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朝鮮の壺 -高麗美術館-




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雨の中、京都市北区にある高麗美術館へと足を運んだ。
韓国の石文化を意識して作られた庭は、石たちもしっとり、また違う風情で一段と美しく……。

現在、-朝鮮の壷-と題して、様々な時代の、様々な人々に、様々な用途で使われた壷壷壷!が展示されている(4月4日まで)。
身分の差による作りや描かれる画の違いなど、興味深いものだが、雑器のような壷にはまたその壷の良さがあり、朝鮮のこういった類のものを見ていると、日本に民芸運動をもたらすきっかけとなったのだ……と感慨もひとしおである。
民芸運動といえば、まず柳宗悦を思う皆さんが多いとは思うが、その前に、浅川伯教・巧兄弟の存在があったことを忘れてはならない。
もう10年も前になるだろうか……李朝の白磁に興味を持ちながらも何も知らなかった大学生の私であるが、ある骨董屋の店主から、日本の植民地統治下の朝鮮に渡り、朝鮮の人々にこよなく愛され、朝鮮の大地に眠る事となった浅川巧(たくみ)さんの生涯を描いた小説、『白磁の人』を読んでご覧なさい……といただいたのが懐かしい。

高麗美術館や、東洋陶磁美術館など、朝鮮の物が多く収蔵されている美術館に行かれる前には、是非とも読んでいただきたい一冊である。
余談だが、高麗美術館までゆかれるのなら、茶室建築の巨匠、中村外二工務店が手がけた茶室のような空間の店舗をもつ、御倉屋の和菓子を買いにゆかれる事もオススメしたい。また、和菓子よりも洋菓子!という方には、その並びにある、ドイツ菓子マイスターの店主が作るズーセス・ヴェゲトゥスのバームクーヘンをオススメしたい。まさに本場ドイツと同じ味!で、店主の人柄も素晴らしく、大変気に入っている店である。

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by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)