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建仁寺「生誕100年記念 小泉淳作展」レポート

大本山建仁寺の本坊と塔頭・禅居庵で開催されている「生誕100年記念 小泉淳作展」へ、足を運んできました。境内の「潮音庭」は何度観ても緑が美しく瑞々しいですね。心が浄化されるようです。 小泉淳作(1924~2012)は、建仁寺法堂の『双龍図』を制作した日本画家で、各地の寺院の天井画や障壁画などの大作を手掛けました。今回の展覧会は小泉淳作の生誕100年を記念して開催されました。龍の絵は知っていても、作者のことは詳しく知る機会があまりなかった(?)ように思いますが、小泉氏ゆかりの建仁寺で、初期の作品から晩年の作品まで一同に作品が並ぶ貴重な展示です。 東大寺本坊の襖絵「蓮池」は、全40面に及ぶ大作でした!今回の展示のために特別に奈良から移設して公開されていました。金泥一色の背景と、力強く描かれた鮮やかな蓮が圧巻です。 襖絵「しだれ桜」は桜の花ひとつひとつが描かれた繊細さと迫力を併せ持った作品。木の華やかさや生命力に圧倒されました。その他、細密に描いた花や野菜の静物画なども観ることができました。(禅居庵にて)非常にさまざまな作風の方だなという印象でしたが、緻密な書き込みと力強い筆使いを両立させた独自の世界観が特徴でした。静物画はまるで触れそうなほどの繊細な描写と質感があり、そのボリューム感や陰影に目を奪われます。 もちろん法堂の『双龍図』も拝見できました。この『双龍図』は70代後半にもなる小泉氏が、2年におよび北海道の体育館を貸し切って制作された様子が上映されておりました。2002年に奉納された作品とのことで、制作風景や、天井に貼られている様子が映像で残っているのですね。空想の生き物でありながら、髭や鱗の細部まで非常に細かく描かれております。ダイナミックで躍動感が溢れる龍は、ただただ圧巻でした。会期は9/23まで。建仁寺の空間で観る、エネルギー溢れる作品の数々をぜひ体感してみてはいかがしょうか。

妙心寺と明智光秀をつなぐ重要文化財「明智風呂」の修繕にご支援を

この度、妙心寺2世微妙大師の650回目の御命日を迎えるにあたり、妙心寺では大規模な諸堂改修工事が行われることになりました。しかし、広大な敷地を有する妙心寺には、修繕を必要とする箇所も多く、物価高騰等の影響も相まって、やむなく修繕を断念せざるを得ない箇所が生じています。そこで今回初めて広く多くの方々に支援を呼びかけるクラウドファンディングを実施されているとのことです。クラウドファンディングにていただいたご支援は、重要文化財 浴室「明智風呂」の修繕をはじめ、妙心寺境内の整備費用に充てられます。 天正15年(1587)2月、明智光秀の母方の叔父である密宗紹儉禅師を施主として創建された浴室は、光秀の菩提を弔うために設けられたと伝えられていることから「明智風呂」と称され、多くの人々に親しまれています。明智風呂は明暦2年(1656)に改築され、以後幾度かの修理を経て今日に至ります。しかしながら前回の修理、昭和58 - 59年(1983 - 84)から40年以上の年月が経ち、浴室の内壁・外壁の亀裂や剥落といった傷みが生じ、修理の必要性が年々高まっています。 禅文化研究所といたしましても、妙心寺に受け継がれる伽藍やその景色、禅の文化をこれからも変わらず守り続けていくために、是非みなさまにご協力をお願い申し上げます。期間:令和6年7月1日 ~ 令和6年10月31日 正午までクラウドファンディングwebサイトは→こちら