トップページ » 2011年1月17日

雑感とオススメの本




110117.jpg

最近、テレビを見ていません。ニュースくらいは見ておこうとつけていても、昨今の日本の政治の悲しき現実、残酷なニュースが番組のほぼ大半を占め、「時間の無駄だな。私には必要ないな」と手放しました。知りたい情報はいくらでもネットで集められる時代です。

残酷な事件が起きたりすると、似たような事件が連続して起こる事もあります。ああいった事件を過剰に報道しすぎるのはどうかと思います。
「消えた高齢者問題」に関して言えば、世に隠れていたずさんなものが明るみに出るという意味では、ニュースが大きな役割を果たしたのかもしれませんが、重要なのは、本当にその後、政府や自治体が対策に取り組んだのか。どのような制度ができあがり、対策が取られ、続けられているのかという事だと思うのですが、さわぐだけさわいで、いつの間にか本質は忘れ去られ、新たに起きた刺激的なニュースばかりを番組は取り上げ、我々視聴者の方も、新しい刺激にくぎ付けになったりします。
なんだか、空しくはないでしょうか。

大学生時代のドイツ語の教科書に、ドイツのとある研究者の言葉が載っていたのですが、いまだに私の頭から離れません。

子どもがテレビを見ている時、親は集中して静かに見ていると喜んでいるかもしれませんが、考える猶予も無く与え続けられる連続的で一方的な刺激に、半ば放心状態となっているだけなのです。

これが本当かどうかは私にはわかりませんが、禅の修行生活でも、もちろん本を読む事もありますが、実践や実体験などが重要視され、実際にやってみて、感じる事を大切にします。今までの祖師方でも、「本を読んでいて(テレビを見ていて)悟った」などというのは、私の知る限り聞いた事がありません(読書はもちろん大事ですが)。

忙しくて、子どもにテレビやDVDを見させている間に家事を…という方は多いと思いますし、実際問題仕方がない事があるのだと思います。
ですが、少し意識を変えて、最初は時間がかかってイライラしても、掃除でもお料理でも、子どもに手伝ってもらい、一緒に体験する。暖かい部屋でテレビ…ではなく、外へ出て寒さを体感し、この時期の植物がどうなっているのかを見てみる。など、少しテレビの世界から離れて実体験を大切にしてもらえたら…と思う今日この頃です。

朝早くから美しく掃き清められ、季節の花々に溢れる禅寺の雰囲気などから、敏感な子どもは様々な事を吸収するでしょう。是非お近くのお寺へも足を運んでみてください。

子育て中の方、そうでない方にも本日是非オススメしたいのは、盛永宗興老師による『子育てのこころ』です。忘れ去られかけている大切なことが、易しい言葉でたくさん綴られています。

雑感とオススメの本の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)