「釈宗演と近代日本-若き禅僧、世界を駆ける-」展

 

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今年は釈宗演老師(1858─1919)の100年遠諱に正当し、来年の誠拙周樗禅師の200年遠諱とともに、鎌倉円覚寺では、諸々の遠諱事業を始められています。

来たる2018/6/4より、福沢諭吉と関係も深かったことから、東京の慶應義塾大学で、釈宗演遠諱100年記念特別展「釈宗演と近代日本-若き禅僧、世界を駆ける-」が開催されます。

釈宗演老師は、若くして今北洪川に嗣法し、慶應義塾大に入学し、セイロンにも留学しました。明治25年、34歳で円覚寺派管長に就任し、明治26年(1893)にアメリカはシカゴで開催された第1回万国宗教会議に出席されます。そこで初めて西洋世界に禅(ZEN)を鈴木大拙とともに紹介した禅僧であり、夏目漱石が参禅したことも知られています。

ちなみに、季刊誌『禅文化』秋号(250号)でも釈宗演老師の特集を組まさせて頂く予定ですし、また、10月ごろから、この慶應義塾大学の展覧会とは別に、花園大学歴史博物館と共催で釈宗演老師遠諱記念の展覧会を、花園大学歴史博物館にて開催する予定ですが、まずは、こちらの展覧会にお運びいただいては如何でしょうか。

鎌倉辺に遺る老師の資料を中心にした展観をご覧頂けることでしょう。

会期:2018/6/4(月)~8/6(月) 9:00~18:20(土曜は16:50まで)
   日曜・祝日は休館

会場:第1会場 慶應義塾図書館展示室 / 第2会場 慶應義塾大学アート・スペース

お問い合わせは、慶應義塾福沢研究センター
 〒108-8345 東京都港区三田2-15-45/FAX 03-5427-1605/fmc@info.keio.ac.jp

クリックすると大きく表示します。

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鎌倉の円覚寺派瑞泉寺を訪ねる

 

blog_2018-05-11-12.10.jpg来年春に迎える円覚寺の誠拙周樗禅師の遠諱事業の一環である、遺墨集制作のために、先週後半の4日間、鎌倉円覚寺で調査撮影をしてきました。そのうち1日だけ、近くにある円覚寺派瑞泉寺へ出向いての調査となりました。

この瑞泉寺のご住職は、現在、円覚寺派教学部長をされていますが、季刊誌『禅文化』に連載いただいている「睡猫庵歌話」の筆者、大下一真師であります。

鎌倉では有名な五山十刹の十刹に入る名刹ですが、個人的には初めて訪ねました。円覚寺や建長からすると、鶴岡八幡宮を間に挟んで右手の方に車で5分ほど。鎌倉らしい狭い道路を進んでいくとかなり奥まったところに、この瑞泉寺はありました。

建立は嘉暦2年(1327)、京都の天龍寺の開山でもある夢窓国師が開山で、鎌倉公方の菩提寺として建てられたようです。関東大震災で大きな被害を受けたようですが、今は仏殿や庫裏も整えられ、多くの花や樹木囲まれた緑豊かなとても美しいお寺です。

こちらでの調査撮影の合間、ご住職の大下師にこちらへと案内されたのは仏殿の裏にある小間。ここの障子を開くと、夢想国師が作庭されたといわれる庭園を拝することができました。

blog_2018-05-11-12.jpg(パノラマ機能がなかったので2枚の写真を合成しています。クリックすると拡大表示できます)

右手の方にわかりにくいでしょうが滝水がそそいでいます。これには少し仕掛けがあるそうで、時間を限定して流しておられるそうです。

なんとこの庭は長らく土に埋もれてしまっていたとのことで、昭和45年に発掘されこのように見事に復元されたとのこと(ただし、仏殿裏からの一般拝観はされていません。境内からはご覧いただけます)。

瑞泉寺についてはホームページに詳しく記されていますので、そちらを。

境内ではそれはそれは美しい声(mp4)で、ウグイスが鳴いていました。鎌倉をお訪ねの際には、少し足を伸ばして瑞泉寺をお訪ねになることをお勧めします。

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美には心が宿る ~春日大社~

 



20180511_001.jpg季刊『禅文化』の取材で、奈良は春日大社に参りました。「諸宗教を超えた対話」として、禅僧とさまざまな宗教者に語り合っていただく対談企画です。



20180511_002.jpg対談において、他者を思い遣る日本人の気質は、神仏への畏敬の念によって培われたのではというお話がありました。「日本人は1000年かけて、神仏に対して何をしたら良いかを考えてきたのではないでしょうか」。場を美しく調えるのも、相手(神仏であれ人であれ)が大切だからこそ。美しいものには心が宿ると。



20180511_003.jpg境内でそれを実感した場所が、御祭神・武甕槌命(たけみかづちのみこと)が天降られた御蓋山「浮雲峰」の遙拝所。当初は禁足地に無人の遙拝所を設けることを危惧する声もあったと伺いました。ですがいざ開放してみると、監視の目、外国語の看板がなくとも、境内奥にあるこの聖地にいたずらをしたり、汚したりする人は皆無なのだそうです。

心は目に見えないようで、しっかり伝わるものなのですね。留意します。



20180511_004.jpg追記
換毛期の鹿を見るのは初めてでした(背中の斑点はまだ冬毛の奥に)。

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えしん先生の個展

花園大学名誉教授で、弊所の前所長でもある西村惠信先生の個展「趣味の淡彩画展」に行って参りました。



001.JPG会場の「ギャラリーめん」さんは、温かみのある木の看板が目印。ご覧のとおり緑の山々に臨む落ち着いた立地です。ウェスティン都ホテルのお向かいですよ。



002.JPGギャラリーを覗くと、こぢんまりした空間に、モチーフもさまざまに大小約40点の作品が展示されていました。



003.JPG1点1点に先生のメッセージが添えられているのですが、これが楽しかったです! 作品が描かれたシチュエーションや、その時の何気ないエピソードが印象的な文句で綴られており、引き込まれてしまいます。



004.JPGちょっとした空き時間、「サンドウィッチ片手に」筆を執られるえしん先生の姿、旅先でスケッチに夢中になる先生に「早く宿に戻ってくださいね」と声をかけるご同行者の様子など、ありありと目にうかびました。ピアノ演奏会場のざわめきや、川の水音も聞こえてくるようです。



005.JPG日本の大自然に海外の街並み、ある日のご自坊の食卓(!)までマイペースにじっくり楽しませていただきましたが、どれか1点と决めるなら私は銀の食器のような額に収められたこの絵がお気に入り。

つやつやした実を見ながら添え書きを読んでいるうちに、自分が子供時代手をベタベタにして食べた庭のいちじくのこと。すっかり忘れていた香り、柔らかさ、皮を剥くときのあの指の感触までが、鮮明に蘇ってきたのでありました。

個展は10日まで開催中。ぜひお出かけください。

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旧暦と新暦との季節感相違

 

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五月、満山新緑の好時節になってまいりました。

さて、このブログをお読みの人は、いささかでも禅録をお読みだと思います。
そこで、とまどわれるのは、旧暦と新暦との季節感のズレだと思います。

旧暦の一・二・三月は、春です。現代人が、寒さに凍えている一月二月は、旧暦では春なのです。年賀状に「賀春」とか「迎春」とか書きますよね。

旧暦の四・五・六月は、夏です。現代人が、もっとも過ごしやすいこの季節は、旧暦では、うだるような夏なのです。「六月(五月とも)に松風を買うば、人間、恐らくは、価(あたい)無からん」の禅語の「六月」は、現在では、八月に当たるでしょう。

旧暦の七・八・九月は、秋です。これが一番こまってしまいます。中秋の名月は、旧暦では八月なのですが、どうもシックリきません。

旧暦の十・十一・十二月は、冬です。「雪裏の梅花」と歌うのは、新春一月を迎えようとしている、十二月の雪をもたげて開こうとしている梅です。

以前にも書きましたが、禅録などを読む時には、頭の中で、この季節感のズレを修正しなければなりません。

ところで、日本が旧暦を新暦に改めたのには、隠れた事情があると言われています。財政難の明治政府は名案を考えました。新暦を導入して、明治五年十二月三日を、明治六年一月一日としたのです。結果、役人に対して十二月分の給料を払わずにすみました。おまけに旧暦のままでは、明治六年は、六月が閏月でしたので、六月と閏六月との二ケ月分の給料を払わなければいけませんが、これも回避されて、一ケ月分の給料ですみました。結局、明治政府は、旧暦を新暦に変えることで、役人に対する二ケ月分の給料をチャラにしたという説です。何とも即物的な話ですが、いずれいつかはということでしょう。

こう書いて来ましたが、やっぱり、七月八月は暑いです。お盆の棚経を今から心配しています。
みなさま、お元気で。

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