南禅寺宝物調査

 

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先週末は、今年度から毎月一度、恒例に伺っている南禅寺のデジタルアーカイブズ事業で調査でした。梅雨明けして夏本番といったお天気です。

調査を行なう宝物庫は除湿器は入っているものの冷暖房が一切ないため、窓のない密室での作業なのです。

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全体図を撮影したり、マクロカメラで細部撮影したり、法量を測ったり材質を調べたりして調書に書き込んでいきます。上の写真でかかっている軸は文化財指定の逸品です。なかなか間近で観られないものだと、調査時間も長くなります。

ただ2時間も発たないうちに脱水状態になっていくので、適宜、水分は取っていますが、それでも休憩を忘れずにいれなければなりません。一歩外に出ると、琵琶湖疎水からの水が流れていて、風も有り、外の方がだいぶ涼しいと感じます。

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水音を聞いているだけでも涼しくなります。ずっとここに座っていたい気持ちになりますが、そうもいかず、調査継続。

ついにスタッフの一人は、冷えピタをおでこに貼り付けてがんばっていました。禅文化研究所の新人スタッフも、慣れない調査ではあるけれども、興味をもってがんばってくれています。

b_2019-07-26-15.07.jpg毎月一度のこの調査。いつまで続けると終われることでしょう。

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飯山正受庵へ

 

b_MG_7276.jpg先般、飯山の正受庵へお邪魔してきました。ちょうど、近畿以西は梅雨明けとなった日で、信州飯山といえども夏の景色でしたが、ヒグラシの声が聞こえるのがいかにも飯山らしく感じました。

来年、白隠禅師の師匠である正受老人道鏡慧端禅師の300年遠諱に正当するのにあわせ、妙心寺の聖澤派にて遠諱委員会が組織され、遠諱事業が計画されております。弊所はそのお手伝いをさせていただくことになっておりますが、その一環として飯山市美術館での正受庵宝物展(仮)も計画されています。そこでその出陳品を選定すべく、正受庵に所蔵される宝物什物の下見に参上したわけです。

ちなみに私は飯山の近くにある野沢温泉や斑尾高原といったところには、過去に度々スキーに行っておりますが、正受庵を訪ねたのは一度きり。それも雪の中を外から拝んだだけで、実際に境内に入ったのは今回が初めてでした。

現在近隣のお寺の若い住職が兼務をされており、2年前の大本山妙心寺の白隠禅師250年遠諱事業で、正受庵の修復もされましたので、一時に比べるとだいぶきれいになったようです。

 

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こちらは正受老人の墓塔である「栽松塔」です。白隠禅師の高弟である東嶺円慈が、正受庵で正受老人の60年遠諱を勤め、報恩感謝のために正受庵の復興をするとともに、この墓塔を建立したのでした。

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白隠禅師が修行中、この正受庵を訪れ正受老人に相見した際に、正受老人からその高慢な心中を見透かされ、大喝されてここで蹴落とされたと言われ、蹴落とし坂と呼ばれています。階段上に細くて眼光鋭い正受老人が、蹴落とした白隠を見下ろしている、そんな様子が浮かんできます。自ら白隠禅師になった気持ちで見上げてしまいました。

そんな恐ろしい話がある正受庵ですが、和尚さんや檀信徒、飯山市美術館などの方々と打ち合わせをさせていただいた、庫裏の一室の縁側廊下を見上げると、こんなことに。

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裸電球のコードを巻いてある部分にツバメが巣を作ったのです。2年ほど前だったようですが、巣がそのままゆりかごのようですね。出入りしやすいようにとずっと窓を開けていたようですよ。正受庵の優しいお話です。

京都から飯山へは、特急サンダーバードで金沢へ、そして北陸新幹線で飯山まで。便利になったものですが、それでも片道4時間かかりました。今度は調査機材を持って車で走ることになりそうです。

それから、こちらの地元飯山高校、ことしの夏の甲子園出場おめでとうございます。健闘をお祈りします。

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季刊「禅文化」253号発刊のお知らせ

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「鎮西の古月・東海の白隠」と並び称されるも、白隠禅一流となった現在、陰に隠れてしまいがちな人物が古月禅材(こげつぜんざい)です。しかし宗風の挙揚に努めて多くの法嗣を育成し、月船禅慧ら「古月派」の名僧を輩出したその功績は、広く知れ渡っています。遷化後270年の時を経たいま、その境涯をたどりつつ禅師の精神といわれる「枯禅」の本質を考える特集を組みました。

道前慈明老師(永源寺派管長)には、古月禅材が私淑した永源寺開山・寂室元光禅師のご性格を通して「枯禅の真髄」について述べていただきました。また古月禅材の研究者である鈴木省訓先生(松ヶ岡文庫代表理事・円覚寺派玉泉寺閑栖)は、現在の禅修行における問題点を挙げつつ、私たちが「古月の禅から学ぶべきことは何か」問いかけてくださっています。特集に掲載させていただいた論稿は4本。すべてここでご紹介したいところですが、詳細はこちらをご覧くださいませ。

なお、前号252号では、古月下の禅僧であった誠拙周樗(せいせつしゅうちょ)を特集いたしました。古月派が鎌倉禅へ及ぼした大きな影響など、併せてお読みいただければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。

季刊誌『禅文化』253号のご注文はこちらから。

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サンガセミナー 2019 「地獄絵絵解き」と「禅の美術」講座

 

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先週金曜日、建仁寺塔頭の六道の辻で知られる六道珍皇寺さまにて、本年度のサンガセミナー第1回目となる「1-1 地獄絵絵解き講座」および、「1-2 仏教美術鑑賞入門」を開講しました。

朝から小雨で蒸し暑さが増す京都でした。午前中は、西山克先生(京都教育大学名誉教授)に、熊野十界観心図(地獄絵)に描かれている内容について、丁寧に解説をいただきました。

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地獄絵の中で描かれていることの解釈について、一般的に言われている内容とは違う解釈もお持ちで、そういったことも興味深く、受講者は熱心に耳を傾けておられました。
また、今回の講座にあわせて、六道珍皇寺蔵の2幅の熊野観心十界図を展観していただけましたので、講座の前後にはこれらの地獄図を間近に見て、解説のあった絵柄を熱心に観られている方も多くありました。

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講座の後、六道珍皇寺のご住職にご案内頂いて、小野篁ゆかりの黄泉がえりの井戸や、重要文化財の薬師如来像を拝観させていただきました。続いて午後には、弊所のデジタルアーカイブス調査でいつも一緒に調査させて頂いている、花園大学歴史博物館館長の福島恒徳先生による、「仏教美術鑑賞入門」講座です。

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去年から開設したこの講座ですが今年は特に「禅の美術の見方」に関してお話し頂きました。
概論の後、実際の美術品の画像をプロジェクターで表示しながら、その絵の特徴であるとか、どういう意味が込められているのかといった内容で、午前中から引き続いて受講している方が多くいらっしゃったので、朝から午後まで、佛教美術に深く関わることができた一日ではなかったかと思います。

次は9月のピラティスとヨガ。まだお申し込み可能です。

 

 

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「日本の素朴絵」展

 

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東京の三井記念美術館で、今月6日から9月1日まで開催されている特別展「日本の素朴絵」のご紹介です。

本展は、日本に残る、ゆるくてかわいく楽しい素朴な絵画を集めたものとのことで、さまざまな時代、形式の素朴絵を出陳し、新しい美術の楽しみ方を提供されています。絵画だけでなく、彫刻品も少し出るようです。

改めて、

会期:2019/7/6(土)~9/1(日)
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:土曜日(ただし7/15、8/12は開館)、7/16(火)
主催:三井記念美術館、NHK、NHKプロモーション
監修:矢島 新(跡見学園女子大学教授)

来たる7/20(土)14:00~15:30には、「日本の素朴絵~ゆるカワ日本美術史~」と題して、矢島新先生の講座もあるようです。定員50名・聴講料2000円とのことです。

なお、関西の方には、9/21~11/17に龍谷大学 龍谷ミュージアムにて巡回展が予定されていますので、お楽しみに。

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