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『利休に帰れ』里文出版 立花大亀老師著




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今、里文出版さんの『利休に帰れ』立花大亀老師著を読んでいます。
日本の伝統芸能や、道の稽古などに精通されていた老師のお話は、私のように浅い知識ながらも稽古を続ける者には、広く深く教えを賜る事となり、茶の湯を稽古する者には必読の書となっています。
ですがまた、茶の湯の稽古をしている云々関係なく、皆様にオススメしたい本となっています。なぜならば、茶の事を語る事によって、その話は様々な世界へと繋がっているからです。茶の湯の稽古とは、結局は自己をみつめ、自己と世界や他者との関わり、繋がりを学ぶ事になりますので、この書は、禅の入門書のような一冊とも言えるのです。

さて、その本の一節にハッとする御言葉がありました。老師のご先祖さまは堺の商人であったとか。鉄砲や貿易などで潤ったものの、結局時の権力者によって利権を剥奪され、落ちぶれてゆくしか無かった堺という町の事を書いたあとに、

堺が堺を滅しました。私の祖先は新兵器で堺をうるおし、堺を滅せしめました。私にはこの先祖の教訓がだれよりも身にしみ込んでいるのです。すなわち日本をして第二の堺たらしむるなと。

とありました。2005年に遷化(高僧が亡くなる事)された大亀老師が、既に今の日本を見抜いていらっしゃるかのような言葉に、少し身震いがしたのでした。兵器として使われればもちろん地球滅亡でしょうが、そうでない利用に関しても、どうでしょうか。
妙心寺さんが、〔原子力発電に依存しない社会の実現〕を宣言されています。

by admin  at 07:30
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