禅門逸話選 中

ITUWA2
逸話はまさに「人間記録」そのもの、生きた禅そのものである。日本の禅僧を中心とした佳話、奇話、珍談、ありとあらゆる禅話・逸話800余話を収録した。(残部僅少)
禅文化研究所編
四六判 1987.12 発行
ISBN978-4-88182-068-1 C0015
在庫切れ
3,080  (税込)
【もくじ】
宗峰妙超
誕生/書写山で大疑を抱く/高峰顕日に参ずる/南浦紹明に嗣法する/五条橋下の乞食仲間に/辻斬りを退散さす/真桑瓜につられて召される

関山慧玄
五十一歳で再行脚に出る/大灯国師と関山/伊深の里で牧牛する/花園法皇、妙心寺を造営される/国師の笈子/雨もりする丈室/丈室修理の申出を喝す/椽板で風呂をたく/雲水を雨から守るために茶の木を伐る/慧玄が這裏に生死なし/柏樹子の話に賊機あり/立亡

至道無難
宿屋の伜に生まれる/無難、出家の熱意/濡れ衣をかけられる/白紙一枚で悪霊退治/白木屋主人と無難/色男の嫌疑をかけられた無難/無難禅師の道歌

大綱宗彦
へちま賛/僧の徳、地に落つるを嘆く

笠屋旧室
禅僧を試みる

瑩山紹瑾
黒漆の崑崙、夜裏に奔る

栄西
わが国最初の禅寺建立/『興禅護国論』/道元、栄西に参ず/仏像の光背を貧者に供養

白隠慧鶴
地獄の恐ろしさに泣く/天神さまの信仰心も揺らぐ/観音信仰の功徳もなく出家を志す/修練に燃えて激流を渡る/三たび乞うて出家を果たす/詩文を読みふける/『禅関策進』との出会い/無双の大器と看破/大愚の墨蹟を見て発奮/難船をまぬがれる/暁の鐘声に大悟する/正受老人を知る/慢心に正受老人の鉄拳をくう/地に倒れて大悟する/母の夢をみる/正受老人の期待/正受庵を去る/肺病を病む/白幽仙人を訪ねる/鉄心道印の風を慕う/『槐安国語』/岩滝山での修行/魔境/白隠、他人の赤子の父親となる/ねぎ問答/延命十句観音経/池田継政侯にする鉢を乞う/大名にきび餅を食わす/江戸深川町に留錫/小出英智侯に一句/三日前に死を予期する

白隠門下の居士大姉など
政女、わが子を忘れる/政女に舌をまいた雲山/阿三、鶏鳴で悟る/阿三、白隠をへこます/阿三の辞世/阿察、お経箱に腰かける/阿察、孫娘の死に号泣する/茶店婆/原駅婆/遊女大橋、落雷で大悟する/大橋、尼となる/大橋の遷化/庄司幽徹/十八歳で悟った阪自洞/自洞、東嶺に参ずる/白洞、峨山に参ずる/山梨了徹-放蕩者の平四郎/狂僧、経文で尻をふく/石衣和尚、石を抱いて暖をとる

遂翁元盧
老師は呼んでもわしは呼ばん/酒・碁・画/あわや溺死/酔翁を改める/東嶺和尚のところへ行け/あと七日/綿で頭をなでるがごとき家風

久我環渓
廃仏に抗する/神官も坊主頭になれ/会衆に向かって大喝一声/将校、酔いつぶれる/聞いて百文、見て一文/団十郎と歌の応酬/万巻の経に勝る一喝

鈴木正三
乱心といつわって出家/ぬけがら坐禅は役に立たぬ/家老を戒める/時には肉食をした正三/正三、辻斬りにいく/『破吉利支丹』/道歌二首

鉄文道樹
大事発明の一掌/呼吸の歌

義堂昌碩
愛弟子峨山/薩摩屋敷で拷問さる/和尚の一喝に会津兵も仰天/峨山のへらず口を叱る

日置黙仙
けちんぼを治す法

原 担山
女に裏切られる/かたつむりの住まい/あわや癲狂院に/易者で飯を食う/淫欲/奉加帳/恬淡/本心を拾う/女を抱く/酒も飲まんような者は/天狗より人が上だ/名前も焼けた

快川紹喜
心頭滅却すれば、火もまた涼し

蘭山正隆
小笠原侯の帰依をうける/布施で粟を買って乞食に施す

蘭陵越宗
山中に隠栖する

牧宗宗寿
通行人に金を無心する

霊源慧桃
臍に腫れものを患って大悟

豊田毒湛
酒豪の潭海和尚と弟子の毒湛/酒壺に経を誦む

羅山元磨
火のついた線香を握って、睡魔をはらう/妙心寺晋住

柳生宗矩
剣の奥義/猿に師範代をさせる/托鉢僧との胆だめし問答

卍山道白
一師印証の古風を興す

春屋妙葩
最初の僧録司となる

雪村友梅
入元の苦労/思いもよらみ母との再会/赤松円心と雪村

千 宗旦
茶禅一味

梅天無明
官職を辞して出家

ありがたや与一兵衛
「ハッ、ありがたい」で一生くらす

佐々助三郎
妙心寺で修行していた「助さん」

卍庵
毒薬をもられて大悟/香川景樹/誠拙に参ずる

海州楚棟
坐禅で魔を退散さす/禅者と観音力/貧民を供養する/楓樹を伐り倒す

西郷南洲
無三和尚に参禅する/西郷の坐禅石/活きた実物を見せなさい/炭火も使い用/さつまいもを食べて禅談/刺客に「ご苦労さんでごわす」/狐に化かされた西郷どん/長屋も立派な邸宅だ/天を相手に仕事をするのじゃ/遺偈/すり「若衆の金太」と西郷どん

勝 海舟
おれは撃てんぞ/無我の妙諦/維新の難関を坐禅で突破

塚原卜伝
無手勝流/見越しの術

越渓守謙
悟ればわかる瞋拳の味/公爵さまも布告の尻尾

伊達自得
禁固中に大蔵経をよむ/初相見で越渓になぐられる/今北洪川に参ずる/和歌禅

淡海狂僧
大寺の和尚、乞食坊主にしてやられる

橋本独山
数も覚えられない愚鈍さ/鉄斎門下に入る/大疑を抱き鉄斎のもとを出奔する/鹿王院峨山のもとに投ずる/鹿王院で得度する/海軍大将、独山に参ずる

今北洪川
幼にして儒を学ぶ/儒学に疑問を抱く/妻子を離縁して出家/鬼大拙の門に入る/儀山善来に嗣法/鳥尾得庵、大喝される

歌女
化粧も忘れて工夫三昧/母子とも仏道を行ずる

智教尼
純円尼を改宗さす

山岡鉄舟
吹毛不曾動/無刀流を開創する/鉄舟、野良犬を救う/道を求めて箱根越え/悟りとビール/我一人でも仏教を信ず/ほんとうに情欲を断つには/商いに励んで子供の供養をせよ/舌をなくさねば落語はできん/死物の禅は道楽仕事じゃ/禅が盛大になったところで/師家も学者も妄想の上塗りだ/浄穢不二/談話中に高鼾/昔の苦労を忘れるな/英雄、英雄を語る/次郎長の手紙/次郎長、堪忍する/自由/東洋流の慈善会/乞食供養/死を前に海舟と語る/死の床から円朝に落語をやらせる/団扇を片手に入滅

二宮尊徳
学ばず習わず自得して忘れず/不動尊

黙伝宗璞
雨乞い/丼の水で阿波の火事を消す/灘の宮水

坂上宗詮
井上侯一本参る

釈 宗演
菓子を褒美に小僧となる/寝ころんだ小僧に一礼した師匠/禅は凡夫の修行じゃ/並の坊主とは違うわい/予言者の訪問/美人画賛

西山禾山
焦禾山/蚤に放生行/三遊亭円朝と禾山/円朝落語の枕/路傍でも入室を乞う/呵々大笑/朝潮を応援する/遠慮の塊りを尻目に/雷鳥女史、腰巻き一枚になる/禾山、国会を傍聴する/金で法は売らんわい

渡辺南隠
はじめは排仏家/真夏に綿入れを着て炎天下を歩く/初対面の鉄舟の前でゴロ寝/今どきの修行者は虫色果というものじゃ/峨山と南隠/自分の体こそ大敵じゃ/施主と坊さんの心が一致せねば供養にならん/排金宗などまっぴらご免/義太夫好き/雲照律師と南隠の押し問答/ただの茶飲み友達だと思っていたが/落とした金より拾った人を心配/時計嫌い/精進料理/無頓着さの中の細心/ソウダ宗とダロウ宗/出家の因縁となった霊薬/隠山家と卓洲家/死ぬことは心配ないぞ/尼みたいな坊主/自信家の学者をへこます/律宗と天台と禅の托鉢/ぬいだ下駄はどうした/寝床に腹ばいのまま相見/智恵があってもあかんぞェ/金ほど悪いものはないのゥ
シェアする

関連書籍

JIKO
禅とは何か。何のために人は生きるのか。真の教育とは。現代を生きるすべての人々に、禅のこころを親切をつくして語りかける。

山田無文著
B6判 330頁 1982.1 発行
在庫あり
2,090  (税込)

TODOKU
"よりすぐり禅門逸話"

何度読んでも、やはり禅僧の逸話はおもしろい。禅僧たちがくりひろげる、奇想天外な行動や発言。ただの笑い話かと思えるが、ちょっと奧がありそうだ。
その奧を読み始めると、このシリーズのとりことなる。


禅文化研究所編
B6判並製/約336頁

在庫あり
1,980  (税込)

KOKORO
盛永宗興著
B6判/240頁 2003.10

子どもの内なる人間性を信じ、成長段階に即した教育のあるべき姿を示す老師からのメッセージ。「子育て」を通して自己を見つめ直す。1996年春秋社刊の再刊。
在庫あり
2,090  (税込)

RINZAI
「即今只今」に働き出る禅を説く山田無文老師50代の気力あふれる提唱。その過激なまでの舌鋒は、1100年の時空を超えて臨済禅師が現代に再来したかの感を抱かせるに充分な迫力がある。付索引。既刊の『臨済録』上・下を合冊再編成したもの。

山田無文著
A5判 496頁 2001.6.25 発行
在庫あり
4,950  (税込)