Sep 27
2007
足立美術館 -出雲-
出雲へ向かう途中、安来節の郷である、島根県安来市にある足立美術館に立ち寄った。
創設者足立全康が自ら収集したという横山大観の近代日本画が中心の美術館であるが、さらに有名なのはその日本庭園である。アメリカの庭園専門誌"Journal of Japanese Gardening"によって、5年連続で日本一に選ばれている。
したがって、美術館自体も、絵画を鑑賞するのと同様にこの庭園を鑑賞できるような作りになっていて、来館者の多くは庭にカメラを向けているのが、美術館としては違和な感じもする。
庭は後ろ盾にある山を借景として、とても広々とした大きな庭である。
借景になっている山は、戦国時代、この地で毛利と尼子が合戦した際、毛利軍が陣を張ったといわれる勝山という山で難攻不落であったそうだ。
この庭は四季折々に楽しませてくれる花や木が多く、特に毎日職人さんたちの手によって丁寧に手入れされているようである。
所蔵品である横山大観の絵もさることながら、魯山人や河井寛次郎の展示室もあり興味深く見る事ができた。
さて、ちなみにこの地の安来節の踊りは、「どじょうすくい」というので、水の中にいるドジョウを救う所作をおもしろおかしくした踊りとばかり思っていたが、実は「土壌すくい」というわけで、この付近でとれた砂金とりの様子なのだそうである。昔からこの地方は金や銀の採掘にも恵まれていたのであろう。
というわけで、後で今年世界文化遺産に登録された岩見銀山にも思いきって行ってみることにした(別記事でご報告します)。
by admin at 07:30
たしか安来は日立金属さんがあるところですね。尼子の鉄を引き受けながら、毛利の武士魂を受け継ぐ不思議な会社ですよね。
和鋼さま
コメントありがとうございます。
日立金属さんについては存じませんでした。そうなんですね。
また色々とご教授下さい。
今後ともよろしくお願い致します。
日立の特殊鋼工場ですね。業界では世界的に有名なところです。
それに日本刀の原料である玉鋼を古代の製鋼法、たたら吹きで行っているところでもあるといつかNHKの番組でもいっていました。
洋平さま
コメントありがとうございます。
私も、出雲の山奥までたたら製鉄の展示を見に行きました。
宮崎駿監督の『もののけ姫』に出てくる製鉄を生業とする村も、どこがモデルだろうと関心を持って見ていました。
山陰地方も色々と面白い土地ですね。
これからも宜しくお願いいたします。
いま、薮田絃一郎著「ヤマト王権の誕生」が密かなブームになっていますが、
それによると大和にヤマト王権が出来た当初は鉄器をもった出雲族により興
されたとの説になっています。
そうすると、がぜんあの有名な山陰の青銅器時代がおわり日本海沿岸で四隅突出墳丘墓
が作られ鉄器の製造が行われたあたりに感心が行きます。当時は、西谷と
安来-妻木晩田の2大勢力が形成され、そのどちらかがヤマト王権となったと
考えられるのですがどちらなんだろうと思ったりもします。
西谷は出雲大社に近く、安来は古事記に記されたイザナミの神陵があるので神話との関係にも興味がわいてきます。
さすが、スサノオの伝説が残る地ですね。いつかそこに行ってみたいです。
>考古学ファン さま
コメントありがとうございます。お返事がかなり遅くなってしまい申し訳ございませんでした。
それにしてもお詳しいのですね! 私ごとですが、母方が出雲の出なので、やはり先祖に関係する土地として勉強しなくてはなりませんね。この歳になると、神社に神楽を奉納していた祖父にもっと色々と学びたかったと思います。
また今後とも宜しくお願い致します。
>yasugi steel さま
山陰地方の歴史、美の旅もさぞかし素晴らしいと思います。是非おでかけになってみてください。
今後とも宜しくお願い致します。
私のいとこの綾子ねーさんは東大生なんだけど、その話しは古事記との内容とも照らし合わせ見るといいといっていた。それをヒントにネットで調べると聖地、比婆之山が安来にあるらしいことが解った。でもこれって神生みの話しも出雲神話になるわけだ。しかも古事記を読むと国生み→神生みと話しが始まるのだが話として2つを分けにくいので国生みも出雲の地を中心に行われたととれてしまう。このことに言及している本知っている人いないかなあ。歴女を唸らせたい。
ここって古事記のルーツがあるらしいですね。