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大和し美し -MIHO MUSEUM-

大和し美し

信楽のMIHO MUSEUMでは、良寛生誕250年を記念した特別展、「大和し美し(やまとしうるはし)-二大コレクションと良寛 美と文学のコラボレーション-」が開催中です。
「二大」とは、交友のあった川端康成と安田靫彦で、2人が愛した骨董や書画、また良寛さんの墨跡や手製(伝)の鞠など、厖大なコレクションが展示されていました。
美しい日本に住まう事をもう一度改めて考え直し、国民1人1人がどのような日本にしていきたいのか、今は亡き、日本を愛した賢人が問いかけているようでした。
それにしましても、広い館内にパワーのある美しいものがたくさん展示されすぎていて、私はいささか疲れを覚えるほどでした。まだまだ修行が足りないようです。

さて、最近、コンクリートの人工建造物は見えないような緑豊かな里山に住む事に少し憧れを抱いています。経済発展、より物質的に豊かな暮らしばかりを追い求める時代は終わった感もあります。日本は、古人からの「和」による智慧で、諸外国ともうまくつきあいつつも、日本独自の精神的発展と古来からの信仰(手を合わせる事)を大切にする事、日本の美しい風景、独自の文化を残す事につとめなくては、悲惨な事件は増える一方ではなかろうかと危惧します。
アレックス・カー氏活動がとても気になる今日この頃です。

MIHOミュージアム 信楽

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エローラ ジャイナ教 -インド-

エローラ ジャイナ教寺院

エローラの石窟群最終章、ジャイナ教寺院の紹介です。
インドの主な遺跡をめぐっているとジャイナ教寺院に触れる機会は多々ありますが、特にインドに関心の無い方には、あまり聞き慣れない宗教かもしれません。
その歴史は古く、お釈迦様と同時代を生きたヴァルダマーナを祖師とし、無所有の戒めで知られています。遺跡からもわかるように、ジャイナ教寺院の像は裸の像なのですぐにわかります。現在でも修行僧は布一枚まとわぬ姿で行をされるようです。
また、非常に厳しい殺生戒(アヒンサー)があるため、肉や魚はおろか、耕して収穫する際に虫を殺しているかもしれないとの理由で、根菜類も食さないそうです。
また、宗派によっては、バイクや自転車に乗っていて虫が口の中へ入り殺してしまうのを避ける為、口を白い布で覆っている信者もいるそうな。
その徹底ぶりたるや驚愕せずにはいられません。

階級制度である四姓制(バラモン・クシャトリア・ヴァイシャ・シュードラ)を持つバラモン教に反発し、おこり栄えた宗教である為、バラモンの特権に反発するクシャトリアなどの信者を集めたようですが、あまりにも厳しい戒のため、同じ頃におきた仏教へと流れていく信者も多かったようです。

エローラ ジャイナ教寺院 エローラ ジャイナ教寺院

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第6回 禅と文化の旅 参加者募集

zentobunka6.jpg

平成20年11月14日(金)に、-第6回 西村惠信所長と行く“禅と文化”の旅-を開催いたします。
今回は深秋の京都にて、禅と文化を学んでいただく旅となっております。
ご参加、お待ち申し上げております。

詳細・お申し込みはこちらからどうぞ。

【訪問先】

大徳寺
通常非公開の本坊・法堂・三門を拝観。一度に拝観させていただける事は滅多にありません。
また、本坊にて、西村惠信所長による講演も行ないます。

萬重
こだわりの京野菜を使った京料理をお楽しみいただきます。数寄屋造りの部屋、エントランスの石畳の打ち水、料理のみならず、しつらえにも京都らしさを味わっていただきたい料亭です。

平安佛所
仏師・江里康慧氏の巧房を特別に見学させていただき、ご本人より仏像について色々とお話いただきます。またとない機会です。皆さんでご一緒に学びの時を持ちましょう。こちらへのご案内は、班分けをさせていただき、約20名様ずつを予定しております。待ち時間は、伝統産業ふれあい館にてお過ごしいただきます。

伝統産業ふれあい館
京都の伝統産業を一堂に集結した空間。作品のみならず、製作工程の展示などもあります。また、京都らしいお土産も色々と揃っています。こちらでは自由行動とさせていただきます。

泉屋博古館  -仏の姿 心の形 東アジアの仏教美術-
住友家が蒐集した美術品を保存、展示する美術館。今回は、中国・朝鮮・日本の仏教美術から、木彫仏・金銅仏・工芸品(仏具)等を見学させていただきます。常設展は、中国の青銅器の逸品です。

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行雲流水 1

高岡の晩夏の雲と海
高岡の晩夏の雲と海


禅宗の修行僧のことを「雲水(うんすい)」という。
もとは「行雲流水(こううんりゅうすい)」ということで、ひとところに留まらず、自由なさまをいう。つまり雲水は、一所不住で、諸方におられる禅匠をたずねて行脚するものなのである。
実際、唐代や宋代の禅僧の伝記をみても、修行中にはそれはそれは途方もなく遠い距離を行き来して行脚されているし、日本でも白隠禅師でさえ、北は新潟から南は愛媛まで、諸方の禅匠に参じている。
ところが現在というと、多くの雲水は、ある一僧堂で一人の老師について修行するというのが、あたりまえのようになってしまっている。
よく、「禅の修行は厳しいですね」と言われる。もちろん厳しいが、師を求め諸国を行脚する本来の雲水としての修行はもっと厳しかったであろう。

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深秋のころ -北村美術館-

深秋のころ 北村美術館

河原町今出川近くにある北村美術館では、秋の展観(12/7まで)が始まっています。
今回も、懐石のお道具、濃茶席、薄茶席のしつらえを順に楽しめるような展示となってい、茶事に招かれた感にひたりながら逸品を楽しめます。
また、特別に仏教美術も展示されており、なかでも虎関師錬(こかんしれん/臨済宗 1278-1346)の消息が印象深く、茶をたしなむ者が、道具のみならずこういった禅僧の墨跡を実際に目にする事ができるのは非常に意義深い展示だと思いました。

数々の素晴らしい仏教美術に加え、逸品揃いで私のような者にはいささか重みを感じすぎる濃茶席のお道具。その後、薄茶席の展示にあった鳴滝窯で焼かれた「瓢文」のお茶碗に心癒され、さらにはこの人と言えばなぜか私は「秋」を思う北大路魯山人、そして数寄者が作られた茶碗など、最後は楽しい趣向で展観は締めくくられています。
私設美術館の中でも展示数は恐らく少ない方だといえる美術館ですが、本当に美しい良き物というのは、これだけで充分にお腹が一杯になるものです。
また、展観の題名が毎回素敵で、そこも私がこの美術館を気に入っている理由の1つなのです。

平成二十年春季 -吉野懐古-
平成十九年秋季 -暦年の茶-
平成十九年春季 -山笑ふ-
平成十八年秋季 -漸寒-

虎関師錬については、研究所の『本覚国師 虎関師錬禅師』をどうぞ。

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憧れの展観 「スリランカ 輝く島の美に出会う」 -東京国立博物館-

スリランカ 輝く島の美に出会う

9/17~11/30まで、東京国立博物館にて、「スリランカ 輝く島の美に出会う」と題した展観があります。
皆さんの中で、スリランカというとどういったイメージでしょうか。
ヌワラエリアをはじめとする紅茶でしょうか?!
テロなどのマイナスイメージもあるかもしれません。

私にとっては、憧れの仏教世界遺産の地です。海も緑も美しく、是非一度は訪れてみたい国です。
そんなスリランカの、日本で初めてとも言える大規模な展観が開催されるようです。
なぜ東京だけで開催なのだろうか……と残念でなりませんが、周辺にお住まいになられている皆さまにお知らせだけでもと、ご紹介させていただきました。

今年の夏に、ブッダ初転法輪の地、インドのサールナートへ行ってきましたが、そこでスリランカから参拝に来られた団体にお会いしました。
団体と一緒にいらっしゃっていたお坊さまが、「どこから来たの?」と話しかけて下さり、ここサールナートがブッダの初転法輪の地であることや、参拝の時や正式な行事の際には仏教徒は皆白い服を着るのだという事などを教えて下さいました。
インドで色々とトラブルがあり、少し疲れていたのですが、スリランカの仏教徒の方々の優しい表情、穏やかなものごしが非常に印象に残り、心おちつくひとときでした。

サールナートにて

サールナートにて
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禅語カレンダー2009年 -関清拙 画賛-

禅語カレンダー2009年

禅文化研究所の来年のカレンダーは、昨年と同じく、天龍寺第7代管長を務められ、天龍寺僧堂師家として多くの雲水の指導にあたられた関精拙老師(1877-1945)の画より選りすぐりました。
毎月、精拙老師の画や賛と、それにあわせた禅のことばを楽しんでいただけます。

年始年末のご挨拶、お返し等としてご利用いただける、お求めいただきやすいお値段です(1部\525)。
50部以上、100部以上のお申し込みにつきましては、1部あたりの価格も割引き価格となり、50部以上からは、カレンダー下部に寺名や社名などの刷込み印刷も承ります(100部以上なら刷込み無料)。

詳しくはこちらから

【表紙・牛図】

はずかしき 牛のおしりを かいま見て
悟りと思えし われぞはずかし

空手にして鋤頭を把り、歩行にして水牛に騎る
人 橋上より過ぐれば、橋は流れて水は流れず

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蕎麦の花

蕎麦の花が満開

蕎麦の花が満開の時期となりました。
滋賀の自坊近く、日本の美しい風景です。

白鷺


土を耕しているお百姓さんの後ろをついて歩く白鷺。たくさん収穫がありそうです。
なんとも微笑ましく、心和ませてもらいました。

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エローラ ヒンドゥー教 -インド-

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エローラ石窟群で最も有名なのが、インド最大の石彫寺院・カイラーサナータ寺院でしょう。この寺院の名前はヒンドゥー教の聖地、カイラス山からきているようです。カイラス山といえばシヴァ神の住み処ともされるだけのことはあり、この寺院にはいたるところにシヴァ神像やシヴァリンガ、シヴァの乗り物のナンディ(牛の像)がありました。
また、幅は約45m、奥行きは約85mほどもあるそうで、これだけの寺院を創る為に岩山を削ったのですから圧巻です。
全体像は撮れなかったのですが、「カイラーサナータ寺院」と検索サイトにて検索すると、全体写真などがでてきます。ものすごいものですので一度ご覧になってみてください。

090917-2.jpg

人が写っている写真だと、そのスケールがわかりますでしょうか。
いたるところ修復作業中でした。

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うかつな一言 -山寺のある一日-

山寺のある一日

8月31日、少々事情があって、師匠の寺で檀務を勤めた。
お経も終わり、自坊に戻ろうとしていると、玄関先に来客があった。「お墓をお世話になっております、××です」と、本尊さんに、お供えのお菓子をいただいた。私には、初めてのお顔であった。
「ありがとうございます」とお礼を言って、お菓子を本尊さんにお供えして、駐車場の車に行くと、先ほどの××さんが、奥さんと女の子との三人で、お墓に登っていかれるのが見えた。
女の子は、小学校の2、3年ぐらいで、お父さんの背中におんぶされていた。
私は、すぐに、「自分で歩きなさあーーい」と、大きく声をかけた。
すると、両親は、にっこりと笑って、「この子、歩けないんです」と答えられた。

私はびっくりした。そして、女の子の姿をよくみると、確かに左足が伸びたままであった。「すみません、知らないこととはいえ、失礼なことを言いました」と、私は頭を下げ、逃げ出すように車に乗りこんでしまった。
うかつにも、取り返しのつかないことをしてしまった。私は、自己嫌悪でいっぱいだった。ただ、救われたのは、御両親の笑顔であった。
こうして、私の8月の法務は終わった。我ながら、情けない8月最後の一日であった。

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『訓注 雲居和尚語録』・『雲居和尚墨跡集 続』のご紹介

訓注 雲居和尚語録 雲居和尚墨跡集 続

松島の瑞巌寺(臨済宗妙心寺派)では、雲居希膺禅師350年遠諱を記念し、全国の関係寺院・機関・個人の協力を得て、昭和60年発行の『雲居和尚墨蹟集』に掲載されなかった墨跡など、130余点を収録した、『雲居和尚墨跡集 続』と、『訓注 雲居和尚語録』が発刊されました。
特別頒布品として、少部数ながら禅文化研究所にてお買い求めいただけます(上記リンク先からどうぞ)。

なお、現在、瑞巌寺の宝物館・青龍殿にて、雲居和尚展が開催中です。
松島におでかけの際は是非お立ち寄り下さい。

雲居和尚展_瑞巌寺
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禅堂の改装

禅堂

本研究所のある建物は無文館(名称は花園大学の元学長であり、本研究所の初代所長の山田無文老師に由来する)といい、花園大学との共用で2階が禅堂となっている。
一度に200人以上が坐れる広さを持ち、普段は実践禅学の講義や一般を対象にした早朝坐禅会で使われている。
休会となって20年以上経つが、研究所主催の金曜市民坐禅会がここで行なわれていた。この坐禅会は2しゅ(火+主)の坐禅の後、無文老師の提唱のテープを聞くのが定例で、2階から流れてくるテープの音声を聞きながら仕事をしていたことを懐かしく思い出す。

さて、この禅堂が現学長の肝いりでリニューアルされた。専門道場を模した造りとなり、前後に板戸や火灯窓が設けられている。単の数は少し減ったが、それなりの雰囲気を醸し出している。
大学の総合化が進み、花園大学も宗門以外の学生が殆どを占める。しかし、臨済禅を建学の精神に標榜するからには、全学生に坐禅を基本とした臨済禅の教えをしっかりと学んでもらいたい。新しい禅堂がその中心となることを願うものである。

禅堂
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御苑の百日紅

御苑の百日紅

4月には見物客で賑わいを見せる、京都御苑内の“小川の糸桜”あたり。
この桜の印象が強すぎて全く気づいてもいなかったのですが、隣にこんなに立派な百日紅が。
夏の御苑内を通ると、「こんなにも百日紅が植えられていたのか…」とびっくりするほど、あちこちでこのこの花が見られます。
猛暑にもマケズ、突然のゲリラ豪雨にもマケズ、立派に花をつけ夏に彩りを添えてくれる花に、ありがたみすら感じました。

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狩野派と近世絵画 -承天閣美術館-

承天閣美術館

相国寺内にあります、承天閣美術館にて、-狩野派と近世絵画-展が開催中です(11月30日まで)。

訪れるたびに、美術館まわりの庭などが美しく手入れされていっており、美術館に美しいものを拝見しに行く際に、本山の境内を歩かせていただけるのはありがたいものだな…と思います。
今回の展示は、狩野派による絵画も必見ですが、様々な抹茶茶碗の展示も楽しめます。
9/15~12/8までは、秋の特別公開も始まるようですので、あわせておでかけになられてみてはいかがでしょうか。

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西国三十三所 観音霊場の祈りと美 -奈良国立博物館-

奈良国立博物館

奈良国立博物館にて開催中の、「西国三十三所 観音霊場の祈りと美」を見にでかけました。
西国観音霊場は、四国のお遍路と並び、古来より信仰深い人が「一生に一度は全てのお寺をまわってみたい」と憧れる巡礼の道。
本年は、この西国霊場巡礼における中興といわれる、花山法皇の崩御より壱千年を数える年にあたり、この展覧会のみならず、各寺院においても秘仏公開などが行なわれるようです。
今回、博物館では一度に見る事のできる機会はもう無いのではないかと思われる展示がそれは素晴らしいものです。是非奈良へおでかけ下さい(9/28まで)。

それにしましても、私も今まで、知らないままに観音霊場に数えられるお寺を巡っていたりしたものです。
何事にもその“とき”が来るのを待つ必要があるのでしょうか。
なんとなく今、改めてきちんと全てのお寺をまわってみたい気分なのです。この気持ちを持って参拝するのは、以前の参拝とはまた違う感慨がありそうです。
ちょうど花山法皇の壱千年忌とも重なる事ですし、これを機縁として観音霊場巡りを計画したいと思っています。

沐浴中
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お伊勢参り 2

内宮の入口、宇治橋

外宮から6キロ離れたとこに、伊勢神宮の内宮がある。
車で移動すること数分。もちろん昔はみな歩いて移動していたのだろうが今は安易なものだ。
夏休みだからだろうが、自分たちも含め、平日でも親子連れの参拝者も多いようだ。

さて、伊勢神宮は20年に一度の式年遷宮を平成25年に迎えるそうだが、社殿を建て替えるという大事業を20年に一度行なうことができるというのは、すごいことだと感心してしまう。
既に今度の式年遷宮に関する行事は平成17年から始まっているそうで、境内は式年遷宮一色である。


伊勢神宮内宮の正宮

そういえば、以前にこのブログでも別のスタッフが朝の伊勢神宮を訪ねたことを書いていたことを思い出した。併せて読んでもらうのもいいかもしれない。
気持ちいい空気をすって、すがすがしい気持ちにさせていただいた。
息子にも古来からある日本の信仰というものに、少しでも何かを感じてくれたら幸いである。


内宮の正宮の社殿

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お伊勢参り 1

伊勢神宮 外宮の正宮

子供の夏休みも終わりに近づいたが、まもなく一緒には来なくなるであろう息子と二人で、伊勢に旅をした。
もともとはプールのある温泉付きホテルで、ゆっくりとくつろぐのが目的だったが、それではあまりにもったいないと思い、せっかくなので、お伊勢さんにお参りしてみようということになった。
お伊勢参り、私は実に小学校の修学旅行以来のことである。

ご存じのとおり、伊勢神宮ことお伊勢さんには、内宮と外宮がある。その間およそ6km。まずは外宮からお参りして、続いて内宮へお参りするのが習わしである。
ということで、最初に外宮へ。
まずは御手洗(みたらい)にて、手と口をそそぐことから教えねば。
御手洗での簡単な作法を教えたところ、まじめに聞いてくれた。隣では見ていられないような仕方で手を洗ったりしている人を余所目に、作法ということの大切さ、美しさというものを知ってくれたらうれしいと思っていた。

伊勢神宮 外宮の参道

参道をいくと明らかに空気が異なる。なんという神聖な気持ちになるのだろう。
周辺には樹齢何百年も経ているだろう木々が静かに息吹いている。
鳥居をくぐるときにはお礼をしつつ、意外に近い正宮に参拝する。
一般的な二礼二拍手一礼の礼法を一緒にし、これもまた、大切な文化だよと教えた。

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インドネシア更紗のすべて -細見美術館-

インドネシア更紗のすべて

京都は岡崎の細見美術館にて下記が開催されている為、楽しみにでかけました。

日本・インドネシア共和国国交50周年記念
  「インドネシア更紗のすべて ─伝統と融合の芸術」展
会期:平成20年8/1(金)~9/15日(月・祝)

アジア諸国の布は本当に魅力的で、私も旅行で訪れますと、工房へでかけたりして求めています。
インドネシアはまだ訪れた事が無いものの、伝え聞くバティック(蝋纈染め)の美しさは是非一度目にしたいものだと常々思っていました。
前にテレビで見たのですが、神に踊りを捧げる女性達が体に巻き付けていたり、王宮の方達が公式行事や結婚式で身につけられるバティックがそれは美しく、インドネシアの風土と人々にとけこんでいてとても印象的だったのです。
今回の展示は、単に布を紹介するのみならず、蝋纈染めの工程や、インドネシアのどの地方でどのような物が作られているのか、また、外国から影響を受けて作られたバティックの紹介など、様々な内容でバティックの事を詳しく知る事ができ、大変興味深いものでした。

王家のみに伝えられる文様があったり、病気の時に着て、その平癒を願う為の文様があったりと、単に-着る為のもの-、ではなく、バティックが心底美しいと思えるのには、人々の思いや歴史が一枚の布に深く刻み込まれているからなのだと気づかされました。
素晴らしい展示でしたので、機会がありましたら是非おでかけになってみてください。

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神竜院梵舜(ぼんしゅん)

末社の一つ神竜社 この下に兼倶は眠る

神竜院梵舜と聞いてすぐにピンとくるなら、その人はかなり歴史に詳しい。京都大学の東、神楽岡に鎮座する吉田神社の社家に生まれ、家に伝わる唯一神道を大いに鼓吹した僧侶である。

徳川家康は死後、神となった。彼をいかなる方式で祭るかについて、天台宗にもとづく山王一実神道を主張した南光坊天海と、唯一宗源神道を主張した梵舜が対立した。いったんは唯一神道によって久能山に葬られたが、後に巻き返しがあり、山王神道の形式で日光に改葬されることになった。東照大権現の権現とは山王神道による神号である。唯一神道では明神となる。

唯一神道は吉田兼倶(かねとも)によって大成された神道で、仏教・道教・陰陽道など、様々な教えの要素を取り入れている。その宗教的な魅力によって応仁の乱後の混沌とした時代に多くの賛同者を獲得し、江戸時代には神道の家元として全国の神社に神階や神主の免状を出す権利を有するまでになった。

兼倶は横川景三や景徐周麟などとも交流があり、彼の神書講義には多くの禅僧が連なった。逆に吉田神道の教理にも禅の影響がみられる。兼倶は社の側に南禅寺に属する神竜院を建立し、息子の九江妙亀を住職とした。梵舜も神竜院の住職であった。吉田神道と禅宗との関係はもっと注目されてよい。
 
神楽岡の麓にあった広大な吉田子爵の邸宅も、戦後人手に渡って住宅地へと変貌した。そのそばに忘れ去られたかのように吉田家代々の墓石がある。その中の一つが梵舜の墓と伝えられる。

■末社の一つ神竜社。この下に兼倶は眠る。

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盤珪禅師逸話選

禅文化研究所の禅僧逸話シリーズの中の、『盤珪禅師逸話選』が-読書のすすめ-のHPで紹介されました。
-読書のすすめ-は、とてもユニークな本屋さんです。一度のぞいてみてください!


こちらから

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