Sep 11
2009
かみ添 -京都の職人さん-
大切な人に手紙を送る際には、便箋や切手などには特にこだわりたいと思っています。
まだ唐長の美しい便箋やハガキが修学院でしか買えなかった頃から、時折訪れては買い求めていました。
最近では四条烏丸のお店(古今烏丸内)にて求めやすくなり、個人ブログや雑誌などでもよく紹介され、便箋やハガキのみならず、様々な美しい商品を扱っておられ、御存知の方も多い事と思います。
そんな唐長にまた新たなひろがりが!
お弟子さんが独立されるというのです。これは!と、西陣にできた新しいお店にさっそく伺ってみました。
町家を改装された店内には、ほんのりと優しい灯りがともり、壁や襖に貼られた紙の美しさを存分に引き出しています。光のあたる角度によって、様々な表情が見え隠れします。
水玉のようなこの模様は、かみ添さんのブログによると、 「無音」(ムネ)と名付けられているとの事。ぼたん雪がシンシンと降っている音の無い世界を表しているそうな。
大切な人と語り合う時には、テレビや音楽をつけずに、こういった景色が共にあると、落ち着いて安心して様々な事を語り合えそうですね。そう思うと、“かみ添”という屋号がとてもよくわかる気がしてきます。職人さんによって魂を入れられた紙が心に寄り添ってくるような印象を受けます(私の勝手な解釈です)。紙が、生活にも心にも添って存在する感じでしょうか……。