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今週の花


おはようございます。
いつも上司のご自坊からやってくる花が、やってこない時には、そのあたりに生えている美しい草花を生けます。

140930-1.jpgまずは魚籠に、(おそらく)犬ほおずきの実がつきはじめたものを。魚籠の風情と合っている気がします。少し寂しいので黄色いタンポポの一種?の花を添えました。

140930-2.jpg狗尾草(えのころぐさ)が紅葉しはじめました。とっても綺麗な赤紫色になるので大好きです。
すぐにしぼんでしまいますが、露草を添えました。

140930-3.jpg犬ほおずきに、山ごぼう。実がたくさんでかわいらしい草たちは、生けていても楽しいものです。

140930-4.jpg最後に、無文老師に露草をお供えしました。
今週の花でした。

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高麗・李朝の工芸 -愛知県陶磁美術館-



140929-0.jpg愛知県瀬戸市にあります、愛知県陶磁美術館にて、「高麗・李朝の工芸―陶磁器、漆器、金属器―」が開催されていましたので初めて訪れてみました。
門を入ってから美術館へとたどり着くまでの道があまりに長く、どういう事でこんなところに建てたのだろう?!と思っていましたが、なんと山中からみつかった平安時代の窯跡などをそのまま保存&展示されているからなのでした。

140929-1.jpgこの窯は、このあたりで最も古いもので、平安時代後期(11世紀末)のものだそうです。なんと立派な窯でしょう。灰釉(かいゆう・草木の灰類を媒溶剤とした釉)がかけられた皿や碗が焼かれたそうな。平安時代から使われていた釉薬が今も・・・と思いますと、尊い営みだなぁ・・・と感慨深いものなのでした。

展示に関しては、何度も通った東洋陶磁美術館(大阪)の逸品も何点かおでましで、改めて日本人が憧れる李朝の白、無作為の美に触れる事ができ、このようなものを生み出した朝鮮という地も素晴らしければ、それを見いだした昔の日本人も素晴らしいものだ・・・・・・と、自身の物さしが、いつも何ものにもとらわれないものであって欲しいと願うのでした。

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サンガセミナー 2014年第2回

 

140926-1.jpg9月18日(木)に、今年度第二回目となるサンガセミナーが開催されました。
今回は和尚様方対象の講座として、京都市内の達磨寺(少林寺)さんをお借りし、午前中は「法式声明講座」、午後からは「引導法語講座」を開講致しました。

140926-2.jpg「法式声明講座」では、妙心寺古文化研究所梵唄室長の吹田良忠師にお願いし、「基本発声法とその応用」というテーマで、まずは基本発声法である「アタリ」や「ヲツ」などを一つ一つ声に出して示していただき、その後、経首や回向などの一節を、実際に受講者も声を出して唱えて、確認いただきました。長年の癖が出て、なかなか講師と同じような発声ができないのを実感されたのではないでしょうか。

140926-3.jpgその後、今度は袈裟をつけて、導師の所作、たとえば、拜敷の敷き方や拜の仕方、行道の進め方などをご教示頂きました。

実際には、地方によっても色々と異なってしまっている法式ですが、本来の形をしるのはいいことであろうと思います。少しずつでも、自己流を修正し、美しい声明や動作ができるようになればと、皆さん熱心に受講されていました。

140926-4.jpg午後は「引導法語講座」です。禅文化研究所所員であり、数々の訓注書籍を手がけている能仁晃道さんに、『引導法語大全』(禅文化研究所発行)に記されている基本にしたがって解説をうけながら、引導法語の作法を講義してもらいました。

140926-5.jpg葬式仏教と言われて久しいですが、臨済宗の葬儀の特徴である引導。葬儀が簡略化されつつある中でも、この引導法語なくしては、臨済宗の葬儀とは言えません。そもそも本来、きちんとした型があり、本来それに則った型で作らなければなりません。今一度、その作法の基本に立ち返って学んで頂くことができたかと思います。受講者からも好評でした。

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良いかたち、美しい色 -昭和美術館-

 

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茶道具を多く収蔵する、名古屋市内にあります昭和美術館を久しぶりに訪れてみました。
今回は「良いかたち、美しい色」(12/7まで)という展観名。

「何が楽しめるのだろう・・・・・・」と楽しみにお邪魔しますと、日本の歴史上最も有名といっても過言では無い能筆家(能筆家というだけにはとどまらない才能を携えていらっしゃいましたが)“寛永の三筆”として知られる本阿弥光悦・近衛信尹・松花堂昭乗の書が。
私も学生時代より、特に本阿弥光悦に魅せられ、俵屋宗達が下絵を描き、光悦によって美しい字が認められたものを追いかけて、方々の美術館を巡ったものです。久々に拝見、しかも初めて拝見するものがあり、新鮮な気持ちになれました。
その他茶道の道具類も眼福。足を運んだ甲斐がありました。

140925-2.jpg美術館敷地内にあります南山寿荘(なんざんじゅそう)内にあります茶室、「捻駕籠(ねじかご)の席」も拝見したかったのですが、現在工事中にて叶わなかった為、また再訪したいと思った次第。
名古屋には有名な徳川美術館がありますが、こちらの美術館もオススメです。

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今週の花

おはようございます。
お彼岸で我が研究所のお坊さん達も大忙し。この時期になると決まって顔を覗かせる彼岸花。ふしぎなものですが、そういった大いなるもの(自然?)の働きに感動を覚えます。
では、今週の研究所の花をご紹介します。

140924-1.jpgまずは無文老師にお供え。最近コスモスがよく(上司の自坊より)やってくるので、老師のお供えもピンクで華やかです。ラベンダーセージ(紫の花)は、あまりに花が付きすぎて立派なので、実はしごいて花を落として、先の方だけ利用しています・・・・・・。かわいそうですが、他の花もラベンダーセージも生かす為に。あとは高さを出す為に水引を添えました。

140924-2.jpg今年の夏に参りましたラオスで求めた魚籠に、水引と下野を。小さな籠ですので、少しだけにしました。敷いている布はインドネシアのバティックです。

140924-3.jpg山ごぼう。毛虫がつきやすいので要注意。空地などによく生えていて、生けるのに重宝します。花器は昔研究所で販売していたという?!垂撥(スイハツ)掛け花入です。


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残った小さな小さな枝などは、小さなガラスに。下野と白い水引です。

140924-5.jpgアタ細工の籠(ベトナムにて求めました)に、赤い水引と下野をのぞかせました。
なんとなく薄暗い雰囲気の研究所を、今週も花や草が明るくしてくれています。
遠くのご自坊より、電車に乗って研究所にやってくる上司が、たくさん花を持ってきてくれるというとても有り難い職場です。



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大徳寺 曝凉




140922.jpg大徳寺本坊にて開催される曝凉展(宝物の虫干し)のご案内です。
この日は塔頭・高桐院さんでも曝凉が開催されますし、塔頭 総見院・黄梅院・興臨院の秋の特別拝観も開催中(10/11-12/15)。
是非大徳寺山内にて充実した一日をお過ごしくださいませ!

【大徳寺本坊 爆凉展】
2014年10月12日(日)
9:00~16:30
拝観料 1300円

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大徳寺孤篷庵 特別公開のごあんない

 


140919-1.jpg大徳寺塔頭、孤篷庵の特別公開のごあんないです。

茶室「忘筌」や狩野探幽の障壁画を間近で鑑賞できる書院「直入軒」、茶室「山雲床」も一般初公開との事。
私自身とても楽しみにしています。
特に直入軒は、小堀遠州のプライベート空間だったとのこと。彼独特の美意識に触れられる事でしょう。是非ともお運びください。

140919-2.jpg期間:2014年9月28日(日)~10月9日(木)
受付:10:00~16:00
料金:大人 800円 ・ 中高校生 500円
アクセス
○京都駅市バス
・A3のりばから206→「船岡山」下車徒歩5分
・B3のりばから205→「船岡山」下車徒歩5分
○地下鉄烏丸線北大路駅から市バス
・市バス204・205・206→「船岡山」下車徒歩5分
○京阪電車四条駅、阪急烏丸駅(地下鉄四条駅)から市バス
・市バス1・102→「船岡山」下車徒歩5分

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私の思い出



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あれは3歳の頃。弟が生まれるというのでしばらく祖母宅に預けられていた私ですが、朝の記憶といえば、近くの京都御苑からやって来る鳩の鳴き声と、どこからやって来るのかは謎だけど割と頻繁に聞こえてくる「ほ~ぉ」の声でした。


「ほ~~~~~~~~~ぉい」と声が伸びるのが、なんかわからへんけど面白い!

なんかわからへんけど、いっぱい声が聞こえてくるのも楽しい!!


唱和して"~~~~~"の長さを競うのがマイ・ブームでした(すみません、幼児の考えることですのでお許しを......)。人数が少ない日はガッカリです(重ねてすみません......)。

声の正体についてはほどなく祖母から教わることになるわけですが、あれから30数年が経ちました。老師がたの中には、きっとあの時の雲水さんもいらっしゃるのでしょうね。

次号『禅文化』(10/25発売)では久しぶりに「吾が師を語る」を掲載させていただくのですが、今回は東福寺派管長・遠藤楚石老師、円覚寺派管長・横田南嶺老師による
対談形式です。

「どんなお坊さまにも修行時代があったのだな」と改めて感じ、同時に自分の思い出もよみがえった次第です。

*写真・水野克比古 絵はがきセットより

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佐藤禅忠展 -鎌倉・東慶寺ー

 


140917-1.jpg鎌倉にあります東慶寺さんにお邪魔しました。
境内は相変わらず季節の花と緑で溢れ、どこを眺めましてもほっと致します。

140917-2.jpg東慶寺内にあります松岡宝蔵にて開催中(11/9まで)の「佐藤禅忠展」を拝見させていただきました。佐藤禅忠師とは、東慶寺の男僧三世(東慶寺は元々尼寺でした)で、関東大震災により壊滅的被害を受けた寺を、観音様を描き続け寄進をつのり、再興された方です。

140917-3.jpg書画を拝見していますと、どんな困難にあっても意志は強固、ユーモアを忘れる事無く、軽やかに生きた禅僧であったからこそ、復興を成し遂げられたのであろう・・・・・などと想像してしまいます。特に画は、美しい観音様もあれば、拝見すると自然と笑みのこぼれてしまう面白いものも!!!“十年目”は特に、最高!!!たまらない!!!です。
是非お運びください。

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今週の花

今週も上司が自坊より、花を持ってきてくれました。
さっそく飾ります。

140916-1.jpg無文老師に。コスモスと水引だけでは寂しいので、ハナミズキの葉を添えて。

140916-2.jpg玄関はすっきりと。白磁の壺(岸野寛作)に、ハナミズキの赤い実と、鳴子百合の葉のみを生けて。少し寂しいかもしれませんが、下の花もお玄関に生けていますので、ごちゃごちゃしないように・・・・・・。掛花には、水引とコスモス一輪と、禊萩を飾りました。

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書架の空いている空間には、ロンボク島(インドネシア)の壺に、秋海棠を。葉っぱが大きいので、こういった壺にもよくおさまってくれます。

140916-6.jpgコスモスは茎が弱いので、短くブーケ風にして、紅白の水引と、禊萩を添えました。秋海棠の葉で受けてあげます。秋海棠の葉は、いろいろ使い勝手が良いです。


140916-5.jpg上から見るとこんな感じ。
花遊び。楽しい朝の日課です。

 

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「滅却心頭火自涼 -甲斐の名刹 恵林寺の至宝-」 集荷の様子

20140912-1.jpg禅文化研究所のホームページの方で既にお知らせしていますが、この秋の特別展として、「滅却心頭火自涼 -甲斐の名刹◆恵林寺の至宝-」を、花園大学歴史博物館で開催します。

来月からの会期ではありますが、今月末には恵林寺様の新命住職晋山式がありますので、少し早めではありますが、恵林寺へ出展作品の集荷に出向いて参りました。

運送するのは、日本通運の美術品専用輸送車と専門スタッフです。大切な宝物をお預かりするため万全を期しています。

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恵林寺の境内には、「信玄公宝物館」があり、恵林寺蔵の多くの宝物を寄託保存されていますが、今回の集荷にあわせて、事前に恵林寺に一時返却をしていただき、すべての集荷作業は恵林寺の書院にて行なわさせていただきました。

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まずは、一本一本、軸物を吊して、状態を確認し、折れや虫食いの場所などを集荷調書に記載していきます。このチェックには古いものほど時間がかかります。

20140912-4.jpg集荷のための調査を終えたものを、日通の美術スタッフが順次、丁寧に梱包していきます。軸物の箱がきちんと入ってしまうように、とても大きな軸の場合には、それに合わせた段ボール箱をその場で作ってしまうところは、さすが専門スタッフの熟練の技術です。

20140912-5.jpg朝からかかって丸一日を費やして、約70作品の梱包が完了しました。すべて完了すると、こういう形になります。これを翌朝、トラックに積み込んで一路京都へ、という段取りですすみました。

20140912-6.jpg恵林寺の文化財がまとまって寺外にて公開されるのは、今回が初のことだと聞いております。是非、「滅却心頭火自涼 -甲斐の名刹 恵林寺の至宝-」へおいでください。

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研究所の花

 

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秋らしくなり、秋の花が楽しみな時期になって参りました。
飾れる間だに!と、山ごぼうを。くねくねとしなっていますので、どんな花器にも生けやすいです。

140911-2.jpgヒヨドリジョウゴです。この花が赤い実になりますと、ヒヨドリが好んで食べるそうな。ベトナムの籠に生けました。いまいちうまく生けられず・・・。

140911-3.jpgそして無文老師には、コスモスと紅白の水引で明るく。
花を自由に生けられることに感謝です。いつもありがとうございます。

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光象展 -於:国際奈良学セミナーハウス(旧世尊院)-


140910-1.jpg三度目になりますでしょうか。昨年も、一昨年もこちらでご案内させていただいております、奈良にて開催されます光象展(こうしょうてん)。

季刊『禅文化』の取材でお世話になった方々が出展なさるご縁もあり、毎年お邪魔させていただいております。
毎年縁ある者が集い、“ものづくり”や、“今の自分はどうであるのか”など、哲学的なことについて激論が交わされたりもする、とんでもなく楽しい場となっています(これは私がものづくりをして作品を発表していない為、的になる事がない為に楽しいと思えるだけかもしれませんが・・・・・・)。

140910-2.jpg茶の湯を稽古していますと、同じ先生に形を習っているはずですのに、皆それぞれに個性というものが良くも悪しくも出てきます。その人の人生の様々が、どうしたって、まぎれもなく点前に出てくるのです。不思議なようで当たり前のことかもしれません。
彼らが作る作品もそうなのだと思います。いつもとても興味深く、私は学ばせていただくばかりです。
作品一つで常に評価され、今の自分を見られてしまう、とても厳しい世界にいるのだなぁ・・・・・・とひしひし感じ、尊敬しています。
是非みなさま、彼らの今をご覧にいらしてくださいませ。
よろしくお願い致します。

140910-3.jpg昨年のようす


*詳細は写真をクリックしていただくと大きくなって見えますので、そちらをご覧ください。

 

 

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京都御苑のきのこ

すっかり秋の気配。しかも雨がよく降っています・・・・・・。という事は、きのこ採りの名人によると、【きのこの季節突入!】という事らしいのです。

140909-1.jpg先日は、京都御苑にて食べられるきのこ、食べられないきのこについて、教えてもらっていました(一応問題ありだと思い、わたくし達、採取はしておりません)。
「御苑にきのこ?!」と驚かれるかもしれませんが、そこいらじゅうに生えているのですよ!
上の写真は、食べられるけど、美味しく無いきのこ・・・・・・(だったかな)。

140909-2.jpgお次はテングタケ。列記とした毒きのこです!!! これから傘を広げるそうな。
絵本に出てきそうな、いわゆる水玉模様のキノコの様相を呈していますが、毒を持っております。お散歩中のわんちゃんがそこいら中にいて、「大丈夫か?!」と思いましたが、動物は賢いから大丈夫ですね。人間の方があやういです。

140909-3.jpgマツタケモドキ?!でしたでしょうか(すみません結局覚えていません)。これは美味しいそうです!この木はすごい事に?!すっかり菌におかされております・・・・・・。
やはり、枯れそうな木や、朽ちかけの木にはびこるのですね。勉強になります。

ちなみに、食べられそうで食べられないきのこ、○○もどきと名のつくように、一見食べられるきのこに似ているのに毒をもっているきのこ、香りを嗅いでみると、「ホイル焼にしたらなんて美味しそうなのだろう・・・」と想像をかきたてられるのに、実際は毒を持っているきのこ。きのこの世界は奥深いです。
食べようと思われた時も、絶対に自身の判断で食さないよう、専門家に相談するようにしてください。
私の友人は、図鑑で調べつつ、毎年のように山に入り感性を研ぎ澄まし、時に自身が身を以て体験し(危険ですので絶対に真似しないでください)、名人と言えるまでになっているような人々です。きのこの道も一日にしてならず。
僧堂では、椎茸やらを栽培されているところが多いのですよ!
と、最後に禅に関係する事を一行だけ加えさせていただいて、本日は失礼させていただきます。

 

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禅の至宝 デジタルアーカイブス

 

140908-1.jpg禅文化研究所が今年創立50周年を迎えていることを記念して、この春に特別展、「不立文字展 -禅の書画と典籍・六〇〇年-」という禅文化研究所所蔵品展を、花園大学歴史博物館で開催しました。
この会期中にはとうてい間に合いませんでしたが、来たる10月10日に催す、禅文化研究所創立50周年記念式典に向けて、『禅の至宝 -禅文化研究所所蔵品図録』を編集制作しており、先日、ようやく印刷会社に出稿ができた次第です。あとは出来上がりを待つのみ。来月には、内容のご紹介などしたいと思います。

さて、この図録を制作することになったのは、もともと、禅文化研究所が現在行なっている「禅の至宝 デジタルアーカイブス」事業にあります。臨済宗黄檗宗の寺院で所蔵される書画・墨跡・什物を、デジタル情報としてデータベース化していくものです。
昨年秋に、岐阜県八百津の大仙寺様の所蔵品展「大仙寺展」を開催したのも、この事業による成果でありました。花園大学歴史博物館とともに2回にわたる悉皆調査を行ない、デジタルカメラで撮影したものと、書誌情報を登録していき、その中からピックアップしたものを展覧会に展観したわけです。

140908-2.jpgそして、大仙寺様所蔵の全点のデータの整理がようやく整い、先頃、大仙寺様を訪ねて、ご使用のパソコンに弊所が開発した宝物管理システム「禅の至宝」(正式には未リリース)をセットアップし、データベースを登録させていただきましたところです。

くわえて、このデータをオンライン版の「禅の至宝」にも登録し、またその中からご許可いただける物をwebサイトにて公開していくことをご了解いただけないかと、大仙寺のご住職にもちかけたところ、ご快諾をいただきました。現在進行中の甲斐の恵林寺様のデータベースもあらかじめこのご許可をいただいていますし、もちろん、禅文化研究所の所蔵品に関しても公開する予定でおります。こうして、少しずつでも公開できる宝物が増えていくことになり、ひいては、禅文化にご興味のある方々に、インターネット上でバーチャル美術館として観ていただけるようになることを、これからの目標においているところです。どうぞお楽しみに。

 

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世界の「禅グッズ」

禅ブームという言葉を聞いて久しい気がいたしますが、世界では、さまざまな「禅グッズ」が作られているようです。

140905-1.jpg禅の庭をイメージしたスニーカー

140905-2.jpg禅をテーマに選定されたというケアアイテム

140905-3.jpgこれは、某高級チョコレート専門店の限定商品

140905-4.jpg何故かバンカーを石庭に見立てて

突っ込みどころ満載な商品もありますが、とにかくZENは「癒やし」「心身の安定」「多幸感」などを象徴する言葉のような印象を持たれているのかなと思います。

……と、壮大な前振りはここまでにさせて頂きまして。


ただいま弊所でも、所蔵の禅画をモチーフにしたオリジナルグッズをあれこれと企画中です。作品の尊厳は崩さないよう、それでいて日常使いしやすい商品にと、一同工夫を重ねております。

紅葉が色付くまでには、このブログでもご案内させていただく予定ですので、どうぞ宜しくお願い致します!

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『坐る-白隠禅師坐禅和讃を読む』 図書館選定図書

 

140904-1.jpg6月に刊行しました弊所の冊子、『坐る-白隠禅師坐禅和讃を読む』(西村惠信著)が、日本図書館協会選定図書に選定されました。

と、ここで私自身、はっきり申しまして、「日本図書館協会より、図書館選定図書に選定される」というのがどういう事なのかきちんとは理解していませんでしたので、これは皆さんにお伝えするに忍びない・・・と、調べてみました。

まず、日本図書館協会というのは、1892(明治25)年3月に発足した歴史有る団体で、図書館の成長・発展に寄与する活動を展開されているそうです。詳しくはこちらをご覧いただくとしまして。

そんな日本図書館協会が図書館に備える図書の選定に参考となる情報を図書館へ提供する事を目的に、各専門分野の選定委員約50名が、新しく発刊される書籍ほぼ全てに目を通して書籍を選んでいるそうです。
つまり、図書館に置かれるに相応しき本だと、認められるという事なのですね。
誰に認められているのかは、選定委員の方のお名前は出ていませんのでわかりませんが、より多くの方に読んで頂ける可能性を持ったという事で、研究所としても有り難く思います。

そんな、『坐る-白隠禅師坐禅和讃を読む』を、どうぞよろしくお願い致します。

臨済宗中興の祖といわれる、白隠禅師の“坐禅和讃”(坐禅が如何に素晴らしいものであるかがうたわれています)を、現代人が理解しやすいように、弊所所長・西村惠信が懇切丁寧に説明した本です。

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ハノイ美術博物館 -ベトナム-



140903.jpg今年の夏は、ベトナム航空でラオスはルアンパバーン(有名な古都。町全体が世界遺産です)へと旅してきました。せっかくですのでトランジット地、ハノイにも3泊し、色々と訪れてみました(上写真は、ハノイの空港でおみかけしたお坊さん。ベトナムのお寺には臨済宗のお寺が多いのです!)。
その中の一つ、ハノイ美術博物館。ベトナムには今回で二度目の旅行ですが、ホーチミンでもハノイでも、絵画を扱うギャラリーがとても多いように思います(フランス統治=油絵?!でしょうか。ご存知の方いらっしゃいましたら教えてください)。美術館にも、近現代の絵画が多く収蔵されていました・・・・・・が、私の関心は、昔から茶人が愛したベトナムの陶磁器。そして、少数民族の多いベトナムならではの民族衣装やその生活道具類の展示です。

140903-1.jpgなんとも言えない形に、釉薬も味が出て美しく。小ぶりな物でしたので、シンプルでこじんまりしたお棚に据えるとよく合う事でしょう。共に旅した友人が陶芸を生業としていますので、この形の水指を作って欲しいとお願いしてみました(いつ作られるでしょうか・・・)。

140903-2.jpgすぐにでも塗りの蓋をあつらえて、水指として使いたいですね。妄想が膨らみ過ぎてしまいます。

140903-3.jpg香合以外のなにものでもありませんね。元々は化粧品を入れる蓋物のようです。日本にも、白粉解(おしろいとき)棗や白粉解香合など、女性の化粧品道具の形を真似て茶道具が作られています。

140903-4.jpgまさにお茶碗・・・・・・。安南(あんなん)とは、ベトナムの事を言い、茶の湯の世界で“安南”といえば、室町から江戸時代にかけて日本へとやってきたベトナム渡りの道具類か、または日本からの注文品の事を言います。“安南写し”といって、このようなベトナム風の陶磁器を現代の作家さんが作る事もあります。茶の湯の世界ではとてもポピュラーな焼き物なのです。

古くからの安南焼の里、バッチャン村にも訪れましたが、それは後日ご紹介。次は民族衣装などです。染め、織の技術に加え、細かな刺繍、生活用品として使われていた籠まで。手仕事好きとしては、陶器とこのベトナムにいる少数民族に関する展示を見るだけで大満足なのでした。

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臨済禅師 白隠禅師 遠諱行事のおしらせ

 

140902.jpg8月28日(木)、円覚寺宗務本所にて第9回目の大坐禅会実行委員会の会議がありました。
遠諱のメインイベントである“大坐禅会”についての話し合いはもちろんのこと、それまでに様々な行事を開催してゆく為の協議がなされました。

今回は、来年度開催予定の講演会の場所と企画についてが審議され、なるべく若い方に禅を知っていただきたいという思いから、六本木アカデミーヒルズ49Fを会場とし、気軽に禅に触れていただくためのワークショップなどを展開する事が決定しました。
内容については講演会、坐禅(瞑想指導)、写経会、僧侶カウンセリング(仮称)を考えています。

日程は平成27年5月31日(日)に確定。13:00~18:00の間で開催する予定です。

人混みの、情報が錯綜する都会のど真ん中だからこそ、少しでも多くの方々に禅を感じていただき、心の安らぎとなる場所をつくれるように来年に向けて協議しています。
どうか皆さん、ご予定空けておいて下さいませ。

さらに、来年は全国の臨済宗本山や僧堂にて坐禅会が開催されます。来年の事ながら、既に多数のお申し込みをいただいております。
詳細、お申し込みはこちらからどうぞ。

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9月

 

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皆さまおはようございます。
8月中は変則的な勤務状態にて、大変ご迷惑をおかけ致しました。
9月より通常通りお仕事させていただいております。
どうぞ、宜しくお願い申し上げます。

*写真:ルアンパバーン(ラオス)/ ワット・シェントーン

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