浜松 龍雲寺

蝉の大合唱をBGMに「禅文化」秋号(246号)の編集作業を行う今日この頃ですが、先日は編集室から外に出まして静岡県へ。次号の特集テーマ「禅寺の庭」に関連した取材に伺いました。行き先は、浜松は佐鳴湖畔に伽藍を構える龍雲寺さんです。

0817_001.jpg境内裏山の頂上からは、遠く南アルプスの山々も。「素敵なロケーションの、ゆったりしたお寺だな」という印象を受けました。

0817_002.jpg裏山から玄関までつながるビオトープでは、大ぶりの沢ガニたちが伸び伸び。彼らは、お参りに来られるお子さんたちの人気者だとか。

0817_003.jpg池の鯉もすっかり人になついて、頭を撫でても逃げません。

人間も動物も「ふっ」と肩の力が抜けてしまうこのお寺の魅力は、いったいどこからくるのでしょうか。そのキーとなるのが、ふたつの庭園です。

0817_004.jpgそのうちのひとつ、一見シンプルに見えるこの枯山水庭園にも、作庭を手掛けた京都の作庭家・北山安夫さんによる想いと仕掛けがたくさん詰まっているのです。さて、その秘密とは?……などとじりじり書かずに、本当はもうここで公開してしまいたいくらいなのですが、本日のところは「10月号の発刊をお楽しみに」とだけ書かせてください。読んで良かった!と思っていただける一冊になるよう、一生懸命がんばります。

0817_005.jpg龍雲寺さんは、8月に涅槃堂を落慶されたばかり。涅槃堂には、16幅に亘る地獄絵の展示をはじめ様々な見どころがあります。ぜひお出かけくださいませ。

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今年も夏の方広寺(浜松市)へ

ちょうど、先般の迷走台風第5号が、紀伊半島から京都、滋賀、福井と縦断していく頃、私たちは浜松の臨済宗方広寺派大本山方広寺へ、デジタルアーカイブスの調査に出向く時でした。

夏の甲子園も開会式と初日の試合を一日順延しましたが、2台の車に分乗して浜松へ。名神で向かった一台はどうということなかったのですが、もう一台は別コースで滋賀県の新名神を使って三重県へ入っていくあたりで、猛烈な雨に見舞われ、一旦、サービスエリアに待避するといった情況でした。

ともかく無事に方広寺に到着し、調査対象の宝物を収蔵庫から調査会場に運び込んだ頃から、浜松でも大雨になってきました。

blog_MG_4139.jpgさすがに今日は「直虎ブーム」とはいえ、方広寺に一般のお客さんはほぼ来ておられませんが、我々は黙々と調査を敢行。

blog_MG_4143.jpg毎回、調査に伺うと、本山の部長さん方がご接待いただくのですが、今回はお盆の御用事があるとのこと。仕事を終えた夕方以降は、われわれスタッフだけでご提供頂いた般若湯をたらふくいただいておりました。

2016年の冬から始めた方広寺様の調査は、今回の3日間の調査で都合4回目となりましたが、ようやく目処が立ち、あと一回で終えられそうな様子です。おそらく次は来年の2月。足かけ4年かかりました。現在、書は約180点。絵画は90点。他に工芸も少し調査させて頂きました。
来年1月に発刊予定の季刊誌『禅文化』にて、方広寺様の宝物の中から優品を選定し、グラビアでご紹介できればと思っています。お楽しみに。

さて、明日8月11日から16日まで、禅文化研究所は夏期休業とさせて頂きます。ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

 

 

 

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ジャポニスム2018

 

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日仏友好160周年にあたる2018年に、パリを中心に大規模な日本文化紹介企画「ジャポニスム2018」が実施されます。
会期は、2018年7月から2019年2月。日本の美意識をテーマに、展覧会や舞台公演、食や精神文化に関するものなど、幅広い範囲の事業が連続して行なわれる予定です。
この中で禅の精神を伝える事業を行なうことになり、禅文化研究所が窓口となり準備を進めています。
具体的には5日間ぐらいの日程で、坐禅会や講演会、写禅語などのワークショップ、映像上映、パネル展示などを行なう予定です。既に会場などの現地視察も終えました。
全世界にZENの名を知らしめた鈴木大拙博士は、「禅はどこまでも実際的であり、日常的であり、同時に最も溌剌としている」と言っています。
「禅」に対する関心が高いフランスで、臨済禅とは何かを知ってもらうまたとない機会になるでしょう。

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8月の業務体制

 

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梅雨明けしてからも、あまりカラッと晴れた日がない気がしますが、もう8月に入ってしまいました。自坊近くの田んぼでは、もう稲穂が頭を垂れているものまで見られ、転作田では先ごろ大豆の種が捲かれたと思ったのに、もうスクスクと伸びてきています。伸びて行くのが見えるようなほどの速さです。自然の力は素晴らしいですね。

禅文化研究所のある京都、関西では一般的に8月にお盆行事を迎えます。ついては職員の半数ほどは自坊のお盆の棚経や施餓鬼でおおわらわ。というわけで、下記の通り夏期休業とさせていただき、また職員によって、それ以外の日もお休みをいただいていることが多くなりますが、なにとぞご了承下さい。
そのうえ、私などはデジタルアーカイブスの3日間調査が、8月に2つも予定に入っています。ブログもこの頃、月水金の週3本ペースですが、それもままならぬことになりそうで、間引きになることもあるかと思いますが、9月になれば復活します。する予定です。

【休業期間】2017年8月11日(金) ~ 2015年8月16日(水)

ご注文いただきました書籍等の発送も、通常より遅れる可能性もあります。8月10日(木)午前10時までにいただきましたご注文は、10日中に発送させていただきます。それ以降のご注文につきましては、17日(木)以降、順次発送させていただきます。

なにとぞ、よろしく御願い申し上げます。

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公開 逸話(15)白隠門下 その10-遂翁元盧(3)

再び白隠禅師高弟の一人で、遺墨の多い遂翁元盧禅師と、珍しく出てくる琉球僧の逸話から。

 


遂翁02.jpg遂翁和尚のところへ琉球(沖縄県)の僧が来参した。遂翁は、隻手(せきしゅ)の公案を与えて指導した。
三年の期間が過ぎ、帰郷することになった僧は、遂翁に相見し、涙を流しながら嘆いた。
「わたしは、大法を求めるために、遠い海原を越え、この地へ参りました。しかし、前世からの悪習はいまだ消えず、悟りを開くことができません。このまま空しく故郷に帰り、昔のままの姿をさらすのは、嘆かわしいかぎりです」
僧の嘆きを聞いた遂翁は、
「そんなに悲しむことはない」
と慰め、かつ、
「七日間、一所懸命に坐禅せよ」
と、教えた。僧は、その教えの通りに七日間坐禅をしたが、一向に悟れなかった。再び遂翁に相見し、
「どうにも悟れません。どうか、方便をお示し下さい」
と、訴えた。遂翁は、
「あと七日間、一所懸命に坐禅せよ。必ずや悟ることがあろう」
と、教えた。僧は、再び教えの通りにした。しかし、七日がたっても前と同じだった。
「どうにも悟れません。どうか、方便をお示し下さい」
遂翁は、
「古人は、三七、二十一日の間に悟りを開かれた。そなたも、更に七日間、坐禅をせよ」
と、教えた。僧は、教えの通り二十一日間坐禅をしたが、いささかの所得もなく、遂翁に相見し、嘆き悲しんだ。遂翁は、
「わしによい方便がある。そなた、更に五日間、坐禅せよ」と。
僧は、また教えの通りにした。そして五日が過ぎ、遂翁のところへやって来た。
「どうじゃ」
「以前のまま、どうにもなりません」
遂翁は、
「そんなことではとうてい大悟はできぬ。もっとせっぱつまって究めねばならぬ。三日ののち、まだ開悟できなければ、その時は、死んでしまえ」
と、厳しく励ました。
この僧も、ここで始めて身命を投げ捨てて坐禅をした。三日ののち、果たして隻手の公案を透過した。僧は遂翁に相見し、遂翁も喜んで印可した。そして、この僧は琉球に帰って行った。その後、遂翁は、嗣法の書を送ったという。
孔子さまも、
「憤(ふん)せずんば啓(けい)せず、悱(ひ)せずんば発(はっ)せず」
と言っておられるが、この僧こそ、この言葉の通りではないか。


開悟できなければ「死んでしまえ」とは、少々乱暴で、今の世でこんなことを言えば、過剰指導だ、「パワハラ」だと訴えられるかも知れませんが、禅の修行では、「大死一番」、死んだと思って徹底的に参究せよと言われるものです。だからこそ、新聞記事のように騒ぎ立ててもすぐ忘れられるものではなく、このような話が逸話となって語り継がれていくのでしょう。

 

※写真は遂翁元盧筆/遂翁元盧画・頑極禅虎賛「南泉一円相図」(禅文化研究所蔵)。禅文化研究所デジタルアーカイブズ「禅の至宝」より

 

by admin  at 08:53  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)
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