Jul 17
2009
聖なる川 ガンジス -インド-
映画『おくりびと』の主役、本木雅弘さんは、この川を見て、インドの事を書いた自著の中に、青木新門さんの著書『納棺夫日記』にあった一文を引用させて欲しいと申し出られたそうだ。
その一文というのが下記。
何も蛆の掃除までしなくてもいいのだが、ここで葬式を出すことになるかもしれないと、蛆を掃き集めていた。蛆をはき集めているうちに、一匹一匹の蛆が鮮明に見えてきた。そして捕らわるまいと必死に逃げているのに気づいた。柱によじ登っているのまでいる。蛆も命なのだ。そう思うと蛆たちが光って見えた。
(上記は、妙心寺発行の『花園』4月号 青木新門氏による特別寄稿文より)
当時まだ二十代であった本木さんが、この川を見て悟った死生観があり、そんな彼が主役を演じたからこそ、映画『おくりびと』は万人の心を打つ映画となったのだろう。
情けないかな、私はというと……