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「蔵書SEARCH」サイト公開のお知らせ

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このたび当研究所の蔵書検索サイト(蔵書SEARCH)を開設しました。

 

蔵書一覧_blog.jpg検索結果画面に、画像のマークがあるものは、蔵書の画像をご覧いただけます。
画面の拡大やページの移動なども可能です。

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常時追加・改善は行っておりますが、未だ十分でない部分もございます。今後、更なる改善をし、質の向上に努めてまいります。

なお、ご利用に際しては、利用規約および資料室の利用についてをお読みになり、適切なご利用をお願いします。

こちらからアクセスしていただけます。どうぞご覧ください。

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「禅文化財COLLECTION」に作品を追加しました。

書画・典籍データベース「禅文化財COLLECTION」に、当研究所が所蔵する作品の中から、新たに関盧山や滴水宜牧の書画等、5点を追加公開しました。

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こちらは新たに公開した「如意図」です。みなさまは「如意」をご存じでしょうか。僧侶の方にはなじみがあるものかもしれませんが、一般的にはご存じでない方も多いのでは・・?

「如意」という言葉には「物事が自分の思うままになること」という意味もありますが、この作品では、僧が読経や説法の時などに手に持つ道具である「如意」が描かれています。本来は孫の手の様に背中を掻く道具で、思いのままに痒い所に届くので、そう呼ばれるようになったそうです。


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続いてはこちら。

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さてこれは何が描かれていると思いますか?

かくいう私も、最初はお掃除ロボットの「ルンバ」にしか見えなかったのですが、この絵が描かれた当時に存在していたら驚きですね!


正解は・・

 

 

 

 



「草座」。


法会などのときに僧や参拝者が座る敷物の一つです。平たく丸く編んで作るもので、古くは真菰(まこも)や藁(わら)などが使われていたようです。
現代の物で例えると、い草の座布団のような見た目に似ているかもしれません。

単純化されて描かれている墨画なので、何が描かれているかが分かるとより一層鑑賞を楽しめますね。

「禅文化財COLLECTION」は、こちらから閲覧できます。ぜひご覧ください。

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「禅文化財COLLECTION」に作品を追加しました。

書画・典籍データベース「禅文化財COLLECTION」に、当研究所が所蔵する作品の中から、新たに誠拙周樗や弘巌玄猊の書画等、5点を追加公開しました。

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「虎渓三笑図」を新たに公開しました。当サイトのトップページの画像にも使用しているものです。ちなみに、この作品は担当が落款を読むのを苦労していました。
「虎渓三笑」は、日本・中国画の画題で、中国の故事を扱ったもので、好画題としてさまざまな画人たちによって絵画化されました。
中国での浄土教の開祖である慧遠法師は来客を送る際、精舎の下の虎渓という谷川のところで足をとめ、そこを渡ることをしない戒律を守っていました。
しかし慧遠法師は、訪れた二人(陶淵明と陸修静)を送る途中、話に夢中になるあまり、気づいたときには虎渓を数百歩出てしまっていて、そのとき三人手を打ち大いに笑ったといいます。
ある物事に熱中するあまり、他のことをすべて忘れてしまうことのたとえとして、現代では四字熟語で使われています。


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猷禅玄達(東海猷禅)の墨梅図も公開しました。
猷禅玄達は、梅画に長じた画僧として知られています。
こちらの作品は、とても力強く勢いのある筆使いが魅力的な作品です。
太く力強い幹と、細く伸びる枝の描き分けが見どころではないでしょうか。

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花園大学歴史博物館にて
「松雲室100年遠諱記念 見性宗般 ―圓福寺・見性寺所蔵遺墨―」展
が開催中ですが(詳細はこちら)、それにちなんで宗般玄芳(見性宗般)の墨蹟も新たに追加しました。
曲がりくねったユーモラスな字に芸術性を感じます。


「禅文化財COLLECTION」は、こちらから閲覧できます。ぜひご覧ください。

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「禅文化財COLLECTION」サイト公開のお知らせ

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この度、2022年5月31日付で「禅文化財COLLECTION」を公開いたしました。禅文化財COLLECTIONは、当研究所が管理・運営するサイトで、禅(臨済宗・黄檗宗)を中心とする作品がご覧いただけます。

公開時点では、当研究所が所蔵する作品 30 点を登録しています。今後は作品や画像を追加し、また著作権・二次利用条件の整備など、利活用の円滑化を進める予定です。よりいっそう内容を充実させていく予定ですので、どうぞよろしくお願いいたします。

こちらからアクセスしていただけます。どうぞご覧ください。

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玉林院の宝物調査

梅雨も明け、いよいよ夏本番。
だんだん日差しも強くなり、木立の陰を渡り歩く毎日です。

さて、私は禅文化研究所のスタッフとして働き始めてまだ2年の見習いですが、
デジタルアーカイブス事業の宝物調査にとても刺激を受けています。

今年の春からは大徳寺の塔頭・玉林院に出向き、調査を行っています。
通常は公開されておらず、中に入れるだけでも貴重な経験でした。
中には緑が美しいお庭と、日差しが気持ちいい立派な縁側がありました。
野鳥もたくさん遊びにきていましたよ。

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そしてなんといっても本堂にある狩野派の襖絵に圧倒されます。
花鳥図や山水図がびっしり。
ここで調査を行えるのかと思うと、わくわくと同時に緊張が走りました。
そう、文化財に囲まれながら、文化財調査をするのです。
調査ではよくあるシチュエーションでしょうが、私はまだ慣れません。
感動する反面、撮影機材を倒してしまったらどうしようとハラハラ。
寿命が縮まりそうな一日でした。


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調査した宝物は、掛け軸が主でした。
中には先生が「これは珍品中の珍品だ!」と感動される書もあり、
私も感慨深く凝視させていただきました。
「もし禅文化研究所のスタッフになっていなければ、一生経験することがないであろう・・」と思う、日々の出張です。

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瓦屋寺(東近江市)の宝物調査

 

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あっという間に12月に入ってしまいました。今年も残すところわずかです。
各地の専門道場では、まさに臘八大摂心のまっただ中。今年はいまのところ温暖であるとはいえ、雲水殺しの異名を取る摂心です。雲衲方が無事円成されますことを祈ります。

さて、ブログ禅もなかなか更新せずにおります。コロナ禍のためデジタルアーカイブスの宝物調査もなかなか進めにくい状況ですが、徐々に再開をしはじめているところです。
先般は滋賀県東近江市にある瓦屋寺(妙心寺派)の継続調査に出向いてきました。

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もう6回目になる今回の調査ですが、個々の箱には入れられず、ながもちにごそっと入れて保管されていた軸物。開いて見ると白隠下のお歴々の力強い墨書が現れたりして、なかなか興味深い調査となりました。
近距離なので毎回、日帰りでの調査なのですが、あと数回の調査が必要なようです。

さて、この瓦屋寺は、古くは聖徳太子がこの境内の土を使って、大阪・四天王寺の瓦10万6千枚以上が焼かれたという言い伝えがあり、この寺名がのこっています。麓では白鳳時代の瓦窯(がよう)の跡も見つかっています。妙心寺下となったのは、松島瑞巌寺の高僧、雲居希膺禅師の法嗣、香山祖桂禅師が再興されてからです。

再興された本堂はの屋根は葦葺きで、経年によりだいぶ劣化しており、現住職が改修するために尽力されているところ。来春から工事が始まり、数年後には遠諱法要が営まれます。その頃には調査もすべて終わり、花園大学歴史博物館で調査結果を報告する展覧会を開催できればと考えています。

またこの瓦屋寺は紅葉の隠れ名所。たくさんの紅葉に彩られる境内は見応えがありますよ。

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瓦屋寺  〒527-0007  滋賀県東近江市建部瓦屋寺町436 ℡0748-22-1065

 

聖徳太子の伝承にちなむ。境内の土を使って、太子が建立した四天王寺大阪市)の瓦10万6千枚以上が作られたのだという。実際は定かではないが、麓では白鳳時代の瓦窯(がよう)の跡も見つかった。

 本堂は江戸時代に再建された。屋根は瓦ではなく、ヨシ葺(ぶ)きだ。琵琶湖のほとりで育つヨシが使われる。

聖徳太子の伝承にちなむ。境内の土を使って、太子が建立した四天王寺大阪市)の瓦10万6千枚以上が作られたのだという。実際は定かではないが、麓では白鳳時代の瓦窯(がよう)の跡も見つかった。

 本堂は江戸時代に再建された。屋根は瓦ではなく、ヨシ葺(ぶ)きだ。琵琶湖のほとりで育つヨシが使われる。

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飯山正受庵へ

 

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正受庵本堂

少し間が空いてしまいました。じつは先週はほぼデスクにいない一週間だったのです。13~15日と長野県飯山市の飯山市美術館で、正受庵の宝物調査に出向いておりました。

来年は白隠慧鶴禅師の師である道鏡慧端禅師(正受老人)の300回忌に正当します。大本山妙心寺の聖澤派では、この遠忌に向けての事業を計画されており、またそれをうけて飯山市でも、正受庵と正受老人の顕彰をする展覧会も計画され、飯山市美術館で開催する予定をされています。そのため、禅文化研究所と花園大学歴史博物館が協力することになり、このたびの悉皆調査ということになった次第です。

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正受庵に祀られる正受老人像

秋深まる飯山の地でしたが、近くを流れる千曲川は先月の台風の爪痕をまだ残していて、河川敷の木々には草木がひっかかり、田んぼは泥で掩われてしまっていました。来年1月発刊の季刊誌『禅文化』にもご寄稿頂いている飯山市教育長の長瀬先生のご自宅も、床上20cmの浸水だったとのことで、被害の大きかったことが伺われました。

それでも、街はいくらか活気を取り戻している様子で、また秋が深まって山々が色とりどりに鮮やかで、美術館で暗くなるまで終日調査を行なっていた我々も、翌朝の新鮮な空気に心を癒されたのでした。

きくと、飯山は、ほとんどが淨土真宗の門徒が多く、臨済宗はこの正受庵だけであると。それでもこの地では正受老人や正受庵に対する畏敬の念が強いことがよく伺われ、門徒であろうとも正受庵は大切にしていきたいという思いが根強くあるのを、ひしひしと感じました。

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正受老人の卵塔「栽松塔」

 

3日間にわたる調査を行ない、100本ほどの墨蹟を調査しましたが、まだ少し墨蹟もあり、また正受老人の書入れされた書籍等も調査できていませんので、さらにもう一度の調査が必要だろうということで現地を後にしてきました。が、これからすぐに雪におおわれてしまう土地ですので、おそらくは雪解けのあとにということになりそうです。

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現在の庫裏と前庭(正受老人ご存命の頃には建物はなく、田んぼや畑だったという)

 

個人的には週初めには、白隠禅師開山の龍澤寺へ、週後半にはその師正受老人の正受庵へという幸せな一週間なのでした。

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南禅寺宝物調査

 

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先週末は、今年度から毎月一度、恒例に伺っている南禅寺のデジタルアーカイブズ事業で調査でした。梅雨明けして夏本番といったお天気です。

調査を行なう宝物庫は除湿器は入っているものの冷暖房が一切ないため、窓のない密室での作業なのです。

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全体図を撮影したり、マクロカメラで細部撮影したり、法量を測ったり材質を調べたりして調書に書き込んでいきます。上の写真でかかっている軸は文化財指定の逸品です。なかなか間近で観られないものだと、調査時間も長くなります。

ただ2時間も発たないうちに脱水状態になっていくので、適宜、水分は取っていますが、それでも休憩を忘れずにいれなければなりません。一歩外に出ると、琵琶湖疎水からの水が流れていて、風も有り、外の方がだいぶ涼しいと感じます。

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水音を聞いているだけでも涼しくなります。ずっとここに座っていたい気持ちになりますが、そうもいかず、調査継続。

ついにスタッフの一人は、冷えピタをおでこに貼り付けてがんばっていました。禅文化研究所の新人スタッフも、慣れない調査ではあるけれども、興味をもってがんばってくれています。

b_2019-07-26-15.07.jpg毎月一度のこの調査。いつまで続けると終われることでしょう。

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飯山正受庵へ

 

b_MG_7276.jpg先般、飯山の正受庵へお邪魔してきました。ちょうど、近畿以西は梅雨明けとなった日で、信州飯山といえども夏の景色でしたが、ヒグラシの声が聞こえるのがいかにも飯山らしく感じました。

来年、白隠禅師の師匠である正受老人道鏡慧端禅師の300年遠諱に正当するのにあわせ、妙心寺の聖澤派にて遠諱委員会が組織され、遠諱事業が計画されております。弊所はそのお手伝いをさせていただくことになっておりますが、その一環として飯山市美術館での正受庵宝物展(仮)も計画されています。そこでその出陳品を選定すべく、正受庵に所蔵される宝物什物の下見に参上したわけです。

ちなみに私は飯山の近くにある野沢温泉や斑尾高原といったところには、過去に度々スキーに行っておりますが、正受庵を訪ねたのは一度きり。それも雪の中を外から拝んだだけで、実際に境内に入ったのは今回が初めてでした。

現在近隣のお寺の若い住職が兼務をされており、2年前の大本山妙心寺の白隠禅師250年遠諱事業で、正受庵の修復もされましたので、一時に比べるとだいぶきれいになったようです。

 

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こちらは正受老人の墓塔である「栽松塔」です。白隠禅師の高弟である東嶺円慈が、正受庵で正受老人の60年遠諱を勤め、報恩感謝のために正受庵の復興をするとともに、この墓塔を建立したのでした。

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白隠禅師が修行中、この正受庵を訪れ正受老人に相見した際に、正受老人からその高慢な心中を見透かされ、大喝されてここで蹴落とされたと言われ、蹴落とし坂と呼ばれています。階段上に細くて眼光鋭い正受老人が、蹴落とした白隠を見下ろしている、そんな様子が浮かんできます。自ら白隠禅師になった気持ちで見上げてしまいました。

そんな恐ろしい話がある正受庵ですが、和尚さんや檀信徒、飯山市美術館などの方々と打ち合わせをさせていただいた、庫裏の一室の縁側廊下を見上げると、こんなことに。

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裸電球のコードを巻いてある部分にツバメが巣を作ったのです。2年ほど前だったようですが、巣がそのままゆりかごのようですね。出入りしやすいようにとずっと窓を開けていたようですよ。正受庵の優しいお話です。

京都から飯山へは、特急サンダーバードで金沢へ、そして北陸新幹線で飯山まで。便利になったものですが、それでも片道4時間かかりました。今度は調査機材を持って車で走ることになりそうです。

それから、こちらの地元飯山高校、ことしの夏の甲子園出場おめでとうございます。健闘をお祈りします。

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中津・自性寺へ

 

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宇佐神宮をあとにして、デジタルアーカイブスの調査出張先である中津市の自性寺様へ向かいました。

予定通り10時着。積んできた調査機材を下ろして新幹線組のスタッフを待ちます。

この自性寺は奥平家の菩提寺でありますが、12代目の住職に提州禅恕(1720-1778)という、白隠慧鶴禅師の法を嗣いだ方がおられます。そしてその法を嗣いだのが13代目住職、海門禅恪(1742-1813)です。のちに八幡の圓福僧堂を開単された方です。

そしてこのお寺には「河童ケンヒキ太郎」の逸話が残っています。人に取り憑いて苦しめていた河童ケンヒキ太郎を、この海門和尚が仏縁によって改心させ、その河童が書いた詫び状が伝わっているのです。以後、この河童は水神のように近くを流れる山国川を護ったということで、境内にある地蔵堂の屋根には、山国川の方向を見ている河童の鬼瓦がありました。

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件の詫び状、写真は控えますが、とても素晴らしい筆書で書かれていました。

さて、3日間に渡る調査をしたのですが、その間、中津駅前のホテルに宿泊していました。私が泊ったのは10階の部屋。朝起きてスクリーンカーテンを開けると、目の前に不思議な光景が。

b_2019-02-14-07.19.jpgとなりのホテルの屋上になにやらおられます。アップでみてみましょう。

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これでもよくわかりませんが、じつはこれ、福沢諭吉先生なのです。
福沢諭吉先生の生家がこの中津にあり、中津藩の旗本として、蘭学者として、そして慶應義塾大学の創設者でもあり知らない人はありませんよね。
遺された有名な言葉が「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」ですが、思いっきり上から目線でした。

自性寺様では3日間で100本以上の書画墨蹟を調査させていただきました。もう一回は訪問する必要がありそうです。

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特別展「画僧月僊(げっせん)」(名古屋市博物館)

 

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今、手許で仕事している円覚寺の誠拙周樗禅師の墨蹟の整理をしているなかで、円山応挙の布袋図に誠拙周樗が賛をしているものがあり、それが名古屋市博物館所蔵なので、館のホームページを見ようとしてたまたま見つけたのが、この特別展「画僧 月僊」です。

デジタルアーカイブスの調査で禅寺を悉皆調査しているときに、時々、でくわすのが「月僊」筆のすばらしい着色墨画。

月僊(げっせん、1741-1809)は名古屋生まれの江戸時代の淨土宗の僧侶。江戸の増上寺で出家した後、桜井雪館(さくらいせっかん、1715-90)に絵を学び、あの円山応挙の影響を強く受けたと云われます。伊勢山田の寂照寺の住職になってからは、描いた絵を売って寺の復興に努めたと聞きます。なんか、二足鞋を履いて寺を維持している我々のようで嬉しくなります。したがって沢山の絵が出回っているのですが、主に京都や伊勢周辺に多いと思われます。

そういえば、デジタルアーカイブズ事業で調査をした、岐阜八百津の大仙寺様に「酔仙図」がありましたし、八幡の圓福寺にも海門禪恪賛の「遭痛棒図」がありました。

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酔仙図(大仙寺蔵)

 

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遭痛棒図(圓福寺蔵)

いずれも繊細なタッチで描かれた絵画でした。

というわけで、もっと観てみたい衝動に駆られ、今週末早速に名古屋まで足を伸ばして展覧会を観に行ってくることにします。皆さんも如何でしょうか。

会期は平成30(2018)年12月15日(土)~平成31(2019)年1月27日(日)となっています。詳しくは特別展「画僧月僊(げっせん)」のWEBサイトをご覧下さい。

 

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滋賀・瓦屋寺にて

 

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一昨日に南禅寺の宝物調査を始めたことを書いたばかりですが、11月14~15日には、滋賀県東近江市の瓦屋寺への宝物調査に、いつもどおり、花園大学歴史博物館の館長以下研究員や、お手伝いいただいている学芸員の方々と出向いていました。

こちらは松島瑞巌寺の雲居希膺禅師の高弟である香山祖桂禅師(賜紫佛海湛然禅師)が開山された、臨済宗妙心寺派の寺院です。すでに2回2日間の調査に来ていますが、今回は2日連続の調査です。
ご覧の通り、このお寺は紅葉の隠れた名所。知っている人は朝からカメラを下げてやってこられています。

この日も、拝観料は取られていませんが写経の申込をされたお二人の女性が朝から来山されていました。お寺のホームページや「じゃらん」でも予約ができるそうです。写経や写仏、坐禅、お香造りの体験ができるようです。

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瓦屋寺の本堂は、登録有形文化財に指定されていて、茅葺き屋根の入母屋造りの立派な本堂ですが、屋根の傷みがすすんでいるので、現在、葺き替えのための勧募中とのことです。

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調査の方も、書画軸を中心にすすめていきましたが、開山禅師の書をはじめ、その師匠である雲居禅師の書もありました。また仏画もあったりと、興味深い調査でした。おそらくあと2~3回は通わなければ終わらないと思われます。

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南禅寺の悉皆調査はじまる

 

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禅文化研究所のデジタルアーカイブス事業で、ここ数年取り組んでいた、浜松市の大本山方広寺、そして八幡市の圓福寺が今年前半に終わったあと、現在、花園大学歴史博物館で開催している「釈宗演展」のための調査や、来春の「誠拙周樗展」(仮称)に向けての調査を行なっていましたが、それらも完了したため、一昨年より依頼を受けていた大本山南禅寺の宝物悉皆調査に、先般よりやっと取りかかることができました。

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紅葉の季節が始まって拝観者もぐっと増え始めている中、南禅寺の宝物収蔵庫に出向いての調査です。この宝物収蔵庫は、きちんと温度管理湿度管理が保たれており、セキュリティも万全。さすがに「五山之上」を誇る南禅寺といった感じです。

書画軸類については、以前から手書きの台帳が完備されていますが、デジタル画像がないのと、もう少し詳しい台帳を作っていきたいというご本山のご意向があり、私達が悉皆調査に入ることになったというわけです。

京都市内にある南禅寺への調査ですから、今後、日帰りでちょくちょく通っていくことになりそうですが、まずは第一回目。
そして一番最初に調査したのは、こちらの「釈迦十六善神図」です。

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国の重要文化財に指定されている本図は鎌倉時代の作。そしてそこには他の十六善神図とは少し異なった珍しいものが描かれているのです。しかしそのことについて考証されたものはあまりみないとのこと。

本図は次の季刊『禅文化』251号(2019.1)の表紙図版として使用させて頂くことになっており、花園大学歴史博物館館長の福島恒徳先生による解説を掲載します。お楽しみに。

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久留米の梅林寺

先頃から、円覚寺の誠拙周樗禅師の遠諱に向けての墨蹟集を制作するために、各地を駆け巡っていることをこのブログでも書いておりますが、先週は、九州は久留米の梅林僧堂まで行って参りました。

blog_梅林寺2018-06-08-10.54.jpg初めて乗る九州新幹線。車両はJR東海の500系と同じですが、車体は薄い水色、車内は2列席が左右に分かれていて、東海道新幹線より通路が広いのですね。東海道新幹線であちこちに行くことが多いので、EX予約というネットで予約してICカードで乗車できるようにしているのですが、九州新幹線は対象外。ネットでは博多までしか予約ができず、久留米までは駅で別途買い足しするという、なんとも不便なことです。狭い日本なのですから、こういったことのインフラももっと進めるべきですね。

梅林寺に伺うのは初めて、もちろん久留米駅に降り立つのは初めてです。梅林寺のある西口にはホントになにもない、いかにも地方の新幹線の駅という感じです。今回は新幹線での出張ですので、ストロボスタンドを長いバッグで手で持ち、カメラやストロボ、ノートパソコンやらをキャリーケースに詰め込んだ大荷物をゴロゴロと引っ張りながらですが、駅から歩いて5分で梅林寺の山門に到着です。

blog_梅林寺2018-06-08-13.39.jpg紫海禅林の扁額が掛る山門をくぐり、庫裏へと向かいますと、右手に禅堂「金剛窟」がありました。

blog梅林寺_2018-06-08-13.41.jpg私が三島の龍澤僧堂に在錫しているとき、梅林僧堂にいた雲水が摂心に参加されたことがありました。参禅の喚鐘がなると、雲水は禅堂から脱兎の如く喚鐘場に走るのですが、彼のその速さといえば、尋常ではなかったことをふと思い出しました。以後、「ロケットダッシュの梅林僧堂」というイメージがあるのですが、今もそうなのでしょうか。

またこちらの梅林僧堂の閑栖老師である東海大光老師には、妙心寺管長をされていたときにDVD禅僧が語る「一筋がよし寒椿」を収録させていただいたことがあります。

blog_梅林寺2018-06-08-13.41.jpg玄関で案内を乞うと、花大出身だという知客さんにお茶を入れていただいたのち、隠寮で現師家の東海大玄老師と相見させていただきました。正式には初対面でしたので、いろいろとお話を伺いました。その間、老師の愛猫が、ずっと私の回りで座ったり寝転んだりしていました。「この猫はお客好きですね」といいましたら、老師曰く、「いや、話を聞いておるのだよ。あとで、あのときこんな話をしておったかな? と聞くと、ニャーと答えるよ」と。さすがです。

その後、誠拙禅師の一行書を一幅撮影させていただき、滞在1時間後には帰路の新幹線車内にいたのでした。

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大用国師生誕の地、伊予へ その2

 

一昨日のブログの続きです。

円覚寺の誠拙禅師の誕生の地のご縁があり、西伊予、南伊予には、禅師の墨蹟を遺している御寺院がいくつかあります。
調査撮影の2日目にはその中の佛海寺さま、大隆さま、そして妙徳寺さまの3カ寺を訪ねました。
この地に遺る誠拙禅師の書をこの眼で観たいからと、大乗寺の河野老師自らもお出向きになりました。

 

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まずこちらは宇和島市の佛海寺様。昭和になってから火災で焼失したということですが、誠拙禅師の書が3幅あり、これらは火災の当時、幸いにも修復に出していたため焼けなかったとのこと。また本堂内にある扁額も禅師の書でしたが、おそらくこれも持ち出されて難を逃れたのであろうかと思われます。

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そして、この佛海寺さまには、このような誠拙周樗禅師(大用国師)を顕彰する碑が建てられていました。大正時代に建てられたもののようです。

この後の行程は、河野老師が自ら我々の道案内を買ってでていただき、先導されるままに続いての大隆寺さまへ。慶長10年に、伊達政宗の長男である伊達秀宗が徳川秀忠よりこの地を拝領し宇和島藩ができたわけですが、その後、この大龍寺を伊達家の菩提寺としたとのこと。
下の写真の右側に少し見えるところは、もともとお殿様のための玄関だったとのことです。伊達秀宗の正室である亀姫の墓所を始め、以後の伊達家の何人かの藩主や一族が祀られているとのこと。
機会があればこのお寺の悉皆調査をしたいと思うのでした。

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写真を取り損ねてしまいましたが、こちらの境内からは、宇和島城も見えました。

そして、同じく宇和島市ではありながら少し南下した津島にある妙徳寺さまへ。妙徳寺様が兼務されている永楽寺所蔵の墨蹟を調査させて頂きました。永楽寺様は誠拙禅師の生誕の地であるのですが、現在工事中で都合が悪く、妙徳寺様にて調査をした次第。

最後に付けたし。
宇和島といえば「じゃこ天」。滞在中の夕食や朝食でもいただきましたが、せっかくだからと思い、老舗を検索。「野中かまぼこ店」がヒットし、お土産に求めてきました。はらんぼという小魚だけを使った、手押してんぷらである「じゃこ天」。帰宅してさっそくほんのり焼いて食べましたが絶品でした。

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宇和島は知る人ぞ知る仏教信仰の篤い土地柄です。じゃこ天以外にも美味しい物もあります。四国でも一番西の端で、関西などからは少し遠いですが、いつかお訪ねになってみてはいかがでしょうか。

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大用国師生誕の地、伊予へ その1

誠拙周樗禅師の来年の遠諱事業である墨蹟集制作にともなう調査撮影のため、はるばる四国は愛媛、それも西予、南予へ機材を積んだ車で行って参りました。京都から片道500kmのロングドライブです。

南予は禅師の生誕の地なので、資料も少なくありませんが、そのうちの厳選書画を五軒のお寺で撮影させていただきました。

blog_2018-05-23-14.17.39.jpg初日一軒目に訪ねたこちらは西予市の光教寺様。耐震補強のため、10年ほどかけて、本堂再建、庫裏などの半解体による基礎補強大工事などを終えられたとのこと。
このあたりの町並みがえらく風情があるのでなにも知らないで尋ねたところ、光教寺のある西予市卯之町は、「重要伝統的建造物群保存地区」だとのこと。従って、お寺もその趣を遺した改修がなされていたのでした。
なので、この本堂、そう新しく見えないのですが、じつは内部はぴっかぴかの新築なのでした。

時間があれば卯之町の街並みを散策してみたいところなのですが、二日間での強行軍のため敢えなく諦めて後にし、続いて、宇和島市の大乗僧堂へ。

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小雨が降っていた事もあり、新緑のもみじや苔が一層美しい境内です。

blog_2018-05-23-14.39.jpg河野徹山老師には禅文化研究所の理事としてもお世話になっております。関東から大乗僧堂に入られた老師ですが、このあたりの歴史にもお詳しく、ご説明を受けながら調査を進めました。撮影のお願いをしていたもの以外の禅師の軸もお出しいただいたので、合わせて撮らせていただいてきました。できることなら大乗僧堂の宝物悉皆調査もさせていただきたいところですが、すでに老師自ら、パソコンなどを駆使して情報を整理中とのこと。もちろん雲水さんたちの勉強にもなり素晴らしいことです。

翌日もあと3軒の調査を残していますが、老師もご同行頂けることになりました。伊予に他にどのような禅師の書画が遺っているかごらんになりたいのだそうです。

続く

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方広寺の宝物調査、最終回

 

blog_MG_1708.jpgついに最終回を迎えました、大本山方広寺での宝物調査(デジタルアーカイブス事業)。
実は最後の調査を3月上旬に予定していたのですが、方広寺派管長・大隠窟大井際断老師が2月末にご遷化されましたので、遠慮申し上げて、4月中旬まで延期していたのでした。

振り返ると、方広寺様への調査は、2015年2月、2016年7月末、2017年2月、2017年8月、そして今回(2018年4月14~15日)の都合5回、のべ13日間になりました。

いつも調査に出向くと、宿坊に泊めていただき、三度の食事をいただき、また夕飯には総長さん達もご一緒されることもあって、般若湯もご用意頂いたりして、楽しく過ごさせて頂きました。ありがたいことでした。

そういえば、同行した学生達が般若湯をいただきすぎて翌日役に立たなくなったことがありました。
最初の調査のころにはまだ工事中だった、新東名高速道路の豊田-引佐間も何回か通う内に開通し、大河ドラマの「直虎」が始まると、比較的静かだった方広寺にもたくさんの拝観者が訪ねられるようにもなりました。台風の中を調査に出向いたこともありましたね。

遠方での調査は泊まりがけになることもあり、いささか、感慨深いものがあります。

さて、調査は終わりましたが、これからこのデータの整理も始めなければなりません。手書きの調書を入力し、撮影した写真も合わせてデジタルアーカイブスとして保存していくのです。その時に使っているのが、弊所で開発販売している、宝物管理システム「禅の至宝」です。ここに入力して最終的には調査対象寺院にも納品させていただきますが、弊所のデジタルアーカイブス構築用のWEB版「禅の至宝」にも登録していくわけです。

ご自坊の宝物什物の情報管理にもお使い頂けますよ。

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所蔵墨蹟の修復

 

blog__BKL5910.jpgこちらは禅文化研究所の資料室にある閉架図書室です。弊所にはこのように、開所以来、少しずつ数を増やしてきた所蔵書画軸があります。弊所の創立五十周年記念に発刊した『禅の至宝 禅文化研究所所蔵品図録』には、それらをすべて網羅しました。
しかしながら、中には、折れがあったり虫損があったりする軸の状態の悪いものがあり、近年、事業の一環としてこれらの修復も順次行なってきています。

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たとえば、上のこの墨蹟、白隠禅師の高弟である霊源慧桃禅師の書「應無所住而生其心」(出典:『金剛経』)ですが、ご覧の通り本紙に折れがあったり軸にシミがあったりします。函も防虫性の高い桐製ではないですし、軸の外側もかなり痛んでいます。

blogDSC04426.jpgそこで、このたびの修復の対象として、表具をしなおし、太巻きにして函も換えるということになりました。同じように修復を行なうものが今回は8本。先般、それらが修復されてきました。

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blog_BKL5905.jpg折れもきれいに修復され、表具や函も一新。またこれで、長い時間、保存していくことが可能になりました。
禅文化研究所で行なっているデジタルアーカイブズ事業で調査させていただくときも、こういった、重要でありながら痛みのひどいものは調書に記し、最終的に所蔵者にもお知らせするようにしています。そうすることによって、徐々にでも所蔵品の修繕をすることができるようになり、ご好評をいただいています。

 

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もうすぐ「圓福寺展」を開催します

 

blog_empukuji_B2.jpg当研究所が花園大学歴史博物館と共同で行なっておりますデジタルアーカイブス事業として、2016年11月26日~2017年12月20日までの足掛け15日間にわたり、圓福寺寺宝の調査を行なって参りました。

このたびその成果発表として、2018年4月3日より、花園大学歴史博物館に於いて、「2018春 圓福寺 ―京都八幡達磨堂 寺宝展」を開催できる運びとなりました。詳しくはこちらをご覧下さい。

圓福寺歴代住持遺墨など寺史関係資料のほか、宗般玄芳老師が帰依をうけた有栖川宮家ゆかりの品々なども展観し、圓福寺の歴史、宗風を概観します。また圓福寺の歴史のなかで育まれた中世から近代にいたる美術作品の優品をご紹介します。

どうぞ、皆様のご来場をお待ちしております。

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蘇山展借用作品の返却

 

blog_2018-02-15-13.28.jpg昨年12月11日から2月3日まで、花園大学歴史博物館で開催していた企画展「蘇山玄喬 ―禅画と墨蹟
徳源寺・円福寺・見性寺所蔵品」
も終了し、多くの方にご来場頂きありがとうございました。

先般、この展覧会のためにお借りしていた作品を返却するために、名古屋の徳源寺にお邪魔しました。

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借用の際にチェックした調書にもとづき、それ以外に破損などがないかをチェックし、元通りの形でお返しすることが目的です。

お邪魔したのは花園大学歴史博物館館長の福島恒徳先生と研究員2名、そして私。日本通運の美術輸送の方2名です。

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調査から、借用、そして展覧会での展示、返却。その間に図録の作成もあり、何度も目にした作品群。これでしばらくお目に掛ることもなくなりますが、深く記憶に残るものばかりです。さて、息をつくまもなく、4月からは「円福寺展」(仮称)を開催します。お楽しみに。

 

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蘇山展 公開講演会

 

blog_BKL3472.jpg昨日(2018.1.18)、花園大学歴史博物館で開催しております「蘇山玄喬展」の公開講演会として、花園大学国際禅学研究所研究員の瀧瀬尚純氏による「蘇山玄喬禅師-その人と行履-」と題したご講演をいただきました。師は日本近世臨済宗についての研究をされています。季刊『禅文化』245号には、「白隠慧鶴と愚堂東寔」と題した一文を寄稿頂いております。

聴衆は約30名でしたが、プロジェクターと詳細なレジュメを用いた講演に聴き入っておられました。

さて、白隠禅師と比べると遥かに知られていない禅僧ではありますが、九州で生まれ、熊本の見性寺住職を務めた後、京都府八幡市の円福僧堂で雲衲を接化し、名古屋市の徳源僧堂の禅堂開単もされた方で、後の臨済宗門に大きな影響を与えました。

実は50年前の季刊『禅文化』46号(昭和42年9月) にて、禅師の100年遠諱を記念して蘇山禅師の特集が組まれています。その時の特集記事は、

蘇山和尚を憶う/松山萬密(当時:徳源僧堂師家)
蘇山和尚と見性寺/西片義保(当時:見性寺住職)
蘇山玄喬の生涯/加藤正俊(当時:禅文化研究所資料室主任)

といったもので、執筆者の方々はもう皆さん鬼籍に入られていますが、今、読み返しても充分な内容です。

このたびの遠諱に合わせて、徳源寺から発刊されました『妙用禅師遺徳集』を、禅文化研究所はデジタルアーカイブス事業を通じて制作させて頂きました。見性寺、多福寺、円福寺、徳源寺に所蔵される書画をすべて掲載しております。
博物館の展覧会も2月3日まで開催しております。是非ご来場をお待ちしています。

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蘇山展 基調講演会のお知らせ

 

絵009_AC_9993.jpg見性寺山作務図
蘇山玄喬自画賛(京都円福寺蔵・後期展)

ただいま、花園大学歴史博物館では、「2017冬企画展「蘇山玄喬 ―禅画と墨蹟」展」(主催・禅文化研究所・花園大学歴史博物館)を開催しています。ちょうど、本日より、後期展示となりましたので、前期展とは展示替えも多いため、前期展にお越しいただいた方も、どうぞ後期展へもご来場下さい。

また、来たる、2018年1月18日(木)13:00~14:30には、花園大学教堂にて、本展覧会の基調講演会として、「蘇山玄喬禅師-その人と行履-」と題して瀧瀬尚純氏(花園大学国際禅学研究所研究員)にご講演をお願いしております。

入場は無料で、先着150名様となっております。

また講演会後に展覧会場にお越し頂くと、学芸員によるギャラリートークを行ないます。江戸時代後期の禅僧、蘇山玄喬禅師の禅画、墨蹟をどうぞお楽しみ下さい。

寒い中ではございますが、どうぞご来場をお待ちしております。

 

 

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蘇山玄喬禅師の禅画墨蹟 その2

本日、平成29年12月11日から花園大学歴史博物館で開催しています「蘇山玄喬 -禅画と墨蹟」展にあわせて、本展に出陳していない禅文化研究所所蔵の蘇山禅師の禅画を紹介します。

先般ご紹介したのは「文殊菩薩像」でしたが、今回ご紹介するのは、

蘇山玄喬自画賛「蛤蜊観音図」(紙本墨画/129.4cm×41.9cm)

です。まずは図版をみていただきましょう。

聴松堂_082b_8A4A5242.jpg白隠禅師の禅画によく観る蛤観音図ですが、今回の展覧会には水月観音図はありますが、蛤観音図はありません。賛文は下記の通りです。

(「擔水売河頭」白文長方印)
應以蛤身可得度者、即現
蛤身而爲説法。
前華園蘇山書(「玄喬沙門」白文方印)(「蘇山」朱文方印)

「観音経普門品」の一節を「蛤に変えて」もじったものです。款記が「前華園蘇山書」とあることから、おそらく見性寺住持の最後の頃から円福寺に住山したころではないかと思われます。

関防印の「擔水売河頭」という白文長方印は、円福寺の調査でも何度も目にしました。

IMG_9054.jpg今回の出展作品の中にもこの関防印が押されている作品もあります。
では、どうぞ花園大学歴史博物館までお運び下さい。

 

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蘇山玄喬禅師の禅画墨蹟

先般お知らせしたとおり、平成29年12月11日より、花園大学歴史博物館にて、企画展「蘇山玄喬-禅画と墨蹟」展を開催します。この展覧会では、名古屋・徳源寺、京都府八幡市円福寺、熊本市・見性寺という蘇山玄喬禅師が住した3寺院の所蔵品を一挙に公開するという展覧会です。

したがって、本展には出品されませんが、禅文化研究所でも3点、蘇山禅師の禅画を所蔵していますので、今回はその中の

蘇山玄喬自画賛「文殊菩薩図」(紙本墨画/94.9cm×29.6cm)

を紹介させて頂きます。

禅文化_014b_8A4A5701_L.jpg画像をクリックすると大きな画像が表示されますが、内容は下記の通りです。

(「不識」白文長方印)
常持常誦者
阿羅波者那
蘇山拜書(「蘇山」朱文円印)(「雲祥山主」白文方印)

ちなみに、仏菩薩図としては、今回の展覧会には「出山釈迦図」「水月観音図」「地蔵菩薩図」が出陳されますが、「文殊菩薩図」はありません。

落款に「雲祥山主」の印が使われていますので、まだ円福寺に入る前、見性寺の住職をされていたころに描かれたものということになります。また、円福寺住持を経て、徳源寺を開創された以後は款記も「特賜神機妙用禅師書」などと書かれているものが多いので、「蘇山拝書」とだけされる款記は若い頃のものに多く、この文殊菩薩図はまだ禅師が40~50歳代に書かれたのだということがわかります。

賛は「常に持し常に誦すは阿羅波者那」と読みます。文殊菩薩の常に持ち誦まれている経巻のことをあらわしています。「阿羅波者那」は通常「阿羅波遮那」と書かれますが、『般若経』に説かれる悉曇の四十二の文字の初めの五文字ですから『般若経』そのものを言っているのでしょう。文殊菩薩は釈迦に代わって般若の「空」を説かれる菩薩なのです。

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蘇山展にむけて徳源僧堂へ

 

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先週金曜日のブログ禅でお知らせしました「蘇山玄喬展」。会期は12月11日からですが、それに先駆けて、去る11月16日に出展いただく書画墨蹟を名古屋の徳源僧堂まで集荷に伺いました。この前日には、まさしく蘇山禅師の150年遠諱法要が当寺で行なわれたわけで、僧俗約200名ほどの参詣者があったとのことです。

住職である妙心寺派管長の嶺興嶽(みね・こうがく)老師は、お忙しい様子で、昨日の内に妙心寺に帰られてしまったとのことで、お手伝いいただいている近隣の会下の和尚さんがご対応いただきました。

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集荷作業の合間を見て、蘇山禅師の塔所「鵞王塔」に拝塔。この鵞王塔は、開山堂の裏側の戸をあけると拝める場所に安置されています。鵞王というのは禅師の別号で、墨蹟に「鵝王老衲」という落款印を使用されている作品もあります。

展覧会のために借用させて頂くのは、徳源寺に蔵される蘇山禅師の書画・墨蹟のすべて計61点で、今回は老師がおられる妙心寺小方丈に置かれているものを除く51点を、徳源寺からお借りします。

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一点一点を一旦吊してみて、その状態を確認する作業を学芸員が行ないます。どこに折れがあるとか、虫食い(虫損)があるとか、そういったことも綿密に調書に書き入れ、その後、いつもお願いしている日本通運京都支店の美術輸送担当者が丁寧に梱包をしてくれます。手前の女性の方は実は花園大学史学科の卒業生。こうやって、美術品に触れる仕事につけているわけですね。

blog2017-11-16-14.57.jpg午後3時過ぎまで作業にかかり、夕刻、無事に花園大学歴史博物館の収蔵庫に搬入できました。

ところで、今回の蘇山禅師150年遠諱を記念した禅師の図録ができあがりました。

詳しくはこちらをご覧ください。特別頒布を行なっております。

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企画展「蘇山玄喬 -禅画と墨蹟」徳源寺・円福寺・見性寺所蔵作品

 

蘇山展ポスター.jpgこの冬、禅文化研究所は、花園大学歴史博物館と共催で、「蘇山玄喬 -禅画と墨蹟」徳源寺・円福寺・見性寺所蔵作品展を開催します。

一昨日(平成29年11月15日)、名古屋・徳源僧堂において、蘇山玄喬禅師(神機妙用禅師・1799~1868)の150年遠諱が勤修されましたが、本展覧会は、この蘇山禅師の150年遠諱を記念し、名古屋・徳源僧堂の全面的ご協力をいただき、由緒寺院である八幡・円福僧堂、そして熊本・見性寺の3ケ寺に所蔵される蘇山禅師の禅画と墨蹟を、弊所が行なっておりますデジタルアーカイブス事業として調査させていただき、花園大学歴史博物館と共同で開催するものです。

蘇山禅師の書画のみを展観する本格的な展覧会は本展が初となります。また、会期中には禅師の行履をお話し頂く記念講演会「蘇山玄喬禅師 -その人と行履-」(講演:瀧瀬尚純氏〔花園大学国際禅学研究所研究員〕)も花園大学教堂にて開催します。講演会についてはこちらもご覧下さい。

 

リーフレットはこちらのパンフレット(pdf)をご覧下さい。

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2018年「禅語こよみ」のご案内

ついこの前、お盆が終わったと思ったのに、もう9月のお彼岸も終わりました。
大学の講義も始まったようで、花園大学内にも活気が戻ってきました。

さて、来年のカレンダーのご案内です。毎年、禅文化研究所から出させていただいている「禅語こよみ」ですが、来年のものは、埼玉県の野火止にある専門道場・平林寺の所蔵品を、以前に弊所のデジタルアーカイブス事業で悉皆調査させていただいたときの成果からピックアップしております。

2018カレンダー-表紙.jpg2018年「禅語こよみ -野火止の平林寺所蔵品より-」

「もう来年の話か、鬼が笑う」とおっしゃるかもしれませんが、毎年、カレンダーは7月には仕上げてしまっています。他の会社でも多くがそうかと思います。

1部500円(税別)ですが、多部数割引きもいたしております。また、100部以上ですと、寺名や社名などの印刷もサービスで対応させていただいています。

毎月の作品の一部をご紹介します。

2018カレンダー-2月.jpg 2018カレンダー-5月.jpg 2018カレンダー-8月.jpg 2018カレンダー-12月.jpg

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またまた円福寺調査

 

blog_2017-08-29-14.44.jpg8月最終の3日間、またまた京都府八幡市の円福僧堂へ、デジタルアーカイブズ事業で調査に出向いて参りました。

研究所から車で1時間でいけるので、毎日通いでの調査ですが、初日は相当に蒸し暑く、機材を運び入れた時点で汗だく。3日間が思いやられるなぁと思うやいなや、今度は、蚊の猛攻。私はどうやらあまり刺されない体質のようですが、研究員女史はすでに何ヶ所も刺されたとか云っています。

2017-08-31-12.01.jpgいつものとおり、書画の調査も行ないましたが、今回は並行して工芸品の調査もありました。

2017-08-31-12.02.jpg見性宗般老師(円福寺第 14世)が有栖川宮威仁親王殿下とご縁があったため、禅寺には珍しい工芸品も時々見受けられました。またチベットなどから持ち帰られた品もあったりして、それらを一つ一つ調査していくのです。

2日目、3日目と日を追うごとに不思議なほど涼しくなってきました。蒸し暑さがなくなり、初日はびっしょり濡れた汗ふきタオルも、3日目にはほとんど使うことがないほど快適でした。

それと以前にも書きましたが、円福寺に調査に寄せて頂いた時は、お昼ご飯を雲水さんに作っていただいて精進料理をご馳走になっています。それがいろいろと工夫をされていて美味しいのです。

今回も3日間、3回の齋座をお世話になりました。毎日炊き込みご飯だったり、野菜を工夫して調理されたおかずなどを出して頂きました。3日目には驚きの料理。それがこちら。

blog_2017-08-31-12.07.jpg赤膳にはのっているものの、ちょっと西洋風。ご飯はケチャップライスで、上には湯葉があしらわれ、ご飯にはどうやら高野豆腐の小さくしたものが交じっていて食感が楽しめます。ポテトコロッケには充分に炒めきったタマネギがトマトとあえてソースとして載せられています。などなど、学生達からも笑みがこぼれるほどのご馳走でした。

円福寺の老師がおっしゃるには、私が以前にこうしてブログに書いたことをご覧頂いて、それを雲水さんたちに伝えられたそうで、それがまた励みになっているようだとのこと。社会と謝絶した世界の雲水さんに、グローバルに発信していることが力となっているという不思議です。

さて9月になりました。このまま涼しくなっていってくれるとありがたいですね。

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今年も夏の方広寺(浜松市)へ

ちょうど、先般の迷走台風第5号が、紀伊半島から京都、滋賀、福井と縦断していく頃、私たちは浜松の臨済宗方広寺派大本山方広寺へ、デジタルアーカイブスの調査に出向く時でした。

夏の甲子園も開会式と初日の試合を一日順延しましたが、2台の車に分乗して浜松へ。名神で向かった一台はどうということなかったのですが、もう一台は別コースで滋賀県の新名神を使って三重県へ入っていくあたりで、猛烈な雨に見舞われ、一旦、サービスエリアに待避するといった情況でした。

ともかく無事に方広寺に到着し、調査対象の宝物を収蔵庫から調査会場に運び込んだ頃から、浜松でも大雨になってきました。

blog_MG_4139.jpgさすがに今日は「直虎ブーム」とはいえ、方広寺に一般のお客さんはほぼ来ておられませんが、我々は黙々と調査を敢行。

blog_MG_4143.jpg毎回、調査に伺うと、本山の部長さん方がご接待いただくのですが、今回はお盆の御用事があるとのこと。仕事を終えた夕方以降は、われわれスタッフだけでご提供頂いた般若湯をたらふくいただいておりました。

2016年の冬から始めた方広寺様の調査は、今回の3日間の調査で都合4回目となりましたが、ようやく目処が立ち、あと一回で終えられそうな様子です。おそらく次は来年の2月。足かけ4年かかりました。現在、書は約180点。絵画は90点。他に工芸も少し調査させて頂きました。
来年1月に発刊予定の季刊誌『禅文化』にて、方広寺様の宝物の中から優品を選定し、グラビアでご紹介できればと思っています。お楽しみに。

さて、明日8月11日から16日まで、禅文化研究所は夏期休業とさせて頂きます。ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

 

 

 

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円福僧堂デジタルアーカイブズ調査

 

blog_2017-06-28-14.26.49.jpgもうすでに何回目になるのかさえもわからなくなりつつありますが、去る水曜日に、八幡市の円福僧堂の宝物調査に出向いてまいリました。

カラ梅雨とはいえ、この日は朝から雨模様。なぜか我々が調査に出るときは雨が多いのです。メンバーの誰かが雨男だという説もありますが。

今回は、円福寺の世代の頂相を中心に軸物の調査をさせていただきましたが、さすがに絵師も有名な人が多く、美しい絵画をたくさん見せていただきました。また慈雲尊者や南天棒老師の書も迫力でした。

 

blog_2017-06-28-14.26.jpgところで、我々の調査チームも弊所と花園大学歴史博物館のスタッフ以外にもお手伝いいただき、さらに国際色豊かにもなってきました。京博に勤務しているアメリカ人女性のR女史。この方は20年くらい前からの知己で、禅文化研究所の宋代禅語録勉強会にも参加されていた方です。日本在住ですが、東洋美術を研究されています。今回、このR女史のご紹介で、京博でボランティアとして協力されているTさんという中国人女性も参加。アメリカのコロンビア大学大学院生で、おまけに研究対象は一山一寧を中心とした絵画と書だそうです。

blog_2017-06-28-14.27.jpgお昼には雲水さんが作って下さった精進料理をいただきます。赤膳にご飯と一汁二菜、僧堂の古漬け付き。今回のご飯は油揚げご飯でした。今夏の典座さんはなかなか料理がお上手で、いつもとても美味しいのです。その時節にあった美味しい食事も、私たちの調査の際の楽しみのひとつでもあります。

頂相や大きな軸物、屏風に扁額、工芸品。まだまだ調査が残っているものがたくさんあります。先は見えているようで、なかなかです。

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デジタルアーカイブス調査「円福寺」

 

0522_1.jpg前回初めて経験した悉皆調査の数日後、円福寺(京都府八幡市)での調査にも同行させていただきました。自分なりの所感を記します。



0522_2.jpg作業場の「伏虎窟御殿」は、円福寺14世・見性宗般老師に帰依された、有栖川宮威仁親王からの下賜という瀟洒な建物です。今回調査の対象となる寺宝は写真の約30点。さて、まずはこの数についてどのような印象を持たれますか?多い、それとも少ない?



0522_3.jpg結論は、少なくないと思います。「撮影」「調書作成」「梱包」――書いてしまえば一言ですが、どの作業も繊細なため、やはり時間がかかりますね。実際は、後半かなりペースアップしても文書類は次回に持ち越しとなりました(掛け物とは異なる設備が必要という理由もあります)。中には触れるのを躊躇してしまうほど、傷みが見られるものもありました。それらの状態も細かく記録。緻密な仕事です。


0522_4.jpg時間を要するという件について更に誤解を恐れず書きますが、なにしろ作品の素性がわからない状態です。もちろん署名と落款があり、箱書、極札、書き付けなども存在するのですが、良い意味でこれらを疑ってもみる。専門家の眼によって情報が付加されていくうち、先ほどまで整理番号のみで認識していた書画が、どんどん個性を持った存在に思えてくるのは不思議な感覚でした。また、個人的なことでは崩し字の読み方(類推方法)が大変勉強になりましたし、さまざまな知識についても、いまの自分の足りなさを嘆くのではなくコツコツ蓄えを増やし良い仕事に繋げたい、と前向きな気持ちに。現場の活気から、良い気をいただけたようです。



0522_5.jpgそもそもこの調査のきっかけは、アーカイブス事業を立ち上げた際、弊所から老師にご相談したところ、ご縁をいただいたものだそう。老師のお話しぶりは穏やかですが、これらの寺宝を後世に伝えていくのだという、強い責任感が伝わってきました。お寺に携わった先人の想いに、作品を通じ今でも触れることができる。素晴らしいことだと思います。これらは物としての価値を持つだけでなく、心の遺産なのだなと。調査はまだまだ続くようですが、次世代に繋がる作業の現場に立ち会え、心に残る一日でした。ありがとうございました。

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デジタルアーカイブス寺宝調査 徳源寺(名古屋)

 

4月22日(土)・23日(日)、デジタルアーカイブス事業の寺宝調査で名古屋・徳源寺様に伺いました。

01.JPG庫裏前の桐の大樹が満開です。建物だけで1000坪あるそうですが、市街地に建つせいか、さらに大きな規模に感じられました。

02.JPG大相撲名古屋場所開催時は、九重部屋の宿所になることでも有名です。この「修古館」に宿泊されるようですね。

03.JPG今回は、創建開山である蘇山玄喬禅師150年遠諱に向けての調査。禅師の書画約60点を集中的に調べていきます。初めて同行した私は、撮影をスムーズに進めるための補助作業をさせていただくことに。調査の流れは書籍や先輩のブログなどで予習していったつもりでしたが、大切なものを扱う現場、見ると聞くとは大違いで、久しく味わっていなかった極度の緊張感に支配されっ放しです。

04.JPG作品の身上書ともいえる「調書」には、情報がどんどん書き込まれていきます。完了した調書には膨大な情報が記されていました。

05.JPG花園大学歴史博物館の福島教授と研究員の皆さま、弊所レギュラー調査スタッフに対し尊敬の念を新たにしつつ、作業に従事する中で思うことや発見?がたくさんありましたが、幸いこの数日後、別の調査にも参加させていただきましたので、次回の投稿でそれらをまとめたいと思います。

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デジタルアーカイブズ事業 大本山方広寺での調査

 

blog__MG_1707.jpg2月22日(水)~24日(金)の三日間、静岡県浜松市にある大本山方広寺へデジタルアーカイブ宝物調査に行って参りました。
現在NHKで放送中の、大河ドラマ「おんな城主直虎」の撮影舞台となった場所でもあります。

調査の内容は、掛け軸の形態、品質、法量、作成された年代を調べ、全体の写真撮影、落款印など、細部にわたる撮影を行なった後、最後に軸先や箱の破損箇所を修復するという流れで作業を行ないます。

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初めて調査のお手伝いをさせていただき、主に法量と宝物の運搬などの軽作業を行ないました。保存の状態によってはかなり傷んだ物もあり、丁重に扱わなければすぐ破れてしまうような軸物もありました。
同行している花園大学歴史博物館の研究員の方々から、「作品をじっくり観察してみると、当時の有様や描き手の思い、様々な時代背景が見えてくる」という説明を受けながら書や絵を考察してみると、感情を込められて描かれた部分やそうでない部分などにも素人目線ながら気付くことができました。
今回は2泊3日の調査でしたが、まだまだ時間がかかるということで、今後の調査にも期待して取り組んでいきたいところです。

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デジタルアーカイブス調査 円福僧堂

 

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禅文化研究所のデジタルアーカイブス事業で、このところ、京都府八幡市の円福僧堂に調査に伺っています。こちらは、日本最古の木造達磨古尊像があることで知られていますが、書画に関しては悉皆調査があったことはないようで、現師家の政道徳門老師にお願いを申し上げたところ、ご快諾いただけたため、今回で2回目の調査に入っているところです。

老師は書画に興味をお持ちのようで、中でも愚堂禅師の書がお好みとのこと。それで以前に弊所が製作をさせていただいた『愚堂東寔遺墨選』は一番よく見ている図録だとおっしゃるほどです。

 

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この円福寺は白隠禅師の高弟の一人である 斯経慧梁禅師が創建開山であるので、白隠下の書画墨蹟が多く、白隠禅師の書画も逸品がみられます。

下は、白隠禅師筆の妙心寺開山関山慧玄禅師の頂相画賛の一部。濃い髭と耳毛が描かれていて、非常にユニークでしょう。

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まだしばらくかかりそうですが、調査完了の暁には、是非、円福寺所蔵品特別展を開催させていただこうと思っていますので、どうぞお楽しみに。

ところで、この日、調査に訪ねたとき、山門前の大きな銀杏の木に雲水さん達が梯子を掛けてよじ登り、なにやら作業をしているのです。見ると大量の大根を枝に掛けて干しているのです。

 

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私の出身僧堂でもこの時期に大根鉢があり、檀家さんや信者さんから大根をいただきに托鉢をしましたが、それをこうやって木に掛けて干すのは初めてみました。クリスマスツリーならぬ「大根ツリー」です。
珍しい光景なので今年はテレビ局も取材に来るとか。調査を終わって帰り際には、大根も干されて雲水さん達はすこしのんびりとたき火の様子。怪我もなく無事に終わってよかったですね。お疲れ様でした。

 

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夏の方広寺(浜松市)へ

 

20160802-1.jpg先般、臨済宗方広寺派の本山である浜松の方広寺へ、禅文化研究所デジタルアーカイブス事業の悉皆調査に出向いてきました。

方広寺様へは今回で2回目の調査となります。1回目は2月上旬に1泊2日で、今回は2泊3日。さらに今回は、花園大学歴史博物館のスタッフのほかに、弊所の事業に興味をもっていただいた他所の学芸員の方や大学院生も含め、総勢10名での調査となりました。

京都方面からは東名高速豊田ジャンクションから、新しく開通した新東名を通っていくことによって、だいぶ時間短縮となり、便利になりましたよ。方広寺の方に聞くと、やはりその効果で名古屋方面からの参詣者が増えたとの事でした。

方広寺は明治14年に山林大火に遭い、大部分の伽藍を焼失してしまわれました。しかしながら、開山円明大師の御墓所と七尊菩薩堂、開山本像、そして半僧坊真殿が焼け残ったとのこと。その後の復興にあの山岡鉄舟居士が盡力されたようで、鉄舟居士の墨蹟なども何点もあります。上の写真にある本堂正面の扁額の文字も鉄舟居士によるものです。

※ちなみに、今回も調査に同行してくれている花園大学歴史博物館の学芸員・志水一行氏には、本年度の第5回サンガセミナー「掛け軸の扱い方講座」の講師を勤めていただきます。日頃の掛け軸の扱い方に間違いがなかったかチェックするのにいい機会では?

そしてまた、方広寺といえば山内に五百羅漢石像が安置されています。夏の蝉時雨のなか、佇む羅漢さん達をご紹介します。

20160802-3.jpg20160802-5.jpg20160802-2.jpg方広寺では、坐禅や写経の体験などを日帰りや一泊でさせていただけるプランも用意されています。8月21日には夏期講座も開かれるようです。羅漢さんたちに会いにお出かけになって、少し体験もしてみるというのは如何でしょう。

 

【禅文化研究所から夏期休業のおしらせ】
誠に勝手ながら、下記の期間を夏期休業とさせていただきます。
ご不便をお掛け致しますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。

【休業期間】2016年8月11日(木) ~ 2016年8月16日(火)

※書籍のご注文は、8月9日(火)の午前中までにいただきましたら、9日中に発送させていただきます。それ以降のご注文につきましては、17日(水)以降、順に発送させていただきます。

 

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麟祥院展 展観品返却

 

IMAG3442_1.jpg梅雨の合間の晴天で、富士の頭が雲から突き出ておりました。

昨日、東京麟祥院まで出張して参りました。タイトルの通り、この春に花園大学歴史博物館で展観していた「湯島麟祥院 -春日局と峨山慈棹-展」に借用させていただいていた、ご所蔵品の返却です。

 

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学芸員1名は、返却の日本通運の美術品輸送専用トラックに同乗して前日より東京入り。ほかに博物館館長と禅文化研究所職員である私が当日に出向き、麟祥院様の書院で開封。一点一点、かり出した時と同じ状態であるかをチェックしていきます。

無事にすべて問題の無いことをご住職に報告し、収蔵庫へも運び入れました。

思えば、昨年3月に2回、8月と9月に1回の計4回のべ13日にわたり、悉皆調査をさせていただいた、この湯島麟祥院。
どこの場合でもそうですが、貴重な絵画墨蹟を手に取り、直に向き合っての調査は、本当に有益な体験です。麟祥院様にも、ご許可いただいたことに感謝申し上げる次第です。

IMAG3444_1.jpg禅文化研究所では、こういったデジタルアーカイブズ事業を、今後も続けて参ります。

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2016春 湯島麟祥院  ―春日局と峨山慈棹―展

皆さまおはようございます。
本日は、花園大学歴史博物館と禅文化研究所での共催、4月2日より開催致します「2016春 湯島麟祥院 ―春日局と峨山慈棹(がさん・じとう)―展」のご案内です。

何度かご紹介させていただいておりますが、禅文化研究所では、花園大学の調査チームと共に、寺院の宝物調査をさせていただいております。
さらにその後、このように結果報告といたしまして、花園大学歴史博物館にて展覧会ならびに展示にちなんだ講演会を開催し図録を作成、さらにデジタルアーカイブス事業も展開しております。
*禅文化研究所デジタルアーカイブス事業


160323.jpg今回は東京は湯島の麟祥院。春日局の菩提寺です。
ちょうど昨年の今頃から4回、13日間にわたり調査に入らせていただきました。

私どもとしましても、ご寺院の貴重な宝物に出会える瞬間は大変喜ばしい事で、お仕事ながら楽しませていただいております。
麟祥院さんには様々な種類の椿の垣根があり、それも私にとりましては、休憩時間の楽しみでした。

160323-2.jpg今回出展されますそのほとんどが未紹介作品。東京大空襲の災禍をくぐりぬけた宝物たちです。調査をしていても、歓声があがる事しばしば。是非皆様にもご覧に入れたい作品ばかりです。

期間中のお運びをお待ち申し上げております。宜しくお願い致します。

展覧会情報についてはこちら
講演会情報についてはこちら



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山口常栄寺・洞春寺へ

宝物調査、デジタルアーカイブス事業の打ち合わせで、山口市にある常栄寺(臨済宗東福寺派)にお伺いしました。
新幹線の京都から2時間余り、新山口で降りて、県庁所在地のある駅へ向かうにしては、情緒のありすぎる2両編成のディーゼル列車に揺られ山口駅へ。新幹線など、すべてICカードでタッチして改札を通過してきたのに、結果、山口駅では自動改札はなく、現金で240円をお支払い。ゆったりと時間が流れている気さえしました。

20141117-joei_1.jpg常栄寺は、毛利元就が開基である名刹。立派な伽藍もあり、僧堂もそなえる專門道場ですが、残念なことに今は休単中で雲水はおられません。しかし雪舟の庭として知られる庭園(国の史跡名勝)が方丈裏にあり、拝観者が後をたたず訪れています。

もともとは広島県の安芸にあったのですが、大内盛見の菩提寺である国清寺など複数のお寺と合寺された経緯も有り、以下に記す洞春寺に移され、のちに元就の息子である隆元の夫人の菩提寺である妙寿寺があった現在の地に移されたという遍歴をもつとのこと。

20141117-joei_2.jpg数年前にこの常栄寺に晋山された今井宏泉老師とお話をし、宝物の悉皆調査の依頼を受けました。弊所のデジタルアーカイブス事業にもご協力を頂けるということで、いずれ、デジタルアーカイブス「禅の至宝」に登録させていただくことになりそうです。

その後、タクシーで数分の洞春寺へ。

ここのご住職も先だって晋山式を終えられたばかりの新命和尚ですが、以前より面識があり親しくさせていただいることもあり、また常栄寺と関係のある古いお寺でもありますので、宝物管理に関するお話をさせていただこうかと思い参りました。そういえば以前訪ねた時のことをこのブログで書いておりました

さて、知る人ぞ知るですが、この洞春寺には、「マル住職」と名付けられた紀州犬がおります。そして、この張り紙!

20141117_tohsyun_1.jpg私が玄関に近づいていくと、吠えられはしませんでしたが。そろりと近づいてきて、ブルブルッと身体を震わせて「なにもんじゃい」と言わんばかり。ただ、幸いなことに坊主頭には噛みつくことはないそうです。

それに、昼間は危険性がないと判断し吠えなくても、朝夕、陽が低いときには吠えるとか。なかなかの番犬です。

そしてもう一つ、洞春寺には珍しい物が。玄関の真上にステンドグラスがあるのです。

20141117_tohsyun_2.jpg常栄寺は通常拝観(拝観料必要)されております。また洞春寺には重要文化財の山門と観音堂もあり、自由に拝観できます。どうぞお近くにお越しの際には、お立ち寄りいただきますよう。ただし有髪の方は「マル住職」にご注意あれ。

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「心頭滅却自涼火」 甲斐恵林寺展はじまる

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こちらのブログで集荷の様子を書きましたが、「心頭滅却自涼火―甲斐の名刹恵林寺の至宝」展、花園大学歴史博物館にて展観が始まっております。

一度は御来館になった方はご存じでしょうが、小さな博物館。2つの展示場に所狭しと恵林寺の至宝がならんでいます。

恵林寺と言えば、武田信玄、武田信玄と言えば、お不動尊。下の写真の左端は、お不動尊の板木。中央はそれを刷って着色したものです。

ほかにも鎧不動など、ちょっと珍しいお不動尊も展観されています。

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もちろん、快川国師をはじめとする禅僧の貴重な書画もあります。

ちょうど今年、没後300年を迎える柳沢吉保公とも縁のある恵林寺ですので、柳沢一族の書画も残されています。

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本展覧会は入場料は無料です。ゆっくりと心ゆくまでご覧下さい。

会期中に行なわれる2回の講演会にあわせてお越しになると、講演会後のギャラリトークも聞いて頂けます。

ちなみに、柳沢吉保公の没後三百年を記念したこんな展覧会が埼玉県でもあるようですよ。

没後300年記念「柳沢吉保とその時代―柳沢文庫伝来の品々を中心に―」
川越市立美術館
会期:10月18日(土)~12月1日(月)

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「滅却心頭火自涼 -甲斐の名刹 恵林寺の至宝-」 集荷の様子

20140912-1.jpg禅文化研究所のホームページの方で既にお知らせしていますが、この秋の特別展として、「滅却心頭火自涼 -甲斐の名刹◆恵林寺の至宝-」を、花園大学歴史博物館で開催します。

来月からの会期ではありますが、今月末には恵林寺様の新命住職晋山式がありますので、少し早めではありますが、恵林寺へ出展作品の集荷に出向いて参りました。

運送するのは、日本通運の美術品専用輸送車と専門スタッフです。大切な宝物をお預かりするため万全を期しています。

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恵林寺の境内には、「信玄公宝物館」があり、恵林寺蔵の多くの宝物を寄託保存されていますが、今回の集荷にあわせて、事前に恵林寺に一時返却をしていただき、すべての集荷作業は恵林寺の書院にて行なわさせていただきました。

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まずは、一本一本、軸物を吊して、状態を確認し、折れや虫食いの場所などを集荷調書に記載していきます。このチェックには古いものほど時間がかかります。

20140912-4.jpg集荷のための調査を終えたものを、日通の美術スタッフが順次、丁寧に梱包していきます。軸物の箱がきちんと入ってしまうように、とても大きな軸の場合には、それに合わせた段ボール箱をその場で作ってしまうところは、さすが専門スタッフの熟練の技術です。

20140912-5.jpg朝からかかって丸一日を費やして、約70作品の梱包が完了しました。すべて完了すると、こういう形になります。これを翌朝、トラックに積み込んで一路京都へ、という段取りですすみました。

20140912-6.jpg恵林寺の文化財がまとまって寺外にて公開されるのは、今回が初のことだと聞いております。是非、「滅却心頭火自涼 -甲斐の名刹 恵林寺の至宝-」へおいでください。

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禅の至宝 デジタルアーカイブス

 

140908-1.jpg禅文化研究所が今年創立50周年を迎えていることを記念して、この春に特別展、「不立文字展 -禅の書画と典籍・六〇〇年-」という禅文化研究所所蔵品展を、花園大学歴史博物館で開催しました。
この会期中にはとうてい間に合いませんでしたが、来たる10月10日に催す、禅文化研究所創立50周年記念式典に向けて、『禅の至宝 -禅文化研究所所蔵品図録』を編集制作しており、先日、ようやく印刷会社に出稿ができた次第です。あとは出来上がりを待つのみ。来月には、内容のご紹介などしたいと思います。

さて、この図録を制作することになったのは、もともと、禅文化研究所が現在行なっている「禅の至宝 デジタルアーカイブス」事業にあります。臨済宗黄檗宗の寺院で所蔵される書画・墨跡・什物を、デジタル情報としてデータベース化していくものです。
昨年秋に、岐阜県八百津の大仙寺様の所蔵品展「大仙寺展」を開催したのも、この事業による成果でありました。花園大学歴史博物館とともに2回にわたる悉皆調査を行ない、デジタルカメラで撮影したものと、書誌情報を登録していき、その中からピックアップしたものを展覧会に展観したわけです。

140908-2.jpgそして、大仙寺様所蔵の全点のデータの整理がようやく整い、先頃、大仙寺様を訪ねて、ご使用のパソコンに弊所が開発した宝物管理システム「禅の至宝」(正式には未リリース)をセットアップし、データベースを登録させていただきましたところです。

くわえて、このデータをオンライン版の「禅の至宝」にも登録し、またその中からご許可いただける物をwebサイトにて公開していくことをご了解いただけないかと、大仙寺のご住職にもちかけたところ、ご快諾をいただきました。現在進行中の甲斐の恵林寺様のデータベースもあらかじめこのご許可をいただいていますし、もちろん、禅文化研究所の所蔵品に関しても公開する予定でおります。こうして、少しずつでも公開できる宝物が増えていくことになり、ひいては、禅文化にご興味のある方々に、インターネット上でバーチャル美術館として観ていただけるようになることを、これからの目標においているところです。どうぞお楽しみに。

 

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