トップページ » 2010年10月21日

秋佗ぶ -北村美術館-




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いつもその展観の名に、どんなお道具が並ぶのかと楽しみな北村美術館にて、秋の展観が始まっています。

-秋佗ぶ-
洋の東西をとわず人間の感性には、秋が深まるほどに佗びしさが募るところがあります。そのような思いを取り合わせの展示のなかに含め、秋季展の企画をいたしました。

との事。なんとなくものがなしい秋。春から夏にかけて生き生きと生命力を湛えたものが、だんだんと朽ちてゆく様を見るこの季。
それでも、四季ある国に生まれた私達は、それも循環の一つで、秋に朽ちゆくものたちに、わびしさや儚さのみを見るのではなく、朽ちゆくものたちの“美”を知っています。そこからまた新たに始まる再生をも知っているからでしょうか。
朽ちゆくものも、消えてなくなって終わりではない、そこからまた新たに何かが…という循環の感覚。
祖先から受け継いで来た感覚というものは、時代を経ても変わらぬものなのでしょうか。大切にしたいものです。

今回の展示は、この“秋”の気持ちを存分に味わえるようなものとなっています。
その季節を存分に味わい、季節の移り変わりと共に自分自身をみつめる。そのサイクルを繰り返し、人生を味わい深いものにしてゆく。
いつもいつも、茶の湯の道とはどえらいもんだなぁ…と思わざるを得ないのでした。

12/5まで

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)