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西田幾多郎記念哲学館




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石川県かほく市にある、西田幾多郎記念哲学館をご存じだろうか。
かくいう私も、たまたまWEBサイトで見つけて訪ねてみた次第である。

まだ新しい建物は、安藤忠夫の手によって設計されたものである。
エントランスに入り、受付の女性の案内のとおり、1階⇒2階⇒3階の順に3つの展示室を閲覧していった。

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1階には、大きなスクリーンを使って、哲学をわかりやすく学ばせようとしていて、ちょっと楽しい展示室である。
2階にあがると、「西田哲学」といわれる西田幾多郎の思想を紹介しており、また西田の交友や遺品などが展示され、特に鈴木大拙や山本良吉との書翰など、以前に研究所で『鈴木大拙未公開書翰』の編集を手伝っていたことが蘇ってきて、興味深かった。
地階には西田の思想を書かれた書が展示されていた。
展示室自体はそれほど大きくないが、それぞれに工夫がなされており、特に2階の展示室は楽しむことができた。

それにしても、この能登の地が西田幾多郎、そして鈴木大拙という世界的哲学者を奇しくも同時期に輩出したのは、偶然なのか、必然なのか……。


展示室からエントランスに戻ると、となりの棟では安藤建築を楽しむことができる。
天窓から外光が入って、オーバルな空間が美しい。


※以下の写真はクリックすると、大きな画像で表示されます。

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このすり鉢状の中を覗き込むと、こんな風になっている。ここは、瞑想の空間「ホワイエ」と名づけられている。


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階下に降りて見てみると、同じ空間がこんな風にあらわれる。シンメトリーが美しい。


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来年2011年には、金沢市に鈴木大拙記念館が建設されるという。石川県に赴く機会があったならば、是非、あわせて訪れられてはいかがであろう。


ブログ禅より……鈴木大拙の故郷 能登半島 蛸島

by admin  at 07:30
コメント
  1. 今日はちょうど西田幾多郎の誕生日でしたね。

    by カピバラ  2010年6月17日 08:08
  2. カピパラさん、おはようございます。
    ホントですね(驚)。西田幾多郎の誕生日だとは、気が付いていませんでした。
    つまり全く狙ったわけでは無かったのですが、偶然にも今日にアップロードされることになったのでした。

    by 禅文化研究所  2010年6月17日 10:28
  3. 西田幾多郎、鈴木大拙を語る時、絶対に欠かせないのは北條時敬です。寸心(幾多郎)、大拙の第四高等学校の師であり禅を説き高岡の國泰寺に参禅したのも師である北條時敬の影響です。寸心(幾多郎)が生涯唯一人「先生」と呼んだのは北條時敬だけです。北條時敬は東北帝大の総長や学習院の院長なども歴任した教育者(数学者)で禅も公案を透過し印可も受けている禅者です。金沢の兼六園の金沢神社に「北條時敬頌徳碑」があります。「金沢ふるさと偉人館」にも是非訪ねて見て欲しいです。

    by 慈風菴木堂  2010年6月18日 03:21
  4. 慈風菴木堂さま、はじめまして。
    コメントを頂き、ありがとうございます。
    北條時敬についてお知らせいただきありがとうございます。
    大拙にしろ幾多郎にしろ、高岡の國泰寺とは縁が深いですね。北陸には曹洞宗は多いですが、臨済宗の寺院は少ない中で、禅哲学において結果として國泰寺の存在が大きかったことになりますね。
    機会があれば、金沢神社や、金沢ふるさと偉人館も訪ねてみたいと思います。

    by 禅文化研究所  2010年6月18日 08:53
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