Aug 09
2012
福森雅武の花 -季刊『禅文化』225号より-
日々の生活で出会った素晴らしい様々な“技”を、季刊『禅文化』にてご紹介しています。
本ブログでもご紹介させていただきます。
その他の記事はこちらから。
季刊『禅文化』225号より
“福森雅武の花” 川辺紀子(禅文化研究所所員)
満開の桜のころ、岐阜県大垣市のお茶屋屋敷跡(慶長九年〈一六〇四〉頃、徳川家康が岐阜城御殿を移築させた将軍専用の休泊所跡)にある矢橋家別邸で、「福森雅武 山の木と花 春を活ける」(栄中日文化センター特別講座)が催された。
福森先生は山に分け入り花を探し、竹を根から引き抜き、あっという間に花入れも作られる。心底楽しそうな先生の周りでは、笑い声が止むことなく、なんだかわからないままに、だれもかれも一緒くたに幸せになってしまう。
「器から花を習う。その場の空気が変わるくらいの花でなくてはいけないんだね。概念や形から入るんじゃないんです」。
“ぴったり”というのは、自分と自然、己と他との境界がなくなるのよ、といつか先生は言われた。
花が先生か、先生が花か。
辺りの世界が“福森雅武の花”で、がらりと変わった。
【福森雅武氏】
昭和一九年生まれ。伊賀・蝨。樂窯七代目。食卓で愛用される器や土鍋、さらに茶器、花器なども制作。自ら花を生け料理を作る。そのもてなしは、故白洲正子を始め、各界の著名人に愛されている。
著書に『蝨。樂食樂』・『蝨。樂花樂』など。
以下で、季刊『禅文化』では掲載しきれなかった花の写真等をご紹介します。
お楽しみください。
花材さがしの為、山に入ります
苔はどのように生けられるのでしょう
竹花入づくり
できあがった竹花入と、込み藁づくり
自ら御弊をつくり、榊と共に床柱へ 神の依り代となる
苔は矢橋工房による漆の台に猩々袴と共に!
立花 室町時代を彷彿させますね
地獄の釜の蓋は天平時代の籠に
奈良時代の鼓胴と、できあがったばかりの竹花入に
矢橋工房の扁壺に柳と椿を生けて
李朝白磁壺に黄金柏
by admin at 07:30
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