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-各月の禅語とうたの紹介-
1月
慈眼視衆生 福聚海無量
(「観音経偈」)
2月
春半ばなるに秋の如し 意転た寒し
鶴林樹上 月 西に残る
(雲居希膺「仏涅槃」偈頌
3月
長年痴坐す 金毛の背
誰か信ぜん 曾て七仏の師と為ることを
(寂室元光「文殊大士」賛)
4月
天上人間 瑞気を増し
山河大地 祥光を発す
(愚堂東寔「釈迦点眼」法語)
5月
牡丹花下の睡猫児
心は舞蝶に在り
(『宗門方語』)
6月
夕陽の村落 牧して帰る童
手に牛鞭を挙げ 曲がって弓に似たり
(南江宗沅「渡河牧牛」)
7月
免れず 人に描画せられ了ることを
驢年 夢に見る 趙州の茶
(北礀居簡「羅漢」頌)
8月
水に臨む芙蓉 露未だ晞かず
鴛鴦浮かんで小紅の衣を弄す
(蘭坡景茝「秋水芙蓉」頌)
9月
和光の神威 弓箭を把る
白髪翠顔 年を記せず
(悦堂智鈍賛)
10月
少室峰前 九年瞎睡す
乱りに道う 神光 吾が髄を得たると
(夢窓疎石「達磨」)
11月
鴉 柿子を啣えて 師の前に落とす
各一半を分かつ 甘きこと蜜の如し
(「祐禅拈柿話」古徳頌)
12月
只だ雪の消え去ることを得ば
自然に春は到来せん
(『禅林句集』)