第5回白隠塾フォーラム「白隠と地獄」に行ってきました

 

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箱根や富士山麓のサファリパークでは雪が積もったという、季節外れに寒かった去る日曜日、静岡県の沼津市駅前のプラザ・ヴェルデで開催された、第5回白隠塾フォーラム「白隠と地獄」に行って参りました。
今回の講演は塾長である芳澤勝弘先生と、禅文化研究所前所長の西村惠信先生によるものです。

blog_MG_1857.jpg白隠塾の会員塾生や一般来場者を含め、200名以上の熱心な方々が来場されていました。

blog_MG_1866.jpgまずは芳澤先生。プロジェクターで白隠禅師の語録『荊叢毒蘂』の版本を見せながらのご講演のようです。残念ながら私は物販をしていたため拝聴まではかないませんでした。

1時間ほどのご講演の後、一旦休憩。事務局により簡単なティーパーティのように設営がなされ、お茶やお菓子が振舞われています。こちらはその間も研究書刊行の西村先生・芳澤先生のご著書を中心に販売させて頂きました。

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休憩に続いて、西村惠信先生の講演です。冒頭から会場からは笑い声が。いつもの調子で場内の方々の反応もいいようです。

blog_MG_1869.jpg1時間の講演予定が、興に入られたのか超過してしまい、最後に予定されていた芳澤先生との対談はカットされましたが、講演後には来場者から大変わかりやすく興味深いお話だったとの声が聞こえました。

そこで、西村先生には急遽サイン会もお願いしましたところ、続々とご希望者がありまして、販売しております私もテンヤワンヤで嬉しい悲鳴となった次第です。おかげさまでいつもより売り上げさせて頂きましたし、出張費もまかなえそうでホッとしました。

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熟年の方が多いようでしたが、悪天の中を遠方からみえてこられた方もおられたようです。白隠禅師250年遠諱の今年、ますます、白隠禅師に対する興味は深まるばかりです。

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棚卸し

 

blog_MG_1848.jpg平日だというのに、嵯峨の方に行くと、かように多くの観光客がみえています。大半は外国人のようでもありますが。

さて、年度末となり、禅文化研究所も毎年、この時期になると棚卸しという作業が待っています。そういうときには、編集室のメンバーもの原稿やパソコンに向かうのを休めて、外部にある2ヶ所の倉庫に向かって棚卸しを手伝います。一つの倉庫はこの嵯峨にあるために、この人混みの中を車を進めていくというストレスがあるのですが……。

blog_MG_1834.jpgなんとか倉庫にたどり着き、二人ずつでペアを組んで手分けをし、在庫の数を確認します。去年までは整理はされているもののかなり大変な作業でしたが、今年度は、若いスタッフ二人が掛りきりで整理をしてくれていましたので、こんなにすっきり。まぁ前の状況をご存知でない皆さんにはなんのことだか?でしょうが、とにかく久しぶりに倉庫に行った私などは、感嘆の声を上げた次第です。

blog_MG_1833.jpg例年だと2時間程度かかっていたこの倉庫の棚卸し作業が、今年は1時間足らずで完了。あっけないほどでした。

倉庫の外には目を和ませてくれる花木もあります。これから桜の季節。さらに観光客は増えることでしょう。

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境内の花たち

週初めの朝、起きると表に出て適当な花を見つけては伐り、束ねて研究所まで持ってきては、ところどころに花を生けたりしているのですが、今日は週末なので境内の花を見て回って、写真にだけ収めてきました。

もう東京では桜が開花したと聞いていますが、こちらはまだ、少しずついろいろな花が開きかけてきたところです。まだ少し肌寒いですしね。

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まずは、山茱萸。まだ朝日が昇ったばかりなので、ちょっと暗くて黄色が鮮やかに見えませんが、ごく最近、咲き始めました。昨年、庭師さんが剪定しすぎた感がありますね。

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ちょっと大きくなったふきのとう。小さいうちに摘み取ったのは、天ぷらにして美味しく頂きました。

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ふきのとうがもっと伸びるとこんな風になります。

blog_MG_1817.jpgこちらは姫立金花(ひめりゅうきんか)。暗くなると閉じている花びらが、あかるくなると一杯に開いて、キラキラの黄色の花びらを見せてくれるのです。今はまだ寝起きと云ったところですね。となりにはクリスマスローズもたくさん開花しています。

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白い八重のボタン。花のつぼみは一杯あるのですが、咲いていたのは二輪だけ。藪椿より少し遅いですが、大好きな美しい白い花の一つです。

blog_MG_1830.jpgこちらは藪椿。まさしく竹藪のそばにある大きな木です。この椿の枝をよく研究所に持ってきています。

blog_MG_1825.jpg最後は白木蓮。まだ蕾は硬い様子ですが、これから一気に花が咲くことでしょう。お浄土のように……。

さて、年度末が近づいてきています。今日は研究所の在庫棚卸しの予定です。いい一日をお過ごし下さい。

by admin  at 08:33  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

彼岸会

 

blog_MG_1775.jpg一昨日のブログでは山田無文老師の「お彼岸さん」という講話をお読みいただきました。これらの無文老師の提唱や講話は、主に神戸の祥福僧堂にて雲水や信者さん達に対して話されたものが録音記録してあり、それを禅文化研究所で文字に起こして書籍にしたものです。ですから、これらの本を読むと、今でも無文老師のお声がオープンリールのノイズとともに聞こえてくるように思えます。

さて、このお彼岸に自坊でも例年通り彼岸会を行ないました。自坊では春彼岸の彼岸施餓鬼会を永代祠堂としております。祖父である先々住が住職をしていた時から永代供養として受け付けていたのですが、自坊のある地域は臨済宗のお寺は少なく、130軒ほどの集落の中には自坊の他に真宗大谷派と西本願寺派の2ケ寺があり、130軒のうち、1割ほどが檀家さんでそれ以外は、真宗の門徒さんなのです。

しかしながら、その当時からの慣例で、門徒さんのお宅で新亡ができたときでも、集落内の3ケ寺にそれぞれ供養料を納められることが多く、したがって、自坊の祠堂帳には「釋○○」「釋尼○○」といった真宗の法名の方が多いのです。

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祠堂帳に書かれているご戒名・ご法名のその数は約800霊位。供養料を納められたご戒名・ご法名をすべて読み上げることにしておりますので、それだけでもかなりの時間を要するのですが、ご供養の思いでご志納いただいたそれぞれの方々の大切な思いを感じながら毎年読み上げています。自分が住職になってから導師を勤めさせていただいたご先祖のご戒名があると、「ああ、○○さんだな」と一瞬一瞬ですが、そのお顔まで思い出しながらです。

blog_MG_1793.jpgまた、この時期にあわせて、本山である妙心寺から定期巡教として高等布教師さんが派遣されてこられます。自坊でも巡教をお受けし、開教していただきました。今年のテーマは「おかげさま 三宝の恩 -仏法ありがたし-」でした。施餓鬼法要に参詣された檀家さんやご門徒衆も熱心にご法話に聞き入られていました。

さて、明日で今年の春のお彼岸も終わります。無文老師の言われるとおり、宗教週間、修養週間とも言うべき春のお彼岸。皆さんもご精進され、先祖供養をなされましたか?

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お彼岸さん

 

blog_MG_1711.jpg今日は春のお彼岸お中日です。皆さん、ご先祖さまのお墓参りはおすましになりましたか?
さて、今回は山田無文老師の「お彼岸さん」という講話を、少し長いですがご紹介いたしましょう。なお、文中「和っさん」と出てくるのは、「和尚さん」を端折って親しみをこめた「おっさん」という呼称です。

 


 

「和(お)っさん、ハラミッタってどういうことや」。わたくしの郷里に、こんなことを聞くお婆さんがありました。「波羅蜜多(はらみった)ということはなア、到彼岸(とうひがん)と言うて、お婆さんなかなか難しいことやで」と答えると、「そうかな。わしはまた、心経に一切クウヤクとあるけに、和っさんたちは、お膳に出したものはきれいに喰べなさるから、一切食う役で、そんでお腹がハラミッタかいなと思うた」。

漫才ではない、本当にあった話です。この程度の知識が、近ごろの信心深い善男善女の仏教学です。これでよいものでしょうか。仏教はそんなに難解なものでしょうか。難解だと言って放っておいてよいものでしょうか。もっとやさしく書き直せないでしょうか。どちらにしても、わたくしどもが民衆の教化を怠っていたことは、隠せない事実です。明治初年から今日まで、日本の仏教界には大きな空白があったようです。そしてこの空白は、このままますます拡がるのではないでしょうか。

「波羅蜜多」という梵語は、古来、「到彼岸」と翻訳されておりますが、分かりやすく言うと、「向こうの岸へ行く」ということであります。向こうの岸と言っても、日本のような小さな川しかない国では、向こうもこちらも、別に変わったことも珍しいこともありませんが、インドや中国のような大きな河のある所へ行くと、向こうの岸は、確かにあこがれの的であります。

わたくしは、あの揚子江で二へん笑われたことがあります。戦時中、精拙先師のお供をして中国へ行った時、北京から上海まで飛行機で飛びました。途中南京へ着陸して、しばらく休んでまた飛んだのですが、七時間ほどかかりました。どこへ行ってもよく居睡りをして笑われますが、飛行機の中でも気持ちよく寝ていました。「オイオイ」と起こされるから、ふと眼を開くと、「揚子江の上だ、よく見ろ」と言われます。眠い眼をこすりながら窓から下を見ますと、揚子江か何か知らないが、淀川くらいにしか見えません。つい口をすべらして、「小さなもんですなア」と言ったら、「馬鹿!」と言って笑われました。帰りに、上海から船に乗って長崎へ向かいました。上海の碼頭を出てしばらくすると、もう濁流滔々、どちらを見ても陸地は影も見えません。「老師、もう黄海ですか」と聞いたら、また「馬鹿!」と笑われました。そこはまだ、揚子江の本流にも出ない黄浦江だったのです。ものの真相は、あまり近くても分からないし、あまり離れても分からんものだと思いました。つまり揚子江で二へん笑われましたが、そんな大きな、向こうの岸まで三十六マイルもあるというような河になりますと、向こうの岸は、確かにあこがれの世界になるのであります。

こちらの岸は年中、戦争ばかりしておるが、向こうの岸へ渡ったら戦争のない国がありはしないか。こちらの岸は強盗がおったり、人殺しがおったり、詐欺をするやつがおったり、いやなことばかりだが、向こうの岸へ行ったら、もっと善良な人間の住む国があるのではなかろうか。こちらの岸は飢饉があったり、悪い病気がはやったり、貧乏をしたり、苦しいことばかりだが、向こうの岸へ行ったら幸福の楽土があるのではなかろうかと考えられます。すなわち、向こうの岸はあこがれの国であり、理想の世界であります。

紀州の南端へ行きますと、アメリカ村という村もあるくらい、村中の家からほとんどが、誰か海外に出ておるような所がたくさんありますが、あの辺の人たちは、子供のころから太平洋の荒波ばかり眺めて育っておるので、向こうの岸であるアメリカやカナダに、いつもあこがれを持っておることでしょう。したがって大きくなると、背後の大阪や京都は問題にせず、皆な海外へでかけるものだと思います。彼岸はまさに理想の国であり、浄土であり、天国であり、涅槃の岸であります。

日本には昔から、春秋の彼岸会ということがあります。春分秋分の日を中心として、一週間をお彼岸と申しております。「暑さ寒さも彼岸まで」という諺がありますが、この彼岸は、暑からず寒からず、一年中で一番気候のよい時であります。それに昼の時間と夜の時間がまったく同じで、太陽は真東から出て、真西に入るという、すべてにおいて中庸を得た時であります。この一年中で一番中庸を得た時候の時を一週間選んで、この地上に理想の国を現出してみようというのが、春秋の彼岸会であります。

ふだんはいっこう忙しくてごぶさたしておるが、せめてお彼岸にはご先祖の墓に参り、きれいに掃除をし、香華を供え、水も手向けよう。せめてこの一週間は、仕事を休んでお寺へ詣り、説教も聞いて、お互いに修養させてもらおう。この一週間は、心に誓って殺生もしまい、盗みもしまい、虚言もつくまい。腹もたてず、愚痴もこぼすまい。身分相応に、お寿司を作るなり、お萩を作るなりして、三宝に供え、祖先に供え、お互いに分かち食べ、人さまにも施して功徳を積もう。そして、この地上に一週間をかぎり、争いのない、恨みのない、妬みのない、明るい和やかな理想の国を現出してみようというのが、お彼岸さんの意味であります。この彼岸会が歴史上、いつから始まったかということは、はっきりしませんが、聖徳太子が春分の日、四天王寺の西の楼門の上に立たれて、西方浄土を拝されたということがありますから、おそらく聖徳太子さまのころから始められたものと思います。

近ごろ社会で、よく交通安全週間だとか、火災防止週間だとか、読書週間だとか、動物愛護週間だとか、いろいろな週間が設けられて、民衆の自粛と協力をうながしておりますが、実にわが国には千数百年も前から、宗教週間、修養週間とも言うべき結構な週間が、すでに設けられてあったわけであります。この歴史ある結構な週間を活かして、お彼岸会を真実意義のある、名実相伴う、ありがたいお彼岸会にしたいものであります。そういう実践から、初めて仏法が復活してくると思います。

 

 

山田無文著『無文全集』第12巻「坐禅和讃講話」より

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