雲水さんは楽しみだ

 

blog_IMG_1719.jpgわたしは、時々、僧堂に行って、雲水さん達と一緒に、漢詩のイロハを勉強している。もちろん、制間中という、いわば、雲水さん達の休暇中を利用してのことである。制中となれば、坐禅と入室参禅のみだから、文字をあつかうようなことは出来ない。

わたしは想像するのだ。
この雲水さん達が、将来、どこかの住職となり中堅や老僧になった時、「わしが雲水の時になあ、○○という人が手弁当で僧堂に来てな、漢詩のイロハを教えてくださった。あんた達も、二四不同や二六対ぐらいは勉強せんといかんなあ」と、なかば、偉そうに言っておられる姿を。

雲水さんは楽しみだ。将来、お師家さんになられるかも知れないし、管長さんになられるかも知れないし、いなか寺で一所懸命、仏法を説いておられるかも知れない。

そんな雲水さん達と一時を共に出来るのは、文字になってしまった語録の訓読に明け暮れるわたしにとって、生きた禅を見るようで、とても愉快なのである。

そういうわたしにも、雲水時代はあったのですよ。
もう忘れてしまいましたけど。

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特別展「原の白隠さん」

花園大学歴史博物館では、来たる4月3日(月)~6月10日(土)のあいだ、白隠禅師250年遠諱記念「原の白隠さん -松蔭寺と静岡沼津伝来の禅画・墨蹟」展を開催されます。

今年の白隠禅師250年遠諱正当に合わせて、昨年秋より3部にわけて開催されている白隠禅師の特別展の一環で、今回は第2部にあたります。(前回は「正受老人と信濃の白隠」:2016年10月10日~12月10日)

白隠禅師が得度をされ、また住職を勤めながら多くの弟子達を接化されていた沼津市原の松蔭寺。この松蔭寺に残されている多くの遺墨を中心に白隠画の魅力にせまる展覧会です。

会期:2017年4月3日(土)~6月10日(土)
休館日:日曜日および5月5日・6日(但し大学行事により臨時休館する場合があります)
開館時間:10:00~16:00(但し土曜日は14:00まで)
入館料:無料
主催:臨済宗妙心寺派、花園大学歴史博物館
協賛:学校法人 花園学園

期間中、2期にわけて展示替えも行なわれます。是非、お近くにおいでの際にはお立ち寄りください。

 

※展覧会の詳細は下パンフレットの画像(表・裏)をクリックすると拡大して表示されます。

2017白隠展(表).jpg表面

2017白隠展(裏).jpg裏面

 

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逸話(11)白隠門下 その5-峨山慈棹(2)

前回に続いて、峨山慈棹禅師の逸話を2話ご紹介します。


blog_柏樹子話有賊機.jpg1)峨山和尚―柏樹賊機の公案―

峨山和尚は、松蔭寺で修行中、寺尾という所に庵居し、〈疎山寿塔(そざんじゅとう)〉の公案に参じていた。
ある日、ハタとその公案がわかり、思わず手に香炉を捧げ、松蔭寺の方角に向かって、白隠禅師に感謝の香をたき、欣喜雀躍(きんきじゃくやく)した。
白隠禅師が遷化された後、武蔵(神奈川県)永田に帰って、依松に庵居した。そこで自ら考えた、
「わしは松蔭寺にいた時、関山禅師の〈柏樹子(はくじゅし)の話(わ)に賊機(ぞっき)あり〉の公案をとおった。しかし、まだ十分ではない」と。
かくして、余事を交えず、〈柏樹賊機〉の公案に参究した。ある夜、急に冷たいつむじ風が吹き起こり、かまびすしく山が鳴り谷が響いた。この時、忽然として〈柏樹賊機〉の真意にぶち当たり、庵の外に走り出て、四、五十歩も疾走した。そこで初めて峨山和尚は、関山慧玄禅師の肝心かなめのところを徹見したのである。

 

2)峨山の垂示―空しく光陰を過ごすなかれ―

峨山和尚が言われた。
「わしは、天沢山麟祥院に住すること十年。禅牀(ぜんしょう)を天香閣に置き、毎夜、その上で坐禅をする。深夜の十二時から二時まで一睡して起きる。鐘司(しょうす)が、下駄を鳴らしながら鐘楼に上り、鐘を打つ。その時には、すでに洗面も終わり、法衣袈裟を著けて仏前にいたり、朝の勤行をする。毎日、この通りだ。朝はやく起床し、精神をふるいたたせてお経を読み、その後に今参究している公案を専一に工夫することだ。くれぐれも、空しく時を費やしてはならぬ。今、わしは年老いたが、勉めて怠らずにいる。なぜならば、黄龍慧南(おうりょうえなん)禅師も言われておる、『老いたりとて、やすやすと気ままにはせぬ』と」

 

いずれも『白隠門下逸話選』(能仁晃道編著)より

※写真は「栢樹子話有賊之機」(東嶺円慈書/禅文化研究所蔵) 禅文化研究所デジタルアーカイブズ「禅の至宝」より

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みずからのみずからの自由を、人からとじこめられるな

 

blog_主人公.jpg

「ブログ禅」を御覧になっている人の中には、将来、禅の研究者を目指しておられる人もおられると思います。これは、小生のせつない希望ですが。

小生は、ただいま、ある依頼を受けて、仙台藩四代藩主、伊達綱村公の語録?『如幻三昧集』を読んでいます。

「ブログ禅」の読者ならば、漢字が多出するのは辛抱して下さい。

その「著語」の部分に、以下の文章があります。

瑞巖自喚云、主人公在麼。自諾云、在。意旨如何。答曰、無鬚鎖子兩頭搖。又曰、自領出去。

訓読します。

(1)瑞巌、自{みずか}ら喚{よ}んで云く、『主人公、在りや』。自ら諾{だく}して云く、『在り』」と。「意旨如何{いかん}」。答えて曰く、「(2)無鬚{むしゅ}の鎖子{さし}、両頭に揺らぐ」。又た曰く、「(3)自領出去{じりょうしゅっこ}」。

注記を書きます。

  1. 瑞巌自喚云……=「巌喚主人」と呼ばれる公案であろうが、綱村公が挙した話頭は未見。当時の黄檗下で用いられていた公案か、公の創作かも不詳。今は、『無門関』十二則を引いておく。「瑞巌の彦和尚、毎日自ら『主人公』と喚び、復{ま}た自ら応諾し、乃{すなわ}ち云く、『惺惺著{せいせいじゃく}。諾{だく}。他時異日、人の瞞{まん}を受くること莫{な}かれ。諾諾』」。
  2. 無鬚鎖子両頭揺=内バネのない開かずの錠が両辺に開く。「問う、『如何{いか}なるか是れ和尚が深深の処』。師曰く、『無鬚の鎖子、両頭に揺らぐ』」(『五灯会元』巻五・石霜慶諸章)。この問答は、日本の公案集『宗門葛藤集』に「無鬚鎖子」として採られる。詳しくは、道前宗閑『校訂本 宗門葛藤集』【六九】を参照。
  3. 自領出去=禅録頻出語。中国の古い法廷用語で、自ら罪を白状して自ら出頭せよというのが本意だが、ここでは、『宗門方語』【自領出去】の下注に言う「是れ誰か得ざる、誰か知らざる」の意で言われたものかも知れない。「主人公など誰もが持っておるし、誰もが知っておる」と。しかし、語句の本意にもどせば、「瑞巌は自分しか知らない主人公を自ら白状してしまった」とも読める。

小生の注記は以上までしか書けませんし、小生は、基本知識を忠実に提供するしかありません。ここで、「ブログ禅」読者に申し上げたい。特にこの「自領出去」をどう考えるのかは、読者の勝手なのである、と。もちろん、この「自領出去」の真意は、綱村公しかご存じあるまいが、綱村公に、その真意を問うてみたところで、公も「知らぬ」とお答えであろうと思います。

これは、自己反省を含めて申し上げますが、学者先生は、自己解釈を読者に押し付けないように、自己解釈のために異論の資料を削除しないようにお願いします。

禅録は、読者一人一人の心に即して読めばいいと思います。だって、馬祖が言った、「即心即仏」も「非心非仏」も、その真意など、誰にも分からないでしょう、先生方。

禅は、決して難しいものではありません。
恋愛や就職活動の悩みとかけ離れたものではありません。
生きていることすべてが禅だと思い、悩みや、尋ねたいことがあれば、どんどん、まわりの禅僧に尋ねてみて下さい。

みずからのみずからの自由を、人からとじこめられるな

 

 

※写真は、古川大航・植木憲道墨蹟 「主人公」(禅文化研究所蔵)。

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デジタルアーカイブズ事業 大本山方広寺での調査

 

blog__MG_1707.jpg2月22日(水)~24日(金)の三日間、静岡県浜松市にある大本山方広寺へデジタルアーカイブ宝物調査に行って参りました。
現在NHKで放送中の、大河ドラマ「おんな城主直虎」の撮影舞台となった場所でもあります。

調査の内容は、掛け軸の形態、品質、法量、作成された年代を調べ、全体の写真撮影、落款印など、細部にわたる撮影を行なった後、最後に軸先や箱の破損箇所を修復するという流れで作業を行ないます。

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初めて調査のお手伝いをさせていただき、主に法量と宝物の運搬などの軽作業を行ないました。保存の状態によってはかなり傷んだ物もあり、丁重に扱わなければすぐ破れてしまうような軸物もありました。
同行している花園大学歴史博物館の研究員の方々から、「作品をじっくり観察してみると、当時の有様や描き手の思い、様々な時代背景が見えてくる」という説明を受けながら書や絵を考察してみると、感情を込められて描かれた部分やそうでない部分などにも素人目線ながら気付くことができました。
今回は2泊3日の調査でしたが、まだまだ時間がかかるということで、今後の調査にも期待して取り組んでいきたいところです。

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