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『Canta! Timor』  -職員オススメ映画-

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東ティモール。
“敵”ということばを持たない人たちの住む国。
“敵”。あえて言うなら、「今は違う方向を向いている者」。
インドネシアの人々に対して、怒りは無い。あるのはただ悲しみのみ。

かねてより必ずや拝見したいと思っていた、東ティモールがインドネシアより独立する、その軌跡を辿った映画、『Canta! Timor』を観る機会を得ました。
恥ずかしながら、日本のインドネシアへの援助が、武器を購入する大きな後ろ盾となり、東ティモールの人々の多くの命を奪っていた事実を初めて知りました。

様々な思惑が働き、真実を知る事が困難になっているこの世の中で、情報を得る際にはどのようなソースに頼るのか、そして、何を選択して生きてゆくのか、震災後ずっと問われ続けている気がしますが、また強くその問題が自身に迫ってきたように感じました。

花園大学の学長講座にて、恵林寺副住職の、古川周賢老師が、

「歴史は繰り返す」と言いますが、似たような事象が起きるというだけで、全く同じ歴史は決して繰り返しませんよ、そこを履き違えてはならない。世界はどんどん悪くなっているんです。住めなくなるかもしれない地球へと進んでいるんですよ。同じ状態ではない。ことばに騙されてはならない。

というような事を仰っていたのを思い出しました。
大切なことを伝えてくれている人たちの想いや努力を、無下にはできないと思いました。


「僕らが間違ったことをすれば、大地はちゃんと知っている」。

映画の詳しい情報、上映スケジュールはこちらから。

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季刊『禅文化』228号発刊

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季刊『禅文化』228号が発行されました。
今号は「大本山建長寺」の大特集となっております。

今年は、大本山建長寺開基・北条時頼公の七百五十年諱に正当し、明年には開山・蘭渓道隆禅師の生誕八百年を迎えます。
そんなわけで、日本禅の発祥地と言われる鎌倉の大本山・建長寺に焦点を当て、特集を組ませていただきました。

大特集巻頭では、建長寺派管長・吉田正道(栢樹庵)老師のお話を掲載させていただきました。「寺は敷居を高くしてはいけない」というお考えのもとに、より開かれた寺をめざして、全山挙げて取り組んでおられるご様子などお伺いしました。また祖師方への深い思いも語ってくださいました。「開山様に感謝しなくてはならんですな。あれだけ厳しい人がいらして、今日我々児孫はこんないいかげんなことをして暮らしておるのですから、今なんとかやれておるのは祖師の余徳です。私らの師匠の益州老師も辛抱辛抱で来た人ですから、私らはそのおかげなんです。自分がついた師匠というのもまさしく祖師なんです」。

また、宗務総長の高井正俊師は、28年携わられた宗務行政の立場から「建長寺(派)の現況」「種々の改革」「教化・布教活動」「開かれた寺づくり」について具体的にお書きいただき、派を超えて、諸宗教とも手を取り合って禅の布教を目指しておられる活動についてもお伝えいただきました。

内容は以下のとおりです。特集以外にも興味深い記事が満載ですので、どうぞお手にとってごらんいただきますようお願いいたします。

特集  大本山建長寺 開基・北条時頼公七百五十年諱記念
より開かれた寺に 吉田正道(栢樹庵)老師に聴く
アジアのなかの建長寺/榎本 渉
蘭渓道隆の来日と永平寺道元/佐藤 秀孝
北条時頼と蘭渓道隆/高橋慎一朗
建長寺で出版された禅の書物/高橋 秀榮
蘭渓道隆と建長寺の清規/舘 隆志
グラビア 大本山建長寺宝物(解説 浅見龍介/高橋真作)
蘭渓道隆墨蹟「法語・規則」(建長寺蔵)/丸山 猶計
建長寺開山・蘭溪道隆和尚ゆかりの寺院について/鈴木 佐
建長寺と地蔵・観音信仰/三浦 浩樹

蜀を想う/彭丹
大香合献納-鎌倉彫 三橋鎌嶺-/川辺 紀子
建長寺と私/高井 正俊

ひとくち法話 無常について/横田 南嶺
和尚さんの身体講座 (三十八)/樺島 勝徳
睡猫庵歌話 (一)―窪田空穂の参禅と短歌―/大下 一真
禅における心身について (一)/佐々木奘堂
「倭椹」を求む/山﨑 紹耕
寺庭さんのリレー・エッセイ-四季を楽しむ茶室 東慶寺の寒雲亭/井上米輝子
平成見聞録 (四)/松山 大耕
長岡禅塾物語 (七)柴庵閑話/北野 大雲
表紙解説/浅見 龍介 等

詳しくはこちらからどうぞ。

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四頭茶会 於:京都・建仁寺

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皆様こんにちは。
思った以上にメンテナンスに時間がかかってしまい、忘れられてはいないかと心配になるほどでした。ご迷惑をおかけ致しました。
今後ともどうかブログ禅を宜しくお願い申し上げます。

さて、私事ですが、二十日土曜日に、建仁寺さんへお邪魔して参りました。
開山栄西禅師のご生誕慶讃法会・四頭茶会(よつがしらちゃかい)にお邪魔する為です。
少しばかり寒い一日でしたが、お天気にも恵まれ、東山の新緑も美しく、表千家・裏千家・煎茶席の亭主の御心入れもすばらしく、楽しい学びの一日となりました。

いただきましたパンフレットより、四頭茶会をご説明させていただきますと……

【四頭茶会とはどんなものか】

四人の正客に準じて相伴客がお茶をいただく、広間での作法と思えばだいたい近いようです。お点前と菓子のお運びなどは、四人の寺僧によって行い、その役名を供給(くきゅう)といいます。正客と相伴客がそれぞれの所定の位置につくと、侍香(じこう)という役の僧が入堂、正面ご開山の画像の前で一香を献じ、中央卓前へ退いて、左右両手で一度ずつ焼香して、席を清めます。供給の僧は縁高に入った菓子と、お茶が入れられた天目茶碗とを運び終われば、各々の客の前でお点前を行います。正客の前では胡跪(左たて膝の姿勢)、相伴客の前では立ったままで点前します。

【由来】
中国の宋・元の時代、比較的大きな禅宗寺院で行われたもので、鎌倉時代に日本へ禅が伝えられると流行し、室町桃山時代以降、さかんに用いられた作法です。禅宗寺院内の修道行事、法式、作法等を規定した清規(規則)に従うものです。

決められた型・作法どおりの動きとは、なんとも美しいもので、拝見しているこちらの背筋も正されるよう。
日々の茶の湯の稽古においても型を習っているわけですが、そこがまずできるようになってこそ、心も入ろうというもの。ここで学ばせていただいた空気を、自身の稽古にも生かしたいと思いました。

今年はなにやら10月にも大茶会があるのだとか。楽しみですね。
その前に、5月8日より始まる、「細川護熙 襖絵と屏風の世界」にもお邪魔しなくてはなりませんね。皆様も是非。

臨黄ネットの、栞いろは歌の栞に、四頭茶会の写真がありますのでご紹介しておきます。
日々是好日

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白い象のタクシー




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HPよりお写真拝借しました

京都にも色々なタクシー会社があります。
有名なのは、ヤサカグループのタクシー・四つ葉のクローバー車両。
"見かけたら幸運が訪れる!"と、ひとたび道路を走れば皆の携帯(カメラ)がその車を追いかけます。

四つ葉のクローバーも良いのですが、私が最近気になっていたのが、よくみかけるようになった、"白い象さんのタクシー"です。
"白い象"ですよ皆さん。こちらのタクシーのマークは全てが白い象なわけです。何千車に数台というわけではなく、もれなくどの車両も白い象。......しつこいですね。


『方広大荘厳経』などの説によると、摩耶夫人が、六本の牙をもつ白象が胎内に入る夢をみてシッダールタ(お釈迦様)を身ごもったとされ、吉祥の兆しでもあり、おめでたいものなのです。個人的には、白い象のタクシーの方が有り難いと思えてなりません。

先日ちょうどこのタクシーに乗る機会がありましたので、運転手さんに「社長さんは熱心な仏教徒ですか?」とお尋ねしてみましたところ、それはわからないとの事でしたが、何せ象がお好きならしく、色々な象の置物を集めておられるのだとか。かなり興味深いですね。

「象の大きな広い背中にのるような安心感をお客様に」。洛東タクシーさんでした(念の為、回し者ではありません・禅文化研究所とも何ら関係ありません)。

コーヒーフレッシュやシロップなどを製造されている、"スジャータ めいらくグループ"さんの"スジャータ"も、お釈迦様の苦行後に、乳粥を施した女性、あのスジャータからきているようです。
仏教に関係する名前の会社や会社のシンボルマーク、まだまだ探せそうですね。


*ブログ禅 サーバーメンテナンスの為、来週の22日月曜日・23日火曜日の記事はおやすみさせていただきます。24日水曜日より再開致しますので、ご高覧のほど、宜しくお願い致します。

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『野菜料理の365日 ~しばにさんちの台所~』宮本しばに -職員おすすめ本-




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先日は普茶料理の本をご紹介しました。
精進料理でも、臨済宗と黄檗宗では違いますし、色々あるわけですが、今回は私の友人の野菜料理のみのレシピ本をご紹介させてください。

『野菜料理の365日 ~しばにさんちの食卓~』 宮本しばに

野菜のみのお料理。なんとなく頼りないように思われるかもしれませんが、物足りなさなど微塵も感じさせないパンチのあるおかずや、肉魚が無くてもコクのある味が、彼女のセンスにより引き出されているレシピです。
お料理下手の私でも、とびきり美味しい物が作れるのです。

また、嬉しく楽しいのが、ほとんどがお家にある調味料で作る事ができる上に、彼女が旅してきた世界各国のお料理のエッセンスが随処にちりばめられている事。
シンガポール焼きそばを作れば、シンガポールのフードコートの雑踏を思い出し、パッタイ(タイ風焼きそば)をいただくと意識はタイの屋台へ。お料理から、旅の残像を思い起こして楽しんでいます。

一つのレシピを完成させるまでに、何度も何度も思考と実践を重ね、綿密に分量も考える彼女の姿勢、料理との向き合い方を、美しいなと思っています。

ベジタリアンの方のみならず多くの方に、ご紹介&お勧めしたい一冊です。

しばにのキッチン・ラボ

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土樂窯の土鍋で作ったパッタイ
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友人の黄檗宗寺院、本堂再建のお話

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私の高校時代からの親友に黄檗宗僧侶がいます。
近江八幡市にある岩倉山という小高い山の中腹にあるお寺で、若い頃、3日とおかず夜な夜な遊びに通っていました。麓からのわびた石段を登っていくと、途中で左に折れる角に灯籠がありましたがもちろん灯っているわけでもなく、街灯もない真っ暗の参道で、少々薄気味悪い気持ちで登り降りしていたものでした。
近年、先住職であった父を亡くされ、住職となった彼は車で登れる参道を設備したのでぐっと便利になり、また景色がいいものの使いにくかった庫裡を改築してきました。
檀家さんからの寄附もありましょうがその数15軒、彼の高校教師としての収入をかなり投じての改築だったろうと推測されます。
また、古びた本堂もあり、かなり傷んでいたような記憶がありますが、私は入ったことはなかったように思います。このたびその本堂が再建されたのです。
3年ほど前から、本堂を建て直すことにしたと聞いていて、大変なことをやる気になったなぁと思ったものです。

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木材はこの山から切り出されたもので、内部は黄檗宗らしく甎(しきがわら)の本堂です。檀家さんでもある年配の大工さんが、ほとんどの仕事を一人でコツコツと仕上げていかれた様子。もちろん檀家さんたちも財政面はもちろんのこと、実労働としても協力されたように聞きます。おかげで、一般的な経費よりはるかに安く建てられたとのこと。

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岩倉山というだけあって、昔はよく石の切り出しが行なわれていたらしく、ここで切り出した石で石塔を作り、かの有名な日野の石塔寺に運んでいったとか。山中には沢山の地蔵さんが点在していたとのことで、それをこの工事に合わせて一ヶ所に集めてきて供養することにしたそうです。落慶法要が近いというので、些少ながら御祝を持って参じたところ、できれば早く退職してしまって、せっかく立派になったこのお寺に参詣客を増やすように努め、普茶料理を作ってお出しするとかしてみたいという、これまた驚きのこれからの人生の意志表明も聞きました。

住職であるこの友人は坊主臭さがない男で、友情に免じてもらって失礼ながらいうと、本堂を建て直すなどという大事業をやる気概があるなんて思ってもみなかったのですが、改めてその宗盟心にあっぱれと驚くばかりです。

昨今、寺院の世襲制を批難されるむきもありますが、肉山寺院とはちがい、田舎のこういう小規模寺院では、世襲した住職自らが副業をもって収入を得、その身銭を切って護持運営、復興していくしかないという実情があることも知って頂ければと思います。

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しむらの色 -細見美術館-




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細見美術館にて、志村ふくみさん・志村洋子さん母娘の展覧会が開催中です(5/6まで)。
染色・織にとどまらず、その随筆の素晴らしさでも知られるところの志村ふくみさんと言えば、もう説明もいらないかと思いますが、紬織における重要無形文化財保持者(人間国宝)です。
洋子さんは御存知お嬢さん。母娘作歴30年の記念すべき展観とのことでした。

自然より、染めの材料となる草木をいただき、糸を染め、織る。
人間の思い通りとはゆかない自然とともにある日々。日本の信仰の根底にあるものを彼女の仕事や文章に観る事ができる気がして、昔から事あるごとにページをめくっては、語られている事全てにハッとしつつ、ドキドキしながら読んだものです。
いまだに、琵琶湖岸で夕焼けを眺めると、「志村先生がこの色を着物に写されたのだなぁ……」と毎度同じ事を思い出します。

今回の展観で、ひときわ惹かれてやまない着物がありましたが、それは志村ふくみさんのお母様の作品でした。志村先生の原点をそこに観たように思いました。

今後、後進を育てるべく新たな事にも挑戦してゆかれる模様。楽しみです。

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散りゆく桜




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1週間前の休日の事ですが、このような桜を拝んでおりました。
本当に今年は咲き始めるのも散るのも、早かったですね。
散りゆく桜を惜しまず、そこに心とどめず、今は今を楽しもうと思ったのでした。

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我々の方の問題




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禅文化研究所の職員でもある私(在家)ですが、臨済宗黄檗宗連合各派合議所の職員でもあります。
昨日は、臨済宗黄檗宗各派本山の宗務総長の集まる会議でした。

このような職場で働いているのですから当然かと言えば当然ですが、禅宗寺院や禅宗のお坊さんが大好きなわけで、この日も皆様の御様子を色々と眺めておりました(こわいですね……)。

茶を喫する時には、まるで茶と一体になっているかのように向かい合い、しみじみと味わっていらっしゃる御様子にハッとし(私はお茶を習っていますが、お茶を喫する時、そこまでお茶に向かい合っているでしょうか……)、斎座の時の動きが無駄なくキビキビと美しく心地良かったり、ちょっとウィットに飛んだ会話をしてみてオチャメだったり、お辞儀が果てしなく丁寧で美しかったり……と、15本山の総長方には、いつもご一緒させていただくだけで、これぞ熏習ともいうべき学びがあるわけです。

そこで思い出したのですが、ある人が、土樂窯の福森雅武先生に、まるで最近の坊さんはなっとらん!とでも言いたげに、「先生、最近の禅僧はどうですか?」と尋ねたところ、

「そりゃね、師から何かを引き出すのも我々なんです。立派な和尚がいっぱいいるわけだけれど、私に少しだけ与えてくれることがあるというところを、引き出すんです。我々の方の問題です」。

と仰ったのです。

全ては自分の問題。
最近の禅僧がどうだ、最近の子どもはどうだ、教師はどうだ、と誰かに矛先を向ける前に、自分なのですね。

そんな福森先生と土樂窯の展示会が京都で開催され、土曜日には、先生と浜美枝さんの対談が行なわれます。どんなお話が聴けますでしょうか、今から楽しみです。
皆さんも是非、こういう方のものづくりをご覧になってみてください。

ギャルリー田澤 河原町店
4/11(木)~21(日)
11:00~19:00(月曜休廊)



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観心寺 -河内長野-




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後村上天皇献茶祭にて、大阪は河内長野市の観心寺にお邪魔して参りました。
役行者が開創されたと伝わるこのお寺。河内長野といえばもうすぐそこに聖地高野山があり、山に囲まれたこちら観心寺にも、やはり真言宗のお膝元である感が漂います。

平安時代に弘法大師空海が立ち寄られ、衆生の除厄のために本尊如意輪観音菩薩(国宝)を刻まれて、寺号を観心寺と改称されたのだとか(元は雲心寺)。
また、その後には後醍醐天皇の厚い帰依により、楠木正成を奉行として金堂外陣造営の勅が出された由縁もあり、楠木公の首塚、像などもあり、公を偲ぶ寺ともなっています。

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上写真が、真言宗観心寺の国宝金堂。
内陣には古い板製の両界曼荼羅(美しい!)もあり、密教寺院独特の荘厳な雰囲気の中、後村上天皇御国忌の献茶式が表千家家元若宗匠により執り行なわれました。

この日は嵐のようなお天気でしたが、無事お参りさせていただき、さらに境内にて釜が掛かっていましたので、三席それぞれに亭主の御心がこもった茶席を楽しませていただき、有り難い事でした。

なお、こちらの霊宝館には、平安時代の素晴らしい仏像が数々おはしますのと、国宝のご本尊並びにその他諸仏のご開帳の日が近づいています。
桜の花はそろそろ終わりを告げていましたが、既に様々な色の新緑が美しく。
是非ともご参拝なさってみてください。

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後村上天皇御陵
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彦根の一本桜




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桜の話題が続いてしまっていますが・・・。
滋賀は京都より少し遅めに開花したので、もう少し楽しめるところもありそうです。
爆弾低気圧のせいで暴風雨の過日の土曜日でしたが、彦根城は多くの人で賑わっていたようでした。

その彦根城を横目に私が向かったのは、彦根城主井伊家の菩提寺である龍潭寺とその隣にある井伊神社。この両寺社にはそれぞれあまり知られざる一本桜があるからなのでした。
どちらもちょうど石田三成の居城であった彦根の佐和山城址の麓にあります。

まずは、人っ子一人いない龍潭寺へ。静岡にも井伊家の菩提寺の龍潭寺がありますが、関ケ原の戦いで勝利した井伊家が徳川から与えられた佐和山城の麓にも、菩提寺として龍潭寺を建築したのが、このお寺です。

山門をくぐったところにお目当ての枯木の枝垂れ桜があります。

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彦根城などのソメイヨシノは満開なのですが、この桜はまだ3分咲きといったところでしょうか。桜よりも青々した苔に目が奪われるほどです。
この様子では見ごろはあと1週間後ぐらいでしょうか。4/13~14の土日ごろに訪ねられるといいかもしれません。

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この龍潭寺には、小堀遠州作の庭園があるのですが、これはまた後の機会に。

つづいて龍潭寺の北側に位置する井伊神社に足を運んでみました。

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井伊神社もひっそりしていて、他に参拝者はいませんでした。立派な鳳凰の彫刻の入った社殿はだいぶ傷んでいて、立て看板によると彦根市が修復を始めているとのこと。左傍らに小さな新しい社殿が建っており、御神体はすでにそちらに御遷座されているとのことでした。

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その社殿の脇にある一本桜はごらんのように見事な枝ぶりで、小雨の中でしたが満開でした。
この桜を目当てに何人の人が来ているのかはわかりませんが、井伊家の栄華を物語るような立派な桜を満喫しました。

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「大圓寶鑑國師350年遠諱記念 大仙寺展」 開催中!




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花園大学の歴史博物館において、「大圓寶鑑國師350年遠諱記念 大仙寺展」(花園大学歴史博物館、禅文化研究所共催)が始まっています。

無料です! 退蔵院さんで「そうだ、京都、いこう!」の桜をご覧になった後は、こちらにも是非お立ち寄り下さい。

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会期:平成25年年4月2日(火)~6月8日(土)
※会期中、作品の展示替を行います。
1期:4月2日(火)~5月4日(土・祝) 
2期:5月7日(火)~6月8日(土)

休館日:日曜日、5月6日(月)
※但し、大学行事により臨時休館する場合があります。
会場:花園大学歴史博物館(無聖館4階)
開館時間:10:00~16:00(土曜日は14:00まで)
入場料:無料

詳しくはこちらから。

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退蔵院 -妙心寺塔頭-




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昼休みに退蔵院さんにお邪魔して参りました。
京都市内ではポスターを見る機会があまり無く、実は京都の人間は意外と知らないのですが、先日新幹線に乗った際に知りました。
今年の「そうだ、京都、行こう」は、こちらの枝垂れ桜なのですね。

祖父が妙心寺で修行した事もあり、幼い頃から何度か妙心寺には参拝し、退蔵院さんにもお邪魔していましたが、まさに禅寺というべく、静かな静かな境内でした。
この春はもちろんのことそうはゆかず、大変な賑わいを見せていました。
桜にすれば、そんなこともどこふく風ですね。

*本日はお釈迦様ご生誕の日。花まつりが各地のお寺で催されています。

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法華寺 十一面観音ご開帳




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奈良の尼門跡寺院・法華寺の、国宝十一面観音菩薩立像特別開扉にあわせて参拝。

光明皇后のお姿を写したこちらの菩薩。平安初期の作で、それはほっそりと華奢な中に、清廉さが漂い、光明皇后の数々の慈悲深い逸話や、美しい御方であったろう事など、思い浮かべながら拝ませていただきました。

7日までです。今週末は奈良詣で、いかがでしょうか。

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細川護熙元首相筆の襖絵 -正伝永源院-




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千家十職当代・永樂善五郎作の書院襖引き手


テレビや新聞で既に報道されましたが、建仁寺塔頭の正伝永源院の方丈に、このたび、政界引退後に陶芸家として活動しておられる細川護熙元首相が、襖絵を描いて寄贈されました。
正伝永源院は、もともと正伝院と永源庵という二つの寺院であったのですが、鎌倉時代に開創された正伝院は、大阪冬の陣ののち、隠棲した織田信長の弟である有楽斎が再興し如庵という茶室をたてて、晩年を茶の湯三昧のうちにすごされたお寺です。
もう一つの永源庵は開基が細川頼有公。ところが廃仏毀釈のおりに無住であったため、売却された正伝院の移転地とされ、廃寺になってしまいました。しかし細川家の菩提寺であったため、のちに永源の名を再び興して現在の寺名になったということです。
こういったご縁があり、細川家の末裔である細川護熙氏が、本院に襖絵を描いて寄贈することになったとのこと。その襖絵が以下の「東山の春・夜桜」と「西山の秋・紅葉」の各8面です。御住職の許可を得て写真を撮らせていただきました。

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東山の春・夜桜





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西山の秋・紅葉

正伝永源院は通常非公開の寺院ですが、この襖絵の特別公開が明日4月5日から始まります。方丈室中には狩野山楽の筆と伝えられる金色の襖絵もあり、東山、建仁寺近辺を散策される予定の方には、是非、この機会に参拝されてはいかがでしょう。
ただし、この襖絵は、4/10~22に、阪急うめだギャラリーで行なわれる「細川護熙展」に出展されるため、正伝永源院の特別拝観中では、4/5~7と4/25~5/6の期間のみ展観されますのでご注意ください。
細川元首相は、このあと夏と冬の絵も描かれるとのことです。

また、冒頭の書院襖引き手を作られた千家十職の永樂善五郎氏らの募財によって平成8年に再建された、有楽斎が建てた名席「如庵」写しの茶室「如庵」も特別公開されます。

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庭園の枝垂れ桜も満開でした。


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お寺は少しわかりにくい場所にあります。下の地図をご参考までに。


大きな地図で見る
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氷室神社の桜 -奈良-




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奈良市内、ちょうど奈良国立博物館の前あたりにあります氷室神社の枝垂れ桜が、それは見事でした。
どの角度から観ても、えもいわれぬ見事な美しい枝ぶり。ことばはいりませんね。

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岸野忠孝展 -奈良-




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私が最も敬愛する方々の内のお一人で、よくこちらでもご紹介させていただいている、岸野承さん寛さんのお父上でもある、岸野忠孝氏の個展にお邪魔して参りました。

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説法

忠孝氏はほとんど視力がありません。ですが、今でも家からタクシーに乗り、東大寺の松を観にでかけられては描いていらっしゃるのだとか......。
そのものの持つ"気配"というものは、動物であれ植物であれ、生きている以上、どうしたって隠せるものではありません。
その、"気"を受け止めて描いていらっしゃるかのような画でありますから、視力云々は、もう関係ないのかもしれません。私達とは違う、"ものを観る目、感じる目"をお持ちなのであろうと、作品をみるにつけひしひしと感じてしまいます。焦がれてやまない境地。先生の作品が大好きです。

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渡仏

先生にお会いすると、私の事も、お見通しだろうなぁ......となんとなく勝手に緊張しているのですが、何の枠もとらわれも無いような所にいらっしゃる為、お話し始めると、そんな緊張もなくなり、なんだか軽やかな気分に。
その昔、山田無文老師に3年間参禅された氏から、今後も色々伺い、何らか掴めたら...と思っています。

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長ぐつ

【岸野忠孝 墨彩画展】
本日(4/2)まで
時間:10時~17時
於:国際奈良学セミナーハウス

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花の美 石の美 庭園の美 -大和文華館-

4月ですね。新しいスタートを切る方も多くいらっしゃるのでしょうか。
期待や不安を同時に抱え気の張る季節。
是非とも新しいスタートを切るこの機会に、坐禅をしてみたり、呼吸を意識してみてください。

新年度も、研究所のブログは代わり映えもなく粛々と続けさせていただきます。
さて、もう展観は終わってしまいましたが、ご紹介。
奈良の大和文華館です。いつもポスターや招待券を頂き、有り難い限りです。

この度の展観は、「花の美 石の美 庭園の美」。詳しくはこちらをご高覧下さい。

そういえば、私はまだ中国へは行ったことがありませんが、中国支配の長かったベトナムにて、おおよそ日本庭園の石とは異なるような奇石を、庭に配していたのを拝見しました。これでしょうか。

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フエの王宮にて 右端に大きな石が配されています

さらに、ティエンムー寺では、臨済宗の僧侶たちが丹精こめて育てている盆栽の奥に、石が見えますね。
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ティエンムー寺にて

先日訪れたお茶会では、亭主が朝鮮にてみつけてこられた美しい石を盆石にしたものが、床に花の代わりに飾られていました。石があるので、花までは飾りません。何かしら自然を一つ配置し、愛でるのですね。なかなかに姿の良い石で美しく、興味深く拝見しました。

今回の展観では、中国の文人文化に関する書画や石などが多く展示されていた為、訪れる人には、煎茶道を学んでおられる方や、黄檗宗のお坊さんなどが多かったように見受けられました。

私は、ちょうど訪れた日に、黄檗文化研究家の大槻幹郎先生の、「黄檗文化と煎茶と石」 を拝聴し、全く門外漢であった煎茶の文化に触れられたこと、また、黄檗文化が日本文化に与えた影響などを教えていただいた事が、大きな収穫となりました。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)