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未知への挑戦~新たなる和紙の可能性を求めて -堀木エリ子さん講演会-




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和紙デザイナー、堀木エリ子さんの講演を聴きにウィングス京都に行ってきました(和紙デザイナー…という一つの肩書きで彼女を表現する事に違和感を感じて仕方ないのですが……)。

前々から、メディアで紹介されて存じ上げてはいましたし、京都のあちらこちらで作品を目にして、素敵だな……と思ってはいましたが、実際に講演会にお邪魔し、モデルさんのような美しい容姿から溢れ出す情熱、親しみやすいお人柄、人の心をひきつけるお話に、すっかりファンになってしまいました。

講演では、どのように和紙の世界に入り現在に至るか……を端的にお話下さり(様々なサイトで紹介されていると思いますので、興味のある方は調べてみてください)、これまでの人生において、様々な新しい挑戦を試み、幾多の困難をも乗り越えてこられた原動力となったのは、“腹の底から湧き上がるパッション、情熱”である……との事を仰っていました。
しかしながら、その“腹の底から湧き上がるパッション”も、壁にぶつかると、踏みにじられ、萎えてしまう。そんな時にもう一度その情熱を奮い立たせるには、ものごとの原点に立ち返る事。そうすると、自分が何をすべきかをいま一度確認、確信でき、再びパッションが湧き上がってくるのだと。
これの繰り返しである彼女の人生は、困難の連続であったにも関わらず、それと同じだけ、喜びと輝きに満ち満ちているようでした。

人生とは、周りの要望に気付き、それが年々変化してゆく事に気付き、生きてゆく事。それに気付かなければ、単なる“なりゆき”にしかならない。そして、周りからの自分への要望にこたえる為には、腹の底からわき上がる情熱、パッションを持って事に臨んでゆく。壁にぶつかったら、原点をみつめなおして、そこからどうすれば良いのかという答えをみつける。そして、いただいた御縁を大切に。 天職とは、みつかるものではなく、生涯かけてこの仕事をやろうという“決心”が天職に繋がる。

珠玉のことばの数々。ぶっとく美しい芯がピシッと通った彼女の話を直接聞き、そのお姿を拝見した事で、自分の立ち位置をいまいちど見つめ直し、今後の人生について考えさせられた講演会でした。

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はじめての寺務管理 みとらセミナー




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去る11月25日に、東京の浜松町にある大正大学サテライト教室でのセミナーの講師を依頼され、2時間ほど拙いお話をしてきました。玄関に意外にでかでかと名前が貼られていて、少々躊躇してしまいました。

これは大正大学の事業法人ティー・マップで開催されている、「みとらセミナー」という新人住職や予定者のための宗門向け企画の有料公開講座です。
大正大学というのは、天台宗・真言宗・浄土宗の包摂的大学で、私たちにとっては他宗門立ではありますが、寺院運営をする住職という立場においては同じですので、若手住職にとって少しでも役に立てばと思い、去年より出向いております。

この「みとらセミナー」は大きくわけて「住職実践講座」「住職・寺族のカウンセリング講座」「住職寺族の寺院会計」「若手僧侶のビジネスマナー」「寺院子女のための教養講座」があり、なかなか興味のわく講座設定です。その中で私のセミナーは「住職実践講座」全8回のうちのひとつ「はじめての寺務管理」というもので、ようは、禅文化研究所で発売している、宗教法人管理システム「擔雪II」を使って、煩雑な寺務管理をテキパキとこなしていこうということなのですが、パソコンは清書するための機械ではなく入力されたデータをどう使いこなすかという点が重要なのだというような理念からも話をしました。
こういった話をするためにレジュメを作ったり、資料を整理したりしていると、お寺の住職っていうのは、なんだかんだと多くの事務をする必要があるんだなぁと改めて実感した次第です。

ありがたいことに十数名の聴講者は熱心に聞き入ってくださり、質問もいただき、こちらも勉強になった部分もありました。

今後、わが宗門でもこういったセミナーは有料にしろ、やっていくべきではないかとも思っています。僧侶のスキルアップは必要です。

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肥後松井家の名品「武家と茶」 -裏千家茶道資料館-




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細川家家臣、松井家所蔵の茶道具の展観。相国寺の承天閣美術館と同時開催で、こちらでは茶道具等がお目見えです。
展観のポスターを見るだけでも、期待に胸ふくらむ展観です。すごい水指ですね。

千利休とも親交があり、禅にも傾倒した武家の当主のコレクションは、筋が通って凛としていて、拝見しているだけでこちらの気持ちも引き締まるもの。12月4日まで。必見です。

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神仏います近江 -MIHO MUSEUM-




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大津市歴史博物館滋賀県立近代美術館に続き、最後の会場となるMIHO MUSEUMを訪れました。
こちらの会場では、「近江伝来の仏像・仏画・経典などを中心に、釈迦入滅から始まり、大乗仏教とともに進展する仏・菩薩の世界、日本仏教の母山とも称される最澄、円仁、円珍らによる天台仏教の確立までの道のりを概観」との事。
なかなかにテーマが大きすぎる為か、少しまとまらない感じがありました。これは主催者側も承知の上での展示だったようです。
それにしても、いつも思いますが、MIHO MUSEUM所蔵品の美しさには、ハッとさせられます。「これはどちらのお寺のものだろう」と思えば、MIHO MUSEUM所蔵である事がしばしば。創設者の小山女史の審美眼にはいつも溜め息ものです。
12月11日まで開催。秋の紅葉を経て、枯れゆく野山の風景もとても美しいものです。

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臥龍山荘 -愛媛県・大洲-




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愛媛県は大洲市にあります“臥龍山荘”を訪れました。
市内を流れるおおらかな美しい肱川。その臥龍淵の崖の上に建つ不老庵、知止庵、臥龍院の建物からなり、敷地は3千坪。
もとは文禄期に渡辺勘兵衛が庭園を築き、その後大洲藩主の加藤家に引き継がれていましたが、明治期に入り荒廃。そこで、大洲出身の貿易商、河内寅次郎が復興させました。
京都の桂離宮を思わせるようで、それでいて独特な発想による様式も施され、構想10年・工期4年をかけた彼の理想の地である事を、随処に伺い知る事ができます。

茶の湯をたしなむ者には、臥龍院の建築において、雪輪窓の塗りや床框の塗りが中村宗哲、欄間は駒澤利斎、襖の引き手や縁側の留め釘が中川浄益、襖は奥村吉兵衛など、千家十職のうちのいくつかの職家が携わっている事に感嘆を隠せません。
もちろん、美しい唐紙の襖紙は、唐長によるもの。意識をもって見つめれば、学ぶ所だらけで、なかなか先に進めないくらいに素晴らしい名建築なのでした。

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臥龍院を裏から観た所。左官の仕事も見事。駒澤利斎による透かし彫も美しく、さらに屋根の手のこみよう、美しさも圧巻。日本の職人の仕事の凛とした美しさは、建物の印象を引き締めます。

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小雪 ―二十四節気―




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今日は勤労感謝の日、また二十四節気の第20、小雪(しょうせつ)でもあります。
先日訪ねた金沢の町では、兼六園の松などの木々に、降雪の枝折れを防ぐための雪つりがほどこされていました。昨シーズンはよく雪が降ったように思いますが、今年はどうなることでしょう。
昨日は、日本武尊の神話ののこる伊吹山にも初冠雪したようですし、いよいよ冬将軍の到来する時節になってきました。

ちなみに、初冠雪というのは、その年の最高気温を記録した日以降で、山が雪に覆われたのを、その山の地元の気象観測所が観測したときに発表されるということで、麓から確認できたときが初冠雪であって、山頂で雪が降っただけであれば、それは初雪というようです。言われてみればなるほどの話ですね。

こちらは1週間ほど前に伊豆で撮った霊峰富士の朝焼けです。こちらも山頂は冠雪しています。なんとも美しい日本のお山です。

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さて、京都では紅葉が美しく色づいてきて、ますます観光客で賑わっています。
朝夕も冷えますし、風邪をひきやすい季節です。どうか気をつけてください。

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フエ ティエンムー寺 その2 -ベトナムの禅寺-

昨日にひきつづき、ティエンムー寺のご紹介。

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いたるところに盆栽が。どうやら僧侶のたしなみのようです。もしかして寺院の収入源として、売る事もあるのでしょうか。どれも見事です。

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枝を固定して、枝ぶりを決めていくところ。カメラを向けられようが真剣そのもので盆栽に向き合っています。“道”の稽古ともとれるのでしょうか。盆栽道。

ちなみに、伽藍の配置はほぼ禅宗様式そのものでした。

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フエ ティエンムー寺 その1 -ベトナムの禅寺-




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前回のタイ情報から、一気にベトナムへ。ホーチミンへと飛び、そこからまた国内線で世界遺産・古都フエへ。
フエには、禅文化研究所職員としては絶対に見逃せないお寺があります。
ティエンムー寺。臨済宗のお寺なのです。ガイドブックには「時間がなければ行く価値はさほど無い」的な事を書かれ、憤慨していた私です。もちろん“禅寺”や“臨済宗”などの説明があろうはずもなく、一般の興味無い人にとってはそんなものか……と思った次第です(そりゃあ、そんなもんですね)。

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フォーン川のほとりの小高い所に位置し、修行をするのにもってこいの環境。





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本堂の屋根には、お釈迦様の一生が。

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【御案内】-技を訪う-に登場した方達の展覧会など




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-技を訪う-でご紹介した方々とは、今も交流が続いています。色々な繋がりができ、さらにそれが広がったりと、私自身、このお仕事をさせていただく事により世界が広がっています。

今回は、今までご登場いただいた方々のその後、また、展示会その他の御案内を皆様にお届したいと思います。


【216号 -かみ添-嘉戸浩さん】
◆カーサ・ブルータスが選ぶお店が、CIBONE青山に期間限定でオープン。かみ添さんの美しい紙を実際にご覧いただけます。
Casa Arcade
会期 : 10月29日(土)- 12月25日(日)
場所 : CIBONE青山 東京都港区北青山2-14-6 青山ベルコモンズB1

◆中田英寿さんが代表理事を勤められる「TAKE ACTION FOUNDATION」の取り組み一貫「REVALUE NIPPON PROJECT」の工芸家として参加されています。
詳細はこちら

【219号 -ズーセス・ヴェゲトゥス-森美香さん】
◆「婦人画報」(10月号)に“お取り寄せバウムクーヘン”として紹介されました。なんと華道家の假屋崎省吾先生からのご推薦だそうです。
彼女は、「変わっていかなきゃ」と言っていた矢先にHPを新しくリニューアルし、パッケージや新商品なども次々新しい物を考え、まさに有言実行の人で、いつも輝いています。HPからお取り寄せも可能です。いつ食べても感動できる、心と身体が喜ぶ味です。


【222号 -土樂窯-福森雅武氏】

◆-福森雅武 仏さま。食と花の器展-(東京)

会期:2011.11.19(土)~11.26(土)
時間:11:00~18:30
場所:うつわや
   渋谷区元代々木町10-5-101
   小田急・千代田線 代々木上原4分 ※会期中無休
*お話会もあるようです。詳細はこちら


◆福森雅武 土樂窯展(京都)

会期:2011.11.23(水)~12.4(日)
時間:11:00~18:30
場所:Utsuwa kyoto yamahon
   京都市下京区五条通高倉角堺町21番地
   jimukinoueda bldg 3F-301 TEL075-741-8114
*11/23には福森雅武先生、福森道歩さん在廊。12/3にはほぼ日スタッフの方もいらっしゃり、土鍋の販売&使い方説明&道歩さんによる料理教室などもあるそうです。

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『利休に帰れ』里文出版 立花大亀老師著




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今、里文出版さんの『利休に帰れ』立花大亀老師著を読んでいます。
日本の伝統芸能や、道の稽古などに精通されていた老師のお話は、私のように浅い知識ながらも稽古を続ける者には、広く深く教えを賜る事となり、茶の湯を稽古する者には必読の書となっています。
ですがまた、茶の湯の稽古をしている云々関係なく、皆様にオススメしたい本となっています。なぜならば、茶の事を語る事によって、その話は様々な世界へと繋がっているからです。茶の湯の稽古とは、結局は自己をみつめ、自己と世界や他者との関わり、繋がりを学ぶ事になりますので、この書は、禅の入門書のような一冊とも言えるのです。

さて、その本の一節にハッとする御言葉がありました。老師のご先祖さまは堺の商人であったとか。鉄砲や貿易などで潤ったものの、結局時の権力者によって利権を剥奪され、落ちぶれてゆくしか無かった堺という町の事を書いたあとに、

堺が堺を滅しました。私の祖先は新兵器で堺をうるおし、堺を滅せしめました。私にはこの先祖の教訓がだれよりも身にしみ込んでいるのです。すなわち日本をして第二の堺たらしむるなと。

とありました。2005年に遷化(高僧が亡くなる事)された大亀老師が、既に今の日本を見抜いていらっしゃるかのような言葉に、少し身震いがしたのでした。兵器として使われればもちろん地球滅亡でしょうが、そうでない利用に関しても、どうでしょうか。
妙心寺さんが、〔原子力発電に依存しない社会の実現〕を宣言されています。

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システィーナ歌舞伎「石川五右衛門」 -大塚国際美術館(鳴門)-

 

昨年に引き続き、今年も行って参りました。
もう“これでもか!!!”という、半ばなんでもあり?!のかぶきように、感動あり、笑いあり、驚きありで、息つく暇も無い時を過ごしました。

スペイン人を父に、日本人を母に持つ五右衛門が、幼い頃に秀吉により日本を追放された父、秀吉の室となる事を拒んで自害した母の無念を晴らすため、秀吉に復讐を誓い大盗賊となり……という設定の新作歌舞伎。

出雲の阿国と恋に落ち、都の人々に踊りが飽きられてしまったと嘆く阿国に、父親ゆずりのフラメンコを教えるという奇想天外なシチュエーション!
片岡愛之助さんが歌舞伎の装束のまま舞ったフラメンコに、会場の拍手も割れんばかり。阿国役の中村壱太郎さんの和フラメンコも艶やかで、眼福のひとときでした。

また、特別ゲストとして、徳島県出身で世界的に活躍するフラメンコ舞踊家、小島章司さんによるフラメンコの舞台もあり、この気迫こもる踊りに、私は涙するほどに魅せられました。スペインに行った事などないのに、あの情熱の国の風景がまるで彼の後ろに現れては消えてゆくように、ありありと浮かぶのでした。
彼の舞台を是非とも一度観に行きたいと思いました。

来年も是非訪れたいと思っています。ちなみに、この歌舞伎はシスティーナ礼拝堂を模した、下写真のようなホールで行われる為、いつも和洋折衷の新作歌舞伎なのです。
2階にはバルコニーがある為、例の「絶景かな、あ、絶景かな~~」も、バルコニーからなさいましたよ! 歌舞伎を知らない方にも楽しめる演出がたくさん。是非皆様も来年訪れてみてください!

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人生の荷物は少ない方がいい -禅僧になったアメリカ人-より




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震災からはや8ヶ月以上が過ぎましたね。
皆それぞれが、自身の人生や生き方について考えたかと思います。

最近私が気をつけているのは、食べ物でも、その他のものでも、その“選択”についてです。例えば、一つの野菜を買うことが、どう生産者や流通と繋がり、自身の身体や心へと繋がってゆくのか。同様に、一つの生活雑貨、着る物などを選ぶ時もです。

元々、色々なものの“選択”においては、こだわりを持って生きているつもりでしたが、震災後はまた違った視点での物選びをしています。
そして、自身が心底気に入ったものにのみ囲まれてシンプルに暮らせるよう、物の整理などもよくしています。そうすると、自然と部屋もさらにスッキリし、持ち物もスッキリし、心までスッキリしてきます。

そんな折、仕事をしていて久々に『禅僧になったアメリカ人』を手に取り、-人生の荷物は少ない方がいい-という、著者トムさんの言葉が目に入りました。

見える物、手に取れる物のみならず、目に見えない心に関する事においても、執着が少ない(荷物が少ない)方が、人は軽やかに、でもどっしりと大地に足をつけて生きてゆけそうだな……と思った次第です。

持ち物を整理したり、心の整理をする為の様々なハウツー本が出ていて、その中には素晴らしいものももちろんあると思いますし、各々に合った本があるとは思います。

が、直接的な方法(ハウツー)をそのまま読んで実践するのみならず、是非、トムさんのリアルな半生を読んで、そこから自身の生き方を考えたり見つめたり、荷物の減らし方を学び取ったり感じ取り、独自の方法を作っていっていただけたら……と思う次第です。

『禅僧になったアメリカ人』トーマス・カーシュナー

人生の荷物はできるだけ少ない方がいい
自己をも捨てきれたら、他に願うことは何もない
トーマス・カーシュナー
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凩のころ -北村美術館-




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このたびの秋の北村美術館。【凩(こがらし)のころ】(12/4まで)。
毎回書いているかもしれませんが、いつも展観の“名(めい)”が楽しみで、「あぁ、いいなぁ…」と思うのです。
季節を感じるお道具類が、茶事の形式に則って並べられ、一期一会の茶事を体験するかのごとく拝見できます。

道具類にうっとりとし、溜め息をつくのは毎回の事。さらに今回は、私が尊敬し、お慕いする堀内宗心宗匠の消息が軸装されて飾られていました。北村翁と堀内家には交流があった為、度々宗匠方の消息などが軸装されて展観にて展示されています。
今回は、宗匠らしいとても懇切丁寧な袱紗のたたみ方についての消息(絵まで描かれています!)。なんとも微笑ましいものでした。

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ダライ・ラマ法王の通訳者 -マリア・リンチェン女史-




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ブータンのチベット僧院にて

どれだけ引っ張るのですか?という感じですが、お付き合い下さいませ。
またまた先日のダライラマ法王の講演についてです。

大阪、高野山の講演で、私が非常に感銘を受けた事の一つに、“同時通訳の方の通訳の素晴らしさ”があります。

私が約十年ほど前に、京都の精華大学にて初めて猊下の講演を拝聴した時には、やさしい英語での、主に学生に向けたお話であった為、仏教の専門用語が出てきたり、哲学的な見解が出てきたり…といったお話はほぼ無かったように記憶していまして、特にその時の通訳者の方が誰であったか……などは気になりませんでした。
また、何冊かダライ・ラマ猊下の書籍を読んではいますが、その際にも、書籍である為に、特に翻訳者の方について気にするという事はありませんでした。

ですが今回、大阪での講演は、龍樹菩薩(ナーガルジュナ)の『中論』から“空”の理論についてまで詳しく解説がなされ、通訳者の方が、非常にわかりやすく即座に的確に日本語に訳されていました。

法王猊下の1つのお話もなかなかに長く専門的で、これは、チベット語や英語を単に日本語に同時通訳できる……というだけでこなせるような内容ではなく、仏教・ことにチベット仏教の深い理解と知識が必要とされる内容でした。

いったいどのような方なのだろう……と思っていましたが、先日家でダライ・ラマ法王の『心の平和』(サンマーク出版)を再読していた際に、もしやと訳者の方のプロフィールを見て、「この方に違いない」と思いました。

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『禅文化』221号 技を訪う -土樂窯・福森雅武-




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日々の生活で出会った素晴らしい様々な“技”を、季刊『禅文化』にてご紹介しています。
本ブログでもご紹介させていただきます。
その他の記事はこちらから。
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季刊『禅文化』221号より
“技を訪う―土樂窯・福森雅武”  川辺紀子(禅文化研究所所員)



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山と田畑に囲まれた、伊賀・丸柱の土樂窯

 白洲正子さんの著書『日本のたくみ』(新潮文庫)で、伊賀の土樂窯七代目・福森雅武氏を知ってからもう十年以上になるだろうか。そこここに神が宿るような、日本の原風景の広がる先祖伝来の地に住まい、日常楽しむ器をつくり、自らそれに近隣で採れた花を生け、山海の珍味を料理し、盛りつける。日々の営みを垣間見るに、その姿はまるで自然そのもの、自然と一体で、「この人はいったいどういう人なのだろう」と私は強い関心を抱いたのであった。
 さっそく著書『土樂花樂』(文化出版局)を求めた。自作の器や、好きで収集された骨董に、我々が“雑草”と呼ぶ草花が生けられ、凛とした佇まいを見せている。しかも、流派の花とは違い、大らかで縛りがない。まだ茶道の稽古を始めたばかりで型を習っていた私は衝撃を受けた。この人の花を真似ることなど到底できない、ということだけは悲しいほどわかっていたが、「何か得たい」と、ことあるごとに頁をめくり心の花の師匠としてきた。また、実家では土樂窯の土鍋や器を少しばかりではあるが愛用し、祖母は亡くなるまで、兄と私が贈った雅武氏の湯呑みを愛用していた。繊細ながらもたっぷりしたその湯呑みを両手で大事そうに持ち、茶をすする祖母の姿を今も思い出す。いつも私の心を豊かにしてくれた、おおげさでも何でもなく、私にとってはさながら“聖地”のような伊賀の土樂窯であった。

 そんな土樂窯の八代目を継ぐ福森家の四女道歩さんと、私の京都の友人・呉服メーカー“貴久樹”の糸川千尋さんが十年来の知己であり、いつの間にか私もお仲間に入れていただくようになった。二人のすすめにより急浮上した福森雅武氏の取材は、その日が来るまではどうしても信じられず、夢心地ながら、聖地訪問に私はいささかナーバスになるほどだった。
 だが、そんな緊張もどこへやら、当日は雅武氏が自らいろり端で土鍋料理をふるまってくださり、道歩さん、糸川さんと、大いに食べ、呑み、笑う、まさに福森流の歓待を受けながらの取材となったのである。
 「お話を聞いても、いつも魔法をかけられたようになってしまって、わからないままに終わってしまう。先生が如何にして先生になられたのかを知りたい」とは糸川さんの言で、どのようにしてこの福森雅武という人物ができあがったのかを知ろうとするのだが、わからない。「この頃になってようやく、今までわからなかったことがちらっとわかってくる。何かと言ったら、死ぬ準備だということやね」などと仰り、掴めたと思っても手中にはない影を、必死に追い求めるように、生い立ちから現在までの様々を伺った。

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「遂翁元盧」展 記念講演会




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既に本ブログでご案内しておりますとおり、現在、花園大学歴史博物館にて、2011年秋季企画展「遂翁元盧 禅画と墨蹟」を開催しております。
本展覧会では、丈山文庫・永明寺(いずれも静岡県)の所蔵する、白隠慧鶴の高弟・遂翁元盧(1717~89)の禅画、墨蹟を展観しており、10月の展示分は入れ替えを行ないまして、只今は中期の展示内容となっております。

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10月にお越しになった方でも展示内容が変わっておりますので、また改めて足をお運び頂ければと存じます。

なお、明日10日午後には、本展覧会の記念講演会を開催いたします。入場無料・申込不要ですが先着順150名までとなっておりますので、お早めにお越しください。

[日程]2011年11月10日(木)
[講演]
  13:00~14:30
   ◆「白隠と遂翁」 芳澤勝弘(花園大学国際禅学研究所教授)
  14:40~16:10
   ◆「白隠の禅」  玄々庵老大師(瑞泉僧堂師家) 
[会場] 花園大学 教堂(入場無料・申込不要・先着150名)


大きな地図で見る

 お問い合わせは、(財)禅文化研究所 まで
    〒604-8456 京都市中京区西ノ京壷ノ内町8-1 花園大学内
    TEL 075-811-5189 FAX 075-811-1432

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立冬 ―二十四節季―




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今日は二十四節気の19番目「立冬」です。
もうはや立冬、年内は残すところ、「小雪」「大雪」「冬至」でおしまいです。
子供の頃、立冬といえば、もうかなり寒いというイメージだった記憶があるのですが、このごろは、まだ秋に入ったばかりというイメージですね。
京都の紅葉も11月後半になってやっと楽しめるといったところでしょう。

しかし立冬は冬の気配がしはじめる頃をいいます。山茶花(さざんか)が咲き始め、大地が凍り始め、冬に元気に咲く水仙も、このころから咲き始めるということです。


さて、どんどん朝夕は寒くなってきます。お鍋料理や熱燗が楽しみになってきますが、風邪にはご注意を……。
私はここ数年来、鼻うがいをして風邪をひかなくなりましたので、ことある毎に推奨しています。
実際、以前は本当によく風邪をひいたものです。季節の変わり目になると必ずと言っていいほど。ところが、この鼻うがいを始めてから年に一度ひくかひかないかという状況が続いています。

私のやり方は簡単です。水でもいいのですが、できればちょっと温めの人肌程度のお湯を手のひらに貯めて、鼻でゆっくりと啜りこみます。強く啜ると鼻の奥に流れて居たいので、鼻孔の中に吸い込んだかなと思ったら、鼻から吹き出すのです。これを数回。
慣れてきたら、ちょっとでも鼻の奥に届くようにするのがいいようです。
外出して家に入ったとき、お出かけ中でもどこかのトイレで、という風に一日数度は鼻うがいをしています。
最初は痛いだけかもしれませんが、そのうち、効果を感じると思いますし、クセになったらもうけもの。
風邪の引きはじめに集中してやると、ひどくならずに終わったこともあります。

9%くらいの生理食塩水が一番痛くないと言われます。水やぬるま湯では……という方は、生理食塩水でためしてみてくださいね。

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『木を植えた男』ジャン・ジオノ原作 フレデリック・バック絵




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人びとのことを広く深く思いやる、すぐれた人格者の行いは、
長い年月をかけて見定めて、はじめてそれと知られるもの。
名誉も報酬ももとめない、まことにおくゆかしいその行いは、
いつか必ず、見るもたしかなあかしを、地上にしるし、
のちの世の人びとにあまねく恵みをほどこすもの。
   『木を植えた男』あすなろ書房より


私の友人がブログで紹介していて、「この絵本は私の永久蔵書に加えるべき!」とすぐさま求めました絵本です。

私も例外ではないのですが、このスピード感溢れる時代の流れに慣れすぎてしまったせいか、現代に生きる多くの人の1つの特徴として、すぐに目に見える、手に取れる結果や答えや評価を求めたがる傾向があるように思います。
そんな自分への戒めとして、時にこの絵本のページをめくるのですが、なかなかどうして、、、
上記の冒頭文にある、“おくゆかしい”ということばも、死語になりはしないか…と思う反面、そういう方に出逢った時の嬉しさや感動は倍増で、「やはり美しいものだなぁ」と思うのでした。
大人にオススメしたい絵本のご紹介でした。

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ダライ・ラマ法王猊下 大阪講演でのひとこま




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チベット仏教寺院にて_ブータン


さて、先日も長々と書いてしまいましたが、本日も少し大阪講演での事をお伝えしたいと思います。おつきあい下さい。

般若心経より、“空”についてのお話をされ、「全ての現象は、それぞれの実体を持って存在しているわけではなく、あたかも幻のごとく現れては消えているのであって、現れているようには、究極のレベルにおいては存在していない。五蘊も意識も空である」というような解説があった為、中学生くらいの男の子が、

「僕と友人との友情も幻なのですか?」

という質問をしたのです。とても純粋な良い質問だなと思いました。
それに対する法王猊下のお答えは、中学生だからと真理をあやふやに解説したり、妙に易しく説くのではなく、真理は真理として、また丁寧にくわしく“空”についてを説かれました。

彼にとってはおそらくその様子から、「???」だったのでしょうが、直接法王猊下に質問をし、とても丁寧に詳しくお答えをいただけた事によって、今後自身の人生を生き、様々な事を経験し、勉強してゆく過程において、ふとこの時の事を思い出す事が必ずや幾度も訪れる事と思います。
そして、その都度理解を深めて、「あの時猊下が仰ったのはこういう事なのか」「こういう事なのかもしれない」と、自身に馴染ませてゆけるのではないかと思いました。とても貴重な体験をされたなと思います。

お答えになったのが、ダライラマ法王なのだから、我々とは違う……と思いがちですが、大人が子どもに何かを説明する際、まだわからないだろうからという理由であやふやにしたり、説明をしないというのは良くない事かもしれないな……と思いました。

「注意深くありなさい」と仰っていましたが、注意深く法話を拝聴し、考えてみれば、何時間かのお話の中に、ありとあらゆる教えが含まれている……と、今反芻している所です。また思う所があれば、皆様と分かち合いたいと思いますので、宜しくお願い致します。

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ダライ・ラマ法王14世 大阪特別講演 高野山講演




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10月30日の大阪特別講演、31日の高野山特別法話にでかけてきました(研究所とは関係無く、個人的な希望からです)。

二日間の講演に連続して参加させていただき、法王猊下の御言葉を拝聴し、終始一貫して伝えようとされていたのは、「世界中の一人一人が、他者への相互理解を持ち、それを深めてゆく事によって、より良い世界を創造してゆく事。その為に我々がどうあるべき、どうすべきか」という事であったかと思います。

チベット仏教の最高指導者という立場にありながらも、何らかの信仰ある者のみならず、信仰無き者には、“世俗の倫理観に基づいて、思いやり、慈悲心を高めてゆく方法、そのように生きる為の教育の重要性”を説かれました。法王ご自身が、深い深い他者への理解によって、どのような立場にある人にも届くようにお話をされる事に深い感銘を受けました。菩薩の化身とは、何百人に語っても、その人一人一人の所へ届くよう、近く寄り添ってお話してくださるものなのだな……と感じました。
難しい哲学的な話、宗教学の話も交えての講演でしたので、個々に理解度は違えど、必ずやそれぞれの胸に響くものがあった事と思います。

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今回、大阪講演では、般若心経に説かれる“空(くう)”の教えについて大変明解な解説がなされました。
法王御自身が政治的に困難な局面にありながらも、“空”への理解を深める為の瞑想を既に50年以上も続け、“空”への理解を自分自身に“馴染ませてゆく”事によって慈悲心を養い、他者への愛を持ち、相互理解につとめておられるお姿は、全人類の良き手本であると思いました。法王ご自身が50年以上実践されて、「良い結果が見え始めています」との事。

活仏であり、観音菩薩の生まれ変わりであるから、その事のみで偉いのではない。たゆまぬ努力を今もなお続けておられる事によって裏付けられる尊さがあるのです。
永源寺の亡き篠原大雄老師が、「悟りなんてものはわかりませんね。日々の積み重ねじゃあないですか」と仰っていた事をふと思い出しました。

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スマートフォンアプリ「京都禅寺巡り」リリース開始

京都禅寺巡り Android版(バナー)

禅文化研究所は、日本システム技術株式会社と(株)和合舎との三者共同で、Androidスマートフォン用のアプリ「京都禅寺巡り」を本日よりリリースしました。
アンドロイドマーケットにて、「京都禅寺巡り」を検索していただくか、下記のQRコードをお手持ちのスマートフォンで読み込んでアンドロイドマーケットにアクセスし、ダウンロードしてご利用ください。
これは今、ものすごい勢いで利用者の増えているスマートフォンにおいて、京都市ならびに京都近郊にある臨済宗黄檗宗の70ケ寺を超える寺院について、参拝情報やアクセス情報はもちろん、各寺院の歴史、開山の生涯、建造物や宝物の紹介を一般に紹介するものです。
多岐にわたる検索キーワードを備えているので参拝したい寺院を見つけやすく、また、GPS機能を使った「スタンプラリー」や、100問からランダムに出題される「禅クイズ」、臨黄ネットの禅語や法話の解説なども閲覧できる、なかなか楽しめるAndroid用アプリです。
料金は、ほとんどの部分が無料ですが一部有料のコンテンツもあります。但し、11月はリリース記念につき無料でお使いいただけます。
詳しくはこちらでも御覧いただけます。どうぞご利用のうえ、ご喧伝いただければ幸いです。


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