ビルで「京都美風 Cool禅」のパネル展が開催されています。
その期間中、下記の2回、夜間に法話と椅子坐禅が体験できるイベントがあります。
お仕事帰りに参加できるかと思います。
ただし予約が必要。お早めにご予約をお願いします。
日 時 平成28年4月13日(水)・4月20日(水)
19:00~20:00 法話と椅子坐禅体験
20:00~21:00 お食事タイム(ディスカッションあり)
法話や坐禅指導をいただくのは、
4月13日は、新山玄宗師(臨済宗妙心寺派高等布教師・妙心寺派常任布教師・愛媛県大洲市福成寺住職)
4月20日は、雲林院宗碩師(臨済宗連合各派布教師・建仁寺塔頭霊源院住職)
です。
会 場 京都茶寮
定 員 各日20名 事前予約制(ご予約、お問い合わせは、京都茶寮〈TEL 075-342-2170075-342-2170 〉まで)
※各日とも5日前までにお申し込み下さい。また、定員に達し次第、〆切ります。
参加費 2000円(税込)お弁当付き
白隠禅師のおられた沼津市では、近年、沼津白隠塾として、原・沼津を中心とした静岡県東部地域において、白隠禅師の足跡を辿り、その業績や取り巻く文化、時代背景、そして禅師を育んだ当地の魅力について、一般の方々を交えて学んでいくという取り組みをされています。
一昨日午後にも、沼津駅前の沼津プラサベルデで、第3回白隠塾フォーラムが開催され150人以上の方がお集まりになりました。
今回は、第一部が、禅僧になったアメリカ人、トーマス・カーシュナー師により、外国人から見た禅、そして白隠禅師について語られました。第二部は「白隠さんが生きた時代」と題して、白隠塾塾長の芳澤勝弘先生による講演でした。
弊所からは、カーシュナー師の講演内容にそのまま当てはまる自伝書『禅僧になったアメリカ人』を発刊しており、また芳澤先生の最新刊『新編 白隠禅師年譜』を発刊したばかりでので、販売コーナーを出展させていただきました。
カーシュナーさんは自著をお買い求め頂いた来場者にせっせと丁寧にサインをされておりました。
第一部と第二部の間には、会員間の交流も含めたティーパーティで、開催者のご配慮で、私も頂戴しました。こんなおまんじゅうまであるのですね。さすがご当地です。
皆さまおはようございます。
本日は、花園大学歴史博物館と禅文化研究所での共催、4月2日より開催致します「2016春 湯島麟祥院 ―春日局と峨山慈棹(がさん・じとう)―展」のご案内です。
何度かご紹介させていただいておりますが、禅文化研究所では、花園大学の調査チームと共に、寺院の宝物調査をさせていただいております。
さらにその後、このように結果報告といたしまして、花園大学歴史博物館にて展覧会ならびに展示にちなんだ講演会を開催し図録を作成、さらにデジタルアーカイブス事業も展開しております。
*禅文化研究所デジタルアーカイブス事業
今回は東京は湯島の麟祥院。春日局の菩提寺です。
ちょうど昨年の今頃から4回、13日間にわたり調査に入らせていただきました。
私どもとしましても、ご寺院の貴重な宝物に出会える瞬間は大変喜ばしい事で、お仕事ながら楽しませていただいております。
麟祥院さんには様々な種類の椿の垣根があり、それも私にとりましては、休憩時間の楽しみでした。
今回出展されますそのほとんどが未紹介作品。東京大空襲の災禍をくぐりぬけた宝物たちです。調査をしていても、歓声があがる事しばしば。是非皆様にもご覧に入れたい作品ばかりです。
期間中のお運びをお待ち申し上げております。宜しくお願い致します。
展覧会情報についてはこちら
講演会情報についてはこちら
おはようございます。
本日はご案内です。
平成26年度、27年度と二回に亘り、「禅の庭入門講座」の講師をしていただいた町田香先生(京都造形芸術大学非常勤講師)による、日本庭園の集中講座・セミナーが大阪にて開校です。
◆京都造形芸術大学 大阪藝術学舎◆
「そうだったのか!日本庭園ことはじめ 日本庭園を楽しもう!」
大阪サテライトキャンパス 全日程:19:00~21:00
2016/04/13(水)
2016/04/27(水)
2016/05/18(水)
2016/06/01(水)
2016/06/15(水)
日本庭園初心者の方、勉強したけれど忘れてしまった方、
復習したい方、通勤帰りに学びの時間を持たれてはいかがですか。
お申込み・詳細はこちらからどうぞ。
ちなみに、来年度も町田先生による「禅の庭講座」を10月に開催予定。
公家と関わりの深かった寺院(光雲寺・霊鑑寺)の庭園をテーマに講義&庭園拝観します。
お楽しみに!
来たる平成28年3月27日(日)に、第3回白隠塾フォーラムが開催されます。
【第1回目のご報告はこちら】
弊所より刊行させていただきました『禅僧になったアメリカ人』の主人公、トーマス・カーシュナー師が登壇! この度の遠諱記念臨川寺特別参拝の案内役でもあるトムさんです。
◆お申込み方法など詳しくは、駿河白隠塾のFacebookページをご覧ください。
おはようございます。
先週のことになりますが、臨済宗の14ある大本山の一つ、静岡の方広寺さんへ宝物調査にてお邪魔しました。
花園大学歴史博物館館長・福島恒徳先生と研究員の方2名、禅文化研究所より2名の調査隊、おなじみのチームです。
今回はほぼ、軸物の調査ならびに撮影でしたが、私自身は殊の外、お軸の表具(の裂地)に関心があります。
「本紙より表具かいっ!」という関西流のつっこみがいつもどこかから入りますが、いえもちろん本紙がメインです。ですが、そのメインたる本紙がどれだけ所有者に愛され、大切にされたかは表具に出ます。
もちろん、廃仏毀釈の時代や戦時中など、お金や物が無かった時代に、良い職人に良い裂地を使って表具をしてもらうのは不可能な事があったやもしれませんし、所有者のセンスにも左右されます。
ですが、ほぼ間違い無く、本紙が素晴らしいものであれば、表具もそれに添った物が多いのです。
本紙を見ずとも、軸物を掛ける途中で見えてくる表具で、「ハッ、もしやこれは本紙もすごい物かもしれない」とわかってしまうわけなのです。
また、そんな良い裂地を使う職人は、本紙をひき立てる為の裂地の合わせ方や色のセンスも抜群、まるでピシッとした1枚の布であるかのごとく表具を仕立てます。「あぁ、良い職人さんだなぁ……」と、そういう仕事(職人の技と心)を目にするのは、たまらないものがあります。
庶務部長さんが生けられた葉蘭のお生花。素敵でした
と、私の趣味趣向の話に走ってしまいましたが、このように有難い調査を重ね、その成果を、宝物調査に入らせていただいたご寺院のご協力を得て、花園大学歴史博物館にて、展覧会という形で発表させていただいております。
昨年秋には、「武蔵野の禅刹 平林寺 ―伝来の書画名宝展―」を開催。
次回の展覧会は、昨年調査に入らせていただきました、東京の麟祥院さん(春日局縁の寺)の宝物展を予定しております。展覧会にあわせて、講演会も開催しますので是非ご参集くださいませ。詳しくはまたご案内させていただきます。
さて、今回の方広寺さんの調査ですが、宿坊に泊めさせていただき、夜は精進料理をいただきました。朝は境内をお散歩。なんとも気持ちの良いものでした。
一般の方もご宿泊(一泊禅寺体験)可能、精進料理もいただけますので、是非静岡へお参りの際は命の洗濯を!
中興開山鉄山宗鈍禅師400年遠諱記念 「武蔵野の禅刹 平林寺 ―伝来の書画名宝展―」の会期を記念しまして、一昨日(11月18日)、講演会(於:花園大学教堂)が開催されました。
今回は、平林寺住職・平林僧堂師家の松竹寛山老師におこしいただき、平林寺の伽藍や境内について、興味深いエピソードも交えつつ、詳しくご説明いただきました。
最後に設けました質問コーナーにて質問された御方が、以前学長講座で老師のお話を拝聴し、感銘を受けたのだと仰っておいででした。
私もよく覚えています。老師が包み隠さずご自身の悩み苦しみをお話しになられ、修行していくうちに、その悩みや苦しみといったものがどう変容していったのか、詳しく真っ直ぐにお話しになられた時の事かと存じます。
松竹老師は、以前からよく禅文化研究所にはお越し頂いており、ご住職として平林寺を継がれる前は、妙心寺派東京禅センター長として、私どもも「松竹さん」と普通に呼ばせていただいておりました。
さすがに今は、「松竹さん」とはお呼びいたしませんが、それでもその頃とお立場が変われど、全く変わらない松竹老師の人間そのもの。研究所一同いつも有難くお付合いさせていただいております。
この日はさらに、老師より平林寺の新たな写真集(写真展も開催されるようです。詳細はこちら〈PDF〉)と、来年のカレンダーを抽選でプレゼントされ、当選した皆様はたいそうお喜びでした。
そろそろ平林寺さんも紅葉が見頃かと(上は新緑の頃)。是非、埼玉県新座市の平林寺へお運びください。
ついでといっては何ですが、私も大好きな、松平信綱公の生涯が綴られた『知恵伊豆に聞け』(文春文庫・中村彰彦)をお読みになってから行かれると、さらに充実した参拝となること間違いなし!です。
平林寺公式サイトはこちら
東京・恵比寿の日仏会館において11月15日(日)、「日本初」という一休禅師のシンポジウム「一休とは何か?-この妖怪に再び取り組む」が行なわれました。「仏」は、仏教の「仏」ではなくフランスの「仏」です!
弊所発刊『一休道歌』より
ここでフランスが出てくることに、疑問を抱かれるかもしれませんね。理由のひとつが、長年にわたり一休を研究されている、ディディエ・ダヴァン先生(フランス国立極東学院)らが中心になって企画された会であるということ。
なんと130名を超える聴講申込みがあったそうです(前日はフランスで痛ましい事件が発生したばかりで、開会前に黙祷が捧げられました)。
様々なテーマから一休禅師にアプローチするこの会は、講演に研究発表、討論会……と、8時間にもおよぶ長時間の催しであったにもかかわらず、夕方になっても大勢の方が会場に残っておられたことに驚きました。
最後に行なわれた討論会では、この〝妖怪〟をますます取り込んでいくために必要な視点として、「室町時代の日本人が禅をどう理解していたのか」など、研究の新たな方向性についての提案もなされ、活気を保ったままシンポジウムは閉会となりました。
登壇された先生のお言葉ですが、「まだまだ知らない姿」を持つ一休。あまりにも有名で、あまりにも不思議な禅僧だと改めて思います。弊所から再販中の一休禅師の本も、よろしければぜひお手に取ってご覧ください。
現在、花園大学歴史博物館にて、大学と弊所との共催にて、「武蔵野の禅刹 平林寺 ―伝来の書画名宝展―」を開催中です。
それにちなみまして、来週の水曜日、10月14日に記念講演会を開催させていただきます。
平林寺という関東を代表する名刹に関わった名僧たちのお話とは如何に!!!
是非お運びくださいませ。
■2015年10月14日(水)13:00~14:30
「平林寺に関わった名僧」
竹貫元勝先生(花園大学名誉教授・正眼短期大学副学長)
*予約必要無し、無料(先着150名)
展覧会ちらしPDFファイルはこちら
これまで幾度かこちらのブログ(下記です)でもご紹介させていただいております地球交響曲-ガイアシンフォニー。
私の場合、大学生時代のゼミの授業で教授から紹介され、ゼミ生皆で観たのが最初だったと記憶しています。
その後、観る度に、自身にベストなタイミングで必要な情報を与えられているようで、忘れては思い出し、思い出してはまたDVDを観てみたり・・・を繰り返しては、いつも目から鱗。感動が毛穴という毛穴から噴出するような思いを抱いています。
いつも我々人間の傲慢さに警鐘を鳴らし、気づきを与えてくれたガイアシンフォニー。東日本大震災を経て初めての作品に、またどのような気づきを与えてくれるのか、私も楽しみに伺う予定にしています。
さらにこの上映会、京田辺市にあります、シュタイナー学校で開催されます。我が大学のゼミの恩師の後輩が、「理想の学校が無いので創る!」と、創られた学校。お邪魔するのは初めてですので、それも楽しみにしています。
お申込み・詳細はこちら。
今回は“樹”がテーマ。私も、いつも私が頼りにし、心の拠り所としているイチョウの大木があります。龍村監督のおことばを下記に転載させていただいておきます。
この地球に初めて生命が誕生して38億年。生命は何度も絶滅の危機に瀕しながら、その都度奇跡のように甦り、新たなる進化を遂げ、私達人類は今、こ こにいます。宇宙は、自らが生んだ生命を“可能な限り永く生かせ続けたい”という意志を持っている様にさえ思えます。この“宇宙の意志 (Universal mind)”を地球上で体現しているといえるのが“樹”です。
樹は何億年にも渡って大気中の酸素濃度を21%に保ち続け、絶滅と進化を繰り返してきた多様な生命を生かし続けてくれたのです。
世界の全ての文化の中に、樹令数百年の老大樹には、精霊が秘んでいるという言い伝えがあります。「樹の精霊」とは、「宇宙の意志」の顕われなのかも知れません。
私達日本人の中には遥か縄文の昔から1万年近くに渡って聴き続けて来た樹の精霊の歌声が、かすかな残響波となって今も響き続けています。
東日本大震災から4年、真の復活を遂げる為に私達日本人は今、なにに気付き、何をなさなければならないのか!
「樹の精霊の声、すなわち宇宙の声を聴く力を甦えらせなければならない」と気付いた日本人達がいます。地球交響曲「第八番」では、この人々の想いと活動を世界に向かって発信します。
地球の未来の全ての生命が健やかに、末永く生き続けることを願って。 龍村仁
9月24日より、埼玉にあります平林寺(平林僧堂)の珠玉の宝物をご覧にいれます展覧会、【武蔵野の禅刹 平林寺-書画名宝展】を、花園大学歴史博物館にて開催させていただきます(博物館と禅文化研究所共催)。
そのため、花園大学の調査チームの先生方と禅文化研究所の職員が、宝物の数々をお借りする為、平林寺へお邪魔しておりました。
展示予定のお軸がならびます。
一つ一つ確認作業をさせていただきます。
こちらに写っている3幅は、全て14世紀のものだとか。お楽しみに。
そしていつも有難く、欠かせない存在。日通の宝物輸送スペシャリストの方々!
この平林寺は、関東以外の方はあまりご存知無いかもしれませんが、13 万坪におよぶ境内林に囲まれた静寂な空間のなか、開山・石室善玖(直指見性禅師、1294~1389)はじめ中興開山・鉄山宗鈍(霊光仏眼禅師、1532~1617)等の法灯が連綿と受け嗣がれています。
また、広大な平林寺境内の景観は武蔵野の面影を今日にのこし、多くの人々に親しまれています。
“知恵伊豆”として知られた名君、松平信綱公(平林寺の檀越・大河内松平家代々の墓があります)が着手し、開削された野火止の用水路は、歴史上の大事業(全長24キロ)としても有名ですが、そんな江戸時代初期の出来事を彷彿させる地でもあります。
この事業によって土地が潤い、人々の生活も豊かになったのだとか。詳しくは、『智恵伊豆に聞け』(文春文庫/中村彰彦)を是非お読みになってみてください。
本展覧会では、歴世住持および中興開基・大河内松平家の関係資料のほか、平林寺にゆかりある黄檗僧・独立性易(1596~1672)の品々や、松永安左エ門(耳庵、1875~1971)の遺愛品をご紹介します。
また、平林寺の永い歴史のなかで蓄積された多彩な美術作品のうち、元時代に遡る中国絵画はじめ中世絵画や近世の禅画などの優品の数々をとおして、武蔵野に華開いた禅文化の魅力に迫ります。
また、記念講演会も開催致しますので、是非ご来場ください。
***************************************
【前期】9/24~10/31 【後期】11/2~12/12
於・花園大学歴史博物館 開館時間10:00~16:00/日曜休館
【記念講演会】 於:花園大学教堂
2015年10月14日(水)13:00~14:30
「平林寺に関わった名僧」 竹貫元勝先生(花園大学名誉教授・正眼短期大学副学長)
2015年11月18日(水)13:00~14:30
「平林寺の伽藍と境内」 松竹寛山老師(平林僧堂師家)
入場無料・申込不要 先着150名
おはようございます。
7月から8月にかけまして、臨済宗各派本山においては、暁天講座が開催されます。
いくつかの本山では既に終わっていますが、これからの本山も。ちょうど、嵐山にあります本山・天龍寺さんでは、今週末開催されます。
蓮も見頃、爽やかな朝のひとときを自己をみつめる時間に使ってみてはいかがでしょうか。
ご案内でした。
【天龍寺HPはこちら】
第一日目:平成27年7月25日(土)
第二日目:平成27年7月26日(日)
午前6時 ~ 午前7時:坐禅(天龍寺 大方丈)
午前7時 ~ 午前8時:提唱「夢中問答」天龍寺 管長 佐々木容道老大師(天龍寺 大方丈)
◆両日共、提唱終了後、素麺をお出し致します
曹源池庭園を眺めながらお召し上がり下さい
◇提唱からの参加も可能です
◇参加費は無料
*写真提供・天龍寺
7月11日(土)に名古屋の徳源僧堂にて開催されました、中外日報さんによる臨済禅師・白隠禅師遠諱記念の講演会、芳澤勝弘先生による【禅の風にきく「白隠禅師の絵説法」】。
この日は仕事ではなく、あくまで一参加者ということで楽しみに参りました(個人的に参加したい記念企画などの場合、仕事になりますので・・・もちろんそれはそれで楽しいのですが!)。
遠諱の記念という事もありまして、現在妙心寺の管長をなさっている徳源寺の嶺興嶽老師がはじめに御挨拶を。
臨済禅師がお亡くなりになられて1150年、白隠禅師は250年、そして50年ごとに法要を執り行なう事など、皆様にわかりやすくご説明くださいました。なんと嶺老師、50年前の遠諱は修行道場におられ、雲水さんとして体験なさったのだとか(私の祖父のアルバムにも50年前の遠諱の写真がありましたので、今度ご紹介したいと思います)。
50年前よりも芳澤先生の研究のおかげで、白隠さんの書画についてより一層わかるようになり、世間の人々にも知られるところとなった事、その書画の中に大きな教えが含まれている事など、ご説明くださいました。
芳澤勝弘先生は、国内外で白隠フォーラムを開催され、白隠さんを全くご存知無かった方にもわかりやすく、目から鱗の解説をしてくださいます。この日の参加者の皆様も、白隠さんについてはあまりご存知無いような雰囲気。
まずは5分で完結する、お釈迦様からはじまる仏教史・禅宗史を!なんということでしょう。日本国にテレビのCMとして流したいほどです(CMには少し長いですか?)。
その後の絵説法解釈では、皆様の感嘆のため息や笑い声も聞かれ、私も改めまして白隠さんの書画の世界に没頭致しました。
死して約250年たってなお、白隠さんは私たちに江戸時代と変わらず、ご自身が遺された書画によって法を説いてくださっています。なんとも尊い事であります。
ちょうど19日には、沼津にて白隠フォーラムも開催されます。これはお仕事でお邪魔しますが、今から楽しみにしております。皆様も是非、白隠さんの説法に触れてみてくださいませ。
おはようございます。
中外日報さんによる、臨済禅師・白隠禅師遠諱記念の特別企画、“禅の風にきく”。
第一回、第二回とも好評のうちに終わられたようで、お次は7月11日に開催されます第三回目。
名古屋市内にあります徳源僧堂が会場ですので、皆様に普段は修行道場として閉ざされている僧堂の雰囲気というものも感じていただけるのでは?!と思います。
講師は白隠禅師の研究で知られる芳澤勝弘先生。
先生のお話に、難しいと思われがちな禅の書画の世界もぐっと親しみやすく、興味深くなる事間違い無し!
さらに現在、臨済宗妙心寺派の管長でもいらっしゃる、ご住職の嶺 興嶽老大師もご臨席との由。
是非ご参集くださいませ。
お申込みは中外日報さんまでよろしくお願い致します。
白隠さん縁の地、静岡県は沼津市において、7月19日(日)に、【国際白隠フォーラム2015】が開催されます。
白隠研究の第一人者、芳澤勝弘先生の基調講演「白隠と大衆芸能」ならびに、パネルディスカッション「NO HAKUIN,NO LIFE -白隠と私-」と題して、「白隠無しに我が人生無し!」と仰る面々が集います。
芳澤先生をコーディネーターとして白隠話に花が咲く事でしょう。
出会う度に新鮮、そして気づきを得られる白隠さんの書画。我々に様々なものを残してくださった、その大慈悲を感じる一日を!
是非ともおでかけくださいませ。
【詳細】
7月19日(日)13:15~16:30
★基調講演「白隠と大衆芸能」
〈講師〉芳澤勝弘氏 花園大学国際禅学研究所元教授
白隠の描く布袋さんは、江戸時代にはやった大道芸をする人の姿。人々が生活する場(十字街頭)に出て、禅の教えを説く白隠禅の真実を、現在にまで受け継がれてきた江戸大衆芸能の実演も交えながら読み解きます。
《出演》鳥刺し舞(静岡県伊東市 阿原田神楽保存会)
えびすかき えびす舞(兵庫県西宮市 人形芝居戎座)
★パネルディスカッション「NO HAKUIN,NO LIFE -私と白隠-」
「白隠のない、人生なんて」国籍も文化も違う人々をそう思わせる白隠の魅力はどこにあるのでしょうか?世界から集まったパネリストが、白隠との出会いを語り、その本質に迫ります。
〔パネリスト〕 ハンス・トムセン氏(チューリッヒ大学教授)
竹下 ルッジェリ・アンナ氏(京都外国語大学准教授)
ブルース・R・ベイリー氏(日本ロレックス㈱代表取締役社長)
李建華氏(翻訳家、日本文化研究家)
〔コーディネーター〕 芳澤勝弘氏
詳細と申込み用紙はこちら(pdf)からどうぞ。
◆19日、午前には下記も開催されます
●公開講座(国際白隠フォーラム賛助企画)
「青い目から見た白隠さんの言葉と意味」 ハンス・トムセン氏/日本美術史
「白隠禅師の女性弟子 ―お察と恵昌尼の場合―」 竹下 ルッジェリ・アンナ氏/宗教哲学
時間:7月19日(日)10:00~12:00 場所:プラサヴェルデ コンベンションホールB
申込不要/入場無料
おはようございます。
臨済宗の宗祖・臨済禅師1150年、そして日本の臨済宗の中興の祖・白隠禅師の250年の遠諱を記念しまして、様々な行事を開催しております。
今回のお知らせは、中外日報さんによる特別企画です。
皆さま是非ともおでかけくださいませ。
昨今のSNSと呼ばれる各種ツールの拡がりによって、まだ直接には出会った事の無い方と出会ってみたり、他の方の考え方をネット上で知る機会が増えたりと、おおよそ昔では考えられなかった環境に私たちは生きています。
物事には何にしても良い面と悪い面がありますが、私はせっかく今回はこの時代に生まれて来たのですから、コントロールされるのではなく、自身が節度を持ち、有効に活用したいと考えています。
先日も、とある会に参加した際に友人と話していましたら、そのお隣にいらしたお友達が「もしかして、禅文化研究所の方ですか?」と。
「おぉ、このようなマニアックな研究機関をご存知とは奇特な方もいらしたものだ…」と思いお話しさせていただくと、彼女のお母様が以前よりこのブログを楽しみにご覧いただいており、彼女も勧められて読んでくださるようようになったのだとか。
円覚寺さんで発売されたクリアファイルをいただきました それぞれに南嶺老師の書と画が!
さらに、こちらでご紹介しました居士林だより(円覚寺管長・横田南嶺老師の日曜説教でのお話や画像が掲載されているブログです)を知るに至り、「南嶺老師のお話が、介護で疲れていた母の支えになっていました」と……。
誰一人直接出会った事が無いところで繋がってゆく御縁のふしぎ、そして今回彼女と出会えて、直接お話をするに至った御縁のふしぎを思いました。
以前、ある和尚様が、「インターネットがあるこの時代にそれを活用しないのは、布教をしないのと同じである」とお話されていましたが、まさにインターネットを通じての布教により、救われている方がいらっしゃるのだという事を知ることができ、とても嬉しく有難く思った次第です。
最も美しき国宝舎利殿が!雲水さんも捨てがたく…さらに観音様に山門、迷いますね
南嶺老師による円覚寺での日曜説教の日は、私も以前お邪魔しましたが、最近はまたさらに人が増えて溢れているという噂も聞こえて参ります……。
関西でお話を拝聴する機会は少ないのですが、5月4日(月)には、花園大学の学長講座におこしいただける事になっております。午前10時40分から、花園大学教堂にて。是非お運びくださいませ。
おはようございます。
何度かごあんないさせていただいておりますが、花園大学歴史博物館と弊所の共催で、「滅却心頭火自涼 -甲斐の名刹◆恵林寺の至宝-」と題した特別展を、花園大学歴史博物館にて現在開催しております。
それに因みまして、恵林寺より、ご住職の古川周賢老師におでましいただき、お話いただく日を設けました。来週の火曜日、25日です(聴講無料、150人まで)。
山梨県へ富士山を拝みに!はたまたトレッキングに!(山梨の山はなかなかに素晴らしいようです!以前老師にお話伺いました)とお考えの方は、是非とも恵林寺へもおこしいただきたく、老師のお話を拝聴してからですと、さらに感慨深い参拝になる事と存じます。
是非ともお運びくださいませ。
■2014年11月25日(火)13:00~14:30
「恵林寺散策」
古川周賢老師(乾徳山恵林寺住職)
どうやら、参加する事もアートなんだそうです。
六本木ヒルズ森タワー53階にあります森美術館にて、「リー・ミンウェイとその関係展 参加するアート 見る、話す、贈る、書く、食べる、そして世界とつながる」が開催中です。
現代アートはどうもとっつきにくい(すみません)と思っている私のような人間も、ちょっとこれは展観名を読んだだけで参加してみたくなる感じ。
さらに、【個展でありながら、作品の文脈を読み解くために、他のアーティストの作品も併せて展示】とのことで、我らが臨済宗よりご存知白隠さん(日本臨済宗中興の祖)、今北洪川老師(幕末・明治時代を代表する臨済宗の禅僧で、円覚寺中興の祖といわれています)、久松真一先生、鈴木大拙先生の書が登場ということです!
そんな事もあって、11月18日(火)には、花園大学教授の佐々木閑先生と、森美術館シニア・コンサルタントの広瀬麻美さんによる「リー・ミンウェイと禅について考える」トークイベントが開催との由。なんて興味深いことでしょう!
東京まで趣く事はできぬ私は嫉妬を覚えます。こういった展覧会やイベントは、どうしても東京に集まるようですね。近郊の方は是非お運びになってみてください。
お申し込み・詳細は下記です(美術館HPより転載)。
***
本プログラムでは、仏教哲学の専門家である佐々木閑氏をお招きし、東洋的な思想、特に禅思想からリー・ミンウェイ作品について考えます。
出演: | 佐々木 閑(花園大学教授) 広瀬麻美(森美術館シニア・コンサルタント) |
会場:森美術館展示室内
定員:80名(要予約)
料金:1,500 円(展覧会チケット付)、MAMCおよび年間パスポートメンバー無料
お申し込み:こちら
※プログラム開始前18:00-19:00の間、プログラム終了後20:30-21:30の間、本プログラムにお申し込みいただいた方のみ展覧会をご鑑賞いただけます。 また、お配りする展覧会チケットで、後日展覧会をご鑑賞頂けます。
ご案内が遅すぎるのですが・・・「行ける!」とご縁のあった方に・・・。
明日の午後4時半より、有楽町・よみうりホール(ビックカメラ7階)にて、【第52回 禅をきく 講演会】が開催されます。
臨済宗の僧堂、犬山にあります瑞泉寺専門道場の師家・小倉宗俊老師と、作家の田口ランディ氏がご講演なさいます。
お近くの方、この時間帯に行ける方がなんとも羨ましいのでありました。
何か掴んで帰ってこれそうな会ですね。
詳細はこちらからどうぞ。
ご案内の通り、禅文化研究所と花園大学歴史博物館が共催している「滅却心頭火自涼 甲斐の名刹恵林寺の至宝」展の第一回記念講演として、昨日(10月28日)、快川国師研究の第一人者である横山住雄先生(濃尾歴史文化研究所主宰・国際禅学研究所客員教授)により、「快川国師と恵林寺」と題した講演会を花園大学教堂において開催しました。
700年近く前に天龍寺を開創された夢窓疎石により開かれた恵林寺。その歴史の半分近くを夢想派の僧侶により受け継がれてきたわけですが、450年前ほどからは諸山として十方住持制にしたがい、妙心寺派僧も入寺しはじめ、武田信玄公に重用された快川国師は天文24年に恵林寺に入寺しました。その後、美濃との往来の中、再住、三住とされることになります。
その間、岐阜城の斎藤家との関係、そして駿河へ侵略をしようとする信玄公のもとにおいて、快川国師が果たしたであろう役割についての考証をお話し頂きました。そして、信玄公なきあと、今回の展覧会のタイトルにもなっている、「滅却心頭火自涼」という言葉を遺して焼き討ちに遭った際、快川より逃げるように言われて逃れた十数人の弟子達のうち、分かる限りで5名の名前を列記されるなど、興味深いお話を聞くことができました。
次回は、2014年11月25日(火)の13:00~14:30、同じく花園大学教堂において、恵林寺に晋山されたばかりの古川周賢老師による、「恵林寺散策」と題した講演をお願いしております。どうぞ皆さん、ご来場頂きますようお願いいたします。
皆さまおはようございます。
本日は、ただいま花園大学歴史博物館にて開催中の秋期企画展「滅却心頭火自涼 -甲斐の名刹◆恵林寺の至宝-」の記念講演会を、花園大学内の経堂にて開催致します。
13時~、無料・予約不要ですので、どうぞお運びくださいますようお願い申し上げます。
アクセスはこちら(公共交通機関をご利用くださいませ)
■2014年10月28日(火)13:00~14:30
「快川国師と恵林寺」
横山住雄氏(濃尾歴史文化研究所主宰)
11月には下記講演会を開催致します。あわせて宜しくお願い申し上げます。
■2014年11月25日(火)13:00~14:30
「恵林寺散策」
古川周賢老師(乾徳山恵林寺住職)
10月10日(金)、禅文化研究所創立50周年記念式典 ならびに 禅文化賞授与式を開催させていただきました。
まずは鬼籍に入られている創立功労者の追悼法要を行ない、理事長・所長による挨拶の後、「第4回禅文化賞」授賞式を行なわせていただきました。禅文化賞とは、5年ごとに行い、功労賞と奨励賞の二つの賞を置きます。
この度の功労賞は方広寺派管長大井際断老師です。
大井際断老師は、大正4年、兵庫県西宮市の生まれ。昭和15年、東福僧堂に掛搭。戦役を経た後、東福寺の家永一道老師に参じて嗣法。花園大学教授を経て、昭和35年、大分・万寿僧堂師家、昭和50年、妙心寺塔頭東海庵住職、平成2年、方広寺派管長ならびに僧堂師家に就任されました。
ドイツを中心にヨーロッパ各地での布教を行なわれ、また、薪流会総裁として社会活動にも積極的に関わっておられます。100歳を迎えられ、臨黄各派で最高齢の僧堂師家として、今なお行学一如を実践されております。
さらに、奨励賞は妙心寺派地福寺住職片山秀光師です。
片山師は、昭和15年宮城県気仙沼市の生まれ。平成22年、節語り説教ユニット『カッサパ(三迦葉)』を結成、音楽を取り入れた新しい形の布教活動を開始するも、平成23年3月11日東日本大震災でご自坊を被災、現在は復興を目指しつつ被災地の語り部として活動を続けている。また、NPO法人「海べの森をつくろう会」副代表として、震災の記憶を風化させずに未来へ繋いでいくための植樹活動を中心とした故郷づくりを行なっておられます。
お二方への受賞に続き、お言葉を頂戴しました。大井老師は最後には詩吟を朗々としたお声で吟じてくださり、また、片山師のお話からは、遠く離れた地である事もあり、我々の中で風化し始めている被災地への思いを新たに致しました。
授賞式の後は、禅文化研究所の現況報告につづき、東洋大学学長の竹村牧男先生による記念講演。「禅の現代的意義について―鈴木大拙の思想に学ぶ」。私は準備などにてご講演を拝聴できなかったのですが、これからゆっくりと当日の映像を拝見させていただこうかと思います。また何らかの形で皆さまにもお届けできればと考えておりますので、どうぞよろしくお願い致します。
お集まりいただきました皆さま、貴重な時間を頂戴し、誠にありがとうございました。
今後とも禅文化研究所をどうぞよろしくお願い申し上げます。
静岡県にあります臨済宗大本山・方広寺さんでの夏期講座のご案内です。
是非ご来山くださいませ。
◆平成26年8月24日(日) 9時30分受付 10時30分開講
〈第40回方広寺夏期講座開催〉
第1講 「私の運命」 方広寺派管長 大井際断老大師
第2講 「柔の真髄」 バルセロナオリンピック銀メダリスト
静岡文化芸術大学准教授 溝口紀子先生
第3講 「私はかく闘った」 元横綱 ・ 千代の富士 九重親方
定員 500名(申込み先着順。定員に達し次第受付終了)
参加費 1.お弁当付 3,500円 2.特別精進料理 5,500円
*方広寺HPから申込みPDFダウンロード出来ます。
さて、禅文化研究所は、明日より18日(月)まで夏期休業とさせていただきます。
本日正午までにいただきましたご注文は本日中に、それ以降のご注文に関しましては、19日(火)以降に発送させていただきますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
花園大学歴史博物館にて開催中の特別展「不立文字」(6月7日まで)。後期の展観に合わせて、4月の記念講演会に続き、第2回目の記念講演とギャラリートークが実施されました。
ご登壇いただいたのは、尾西正成先生(京都橘女子大学助教・日展会友)。演題は「墨蹟への憧れ~書作家の立場からの私的鑑賞~」です。研鑽を積まれた尾西先生ですが、今回は誰もが楽しめるよう、ユーモアを交えて書の私的な鑑賞法をご紹介くださいました。
たとえば、名僧らの墨蹟に混じってスクリーンに映し出された先生のお弟子さんの書。
この小学生は、自筆の書にたいそうご満悦で、「先生どう?これ、いいやろ!!」と作品を見せに来たのだとか。「どう?」と評価を乞われたのですから、未熟な部分を添削することはできます。でも、先生はそれをされなかったそうです。
なぜなら、墨蹟を鑑賞する際、知識が作品の理解・評価につながるのはもちろんですが、この小学生のように、直感的に「いいなあ!」と思うのも、また自由なのですね。
私自身、“自由な感想を持つ”ということに実はずっと戸惑いがあったのですが、気持ちが軽くなりました!
愚堂東寔筆 墨蹟「鉄心肝」/禅文化研究所蔵
そんなわけで「不立文字」展。担当者による作品解説を手引きに、または自由な感覚で。思い思いにお楽しみいただければと思います。
弊所創立50周年を記念しまして、現在、花園大学歴史博物館にて、「不立文字 -禅の書画と典籍・六〇〇年-」を開催中、後期の展示が始まっております。
本日は、この展覧会に関連して、下記のとおり講演会を開催致します。
入場は無料、事前申し込みも不要です(但し先着150名)。駐車場はありませんので公共交通機関をご利用ください。
皆さまのご来場をお待ち申し上げております。
■2014年5月14日(水)13:00~14:30
■場所:花園大学教堂
「墨蹟への憧れ~書作家の立場からの私的鑑賞~」
尾西正成氏(京都橘大学助教・日展会友)
花園大学歴史博物館におきまして、弊所の創立50周年を記念した特別展(6月7日まで)を開催中です。これに関連した催しとして、さる4月16日(水)、所長・西村惠信による記念講演と展覧会担当者によるギャラリートークが行なわれました。
演題は「禅文化の本質と、観賞の視点について」。禅の文化が持つ特殊な性格や、禅の作品を観賞する際に求められる視点などが約90分に亘って述べられ、続くギャラリートークと共に大盛況でした。
本日は、これから展覧会をご覧いただく皆さまのために、講演のポイントを記させていただきますね。展覧会以外の場所でも、禅の作品に出会うことがあったらぜひ思い出してみてください。
1.禅の修行の目的は“己事究明”。したがって作品も、作者自身の直接表現である(たとえば梅の絵であれば、作者は「梅を描いた自分自身」を描いている)
↓
2.そういう作品を観賞する際は、観賞者も作者と同じ心境であることが必要(つまり、観賞者も自己自身と直接していることが求められる)。
↓
3.そのことによって、観賞者が作者と直接することになる
いかがでしょうか。実はとっても難しいことですけれど(少なくとも私は一生かかっても無理かもしれません……)、心構えだけでも!
※次回記念講演とギャラリートークは5月14日(水)を予定しています。
■2014年5月14日(水)13:00~14:30 花園大学講堂にて
「墨蹟への憧れ~書作家の立場からの私的鑑賞~」
尾西正成氏(京都橘大学助教・日展会友)
今年は、建仁寺の開山・栄西禅師の八百年大遠諱。まもなく発行の『禅文化』232号(4月号)でも巻頭で特集させていただいております。
関連の催事も始まっていますね。
東京国立博物館で開催中の「栄西と建仁寺」展も好評を博しているそうですが、来たる4月19、20日には、建仁寺にて記念行事「大衆報恩坐禅会」が行なわれますよ。
両日とも朝8:00からの坐禅に続いて栄西禅師降誕会のお勤めがあり、最後は記念講演という充実した内容です。
【講演】
4月19日:「護国の禅」/玄侑宗久師(臨済宗妙心寺派福聚寺住職・作家)
4月20日:「栄西禅師の未来記と蘭渓道隆」/舘隆志師(駒澤大学・花園大学兼任講師)
なお20日は、季刊『禅文化』最新号を発売に先がけて会場で販売させていただきます。
当日講演される舘隆志先生の論文や、「栄西と建仁寺」展を担当された田沢裕賀先生(東京国立博物館 絵画・彫刻室長)による建仁寺寺宝の解説も収録しています。
さまざまな角度から「栄西禅師と建仁寺」をご紹介する一冊となりましたので、記念の年にお手に取っていただければ幸いです。
宜しくお願いいたします。
季刊『禅文化』230号にて特集させていただきました、“臨床僧”。私の友人などからも驚きの声と共に、素晴らしい活動だという声を聞くことができました。
「臨床僧の会・サーラ」は、僧侶が医療や福祉の現場に入って、患者さんやそのご家族、お年寄りや障がいをお持ちの方々のお世話をさせていただきながら、喜びや苦しみを共にし、いのちの安心(あんじん)を分かち合い、生老病死(しょうろうびょうし)の伴走者としての活動を続けています(公式HPより)。
そんな会において開催される勉強会などの最新情報を、ブログ禅でもご紹介させていただきたいと思っています。
今回は、日が近づいていますが、12月21日(土)に開催予定の「早川一光先生 講義 衣笠塾」についてです。
2013年12月21日(土)午後4時~
京都衣笠の先生の研究所にて開かれるとの事です。
テーマは「病・病気」について
参加希望、お問い合わせはこちらからどうぞ。
研究所のサンガセミナーにおいても、僧侶をはじめ、多くの方と接する機会があるお仕事に就いておられる方や、身近な人を癒やしたいという思いをお持ちの方に向けて、コンフォートハンドや色彩心理、ホメオパシーなどの講座ができないかと模索中です。僧侶はもちろん、一般の方にも参加していただけます。
また来年度の開催項目が決まりましたら、ご案内させていただきます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
花園大学の教堂において、非常に興味深い講演会が開催されます。
事前申込不要、無料で、どなたでもご自由におこしいただけるものですので、ご案内させていただきます。
【日時】
2013年11月28日(木) 午後2時40分~午後4時10分(場合により延長あり)
【場所】花園大学 教堂
☆講師 松井孝典先生
(千葉工業大学惑星探査研究センター所長・東京大学名誉教授)
☆講師 チャンドラ・ウィックラマアシンゲ先生
(英国カーディフ大学教授、バッキンガム大学アストロバイオロジー研究所所長)
☆司会 佐々木閑(花園大学教授)
―講演会詳細―
世界的な惑星物理学者でNHKの『地球大紀行』でも人気を博した松井孝典先生と、スリランカが生んだ世界的物理学者チャンドラ・ウィックラマシンゲ教授が、生命の起源について最先端の学説を発表します。
「生命は宇宙から来たのではないか」という考えは、フレッド・ホイルなどの一流科学者たちも主張してきましたが、今回それを実証する可能性のある新たな現象がみつかりました。「スリランカに降った赤い雨」。それが一体何を意味するのか、エキサイティングな議論が展開するでしょう。司会は花園大学の佐々木閑先生が務められます。
花園大学では、8月1日~3日にかけて、京都学講座「絵をよむ」と銘打った公開講演会が開催されます。
内容は、
8月1日(木)
(1)「絵ときの絵画史-仏伝図を中心に」福島恒徳(花園大学教授)
(2)「釈迦涅槃図 お絵解き」岡澤恭子(長谷寺寺庭)
8月2日(金)
(1)「絵巻物からマンガ 視線の運動」 夏目房之介(花園大学客員教授)
(2)「この人 何者?どんな人?-肖像画をよむ」米倉迪夫(東京文化財研究所名誉研究員)
8月3日(土)
(1)「竹取物語 病み臥す貴公子 を読む」曽根誠一(花園大学教授)
(2)「源氏物語の絵を読む―須磨・明石を中心に 」 髙橋亨(名古屋大学名誉教授)
です。
初日の「釈迦涅槃図 お絵解き」は、私も以前、臨黄ネットに「絵解き涅槃図」のWEBサイトを立ち上げの準備をしているときに拝聴させて頂いた、信州の長谷寺の寺庭さんが語られるもので、とても感動的な絵解きでした。このブログでも書いたことがあります。
なかなかユニークな講座が無料で拝聴できます。お時間のある方は、おでかけになっては如何でしょうか。
昨日お伝えしました通り、この時期、本山での暁天講座、坐禅会などが盛んに開催されますが、毎週月曜日、花園大学教堂において、学長講座(予定表PDF)と題して、管長様や老師方や、禅の研究者の先生などがお話されたりしています。
7月15日(月)は、研究所はお休みをいただいておりますが、学長講座にて、鎌倉は円覚寺の管長・横田南嶺老師がお見えになられますので、もちろん私もお邪魔する予定でおります。
「管長様の法話をまとめてみました」。でおなじみの、居士林ブログや、そのブログをまとめた本をいつも拝読していますが、直にお話が拝聴できるまたとない機会です。
いつも老師方のお話を拝聴していると思うのですが、本になったものを拝読するのももちろん素晴らしい事ではあるのですが、何よりもライブ感が良いのです。実際にお会いして、生のお声を拝聴し、お姿を拝見してこそ、色々を感じ得るわけであります。
どの老師様も味わいというのでしょうか、それぞれの生き様を見せて下さいます。
是非とも、足を運んでいただきたいわけです。
何よりも、私が一番楽しみにしているのですが……。
先日、友人宅で大学時代のゼミ担当教授・松田高志先生による学びの会、分かち合いの会がありました。
この日のテーマは、『私の宗教観~イエスの例え話を手掛かりとして』。
聖書の様々な箇所を知る機会を得ました。そのうちの一つ、マタイ25章「タラントンの譬え」。タラントンは、いわゆるタレント(才能)の語源ですね。
旅に出る主人に、それぞれ力に応じて、5タラントンを預った僕は、それを元手にもう5タラントンを儲け、2タラントンの者は、もう2タラントンを儲け、帰ってきた主人に「よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう」とほめられますが、1タラントンを預り、地中に埋め、大事に保管した僕は、「怠け者の悪い僕だ。この男からタラントンを取り上げ、10タラントン持っている者に与えよ。誰でも持っている人は更に与えられて豊かになるが、もっていない人は持っているものまでも取り上げられる」と叱られ、追放されるお話。
皆さんは、このお話をどうお考えになられますか?
松田先生は、「神から見れば、力に応じて“少しのもの”を預けられたのだから、力一杯やれば必ずやれるのではないか、それどころか、まだまだやれると気づくのではないか、逆に大き過ぎるよう(神から見て僅か)で尻込みするなら、その“僅か”も失ってしまう」と仰っています。
私は、“信”を問われているように思いました。神を信じ、自身を信じる事への欠如についてを諌めているような……。人間の弱さ、もろさをよく突いていますね。
そこで思い出したのは、今度は禅のおはなし。
5月27日の花園大学学長講座にて、八幡の圓福僧堂の政道徳門老師が講演をされましたが、その内容が、『臨済録』-示衆-より、「信」という事についてでした。
「病は不自信の処に在り。菴黴若し自信不及(じしんふぎゅう)ならば、即便(すなわ)ち忙忙地(ぼうぼうじ)に一切の境に徇(したが)って転じ、他(か)の万境に回換(えかん)せられて、自由を得ず。菴黴(なんじ)若し能く念念馳求(ちぐ)の心を歇得(けっとく)せば、便ち祖仏と別ならず。汝は祖仏を識らんと欲得(ほっ)するや。祇だ汝、面前聴法底(ちょうぼうてい)是れなり。学人信不及にして、便ち外に向かって馳求(ちぐ)す。設(たと)い求め得る者も、皆な是れ文字の勝相にして、終にその活祖意(かつそい)を得ず」。
仏教だ禅だと色々学んではその知識を人にひけらかしたり、さもわかったように説いたりするが、一体全体、自分自身がちゃんとそれを信じて飲み込んでいるのか。「良い薬がありますよ、この効用はこうでああで…」と話しているわりに、自分自身はその薬を服用もせず、病んでいたりしないか?!あれがいい、これがいいのでは?!と、結局定まる所を知らず、ウロウロしてはいないか?! という事をお話され、“信”について、聴衆に問われました。
仏教、キリスト教、つきつめれば世界の宗教は結局のところ、同じ事を言っているのでしょうか。
信じる者は、救われる?!
何度かご紹介させていただいておりますが、花園大学歴史博物館と禅文化研究所が共催で、2013年春期企画展「大圓寶鑑國師350年遠諱記念 大仙寺展」を開催中です(6/8まで)。
本日はそれにちなんだ講演会の日です。
おでかけの予定がまだ決まっていない方は、是非ともおこしください。
展示も今週土曜日までですので、本日展示をご覧いただき、講演をお聴きいただくのが、愚道禅師の息吹に触れるには一番かと思います。
◆6月5日(水)本日! 13:00~14:30
「愚道禅師の禅」 河野太通老大師(妙心寺派管長)
*無料
一昨日の12月19日夕刻、花園大学国際禅学科主催で、公開シンポジウム「禅僧がみた震災・原発 ~そしてこれから~」が開催されたました。場所は京都駅近くの「キャンパスプラザ京都」4F・第2講義室。
仕事を終えて駆けつけ、なんとか最初から聴講することができました。会場には約150名ほど来られていたでしょうか。僧侶らしき方も少なくないようです。
司会進行は、自らも何度も東北でのボランティアを経験した吉田叡禮師(花園大学国際禅学科准教授)。
まずは下記の順で三者による講演がありました。
「463のご縁」 大内顕龍師(仙台市・東福寺派光明寺副住職)
「福島から何を学ぶのか? ~私たちの公憤~」田中徳雲(南相馬市・曹洞宗同慶寺住職)
「悲嘆共感相対 ~傾聴ボランティア養成について~」栗原正雄師(臨済宗妙心寺派教学部長)
三者三様のお話で、それぞれに感じたところを記したいところですが、中でも私を含め来場者の大部分の方は、原発から17キロのところにある同慶寺住職、田中徳雲師のお話が、今更ながらに心に突き刺さったのではないでしょうか。
田中師は、震災前より福島原発が近くにあるということから原発に関する勉強会に参加したり、自ら学んだりしていたそうで、原発は原子炉を冷却できなくなったら一番恐いかということを知っていたとのこと。
そんな中、3/11に大地震勃発。地震から3時間後にtwitterで福島原発の電源喪失を知ったときに、即、付近の人たちにも考えられる状況を訴えて、自らも車で妻や小さな子供3人を乗せて西へと避難し、最終的に福井県の永平寺近辺へ逃げたそうです。
しかし、3月末には妻子を福井に残し、また単身で福島に戻り、そこに残っている人たちと活動を共にされはじめました。
メルトダウンした原発の恐さは十二分に知っている。被爆するのは恐い。しかしそこにしか生活の拠点が見出せない人たちと共に生きようとされているのでした。
「今、もし敦賀で原発がメルトダウンしたら、琵琶湖も汚染されますよ。それで京都に住めますか? では京都からどこへ避難しますか?」。
今迄から頭で考えていたわけですが、田中師のお話を聞いて、よりリアリティを帯びてきます。
また、震災以後、マスコミ報道される内容は、20%しか信用できないとおっしゃいます。「ただちに健康に害はありません」。我々も何度も聞かされた言葉ですが、そんなもの大嘘だったのは周知の事実となりました。しかし、その時、実際に福島にいた人たちのことを、遠隔地にいる私たちはどれほど真剣に考えていただろうかと思わずにおられません。
福井県で母一人とその後に生まれた子も含めた4人の幼い子供との別居生活。遠隔地であるために、やがてその生活も危機的状況になったそうです。「このままでは放射能にやられる前にダメになっちゃうよ」という妻の言葉を受けて、近く、福井から妻子を福島に呼び戻されるようです。
この決断も胸を打ちました。なぜ危険な福島に子供達を呼び戻す? しかし、私より遙かに原発のことを良く知っている、何が恐いかをよく知っている田中師が、悩んで悩んで出された結論がこれです。
家族への危険をある程度覚悟してでも、身をもって共生している人たちと生きていく、お寺を護持していく、そういう覚悟が見てとれました。
住職されている同慶寺は、本堂や庭は檀家さんたちの度重なる清掃によって、いくらかはきれいになったようですが、庫裡は、今や3000匹もいるだろうといわれる大量発生した大きな鼠の巣となっていて、住めない状況だそうです。
皆さんにも、できれば福島にきて、同慶寺だけではなく、そのありさまを見て臭いをかいで、その現実を感じて欲しいとのことでした。そこに住んでいる人たちもいるのです。2~3日ほどの滞在では被爆量は身体に問題ないとのことです。
先般、またもや政権交代した日本。誰もが平和に安全に暮らせる国土にしてほしいと心から感じないではいられません。
最後にもう一つ。田中師は、こんなすばらしいアイディアの復興計画があるので、是非皆さんにもしっておいてもらいたいとおっしゃったものがあります。「いのちを守る森の防波堤」です。
去る12月6日午後1時半より、花園大学教堂において、現在開催している「東嶺圓慈展」を記念しての講演会を開催しました。
講演は、丸山 猶計氏(九州国立博物館主任研究員)による「東嶺圓慈墨蹟に流れるもの」というもので、ご自身が書という物に興味を持ちはじめたことから、今のような仕事をするようになったことを踏まえ、東嶺禅師と関係の深い禅僧の書と見比べながら、東嶺墨蹟についてお話を頂きました。
特に、今回の講演会のポスターやパンフレットにあしらわれている「一華開五葉」「結果自然成」の対幅の素晴らしさを強調され、その筆遣いに魅了されたと話されました。
そして、最後に仰った以下のようなお言葉に感銘を受けました。
「赤ん坊は親から体温をいただいて生まれてくる。だから、言葉より前に体温の方が先にあるということ。天上天下唯我独尊ということを言葉として理解してしまうが、その前には体温というものがあって、その体温が言葉になっていく軌跡が筆跡であって墨跡ではなかろうかと考えている。だから、展覧会の会場において書いて有ることがわかれば終わりではなく、墨跡や筆跡に触れるということは、書かれた人の体温をそのまま感じるということで、筆跡の向こう側にある東嶺禅師の皮膚であるとか血液であるとか骨であるとかを観じながら、ずっと見続けていくことが必要なのだ」。
これからの展覧会での楽しみ方が一つ増えた気がしました。