Apr 25
2008
小さな山寺の温かな晋山式
今までこのお寺には尼僧さんが住まわれていたが、一昨年の夏、お盆の施餓鬼法要の翌日に急逝された。
生前、この庵主さまから、「どうか私が亡きあとの後住を探して欲しい」と、法類である私に懇願されていたのであるが、亡くなられたあと、ご縁あって、間をおかずに後住を探し出せたことは本当に幸いで、心からうれしく思っているのである。
なぜなら、このお寺にはいわゆる檀家さんがないのである。
であるのに、8年前に本堂が建て替えられたばかりで、庫裡も建て替えられて20年も経過していない。
実はこのお寺のある自治区の人たちは、このお寺を村のお寺だとして大切に思い、各家にはそれぞれ別に他宗の願い寺があるにもかかわらず、本堂や庫裡の建築資金を負担し、庵主さまの生活費も負担してこられたという。
したがって、このお寺が無住になってしまわないようにしたいというのは、老いた庵主さんはもちろん、村人たちの悲願であったのだ。