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庭の松 その2 -天龍寺-

天龍寺の松
天龍寺の松の剪定

日本三景は全て松である。
仙台の松島、天の橋立も松と砂浜、安芸の宮島も松である。
日本人にとって目出度い松・竹・梅においても、これまた松が一番だ。

昔、松は人々の生活に必要なエネルギー供給源であった。
電気のない時代、松脂は明かりを灯すのに使い、また、太平洋戦争では松脂を精製して飛行機も飛ばした。
また、松茸は秋の味覚の王様だ。江戸時代の天龍寺供養帳(日単)には、年中行事として所司代や奉行所へ進物とした……と記録されている。

その昔、嵐山は殺生禁断の地であり、立木の伐採はもちろんのこと、石や木の根を掘ることを禁じた札が立ち、下草刈りにも許可が必要とされた。
松の立木枯れや風雪で倒れた時は必ずその数を調べ、記録し、売却の入札についても落札者とその値を記録し、管理された。それほどに松は昔から大切にされた。

戦後のエネルギー革命により、松は庭の観賞用と化し、なかなかに手のかかる「金喰い虫」となっているが、人々の心の癒しとなっていることは確かだ。
金に勝るものが、松の美かもしれない。

by admin  at 07:30
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