Mar 17
2009
面壁坐禅しない臨済宗 -映画『禅 ZEN』を機会に-
以前の映画『禅ZEN』の感想にて、道元禅師の曹洞宗と、我らが臨済宗とでは坐禅の方法が違う云々…という事を少し書いたが、今日はそれについて触れたいと思う。
映画「禅 ZEN」でも禅堂でのシーンが何度も出てくるが、臨済宗との坐禅方法の違いを一言で言うと、曹洞宗では面壁といって、壁に向かって坐る。臨済宗はその反対で壁を背にして坐るのである。
禅宗初祖である達磨大師は面壁九年といって、洞窟の壁に向かって九年も坐禅をされていたというから、面壁が根本にあるのだろうし、江戸時代に発行された臨済宗の無著道忠著『小叢林略清規』にも、面壁で坐ることをつとめて行なうようにと書いてある。