トップページ » 2014年12月18日

『ヴァンダナ・シヴァの いのちの種を抱きしめて』


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「No seed freedom,no freedom for us.」
Vandana SHIVA(環境哲学者)

「種の自由無しに、人間の自由は無い」。
我々の命を支える、元の元といえば、種ですね?!

今、世界では、農民が種を保存するというごく当たり前に思える権利が、モンサントを始めとする種の独占企業により脅かされています。

人類がはるか昔から種を採取、保存し、自分達の食べる物を大地を耕し作ってきた、延々と続けられてきたその営みを、その権利を農民から奪い取り、農薬で大地を汚し、神の領域とも思える遺伝子の組み換えを行ない続ける…そんな企業があるのです。
実際、種の自家採取を禁じられ、毎年高騰し続ける種代を支払えず、大地は汚染で作物が育たなくなってゆき、インドのコットン農家が自殺する例が後を絶たない事は、以前から私の耳にも入っていました。

そんな現状に警鐘を鳴らし続けるインドのヴァンダナ・シヴァ博士のDVD、『いのちの種を抱きしめて』を拝見する機会をいただきました。
暴力的ともいえる種の支配に対し、彼女の闘い方は、インド独立の父・ガンディーに倣い、徹底して非暴力を貫き、“愛するものを抱きしめる”事により、守るとか。
実際、彼女のまなざしやことば、論理、どれを取っても愛に満ちていて、全身全霊で話されているのが伝わってくる為、聴いている者まで愛に包まれるかのよう。時に厳しく、時に優しく、まるで母なる大地のような人なのでした。

食の元である種が脅かされるとは、典座を最も大切にする禅宗においても、これは大きな事件では無いでしょうか。
種の自由無しに、己事究明無し。

意外と、日々の何気ない買い物が、実はインドのコットン農家を自殺に追い込んでいたり、どこかで武器に替わっていたりするという事はままある事です。
今までも少しは意識していたつもりですが、また新たな気持ちで、私なりに、こういった事実が世界にはあるのだという事を友人知人に伝え、できる限り自家採取で農薬を使わず野菜を育てている農家を応援するなど、日々の小さな選択を、行動を積んでゆきたいと思います。

ヴァンダナ・シヴァ女史のDVDはこちらから購入できます。
さらに私はヴァンダナさんと一緒にこのDVDに出演され、発する言葉の回数は少なくとも、その全てがこちらに響いてどうしようもなかったインドの哲学者、サティシュ・クマール先生のDVDも購入。もう夢中で、届くのを今か今かと心待ちにしているところです。

これは是非とも、禅宗の僧侶方や、一般在家の人にご覧いただきたいと強く願っています。

by admin  at 09:00  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)