所蔵墨蹟の修復

 

blog__BKL5910.jpgこちらは禅文化研究所の資料室にある閉架図書室です。弊所にはこのように、開所以来、少しずつ数を増やしてきた所蔵書画軸があります。弊所の創立五十周年記念に発刊した『禅の至宝 禅文化研究所所蔵品図録』には、それらをすべて網羅しました。
しかしながら、中には、折れがあったり虫損があったりする軸の状態の悪いものがあり、近年、事業の一環としてこれらの修復も順次行なってきています。

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たとえば、上のこの墨蹟、白隠禅師の高弟である霊源慧桃禅師の書「應無所住而生其心」(出典:『金剛経』)ですが、ご覧の通り本紙に折れがあったり軸にシミがあったりします。函も防虫性の高い桐製ではないですし、軸の外側もかなり痛んでいます。

blogDSC04426.jpgそこで、このたびの修復の対象として、表具をしなおし、太巻きにして函も換えるということになりました。同じように修復を行なうものが今回は8本。先般、それらが修復されてきました。

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blog_BKL5905.jpg折れもきれいに修復され、表具や函も一新。またこれで、長い時間、保存していくことが可能になりました。
禅文化研究所で行なっているデジタルアーカイブズ事業で調査させていただくときも、こういった、重要でありながら痛みのひどいものは調書に記し、最終的に所蔵者にもお知らせするようにしています。そうすることによって、徐々にでも所蔵品の修繕をすることができるようになり、ご好評をいただいています。

 

by admin  at 09:00
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