Jul 08
2011
龍澤僧堂 後藤榮山老師を訪ねて
季刊『禅文化』-吾が師を語る-の取材で、静岡県三島市にある白隠禅師・東嶺禅師ゆかりの寺、龍澤僧堂の後藤榮山老師をお訪ねしました。
梅雨の合間の青空広がる真夏日。窓という窓が開け放たれ、自在に風の通る部屋の中はとても涼しく、目に緑眩しく、また、掃除のゆき届いた僧堂というところは、お邪魔するだけで心に積もった塵を払ってくれるような気がするものです。
境内を見渡し、深呼吸をし、「あぁ、何て気持ちの良い……」とつい言葉が出てしまいます。
今回、後藤榮山老師には、山本玄峰老師・中川宋淵老師・鈴木宗忠老師と、3人のお師匠さんについてを語っていただきました。
老師が部屋にお見えになられる時、姿は見えずとも、その足音に私は感動しました。
また、80歳を超えられている後藤老師が、今は亡きお師匠さん方についてを語られる時、姿は見えずとも今尚、老師の内にお師匠さん方が生きていらっしゃるのがありありと見受けられました。
師匠亡き後も、生前と変わらず、心より敬い、お慕い申し上げているお姿そのものに、こちらも胸熱くなるものがあります。語っていらっしゃるお姿を皆様にご覧にいれたいくらいです。
有り難い事に、毎回この連載のおかげで、様々な老師方をお訪ねできるわけですが、さまざまな個性の老師がいらっしゃり、またそのお師匠さんの個性もさまざまであるわけですが、どの御方からお話を伺っていても、必ず毎回腹の底から、「あぁ、師匠と弟子って、良いものだなぁ」と思うわけです。
その時、私は、私の茶の湯やヨガの師匠、大学ゼミ教授の事を思い、人生において師に恵まれる有り難さをいつも噛みしめています。