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所長より新年の御挨拶

皆さん、明けましてお目出度ございます。
このように年頭のお祝辞を述べましても、果たしてこの一年がどのような年になるか、誰も予測することはできません。ただはっきりしていることは、人生というものが向こうに断崖絶壁の待ち構える坂道を、ブレーキのないトロッコに乗って下るようなものだということですから、これは余程の覚悟がないとできない芸当だということでしょう。
パスカルは『パンセ』の中で、「人間というものは、向こうにある絶望(死)が悍ましく前へ進めないので、しばらく『希望』という目隠しの板を立てて前進するだけだ」、と書いています。言われてみれば、本当にそうですね。
私たちは確率だけを信じて前進する「近代科学的な生き方」を止め、縁に従って毎日毎日を大切に生きていくことを説く「仏教の生き方」によって、自分の人生を一歩一歩進めるべきではないでしょうか。
そう考えるとやっぱり一休和尚の、「元日は 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」という一句のもつ不変の新鮮さに、今更のように気付かされるばかりです。どれほど時代が進もうと変わらない、真実を言い当てたこの覚醒の一句をもって、改めて年頭のご挨拶に代えさせさせて頂きたいと思います。
どうぞこの一年が皆さん一人ひとりとって、「日々好日」の毎日でありますように。

所長 西村惠信 合掌

by admin  at 07:30
コメント

  1. 明けましておめでとうございます。
    今年は、禅の考え方を、たくさん学び、心を豊にして、まわりのみんなと、よろこび合いながら、過ごしたいです。
    お導き頂けて、感謝の気持ちで一杯です。西村恵信さんを知ることができて、幸運です!\(^o^)/どうぞよろしくお願いいたします。m(__)m

    by 田村順子  2013年1月18日 20:15
  2. 深みある貴文章のご内容に、幸福を頂きました。有り難うございます。合掌

    by 彩子  2013年1月18日 22:07
  3. 新年早々、覚醒のお言葉をありがとうございました。貨幣が交換価値に過ぎないのに、絶対価値のような錯覚を繰り返しているうちに、無に帰していく現代社会にあって、無に行き着くまでの賽の河原ごっこで終わりたくありません。生老病死、喜怒哀楽に塗れる自己から逃れることなく、縁に従って日々を大切に生きていきたいものです。

    by 八木 勝  2013年1月20日 10:12
  4. 田村順子さま、彩子さま、八木勝さま、ブログをお読みいただき、また、コメントをいただきまして、ありがとうございました。
    宣伝のようになりますが、弊所から西村惠信所長の書籍も数冊発刊しております。とくに皆様方には『禅語に学ぶ 生き方。死に方。』をお勧めしたいと思います。禅の日常性に親しんでいただきたくことができるかと思います。
    http://www.zenbunka.or.jp/pub_etc/pub/entry/post_8.html

    by 禅文化研究所  2013年1月22日 09:59
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