仏教とヒンズー教とが共存する国、カンボジアへ その1

 

blog_MG_0306.jpg皆さん、今年のお盆は如何だったでしょうか。例年にも増して暑い暑い毎日でしたね。

お盆が終わるやいなや、仏教とヒンズー教が共存する国、そしてアンコールワット遺跡で有名なカンボジアまで見聞に行って参りました。遺跡中心にしたのでシェムリアップだけに滞在。現地は年間通して気温が30度以上なのですが、今年の日本は異常。かえって現地は雨期で太陽が翳っているせいで、逆に楽な気がしました。

まずは初日、宿の近くにあったシェムリアップ中心部、オールドマーケットの近くでシェムリアップ川の横にある仏教寺院「ワット・プリア・プロム・ラス(Wat Preah Prom Rath)」をふらりと訪ねてみました。カンボジア人の多くは上座仏教信者とのこと。よって、お寺はきれいに整備されていました。

blog_MG_0318.jpg境内には、どーんとこんなオブジェが。まるでテーマパークかと思いましたが、なんの説明を読まなくてもわかりますね。「四門出遊」に違いありません。
「四門出遊」とはご存知かと思いますが、釈尊がまだカピラ国の王子であったとき、郊外に遊びに行くためにカピラ城の東門を出たところで老人に出会って生まれれば老いることを知り、次に南門を出たときには病人に出会い、続いて西門を出たときは死者の葬列にであって人生の無常を感じ、さらに北門を出たときに出家者 (沙門)姿をみて、そこに自分の歩むべき道を見出したとされる仏伝です。

blog_MG_0316.jpgそしてこちらが本堂にあたります。入り口で靴を脱ぎ帽子を脱いで、タイル貼りの堂内へ。ご本尊はお釈迦様の坐像。ロウソクの色も黄色くて、日本のお寺とはまったく違う感じですね。

blog_MG_0321.jpgカンボジアへの渡航者は、やはり一番多くが中国人、韓国人の様子です。西洋からの方も少なくありません。日本人は意外に目立ちませんでした。熱心な現地の信者さんたちは、お線香を供えて五体投地をしておられます。

床のタイルもとても綺麗なものです。

blog_MG_0313.jpg滞在中に立ち寄った土産物店などではタイルを売っているのを見かけませんでしたが、これが現地の物産ならば売れば人気が出るのではないかと思うほど素敵です。

blog_MG_0315.jpgシェムリアップの街中は、どこもきれいに掃除されていて、あまりゴミを見かけませんでした。そしてみんな柔和で優しい感じがし、挨拶するときには合掌してくれます。ここに仏教の精神が根付いているんではないかと思えてなりません。昭和の日本のちょっと前のよき時代をも思い出す感じがしました。
さて、翌日からは、ヒンズー教と仏教が混在する各遺跡めぐりがはじまります。
しばらくそんなブログ禅にお付き合い下さい。

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霊峰富士へ登頂


2018/8/6~7の二日間かけて、ついに霊峰富士へ登山にいってきました。
日本に生まれた限りは、なんとしても一度は登っておきたいと思っていたお山です。静岡で修行時代には頻繁に目にし、また近年は新幹線で通る度にその美しさを気高く感じていた、日本最高峰の富士山。今回参加したのは、地元で色々な活動をしている方達が募られた、小学生から70歳台まで老若男女70人以上の団体です。

早朝に滋賀を大型バス2台で出発し、富士吉田ルートの5合目にはお昼頃に到着。今回の登山に備えて、大きいリュックやストック、運動用スパッツ、防寒具などを買い揃えて気合いも充分ですが、心配なのはなにしろ天気。こればかりは運頼みです。登り始めのころは曇天。下界はまだ35度超えの猛暑ながら、五合目(2305m)は涼しくて気持ちいいくらいです。

全員揃って準備を整え、注意事項などを改めて聞いていよいよ歩き始めました。挨拶を交わしてすれ違う下山する人たちは、かなりお疲れの様子で肩をまるめて笑顔もない人ばかり。降りてくるときは、あんなになってしまっているのかなと考えつつも、期待に胸を膨らませて、それでも習ったとおり、大股では歩かず、ゆっくりゆっくり歩を進めます。
最初は登山道も広くて比較的歩きやすい道。予定では夕方6時台に本8合(8合目最上部)の山小屋に到着することになっていますが、6合目から7合目と、だんだんきつくなっていきます。少し岩場もあり、滑らないように気をつけて……。

とても沢山の登山者(それでも当日は平日で少ない方らしい)が登っています。日本人ばかりではなく外国人もたくさん見かけました。それゆえ、登山道は大渋滞。

blog_MG_9907_R.jpg8合目が近づいた頃、雲の中に突入し雨が降り出しました。慌てて雨具を取り出しカメラはしまい込みました。雷も鳴り出しましたが、なんと、眼下で鳴っているのです。高い山への登山ならではでしょう。
当初から注意されていたのは、高山病にならないように、ゆっくりゆっくり登ることと、深呼吸を心がけること。それでも空気の薄さは感じました。少し頭痛もしていました。雨の中は輪を掛けて辛くもありました。

ようやく夕食と仮眠をとる山小屋についたのは予定より遅く、19:00を過ぎてしまっていました。登山靴を脱ぎ、装備を解いて食べたハンバーグカレーの美味しかったこと!

そしてたった3時間の仮眠の後、23:30起床し24:00に頂上目指して再出発。なんと、この時には雨はあがり、三日月も現われ、満天の星空となっていたのです。

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眼下に目をやると、雲海とともに、登頂を目指す人たちのヘッドライトの列が連なっています。

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そして、本8合から登ること4時間半。高山病になりかけて苦しんでいるメンバーもいましたが、ゆっくりゆっくり頑張って登り詰め、ついに頂上に到達! これこそ万歳です。
そして74人全員が無事に登頂完了してまもなく、日本一のご来光をおがむことができました。素晴らしくて言葉を失い、ひたすらシャッターを切っていました。

blog_MG_9997_R.jpgいつか一度はと思っていた富士登頂、そしてご来光も拝めました。これこそ日本人の土着信仰なのでしょうね。登山者一同が感激しています。私もおもわず感動で涙が出てしまいました。

blog_MG10060_R.jpg1時間ほども頂上にいたでしょうか。名残惜しい気持ちもありますが、帰らねばなりません。11時間以上かけて登ったのに直ちに下山です。下山はまた膝や足首、腰にも負担がかかり、かなり辛いのですが、素晴らしいご来光を拝めて、みんなニコニコと下りました。往路に見た人たちは笑っていませんでしたが、我々はみんな笑顔で下ることができたのです。
曇り空から雷雨、そして果てしなく広がる雲海から出たご来光。自然というものを身体中で感じて、その有り難さに感動した二日間でした。

とはいえ、この感動は言葉や写真ではわからないでしょう。まだ登っていない方、挑戦してみませんか? きっと素晴らしい体験になるはずですよ。

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数々の著名な禅僧をうんだ若狭

 

blog_2018-07-30-10.07.jpgこちらは先日出向いた若狭の海です。気持ちよく晴れ渡っていました。

今年は、明治時代に活躍した禅僧、かの釈宗演老師の100年遠諱に正当しています。鎌倉円覚寺では、秋の遠諱法要を迎えられ、現在、慶應大学にて「釈宗演と近代日本-若き禅僧、世界を駆ける-」展が開催されているのは以前に本ブログでもお知らせしたとおりです。

また秋の遠諱にあわせて、京都でも2018年10月8日~12月8日の間、花園大学歴史博物館にて「100 年遠諱記念 明治の禅僧 釈宗演」を同館と弊所が共催で開催予定をいたしております。それにむけて、先月には禅師の生誕地である若狭にも墨蹟調査に出向いたり、またつい先日は展覧会への出展依頼に伺ってきました。

若狭は釈宗演老師の他にも多くの名だたる禅僧を輩出しています。

『近世禪林僧寶傳』によるだけでも、大拙承演禅師・儀山善来禅師・越溪守謙禅師・的翁恵端禅師・虎関宗補禅師・洪嶽宗演(釈宗演)禅師・絶学文毅禅師といった方々です。
そこで、若桜エリアにある相国寺派の第四教区の御寺院が協力して、若狭でも10月に釈宗演老師の遠諱法要が営まれ、それにあわせて若狭出身の禅僧方を顕彰すべく『近世若州僧宝伝』(非売品)を刊行されることになり、弊所がそのお手伝いをさせていただいております。

禅師方のご生家が続いているお宅もあり、この後(うしろ)家は、儀山善来禅師の御生家で、玄関横にはこのような石碑も建てられており、書画なども残されています。

blog_2018-07-30-10.08.23.jpg上に掲げた海の写真は、じつはこの後様のお宅近くから望める景色です。儀山禅師が幼い頃に毎日ご覧になった景色なのでした。

さて、本日より8月となりました。禅文化研究所は例年通り、お盆の職員一斉休業以外にも、各自坊の都合などでそれぞれお休みをいただくことになっております。よって、ブログも不定期となってしまいますが、ご了承下さい。
地震、猛暑、豪雨、迷走台風などいろいろ天災に悩まされているこの夏ですが、どうぞご自愛の程を。

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前所長西村惠信師に「仏教伝道文化賞」本賞が選定

 

eshin2018.jpgすでに一部の宗教関係新聞などで発表されていますが、禅文化研究所の前所長西村惠信師(花園大学元学長・同名誉教授)が、公益財団法人仏教伝道協会から「仏教伝道文化賞」本賞を受賞することになりました。贈呈式は平成30年10月4日とのことです。
また同じく「仏教伝道文化賞」沼田奨励賞には、みうらじゅん氏に授賞されるとのこと。

仏教伝道協会のサイトによると、「仏教伝道文化賞」とは、

この賞は、国内外を問わず、仏教関連の研究や論文、美術や音楽、仏教精神を基に活動する実践者など、幅広い分野にて仏教精神と仏教文化の振興、発展に貢献された方がたの、その労に感謝し讃えようという意図から昭和42年に制定され、毎年、仏教伝道文化賞選定委員会によって、受賞者を選定

されるとのこと。
前所長本人も、こんな賞をいただけるなどと考えてもみなかったので、大変ありがたいことだと、おっしゃっています。くしくも本日は先生の満85歳のお誕生日。重ねておめでとうございます。

詳しくはこちらのサイト

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『禅文化』最新号、禅と他宗教の対談特集です。

 

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季刊『禅文化』249号が、発刊されています。

今回は「禅宗」という枠にとらわれず、「禅と他宗教に通底するもの」をテーマとした対談特集としています。禅宗の側から先方をお訪ねする形で、お二人の老師と他宗教のご指導者にご対面いただきました。

180727_blog1.jpg『禅文化』249号より

 

対談1本目は、大乗僧堂・河野徹山老師と、本年創建1250年の節目を迎えた春日大社・花山院弘匡(ひろただ)宮司によるお話です。ご神気に満ちた境内で、「日本人の心(気質)と神仏習合の関係」についてじっくり語らっていただきました。二年前に行なわれた式年造替にまつわる祭祀の詳細、またその際の心持ちは、なかなかお伺いできない貴重なお話かと思います。果たして神職の方々のそれは、摂心に臨む禅僧方と同じなのでしょうか?

 

180727_blog2.jpg2本目は、圓福僧堂・政道徳門老師と、34歳で千日回峰行を満行された北嶺大行満・光永圓道大阿闍梨の語らい。阿闍梨様のご案内で実際に行者道を歩きながらのお話は、何と6時間近くにも及びました。実は、光永阿闍梨は花園大学の仏教学科ご出身で、禅の世界についてもよくご存じでいらっしゃいます。共に40代前半とお歳も近いお二人、さてどんなお話が飛び出したのでしょうか。

それぞれがご自分の道を深く極めていらっしゃる指導者同士の対談。話のスピード、回転の速さには圧倒されました。宗教には、区別はあれどそれだけ通じ合う部分がたくさんあるのだなと思いながら編集に勤しみました。

新連載は2本。「民俗学から見る仏教行事」と「精進料理」がテーマです。
初回は、お祝い事と葬送の儀礼には意外なほどに共通点があることを民俗学者の明珍健二先生ご紹介いただきました。精進料理については、今回は精進料理周辺の諸問題を皆さまと共に考えたいと思います。ご執筆は、精進料理研究家の高梨尚之先生です。

詳しくはこちらにて。よろしくお願い申し上げます。

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