公益財団法人 禅文化研究所

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白馬蘆花に入る
細川景一(花園大学前学長・禅文化研究所元理事長)
46判上製/292頁
定価:2,200円(税込)
ISBN978-4-88182-158-9 C0015
発行日:2001/11/24
禅語の解説本としてはめずらしく、四季に分けてそれぞれの季節ごとに味わい深い禅語を収録しました。四季ある国に住む私たちだからこそ味わえるような禅語の情景、またその美しい情景の奥にある真の意味を知り、普段の生活においても、四季を感じ、禅語の意味から生きる糧、ヒントを得ていただきたいです。

序 松原泰道
まえがき
第一章 春
白馬蘆花に入る/風暖かにして鳥声砕け、日高くして花影重なる/電光影裏に春風を斬る/春は千林に入る処々の花、秋は万水に沈む家々の月/野火焼けども尽きず、春風吹いて又た生ず/尋常一様窓前の月、纔かに梅花有れば便ち同じからず/明々たり百草頭、明々たり祖師意/猿は子を抱いて青嶂の後に帰り、鳥は花を啣んで碧巌の前に落つ/春色高下無く、花枝自ずから短長/山は呼ぶ万歳の声/江国の春風吹き起たず、鷓鴣啼いて深花裏に在り/春風に悩乱して卒に未だ休せず/ 湯に冷処無し/疏影横斜水清浅、暗香浮動月黄昏/浄 々、赤洒々/獅子吼/壺中日月長し/無事是れ貴人/石圧して笋斜めに出で、岸に懸かって花倒に生ず/応に住する所無うして其の心を生ず/水を掬すれば月手に在り、花を弄すれば香衣に満つ/天上天下唯我独尊/無/雨ならずして花猶お落つ、風無くして絮自ずから飛ぶ/直指人心、見性成仏
第二章 夏
薫風自南来、殿閣微涼を生ず/天下の人の与に陰涼と作らん/慧玄が会裏に生死無し/即心是仏――心に即する是れ仏なり/放下著/一切唯心造/不立、教外別伝/春に百花有り秋に月有り、夏に涼風有り冬に雪有り若し閑事の心頭に挂くる無くんば、便ち是れ人間の好時節/諸の悪を作すこと莫かれ、衆の善を奉行せよ/ 啄同時/莫妄想/千里の目を窮めんと欲して、更に上る一層楼/六月に松風を買わば、人間恐らく価無からん/東山水上行/安禅は必ずしも山水を須いず、心頭を滅却すれば火も自ずから涼し/一日作さざれば一日食らわず/窮すれば則ち変じ、変ずれば則ち通ず/日々是れ好日/聖朝に棄物無し/鉢盂を洗い去れ/芭蕉葉上に愁雨無し、只だ是れ時の人聴いて断腸す/直心是れ道場/曹源の一滴水/渓声便ち是れ広長舌、山色豈に清浄身に非ざらんや/鉄鈷三台に舞う
第三章 秋
青山元と動かず、白雲自ずから去来す/竹密にして妨げず流水の過ぐるを、山高くして豈に白雲の飛ぶを礙げんや/始め芳草に随って去り、又た落花を逐うて回る、羸鶴、寒木に翹ち、狂猿、古台に嘯く/月白く風清し/籠頭を脱却し角駄を卸す/車を停めて坐ろに愛す楓林の晩、霜葉は二月の花よりも紅なり/江月照らして松風吹き、永夜の清宵何の所為ぞ/泉声中夜の後、山色夕陽の時/微風幽松を吹く、近く聴けば声愈好し/吾が心秋月に似たり、碧潭清うして皎潔たり、物の比倫に堪うる無し、我をしてが説かしめん/竹影 を掃って塵動かず、月潭底を穿って水に痕無し/雲は嶺頭に在って閑不徹、水は 下に流れて太忙生/絶学無為の閑道人/相送って門に当たれば脩竹有り、君が為に葉々清風を起こす/水月道場に坐して、空華の万行を修す/月は青天に在って水は瓶に在り/日面仏、月面仏/主人公/如今抛擲す西湖の裏、下載の清風誰にか付与せん/随処に主と作れば、立処皆な真なり/平常心是れ道/渓澗に流菜を拾う/対するに堪えたり暮雲の帰って未だ合せざるに、遠山限り無く碧/清、白/山花開いて錦に似たり、澗水湛えて藍の如し
第四章 冬
紅炉上一点の雪/雲門餬餅/両頭倶に截断して、一剣天に倚って寒じ/麻三斤/百雑砕/大死底の人/荷尽きて已に雨を〓ぐるの蓋無く、菊残って猶お霜に傲る枝有り/龍吟ずれば雲起こり、 虎嘯けば風生ず/他は是れ吾にあらず/趙州の露刃剣、寒霜光焔々たり/対一説/林下十年の夢、湖辺一笑新たなり/喝/独坐大雄峰/巌谷に松を栽う/八角の磨盤空裏に走る/長者は長法身、短者は短法身/脚下を看よ/雲を耕し月に種く/心は万境に随って転ず、転処実に能く幽なり、流れに随って性を認得せば、喜も無く復た憂も無し/古人刻苦光明必ず盛大なり/風吹けども動ぜず天辺の月、雪圧せども摧け難し澗底の松/好雪として別処に落ちず/看よ看よ臘月尽く/一糸独り釣る寒江の雨
あとがき

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