カテゴリー:「2.禅の文化」


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坊さんはなぜ頭をそるのか?

小生が京都に来た時に常宿(じょうやど)にしている、ある宗門経営のホテル(旅館)がある。

ちなみに、ホテルと旅館との区別はなく、経営者が任意に選んでいいらしい。古風さを出したければ旅館、新しさを出したければホテル。そういった具合らしい。

そのホテルにチェックインしようとしてフロントに行った。

「ハイ、○○さまですね」「ハイ、そうです」と、一通りの手続きが終わると、その受付の男性(僧侶ではなかった。僧侶の時もある)が、二つの小さなカゴを少し押し出して言った、「カミソリとヘアブラシは部屋に置いておりませんので、ここでお持ち下さい」と。

小生は坊主なので髪の毛がない。
「カミソリはもらいますが、ヘアブラシは……」と、苦笑いを浮かべた。すると、その男性も、苦笑いを浮かべた。少しコッケイであったが、何だか楽しかった。宗門経営のホテルといっても、小生が見る限り、宿泊者は、ほとんど普通の旅行者である。なにしろ、費用が安い。その男性も、日常の言葉がつい出てしまったのだろう。

気にも止めなかったが、なぜ、坊さんは髪の毛をそるのだろう。神様がせっかく防御具として与えて下さったものなのに。戒律を記した経典には、半月に一度そりなさいとある。その理由は、諸縁を断ち切ることであるらしい。

 

160728.jpg臨済禅師・白隠禅師遠諱記念報恩接心より


修行道場にいる雲水は、四九日(しくにち)、毎月、4と9とがつく日に頭をそることになっており、諸縁を断ち切って、仏道修行に専念する。

しかし、古い中国の坊さんたちの肖像画を見ると、有髪、それも長髪の人が多い。これは、どういうことだ。もはや諸縁を断ち切っているから、剃髪(ていはつ)はいらないということか?

日本の仏教者は、現実社会のなかで活動し、仏法、慈悲、小欲を説いている。当然、妻もおれば、なまぐさも食べる。しかし、小生は、日本の仏教は、究極的な宗教の形態だと思っている。

そこで、なぜ髪の毛をそるのかと改めて考えた。えらそうなことは言えないが、現実社会のなかで活動していても、自分は僧侶なのだという自覚を忘れないため、人々につくすために生きているのだということを忘れないため、言葉は悪いが、髪の毛をそるというのは、一種のタトゥーではないのかと。

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花まつり

4月8日。
本年のお釈迦様の誕生日も、お祝いを致しました。
昨年からの(私の中での)決まりで、約1ヶ月は花を飾ってお祝いする事にしています。

160411-1.jpg「花に罪はなきにせよ、花屋で求めた花というのは、やはりそういう感じがするものだなぁ……」などと思いましたので、この花が枯れてきたなら、道ばたであやしくしゃがみ込む事となりますが、たんぽぽとなずなを生けようと決めています。

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「忘れ去られるのでは?!」と思うような猫の額ほどの我が家のベランダにも、冬の間には姿形すら見えなくなるすみれが、こぼれ種が芽吹き、必ず春には次々と花を咲かせてくれます。 
こんな所にまできちんと春がやってきてくれる事に、仏の慈悲もあまねく降り注いでいるのだという事をも知る朝です。

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禅と能 ―季刊『禅文化』特集記事取材

7月25日に発刊予定の季刊『禅文化』241号の特集(毎号、テーマを決めて特集を設けております)は、「禅と能」。まさに切っても切り離せない両者に焦点を当てたいと思っております。

編集会議において、「やはりこれは、管長・老師といったお立場の方と、能楽師の方の対談記事を目玉としたい……」と考えました。

そもそも、足利義満公の庇護により、観阿弥・世阿弥によって花開き大成された能の世界。
まずは金閣寺のご住職も兼任されている相国寺派管長・有馬賴底老師にご相談したところ、

「それなら是非とも観世宗家・観世清和氏との対談を」。

との願ってもいない鶴の一声で、昨日3月30日、お二方ともご多忙ながらお時間いただく事叶い、相国寺東京別院での対談が実現致しました。


160331-1.jpg聞き手は、能楽に造詣深く、管長や宗家とも親交がおありで、この度明治大学学長となられる土屋恵一郎先生。こちらがお尋ねしたい事を何ともスマートに、ご自身のご意見も交えながらの進行、非常に学ばせていただきました。

法や伝統文化の継承、後継者育成について、日々の修行・稽古について、心身の整え方・呼吸について……などなど、内容は盛りだくさんで、改めて驚くほどの共通点が出て参りまして、拝聴しながらかなり興奮してしまいました。

160331-2.jpg私事で恐縮ですが、20代前半から、禅と能に強く惹かれて参りました。
それぞれの魅力というものはもちろんあってのことですが、感覚的にこの2つを同じと見て惹かれていた理由というのは少しぼんやりしていて、自分の中でもはっきりとした答えが見いだせなかったのですが、今回またとない対談を拝聴する機会を得て、腹にすとんと落ちるものがあり、「そうだったのか!」と、眼から鱗でした。


こちらで詳しい内容はお伝えできませんが、是非とも季刊『禅文化』241号発刊のおりには、お手に取ってご覧いただけたらと願っております。
発刊はまたこちらでもご案内させていただきます。

何卒宜しくお願い申し上げます。


参考記事
ワザとこころ 能の伝承 -京都観世会館-

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「そうだったのか!日本庭園ことはじめ  日本庭園を楽しもう!」

おはようございます。
本日はご案内です。


160304.jpg平成26年度27年度と二回に亘り、「禅の庭入門講座」の講師をしていただいた町田香先生(京都造形芸術大学非常勤講師)による、日本庭園の集中講座・セミナーが大阪にて開校です。


◆京都造形芸術大学 大阪藝術学舎◆
「そうだったのか!日本庭園ことはじめ  日本庭園を楽しもう!」

大阪サテライトキャンパス 全日程:19:00~21:00
2016/04/13(水)
2016/04/27(水)
2016/05/18(水)
2016/06/01(水)
2016/06/15(水)


日本庭園初心者の方、勉強したけれど忘れてしまった方、
復習したい方、通勤帰りに学びの時間を持たれてはいかがですか。

お申込み・詳細はこちらからどうぞ。


ちなみに、来年度も町田先生による「禅の庭講座」を10月に開催予定。
公家と関わりの深かった寺院(光雲寺・霊鑑寺)の庭園をテーマに講義&庭園拝観します。
お楽しみに!

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憧れの背振山 -栄西禅師ゆかりの地-

もはや10年以上も前の事でしょうか、茶の湯の稽古場でのこと。

師匠が、「宗匠とうちの主人が背振山に行って来たのよ……」と話しておられ、何の事かとよくよく聞いていると、なんでも栄西禅師が唐より帰国され、最初に茶の種を植えられた山だという事で、私の中でそれ以来憧れの地となっていました。
*詳しくは、霊仙寺の石上坊にて、1191年に宋より持ち帰った種を撒き、茶を育てたとか。

160226-1.jpg福岡市と佐賀県神埼市にまたがる山で、ネットで情報を調べるのですが、いまいち確かな事がわからぬまま、ともかくその昔、修験の山として栄えた背振山にその中心的寺院として存在したという霊仙寺跡を訪れたらおのずとわかるであろう・・・と。

160226-2.jpg閉鎖になっている山道も多く、もはやどのルートで行ったのかわからないほどに迷いに迷ってやっとたどり着いた地。
観光地化されているとは言いがたく(さすがにあまり訪れる人がいない模様)、地元の人に聞いても知らない方ばかり、なかなかに難儀しました。

160226-3.jpg倒れていましたので、とりあえず岩にたてかけておいてみました……。努力してみたのですが、どうしても真っ直ぐできなかった事をお許しください。

160226-4.jpgこの辺りが、最初に茶を植えたとされる石上(いわかみ)坊跡です。
続いて、霊仙寺跡・乙護法堂へ。

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160226-6.jpg茶の湯の稽古をする者としては、禅と共に茶が中国よりもたらされ、ここから全てが始まったのだな…と、辿り着いた時の感慨もひとしおでした。

160226-7.jpg稽古場での稽古も大切ですし、このように、茶に縁のある大切な地を実際に訪れて、禅宗とは切っても切れない歴史を持つ“茶の湯の歴史”が、自身の内に流れ込んでくるような体験、体感も大切にしたいと思っています。


栄西禅師につきましては、研究所から『栄西-千光祖師の生涯-』ならびに『栄西の道』を刊行させていただいております。さらに、別冊太陽も!是非お手にとってご覧ください。

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建水とカダイ

皆さまおはようございます。実は、昨年12月の事ですが、ある発見をしてしまいました。

インドが大好きでこの夏に3度目の渡印をしましたが、さらに大好きになってしまい、インド料理を本格的に学び始めました。
何故今まで気付かなかったのか……と思うのですが、インドでカレーを入れる器、“カダイ”。
自宅でインド料理を作り友人をもてなそうとしました時、器をあれこれ用意していてふと…。

160115-1.jpg「こ、これは建水ではないか……」。

*建水 茶道で使う道具。茶碗を温めたり清めたりする為に使った水を捨てる為に使います。
左が私の建水、右がカレーを入れる器、カダイです。

160115-2.jpg江戸時代より、インドから更紗などが渡ってきていましたが、もしやカダイなども一緒にやってきて、当時の茶人が「これは建水に良いではないか」と見立てて使い始めた事をきっかけに、この形が作られるようになったのでしょうか…。

色々調べるも詳しい事はわからないのですが、想像してロマン掻き立てられてしまいました。このあたりご存知の方がいらっしゃいましたら、是非ご教授くださいませ。

茶道具には、元をたどると他国で意外な使われ方をしているものがあり、茶の湯の道は、精神的な面のみならず、お道具の世界にも、いくら学んでも発見と驚きと感動があります。

どちらかというと、型があり、決まり事が多いおカタイ世界だと思われがちですが、もちろんそのような面がありつつも、それにがんじがらめになるわけではなく、自由で柔軟な発想と心さえ失わなければ、このような見立ての粋に遊べる世界なのだと思います。

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白隠禅師ご誕生の日

毎年お知らせしているような気が致しますが、本日12月25日は、臨済宗中興の祖、白隠慧鶴禅師ご誕生の記念日です。

11歳の頃、母親に連れられて参拝した寺で地獄絵図をご覧になられ、その恐怖心が後の出家へと繋がったといいます。
「死ぬと一体全体人間とはどうなるのか…」という疑問や恐怖が出家の契機となるお話はよく拝聴します。
その疑問や恐怖心などが、修行によりどう変容するのか、いえ、そのものが変容するのではなく、自身が変容するのでしょうが、そのあたり、とても興味深いところです。


151225a.jpg白隠禅師画像 龍澤寺蔵 *遠諱ポスターより

さて本日はご誕生を記念しまして、臨黄ネット(臨済宗黄檗宗公式サイト)にあります、白隠さんに関する法話をご紹介致しましょう。

「心の草取り」静岡県 ・実相寺住職  巨島信慶

平成29年には白隠禅師の250年遠諱(お亡くなりになられてから250年の節目)を控えております関係で、臨黄ネットの法話では、白隠さん関連の法話も度々お目見えする事と存じます。
さらに、来年再来年と、白隠さん関連のご案内も増えてゆくかと存じますが、どうぞよろしくお願い致します。

151225-1.jpg禅文化研究所は、本日をもちまして本年の業務を終了させていただきます。
*午前中までにご注文いただきました書籍などは、本日発送させていただきます。

明日は大掃除。職員の半分が僧侶という環境は、その昔企業にも勤めた私にとって、なんと掃除が楽なのだろうといつも感慨深いものです。いえ、何もさぼるわけではないのですが、僧堂を経験している僧侶がいるという事は、掃除のプロがいると言っても過言ではないわけで、なんとも頼りになるものです。

皆様も住まいを清め、心身身辺すっきりとされて、歳神様をお迎えくださいませ。

本年もお世話になり、誠に有難うございました。
来たる年も、何卒宜しくお願い申し上げます。

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月釜 於:大徳寺

千利休の月命日の11月28日(土)。大徳寺のいくつかの塔頭にて釜が掛けられますので、久々にでかけてみました。

11月は、炉開きで茶室のしつらえも新たに、火が客の方へと近づき、さらに半年間茶壺でねかせたお茶の口切りがある季節。
茶人の正月とも言われるおめでたい月であります。
道具もどこかしらその喜びを表す物が並び、風炉の季節の軽やかさとはまた違った重厚感があり、「あぁ、いよいよ茶の湯の本格的な季節の訪れだ…」などと思うわけです。

151202-1.jpg本格的も何も、年がら年中稽古もしていますし、日本にはそれぞれに素晴らしい趣きある四季が存在し、その四季とともに育まれた奥深い日本の文化である茶の湯。常に自身と向き合うような道なのでありますが…。


太陽の出ている時間も少なくなってゆき、なんとなく自身の内と向き合うような季節。
さらに炉になりますと、風炉の時とは釜の位置が随分かわり、重心が変化し、自然と丹田に力が宿るような坐り方になるからでしょうか。習い始めてからずっと、一年中、いつも茶の湯が楽しく大好きで仕方がないのですが、炉の季節を迎えて最初の点前の時、必ず毎年「あぁ、やはり炉の点前は良いものだなぁ……」としみじみ思っているのです。

と、月釜の事を忘れていました。主のもてなしにはじまり、訪れる茶人達(客)の心構えまで、様々な人を先生とし、ほんとうに色々と学べる機会なのです。炉の季節の喜びを主客共に味わい、新旧の道具のバランスの絶妙な趣きに感嘆し、味わいつくして大徳寺を後にしました。

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武蔵野の禅刹 平林寺-伝来の書画名宝展-

 


150821-1.jpg9月24日より、埼玉にあります平林寺(平林僧堂)の珠玉の宝物をご覧にいれます展覧会、【武蔵野の禅刹 平林寺-書画名宝展】を、花園大学歴史博物館にて開催させていただきます(博物館と禅文化研究所共催)。

150821-2.jpgそのため、花園大学の調査チームの先生方と禅文化研究所の職員が、宝物の数々をお借りする為、平林寺へお邪魔しておりました。



150821-3.jpg展示予定のお軸がならびます。

150821-4.jpg一つ一つ確認作業をさせていただきます。

150821-5.jpgこちらに写っている3幅は、全て14世紀のものだとか。お楽しみに。

150821-6.jpgそしていつも有難く、欠かせない存在。日通の宝物輸送スペシャリストの方々!

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この平林寺は、関東以外の方はあまりご存知無いかもしれませんが、13 万坪におよぶ境内林に囲まれた静寂な空間のなか、開山・石室善玖(直指見性禅師、1294~1389)はじめ中興開山・鉄山宗鈍(霊光仏眼禅師、1532~1617)等の法灯が連綿と受け嗣がれています。
また、広大な平林寺境内の景観は武蔵野の面影を今日にのこし、多くの人々に親しまれています。

150821-8.jpg“知恵伊豆”として知られた名君、松平信綱公(平林寺の檀越・大河内松平家代々の墓があります)が着手し、開削された野火止の用水路は、歴史上の大事業(全長24キロ)としても有名ですが、そんな江戸時代初期の出来事を彷彿させる地でもあります。
この事業によって土地が潤い、人々の生活も豊かになったのだとか。詳しくは、『智恵伊豆に聞け』(文春文庫/中村彰彦)を是非お読みになってみてください。 

150821-9.jpg本展覧会では、歴世住持および中興開基・大河内松平家の関係資料のほか、平林寺にゆかりある黄檗僧・独立性易(1596~1672)の品々や、松永安左エ門(耳庵、1875~1971)の遺愛品をご紹介します。

また、平林寺の永い歴史のなかで蓄積された多彩な美術作品のうち、元時代に遡る中国絵画はじめ中世絵画や近世の禅画などの優品の数々をとおして、武蔵野に華開いた禅文化の魅力に迫ります。
また、記念講演会も開催致しますので、是非ご来場ください。


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【前期】9/24~10/31 【後期】11/2~12/12
於・花園大学歴史博物館 開館時間10:00~16:00/日曜休館

【記念講演会】 於:花園大学教堂

2015年10月14日(水)13:00~14:30
「平林寺に関わった名僧」 竹貫元勝先生(花園大学名誉教授・正眼短期大学副学長)

2015年11月18日(水)13:00~14:30
「平林寺の伽藍と境内」 松竹寛山老師(平林僧堂師家)

入場無料・申込不要 先着150名

 

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私の花まつり

おはようございます。
先日もブログに書きましたが、今年はとうとう、木彫をしている友人・岸野承氏にお願いし、誕生仏を誕生させてもらい、花祭り(お釈迦様の生誕をお祝いするお祭り)を執り行ないました(我流で)。

この誕生仏、水に沈むと言われている堅い木なんだそうです。私がお願いした時から、この木しかないと思っていたそうな。見た感じも目が詰まっているのがよくわかります。もちろん彼の作品を何度もよく見ていて知っていますし、信頼しているからこそお願いしましたが、想像以上に素晴らしく、とても気に入っています。

150409-1.jpg甘茶はかけられませんが、めいっぱいお花を飾らせていただき、お祝い致しました。
今年の花まつり、4月8日は、まずは友人知人から、このめでたき日を知って貰おうという活動を始めた記念すべき年となりました(一人での活動ですが…)。
さっそく、大分在住のステンドグラス作家の友人は、蓮のうてなに立たれるお釈迦様をイメージした仏足のステンドグラスを制作。仏像好きなご長男に以前プレゼントしていたという誕生仏をお飾りし、子どもさん達と花まつりをしてくれました!嬉しいことです。

150409-2.jpg天上天下 唯我独尊

「他の誰でもない、自己を探求し、本来の在り方、生を謳歌せよ」とお示しになられた約2500年前の御教えは、現代においても最先端だ!と、心から思えますし、仏教徒に限らず、どのような人にも響くものだと思います。
お釈迦様のお生まれになられた日にまた、心に刻み込む朝なのでした。

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そして、何よりも、その尊い仏さまの御教えである仏法を絶やすことなく受け継いでは伝えてくださった僧伽に感謝し、私も「仏法僧」に帰依してゆきたいと思います。


*この誕生仏を作ってくれた友人・岸野承氏が奈良で個展中です。4月12日(日)まで。
近鉄大和西大寺駅下車、南口より徒歩2分・K'sインターナショナル(奈良市西大寺芝町1-2-1)にて。

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道前慈明老師が語る「和食 底流に禅の教え」 -読売新聞より-

 

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5月20日の読売新聞夕刊の「今を語る-宗教者の視点」に、臨済宗永源寺派管長・道前慈明老師が、禅の僧堂での食というものについて語っておられます。

語っておられる事は我々に食の大切さを改めてみつめさせてくださるのはもちろんの事ですが、語らずとも、そのお顔の表情やお肌のツヤが、老師の日々のくらしを物語っていますね。


写真をクリックしていただきますと大きくなりますので、是非ご高覧くださいませ。

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祖師像のいわれ

「開山堂の開山様の木像は、何年に作られたものなのか」という質問が舞い込んだので、少し調べてみた。

この開山堂というのは、妙心寺の微笑庵のことで、その堂内に関山慧玄禅師の木像が安置されている。結論から言えば、この木像は、大永八年(1528)に彫られたものである。開山の遷化が、延文五年(1360)なので、没後約170年に作られたことになる。
よって、山内の衆僧が、誰も開山の尊顔を知らないのは当然である。困ってしまった衆僧はどうしたか。以下、無著道忠の『正法山誌』第一巻「開山尊像」の一文を訓読する。

今、微笑庵の木像、初め彫造の時、面相の拠(よ)る可(べ)き無し。忽(たちま)ち一(ひとり)の老婆有り。一物を袱(つつ)み来たって云(いわ)く、『仏像を買わんと欲(ほつ)せざるや』。衆、之れを取って袱(つつみ)を開いて之れを覧(み)る。一の祖像の面首なり。一衆、之れを買い、以て神授と為(な)す。即ち用いて開山の祖像の面首と為し、肩趺を造り足す。(中略)大永八年。

つまり、一人の老婆が売りに来た、誰のものかも分からない木像の首を買い、それを神からの授かりものと喜んで、これを開山像の首にしたということなのである。まあ何ともいい加減なことだが、誰も開山を見た者はいないのだから、これが現実であろう。

ついでに、あの臨済義玄禅師の形相は、「熱喝瞋拳」のスタイルで描かれるが(臨済禅師・白隠禅師遠諱のポスターにも使われています)、誰も禅師の姿など見たことがないのに、それはどうしてか。これにもいわれがある。

140303.jpg雪竇の持(象田卿公の法嗣)が、径山の大慧宗杲(1089~1163)を訪ね、大慧と雪竇と相与(あいとも)に画工が臨済の像を図(えが)くを観(み)る次(おり)、持、且つ其の本(モデル)を伝えんと欲す。大慧、為に肘(ひじ)を揎(かか)げ拳(こぶし)を卣(つ)くの勢(すがた)を作(な)さしむ。(中略)其の後、諸方に頂相を画(えが)くこと有れば、顰(ひそみ)に効(なら)って、肘を露(あら)わし拳を握るの状(すがた)を作(な)す」(『雲臥紀談』巻上)と。

祖師がたは沒蹤跡(もっしょうせき)に徹するが、それを形に現わしたいのが法孫のさがであろう。いつの世でもアイドルを求めるのは、変わりがないようである。

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炭点前

140221-1.jpg茶の湯の稽古にて、炭点前をさせていただき、師匠のお許しを得て写真撮影。
美しく炭を配置するのはもちろんのことですが、炭がきちんといこって、釜の湯を沸かす事ができなければ本末転倒です。
どちらもできて、“ご名炭(ごめいたん)”というわけです。

色々な形の炭がありますが、どの順番でいこってゆくのかまで考えられています(点前が終わった後の写真は下)。色が違う灰は、濡れ灰といって、湿った灰を最後に撒く事によって対流を起こさせ、炭に火がつきやすくしてくれるわけです。非常に合理的化学的であります(堀内宗完宗匠の『茶の湯の科学入門』に詳しいです)。もちろん、その景色をも楽しみます。

先人が考えてくれた点前には、どれだけ長くお稽古を続けていても感心する事しきりです。
茶の湯に限らず、型というものを習得しないうちに、自分本位な試みをしてみるというのは、良い面もあるのでしょうが、私は危険だなと思っています。

万人に惜しまれて旅だった歌舞伎役者、中村勘三郎さんが好んだ、「型を会得した人間がそれを破ることを『型破り』というのであって、型のない人間がそれをやろうとするのは、ただの『かたなし』です」のことばをいつも思い出します。
今はひたすら師匠のことばを聴き、型の習得に励んでいます。その中でも、得がたい気づきを十二分に得られる、それが道のお稽古です。

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◆弊所刊行の茶の湯関連本
『歩々清風-科学する茶禅の人-』
堀内宗心
『茶の湯のこころ』 古田紹欽
『茶の湯とはなにか』 古田紹欽

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茶人に学ぶもてなしの工夫




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鼓月 京の離宮

2月ですね。もう今年に入って一ヶ月が過ぎ去りました。早いものですね。
今月も宜しくお願い致します。

さて、何で読んだのかは忘れましたが、ある人が三千家どちらかのお家元に伺うと、俵屋吉富さんの雲龍(有名なお菓子です)が、茶巾搾りになって出されて、感動したと……。
雲龍が切られてそのまま出てきたのなら、あまりに知った菓子という事もあり、「あぁ、雲龍ね」で終わるところが、茶巾搾りとなって出てくると、「え、あの雲龍ですか!!!まぁなんと!!!」となりますね(俵屋吉富さんにはちょっと申し訳ない気もしますが……いただき方のバリエーションとして…)。
茶人のこういった工夫、見習いたいところです。
ちなみにこの雲龍、相国寺さんと大いに関係があるのですね。


前置きが長くなりましたが、先日の研究所のお菓子が、雲龍ではないのですが、鼓月さんの“京の離宮”という菓子でしたので、茶礼の時間にはいただかずに、家に持って帰ってさっそく実験してみました。
うずまきを出すように搾るのが良いのか、白い部分を見えるように搾るのが良いのか…。
写真ではわかりづらいのですが、なかなかにかわいらしい茶巾搾りができ、毎夜の抹茶時間がさらに楽しくなりました。
色々な菓子でできそうなので、これからもやってみましょう。皆さんも一度お試しになってみてください。

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白を表面に
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うずまきを表面に

*蓮弁小皿 福森雅武

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初釜




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1月といえば、茶の湯を稽古する者にとっては楽しみにしている大切な行事、初釜があります。
師匠と、師匠に師事するお仲間たちとで、一年で最初の茶事の席を楽しみます。

昨今、茶の湯における懐石料理が豪華になりすぎる事に批判的な方もいらっしゃいます。
私も確かにそれはどうなのか……とも思うのですが、料亭で行なう茶事は、それはそれとして、新年の慶びと、社中が一堂に会する喜びを分かち合い、華やかで楽しくも、新たにこの1年の稽古の精進を誓うに相応しい、気がひきしまる場として受け止めています。

ですが、一度、流派関係なく、茶の湯を稽古する友人達と、一汁一菜のシンプルな料理をいただいた後で、濃茶薄茶をいただくような会をしてみるのも、自分たちの精進の為に良いのかもしれないな……と思ったりもしています。今年の目標ですが、いつ実現しますでしょうか。

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年末年始 諸々のおしらせ




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皆様おはようございます。
諸々のお知らせをさせていただきます。おつきあい下さいませ。

【白隠さん情報】
去る日曜日、NHKの〈日曜美術館〉で、 -白隠 気迫みなぎる禅画- の放送がありましたね! ご覧になられましたでしょうか。
見逃した方は、30日の夜8時~9時に再放送がございますので、是非ご覧になってみてください!

白隠展に、別冊太陽(うちでもお取り扱いあります)の発刊、白隠さんに大注目ですね。
現在の日本を見たら、ぎろっと睨んでなんと仰る事でしょう?!


【年末年始に関するおしらせ】
2012年12月28日(金)~2013年1月6日まで、冬季休業とさせていただきます。
それに伴いまして、書籍等の販売物のお届けは、本日2012年12月26日(水)午前中までのご注文分を年内に発送させていただきます。
それ以降のご注文分につきましては、2013年1月8日(火)以降のお届けとなりますので、ご迷惑をおかけ致しますが、どうかご了承下さいませ。
カレンダーをまだご準備でない方、年末年始は読書をして過ごそうという方、お急ぎ下さいませ!
年内のお届けは、本日午前中注文分まででございます。

カレンダー・干支色紙各種のお求めは、こちらからどうぞ。

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心の疲れをとる! 禅入門 -ヨガジャーナル 日本版vol24-




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長らくご無沙汰致しておりましたが、皆様お変わりございませんでしょうか。
お盆はそれぞれのご家庭でご先祖様をお迎えになり、お見送りなさいましたか?

本日より弊所は一斉休暇が終わりまして、通常通り…ではないのですが、職員の何人かは出て来ています。休暇中は大変ご迷惑をおかけいたしました。
ご注文いただいている書籍も随時発送して参りますので、しばしお待ち下さいませ。


さて、少し前になりますが、7月28日発刊の『ヨガジャーナル 日本版vol24』にて、「心の疲れをとる! 禅入門」と題して、坐禅をふくめ、生活に禅のスタイルを取り込む事によって身心共に健やかに暮らそう!というような特集が組まれていました。
プチ禅メソッドなるものが、すこしこちらに載っていますね。
禅スタイルの部屋にする為のインテリア商品まで掲載されていてびっくりでした。

先日はこちらにも坐禅特集が載っているとお伝えしたばかりですが、何やらちょっとしたブームでしょうか。

私自身ヨガをしていますので思うのですが、ヨガに真摯に取り組む人は、自然と禅にも関心を持ち始めるようです。
ヨガ人口はいまや日本でも爆発的に増えていますから、そこから皆さんに禅に入ってきていただくというような道程も面白いな……と個人的には思っています。

生活を規則正しく美しくし、坐禅で身心を整えるのは、確かに美容にも良いのです女性の皆さん。
老師方のお肌はツヤツヤで、いつもお会いする度に「鍛錬の賜物だろうなぁ…」と思わざるをえないのです。

お近くの坐禅会情報はこちらから調べられます。“気”が向いたときには是非に第一歩を!

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『なごみ』8月号 小特集・坐禅入門




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淡交社さまより毎月お送りいただいております、『なごみ』
いつも楽しみに拝読させていただいております。ありがとうございます。
今回の変化朝顔特集も、目のつけどころが面白すぎます。私も近々朝顔を生けてみましょう。

そして皆様に是非ともご紹介したいのが、花園大学教授の安永祖堂老師の監修・文章、そして妙心寺派の専門道場・埼玉県の平林寺(へいりんじ)の協力による、「坐禅入門」小特集!!!
僧堂の禅堂を拝見できる喜びに興奮しております。

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平林寺禅堂 なんとも、よい写真ですねぇ


坐禅とは何か、坐禅による身体・呼吸・心の整え方とは、インドに始まり、東へ東へと伝播していった坐禅の現在…など、10ページの中に、わかりやすいカラー写真と、安永老師の名文で、これを読んだらさっそく実際に禅寺へ!!!身心一如、自身の身体と心に向き合ってみよう!!という心持ちになります。

弊所に事務局を置いております、臨済宗黄檗宗HPの坐禅会情報も是非ご活用ください。


余談ですが、『なごみ』の連載で、私はいつも市川猿之助さんの“亀遊笑覧”を楽しみに拝読しています。歌舞伎役者さんの豊富な知識、経験、審美眼をもって語られるお話は、骨董を生業とする人や、評論家などとはまた違った視線で読者を楽しませてくれます。一冊の本になる事を切に願っております。

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花園大学 京都学講座 開催中!




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先日もお伝えしましたが、“花園大学 京都学講座”が昨日より始まっています。
ご予定あいていらっしゃる方は今日、明日と、是非おこしくださいませ!!!

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早朝坐禅 -花園大学・無文館2F-




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無文館 禅堂


何を隠そう、無文館(むもんかん)とは禅文化研究所があります建物です。そう、禅文化研究所の2Fは禅堂になっているのです。
この禅堂において、花園大学主催の自由参加早朝坐禅が開催されています。

【時間・曜日】
午前7時55分より8時45分まで(50分間)
土曜日・休講日以外、毎日開設(開講期間中)

【スケジュール】
7:55 木板を打って開始を知らせる
8:00~8:25 坐禅
8:25~8:30 経行(きんひん・堂内を歩く)
8:30~8:43 坐禅
8:43~8:45 読経(般若心経)後終了

関心のおありになる方は是非!
ちなみに、大学内の食堂(8時半~)では朝御飯が100円との事。坐禅会の後に朝御飯を食べて帰られる方もいらっしゃるようです。
ごはん、お味噌汁、焼き魚、のりとその他一品ついて100円だそうです。さらに温玉をプラスしますと、160円になるのだとか。あわせてご利用下さい。

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臨済禅師・白隠禅師遠諱事業




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写真は昭和41年に行なわれた臨済禅師1100年遠諱の風景(於:東福寺)


平成28年に宗祖臨済義玄禅師1150年遠諱、同29年に宗門中興の祖・白隠慧鶴禅師250年遠諱を迎えます。遠諱というのは、祖師の遺徳を偲んで寂後に行なわれる法要で、通常は50年ごとに営まれます。
当研究所が事務局を持つ臨済宗黄檗宗連合各派合議所(臨黄合議所)では、両遠諱の実行委員会を立ち上げ、中国から日本へ脈々と継承されてきた宗旨を挙揚し、禅のこころが私たちの生活の基盤となるような遠諱を目指し、行事や事業を計画しております。

メインとなる遠諱法要と全国の専門道場から雲水を集めての報恩接心を、平成28年3月に京都東福寺で行なうほか、一般を対象とした全国規模の坐禅会、東京・京都の博物館での特別展覧会や、記念出版やシンポジウムの開催など、多彩な事業を展開いたしますので、是非この機会にご参加いただきたいと思っております。

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NHK【100分de名著選】  ブッダ-真理のことば-




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ブッダ-真理のことば- NHKサイトよりお借りしました

NHK毎週水曜日夜10時~【100分de名著選】にて、「ブッダ-真理のことば-」がアンコール放送されています。
私も大ファン!の、花園大学国際禅学科教授の、佐々木閑先生がゲスト講師として出演されています。非常にわかりやすく、ブッダの教えについてを皆さんにお伝えしておられます。
まさに今の時代、そしてこの3月という震災から1年を迎える月に相応しい内容だと思えます。

是非ぜひご覧になってみてください。

弊所の季刊『禅文化』での連載記事は、こちらでご覧いただけます。-戒律のはなし-です。
仏教や禅に関心が無い方も一度読んでいただきたい内容となっています。

戒律のはなし(一)より、佐々木先生が御自身の事を書いておられる文章をこちらに抜粋し、掲載しておきます。

 科学は絶対の真理を追究する崇高な学問で、仏教学だの歴史学だのは、過ぎてしまった過去のことをうじうじとつっつきまわすだけの無意味な趣味、というのが、私、幼少のみぎりの思いであったわけですが、その科学にも厳然として歴史的背景があるということを知るに至り、仏教も科学も、数学も哲学も、経済学も文学も、およそ学問と呼ばれるものはすべて、歴史性を基盤とした人間活動の一環として扱うべきものだと思い至ったのです。このように考えると、俄然、仏教を学ぶことに誇りが生まれてきます。科学も仏教も、その時代時代の最高の叡智が、宇宙の真理を解明するために懸命の努力をした、その痕跡であると考えるなら、同じレベルの気高き人間活動と考えることができます。仏教を歴史的に解明し、その意味を理解するということは、物理学の歴史を辿ってその最先端に立ち、宇宙法則を発見していく科学者の作業と、本質的に変わるものではないのです。

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師匠の点前




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茶の湯の稽古を始めてはや12年。
潔癖症で人一倍変にこだわりのある私が、茶の湯の世界を大好きになり続けて来られたのも、ひたすらに学び続け、茶の道に対して真摯にあり続ける師匠のおかげです。

先日のお稽古で、涙が出るほどに感動し、心うち震えた師匠の姿。
稽古中の弟子が、茶杓を清める所作に移ったところ、
「宗心宗匠(表千家・堀内宗心宗匠)はね、このように茶杓を清められるわよ」と手本を見せて下さった、その所作。
もうそれは、宗心宗匠が乗り移ったか、そこにいらっしゃるかのようなのでした。
まさに伝統とは、道とは、このように受け継がれてゆくのだなと改めて思ったわけなのです。

齢八十を超えた師匠。娘時代から続けてきた茶の湯の稽古なわけで、身体にしみついてしまった点前は、そうそうすぐに変える事ができない事は、たった12年しかお稽古していない私でもよくよくわかります。
ですが、いつもいつも宗匠のお稽古で新しい事を学んでこられると、すぐにそれを実践し、今までの点前と違っていても、「この間の会で、宗匠がこのように仰ったから……」と、とても柔軟に対応されます。

稽古を続ければ続けるほど、素直にならなくてはいけないと思います。
長年稽古を続けてゆくうちに、どうしても自身の癖が顔をのぞかせます。長くなればなるほど、師匠に注意されても、自分を律して素直に従う事ができにくくなってゆくように思います。我の強い私はことさらです。
そんな自分を捨て去って、ひたすら素直に、全身で師匠の教えを受け取りたいと願う今日この頃。
『歩々清風』(堀内宗心著・禅文化研究所刊)の大好きな文章を思い出します。茶の湯の稽古をされている方には是非手に取っていただきたい本です。

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日本独自の意匠




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茶の湯の稽古に通い始めてはや11年。
時を経てもなお、いつもいつも茶室には新鮮な驚きや感動が詰まっています。

先日のお稽古での主菓子は、“早蕨”。
さまざまなもののデザインに登場し、日本人の目にはさほど珍しくない早蕨の意匠ですが、外国の方はどのように思われるのでしょうか。私の大好きな意匠です。

土から顔をのぞかせる早蕨を見て、美しい、かわいらしいと感じる日本人の、先人の感性の豊かさに感動し、この国に生まれた事をありがたいなと思います。


*ご質問がありました。主菓子の御製は、兵庫県尼崎市武庫之荘にあります、阿波屋千鶴(あわやせんかく)です。ご主人は京都で修行されていたそうで、上品な甘さにて、四季折々とても美しい主菓子を作ってくださいます。

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『茶道雑誌』(河原書店刊) -所長による連載-




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河原書店さん発刊の『茶道雑誌』に、弊所の所長、西村惠信による、-白隠禅師「坐禅和讃」を読む-の連載が2月号より始まっています。

茶の湯を学ぶ事によって禅に関心を持つようになった私からすると、茶と禅とは切っても切れない関係でありながら、一般の茶道を嗜む人と禅の世界の間に隔たりを感じずにはいられませんでした。

そんな中、表千家でお稽古をされる多くの方が講読されているであろう『茶道雑誌』に、所長の連載が始まった事を個人的にもとても嬉しく思います。
読みやすいエッセイですが、文中の至る箇所に仏教の、とりわけ禅のエッセンスがちりばめられています。白隠禅師の「坐禅和讃」の中には、短い中にも我々が日々生きる為に大切にしたい心構えの真実が説かれています。
是非ご一読いただければと思います。

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白隠の禅画





「鍾馗鬼味噌」(海禅寺蔵)『白隱禪画墨蹟』全三巻より

以前、当禅文化研究所の編集主幹であった芳澤勝弘氏(現・花園大学国際禅学研究所教授)によって、白隠禅師の書画について研究されてきた成果が、近年、『白隱禪画墨蹟』全三巻(二玄社刊)という大部の図録となって刊行され、また芳澤氏による講演や執筆等により、白隠禅師書画の魅力がどんどんと紹介されている。

今回は、NHKBSハイビジョンのプレミアム8 文化・芸術の中で、本日(2011/2/22)午後8時~9時半に、“「大胆不敵な水墨画」 第3回 白隠 気迫みなぎる禅画”として放映される。
興味のある方は、是非ご覧いただき、白隠禅師のユーモラスな画の中に秘められた禅の教えを知っていただきたい。

また、禅文化研究所では、今夏、白隠禅師の語録『荊叢毒蘂(けいそうどくずい)』を、芳澤氏の訓注により刊行すべく、現在、編集作業中である。乞ご期待。

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『アブラクサスの祭』




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臨済宗僧侶で、芥川賞作家の玄侑宗久師原作の映画『アブラクサスの祭』。既にご覧になられた方もいらっしゃるでしょうか。

「悩めるお坊さんが、生きるヒントを教えてくれる」とのコピーが印象的なこの作品(ちなみに私は在家の所員です)。「お坊さん達と一緒に仕事ってどんな感じ?」と、友人から尋ねられる事もしばしば。そんな時には、「どんな感じもこんな感じも、お坊さんも人間やからねぇ」とよく話します。
そういう映画かどうかは、まだ観ていないのでわかりませんが、京都では、私も会員になっている-京都シネマ-で、2月12日~25日まで公開されます。
その他の地域の情報は、公式サイトでご確認の上、是非ご覧になってください。

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今を生きる、ともに生きる -ティク・ナット・ハン京都講演-




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4月24日(日)の、ベトナム人禅僧ティク・ナット・ハン師の講演は、「今を生きる、ともに生きる(Enjoying the Present Moment, Living in Harmony)」という演題です。

現代では、「宗教」というと、人にもよりますが、日々の生活からは遠く離れて、どこか別次元で存在しているかのような“自分には関係のない事”のように考えられていたりする気がします。

「宗教」という言葉の響きが、そのように感じさせるのかもしれませんが、人として生まれてきた以上、どのように生きるのか、自分自身とは何であるか、そこを掴もうとして、考えたり、悩んだり、もがいてみたりしながら、誰もが、日々暮らしているのではないでしょうか。

妙心寺と禅文化研究所が主催するというのに、こういった事を言うのも変な話かもしれませんが、私個人としては、「宗教」であるとか、「禅」であるとか、そういった括りや枠を超えて、こだわらずに、様々な方に参加していただきたい気持ちがあります。

参加される皆さんが、この会の話をお聞きになり、師の話の中で自身に響くことばがあれば、今回のこの講演という“きっかけ”によって、新たな“気付き”が生まれると思うのです。何らかを持ち帰っていただきたい。そんな気持ちで御案内しています。

ティク・ナット・ハン師や、その活動についての詳しい事はこちらのサイトをご覧下さい。

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立派な人




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「そんなところ(禅文化研究所)につとめておられたら、立派な人にずいぶんにお会いになるんでしょうねえ」と時々言われる。大抵の場合、揶揄である。発言者の真意は、「私は、そんなにアクセク修行もしてませんし、聖人でもないけれど、そこそこ気持ちよく、みんなともうまくやって生きてますよーー」というあたりにありそうだ。

若いころ、アシュラムで結構がんばって修行したという友人に、「禅の世界で突き抜けた人に会おうと思ったら、何処に行ったらいいの」と聞かれた。ある時期に「修行」を止めた友人の真意は、「どれだけ苦行を重ねても、所詮、人間は神にはなれない。だったら、そんなイビツな日々を送るより、そこそこ人生を楽しんで送ったほうがいいんじゃない」ということのようだ。因に彼女は西洋人である。

なるほど、十代のころに深い虚無と出会った私の親友は、いまなお坐禅三昧の生活のなかで、「真っ暗ですよ」と言う。ふむふむ。

糸井重里さんが書いていた。

人間が、どうしてもやってしまう基本的な悪いことについては、「必ずじぶんもやる」と思っていることが大事。ぼくは、近くの人には、そう言ってきました。 「私(わたし)」を、人間離れした位置において、他の「人間たち」のろくでもないことを指摘するのは、もうやめにできないものだろうか、と思うんです。

糸井さんの言葉を借りると、最初に掲げた2つの例は、「私(わたし)を、人間離れした位置において」、自己の苦しみと悪戦苦闘する他人をとやかく言うということにもなるのだろうか。ここで「人間離れした」とは、ミエやウソから全く解放された人のことのようだ。

私は上記の「真っ暗な」親友と一緒にいると、とても楽で明るい気分になる。なぜかなと考えてみる。多分、私が彼にまったく気を使わないでいられるからではないかな、と思う。「他者」と一緒にいると、大抵の場合、どんなに楽な人でも1ミリくらいは気を使う。なぜか。相手を傷つけないでおこうという、抑制力が働くからだと思う。多分、悟りを得た自由闊達の人には、こんな気遣いは生じないであろう。

では、どうして親友と一緒にいると気を使わないのか。私には、彼を傷つけることさえできない、という確信がどこからともなく涌いてくるからではないか。つまり、彼は私ごとき人間のアレコレに傷つくことなどないのだ。人が傷つくのは、ミエやウソをコケにされた時ではないか。「私の内なる悪が機能しない」。こんなにホッとすることがあるだろうか。だから「真っ暗な」親友は、私にとって「立派な人」なのだろう。その立派さが、彼の坐禅とつながるのかどうか私にはわからない。

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中国僧との交流




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日中の禅僧が坐禅や作務など、修行体験を通して相互理解を深める、日中禅僧交換交流のために5名の中国僧たちが来日した(9/27)。

中国仏教協会から派遣された一行は、福建省の仏学院の指導者を中心としたメンバーで、国内の2つの専門道場で雲水たちと共に5日間の修行生活を送り、関係寺院を表敬訪問したのち、京都で報告会を行なう予定である。

中国漁船衝突事件で日中関係が緊迫した状況の中で、本当に来日できるのかと少し不安もあったが、空港に現れた元気な姿を見て先ずは一安心。

翌日、滞在する専門道場の一つである一宮市の妙興寺に案内した。国により文化・習慣は違っても、修行という共通項があればお互いを理解するのにそう手間はかからない。僧堂生活の説明を受ける彼らの真剣な表情からもそれは感じ取れた。

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尺八の音色




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本日(7/12)、海外より研究所にお客様がおみえでした。
関心があるから……との事で、研究所のN先生(尺八歴40年以上)が皆様に尺八を披露する事となり、私もこの機会にと便乗して尺八の音色を間近に堪能する事ができました。
海外で高く評価されている尺八ですが、案外我々日本人は「聞いたことがない」という人の方が多いのではないでしょうか?
私は昔、あの五線譜では表せないなんとも言えない音色に惹かれ、習いたいとまで思った事もあり、その時には調べてみたりもしたのでしょうが、その情熱がどこかへ去るのと同時に知識も失い、本日は海外からのお客様の熱心なご質問により、こちらの方が勉強になるくらいでした。
日本人は、「あまりに質問しすぎると悪いかしら」というような遠慮から、なかなかに相手を質問ぜめにするのを嫌う傾向がありますが、色々な事を学びとろうとするならば、あのような姿勢は見習うべきだなぁ…と感心したのでした。

昔は尺八の音でも低音が好きだったのですが、高音の透き通るような音色が今の自身の心には響くなぁ…と感じたのでした。あのような音色を出す事により、悟りを得るというのもあるのだろうなと思いました。
また、長く使いこまれた尺八の美しさに、先生がどのように尺八を吹いてこられたのかが見えるようで、その事にもいたく感動したのでした。物に心は宿りますね。

さて、尺八にも色々な流派があるようですが、N先生は普化尺八(明暗)をなさいます。中国の普化宗(臨済禅師と交流があった普化を祖とし、臨済宗の一派ともみなされています)が日本に伝わり、禅の修行や托鉢に尺八を使い、また、坐禅をするよりも尺八を吹く事によって悟りの境地を求めたという事実もあるらしく、“吹禅”ということばもあるそうです。
なかなかに複雑な歴史を持ち、ここで皆様に詳しくご説明をさせていただくには、私の知識はあまりに乏しいので控えたいと思いますが、インターネットで調べると、流派の公式HPなども出て参ります。
是非皆様もこの機会に日本の誇るべき文化の一つ、尺八について学んでみられてはいかがでしょうか。

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俵屋宗達筆松島図屏風 複製




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琳派の祖・俵屋宗達といえば、建仁寺蔵の「風神雷神図」があまりにも有名であるが、今から400年近く前、江戸時代初期の1630年頃に描かれた、この「松島図屏風」も俵屋宗達筆の傑作である。
この屏風は、当時の堺の豪商、谷正安が宗達に依頼し、澤庵禅師が開山の堺・祥雲寺に寄贈されたものとされている。
それが約100年前の1902年に、アメリカのチャールズ・フリーアの収集品の一つとなり、その後、ワシントンDCのスミソニアン博物館のフリーア美術館で収蔵されてきたのである。

この度、京都文化協会とキャノンが取り組んでいる「綴プロジェクト」の第三期制作の一作品として、この「松島図屏風」が高精彩複製作品として完成し、祥雲寺に寄贈されたのである。禅文化研究所はその監修という立場で関わっており、寄贈披露式にご招待いただいた次第。

俵屋宗達筆松島図屏風 複製の続きを読む

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花祭り -お釈迦様の誕生日-




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本日は花祭り。お釈迦様の誕生日です。
仏教寺院では、“仏誕生会”といってお釈迦様のご誕生を祝う法要が執り行なわれます。

お釈迦様は、ルンビニ(現在のネパール)にて約2500年前にお生まれになりました。私も大学の卒業旅行でネパールを旅した際にルンビニを訪ずれましたが、いくつかの国の仏教寺院がある以外は何もないような田舎の村でした。それでも村人はお釈迦様生誕の地に住まう事を誇りに思っているようで、「この村はお釈迦様が一番始めに立ち寄られた村なんだ」などと話していました。
私は僧侶ではありませんが、家には仏壇があり、縁あって研究所にて働き、禅の文化などにも非常に興味があり、宗教を問われたら当たり前のごとく「仏教徒です」と言います。ですが、「仏教徒って?」と聞かれた時、どう答えようかと迷う事も正直あります。

ある日、深い悩みを持ちながらも漸く立ち直った知人が言いました。
「お釈迦様が悟って下さった時点で、既に我々はもう救われているんだよね。安心(あんじん)を与えられている。同じく達磨さんが壁に向かって9年坐って下さったのも我々の為だよ。本当にありがたいねぇ。私達は既に救われているよ。だからちょっと私みたいに道に迷って不安定になっても、こうやって今大丈夫でいられるんだ」と。
宗教・精神医学・哲学・古今東西の文学・芸術に関する書などを読みあさり、苦しみ悩んだ末に穏やかな顔で話す知人を見て、「辿り着いたのだなぁ、もう大丈夫だろう」と思いながらも、「なんとなく仏教徒」な自分を恥ずかしく思いました。自分はあそこまで腹の底から「ありがたい」と思えるだろうか……と。
それでもやはり、「あぁ、お釈迦様ご誕生の日なのだな」と思うととても嬉しく有難い気持ちになるのは嘘ではなく、今日をお祝したい気分なのです。

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フランス語版『雲水日記』




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フランスのフィリップ・ピキエ社から、『雲水日記―画で見る禅の修行生活』(佐藤義英/画・文)の仏訳が出版された。
訳者のロジェ・メネソンさんは、フランス極東学院所長のフレデリック・ジラールさんのかつての生徒さんで、10年ほど前に、『雲水日記』を仏訳したいと、禅文化研究所に訪ねてこられた。ご承知のように、『雲水日記』の日本語版は、専門用語もあふれていて、洒脱だが、わかりにくい個所がいろいろある。これを、面白みを残したまま筋の通ったフランス語にするのは、大変だろうなと、ロジェさんのお話を伺いながら感じていた。
今、入門編の二つ「初行脚(はつあんぎゃ)」と「掛錫(かしゃく)」を拝見したところだが、誠実な苦労のあとが偲ばれる。いいフランス語だなあと思う。ユーモラスな画も生きている。日本の文化を根底から支えている世界を、楽しくお知らせすることのできる一冊だと思う。定価19.50ユーロ。
アマゾン(フランス)では、18.53ユーロで入手できるようだ(ただし送料は別途必要)。

日本文化に関心のあるフランス語圈の方々への、ちょっと「イケテル」プレゼントとしても役立つかもしれません。

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三重県名張市の木地師さん -加計仏具店-


修復する仏像

よくお世話になっている恩人の案内で、素晴らしい木地師さんの仕事を拝見させていただきました。
“木地師”と聞くと、皆さんはどのようなお仕事を想像されますか?
私は一番に浮かぶのは、漆を塗る前のお椀やお盆などの原形を作る職人さんでした。
今回は、仏壇仏具、その他寺院神社などに関係する多くの物をお作りになられている木地師さんです。
様々な職人さんのお仕事を拝見していますと、「職人さんの仕事には規格というものが無い分、本当に自由で幅広いなぁ……」と思う事が多々あるのですが、まさに今回もそうでした。

【加計仏具店】
代表作は、知恩院さん所蔵の『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』を図像化した「観経曼荼羅(かんぎょうまんだら)」の軸を、厨子におさめ立体的にあらわした立体曼荼羅の木地制作です。軸に描かれている世界を立体的に…なわけですから、その仕事たるや、素人の理解の枠は超えに超えていました。
言葉では表現できませんので、HPの画像をどうか一度ご覧になってみてください。HPの納入例のページには、実際の立体曼荼羅の画像もあります。
木地の部分を加計さん親子がお作りになり、その他に、塗師や彩色師、仏師など様々な職人さんの手が加わって漸く完成をみる、後世にずっと伝えていきたい日本の仕事です。

たくさんの彫刻刀 たくさんの小さなカンナ

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貴重な遺産 -掛軸の太巻-

太巻

今月はお正月ということで、年頭にあたり、大切な掛軸などを出されたところもあったのではないでしょうか。その中には、「出してみたはいいけれど、本紙部分にこれまでなかった横皺や波打ち、または折れがでてきた」ということがあったかも知れません。

人は健康を維持するために色々と工夫をしています。それと同じように、古物にも少しでも健康でいてもらうために、何かできることはないでしょうか。

例えば、今回の掛軸などの軸物の場合でしたら、細く巻かれていた方が格好が良いのですが、細く巻くとどうしても本紙に負荷がかかってしまいます。上記の症状は、このことに起因することが多いようです。ですから、それらを軽減させるためには、保存時に太く巻いておくことが必要かと思われます。特に、この方法は本紙部分が硬くなったものや厚塗りの日本画などに効果があるようです。

太く巻くには、太巻(正式名称があるのでしょうか?)という専用の道具を用います。この道具は、桐で誂えるのが一般的なようです。確かに昔ながらの桐材は保存の面においても優秀で、やはりこれに勝るものはないでしょう。ただし、最近の桐材は品質に問題のあるものも存在するとのことですので、気をつけなければならないようです。また、誂えるとなると、数にもよりますが、とても高額になりますので、やらなければならないと分かってはいても、なかなか手を出しにくいことも確かです。

しかし、これらの古物は、かけがえのない貴重な遺産です。お寺をはじめ、保有されている方は、現在から未来にかけて、それらの古物の持つ色々な情報というものを、必要とする方々に対して提供できることが必要かと思われます。

大切な遺産を少しでも損傷などから守るために、各所蔵者自身が考えていくことが大切だと思われますが、いかがでしょうか。

※ ここでの紹介は、あくまでも筆者の個人的な考えです。実際に適用される際には、専門家等にご相談なさるか、それぞれの環境や条件にあわせて熟考した後、自己責任でお願いします。

東京国立博物館 『妙心寺展』 好評開催中!坐禅会、法話などのイベントもあります!
妙心寺展

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魅惑のへたり達磨 -金毘羅さん参りその2-

参道

へたり達磨 へたり達磨


さて、金毘羅さんの参道には、数々のお土産物屋さんが立ち並んでいます。
いにしえの人々も、お参りとはいえ同じような思いでこの階段を登ったのだろうか…と、わくわく。
その中で私が今回、その仕事の素晴らしさに魅了されてやまなかったのが、【讃岐一刀彫宗家 山中象堂】さん。

まずは上写真のへたり達磨の素晴らしい彫りと、その意匠にくぎ付け。お参りを忘れて覗き込んだものです。その他あまりに素晴らしい作品が多々あるので、とにかくお参りに行って、後からまた来ようということに……。

【へたり達磨について】 〈山中象堂さんの説明文引用〉
へたりとは辞書に依れば(へたばる、よわる、すわる、疲れて平たく座す)と記されて居ますが、この達磨は大地へ腰を落着け慎重に計画性を以て思索的に又他人に迷惑を掛けない様にするを良しとの意味をこめて当家の伝承図中より選択 現代風に改良讃岐一刀彫の特徴と味を最も良く生かした当家独特の製品の一つです。

とのこと。ご主人の話によると、昔、旭社などの彫刻を手がけた職人の夢枕に達磨さんが立たれて、「しっかり計画性をもち、事に励みなさい」とのお言葉をいただいたのだとか…。
ここで少し宣伝を…達磨さんの伝説といえば日本に数多く残っていまして、研究所からもこんな本が出ています。興味のある方は是非!

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映画 "禅 ZEN"

2009年の正月に封切される角川映画、『禅 ZEN』をご存じだろうか。
私もつい最近になって、この映画が作られていることを知ったのだが、ブログ禅 -blog ZEN-としては、やはりとりあげずにはいられない。

ただ、この映画の主人公は、曹洞宗の開祖である道元禅師である。
我々臨済宗とは中国において繋がる禅の一派で、同じ禅宗ではあるが、修行体系など異なることも多々有る。
そういえば、先日の「禅と文化の旅」のバスガイドさんが「臨済禅宗」という言い方をしていたので、あとで、こっそり、そういう言い方はしませんよといって正したのだが、そうでも言わないと、臨済宗や曹洞宗といっても、一般には、これらが禅宗であるということが分からないのかもしれない。

さて、話は少し脱線したが、この『禅 ZEN』という映画は、道元禅師の生涯を映画化したものであるらしい。道元役を演じるのは中村勘太郎である。
曹洞宗を開いた禅僧で、只管打坐を標榜した人であることは知っていても、その生涯は知り得なかったので、楽しみにしている。

専用のホームページもできているので見てみたところ、関連リンクページがあるのでのぞいてみたら、Coming Soon となっていた。いくら道元禅師の生涯の映画であって、永平寺が舞台として出てきても、未だ曹洞禅ネットにはリンクしていないようだ。

禅文化研究所で事務局を兼ねている臨済宗黄檗宗連合各派合議所では、臨黄ネットという臨済宗の公的なホームページを運営している。
このホームページでやりたかったのは、インターネットというある意味バーチャルな世界で終えず、そこから、それを見た人を近くの禅寺や、禅寺の和尚に向かわせようというものだ。

さて、この映画は見る人の目にどのように映り、そしてどんな感情を残すのだろうか。既成仏教というものを見直されたり、実近に感じられるようになるだろうか。

もちろん私も劇場に足を運ぶつもりだが、どんな映画に仕上がっているのか楽しみではある。
余談だが、Googleで"禅 ZEN"で検索してみたら、本ブログもなかなかいいところに位置していた。(笑)
それでもまだ、けったいな商品を販売しているサイトに負けているのは腑に落ちないが。

12/24の記事「“禅ZEN”~女性として観る~」はこちらからどうぞ。


*本日は仏成道会(ぶつじょうどうえ)。お釈迦様がお悟りを得られた日です。

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狩野山雪・老梅図襖絵の複製  妙心寺・天祥院

妙心寺塔頭 天祥院

京都国際文化交流財団が行なっている「デジタルアーカイブ事業」。 簡単に言うと、京都の貴重な文化財である屏風や襖絵などの書画を、最新のIT技術により撮影されたデジタル画像から高性能のプリンターで和紙に印刷し、そこに京都の伝統工芸士が金箔を貼り込み、複製品を作成するというものである。 この3月に、キャノンの出資もうけて制作されるこれらの複製事業によりようやく完成した数点が、もともとあった所蔵寺院等に里帰りすることになった。

そのうちの二点、石庭で有名な龍安寺にあった、狩野永徳画の「琴棋書画図」襖絵と、妙心寺塔頭の天祥院にあった狩野山雪の描いた「老梅図」襖絵について、禅文化研究所は監修という立場で計画時から関わっていた。
この2点は明治期の廃仏毀釈の影響を受けて散逸してしまった逸品で、現在、「琴棋書画図」襖絵は米国シアトル美術館に、「老梅図」襖絵は米国メトロポリタン美術館に所蔵されている。

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「白隠フォーラム」開催のご案内

鍾馗図_白隠慧鶴 禅文化研究所蔵


花園大学国際禅学研究所主催 東京禅センター協力のフォーラムについて、お知らせです。


【白隠フォーラム】

日本臨済宗中興の祖 白隠慧鶴禅師の禅画に関する講演会を開催いたします。一般民衆に対して、禅画や仮名法語など平易な手段を用いて禅を説かれた白隠禅師の禅風を禅画から探っていきます。
なお、司会は禅僧になったアメリカ人のトーマス・カーシュナーさんです。

 日時:平成20年2月14日(木)午後12時30分~4時(開場12時)
 会場:学士会館 東京都千代田区神田錦町3-28
        http://www.gakushikai.or.jp/facilities/facilities.html
 定員:200名
参加費:無料

【講演タイトル】

 島尾 新     多摩美術大学教授 「白隠ー禅宗絵画の特異点」

 芳澤勝弘   花園大学
          国際禅学研究所教授 「新出の白隠禅画について」

 ノーマン・ワデル  大谷大学名誉教授 「白隠禅画の賛について」

≪お申し込み・お問い合わせ≫

  花園大学国際禅学研究所 京都市中京区西ノ京壺ノ内町8-1
              TEL:075-811-5181(内線651)
              E-mail: forum_hakuin@yahoo.co.jp
              http://iriz.hanazono.ac.jp/

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墨跡勉強会 -東京禅センター-

本日は、臨済宗妙心寺派の東京禅センターから、講座のおしらせです。
なかなか他では無い機会かと存じます。東京近郊の方は是非ご参加下さい。

【墨跡勉強会】

花園大学・国際禅学研究所の芳澤勝弘先生をお迎えして「墨跡勉強会」を開催しております。墨跡に興味のある方、自坊の墨跡を詳しく調べたい方、真贋を知りたい方などが対象です。様々な角度から墨跡を学んでゆきます。初めての方もどうぞご参加下さい。予約は不要です。

【日 程】平成20年1月28日 (月)  午後2時~5時    
 
【講  師】   芳澤勝弘先生(花園大学 国際禅学研究所)
【会  場】   東京禅センター(世田谷区・龍雲寺会館内)
【会  費】   2,000円
        
≪お問合せ≫
         臨済宗 妙心寺派 東京禅センター

            〒154-0003 世田谷区野沢3-37-2 (龍雲寺会館)
              TEL 03(5779)3800  FAX 03(5779)3801

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大般若転読(1)

冬の天龍寺


『大般若経』の転読を見るのは心地よい。禅寺でも正月などに行なわれるなじみ深い行事だ。僧侶が分担して一巻づつ経題を唱え、経本を両手で捧げ持って広げる。すると、高い方から低い方へ、カラカラと軽快な音をたてながら、まるで生き物のように経本が流れ下って行く。参詣者の間をぬって「大般若の風」もそよぐ。

『大般若経』600巻は唐の玄奘三蔵が翻訳したものである。仏典の中では最大の分量を誇る。日本でも呪的効力が極めて強い経典であると認識され、奈良時代から攘災招福・五穀豊穣のために盛んに読誦がなされてきた。

しかし、なにぶん大部なものであるため、転読という方法がしばしば取られた。転読とは、経の題のみ、あるいは初・中・終の数行のみを読むことを言う。ちなみに、経典の全てを読むことを真読という。

前々から疑問に思っていたことがあった。現在の形式の転読は折本でないと出来ないのである。中世以前の大般若経が巻子本(巻き物)であったことは、書誌学では常識に属する。いったい、どのような形で転読が行なわれていたのであろうか。

しかし、同じような疑問を持つ人は結構いるらしい。古い『大般若経』の調査をしている知り合いから、「こんな論文がある」と教えてもらった。(つづく)

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一休さんの袈裟

秋ですね

室町時代の一休宗純禅師(1394~1481)が晩年を過ごされた一休寺(酬恩庵・京田辺市)に残る、一休さん着用の「五条袈裟」の複製品がこのたび完成し、一休寺での公開の後、明日9/19~24日まで、日本橋の高島屋にて公開されるとのことです。

この袈裟は、原品の痛みが激しい為、ご住職の依頼により、龍村美術織物と京都工芸繊維大学が調査をし、約13年かけて復元したそうです。
さすがに約600年も前の物となると、染料や織り方など、調査は困難を極めるのでしょうか。
600年の重みを感じさせる原品、600年前の一休さんが生きた時代を髣髴させてくれる複製品。どちらも尊いものですね。

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京都五山 禅の文化展公式HP -東京国立博物館-

五山展

現在、東京国立博物館にて開催中の京都五山 禅の文化展

その公式サイトに、我が禅文化研究所と、弊所に事務局を置く、臨黄合議所のホームページを、主催者側のご厚意により、紹介していただけた。
こちら

公式サイトでは、この展示に関するブログなども発信中!
是非ご覧いただきたい。

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居士 -こじ-

居士とは

戒名に使用される「居士」という尊称。
本来は在家でありながら仏道に精進する男性を称する語でした。

仏教で使う居士の語は、サンスクリットの「グリハパティ」、すなわち「家の主人・家長」の訳語ですが、特にインドの四姓の中のヴァイシャ階級の資産家を呼ぶときに使用されたようです。ヴァイシャは商工業に従事し、仏教を信奉する富豪も多くいました。
『祖庭事苑』という禅籍には、居士と呼ばれるための四つの条件が挙げられています。

  およそ四徳を具するものを、すなわち居士と称す。
  一には仕宦(官)を求めず。……役人ではない
  二には寡欲にして徳を蘊(つ)む。……欲をもとめず功徳にはげむ
  三には財に居して大いに富む。……大金持ちである
  四には道を守ってみずから悟る。……仏道に精進する

居士になるのも並大抵のことではなかったようです。今となっては単なる理想像かもしれません。

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禅スタイル?!

先日、テレビを見ていたら、NHK教育放送の「おしゃれ工房 」で、和風モダンなリビングコーディネートのことをやっていて、「禅スタイル」と呼んでいた。
曲がりなりにも禅寺で生活し、禅と大いに関係する仕事をしている身として、どのあたりが禅なんだろうかと気になった。というのは、正直、どこにもいわゆる「禅」らしさを感じなかったからである。

ネットで検索してみると、これは「ZEN Style」という欧米で確立した言葉であるようだ。『ZEN Style』という本まで出ているではないか。


ZEN Style

余談ながら、「禅」で検索してみると、弊所ホームページよりも上に出てくる、禅とは無関係なものがあるのには、なんとかならないものだろうか。

さて本題。これはどうやら、欧米人の目から見た日本の生活スタイルで、いわゆるシンプルな和風モダンのことをいうようである。決して民芸調ではない。色はモノトーンや焦茶を基調としている。どうやら欧米人が日本の禅寺で受けたインスピレーションからうまれたもののようだ。

なぜ欧米では禅がブームなのであろうか。
思うにそれは、欧米の個人主義が自我を尊重しすぎるあまりに行き着く所に行き着いてしまい、人間性の喪失が問題となってきたからではないだろうか。そして、無我を追究する禅思想に自己を見出す方法を見つけ出そうとした・・・。それがライフスタイルにまで影響を与えたのかもしれない。

そこで思い返せばわが国のことである。欧米化してプライベートを尊重し、いつのまにか、家の中は個室だらけ。親兄弟とも会話の少ない生活に成り果てている。
こんな欧米からの逆輸入によるうわべばかりのファッションやリビングスタイルはともかくも、禅の文化を育んだ日本に生きる我ら日本人は、本当の禅を学び、禅の精神を体験してほしいと思う。

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「禅文化の継承」 花園大学創立記念日にて

現在、禅文化研究所では、今年の秋には発刊を予定している堀内宗心宗匠の『歩々清風』という禅と茶についての書籍の編集をしている。
そんな折、とても興味深い催しが花園大学の創立記念日において催された。去る5月25日、花園大学無聖館でのこと、『禅文化の継承 -茶道家と俳優滝田栄の語らい-』と題したパネルディスカッションである。
パネラーは、表千家から堀内宗心宗匠、裏千家から金沢宗維宗匠、俳優の滝田栄さん、そして花園大学 阿部浩三学長であった。コーディネーターは花園大学の芳井副学長。


禅文化の継承 -茶道家と俳優滝田栄の語らい-


花園大学には、大学としては珍しく本式の茶室があるが、そこでは、表千家は堀内家、また裏千家は金沢家から宗匠方にお見えいただいて、学生たちが茶道を学んでいる。

さて、最初にパネラーの諸氏がご挨拶されたが、冒頭に阿部学長が堀内宗心宗匠との出会いについて語られた。
阿部学長は在家から出て禅僧になられた方であるが、花園大学在学中に茶道部に在籍し、そこで当時ご出講いただいていた堀内宗心宗匠について手習いされたということであった。
学長老師は、当時抱かれた宗心宗匠の印象を表わすエピソードをお話しになったが、それは今、私たちが感じる宗匠の素晴らしいお人柄とまったく合致するもので、とても共感した。
そこで、事後、学長老師にお願いして、その当時の思い出深いエピソードを『歩々清風』のまえがきにさせていただくようにお願いしたので、詳しくは『歩々清風』のまえがきをお読みいただきたいと思う。

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西村惠信所長といく -禅と文化の旅-

吾唯知足

恒例の、【禅文化研究所 日帰りバスツアー】のお知らせです。

紅葉で混み合う京都を避け、今回は滋賀(甲賀・信楽)を訪れます。
京都と同じく歴史深い近江の里で、美しい自然と美術に触れ、禅の寺にて
西村惠信先生のお話を拝聴し、共に学びましょう。
詳細は下記のとおり。

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