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禅文化研究所の2019夏期休業など

 

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8月になりました。梅雨明けと共に全国で猛烈な暑さの毎日が続いています。おかわりございませんか。

禅文化研究所は、例年の通り、今年は8月10日(土)~18日(日)の間、夏期休業とさせていただきます。ついては、9日(金)の午前10時までに受けつけさせていただいご注文については、原則的に9日中に発送を完了いたします。それ以降にいただいたご注文については、19日(月)より順次発送させていただきますので、ご了承下さい。

また、8月は一斉休暇以外でも職員が順次に休暇をいただくため、ご不便をおかけすることもあろうかと思います。また本ブログもかなり不定期でのアップロードとなるかと思いますが、なにとぞご容赦下さい。
某甲は、今年はベトナムにいってまいる予定ですので、またここで旅行記など書かせていただきます。

それから、9月15日頃に発刊予定をしておりました『訓注 古月禅師四会録』ですが、原本となる『四会録』が古月禅師開山の久留米福聚寺にあるはずであったのが、長らく所在不明となっておりました。仕方なく禅文化研究所に所蔵していた写本を定本として訓注し刊行予定をしていたところ、今年の6月になって、弊所のDMで上記の内容をごらんになった福聚寺様からご連絡をいただき、原本が土蔵から見つかったとのこと。
すばらしいタイミングで所在がわかったものですから、是非、定本として採用したいということになり、さっそく拝借して複本を作らせていただき、今、その再チェックにかかっているところで、当初の発売予定日には発刊が叶わなくなってしまいました。

ご注文いただいた皆様には、大変お待たせしてしまいますが、なにとぞご理解いただければ幸いに存じます。

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季刊『禅文化』バックナンバーをまとめて刊行

 

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禅の思想と生活、および文化・美術などに興味をお持ちの方のための禅の教養誌として、禅文化研究所発足以前の昭和30年6月1日に第1号が創刊されて以来、現在まで253号を数える季刊『禅文化』。
なかでも古い号はバックナンバーも揃わない状態で、読者の中にはコピーサービスを受けてでも、それらの貴重な記事を求める方もおられました。この度、10号程度を1冊の目安として1号~100号までのバックナンバーをオンデマンド印刷にて復刻することにいたしました。このたび、まずは3冊を同時発売!

創刊当時の印刷は活版で、現在のような精度の高い印刷技術もなかったため、特に写真画像などが粗くなって見えにくい状態になってしまうのは否めませんが、鬼籍に入られてしまった高足方の貴重な記事を読むことができる価値ある資料であることにかわりはありません。

鈴木大拙博士はその記念すべき創刊号の巻頭に以下のような一文を寄せておられますので、原文ママでご紹介いたします。

 


 

禅文化の創刊をきゝて

米国にて  鈴木大拙

 禅研究雑誌刊行の事、何れも関係の御方々の全力傾注を希つて止みませぬ。これだけの一事件でなくて、世界的意味を持つて居る。狭い範囲で、考へないで、視野の飽くまで広からんことを要する。自分の考では、基教だけでは世界の人間は助からぬ。どうしても仏教が加はらぬといけない。その先鋒をなすものは禅だと自分は信ずる。他日何か一文を草したいと目論見て居ます。その節はよろしく御発表を乞う。
 今学校で一寸話して居ることは、漢文或は支那語の特質と禅思想との密接な関係についてです。これは特に連語と云うべき同じ字を重ねたものを使用することです。英語などでは、概念性の文字が多いので、客観的にははつきり規定せられる場合も多いが、文字の主観性とも云うべきものが、よく現はれにくい。浄裸々赤洒々などという言葉、孔子の燕居するや、申々如たり、夭々如たりといふ形容。老子の、人は察々昭々だが、自分は沌々たり悶々たりなどというところ。何れも概念的には言ひ尽くし能はぬものが、その内面的気分の溢れるまでに盛られて居るところは、漢文でなくてはと指向せられるのである。これを十分に説明するには、支那語の言語学的性格などから始めなくてはならぬ。
 今少し閑ができると、何かまとめて見たい。此の書はボストン附近のイプスウイツチというところで認む。明後日、ニュー・ヨークへ帰る。此の附近はまだ雪で一杯である。(三月七日朝)

 


 

お求めは下記のリンクよりどうぞ。また、各号の目次については、禅文化研究所のホームページよりご確認下さい。

『禅文化』復刻版Ⅰ(1~9号)

『禅文化』復刻版Ⅰ(10~19号)

『禅文化』復刻版Ⅰ(20~29号)

A5変形判/上製本カバー装/平均750頁・各12,000円(税別本体価格)

 

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