道元禅師 正法眼蔵行持に学ぶ

GYOUJI
石井修道著

平成19年2月16日発売

四六判並製本・約600頁・駒沢大学助成出版

ISBN978-4-88182-219-7 C0015



 道元禅師の主著『正法眼蔵』の行持の巻を、原文に即して、全文を紹介し、全訳して、道元禅師の素材である出典を確かめたもの。

 取り上げられる仏祖35名は、道元禅師にとって重要な祖師ばかりであり、詳細な解説を通して、道元禅師の祖師像が明確になっている。

 『中国禅宗史話―真字正法眼蔵に学ぶ―』(禅文化研究所・1988年)の姉妹編と言える。
在庫あり
2,530  (税込)
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【もくじ】
第一話 その一 真字『正法眼蔵』について/その二 多様性に富む引用典籍
第二話 その一 公案と歴史/その二 伝燈祖師と歴史
第三話 その一 正法眼蔵とは何か  世尊と摩訶迦葉/その二 「正法眼蔵序」について
第四話 その一 面壁九年  禅宗の開祖菩提達磨/その二 無功徳  武帝と達磨  
第五話 その一 断臂求法  二祖慧可の誕生/その二 皮肉骨髄得法説をめぐって
第六話 その一 汝既無心  三祖顕彰運動/その二 東山法門の成立
第七話 その一 南宗禅の確立  六祖慧能/その二 仁者心動・不会仏法
第八話 その一 七祖青原行思  禅宗七祖は誰か/その二 聖諦不為・廬陵米価
第九話 その一 尋思去  石頭希遷の登場/その二 二大士に見えざれば無知と為す
第一〇話 その一 説似一物即不中  七祖南嶽懐譲/その二 磨甎作鏡は何を意味するか  中国禅と道元禅の相違  
第一一話 その一 四川の禅宗 簸箕作り家の馬氏の小せがれ/その二 塩と醤とは欠かしたことがない
第一二話 その一 身心一如 大証国師光宅慧忠/その二 牛頭禅の隆盛
第一三話 その一 「牛欄」の僧堂 薬山惟儼の非思量/その二 雲は晴天に在り、水は●に在り  
第一四話 その一 石頭は真金鋪  道吾と雲巌の兄弟愛/その二 石頭の路は滑らかなり
第一五話 その一 薬山の子に違いはない  雲巌曇晟/その二 一句合頭語、万却繋驢●  船子徳誠  
第一六話 その一 馬祖下の二大士角立  西堂智蔵/その二 北の興善惟寛・南の西堂智蔵
第一七話 その一 禅宗教団の独立を果たした人  百丈懐海/その二 一日作かざれは一日食らわず
第一八話 その一 梅子熟せり 大梅法常/その二 風性は常住なるがゆえに  麻谷宝徹  
第一九話 その一 虚空こそが講義できる 西山亮座主/その二 中国の維摩居士  ●蘊  
第二〇話 その一 異類中行 痴鈍の人・南泉普願/その二 猫を二つに斬りすてた
第二一話 その一 尽十方界是自己光明 長沙景岑/その二 雲際師祖と魯祖宝雲
第二二話 その一 道は知・不知に属せず  趙州の門風/その二 わたしは時間を使いこなす
第二三話 その一 狗子に仏性があるか/その二 南の雪峰・北の趙州
第二四話 その一 一切衆生無仏性  ●山霊祐/その二 嗣法とは只管打坐をすることなり
第二五話 その一 六祖慧能を仰承する人 仰山慧寂/その二 悟りはすなわち無きにあらず
第二六話 その一 竹の声に道を悟る  香厳智閑/その二 桃の花に心を明らむ  霊雲志勤  
第二七話 その一 名利を求めず、儒を求めず 洞山良价/その二 渠は、今まさにこのわたしだ
第二八話 その一 雲巌の我が為に説破せざるを重んずる/その二 仏向上事の道、洞山大師その本祖なり
第二九話 その一 洞山門下の領袖 雲居道膺/その二 大肯底の人を重んず
第三〇話 その一 なぜ曹洞宗の呼称に曹山の名が入ったか/その二 偏正五位は曹山の創唱の説か
第三一話 その一 石霜の枯木衆  石霜慶諸/その二 巌頭全豁の洞山批判
第三二話 その一 黄蘗希運は超越古今の古仏なり/その二 『伝心法要』の評価をめぐって
第三三話 その一 黄蘗の仏法多子なし  臨済義玄の大悟/その二 臨済義玄への批判をめぐって
第三四話 その一 天皇道悟と天王道悟/その二 心要法門とは何か  龍潭崇信の大悟  
第三五話 その一 久しく龍潭を嚮ぐ 徳山宣鑑/その二 徳山の棒・臨済の喝
第三六話 その一 九たび洞山に上り、三たび投子に到る 雪峰義存/その二 芙蓉先師の『規制』に依れ
第三七話 その一 尽十方世界是一顆明珠 玄沙師備/その二 火焔、三世諸仏のために説法す
第三八話 その一 通身これ飯、通身これ水 雲門文偃/その二 法身に両般の病あり
第三九話 その一 不知最も親切なり 法眼文益/その二 自己即仏の領解は仏法にあらず
第四〇話 その一 中国禅宗史と道元禅/その二 再び真字『正法眼蔵』について

附録
 一 真字『正法眼蔵』の歴史的性格
  一 はじめに
  二 真字『正法眼蔵』の引用語録の特色
  三 真字『正法眼蔵』と『永平頌古』
  四 おわりに
 二 『宗門統要集』と真字『正法眼蔵』  真字『正法眼蔵』の出典の全面的補正  
  〔一〕真字『正法眼蔵』の出典一覧
  〔二〕真字『正法眼蔵』の引用典籍の頻度数
  〔三〕『永平頌古』の出典と真字『正法眼蔵』との関係一覧
 三 真字『正法眼蔵』のなぞを追って
  一 今、なぜ真字『正法眼蔵』か
  二 道元禅師真撰説を決した金沢文庫本の発見
  三 つぎつぎに河村博士によって発見紹介された真字『正法眼蔵』
  四 真字『正法眼蔵』の異本について
  五 「正法眼蔵序」の真偽をめぐって
  六 真字『正法眼蔵』は何のために書かれたか
  七 果たして門人の参究の書といえるか
  八 多数の『宗門統要集』の引用をどう考えるか
  九 真字『正法眼蔵』は寂円への伝授本か
  一〇 『永平頌古』と真字『正法眼蔵』はどちらが先か
 四 真字『正法眼蔵』に登場する禅者の法系図
あとがき
  研究文献一覧
  中国禅宗地図
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訳注 芳澤勝弘
A5判 上製本 カバー装
巻1~6 総1148頁 
ISBN978-4-88182-281-4 C0015
在庫あり
16,500  (税込)