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研究所の蔵書

研究所の蔵書1

当研究所には、寄贈を受けたり購入したりした蔵書が相当数ある。近代以降の洋装本が主であるが、江戸時代を中心とする和装本もかなりの量にのぼる。

江戸時代の出版物は、当時の物価から考えても、かなり高価なものだったようだ。それにもかかわらず、さまざまな書物の出版がなされ、需要もあったことを考えると、江戸時代の文化水準ははなはだ高かったと感じざるを得ない。
 
明治以降あまり顧みられることのなくなった文献も、江戸時代の人はその価値を見抜き、苦労して出版した。そして実に丹念に読んでいる。

それは、行間の書き込みなどからもうかがえる。昔の学者の解釈には、現在の研究水準から見ても全く遜色ないものも多々ある。 

仕事上、これらの和装本のお世話になることが多い。江戸時代の出版者や学者の恩恵を肌身で感じる毎日である。

研究所の蔵書2

by admin  at 07:30
コメント
  1. これでも一部なんでしょうが、すっごい数の蔵書ですねー。虫干しとか大変じゃないですか?うちのお寺でも、図書室というか、禅関係の書籍を収蔵した文庫があるんですが、さすがに和装本はないです。江戸時代の出版者や学者が遺したものが、ちゃんとこうして現代の研究者の手元で大事に保管・活用されてるんですね。うーん、敦煌の莫高窟の例に見るまでもありませんが、こうした文献の保存って、ホント重要ですね。

    話し飛びますが、この間(去年?)タイの国立仏教局が、国王在位60周年を記念して、バンコクに仏教図書館を開館したってニュースをネットで見つけましたが、曰く「今後、世界の仏教研究の中心地となることが期待されており、英語でのオンラインコンテンツを開発する計画も」とのこと。日本にもこういう機関があればいいですね。

    by kanno  2007年9月 7日 12:55
  2. Kanno様
    いつもコメントありがとうございます。
    写真は和書ばかりをあつめた閉架図書の一部です。なかなか虫干しなどはできませんが、専用の防虫剤で対応しております。
    和書を開くと中から乾ききった銀杏の葉が出てくることがあります。これは銀杏の葉が防虫効果があると知って入れられた、古人の知恵のようです。
    そこでこの秋には職員で銀杏の葉を拾ってきて、本に挟み込もうかと話しているところです。

    ちなみに、銀杏の葉はまっ黄色に紅葉したものでないと駄目だそうです。

    by 禅文化研究所  2007年9月 9日 17:53
  3. どのようなお仕事をされているのかの興味で初めて拝見しました。蔵書保管の写真を見ますと、かなりの量と本の痛みが気になります。酸性紙を使った本は年月を経てぼろぼろになります。
    仕事柄図書管理と蔵書保存の提案などしていますので気になりました。今はそのような心配は無いですか?

    by 佐藤 佳男  2008年3月 7日 09:18
  4. 佐藤さま、コメントをいただきありがとうございます。
    お心遣いありがとうございます。
    このブログであげている写真は、弊所の資料室の閉架室で貴重書です。
    一部洋本もありますがほとんどが古い和本で、仰るような酸性紙が使われているものではありません。もちろん開架図書には酸性紙でできた洋書が多くあるかとは思いますが。
    少ない予算でなかなか大変ではありますが、管理にも気をつけるようにいたしております。
    大切な資料ですが、眠らせておくだけではなく有効に利用してまいりたいものです。

    by 禅文化研究所  2008年3月 7日 09:42
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